JP6658424B2 - 耐食鋼のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents

耐食鋼のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ Download PDF

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Description

本発明は、耐食鋼の溶接に適したガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに関する。
長期間使用することによって大気腐食環境中に暴露されている耐候性鋼材は、一般的には、その表面に保護性のあるさび層が形成される。このさび層が外界からの腐食性物質を遮蔽することで、それ以降の鋼材腐食が抑制されて耐候性を発揮する。そのため、耐候性鋼材は、塗装せずに裸のまま使用可能な鋼材として、橋梁等の構造物に用いられている。
しかしながら、海浜地域に加え、内陸部でも融雪剤が散布される地域のように飛来塩分量が多い環境下では、耐候性鋼材の表面に保護性のあるさび層が形成されにくく、腐食を抑制する効果が発揮されにくい。そのため、これらの地域では、裸のままの耐候性鋼材を用いることができず、塗装をして用いる必要がある。
さらに、前述の飛来塩分量が多い環境下では、塗膜劣化によって塗膜傷が生じ、塗膜傷部直下の鋼材が直接的に腐食環境にさらされるために、傷部を中心としてコブ状に塗膜が膨れ上がる腐食形態を示す。このような腐食形態の進行によってさらに塗膜傷部が累進的に拡大することで構造物の腐食が進展し続けるため、構造物の寿命延長を目的として約10年毎に再塗装を実施することが多い。このような補修工程には多大な工数がかかることから、塗装寿命を延長し、補修塗装間隔を大きく延ばすことで維持管理費用の低減を可能とする新しい耐食性鋼材について、いくつかの技術提案がなされている。
例えば、特許文献1(特開2008−163374号公報)には、飛来塩分量が多い海浜地域、あるいは、融雪剤が散布される地域における構造物に塗装を施して使用する場合、塗膜欠陥部などからの腐食を抑制可能であることを特徴とする耐食鋼についての開示がある。
特許文献2(特開2007−262555号公報)には、石炭・鉱石運搬船のホールド内の高湿度、かつ、硫黄分や塩分のような腐食性物質が存在する環境下において、さらに、荷下ろし時の機械的摩擦によって塗膜が剥がれやすい前提で塗膜の寿命延長と塗膜が剥がれた後の腐食抑制が可能であることを特徴とする耐食鋼についての開示がある。
また、鋼材自体の耐食性に加え、上記特許文献1及び特許文献2に開示された耐候性鋼・耐食鋼を溶接した場合の溶接金属にも優れた耐候性・塗装耐食性を付与させることが求められている。
特に溶接継手において余盛は溶接金属の最終層であり、通常はこれを切削除去せずに母材表面から突出した形状のままで使用することが通例である。余盛の領域に施された塗膜は、その周囲の平滑な母材に施された塗膜表面に比較して、使用中の積載物からの衝突や機械的摩擦を相対的により頻回に、強く受けやすい。また、余盛自体が凸形で複雑な形状を呈するため、塗装施工において、周囲の母材と比較して相対的に塗膜の膜厚が薄手となる傾向があり、これらの理由から余盛表面は、塗膜の剥離を誘引しやすく、鋼構造物の使用開始から早期に、累進的な塗膜破壊が進行する腐食形態の起点となりやすい。
そのため、継手の最表面でもある余盛、すなわち溶接金属に母材同等、あるいは、それ以上の優れた耐候性・塗装耐食性を付与させることは、構造物全体の耐候性・塗装耐食性を担保するうえで非常に重要であり、これを実現するための溶接材料が求められている。
耐候性鋼用のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤとして、例えば、特許文献3(特開2013−151001号公報)には、Cu及びCrを含有する全姿勢溶接に適用するガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤの開示がある。
また、特許文献4(特開2011−125904号公報)には、Ni、Cr及びCuを含有する全姿勢溶接に適用する耐候性鋼用のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤの開示がある。
さらに、特許文献5(特開2000−288781号公報)には、Cu−Ni−Ti系海浜耐候性鋼を全姿勢で溶接する高耐候性鋼用のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤの開示がある。
