JP6667413B2 - 吐出ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、吐出ポンプに関する。
従来から、下降端位置に位置している押下ヘッドの意図しない回転操作が防止された吐出容器が知られている。
例えば、下記特許文献1に示される吐出容器は、ステムの上端部に装着されると共に下降端位置でステム挿通筒に螺着される押下ヘッドと、容器本体の口部、装着キャップ及び押下ヘッドを外側から囲む筒状のカバー体と、を備えている。
カバー体は、縦長の窓孔内に押下ヘッドのノズル筒を挿通させた状態で、嵌合孔内に容器本体の口部に形成された係合突部が嵌合されることで装着されている。カバー体には、破断可能な弱化部を介して除去片が接続されている。これにより、弱化部を破断しながら除去片をカバー体から毟り取るように除去することで、カバー体を取り外すことが可能とされている。
このように構成された吐出容器では、カバー体を利用して、下降端位置に位置している押下ヘッドが不意に回転操作されてしまうことを防止しており、押下ヘッドの螺着が意図せずに解除されてしまうことを防止している。従って、例えば商品流通時や未使用時等に、カバー体の有無によって、開封されたか否かを判別することが可能とされている。
特開2006−89110号公報
しかしながら上記従来の吐出容器では、カバー体を具備しているために、吐出容器の組み立てに手間がかかり易く、組立作業性に課題があった。
例えば、吐出容器の組み立てを行う場合には、内容物が充填された容器本体に対して、ステム挿通筒に押下ヘッドを螺着させた状態で予め組み立てられたユニットを、装着キャップを介して装着する。その後、窓孔にノズル筒を通しながらカバー体を押下ヘッドに被せるように装着し、嵌合孔内に容器本体側の係合突部を係合させることで、カバー体を取り付ける。
このように、カバー体の取り付け作業を単独で最後に行う必要があるうえ、ノズル筒との干渉を避けながらカバー体を一旦押下ヘッドに被せた後に、嵌合孔内への係合突部の係合を行う必要があり、カバー体の取り付けを行うにあたり、複雑な作業が必要となってしまう。従って、吐出容器の組み立てに手間がかかり、組立工数が増大し易かった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、開封されたか否かの判別を行うことが可能であるうえ、組立作業性に優れた吐出ポンプを提供することである。
(1)本発明に係る吐出ポンプは、内容物が収容される容器本体の口部に装着される装着キャップと、前記装着キャップの内側に、上方付勢状態で下方移動可能に挿通されたステムを有するポンプと、前記ステムの上端部に装着されると共に、内容物を吐出する吐出孔が先端に形成された吐出ノズルを有する有頂筒状の押下ヘッドと、下降端位置に位置する前記押下ヘッドが螺着され、前記押下ヘッド及び前記ステムの上方移動を規制する規制筒と、を備え、前記押下ヘッドは、前記規制筒に螺着される下側ヘッド筒と、前記吐出ノズルが形成されると共に内側に前記下側ヘッド筒が配設される上側ヘッド筒と、を備え、前記規制筒には、前記ステムの中心軸線回りに沿う周方向に延在し、且つ前記上側ヘッド筒の周壁部に沿って配設された除去片が、破断可能な第1弱化部を介して連結されている。
本発明に係る吐出ポンプによれば、吐出ノズルが形成された上側ヘッド筒の周壁部に沿って除去片が配設されているので、例えば除去片が取り付けられている状態で、規制筒に対して押下ヘッドを緩み方向に回転させた場合には、除去片に対して応力が作用し易く、第1弱化部が破断され易い。従って、第1弱化部の破断の有無を視認することによって、例えば商品流通時や未使用時等に、押下ヘッドの螺着が緩んで開封されたか否かを容易に判別することができる。
特に押下ヘッドは、下側ヘッド筒及び上側ヘッド筒の2部品で構成されている。そのため、例えば下側ヘッド筒を規制筒に螺着した後に、下側ヘッド筒に対して上側ヘッド筒を打栓等によって押下することで、下側ヘッド筒に対して上側ヘッド筒を一体に組み合わせることができる。従って、規制筒に除去片が一体に形成されていたとしても、除去片の制約を受けることなく下側ヘッド筒と上側ヘッド筒とを組み合わせることができるうえ、吐出ノズルの制約を受けることなく、下側ヘッド筒と上側ヘッド筒とを組み合わせることができる。さらに、下側ヘッド筒に関しては、従来同様に螺着によって組み立てを行い、上側ヘッド筒に関しては打栓等によって組み立てを行えるので、現行の組立製造装置を流用することが可能である。
これらのことから、組み立て工数の増大を抑えることができると共に、容易な組み立てを行うことができる。
なお、吐出ポンプを使用する場合には、第1弱化部を破断して除去片を規制筒から切り離した後、規制筒に対して押下ヘッドを緩み方向に回転させることで、規制筒に対する押下ヘッドの螺着を解除することができる。これにより、押下ヘッドを下降端位置から上昇端位置に移動させることができる。その結果、押下ヘッドを押し下げ可能な状態に移行させることができ、内容物の吐出を行える。
(2)前記除去片には、破断可能な第2弱化部が形成され、前記除去片は、前記第2弱化部の破断により周方向に分断可能とされても良い。
この場合には、第2弱化部を破断することで除去片を周方向に分断できるので、例えば除去片が環状に形成されていたとしても、除去片を規制筒から取り外すことができる。
例えば第1弱化部を破断して除去片を規制筒から切り離した後に、除去片を周方向に分断することで、除去片を規制筒から取り外すことができる。或いは、第1弱化部を破断する前に、第2弱化部を破断して除去片を周方向に分断し、その後、分断された除去片について第1弱化部を破断しながら規制筒から取り外すこともできる。
いずれにしても、除去片を周方向に分断できるので、規制筒から除去片をスムーズに取り外すことができ、除去片を気にすることなく吐出ポンプを使用することができる。従って、使い易さを向上することができると共に、除去片を取り外した分、外観性を向上することができる。
(3)前記上側ヘッド筒の周壁部と前記除去片との間には、互いに周方向に係合し合い、前記上側ヘッド筒及び前記除去片の相対的な回転を規制する回り止め部が各別に形成されても良い。
この場合には、押下ヘッド及び除去片を共回りさせることができるので、規制筒に対して押下ヘッドを緩み方向に回転させることで、規制筒に対して除去片を周方向に移動させることができる。そのため、第1弱化部に応力(回転力)を作用させ易く、第1弱化部を破断し易い。このように、押下ヘッドの回転操作を利用して第1弱化部を破断することができるので、規制筒に対する除去片の切り離し作業を容易に行うことができる。
また、商品流通時や未使用時等に、例えば規制筒に対して押下ヘッドを緩み方向に回転させるような外力が押下ヘッドに加わったときに、第1弱化部が破断され易い。そのため、第1弱化部の破断の有無に基づいて、押下ヘッドの螺着が緩んで開封されたか否かを容易に判別し易くなる。
