JP6322096B2 - ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents

ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ Download PDF

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本発明は、造船、橋梁、鉄骨等の軟鋼および490MPa級高張力鋼構造物のアーク溶接に用いられるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに関し、全姿勢溶接での溶接作業性に優れ、特に立向下進姿勢溶接でのアーク状態が良好で、優れたビード形状が得られ、溶接金属の機械的性質も良好なガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに関する。
造船、橋梁、建築・鉄骨等の軟鋼および490MPa級高張力鋼の構造物の溶接には、アーク状態が安定してスパッタ発生量が少なく、ビード形状が良好なフラックス入りワイヤによるガスシールドアーク溶接が広く使用され、下向、水平、立向上進、立向下進および上向姿勢等様々な姿勢での溶接が行うことができる全姿勢溶接用フラックス入りワイヤが使用されている。
全姿勢溶接の中で立向下進姿勢溶接は、溶接トーチを左右に振ることなくストレート運棒で溶接するので、立向上進姿勢溶接に比べてトーチ操作が簡単で平滑なビードが得られ、造船、橋梁等で広く使用されているが、溶接部の溶込みが浅く、溶融プールから溶融金属および溶融スラグの垂れ(以下、メタル垂れという。)やスラグ巻込み、融合不良といった溶接欠陥も発生しやすいといったデメリットがあり、立向下進姿勢溶接の溶接作業性にも優れる全姿勢用フラックス入りワイヤが要望されている。
立向下進姿勢用の溶接用フラックス入りワイヤは、例えば、特許文献1に、TiO2等の酸化物を極力低減することで、メタル垂れを抑えつつ溶接欠陥を防止できる溶接用フラックス入りワイヤが開示されている。しかし、特許文献1に記載の溶接用フラックス入りワイヤは、鋼板の板厚が2〜6mmの薄鋼板用の立向下進溶接用フラックス入りワイヤに限定され、中・厚鋼板での全姿勢溶接は想定していないため、立向上進姿勢や上向姿勢などの溶接ではメタル垂れが発生してビード外観およびビード形状が不良になるとともに、溶接部への溶け込みも浅く、融合不良等の溶接欠陥が発生しやすく、また、十分な溶接金属の機械的性性質が得られない。
また、特許文献2には、粒径を限定した鉄系Si−Mn合金等をフラックスに所定量含有させることで、高電流域での高速水平すみ肉溶接に使用した場合でも良好な耐プライマ性、ビード外観、ビード形状およびスラグ剥離性が得られ、かつ、立向上進姿勢および立向下進姿勢溶接でのメタル垂れを防止し、スラグ巻込み等の溶接欠陥を防止する溶接用フラックス入りワイヤが開示されている。しかし、特許文献2に記載の溶接用フラックス入りワイヤは、高速すみ肉溶接で優れた溶接作業性を得ることを目的とした全姿勢溶接用の溶接用フラックス入りワイヤで、立向下進姿勢溶接に重点をおいた溶接用フラックス入りワイヤではないので、立向下進姿勢の溶接では溶滴移行性が悪くアーク状態が不安定であり、メタル垂れも発生しやすく、ビード外観およびビード形状が不良になりやすい。
特許文献3には、ワイヤ径を1.3mmとし、溶接用フラックス入りワイヤ中のTiO2換算値、SiO2、ZrO2、F換算値、Mg、Al23の含有量を適正にすることで、立向下進姿勢溶接においても溶融スラグ先行することなく無欠陥の溶接を行うことができる溶接用フラックス入りワイヤが開示されている。しかし、特許文献3に記載の溶接用フラックス入りワイヤは、ワイヤ径が1.3mmに限定されているため、一般的に用いられる1.2mm、1.4mmおよび1.6mmの溶接チップおよび送給ローラが使用できず、専用の溶接チップおよびワイヤ送給装置の送給ローラを準備する必要があるため、一般の溶接現場では使用できない。