しかし、特許文献3〜特許文献5に記載の技術においても、特に溶接継手の最終層に施された塗膜は、その周囲の平坦な母材に施された塗膜表面に比較して、余盛が凸状で複雑な形状を呈するため、塗装皮膜が薄くなる傾向にあり、塗膜の剥離を誘引しやすく、飛来塩分量の多い環境下では、腐食形態の起点となるという問題があった。
特開2008−163374号公報 特開2007−262555号公報 特開2013−151001号公報 特開2011−125904号公報 特開2000−288781号公報
本発明は、上記の現状に鑑み、飛来塩分量が多いなど腐食性物質が存在する環境下においても耐候性及び耐塗装剥離性に優れた溶接継手が得られ、全姿勢溶接において溶接作業性が良好で溶接金属の機械的性質に優れた耐食鋼のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを提供することを目的とする。
発明者らは、上記の課題を解決すべく耐食鋼のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤの望ましい化学組成を見出すべく、種々の合金元素の作用効果について調査した。その結果、耐候性及び塗装耐食性に優れる溶接継手を得るには、溶接金属にSn(スズ)を含有させるためにワイヤ中にSnを添加することが有効であることを見出した。また、Snに加えてCuを溶接金属に含有させることにより、さらに優れた耐候性及び塗装耐食性を示す溶接継手を得ることを見出した。
溶接作業性については、主としてTi酸化物、Si酸化物、Zr酸化物、Na化合物、K化合物及び弗素化合物をワイヤに適量添加とすることによって、全姿勢溶接において溶接作業性が良好になることを見出した。さらに、Al及びAlを適量添加することにより、立向上進及び上向姿勢溶接における溶接作業性が良好になることを見出した。加えて、Biの適量添加により、溶接ビード表面に生成するスラグの剥がれやすさ(スラグ剥離性)が向上することを見出した。
溶接金属の機械的性質については、C、Si、Mn及びMgを適量添加することによって、適度の強度が得られ靭性が良好になることを見出した。加えて、Ni、Ti及びBを適宜添加することにより低温靱性が良好になることを見出した。さらに、Moを添加することにより高強度の溶接金属を得ることを見出した。
そのようにしてなされた本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)鋼製外皮にフラックスを充填してなる耐食鋼のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、前記ワイヤ中に、ワイヤの全質量に対する質量%で、C:0.03〜0.12%、Si:0.20〜0.85%、Mn:1.5〜3.2%、Ti酸化物のTiO換算値:4.5〜7.0%、Si酸化物のSiO換算値:0.2〜0.9%、Zr酸化物のZrO換算値:0.1〜0.7%、Mg:0.05〜0.70%、Sn:0.05〜0.40%、Na化合物及びK化合物のNaO換算値とKO換算値の合計:0.05〜0.40%、弗素化合物のF換算値:0.02〜0.25%を含有し、残部は鋼製外皮のFe分、合金鉄中のFe分、鉄粉及び不可避不純物であることを特徴とする耐食鋼のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
(2)ワイヤ全質量に対する質量%で、Cu:0.7%以下をさらに含有することを特徴とする前記(1)に記載の金耐食鋼のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
(3)ワイヤ全質量に対する質量%で、Al及びAlのAl換算値の合計:0.6%以下をさらに含有することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の耐食鋼のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
(4)ワイヤ全質量に対する質量%で、Ni:3%以下、Ti:0.5%以下、B:0.01%以下の1種又は2種以上をさらに含有することを特徴とする前記(1)から(3)のいずれかに記載の耐食鋼のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
(5)ワイヤ全質量に対する質量%で、Bi及びBi酸化物のBi換算値の合計:0.035%以下をさらに含有することを特徴とする前記(1)から(4)のいずれかに記載の耐食鋼のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
