JP6667357B2 - ローラ - Google Patents

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Description

本発明は、用紙搬送装置の用紙分離に用いられるローラに関する。
スキャナー装置等の用紙搬送装置で用紙を搬送する際に、用紙の種類又は装置の設置環境等によって、ローラと用紙との間で、いわゆる鳴き音(ブーブー音、キーキー音)等の異音が発生する場合がある。鳴き音は、ローラの外周面に設けられたゴム部材と、用紙とが接触することにより生じるスティックスリップ振動により発生する。このような鳴き音は、利用者に不快感を与える。また、このような鳴き音が発生すると、利用者が、用紙搬送装置が故障したと勘違いする可能性もある。また、スティックスリップ振動が用紙に伝播し、用紙搬送装置が用紙を読み取った画像にムラが発生する可能性もある。
例えば、ローラの外周面に設けられたゴム部材と用紙との間の負荷(摩擦)が低減されるように、ゴム部材の材質又は用紙の搬送速度を変更することにより、スティックスリップ振動の発生を抑制することができる。しなしながら、その場合、用紙搬送装置の給紙性能(用紙分離性能)が低減してしまう。
搬送ローラと戻しローラとを備えたフィード・リバース・ローラ方式の分離給紙装置が開示されている(特許文献1を参照)。搬送ローラは、円柱形状に形成された搬送ローラ本体部と、その外周部に設けられて用紙に突き刺さる搬送ローラ突起とを有する。戻しローラは、円柱形状に形成された戻しローラ本体部と、その外周部に設けられて搬送ローラと戻しローラとが直接当接したときに搬送ローラ突起と噛み合う戻しローラ突起とを有する。搬送ローラ突起と戻しローラ突起は、各ローラの周方向に沿って所定周期により形成されるとともに、各ローラの軸方向に沿って複数個ずつ配列されている。
また、シャフト上に設けられたポリウレタン部材の外周面に、断面が波形形状である凹凸部が形成された給紙分離ロールが開示されている(特許文献2を参照)。この凹凸部を形成する凹部は、給紙分離ロールの軸方向に沿って延びており、周方向または軸方向に複数設けられている。
また、給紙方向に回転するフィードローラと、用紙通路を挟んでトルクリミッターによって給紙方向と逆方向に一定のトルクが付与されているさばきローラとを有する分離・給紙装置が開示されている(特許文献3を参照)。この分離・給紙装置において、フィードローラおよびさばきローラは、その円周方向に列状に針状突起部材を複数配列している。また、これらの針状突起部材と対向して圧接されるローラ表面は針状突起部材に合せて溝部を有し、この溝部に針状突起部材が位置するように構成される。
特開2002−167068号公報 特開2007−84339号公報 特開昭63−57447号公報
用紙搬送装置では、給紙性能の低下を抑制しつつ、スティックスリップ振動の発生を抑制できることが望まれている。
本発明の目的は、用紙搬送装置において、給紙性能の低下を抑制しつつ、スティックスリップ振動の発生を抑制することが可能な用紙分離に用いられるローラを提供することにある。
本発明の一側面に係るローラは、用紙搬送装置の用紙分離に用いられるローラであって、外周面に、円周方向に沿って所定間隔で配置された第1の複数の溝部と、幅方向に沿って配置された第2の複数の溝部と、を有し、第2の複数の溝部のそれぞれは、少なくとも、隣接する第1の複数の溝部の内の二つの溝部を繋ぐように配置され、第2の複数の溝部のそれぞれの長さは、ローラの全幅の20%以上且つ60%以下である。
本発明によれば、用紙搬送装置の用紙分離に用いられるローラにおいて、給紙性能の低下を抑制しつつ、スティックスリップ振動の発生を抑制することができる。
用紙搬送装置100を示す斜視図である。 用紙搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。 リタードローラ113の斜視図である。 リタードローラ113の外周面303の一部304の拡大図である。 リタードローラ113の外周面303の一部304の模式図である。 スティックスリップ振動について説明するための模式図である。 溝部と、鳴き音及び搬送エラーとの関係を表すグラフである。 リタードローラ113と給送ローラ112の関係を示す模式図である。 用紙搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
以下、本発明の一側面に係る用紙搬送装置について図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
図1は、イメージスキャナとして構成された用紙搬送装置100を示す斜視図である。
用紙搬送装置100は、下側筐体101、上側筐体102、用紙台103、排出台105及び操作ボタン106等を備える。