さらに、特許文献4には、TiO2を主成分としたスラグ形成剤の含有量、Fe酸化物とAlの含有量および両者の比率を限定することで、全姿勢溶接でも十分なスラグ被包性、耐気孔性、耐メタル垂れ性が得られる溶接用フラックス入りワイヤが開示されている。しかし、特許文献4に記載の溶接用フラックス入りワイヤは、水平すみ肉溶接でビード形状および耐気孔性を改善することを目的とした全姿勢用溶接用フラックス入りワイヤであり、立向下進姿勢溶接に重点をおいたものではないため、立向下進姿勢での溶接では、溶接部への溶け込みが浅く、融合不良等の溶接欠陥やメタル垂れも発生しやすく、ビード外観およびビード形状が不良になるなど溶接作業性も不十分であった。
特開2000−71095号公報 特開2000−301381号公報 特開2009−148774号公報 特開2008−119720号公報
本発明は、上述した問題を鑑みて案出されたものであり、軟鋼および490MPa級高張力鋼用のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに関し、特に立向下進姿勢溶接の溶接作業性が良好で、かつ、機械的性能に優れる溶接金属を得ることができる全姿勢溶接用のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤの成分組成に着目し、鋭意研究を行った。その結果、全姿勢溶接の溶接作業性が良好で、かつ、立向下進姿勢溶接で優れた溶接作業性を得るためには、溶接用フラックス入りワイヤ中のTi酸化物のTiO2換算値、Si酸化物のSiO2換算値、弗素化合物のF換算値、Na化合物のNa2O換算値およびK化合物のK2O含有量の合計、さらにスラグ形成剤の合計量を適正とするとともに、MgのMgO換算値に対するAlのAl23換算値およびAl23の合計量より低く抑え、かつ、Ti酸化物のTiO2換算値およびSi酸化物のSiO2換算値に対するZr酸化物のZrO2換算値を低く抑えることで、全姿勢溶接の溶接作業性が良好で、かつ、立向下進姿勢溶接のスラグ被包性およびメタル垂れ性を改善してビード外観およびビード形状を良好にするとともに、スラグ巻込みや融合不良等の溶接欠陥を防止できることを知見した。
また、十分な溶接金属の強度および靭性を確保するためには、溶接用フラックス入りワイヤ中のC、Si、Mn、MgのMgO換算値を適正とすることで、必要な溶接金属の強度および靭性が得られることを知見した。
本発明は、これらの知見に基づいて完成したもので、その発明の要旨は次の通りである。
(1) 鋼製外皮にフラックスを充填してなるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、ワイヤ全質量に対する質量%で、
鋼製外皮とフラックスの合計で、
C:0.02〜0.08%、
Si:0.2〜0.8%、
Mn:2.0〜4.0%、
AlのAl23換算値およびAl23の1種または2種の合計:0.10〜0.90%を含有し、
フラックスに、
Ti酸化物のTiO2換算値:4.0〜6.89%、
Si酸化物のSiO2換算値:0.2〜1.5%、
Zr酸化物のZrO2換算値:0.05〜0.6%、
MgのMgO換算値:0.20〜1.00%、
弗素化合物のF換算値:0.01〜0.15%、
Na化合物のNa2O換算値およびK化合物のK2O換算値の合計:0.05〜0.30%、
Bi:0.005〜0.045%、
スラグ形成剤の合計:5.0〜10.0%を含有し、
かつ、下記(1)式で定義されるA値が57〜84を満足し、
残部はFeおよび不可避不純物であることを特徴とするガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
A=([TiO2]×2.2+[SiO2]×0.5)/[ZrO2×0.8+[MgO]/[Al23×16・・・(1)式
但し、[TiO2]、[SiO2]、[ZrO2]は各々酸化物の換算値、[MgO]はMgのMgO換算値、[Al23]はAlのAl23換算値およびAl23の1種または2種の合計の含有量(質量%)を示す。