(6)ワイヤ全質量に対する質量%で、Mo:0.4%以下をさらに含有することを特徴とする前記(1)から(5)のいずれかに記載の耐食鋼のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
本発明の耐食鋼のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤによれば、海浜地域など飛来塩分量が多い環境下でも耐候性及び耐塗装剥離性に優れた溶接金属が得られ、溶接部を起点とした塗膜剥離の拡大による腐食の進行の抑制が可能となり、構造物の寿命延長を目的とした再塗装工程までの期間を延長することで、維持管理費用の低減が可能となる。また、全姿勢溶接における溶接作業性が良好で、溶接欠陥が無く機械的性能の優れた高品質の溶接部を提供することができる。
溶接部の耐食性評価のための腐食試験片用の試料の採取位置を示した図である。 溶接部の塗装耐食性評価のための腐食試験片の形状、及び、クロスカットの概略を示した図である。 腐食試験方法(SAE J2334試験、1サイクルあたりの実施条件)の概略を示した図である。
本発明の耐食鋼のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤが適用される溶接継手の用途は、特に制限されるものではないが、好ましくは構造用鋼材、特に、港湾施設、橋梁、建築・土木構造物やタンク、船舶・海洋構造物、鉄道、コンテナなどの鋼構造物を構成する溶接継手である。
また、本発明の耐食鋼のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤが適用される鋼材の材質は、特に鋼種を限定するものではなく、炭素鋼、低合金鋼等の普通鋼材でよい。耐候性鋼やNi、Sn等を含有する低合金鋼であれば、耐候性、塗装耐食性の観点からは有利である。
以下、本発明の耐食鋼のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤの化学組成限定理由について説明する。なお、以下の成分についての%は、フラックス入りワイヤ全質量(鋼製外皮とフラックスの合計質量)に対する質量%で示す。
[C:0.03〜0.12%]
Cは、溶接金属の強度と焼入れ性を確保するために必要な最も基本的な元素である。Cが0.03%未満では、溶接金属に必要な強度が得られない。また、靭性が低下する。一方、Cが0.12%を超えると、高温割れが生じやすく、また溶接金属の強度が高くなり、靭性が低下する。
したがって、Cは、0.03〜0.12%とする。好ましくは、0.04〜0.07%の範囲である。なお、Cは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックス中の金属粉及び合金粉から添加できる。
[Si:0.20〜0.85%]
Siは、溶接時の脱酸剤として添加される元素である。Siが0.20%未満であると、溶接金属の脱酸不足で靭性が低下する。一方、Siが0.85%を超えると、溶接金属の強度が高くなり靭性が低下する。
したがって、Siは、0.20〜0.85%とする。好ましくは、0.20〜0.70%の範囲である。なお、Siは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスから金属Si、Fe−Si、Fe−Si−Mn等の合金粉で添加できる。
[Mn:1.5〜3.2%]
Mnは、溶接金属の強度を確保するため、また、溶接時の脱酸を補助し溶接金属の靱性を確保するために添加される元素である。Mnが1.5%未満であると、溶接金属の強度及び靱性が低下する。一方、Mnが3.2%を超えると、溶接金属の強度が高くなり靱性が低下する。
したがって、Mnは、1.5〜3.2%とする。好ましくは、1.8〜3.0%の範囲である。なお、Mnは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスから金属Mn、Fe−Mn、Fe−Si−Mn等の合金粉で添加できる。
[Ti酸化物のTiO換算値:4.5〜7.0%]
Ti酸化物は溶融スラグの主成分となり、溶融スラグに適度な粘性と融点を与え、ビード全体にスラグを被包させ、特に立向上進や上向姿勢の溶接における耐メタル垂れ性を向上させる。また、アークを安定に持続させ、スパッタ発生量を低減させる効果がある。 Ti酸化物のTiO換算値が4.5%未満では、立向上進や上向姿勢の溶接においてメタルが垂れやすくなり、平滑なビードが得られない。一方、Ti酸化物のTiO換算値が7.0%を超えると、スラグ量が多くなり、水平すみ肉溶接においてビード下部が膨らみ、ビード形状が不良になる。また、スラグ巻き込みが発生しやすい。