上側筐体102は、用紙搬送装置100の上面を覆う位置に配置され、原稿つまり時、用紙搬送装置100内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより下側筐体101に係合している。
用紙台103は、用紙を載置可能に下側筐体101に係合している。用紙台103には、用紙の搬送方向と直行する方向に移動可能なサイドガイド104a及び104bが設けられている。以下では、サイドガイド104a及び104bを総じてサイドガイド104と称する場合がある。
排出台105は、矢印A1で示す方向に回転可能なように、ヒンジにより下側筐体101に係合しており、図1のように開いている状態では、排出された用紙を保持することが可能となる。
操作ボタン106は、上側筐体102の表面に配置され、押下されると、操作検出信号を生成して出力する。
図2は、用紙搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
用紙搬送装置100内部の搬送経路は、第1用紙検出部111、給送ローラ112a、112b、リタードローラ113a、113b、第2用紙検出部114、超音波送信器115a、超音波受信器115b、第1搬送ローラ116a、116b、第1従動ローラ117a、117b、第3用紙検出部118、第1撮像部119a、第2撮像部119b、第2搬送ローラ120a、120b及び第2従動ローラ121a、121b等を有している。
以下では、給送ローラ112a及び112bを総じて給送ローラ112と称する場合がある。また、リタードローラ113a及び113bを総じてリタードローラ113と称する場合がある。また、第1搬送ローラ116a及び116bを総じて第1搬送ローラ116と称する場合がある。また、第1従動ローラ117a及び117bを総じて第1従動ローラ117と称する場合がある。また、第2搬送ローラ120a及び120bを総じて第2搬送ローラ120と称する場合がある。また、第2従動ローラ121a及び121bを総じて第2従動ローラ121と称する場合がある。
下側筐体101の上面は用紙の搬送路の下側ガイド107aを形成し、上側筐体102の下面は用紙の搬送路の上側ガイド107bを形成する。図2において矢印A2は用紙の搬送方向を示す。以下では、上流とは用紙の搬送方向A2の上流のことをいい、下流とは用紙の搬送方向A2の下流のことをいう。
第1用紙検出部111は、給送ローラ112及びリタードローラ113の上流側に配置される接触検出センサを有し、用紙台103に用紙が載置されているか否かを検出する。第1用紙検出部111は、用紙台103に用紙が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する第1用紙検出信号を生成して出力する。
第2用紙検出部114は、給送ローラ112及びリタードローラ113の下流側、かつ第1搬送ローラ116及び第1従動ローラ117の上流側に配置される接触検出センサを有し、その位置に用紙が存在するか否かを検出する。第2用紙検出部114は、その位置に用紙が存在する状態と存在しない状態とで信号値が変化する第2用紙検出信号を生成して出力する。
超音波送信器115a及び超音波受信器115bは、用紙の搬送路の近傍に、搬送路を挟んで対向するように配置される。超音波送信器115aは超音波を送信する。一方、超音波受信器115bは、超音波送信器115aにより送信され、用紙を通過した超音波を検出し、検出した超音波に応じた電気信号である超音波信号を生成して出力する。以下では、超音波送信器115a及び超音波受信器115bを総じて超音波センサ115と称する場合がある。
第3用紙検出部118は、第1搬送ローラ116及び第1従動ローラ117の下流側、かつ第1撮像部119a及び第2撮像部119bの上流側に配置される接触検出センサを有し、その位置に用紙が存在するか否かを検出する。第3用紙検出部118は、その位置に用紙が存在する状態と存在しない状態とで信号値が変化する第3用紙検出信号を生成して出力する。
第1撮像部119aは、主走査方向に直線状に配列されたCCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える縮小光学系タイプの撮像センサを有する。この撮像センサは、用紙の裏面を読み取ってアナログの画像信号を生成して出力する。同様に、第2撮像部119bは、主走査方向に直線状に配列されたCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプの撮像センサを有する。この撮像センサは、用紙の表面を読み取ってアナログの画像信号を生成して出力する。なお、第1撮像部119a及び第2撮像部119bを一方だけ配置し、用紙の片面だけを読み取るようにしてもよい。また、CCDの代わりにCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)を利用することもできる。以下では、第1撮像部119a及び第2撮像部119bを総じて撮像部119と称する場合がある。