(4)前記第1弱化部は、周方向に間隔をあけて複数形成され、前記上側ヘッド筒の周壁部には、周方向で互いに隣り合う前記第1弱化部同士の間に位置すると共に、前記除去片の下端縁の下方に位置する突起部が形成されても良い。
この場合には、規制筒に対して押下ヘッドを緩み方向に回転させることで、突起部が螺旋状に移動、すなわち、周方向に移動しながら上方に移動するので、突起部は除去片の下端縁に対して下方から接触した後、除去片を規制筒から離間させるように徐々に押し上げる。これにより、第1弱化部に応力を作用させて第1弱化部を破断させることができる。このように、押下ヘッドの回転操作を利用して第1弱化部を破断できるので、規制筒に対する除去片の切り離し作業を容易に行うことができる。
しかも、突起部が螺旋状に移動することで、第1弱化部に対して突起部を周方向から接触させることもできるので、突起部によって第1弱化部を破断させることもできる。従って、この点においても、規制筒に対する除去片の切り離し作業を容易に行い易い。
また、第1弱化部の破断の有無に基づいて、押下ヘッドの螺着が緩んで開封されたか否かをさらに容易に判別し易くなる。
(5)前記除去片は、前記上側ヘッド筒の周壁部の外側に配設されても良い。
この場合には、除去片自体を外部から視認することができるので、除去片の有無に基づいて開封されたか否かを容易且つ一目で判別し易い。また、吐出ポンプを使用する際に、第1弱化部を破断し易くなるので、規制筒に対する除去片の切り離し作業を容易に行い易い。
本発明によれば、開封されたか否かの判別を行うことが可能であるうえ、組立作業性に優れた吐出ポンプとすることができる。
本発明に係る吐出ポンプを具備する吐出容器の第1実施形態を示す半縦断面図である。 図1に示す吐出ポンプ周辺を拡大した半縦断面図である。 図2に示す吐出ポンプの上面図である。 図2に示す除去片の斜視図である。 本発明に係る吐出ポンプの第2実施形態を示す半縦断面図である。 図5に示す吐出ポンプの上面図である。 本発明に係る吐出ポンプの第3実施形態を示す半縦断面図である。 図7に示す吐出ポンプの上面図である。 図7に示す状態から、第1弱化部が破断することにより除去片が規制筒から切り離されて下降した状態を示す図である。 本発明に係る吐出ポンプの第4実施形態を示す半縦断面図である。 図10に示す吐出ポンプの上面図である。 本発明に係る吐出ポンプの第5実施形態を示す半縦断面図である。 図12に示す状態から、第1弱化部が破断することにより除去片が規制筒から切り離されて下降した状態を示す図である。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る吐出ポンプの第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の吐出ポンプ10は、内容物が収容される有底筒状の容器本体2の口部5に装着される筒状の装着キャップ11と、装着キャップ11の内側に、上方付勢状態で下方移動可能に挿通されたステム12を有するポンプ13と、ステム12の上端部に装着されると共に、内容物を吐出する吐出孔14が先端に形成された吐出ノズル64を有する有頂筒状の押下ヘッド15と、下降端位置P1に位置する押下ヘッド15が螺着され、押下ヘッド15及びステム12の上方移動を規制する筒状の規制筒16と、を備えている。
規制筒16は、該規制筒16に一体に形成された後述する除去片70によって、下降端位置P1に位置する押下ヘッド15の回転移動を規制することで、押下ヘッド15及びステム12の上方移動を規制している。
なお、吐出ポンプ10及び容器本体2で吐出容器1を構成する。
ステム12及び押下ヘッド15は、未使用時等の段階では下降端位置P1に位置していると共に、押下ヘッド15が規制筒16に螺着によって保持されることで回転移動(上昇移動)が規制された状態とされている。一方、使用段階では、押下ヘッド15はステム12と共に上昇端位置P2に位置して、押下のための待機状態に移行する。
なお、容器本体2、装着キャップ11、ステム12、押下ヘッド15及び規制筒16は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置された状態で配設されている。本実施形態ではこの共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿った押下ヘッド15側を上側、容器本体2の底部側を下側という。
また、容器軸O方向から見た平面視において、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。さらに、周方向のうち、吐出容器1の上面視で容器軸Oを時計回りに周回する方向を第1回転方向M1、その反対側を第2回転方向M2という。
容器本体2は、図示しない底部、胴部3、肩部4及び口部5を有する有底筒状に形成されている。図示の例では、胴部3の上端部が肩部4との接続部分に向かうにしたがって漸次拡径するように形成され、肩部4が径方向外側に張り出すように形成されている。
ただし、容器本体2の形状はこの場合に限定されるものではない。また、胴部3の形状としては、例えば横断面視円形状、楕円状や多角形状であっても良く、特定の形状に限定されるものではない。
口部5の外周面には、装着キャップ11が螺着される第1ねじ部6が形成されている。第1ねじ部6は、容器本体2に対して装着キャップ11を第1回転方向M1に相対的に回転させた際に、装着キャップ11が締め込まれるように螺旋状に形成されている。そのため、第2回転方向M2が装着キャップ11の緩み方向となる。
口部5の外周面には、第1ねじ部6よりも下方に位置する部分に、径方向外側に向けて突出した環状突起7が形成されている。なお、環状突起7は、口部5と肩部4との接続部分よりも上方に位置している。
図1及び図2に示すように、ポンプ13は、上記ステム12と、容器本体2の口部5内に挿入された状態で装着キャップ11によって保持され、ステム12が上方に向けて立設されたシリンダ20と、ステム12に連係すると共にシリンダ20内に上下摺動可能に嵌合された図示しないピストンと、を備えている。
シリンダ20は、容器軸Oと同軸に配置され、上方から下方に向かうにしたがって段階的に縮径した多段の筒状に形成されている。
シリンダ20の上端部には、径方向外側に向けて突出するフランジ部21がシリンダ20の全周に亘って環状に形成されている。フランジ部21は、容器本体2の口部5の上端開口縁上にパッキン22を介して配置されている。これにより、シリンダ20は容器本体2の口部5内に挿入された状態で支持されている。
シリンダ20には、フランジ部21の内周縁部から上方に向けて延びた突出筒部23が容器軸Oと同軸に形成されていると共に、フランジ部21よりも下方に位置する部分に容器本体2内とシリンダ20内とを連通する空気孔24が形成されている。シリンダ20の下端部には、下方に向けて延びた吸込み筒部25が容器軸Oと同時に形成されている。吸込み筒部25内には、内容物を吸上げるチューブ体26が嵌合されている。