したがって、Ti酸化物のTiO換算値は、4.5〜7.0%とする。好ましくは、4.8〜6.6%の範囲である。なお、Ti酸化物は、フラックスからルチル、酸化チタン、チタンスラグ、イルミナイト、チタン酸ソーダ、チタン酸カリ等から添加できる。
ここで、換算値の計算の仕方について、Ti酸化物のTiO換算値を例にとって説明する。ワイヤ中に含まれているすべてのTi酸化物(例えば、TiO2、Ti、Ti、チタン酸ソーダ、チタン酸カリ等)について、(一旦Oを除外して)Tiのみの質量の総和を取り、この総Ti量がすべてTiO由来であると仮定した場合の、ワイヤ全質量に対するTiOの質量%を換算値とする。
[Si酸化物のSiO換算値:0.2〜0.9%]
Si酸化物は溶融スラグの粘性を高め、ビード上のスラグの被包性を調整する。Si酸化物のSiO換算値が0.2%未満では、溶融スラグの粘性が不足し、水平すみ肉溶接でスラグの被包が不十分となり、ビード外観が不良になる。一方、Si酸化物のSiO換算値が0.9%を超えると、溶融スラグの融点が低下し、立向上進及び上向姿勢の溶接でメタル垂れが発生しやすくなる。また、溶接金属の酸素量が増えて靭性が低下する。
したがって、Si酸化物のSiO換算値は、0.2〜0.9%とする。好ましくは、0.2〜0.8%の範囲である。なお、Si酸化物は、フラックスから珪砂、ジルコンサンド、長石、珪酸ソーダ、珪酸カリ等から添加できる。
[Zr酸化物のZrO換算値:0.1〜0.7%]
Zr酸化物は、溶融スラグの融点を高め、立向上進及び上向姿勢の溶接において耐メタル垂れ性を向上させ、水平すみ肉溶接においては、スラグの被包性を調整し、ビードを平滑にする効果がある。Zr酸化物のZrO換算値が0.1%未満では、それらの効果が得られず、立向上進及び上向姿勢の溶接において、メタル垂れが生じ、水平すみ肉溶接においては、スラグの被包性が悪く、ビード形状が不良となる。一方、Zr酸化物のZrO換算値が0.7%を超えると、溶融スラグの融点が高くなりすぎ、立向上進及び上向姿勢の溶接でメタルが垂れやすくなる。また、水平すみ肉溶接ではビードが凸形状になる。さらに、溶接姿勢に関わらず、スラグが緻密で固くなり、スラグ剥離性が不良になる。
したがって、Zr酸化物のZrO換算値は、0.1〜0.7%とする。好ましくは、0.1〜0.6%の範囲である。なお、Zr酸化物は、フラックスからジルコンサンド、酸化ジルコニウム等から添加できるとともに、Ti酸化物に微量含有される。
[Mg:0.05〜0.70%]
Mgは、溶接金属中の酸素量を低減し、溶接金属の靭性を確保するのに必要な元素である。Mgが0.05%未満であると、溶接金属の靭性が低下する。一方、Mgが0.70%を超えると、溶接中に発生するスパッタが多くなり、また、立向上進及び上向姿勢の溶接でメタル垂れが生じやすくなる。水平すみ肉溶接では、ビード外観及び形状が不良となる。
したがって、Mgは、0.20〜0.60%とする。なお、Mgは、フラックスから添加することが好ましく、金属Mg、Al−Mg等の合金粉末から添加できる。
[Sn:0.05〜0.40%]
Snは、耐候性・耐塗装剥離性を担う重要な元素である。Snが0.05%未満であると、溶接金属の耐候性及び耐塗装剥離性の確保ができない。一方、Snが0.40%を超えると、粒界へのSnの偏析により溶接金属の靭性が低下する。
したがって、Snは、0.05〜0.40%とする。好ましくは、0.10〜0.30%の範囲である。なお、Snは、鋼製外皮の成分として含有させてもよいし、フラックスから金属SnあるいはSn化合物で添加してもよい。
Snが溶接金属の耐候性及び耐塗装剥離性を向上させる理由は、溶接金属中の金属Snがスズイオン(II)(Sn2+)として溶出し、環境中に暴露されている部位、すなわち、酸性塩化物溶液中でインヒビター作用を示し、pHが低下したアノードでの腐食を抑制するからである。また、鉄(III)イオン(Fe3+)を還元させる作用(2Fe3++Sn2+→2Fe2++Sn4+)も持つため、Fe3+の腐食促進作用を抑制し、飛来塩分の多い環境での耐候性を向上させる。
[Na化合物及びK化合物のNaO換算値とKO換算値の合計:0.05〜0.40%]
Na化合物及びK化合物は、溶接中のアークを安定にする作用があるとともに、溶接時の溶融スラグの粘性を調整してビード形状・外観を整える作用がある。Na化合物及びK化合物のNaO換算値とKO換算値の合計が0.05%未満では、溶接時にアークが不安定となり、スパッタが多く発生する。また、水平すみ肉溶接でビード形状及びビードの外観が悪くなる。一方、Na化合物及びK化合物のNaO換算値とKO換算値の合計が0.40%を超えると、溶融スラグの粘性が低下しすぎ、立向上進や上向姿勢の溶接においてメタルが垂れやすくなる。また、水平すみ肉溶接において、ビード上部にアンダカットが発生しやすくなる。