用紙台103に載置された原稿は、給送ローラ112が図2の矢印A3の方向に回転することによって、下側ガイド107aと上側ガイド107bの間を用紙搬送方向A2に向かって搬送される。リタードローラ113は、用紙搬送時、図2の矢印A4の方向に回転する。給送ローラ112及びリタードローラ113の働きにより、用紙台103に複数の用紙が載置されている場合、用紙台103に載置されている用紙のうち給送ローラ112と接触している用紙のみが分離される。これにより、分離された用紙以外の用紙の搬送が制限されるように動作する(重送の防止)。このように、給送ローラ112及びリタードローラ113は、用紙分離に用いられる。
用紙は、下側ガイド107aと上側ガイド107bによりガイドされながら、第1搬送ローラ116と第1従動ローラ117の間に送り込まれる。用紙は、第1搬送ローラ116が図2の矢印A5の方向に回転することによって、第1撮像部119aと第2撮像部119bの間に送り込まれる。撮像部119により読み取られた用紙は、第2搬送ローラ120が図2の矢印A6の方向に回転することによって排出台105上に排出される。
図3Aは、用紙搬送装置100に用いられるリタードローラ113の斜視図であり、図3Bは、図3Aに示された、リタードローラ113の外周面303の一部304の拡大図である。
図3Aに示すように、リタードローラ113は、内層部301及び外層部302を有する弾性体を有する。内層部301は、円柱形状の内部コア(不図示)の側面を覆う円筒形状を有し、外層部302は、内層部301の側面を覆う円筒形状を有する。弾性体はエチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)で形成され、内層部301は発泡層で構成され、外層部302は非発泡層で構成される。なお、弾性体は、シリコーンゴム又はウレタンゴム等の他のゴム材料で形成されてもよい。内層部301の硬度は、JIS K 6253で規定されたタイプEの2以上且つ20以下に設定される。外層部302の硬度は、JIS K 6253で規定されたタイプAの20以上且つ50以下に設定される。
図3A、図3Bに示すように、外層部302の外周面303は、円周方向(矢印A7の方向)に沿って配置された第1の複数の溝部311を有する。溝部311は、ローレット加工により形成され、リタードローラ113の幅方向(矢印A8の方向)に所定間隔で配置される。なお、「円周方向に沿って配置される」とは、円周方向と完全に一致する方向に沿って配置されるものだけでなく、円周方向に対して所定量(例えば−30°〜+30°の範囲)だけ傾いた方向に沿って配置されるものも含まれる。
また、外周面303は、幅方向に沿って配置された第2の複数の溝部312を有する。第2の複数の溝部312のそれぞれは、ローレット加工により形成され、少なくとも、隣接する第1の複数の溝部311の内の二つの溝部を繋ぐように配置される。なお、「幅方向に沿って配置される」とは、幅方向と完全に一致する方向に沿って配置されるものだけでなく、幅方向に対して所定量(例えば−30°〜+30°の範囲)だけ傾いた方向に沿って配置されるものも含まれる。
図4は、図3Aに示された、リタードローラ113の外周面303の一部304をリタードローラ113の半径方向から見た模式図である。
図4に示すように、リタードローラ113の外周面303には、第1の複数の溝部311A〜Eが所定間隔W1毎に配置される。実施形態に係るリタードローラ113では、5つの溝部311A〜Eが等間隔に配置されるように、リタードローラ113の全幅Wは略12.0mmに設定され、所定間隔W1は略2.0mmに設定され、各溝部311A〜Eの溝幅W2は略0.2mmに設定される。この5つの溝部311A〜Eにより、外周面303は、円周方向A7に沿って、所定間隔W1の幅を有する6つの部分領域321A〜Fに分割される。
一般に、オフセット印刷がなされた用紙の表面には、印刷物同士が互いに接触すること、及び、それにより裏写りが発生することを防止するために、紙粉パウダが塗布される場合がある。このような用紙を用紙搬送装置100で搬送すると、用紙の表面に付着した紙粉パウダがリタードローラ113の外周面303に付着してゴム部材の摩擦係数が低下し、用紙分離性能が低下する可能性がある。実施形態に係るリタードローラ113では、円周方向A7に沿って第1の複数の溝部311が配置されることにより、リタードローラ113の外周面303に付着した紙粉パウダは第1の複数の溝部311に入り込む。そのため、以降に搬送される用紙は、溝部311に入り込んだ紙粉パウダとは直接に接触しなくなり、用紙とリタードローラ113との間の摩擦力は低下せず、用紙分離性能の低減は抑制される。
