JP7365970B2 - 吐出器 - Google Patents
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Description
一般に、ステムを上方付勢する付勢部材は、金属材料で形成されるとともに、ポンプのシリンダ内に収容されている。
本発明の一態様に係る吐出器は、容器体における口部に、上方付勢状態で下方移動可能に配設されるステムと、前記ステムが上下動可能に挿入された筒状のシリンダと、前記シリンダ内で前記ステムの上下動に連係するとともに、前記シリンダの内周面に上下摺動可能に嵌合されたピストンと、前記ステムの上端部に取り付けられ、内容物を吐出する吐出孔を有する吐出ヘッドと、前記ステムを上方付勢する合成樹脂製の付勢部材と、前記ステム内を上方移動可能に前記ステム内に嵌合され、前記ステム内を介した前記シリンダ内と前記吐出ヘッド内との連通を遮断する栓体と、前記シリンダ内に設けられ、前記栓体が前記ステム内に嵌合された状態において、前記ステムの下降に伴い前記栓体を上方に押し上げる当接部と、を備え、前記ステムには、前記当接部に押し上げられた前記栓体が係止される係止部が設けられ、前記栓体には、前記栓体が前記係止部に係止された状態で、前記ステム内を介した前記シリンダ内と前記吐出ヘッド内との連通を可能とする連通部が形成されている。
特に、本態様では、ステム内に嵌合され、ステム内を介したシリンダ内と吐出ヘッド内との連通を遮断する栓体と、ステムの下降に伴い栓体を上方に押し上げる当接部と、を備える構成とした。
この構成によれば、栓体が当接部によって押し上げられると、栓体がステムの係止部に係止される。その結果、シリンダ内と吐出ヘッド内とが連通部を通じて連通可能な状態を維持することで、吐出器を開封することができる。
そして、本態様では、未開封状態において、ステム内を介したシリンダ内と吐出ヘッド内との連通を栓体により遮断できるので、容器体内の内容液がステムを通じて吐出孔から漏れるのを抑制できる。
さらに、寸法精度の向上を図ることで、ステムと栓体とのはめあい公差を小さくできるので、ステムと栓体とを安定して組み付けることができる。その結果、開封時にステムに作用させる押下力を安定させることができ、開封時の操作性を良好にすることができる。
本態様によれば、付勢部材が内容液に付着するのを抑制できるので、付勢部材や内容液の変質等を抑制できる。
本態様によれば、吐出器の開封後、吐出孔を通じて内容液が漏れるのを抑制できる。
本態様によれば、部品点数を少なくし、吐出器の組立工程を簡素化することができる。
図1に示すように、本実施形態の吐出器1は、ステム21を有するポンプ2と、ステム21に装着された吐出ヘッド5と、ポンプ2を容器体Aに装着する装着キャップ7と、を備えている。
吐出器1を構成する全ての部品は、合成樹脂材料により形成されている。
装着キャップ7は、環状の天壁及び周壁を有する有頂筒状に形成されている。装着キャップ7の天壁の内側に、ステム21が上下動可能に挿入されている。装着キャップ7の周壁の内周面に、口部A1の雄ねじに螺合する雌ねじが形成されている。なお、装着キャップ7の周壁は、口部A1に、例えばアンダーカット嵌合等されてもよい。
案内筒31は、装着キャップ7の天壁の内周縁部から上方及び下方の双方向に向けて突出した上部32と、上部32より下方に設けられ、かつ上部32より内径及び外径が小さい下部34と、上部32の下端部と下部34の上端部とを連結した環状の段部33と、を備えている。
嵌合筒65は、中心軸線Oと同軸に配設されている。嵌合筒65は、第4筒部59内に嵌合されている。
内フランジ部66は、嵌合筒65の下端開口縁から径方向の内側に張り出している。なお、上ステム51及び下ステム52は、一体で形成されていてもよい。