シリンダ20内には、シリンダ20の下端開口を開閉する図示しない弁部材、及びステム12を上方に向けて付勢する図示しないコイルばねが配設されている。
弁部材は、チューブ体26の上方に位置するように配置されている。弁部材は、シリンダ20内の加圧時に、シリンダ20の下端開口を閉塞した状態に維持し、且つシリンダ20内の減圧時に、シリンダ20の下端開口を開放する逆止弁とされている。これにより、シリンダ20内の加圧時に、シリンダ20内の内容物がシリンダ20の下端開口を通じて容器本体2内に戻ることが規制され、且つシリンダ20内の減圧時に、容器本体2内の内容物がシリンダ20の下端開口を通じてシリンダ20内に流入することを許容している。
ピストンは、シリンダ20の内周面に密に摺接され、ステム12に伴ってシリンダ20内を上下動する。コイルばねは、例えばピストンと弁部材との間に配設され、ピストンを介してステム12を上方に付勢している。シリンダ20内におけるステム12上には、ステム12とシリンダ20との間に画成され、上記空気孔24に連通する環状空間が形成されている。
装着キャップ11は、キャップ筒31及びキャップ筒31の上端部に連設された環状の天壁部32を有する有頂筒状に形成されたキャップ本体30と、キャップ本体30の下方に配置され、破断可能な連結弱化部35を介してキャップ本体30に連結された封印リング36と、を備えている。
キャップ筒31は、容器本体2の口部5のうち環状突起7よりも上方に位置する部分を径方向外側から囲繞している。キャップ筒31の内周面には、容器本体2の口部5に形成された第1ねじ部6に螺着する第2ねじ部33が形成されている。
天壁部32はシリンダ20のフランジ部21上に配置されている。これにより、シリンダ20は、装着キャップ11によって保持されると共に上方への抜けが防止されている。なお、天壁部32の内側にはシリンダ20の突出筒部23が挿通されている。
封印リング36は、環状突起7、及び容器本体2の口部5のうち環状突起7よりも下方に位置する部分を径方向外側から囲繞するリング本体37と、リング本体37の内周面から径方向内側に向かって突出すると共に、周方向に間隔をあけて複数形成された突起片38と、を備えている。
リング本体37は、環状突起7との間に隙間をあけた状態で容器本体2の口部5を囲繞している。図示の例では、リング本体37は上方から下方に向かうにしたがって漸次拡径した断面テーパ状に形成されている。
連結弱化部35は、リング本体37の上端開口縁とキャップ筒31の下端開口縁との間に形成され、リング本体37とキャップ筒31とを容器軸O方向に一体に連結している。図示の例では、連結弱化部35は周方向に間隔をあけて複数形成されていると共に、封印リング36側から上方に向かうにしたがって径方向に沿った厚みが漸次薄くなるように形成され、且つ周方向に沿った周幅が漸次幅狭となるように形成されている。
これにより、連結弱化部35は、連結弱化部35とキャップ本体30との接続部分が破断し易い構造とされている。ただし、連結弱化部35の形状はこの場合に限定されるものではない。
突起片38は、リング本体37の下端部側から径方向内側に向かって突出していると共に、径方向内側に向かうにしたがって漸次上方に延びるように形成されている。突起片38の外端部は、容器本体2の口部5に形成された環状突起7に対して下方から係止している。これにより、封印リング36は、上方への抜け止めがされた状態で容器本体2の口部5を囲繞している。
従って、容器本体2の口部5に対して装着キャップ11を緩み方向である第2回転方向M2に回転させた場合には、封印リング36の上方移動が規制されているので、装着キャップ11の回転に伴って封印リング36に対してキャップ本体30を徐々に上方に離間させることができる。そのため、連結弱化部35に応力(容器軸O方向に延びるような応力)を作用させることができ、連結弱化部35を破断させることが可能である。
図1及び図2に示すように、規制筒16は、シリンダ20の突出筒部23に嵌合(例えばアンダーカット嵌合)された外筒40と、突出筒部23の内側に配置された内筒41と、外筒40を径方向外側から囲繞する外郭筒42と、外郭筒42の上端部及び外筒40の上端部を径方向に接続すると共に、その内端部が内筒41に接続された環状の連結板43と、を備えている。
なお、規制筒16は、装着キャップ11又はポンプ13を構成する構成部材とされていても構わないし、装着キャップ11及びポンプ13とは別体の構成部材とされていても構わない。
内筒41は、突出筒部23よりも上方に突出するように形成され、その下端部はシリンダ20の上端部の内側に嵌合されている。内筒41の外周面のうち連結板43よりも下方に位置する部分の外周面、及び突出筒部23の内周面には、互いに周方向に係合し合う縦長の回り止めリブが各別に形成されている。
内筒41の外周面のうち連結板43よりも上方に位置する部分には、下降端位置P1に位置する押下ヘッド15が螺着される第3ねじ部44が形成されている。第3ねじ部44は、規制筒16に対して押下ヘッド15を第1回転方向M1に相対的に回転させた際に、押下ヘッド15が締め込まれるように螺旋状に形成されている。
外郭筒42は、装着キャップ11のキャップ筒31とほぼ同径の円筒状に形成されていると共に、連結板43の外周縁部から装着キャップ11の天壁部32に達しない程度の長さで下方に延びている。
内筒41の内側には、シリンダ20の空気孔24を閉塞するシール筒45が配設されている。シール筒45の下端部には、シリンダ20内に摺動可能に嵌合された図示しない閉塞筒が形成されている。
閉塞筒は、押下ヘッド15及びステム12が下降端位置P1に位置して、押下ヘッド15が規制筒16に螺着された際、空気孔24を閉塞する。なお、押下ヘッド15及びステム12が上昇端位置P2に位置した場合には、例えば閉塞筒はピストンによって下方から押し上げられて空気孔24から離れ、その後ピストンで空気孔24を閉塞する。
ステム12はシール筒45の内側に上下動可能に配設されている。なお、ステム12の外周面とシール筒45の内周面との間には、空気孔24に連通する上述した環状空間と外部とを連通する環状の連通路が画成されている。なお、シール筒45は必須なものではなく具備しなくても構わない。
図1〜図3に示すように、押下ヘッド15は、規制筒16に螺着される下側ヘッド筒50と、下側ヘッド筒50に対して上方から嵌合され、内側に下側ヘッド筒50が配設される上側ヘッド筒60と、を備え、これら下側ヘッド筒50及び上側ヘッド筒60の2部品が一体に組み合わされることで構成されている。
下側ヘッド筒50は、規制筒16の内筒41に螺着される螺着筒51と、螺着筒51を径方向外側から囲繞する連結筒52と、螺着筒51の上端部及び連結筒52の上端部を径方向に一体に接続する環状の頂壁板53と、を備えている。