) ワイヤ全質量に対する質量%で、フラックスに、B:0.003〜0.015%を含有することを特徴とする上記(1)に記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
本発明のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤによれば、軟鋼および490MPa級高張力鋼板の全姿勢溶接での溶接作業性に優れるとともに、特に、立向下進姿勢溶接でアーク状態が安定して溶接移行がスムーズでスパッタ発生量が少なく、スラグ被包性、スラグ剥離性および耐メタル垂れ性が良好でビード外観およびビード形状も良好であるなど溶接作業性が良好で、かつ、機械的性能に優れた溶接金属を得ることが可能となる。
以下本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明者らは、軟鋼および490MPa級高張力鋼の全姿勢溶接での溶接作業性が良好で、特に立向下進姿勢でのガスシールドアーク溶接のアーク状態および溶接時の溶接移行性が良好で、スラグ被包性、スラグ剥離性、耐メタル垂れ性等の溶接作業性が良好で、かつ、溶接部の強度および靭性等の機械的性質に優れた溶接金属を得るべく、溶接用フラックス入りワイヤの成分組成について種々検討を行った。
その結果、下記の事項を見出した。
(a)全姿勢溶接の溶接作業性が良好で、かつ、立向下進姿勢溶接で優れた溶接作業性を得るためには、溶接用フラックス入りワイヤ中のTi酸化物のTiO2換算値、Si酸化物のSiO2換算値、弗素化合物のF換算値、Na化合物のNa2O換算値およびK化合物のK2O含有量の合計、さらにスラグ形成剤の合計量を適正とするとともに、MgのMgO換算値に対するAlのAl23換算値およびAl23の合計量より低く抑え、かつ、Ti酸化物のTiO2換算値およびSi酸化物のSiO2換算値に対するZr酸化物のZrO2換算値を低く抑えることで、全姿勢溶接の溶接作業性が良好で、かつ、立向下進姿勢溶接のスラグ被包性およびメタル垂れ性を改善してビード外観およびビード形状を良好にするとともに、スラグ巻込みや融合不良等の溶接欠陥を防止できることを見出した。
(b)また、十分な溶接金属の強度および靭性を確保するためには、溶接用フラックス入りワイヤ中のC、Si、Mn、MgのMgO換算値を適正とすることで、必要な溶接金属の強度および靭性が得られることを見出した。
本発明はこれらの事項に基づいて、ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤの成分組成を決定した。
以下、本発明のフラックス入りワイヤの成分組成の限定理由について説明する。各成分組成は、ワイヤ全質量に対する質量%で表すこととし、その質量%を表すときには単に%と記載して表すこととする。
まず、溶接用フラックス入りワイヤに含有する鋼製外皮とフラックスの合計の限定理由を述べる。
(C:0.02〜0.08%)
Cは、アーク状態を安定させて溶滴移行をスムーズにするとともに、溶接金属中に歩留まって強度を上昇させる効果がある。Cが0.02%未満では、これらの効果が十分に得られず、アーク状態が不安定となって溶滴移行が不規則となり、スパッタ発生量が増加する。また、必要な溶接金属の強度も得られない。一方、Cが0.08%を超えると、Cが溶接金属中に過剰に歩留まって強度が過剰に高くなるとともに靱性が低下する。したがって、鋼製外皮とフラックスの合計でCは0.02〜0.08%とする。
なお、Cは、鋼製外皮やフラックス中の金属粉および合金粉等から添加される。
(Si:0.2〜0.8%)
Siは、溶接時に溶融スラグとなってビード表面を均一に被包し、全姿勢溶接でのビード外観およびビード形状を良好にするとともに、溶接金属中に歩留まって強度を向上させる効果がある。Siが0.2%未満では、全姿勢溶接でのビード外観およびビード形状が不良となる。また、必要な溶接金属の強度が得られない。一方、Siが0.8%を超えると、Siが溶接金属中に過剰に歩留まって靱性が低下する。したがって、鋼製外皮とフラックスの合計でSiは0.2〜0.8%とする。