一方、外周面303には、第2の複数の溝部312A〜Eが、幅方向A8に沿って所定ピッチW3毎に配置される。実施形態に係るリタードローラ113では、所定ピッチW3は略4.0mmに設定され、各溝部312A〜Eの溝幅W4は略0.4mmに設定される。
各溝部312A〜Eはリタードローラ113の全幅Wにわたっておらず、第1の複数の溝部311A〜Eの内、各部分領域321B〜Eの両端に配置された相互に隣接する溝部を繋ぐように配置される。溝部312A、C、Eは、部分領域321Cの両端に配置された溝部311B及びC又は部分領域321Eの両端に配置された溝部311D及びEを繋ぐように部分領域321C又はEに配置される。溝部312B、Dは、部分領域321Bの両端に配置された溝部311A及びB又は部分領域321Dの両端に配置された溝部311C及びDを繋ぐように部分領域321B又はDに配置される。即ち、実施形態に係るリタードローラ113では、各溝部312A〜Eは、6つの部分領域321A〜Fの内の2つの部分領域に配置されており、各溝部312A〜Eの長さは、リタードローラ113の全幅Wの1/3に設定されている。
このように、第2の複数の溝部312A〜Eのそれぞれは、隣接する第1の複数の溝部311の内の二つの溝部を繋ぐように配置され、三つ以上の溝部を連続して繋がないように配置される。これにより、各溝部312A〜Eはリタードローラ113の外周面303に分散して配置され、各溝部312A〜Eの影響により、用紙が傾いて搬送されること(スキューの発生)が抑制される。
同様に、第2の複数の溝部312A〜Eの内の相互に隣接する溝部は、同一の部分領域には配置されず、一つ置きに位置する部分領域にそれぞれ配置される。これによっても、各溝部312A〜Eはリタードローラ113の外周面303に分散して配置され、各溝部312A〜Eの影響により、スキューが発生することが抑制される。
なお、給送ローラ112は、繊維(セルロース)状の紙粉を堆積させるために、第1の複数の溝部311と直交する方向(幅方向)に配置された複数の溝部を有している。一方、幅方向に配置された各溝部312A〜Eは、6つの部分領域321A〜Fの内、内側に位置する部分領域321B〜Eにのみ配置され、両端に位置する部分領域321A、Fには配置されていない。これにより、給送ローラ112及びリタードローラ113の両端の位置において、給送ローラ112の溝部と各溝部312A〜Eとが重なって、給送ローラ112及びリタードローラ113に挟まれた用紙が浮いてしまって、スキューが発生することが抑制される。
なお、各溝部312A〜Eは、両端に位置する部分領域321A、Fを含む全ての部分領域321A〜Fに配置されてもよい。また、各溝部312A〜Eは、両端に位置する部分領域321A、Fにのみ配置され、内側に位置する部分領域321B〜Eには配置されないようにしてもよい。同様に、各溝部312A〜Eは、両端から所定範囲に位置する部分領域321A、B、E、Fにのみ配置され、中央に位置する部分領域321C〜Dには配置されないようにしてもよい。これらの場合でも、各溝部312A〜Eはリタードローラ113の外周面303に分散して配置され、各溝部312A〜Eの影響により、スキューが発生することが抑制される。
また、各溝部312A〜Eは、一端側に位置する部分領域321A、A〜B又はA〜Cにのみ配置され、他の部分領域321B〜F、C〜F又はD〜Fには配置されないようにしてもよい。同様に、各溝部312A〜Eは、他端側に位置する部分領域321F、E〜F又はD〜Fにのみ配置され、他の部分領域321A〜E、A〜D又はA〜Cには配置されないようにしてもよい。これらの場合、各溝部312A〜Eは偏って配置されるため、各溝部312A〜Eの影響により、スキューが発生し易くなるが、後述するように、給紙性能の低下を抑制しつつ、スティックスリップ振動の発生を抑制することは可能となる。
図5は、スティックスリップ振動について説明するための模式図である。
図5に示すように、用紙台103に複数の用紙Mが載置された場合、給送ローラ112が矢印A9の方向に回転することにより、複数の用紙Mに用紙搬送方向A2に向かう力が加えられる。一方、リタードローラ113が矢印A10の方向に回転することにより、給送ローラ112と接触している用紙とそれ以外の用紙が分離され、複数の用紙Mのうち給送ローラ112と接触している用紙のみが用紙搬送方向A2に向かって搬送される。このとき、ゴム部材であるリタードローラ113と用紙とが接触することによりスティックスリップ振動が生じ、そのスティックスリップ振動によりいわゆる鳴き音が発生する。