螺着筒51の内周面には、規制筒16の内筒41に形成された第3ねじ部44に螺着される第4ねじ部54が形成されている。押下ヘッド15及びステム12は、第3ねじ部44に対する第4ねじ部54の螺着によって、下降端位置P1で保持されて上方移動が規制される。なお、螺着筒51の下端開口縁が規制筒16の連結板43に対して上方から接触することで、規制筒16に対する下側ヘッド筒50の締め込みが完了する。
連結筒52は、規制筒16の外郭筒42よりも径が小さい円筒状に形成されていると共に、頂壁板53の外周縁部から規制筒16の連結板43に達しない程度の長さで下方に延びている。これにより、連結筒52の下端開口縁と連結板43との間には、容器軸O方向に隙間が確保されている。
頂壁板53は、螺着筒51よりも径方向内側に突出しており、その内周縁部は規制筒16の内筒41の上方に位置している。ただし、頂壁板53は螺着筒51よりも径方向内側に突出していなくても構わない。
連結筒52の外周面には、上方に開口すると共に容器軸O方向に沿って延びた縦長の縦溝55が形成されている。なお、縦溝55は1箇所に形成されていても構わないし、周方向に間隔をあけて複数形成されていても構わない。
上側ヘッド筒60は、連結筒52を径方向外側から囲繞すると共に連結筒52に対して嵌合された囲繞筒61と、囲繞筒61の上端部を塞ぐ平面視円形状の頂壁部62と、頂壁部62の中央部分から下方に向けて延びると共にステム12の内側に嵌合された嵌合筒63と、を備えた有頂筒状に形成されている。
囲繞筒61には、径方向外側に向けて突出し、その先端に吐出孔14が形成された吐出ノズル64が形成されている。
図示の例では、吐出ノズル64は周方向に沿った周幅が、径方向外側に向かうにしたがって漸次幅狭となるように形成されている。また、吐出ノズル64は、頂壁部62と一体となるように形成されていると共に、囲繞筒61の内側に延びて嵌合筒63に一体に接続されている。これにより、吐出ノズル64の内側は嵌合筒63の内側に連通している。
ただし、吐出ノズル64の形状は上述した場合に限定されるものではない。
囲繞筒61は、規制筒16の外郭筒42よりも径が小さい円筒状に形成されている。囲繞筒61の下端部は、連結筒52の下端部に対してアンダーカット嵌合されている。このように囲繞筒61が連結筒52に嵌合することで、下側ヘッド筒50を上側ヘッド筒60の内側に配置させた状態で、下側ヘッド筒50に対して上側ヘッド筒60が上方から一体に組み合わされている。
囲繞筒61の内周面のうち下側ヘッド筒50の頂壁板53よりも上方に位置する部分には、径方向内側に向けて突出し、下端縁が頂壁板53に対して上方から接触する縦リブ65が形成されている。図示の例では、縦リブ65の上端部は頂壁部62に対して一体に形成されている。また、縦リブ65は1箇所に形成されていても構わないし、周方向に間隔をあけて複数形成されていても構わない。
縦リブ65が頂壁板53に対して上方から接触することで、上側ヘッド筒60と下側ヘッド筒50とは容器軸O方向に位置決めされた状態で組み合わされる。
囲繞筒61の内周面には、径方向内側に向けて突出すると共に、連結筒52に形成された縦溝55内に入り込んだ規制リブ66が形成されている。規制リブ66は、容器軸O方向に沿って縦長に形成され、縦溝55内に上方から入り込むことで、縦溝55内にその全長に亘って配設されている。これにより、規制リブ66は周方向への移動が規制された状態で縦溝55内に配設されている。
従って、下側ヘッド筒50及び上側ヘッド筒60は、縦溝55及び規制リブ66によって互いの相対回転が規制され、回転不能に一体に組み合わされている。
図示の例では、規制リブ66は縦リブ65の下端部から下方に延びるように、縦リブ65と一体に形成されている。ただし、この場合に限定されるものではなく、縦リブ65と規制リブ66とを別体に形成しても構わない。
嵌合筒63の外周面のうちステム12よりも上方に位置する部分には、容器軸O方向に沿って延在する押さえリブ67が周方向に間隔をあけて複数形成されている。
押さえリブ67の下端縁の一部は、ステム12の上端開口縁に対して上方から接触している。なお、シール筒45は、押下ヘッド15が下降端位置P1に位置している際、押さえリブ67によって上方から押し下げられている。
上述のように構成された吐出ポンプ10において、図1〜図4に示すように、規制筒16には、周方向に延在し、且つ上側ヘッド筒60の囲繞筒(周壁部)61に沿って配設された除去片70が破断可能な第1弱化部71を介して連結されている。
除去片70は、囲繞筒61の径方向外側に配設されていると共に、規制筒16における連結板43の上方に配設されている。
図示の例の除去片70は、吐出ノズル64よりも下方に位置する下側除去片70aと、吐出ノズル64と同等の高さに位置する上側除去片70bと、で一体に形成されている。
下側除去片70aは、吐出ノズル64とは径方向の反対側に配置され、囲繞筒61のうち主に吐出ノズル64とは径方向の反対側に位置する部分を囲繞する平面視C形状に形成されている。なお、下側除去片70aは、周端部が吐出ノズル64の下方に若干入り込む程度、周方向に延びている。
上側除去片70bは、下側除去片70aよりも周方向の長さが短い平面視C形状に形成され、周端縁が吐出ノズル64側を向いている。そのため、押下ヘッド15を容器軸O回りに回転させた際、上側除去片70bの周端縁に対して吐出ノズル64が接触するように構成されている。
従って、本実施形態の除去片70は、規制筒16に対する押下ヘッド15の回転を規制する回転規制部材として機能する。
第1弱化部71は、除去片70の下端縁と規制筒16における連結板43の上面との間に形成され、規制筒16と除去片70とを容器軸O方向に一体に連結している。
図示の例では、第1弱化部71は、周方向に間隔をあけて複数形成されていると共に、下端部側が除去片70側から下方に向かうにしたがって径方向に沿った厚みが漸次薄くなるように形成され、且つ周方向に沿った周幅が漸次幅狭となるように形成されている。これにより、第1弱化部71は、第1弱化部71と規制筒16との接続部分が破断し易い構造とされている。
ただし、第1弱化部71の形状はこの場合に限定されるものではなく、例えば周方向に薄肉部を帯状に連続的に形成した弱化ラインとしても構わない。
(吐出ポンプの作用)
次に、上述したように構成された吐出ポンプ10の作用について説明する。はじめに、吐出ポンプ10を具備する吐出容器1を組み立てる場合について簡単に説明する。
この場合には、まず装着キャップ11とシリンダ20とを組み合わせると共に、除去片70が一体に形成された規制筒16とシリンダ20とを組み合わせる。次いで、規制筒16に対して下側ヘッド筒50を第1回転方向M1に回転させて、第4ねじ部54を第3ねじ部44に螺着させる。これにより、装着キャップ11、ポンプ13、規制筒16及び下側ヘッド筒50を一体に組み合わせることができ、これらが一体に組み合わされたユニットを得ることができる。