したがって、Na化合物及びK化合物のNaO換算値とKO換算値の合計は、0.05〜0.40%とする。好ましくは、0.05〜0.25%の範囲である。なお、Na化合物及びK化合物は、フラックスから長石、珪酸ソーダ、珪酸カリ等の酸化物、弗化ソーダ、珪弗化カリ、氷晶石等の弗化物から添加できる。
[弗素化合物のF換算値:0.02〜0.25%]
弗素化合物は、アークの集中性を良くし、安定した溶融プールの形成に効果がある。また、溶融スラグの粘性を調整してビード形状を平滑にする作用がある。弗素化合物のF換算値が0.02%未満では、水平すみ肉溶接でビード形状が安定しない。一方、弗素化合物のF換算値が0.25%を超えると、溶融スラグの粘性が低下しすぎて、立向上進及び上向姿勢の溶接においてメタルが垂れやすくなる。また、スパッタ発生量が多くなる。
したがって、弗素化合物のF換算値は、0.02〜0.25%とする。なお、弗素化物は、フラックスから弗化ソーダ、珪弗化カリ、弗化マグネシウム、氷晶石等から添加できる。
本発明は以上の元素や化合物を含有することを基本的な要件とするが、さらに以下に記載する元素や化合物を必要に応じて含有できる。
[Cu:0.7%以下]
Cuは、Snと同様に耐候性・耐塗装剥離性を担う元素であり、より高い耐候性・耐塗装剥離性を得るためにSnに加えてCuを0.7%以下の範囲で添加してもよい。より高い耐候性・耐塗装剥離性が発揮させるためにはCuを0.05%以上添加することが好ましい。しかし、Cuが0.7%を超えると、溶接金属の靭性が低下する。
したがって、Cuは、0.7%以下とする。好ましくは、0.05〜0.60%とする。なお、Cuは、鋼製外皮の成分の他、フラックスからの金属Cu及びワイヤ表面のCuめっき等から添加できる。
Cuが溶接金属の耐候性及び耐塗装剥離性を向上させる理由は、Cuを含有した溶接金属そのものの溶解反応(腐食反応)の反応速度を低減すること、及び、Cuを含有する溶接金属では、表面(余盛部など)に生成する腐食生成物(錆)が、特徴的な微細かつ緻密な構造を呈することにより、水、酸素、塩化物イオン等の透過を抑制する防食性の高い錆層を形成するからである。
[Al及びAlのAl換算値の合計:0.6%以下]
Al及びAlは、溶融スラグの融点を高め、立向上進及び上向姿勢の溶接におけるメタル垂れを生じにくくする作用があるので添加してもよい。Al及びAlのAl換算値の合計が0.6%を超えると、水平すみ肉溶接においてビード下部が膨らんで外観が不良になる。また、スラグ巻き込みが発生しやすい。
したがって、Al及びAlのAl換算値の合計は、0.6%以下とする。立向上進及び上向姿勢の溶接におけるメタル垂れを生じにくくする効果を得るためにはAlのAl換算値の合計で0.01%以上添加することが好ましい。なお、Alは、アルミナ、長石等で添加できる。またAlは、鋼製外皮成分の他、金属Al、Fe−Al合金、Al−Mg合金粉等から添加できる。
[Ni:3%以下、Ti:0.5%以下、B:0.01%以下の1種又は2種以上]
Ni、Ti及びBは、溶接金属の低温靭性を向上させる効果があるので添加してもよい。Niが3%を超えると、溶接金属に高温割れが生じやすくなる。Tiが0.5%を超えると、溶接金属の靭性が低下するとともに、スパッタ発生量の増加、ビード表面へのスラグの焼き付きが生じやすくなる。また、Bが0.01%を超えると、溶接金属に高温割れが発生しやすくなる。
したがって、Ni:3%以下、Ti:0.5%以下、B:0.01%以下の1種又は2種以上とする。また、溶接金属の低温靭性を向上するためには、Ni:0.1%以上、Ti:0.03%以上、B:0.002%以上の1種又は2種以上を添加することが好ましい。Niの好ましい上限は、2.6%である。Tiの好ましい上限は、0.4%である。Bの好ましい上限は、0.08%である。なお、Niは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスからの金属Ni、Fe−Ni等の合金粉末から添加、Tiは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスからの金属Ti、Fe−Ti等の合金粉末から添加、Bは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスからの金属B、Fe−B、Fe−Mn−B等の合金粉末から添加できる。
[Bi及びBi酸化物のBi換算値の合計:0.035%以下]
Bi及びBi酸化物は、溶接ビードからのスラグの剥離性を向上させる効果があるので添加してもよい。しかし、Bi及びBi酸化物のBi換算値の合計が0.035%を超えると溶接金属に高温割れを生じさせる。