弁筒部71は、シリンダ22の周壁の下端部内に嵌合されている。弁本体72は板状に形成され、シリンダ22の底壁の開口周縁部に上方から着座し、シリンダ22の底壁の開口部を閉塞している。連結片73は、弁本体72の外周縁と弁筒部71の内周面とを連結している。弁本体72は、連結片73の弾性変形に伴い上下方向に弾性変位することで、シリンダ22の底壁の開口部を開閉する。すなわち、下部弁体24は、シリンダ22内の加圧時に、シリンダ22の底壁の開口部を閉塞した状態に保持し、シリンダ22内の減圧時に、シリンダ22の底壁の開口部を開放する逆止弁となっている。これにより、下部弁体24は、シリンダ22内の加圧時に、シリンダ22内の内容液がシリンダ22の底壁の開口部を通じて容器体Aに戻ることを阻止する一方、シリンダ22内の減圧時に、容器体A内の内容液をシリンダ22の底壁の開口部の内側を通じてシリンダ22内に流入させる。
突出部101は、頂板部100のうち中心軸線O上に位置する部分から上方に向けて突出している。本実施形態の突出部101は、平面視でX字状に形成されている。但し、突出部101は、円柱状や角柱状等であってもよい。
閉塞部110は、有底筒状に形成されている。閉塞部110において周壁の上端部は、下ステム52の内フランジ部66内に嵌合されている。これにより、ステム21の下端開口部を通じたステム21内とシリンダ22内との連通が遮断されている。閉塞部110の周壁において、内フランジ部66よりも下方に位置する部分には、乗り越え突起113が形成されている。乗り越え突起113は、閉塞部110の周壁から径方向の外側に膨出している。
弁筒部120は、中心軸線Oと同軸に配設されている。弁筒部120内には、上ステム51の第1筒部56が下方から嵌合されている。
弁本体121は、上ステム51(第1筒部56)の上端開口縁に上方から着座し、上ステム51の上端開口部を閉塞している。連結片122は、弁本体121の外周縁と弁筒部120の内周面とを連結している。弁本体121は、連結片122の弾性変形に伴い上下方向に弾性変位することで、上ステム51の上端開口部を開閉する。すなわち、上部弁体26は、ステム21内の減圧時に、上ステム51の上端開口部を閉塞した状態に保持し、シリンダ22内の加圧時に、上ステム51の上端開口部を開放する逆止弁となっている。これにより、上部弁体26は、ステム21内(シリンダ22内)の加圧時に、ステム21内の内容液を吐出ヘッド5内に流入させ、ステム21内(シリンダ22内)の減圧時に、ステム21内の内容液が吐出ヘッド5内に流入するのを阻止する。
押下部130は、中心軸線Oと同軸に配設された有頂筒状に形成されている。
内筒131は、押下部130の天壁から下方に延在している。内筒131内には、上述した第2筒部57が下方から嵌合されている。内筒131の上部には、規制リブ134が形成されている。規制リブ134は、第2筒部57が内筒131内に嵌合された状態で、第2筒部57の上端面との間に弁筒部120を上下方向で挟持している。なお、内筒131の外径は、第3筒部58の外径と同等になっている。
ノズル筒133は、内筒131の上端部から径方向の外側に延在し、外筒132及び押下部130を貫いている。ノズル筒133の先端には、径方向の外側かつ下方に向けて開口する吐出孔133aが形成されている。
上述したように未開封状態の吐出器1は、栓体27の閉塞部110が下ステム52内に嵌合されていることで、シリンダ22内とステム21内との連通が遮断されている。なお、未開封状態において、案内筒31の上部32のうち、装着キャップ7の天壁から上方に突出した部分には、ストッパ(不図示)が装着される。ストッパは、装着キャップ7の天壁と吐出ヘッド5の外筒132との間に介在し、装着キャップ7に対する吐出ヘッド5の下方移動を規制する。
開封状態の吐出器1において、吐出ヘッド5を押下操作する。すると、ステム21等の下降に伴い、シリンダ22内が加圧されることで、下部弁体24によってシリンダ22内と容器体A内との連通が遮断された状態を維持する。一方、シリンダ22内の加圧によって、上部弁体26の弁本体121が押し上げられることで、ステム21の上端開口部が開放される。その結果、ステム21内と吐出ヘッド5の内筒131内とが連通する。すると、シリンダ22内の内容液は、連通部117を通過しながらステム21内を上方に流れた後、吐出ヘッド5内に流入する。吐出ヘッド5内に流入した内容液は、内筒131を通ってノズル筒133内に流入した後、吐出孔133aを通じて吐出される。
この構成によれば、栓体27が当接部25によって押し上げられると、栓体27がステム21の係止部61に係止される。その結果、シリンダ22内と吐出ヘッド5内とが連通部117を通じて連通可能な状態を維持することで、吐出器1を開封することができる。