なお、下側ヘッド筒50は、除去片70の内側に配設されるので、除去片70の影響を受けることなく規制筒16に対して下側ヘッド筒50を螺着することができる。
次いで、上記ユニットに対して上側ヘッド筒60を一体に組み合わせる。すなわち、上側ヘッド筒60の嵌合筒63をステム12の上端部内に嵌合させながら、ステム12を押下げるように上側ヘッド筒60を下方移動させて、下側ヘッド筒50に対して上側ヘッド筒60を上方から組み合わせる。
より具体的には、下側ヘッド筒50に対して上側ヘッド筒60を打栓等によって押下することで、上側ヘッド筒60の囲繞筒61を下側ヘッド筒50の連結筒52に対して嵌合(アンダーカット嵌合)させる。これにより、下側ヘッド筒50と上側ヘッド筒60とを一体に組み合わせることができると共に、押下ヘッド15が下降端位置P1で保持された状態となる。
なお、この場合であっても上側ヘッド筒60は、除去片70の内側に配設されるので、除去片70の影響を受けることなく打栓等によって、下側ヘッド筒50に対して上側ヘッド筒60を組み合わせることができる。
特に、下側ヘッド筒50に対して上側ヘッド筒60を打栓等によって押下する際、吐出ノズル64が除去片70に対して容器軸O方向に干渉しないように、除去片70に対する吐出ノズル64の向きを適切に位置決めした状態で、上側ヘッド筒60の押下を行う。これにより、除去片70に接触させることなく吐出ノズル64を含む上側ヘッド筒60の全体を押下することができ、下側ヘッド筒50に対して上側ヘッド筒60を一体に組み合わせることができる。
以上のことにより、装着キャップ11、ポンプ13、規制筒16及び押下ヘッド15が一体に組み合わされた吐出ポンプ10を組み立てることができる。
特に、上側ヘッド筒60を組み合わせる前に、装着キャップ11、ポンプ13、規制筒16及び下側ヘッド筒50を予め組み合わせることでモジュール化したユニットとしておくことができるので、例えば種類の異なる上側ヘッド筒50を選択して組み付けることも容易に行える。
次いで、容器本体2内に内容物を充填した後、装着キャップ11を容器本体2の口部5に装着することで、吐出ポンプ10を容器本体2に一体に組み合わせる。
具体的には、容器本体2の口部5に対して装着キャップ11を第1回転方向M1に回転させることで、装着キャップ11を容器本体2の口部5に螺着させる。その結果、吐出容器1の組み立てを行うことができる。
なお、装着キャップ11の装着時、封印リング36の突起片38は容器本体2の口部5に形成された環状突起7を上方から乗り越えた後、環状突起7に対して下方から係止する。これにより、装着キャップ11の装着後、封印リング36は上方移動が規制される。
特に、押下ヘッド15が下側ヘッド筒50及び上側ヘッド筒60の2部品で構成されているので、下側ヘッド筒50を規制筒16に螺着した後に、下側ヘッド筒50に対して上側ヘッド筒60を打栓等によって押下することで、下側ヘッド筒50に対して上側ヘッド筒60を一体に組み合わせることができる。
従って、規制筒16に除去片70が一体に形成されていたとしても、除去片70の制約を受けることなく下側ヘッド筒50と上側ヘッド筒60とを組み合わせることができる。しかも、先に述べたように、吐出ノズル64が除去片70に対して容器軸O方向に干渉しないように、除去片70に対する吐出ノズル64の向きを適切に位置決めするだけの簡便な作業で、吐出ノズル64の制約を受けることなく、下側ヘッド筒50と上側ヘッド筒60とを組み合わせることができる。
さらに、下側ヘッド筒50に関しては、従来同様に螺着によって組み立てを行うことができ、上側ヘッド筒60に関しては打栓等によって組み立てを行えるので、現行の組立製造装置を流用することが可能である。
従って、組み立て工数の増大を抑えることができ、組立作業性に優れた吐出ポンプ10及び吐出容器1とすることができる。
次に、吐出ポンプ10を使用する場合について、説明する。
図1に示すように、押下ヘッド15及びステム12が下降端位置P1にしている際、除去片70が上側ヘッド筒60における囲繞筒61の外側に配設されているので、例えば除去片70が取り付けられている状態で、規制筒16に対して押下ヘッド15を第2回転方向M2(緩み方向)に回転させた場合には、吐出ノズル64が除去片70における上側除去片70bの周端縁に接触して回転が規制される。
従って、除去片70の有無に基づいて、押下ヘッド15の螺着が緩んで開封されたか否かを判別することができる。
また、上述のように吐出ノズル64が上側除去片70bの周端縁に接触することで、除去片70全体に応力が作用するので、第1弱化部71が破断され易い。従って、除去片70の有無だけでなく、第1弱化部71の破断の有無に基づいて、押下ヘッド15の螺着が緩んで開封されたか否かを判別することもできる。
さらに、押下ヘッド15及びステム12が下降端位置P1にしている際、例えば除去片70が取り付けられた状態のまま、容器本体2の口部5に対して装着キャップ11を第2回転方向M2に回転させるような回転力が、装着キャップ11に作用したとしても、開封されたか否かを判別することができる。
具体的には、容器本体2の口部5に対して装着キャップ11を第2回転方向M2に回転させた場合、突起片38が環状突起7に対して下方から係止して、封印リング36の上方移動が規制されるので、装着キャップ11の回転に伴ってキャップ本体30が封印リング36に対して上方に移動する。そのため、連結弱化部35に応力を作用させて連結弱化部35を破断させることが可能である。
従って、連結弱化部35の破断の有無に基づいて、装着キャップ11に第2回転方向M2への回転力が作用して、開封されたか否かを容易に判別することができる。つまり、連結弱化部35が破断されずに、封印リング36がキャップ本体30と一体であることを視認することで、「封印」が適切にされていることを認識することができる。
特に、連結弱化部35が破断した場合には、封印リング36はキャップ本体30から切り離されて容器本体2の肩部4上に落下する。従って、封印リング36が肩部4上に位置しているか否かを視認することによっても、開封されたか否かを判別することが可能である。
次に、内容物を吐出する場合には、第1弱化部71を破断しながら除去片70を毟り取るように除去する。これにより、規制筒16に対して押下ヘッド15を第2回転方向M2に回転させることができ、規制筒16に対する押下ヘッド15の螺着を解除することができる。
押下ヘッド15の螺着が解除されると、コイルばねの付勢力によってステム12及び押下ヘッド15が一体に上方移動して上昇端位置P2に移動する。これにより、押下ヘッド15を押し下げ可能な状態に移行させることができ、内容物の吐出を行える。
具体的には、押下ヘッド15を押下してステム12と共に下降移動させると、シリンダ20内でピストンが下方移動するので、シリンダ20内の圧力を上昇させることができる。これにより、シリンダ20内の内容物を吐出ノズル64内に供給することができ、吐出孔14を通じて外部に吐出することができる。