したがって、Bi及びBi酸化物のBi換算値の合計は、0.035%以下とする。また、スラグの剥離性を向上させる効果を得るためにはBi:0.005%以上添加することが好ましい。好ましい上限は、0.030%である。なお、Biは、金属Bi、酸化ビスマス等の粉末から添加できる。
[Mo:0.4%以下]
Moは溶接金属の強度を向上させる効果があるので添加してもよい。しかし、Moが0.4%を超えると、溶接金属の強度が高くなり靭性が低下する。したがって、Moは、0.4%以下とする。また、溶接金属の強度を向上させる効果を得るためには、Mo:0.01%以上とすることが好ましい。好ましい上限は、0.3%である。なお、Moは、鋼製外皮に含まれる成分の他、金属Mo、Fe−Mo等の合金粉末から添加できる。
本発明の耐食鋼ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤの残部は、鋼製外皮のFe、添加する鉄粉、Fe−Mn、Fe−Si合金等の鉄合金粉のFe分及び不可避不純物である。不可避不純物については特に限定しないが、耐高温割れ性の観点から、Pは0.030%以下、Sは0.030%以下が好ましい。
なお、本発明の耐食鋼のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤは、通常のフラックス入りワイヤの製造方法と同様の工程によって製造することができる。すなわち、鋼製外皮をパイプ状に形成し、内部にフラックスを充填する。鋼製外皮の合わせ目を溶接して継目の無いタイプと鋼製外皮の合わせ目を溶接しないでかしめる、継目を有するタイプに大別できる。継目の無いタイプは、フラックス入りワイヤ中の水素量を低減することを目的とした熱処理が可能であり、かつ、製造後のフラックス入りワイヤの吸湿が少ないので、溶接金属の拡散性水素を低減でき、耐割れ性の向上を図ることができるので、より好ましい。
また、フラックス充填率は特に制限はしないが、生産性の観点から、ワイヤ全質量に対して8〜20%とするのが好ましい。
以下、実施例により本発明の効果を更に詳細に説明する。
JIS G 3141で規定されるSPCCを鋼製外皮として使用してフラックスを充填後、縮径して(外皮の軟化及び脱水素のため中間焼鈍を1回実施)、表1に示す成分を有し、フラックス充填率13.5%、ワイヤ径1.2mmの鋼製外皮に貫通した隙間が無い、継目のないタイプであるシームレスタイプのフラックス入りワイヤを各種試作した。
なお、表1の数値は、フラックス入りワイヤ全質量(鋼製外皮とフラックスの合計の質量)に対する質量%を示す。また、フラックス入りワイヤは、残部として、鋼製外皮のFe分、合金鉄のFe分、鉄粉及び不可避不純物を含む。
Figure 0006658424
はじめに溶接作業性の調査を実施した。この調査では、表1に示す試作ワイヤを用いて、板厚12mmのJIS G 3106 SM490Aの鋼でT字すみ肉試験体を作製し、表2に示す溶接条件で、半自動溶接にて、水平、立向上進及び上向の各姿勢ですみ肉溶接試験を実施し、各姿勢におけるすみ肉溶接部のビード形状、スパッタ発生状況及びスラグ剥離性を調査した。
Figure 0006658424
次いで、溶着金属の機械的性質及び耐食性の評価は、JIS Z 3111に準じて溶着金属試験を実施し、X線透過試験を実施した後、引張試験、衝撃試験及び耐食性評価試験を実施した。使用した母材は、C:0.11%、Si:0.18%、Mn:1.44%、P:0.011%、S:0.002%、Sn:0.12%を含有した耐食鋼の鋼板である。溶接条件は、表2に示す条件とした。
溶着金属の機械的性質の合格判定基準は、引張試験における引張強さが510〜660MPa、0℃の衝撃試験における吸収エネルギーが60J以上を合格とした。低温靱性確保のため、Ni、Ti、Bを添加したものについては、引張強さが510〜660MPa、−40℃の吸収エネルギーが60J以上のものを合格とした。Moを添加したものについては、引張強さが590〜720MPa、0℃の吸収エネルギーが60J以上を合格とした。
耐食性の評価では、まず、図1に示すように、試験片作製用の試料(厚さ3mm×幅60mm×長さ150mm)を溶着金属2が中心となるように母材1表面から深さ1mmの採取位置3から採取し、その表面をショットブラスト処理した後、炉内温度80℃で加熱乾燥させて腐食試験片素材とした。次に、腐食試験片素材の両面に、塗料A(中国塗料(株)製バンノー#200)または塗料B(神東塗料(株)製ネオゴーセイプライマーHB)のいずれかの塗料を鋼材表面に膜厚200〜350μmの厚さで塗装し腐食試験片を作製した。この試験片に、図2に示すように溶着金属2を跨ぐようにクロスカット4を施すことで塗膜傷を模擬した腐食試験片5を作製した。クロスカット4は、塗膜の上から下地の鋼表面まで達するスクラッチ疵をカッターナイフで施した。