リタードローラの溝部を変更しながら、用紙を搬送させる実験を行った結果、幅方向に沿って溝部を配置することにより、スティックスリップ振動が円周方向に伝播することが抑制され、スティックスリップ振動による鳴き音の発生が抑制されることが確認された。一方、幅方向に沿って溝部を配置することにより、リタードローラと用紙との間の摩擦力が低下し、用紙の重送又はジャム等の搬送エラーが発生し易くなってしまうことも確認された。
図6は、幅方向に沿った溝部と、複数の用紙を搬送する時に発生する鳴き音及び搬送エラーとの関係を表すグラフである。
図6の横軸はリタードローラの全幅の長さに対する幅方向に沿った溝部の長さの比率(以下、溝部比率と称する場合がある)[%]を示し、縦軸は複数の用紙を搬送する時に発生する鳴き音の大きさ[dB]又は搬送エラーの発生確率[%]を示す。図6のグラフ601は、複数の用紙を搬送する時に発生する鳴き音の大きさを表し、グラフ602は、搬送エラーの発生確率を表す。
図6に示すように、溝部比率が小さくなるほど、スティックスリップ振動が円周方向に伝播する割合が大きくなり、鳴き音の大きさは大きくなる。特に、溝部比率が20%未満になると、鳴き音の大きさは急激に変化していく。
一方、溝部比率が大きくなるほど、リタードローラと用紙との間の摩擦力が低下し、搬送エラーの発生確率は大きくなる。特に、溝部比率が60%より大きくなると、搬送エラーの発生確率は急激に変化していく。
この実験結果により、幅方向に沿った第2の複数の溝部312のそれぞれの長さは、リタードローラ113の全幅の20%以上且つ60%以下に設定されることが好ましい。
図7は、リタードローラ113と給送ローラ112の関係を示す模式図である。
図7に示すように、スティックスリップ振動が円周方向に伝播することを抑制するためには、給送ローラ112とリタードローラ113の間のニップ部分に、幅方向に沿った溝部312が必ず含まれる必要がある。したがって、相互に隣接する溝部312の間の所定ピッチW3は、給送ローラ112とリタードローラ113の間のニップ幅L以下に設定される。
一方、給送ローラ112とリタードローラ113による分離性能の低下を抑制するためには、各部分領域について、給送ローラ112とリタードローラ113の間のニップ部分に幅方向に沿った溝部312が同時に二つ以上含まれないことが望ましい。各部分領域において幅方向に沿った溝部312が配置される間隔は所定ピッチW3の2倍の長さに設定されているため、所定ピッチW3はニップ幅Lの1/2より大きい値に設定される。
なお、ニップ幅Lは、リタードローラ113のローラ径と、給送ローラ112のローラ径とから定められる。例えばリタードローラ113のローラ径が30mmであり、給送ローラ112のローラ径が30〜50mmである場合、ニップ幅Lは4〜6mmとなる。
図8は、用紙搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
用紙搬送装置100は、前述した構成に加えて、第1画像A/D変換部140a、第2画像A/D変換部140b、駆動部141、インターフェース部142、記憶部143及び中央処理部150等をさらに有する。
第1画像A/D変換部140aは、第1撮像部119aから出力されたアナログの画像信号をアナログデジタル変換してデジタルの画像データを生成し、中央処理部150に出力する。同様に、第2画像A/D変換部140bは、第2撮像部119bから出力されたアナログの画像信号をアナログデジタル変換してデジタルの画像データを生成し、中央処理部150に出力する。以下、これらのデジタルの画像データを読取画像と称する。
駆動部141は、1つ又は複数のモータを含み、中央処理部150からの制御信号によって、給送ローラ112、リタードローラ113、第1搬送ローラ116及び第2搬送ローラ120を回転させて原稿の搬送動作を行う。
インターフェース部142は、例えばUSB等のシリアルバスに準じるインターフェース回路を有し、不図示の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等)と電気的に接続して読取画像及び各種の情報を送受信する。また、インターフェース部142の代わりに、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インターフェース回路とを有する通信部が用いられてもよい。所定の通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)である。
記憶部143は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶部143には、用紙搬送装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部143にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD−ROM(compact disk read only memory)、DVD−ROM(digital versatile disk read only memory)等である。さらに、記憶部143には、読取画像が格納される。