なお、押下ヘッド15の押下を解除した場合には、コイルばねの付勢力によってステム12及び押下ヘッド15が上昇端位置P2に復元移動すると共に、シリンダ20内が負圧になるので容器本体2内の内容物をシリンダ20内に吸い上げることができる。これにより、次回の押下ヘッド15による吐出操作に備えることができる。
また、第1弱化部71は、規制筒16との接続部分で破断され易いので、除去片70を除去した際に、除去片70と共に第1弱化部71を取り外すことができる。そのため、規制筒16側に、第1弱化部71の破断残りが残存することを防止でき、外観性を向上できると共に不快な手触りをなくしやすい。
上述したように、本実施形態の吐出ポンプ10によれば、除去片70を具備しているので、除去片70の有無及び第1弱化部71の破断の有無に基づいて、規制筒16に対する押下ヘッド15の螺着が緩む或いは解除され、開封されたか否かを判別することができる。また、押下ヘッド15が上側ヘッド筒60及び下側ヘッド筒50の2部品で構成されているので、組み立て工数の増大を抑えることができ、組立作業性に優れた吐出ポンプ10とすることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る吐出ポンプの第2実施形態について説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図5及び図6に示すように本実施形態の吐出ポンプ80は、上側ヘッド筒60の囲繞筒61を径方向外側から全周に亘って囲むと共に、周方向に分断可能とされた除去片90を備えている。
除去片90は、容器軸O方向に沿った長さが一定とされ、上側ヘッド筒60の囲繞筒61のうち吐出ノズル64の下方に位置する部分をほぼ全周に亘って囲むリング状に形成されている。
除去片90の周端縁同士は、破断可能な第2弱化部91を介して周方向に一体に連結されている。これにより、除去片90は第2弱化部91の破断によって周方向に分断可能とされている。
図示の例では、第2弱化部91は、除去片90の一方の周端縁から他方の周端縁に向けて突出するように形成されている。
ただし、第2弱化部91の形状はこの場合に限定されるものではなく、例えば除去片90の一方の周端縁と他方の周端縁との間に、容器軸O方向に沿って薄肉部を帯状に連続的に形成した弱化ラインとしても構わない。また、第2弱化部91の数は自由に設定して良く、例えば第2弱化部91を複数設け、除去片90を周方向に複数に分断するように構成しても構わない。
上側ヘッド筒60の囲繞筒61の外周面には、径方向外側に向かって突出する第1係合突起(回り止め部)81が形成されている。図示の例では、第1係合突起81は、囲繞筒61の外周面の全長に亘って容器軸O方向に沿って延びた縦長に形成され、周方向に間隔をあけて2つ形成されている。
ただし、第1係合突起81は1箇所に形成されていても構わないし、周方向に間隔をあけて3つ以上形成されていても構わない。
除去片90の内周面には、径方向内側に向かって突出すると共に、第1係合突起81に対して周方向の両側に配置された第2係合突起(回り止め部)92が形成されている。第2係合突起92は、除去片90の内周面の全長に亘って容器軸O方向に沿って延びた縦長に形成されている。
第1係合突起81及び第2係合突起92は、押下ヘッド15を容器軸O回りに回転させたときに、互いに周方向に係合し合い、押下ヘッド15及び除去片90の相対的な回転を規制する。
(吐出ポンプの作用)
このように構成された吐出ポンプ80では、例えば商品流通時や未使用時等に、規制筒16に対して押下ヘッド15を第2回転方向M2に回転させるような外力が押下ヘッド15に加わった場合、第1係合突起81と第2係合突起92とが周方向に係合し合うので、押下ヘッド15及び除去片90を共回りさせることができる。
そのため、規制筒16に対して除去片90を回転させることができ、第1弱化部71が破断され易い。従って、押下ヘッド15の螺着が緩んで開封されたか否かを、第1弱化部71の破断の有無に基づいて容易に判断し易くなる。
また、吐出ポンプ80を使用する場合には、第2弱化部91を破断することで除去片90を周方向に分断できるので、除去片90をさらに取り外し易い。
例えば、第1弱化部71を破断して、除去片90を規制筒16から切り離した後に、第2弱化部91を破断して除去片90を周方向に分断することで、除去片90を規制筒16から取り外すことができる。或いは、第1弱化部71を破断する前に、第2弱化部91を破断して除去片90を周方向に分断し、その後、第1弱化部71を破断しながら分断された除去片90を規制筒16から取り外すことができる。
いずれにしても、除去片90を周方向に分断できるので、規制筒16から除去片90をスムーズに取り外すことができる。
また、第1弱化部71を破断する際、押下ヘッド15の回転操作を利用して第1弱化部71を破断することができる。
この場合には、先に述べたように、規制筒16に対して押下ヘッド15を第2回転方向M2に回転させることで、第1係合突起81と第2係合突起92とが周方向に係合し合うので、除去片90に回転力を作用させて第1弱化部71を破断することができる。従って、押下ヘッド15の回転操作を利用して第1弱化部71を破断することができ、規制筒16に対する除去片90の切り離し作業を容易に行うことができる。
なお、この場合には、その後に第2弱化部91を破断しながら除去片90を周方向に分断することで、除去片90の取り外しを行うことができる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る吐出ポンプの第3実施形態について説明する。なお、この第3実施形態においては、第2実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図7及び図8に示すように、本実施形態の吐出ポンプ100は、上側ヘッド筒60の囲繞筒61を径方向外側から全周に亘って囲む円筒状の除去片110を備えている。
本実施形態の規制筒16の外郭筒42は、装着キャップ11のキャップ筒31よりも径が小さく形成され、上側ヘッド筒60の囲繞筒61と同径の円筒状に形成されている。そして、除去片110は囲繞筒61だけでなく、外郭筒42の上端部側を径方向外側から囲むように形成されている。
第1弱化部71は、除去片110の下端部と外郭筒42における上端部側の外周面とを径方向に一体に連結するように形成されると共に、周方向に間隔をあけて複数形成されている。図示の例では、第1弱化部71は、除去片110から径方向内側に向かうにしたがって容器軸O方向の厚みが漸次薄くなるように形成されている。
これにより、第1弱化部71は、第1弱化部71と規制筒16との接続部分が破断し易い構造とされている。
ただし、第1弱化部71の形状はこの場合に限定されるものではない。
また、除去片110は、装着キャップ11の天壁部32の上方に間隔をあけて配置されている。これにより、除去片110の下端開口縁と天壁部32との間には、容器軸O方向に隙間が確保されている。