しかも、本実施形態では、付勢部材28が自然長に近い状態で、吐出器1の未開封状態を維持できる。そのため、付勢部材28を合成樹脂製にしたとしても、例えば付勢部材を圧縮した状態(吐出ヘッドを下降端位置で装着キャップに螺着した状態)で未開封状態を維持する場合に比べ、開封後の付勢部材28のへたり(塑性変形)を抑制できる。その結果、開封後において、付勢部材28に所望の復元力を発揮させることができる。この場合には、内容液の詰め替えや吐出器1の付け替え等により、使用期間が長期にわたる吐出器1であっても、圧縮変形の癖が付きやすい合成樹脂製の付勢部材28を採用することができる。また、付勢部材28の復元力の低下に起因する吐出量の低下が早期に生ずるのを抑制できる。
さらに、寸法精度の向上を図ることで、ステム21と栓体27とのはめあい公差を小さくできるので、ステム21と栓体27とを安定して組み付けることができる。その結果、開封時にステム21に作用させる押下力を安定させることができ、開封時の操作性を良好にすることができる。
この構成によれば、付勢部材28が内容液に付着するのを抑制できるので、付勢部材28や内容液の変質等を抑制できる。
この構成によれば、部品点数を少なくし、吐出器1の組立工程を簡素化することができる。
上述した実施形態では、栓体27がステム21の下端開口部を閉塞する構成について説明したが、この構成に限られない。栓体27は、ステム21内を介したシリンダ22内と吐出ヘッド5内との連通を遮断していれば、例えばステム21内における上下方向の中途部に設けられていてもよい。
上述した実施形態では、付勢部材28がステム21の外側において装着キャップ7と吐出ヘッド5との間に配置された構成について説明したが、この構成に限られない。付勢部材28は、シリンダ22内に配置されていてもよい。
上述した実施形態では、連通部117をスリット状に形成した場合について説明したが、この構成に限られない。連通部は、開封状態において、ステム21の内外を連通させる構成であれば、溝や間欠フランジ等であってもよい。
5…吐出ヘッド
7…装着キャップ
21…ステム
22…シリンダ
23…ピストン
24…下部弁体
25…当接部
26…上部弁体
27…栓体
28…付勢部材
61…係止部
117…連通部
133a…吐出孔
Claims (4)
- 容器体における口部に、上方付勢状態で下方移動可能に配設されるステムと、
前記ステムが上下動可能に挿入された筒状のシリンダと、
前記シリンダ内で前記ステムの上下動に連係するとともに、前記シリンダの内周面に上下摺動可能に嵌合されたピストンと、
前記ステムの上端部に取り付けられ、内容物を吐出する吐出孔を有する吐出ヘッドと、
前記ステムを上方付勢する合成樹脂製の付勢部材と、
前記ステム内を上方移動可能に前記ステム内に嵌合され、前記ステム内を介した前記シリンダ内と前記吐出ヘッド内との連通を遮断する栓体と、
前記シリンダ内に設けられ、前記栓体が前記ステム内に嵌合された状態において、前記ステムの下降に伴い前記栓体を上方に押し上げる当接部と、を備え、
前記ステムには、前記当接部に押し上げられた前記栓体が係止される係止部が設けられ、
前記栓体には、前記栓体が前記係止部に係止された状態で、前記ステム内を介した前記シリンダ内と前記吐出ヘッド内との連通を可能とする連通部が形成されている吐出器。 - 前記シリンダが取り付けられるとともに、前記口部に装着される装着キャップを備え、
前記付勢部材は、前記ステムの外側において前記装着キャップと前記吐出ヘッドとの間に介在している請求項1に記載の吐出器。 - 前記ステムのうち前記栓体よりも上方に位置する部分には、前記ステム内と前記吐出孔との連通及び遮断を切り替える上部弁体が設けられている請求項1又は請求項2に記載の吐出器。
- 前記シリンダには、前記シリンダ内と前記容器体内との連通及び遮断を切り替える下部弁体が設けられ、
前記下部弁体は、前記当接部に一体に形成されている請求項1から請求項3の何れか1項に記載の吐出器。
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