その後、得られた腐食試験片5をSAE(Society of Automotive Engineers) J2334試験に従い、耐食性を評価した。
ここで、SAE J2334試験について説明する。SAE J2334試験とは、湿潤(50℃、100%RH、6時間)、塩分付着(0.5質量%NaCl、0.1質量%CaCl、0.075質量%NaHCO水溶液浸漬、0.25時間)、乾燥(60℃、50%RH、17.75時間)の3過程を1サイクル(合計24時間)とする乾湿繰り返しの条件で行う加速試験である。1サイクルの概略を図3に示す。
この腐食試験は、飛来塩分量が1mddを超えるような厳しい腐食環境を模擬する試験であり、この腐食形態が大気暴露試験に類似しているとされている(長野博夫、山下正人、内田仁著:環境材料学、共立出版(2004)、p.74参照)。
SAE J2334試験の80サイクル後に、各試験片の塗膜剥離、膨れ面積率を計測した。その後、表面の残存塗膜と生成した錆層を除去し、塗装被膜疵部の腐食深さを測定後、平均腐食深さを算出した。
耐候性・耐塗装剥離性の評価は、塗膜剥離・膨れ面積率が50%未満、かつ、塗膜傷部平均腐食深さが0.5mm未満の場合を合格とした。さらに、Cuを添加したワイヤについては、塗膜剥離・膨れ面積率が20%未満、かつ、塗膜傷部平均腐食深さが0.25mm未満の場合を合格とした。これらの結果を表3にまとめて示す。
Figure 0006658424
表1及び表3中のワイヤ記号W1〜W16は、本発明例、ワイヤ記号W17〜W31は、比較例である。
本発明例であるワイヤ記号W1〜W16は、本発明例で規定した各成分範囲内であるので、水平、立向上進及び上向の各姿勢のすみ肉溶接においてビード形状が良好で、スラグ剥離性及びスパッタ発生量が少なく、X線透過試験で欠陥が無く、溶着金属の引張強さ及び吸収エネルギーが良好で、塗装剥離・膨れ面積率は全て50%未満、かつ塗装傷部腐食深さは、全て0.5mm未満であり、極めて満足な結果であった。
なお、Ni、Ti及びBの1種又は2種以上を含んだワイヤ記号W9、W10、W12、W13及びW14は、溶着金属の−40℃の吸収エネルギーが60J以上であった。さらに、Cuを含んだワイヤ記号W6、W7、W8、W9及びW10は、溶接部の耐食性評価試験における塗膜剥離・膨れ面積率が20%未満かつ塗膜傷部の平均腐食深さが0.25mm未満であった。ワイヤ記号W8、W11及びW12は、Al及びAlのAl換算値を適量含んでいるので、立向上進及び上向のビード形状が特に良好であった。ワイヤ記号W8及びW15は、Biを適量含んでいるので、優れたスラグ剥離性を示した。ワイヤ記号W10、W14及びW16は、Moを適量含んでいるので、溶着金属の引張強さが590MPa以上得られた。
これに対し、比較例中、ワイヤ記号W17は、TiO換算値が小さいので、立向上進及び上向のすみ肉溶接でメタル垂れが生じて平滑なビードが得られなかった。また、Mn量が少ないので、溶着金属の引張強さが低く、吸収エネルギーが低値であった。さらに、B量が多いのでクレータ割れが生じた。
ワイヤ記号W18は、TiO換算値が大きいので、水平すみ肉溶接でビード形状が不良となり、X線透過試験で、スラグ巻き込みが生じた。また、C量が少ないので、溶着金属の引張強さ及び吸収エネルギーが低値であった。
ワイヤ記号W19は、SiO換算値が小さいので、水平すみ肉溶接でビード形状が不良であった。また、Mn量が多いので、溶着金属の引張強さが高く、吸収エネルギーが低値であった。
ワイヤ記号W20は、SiO換算値が大きいので、立向上進及び上向のすみ肉溶接でメタル垂れが生じて平滑なビードが得られなかった。また、溶着金属の吸収エネルギーが低値であった。さらに、Sn量が少ないので、溶着金属の塗膜剥離・膨れ面積率が大きく、塗膜傷部の平均腐食深さも深かった。
ワイヤ記号W21は、ZrO換算値が小さいので、評価した全ての姿勢のすみ肉溶接においてビード形状が不良であった。また、Si量が少ないので溶着金属の吸収エネルギーが低値であった。
ワイヤ記号W22は、ZrO換算値が大きいので、評価した全ての姿勢のすみ肉溶接においてビード形状が不良であった。また、Mg量が少ないので、溶着金属の吸収エネルギーが低値であった。
ワイヤ記号W23は、Si量が多いので、溶着金属の引張強さが高く、吸収エネルギーが低値であった。また、NaO換算値とKO換算値の合計が小さいので、水平すみ肉溶接でビード形状が不良で、スパッタ発生量が多かった。