なお、第2実施形態と同様に、囲繞筒61の外周面には第1係合突起81が形成され、除去片110の内周面には第2係合突起92が形成されている。
(吐出ポンプの作用)
このように構成された吐出ポンプ100では、第2実施形態と同様に、例えば商品流通時や未使用時等に、規制筒16に対して押下ヘッド15を第2回転方向M2に回転させるような外力が押下ヘッド15に加わった場合、第1係合突起81と第2係合突起92とが周方向に係合し合い、除去片110に回転力が伝わるので、第1弱化部71が破断され易い。従って、押下ヘッド15の螺着が緩んで開封されたか否かを、第1弱化部71の破断の有無に基づいて容易に判断することができる。
特に、第1弱化部71が破断することで、図9に示すように、除去片110と規制筒16とが容器軸O方向に切り離されるので、除去片110は天壁部32との隙間分だけ下降して、天壁部32に対して上方から接触した状態となる。
従って、規制筒16に対する除去片110の相対的な位置関係を、第1弱化部71が破断される前の状態(図7に示す状態)と比べて異ならすことができる。よって、規制筒16に対する除去片110の相対的な位置関係の変化に基づいて、押下ヘッド15が開封されたか否かを視認によって容易に判別することができる。
なお、本実施形態において、除去片110に第2弱化部を形成し、第2弱化部を破断することで除去片110を周方向に分断するように構成しても構わない。このようにすることで、規制筒16から切り離された除去片110を取り外すことが可能となる。
(第4実施形態)
次に、本発明に係る吐出ポンプの第4実施形態について説明する。なお、この第4実施形態においては、第2実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図10及び図11に示すように、本実施形態の吐出ポンプ120は、規制筒16に対する押下ヘッド15の第2回転方向M2への回転操作に伴って、除去片90を上方に押し上げる押し上げ突起(突起部)121が上側ヘッド筒60に形成されている。
押し上げ突起121は、囲繞筒61の外周面から径方向外側に突設され、除去片90の下端縁の下方に位置している。この際、押し上げ突起121は、周方向で互いに隣り合う第1弱化部71同士の間に位置するように、周方向に間隔をあけて複数形成されている。図示の例では、押し上げ突起121は周方向に延びた平面視円弧状に形成されている。
(吐出ポンプの作用)
このように構成された吐出ポンプ120では、規制筒16に対して押下ヘッド15を第2回転方向M2に回転させることで、押し上げ突起121が螺旋状に移動、すなわち、周方向に移動しながら上方に移動するので、押し上げ突起121は除去片90の下端縁に対して下方から接触した後、除去片90を規制筒16から離間させるように徐々に押し上げる。これにより、第1弱化部71に応力を作用させて第1弱化部71を破断させることができる。
従って、押下ヘッド15の回転操作を利用して第1弱化部71を破断できるので、規制筒16に対する除去片90の切り離し作業を容易に行うことができる。しかも、押し上げ突起121が螺旋状に移動することで、第1弱化部71に対して押し上げ突起121を周方向から接触させることもできるので、押し上げ突起121によって第1弱化部71を破断させることもできる。従って、この点においても、規制筒16に対する除去片90の切り離し作業を容易に行うことができる。
そして、除去片90の切り離しを行った後、第2弱化部91を破断することで除去片90を周方向に分断することで、除去片90を取り外すことが可能となる。
また、例えば商品流通時や未使用時等に、規制筒16に対して押下ヘッド15を第2回転方向M2に回転させるような外力が押下ヘッド15に加わった場合、上述のように押し上げ突起121によって第1弱化部71が破断され易いので、第1弱化部71の破断の有無に基づいて、押下ヘッド15の螺着が緩んで開封されたか否かをさらに容易に判別し易くなる。
(第5実施形態)
次に、本発明に係る吐出ポンプの第5実施形態について説明する。なお、この第5実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図12及び図13に示すように、本実施形態の吐出ポンプ130は、上側ヘッド筒60の囲繞筒61の内側に配設され、周方向に分断可能とされた除去片140を備えている。
本実施形態の規制筒16の外郭筒42は、装着キャップ11のキャップ筒31よりも径が小さく形成され、下側ヘッド筒50の連結筒52と同径の円筒状に形成されている。そのため、上側ヘッド筒60の囲繞筒61と装着キャップ11の天壁部32との間には、容器軸O方向に隙間が確保されている。
下側ヘッド筒50における連結筒52の上端部には、径方向外側に向けて突出した第3係合突起131が形成されている。第3係合突起131は周方向に間隔をあけて複数形成されても構わないし、環状に形成されても構わない。
上側ヘッド筒60の囲繞筒61は、連結筒52との間に隙間をあけた状態で、連結筒52を径方向外側から囲繞している。なお、囲繞筒61は、装着キャップ11のキャップ筒31よりも径が小さく形成されている。
囲繞筒61の内周面には、径方向内側に向けて突出し、第3係合突起131に対してアンダーカット嵌合する第4係合突起132が形成されている。第4係合突起132は周方向に間隔をあけて複数形成されても構わないし、環状に形成されても構わない。
第4係合突起132が第3係合突起131に対してアンダーカット嵌合することで、下側ヘッド筒50に対して上側ヘッド筒60が上方から嵌合され、下側ヘッド筒50と上側ヘッド筒60とが一体に組み合わされている。
なお、本実施形態では、上側ヘッド筒60における押さえリブ67と縦リブ65とは一体に形成されている。
囲繞筒61の内周面のうち、第4係合突起132よりも下方に位置する部分には、径方向内側に向かって突出する第5係合突起(回り止め部)135が形成されている。
第5係合突起135は、容器軸O方向に沿って延びた縦長に形成されていると共に、下方に開口している。また、第5係合突起135は周方向に間隔を複数形成されている。
除去片140は、下側ヘッド筒50の連結筒52と上側ヘッド筒60の囲繞筒61との間に画成された環状空間内に配設されており、容器軸O方向に沿った長さが一定とされ、連結筒52をほぼ全周に亘って囲むリング状に形成されている。
除去片140の周端縁同士は、破断可能な第2弱化部141を介して周方向に一体に連結されている。これにより、除去片140は第2弱化部141の破断によって周方向に分断可能とされている。
図示の例では、第2弱化部141は、除去片140の一方の周端縁から他方の周端縁に向けて突出するように形成されている。
ただし、第2弱化部141の形状はこの場合に限定されるものではなく、例えば除去片140の一方の周端縁と他方の周端縁との間に、容器軸O方向に沿って薄肉部を帯状に連続的に形成した弱化ラインとしても構わない。また、第2弱化部141の数は自由に設定して良く、例えば第2弱化部141を複数設け、除去片140を周方向に複数に分断するように構成しても構わない。