中央処理部150は、CPU(Central Processing Unit)を備え、予め記憶部143に記憶されているプログラムに基づいて動作する。なお、中央処理部150は、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)等で構成されてもよい。また、中央処理部150は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programming Gate Array)等で構成されてもよい。
中央処理部150は、操作ボタン106、第1用紙検出部111、第2用紙検出部114、超音波センサ115、第3用紙検出部118、第1撮像部119a、第2撮像部119b、第1画像A/D変換部140a、第2画像A/D変換部140b、駆動部141、インターフェース部142及び記憶部143等と接続され、これらの各部を制御する。
中央処理部150は、駆動部141の駆動制御、撮像部119の原稿読取制御等を行い、読取画像を取得する。また、中央処理部150は、制御部151、画像生成部152及び重送判定部153等を有する。これらの各部は、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
以上詳述したように、用紙搬送装置100では、リタードローラ113の外周面303に、リタードローラ113の全幅の20%以上且つ60%以下の長さを有する幅方向に沿って配置された第2の複数の溝部312を配置する。用紙搬送装置100では、溝部312の長さを適切に制限することにより、給紙性能の低下を抑制しつつ、スティックスリップ振動の発生を抑制することが可能となった。これにより、鳴き音が発生することが抑制され、利用者に不快感を与えること、又は、利用者が、用紙搬送装置が故障したと勘違いすることを抑制することが可能となった。また、スティックスリップ振動が用紙に伝播して、用紙を読み取った画像にムラが発生することも抑制することが可能となった。
また、用紙搬送装置100は、スティックスリップ振動の発生を抑制するために、摩擦係数の高い材質で形成されたリタードローラ、又は、リタードローラを搬送ローラに押し付けて振動の発生を抑制する振動抑制部材等を利用しない。一般に、このようなリタードローラ又は振動抑制部材は高価であり、さらに、このようなリタードローラ又は振動抑制部材を利用するとリタードローラの耐久性が低減する。したがって、用紙搬送装置100は、装置コストの増大及び部品の耐久性の低減を抑制しつつ、スティックスリップ振動の発生を抑制することが可能となった。
また、用紙搬送装置100では、リタードローラ113の外周面303に、幅方向に沿って配置された第1の複数の溝部311を配置する。これにより、ユーザは、リタードローラ113に付着した紙粉パウダを取り除くためにリタードローラ113を頻繁に清掃する必要がなくなり、利便性を向上させることが可能となった。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、用紙搬送装置は、イメージスキャナでなく、ファクシミリ、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。
100 用紙搬送装置
113 リタードローラ
301 内層部
302 外層部
303 外周面
311 第1の複数の溝部
312 第2の複数の溝部

Claims (2)

  1. 用紙搬送装置の用紙分離に用いられるローラであって、
    外周面に、円周方向に沿って所定間隔で配置された第1の複数の溝部と、
    幅方向に沿って配置された第2の複数の溝部と、を有し、
    前記第2の複数の溝部のそれぞれは、少なくとも、隣接する前記第1の複数の溝部の内の二つの溝部を繋ぐように配置され、
    前記第2の複数の溝部のそれぞれの長さは、前記ローラの全幅の20%以上且つ60%以下であ
    前記第2の複数の溝部の円周方向のピッチは、前記ローラと前記ローラに対向するローラの間のニップ幅の1/2より大きく且つ前記ニップ幅以下である、
    ことを特徴とするローラ。
  2. 前記ローラは、内層部及び外層部を有する弾性体を有し、
    前記内層部の硬度は、JIS K 6253で規定されたタイプEの2以上且つ20以下であり、
    前記外層部の硬度は、JIS K 6253で規定されたタイプAの20以上且つ50以下である、請求項に記載のローラ。
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