ワイヤ記号W24は、Mg量が多いので、評価した全ての姿勢のすみ肉溶接においてビード形状が不良で、スパッタ発生量が多かった。また、Sn量が多いので、溶着金属の吸収エネルギーが低値であった。
ワイヤ記号W25は、NaO換算値とKO換算値の合計が大きいので、評価した全ての姿勢のすみ肉溶接においてビード形状が不良であった。また、Bi及びBi酸化物のBi換算値の合計が大きいので、クレータ割れが生じた。
ワイヤ記号W26は、F換算値が大きいので、評価した全ての姿勢のすみ肉溶接においてビード形状が不良であった。また、Cu量が多いので、溶着金属の吸収エネルギーが低値であった。
ワイヤ記号W27は、F換算値が小さいので、水平すみ肉溶接でビード形状が不良であった。また、Mo量が多いので、溶着金属の引張強さが高く、吸収エネルギーが低値であった。
ワイヤ記号W28は、C量が少ないので、溶着金属の引張強さ及び吸収エネルギーが低値であった。また、Al及びAlのAl換算値の合計が大きいので、水平すみ肉溶接でビード形状が不良となり、X線透過試験で、スラグ巻き込みが生じた。
ワイヤ記号W29は、SiO換算値が小さいので、水平すみ肉溶接でビード形状が不良であった。また、Ni量が多いので、クレータ割れが生じた。
ワイヤ記号W30は、Sn量が少ないので、溶着金属の塗膜剥離・膨れ面積率が大きく、塗膜傷部の平均腐食深さも深かった。また、Ti量が多いので、スパッタが多く、スラグ剥離性が不良であった。さらに、溶着金属の吸収エネルギーが低値であった。
ワイヤ記号W31は、C量が多いので、溶着金属の引張強さが高く、吸収エネルギーが低値であった。また、クレータ割れが生じた。
1 母材(鋼材)
2 溶着金属
3 腐食試験片の採取位置
4 クロスカット
5 腐食試験片

Claims (6)

  1. 鋼製外皮にフラックスを充填してなる耐食鋼のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、前記ワイヤ中に、ワイヤの全質量に対する質量%で、
    C:0.03〜0.12%、
    Si:0.20〜0.85%、
    Mn:1.5〜3.2%、
    Ti酸化物のTiO換算値:4.5〜7.0%、
    Si酸化物のSiO換算値:0.2〜0.9%、
    Zr酸化物のZrO換算値:0.1〜0.7%、
    Mg:0.05〜0.70%、
    Sn:0.05〜0.40%、
    Na化合物及びK化合物のNaO換算値とKO換算値の合計:0.05〜0.40%、
    弗素化合物のF換算値:0.02〜0.25%
    を含有し、残部は鋼製外皮のFe分、合金鉄中のFe分、鉄粉及び不可避不純物であることを特徴とする耐食鋼のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
  2. ワイヤ全質量に対する質量%で、Cu:0.7%以下をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の耐食鋼のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
  3. ワイヤ全質量に対する質量%で、Al及びAlのAl換算値の合計:0.6%以下をさらに含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の耐食鋼のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
  4. ワイヤ全質量に対する質量%で、Ni:3%以下、Ti:0.5%以下、B:0.01%以下の1種又は2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の耐食鋼のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
  5. ワイヤ全質量に対する質量%で、Bi及びBi酸化物のBi換算値の合計:0.035%以下をさらに含有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の耐食鋼のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
  6. ワイヤ全質量に対する質量%で、Mo:0.4%以下をさらに含有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の耐食鋼のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
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