除去片140は、連結筒52よりも僅かに下方に突出しており、規制筒16の外郭筒42の上端部を径方向外側から囲繞している。
第1弱化部71は、除去片140の下端部と外郭筒42における上端部側の外周面とを径方向に一体に連結するように形成されると共に、周方向に間隔をあけて複数形成されている。図示の例では、第1弱化部71は、除去片140から径方向内側に向かうにしたがって容器軸O方向の厚みが漸次薄くなるように形成されている。これにより、第1弱化部71は、第1弱化部71と規制筒16との接続部分が破断し易い構造とされている。
ただし、第1弱化部71の形状はこの場合に限定されるものではない。
除去片140の外周面には、径方向外側に向かって突出し、上側ヘッド筒60の囲繞筒61に形成された第5係合突起135に対して周方向から係合する第6係合突起(回り止め部)142が形成されている。第6係合突起142は、容器軸O方向に沿った縦長に形成されると共に、第5係合突起135に対応して周方向に間隔をあけて複数形成されている。
第5係合突起135と第6係合突起142とが周方向に互いに係合し合うことで、上側ヘッド筒60及び除去片140の相対的な回転が規制されている。
(吐出ポンプの作用)
このように構成された吐出ポンプ130では、例えば商品流通時や未使用時等に、規制筒16に対して押下ヘッド15を第2回転方向M2に回転させるような外力が押下ヘッド15に加わった場合、第5係合突起135及び第6係合突起142によって上側ヘッド筒60及び除去片140の相対的な回転が規制されているので、押下ヘッド15及び除去片140を共回りさせることができる。そのため、規制筒16に対して除去片140を回転させることができ、第1弱化部71が破断され易い。
従って、押下ヘッド15の螺着が緩んで開封されたか否かを、第1弱化部71の破断の有無に基づいて容易に判断し易くなる。
特に、第1弱化部71が破断することで、図13に示すように、除去片140と規制筒16とが容器軸O方向に切り離されるので、除去片140は天壁部32との間の隙間分だけ下降して、天壁部32に対して上方から接触した状態となる。これにより、除去片140を下側ヘッド筒50と上側ヘッド筒60との間から外部に露出させることができる。
従って、除去片140が下降したことに基づいて、押下ヘッド15が開封されたか否かを視認によって容易に判別することができる。
なお、除去片140が下降した後、第2弱化部141を破断しながら除去片140を周方向に分断することで、除去片140を取り外すことが可能となる。
なお、本実施形態において、例えば除去片140の外周面に「開封」或いは「OPEN」等の表示を行っても良い。表示方法としては、例えば印字、刻印或いはシール貼付等が挙げられるが、これらの場合に限定されるものではない。
このように表示を行うことで、第1弱化部71の破断によって除去片140が規制筒16から切り離され、天壁部32上に下降した際に、「開封」或いは「OPEN」等の表示を認識することができる。従って、開封されたか否かを容易、且つ一目で判別することができる。
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記各実施形態では、装着キャップが封印リングを備えていたが、封印リングは必須なものではなく、具備しなくても構わない。
また、第1実施形態において、除去片に第2弱化部を形成し、第2弱化部を破断することで除去片を周方向に分断可能に構成しても構わない。この場合には、除去片を周方向に分断しながら、第1弱化部を破断できるので、除去片を規制筒から除去し易い。
また、第4実施形態における押し上げ突起121を例えば第2実施形態に適用しても良い。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周囲の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また上記した変形例を適宜組み合わせても良い。
P1…下降端位置
P2…上昇端位置
2…容器本体
5…容器本体の口部
10、80、100、120、130…吐出ポンプ
11…装着キャップ
12…ステム
13…ポンプ
14…吐出孔
15…押下ヘッド
16…規制筒
50…下側ヘッド筒
60…上側ヘッド筒
61…囲繞筒(上側ヘッドの周壁部)
70、90、110、140…除去片
71…第1弱化部
81…第1係合突起(回り止め部)
91、141…第2弱化部
92…第2係合突起(回り止め部)
121…押し上げ突起(突起部)
135…第5係合突起(回り止め部)
142…第6係合突起(回り止め部)

Claims (5)

  1. 内容物が収容される容器本体の口部に装着される装着キャップと、
    前記装着キャップの内側に、上方付勢状態で下方移動可能に挿通されたステムを有するポンプと、
    前記ステムの上端部に装着されると共に、内容物を吐出する吐出孔が先端に形成された吐出ノズルを有する有頂筒状の押下ヘッドと、
    下降端位置に位置する前記押下ヘッドが螺着され、前記押下ヘッド及び前記ステムの上方移動を規制する規制筒と、を備え、
    前記押下ヘッドは、前記規制筒に螺着される下側ヘッド筒と、前記吐出ノズルが形成されると共に、内側に前記下側ヘッド筒が配設される上側ヘッド筒と、を備え、
    前記規制筒には、前記ステムの中心軸線回りに沿う周方向に延在し、且つ前記上側ヘッド筒の周壁部に沿って配設された除去片が、破断可能な第1弱化部を介して連結されている、吐出ポンプ。
  2. 請求項1に記載の吐出ポンプにおいて、
    前記除去片には、破断可能な第2弱化部が形成され、
    前記除去片は、前記第2弱化部の破断により周方向に分断可能とされている、吐出ポンプ。
  3. 請求項1又は2に記載の吐出ポンプにおいて、
    前記上側ヘッド筒の周壁部と前記除去片との間には、互いに周方向に係合し合い、前記上側ヘッド筒及び前記除去片の相対的な回転を規制する回り止め部が各別に形成されている、吐出ポンプ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の吐出ポンプにおいて、
    前記第1弱化部は、周方向に間隔をあけて複数形成され、
    前記上側ヘッド筒の周壁部には、周方向で互いに隣り合う前記第1弱化部同士の間に位置すると共に、前記除去片の下端縁の下方に位置する突起部が形成されている、吐出ポンプ。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の吐出ポンプにおいて、
    前記除去片は、前記上側ヘッド筒の周壁部の外側に配設されている、吐出ポンプ。
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