なお、Siは、鋼製外皮やフラックス中の金属Siの他、Fe−Si、Fe−Si−Mn等のSi合金等から添加される。
(Mn:2.0〜4.0%)
Mnは、Siと同様、溶接時に溶融スラグとなってビード表面全体を被包し、全姿勢溶接でのビード外観やビード形状を良好にするとともに、溶接金属中に歩留まって強度および靱性を向上させる効果がある。Mnが2.0%未満では、全姿勢溶接でのビード外観およびビード形状が不良になるとともに、必要な溶接金属の強度および靭性が得られない。一方、Mnが4.0%を超えると、Mnが溶接金属中に過剰に歩留まるため、強度が過剰に高くなって靱性が低下する。したがって、鋼製外皮とフラックスの合計でMnは2.0〜4.0%とする。
なお、Mnは、鋼製外皮やフラックス中の金属Mnの他、Fe−Mn、Fe−Si−MnのようなMn合金等から添加される。
(AlのAl23換算値およびAl23の1種または2種の合計:0.10〜0.90%)
AlおよびAl23は、アーク状態を安定化して溶滴移行を良好にするとともに、溶融プール内でAl23の形態になって溶融スラグの粘性および融点を調整し、立向上進姿勢溶接および上向姿勢溶接でのメタル垂れを防止する効果がある。AlのAl23換算値およびAl23の1種または2種の合計が0.10%未満では、溶融スラグの融点が低くなり、立向上進姿勢溶接および上向姿勢溶接でメタル垂れが発生しやすくなり、ビード外観およびビード形状が不良になる。一方、AlのAl23換算値およびAl23の1種または2種の合計が0.90%を超えると、溶融スラグの粘性が高くなりすぎるため、全姿勢溶接でスラグ巻込みが発生する。また、ワイヤ先端からの溶滴の離脱が悪くなるため、立向下進姿勢溶接でビード外観およびビード形状が不良になる。したがって、鋼製外皮とフラックスの合計でAlのAl23換算値およびAl23の1種または2種の合計は0.10〜0.90%とする。
なお、Alは、鋼製外皮やフラックス中の金属Alや、Fe−Al等のAl合金等から、Al23はフラックス中のアルミナ等から添加される。
次に、溶接用フラックス入りワイヤに含有するフラックス成分の限定理由を述べる。
(Ti酸化物のTiO2換算値:4.0〜7.0%)
ルチール、チタンスラグ等からなるTi酸化物は、アーク安定剤として作用し、アーク状態を安定させて溶滴移行をスムーズにするとともに、溶融スラグとなってビード全面を被包してビード外観およびビード形状を良好にする。また、溶融スラグの融点および粘性を調整してメタル垂れを防止する。さらに、一部が溶接金属に歩留ることで、溶接金属のミクロ組織を微細化して靭性を向上させる効果がある。Ti酸化物のTiO2換算値が4.0%未満では、アーク状態が不安定になって溶滴移行が不規則となり、スパッタ発生量が増加する。また、スラグ生成量が少ないので、立向上進姿勢溶接および上向姿勢溶接でメタル垂れが発生しやすくなり、ビード外観およびビード形状が凸状になる。さらに、溶接金属のミクロ組織が粗大化して靭性が低下する。一方、Ti酸化物のTiO2換算値が7.0%を超えると、スラグの量が過多となり、立向下進姿勢溶接、立向上進姿勢溶接および上向姿勢溶接でメタル垂れが発生しやすくなってビード外観およびビード形状が不良になるとともに、スラグ巻込みや融合不良等の溶接欠陥が発生しやすくなる。また、溶接金属中の非金属介在物が多くなって靭性が低下する。したがって、フラックス中のTi酸化物のTiO2換算値は4.0〜7.0%とする。
(Si酸化物のSiO2換算値:0.2〜1.5%)
珪砂やジルコンサンド、珪酸ソーダ等からなるSi酸化物は、溶融スラグの粘性を調整してスラグ被包性を良好にし、ビード外観およびビード形状を改善する効果がある。Si酸化物のSiO2換算値が0.2%未満では、溶融スラグの粘性が低くなるので、全姿勢溶接でスラグ被包性が悪くなり、ビード外観およびビード形状も不良となる。一方、Si酸化物のSiO2換算値が1.5%を超えると、溶接金属のミクロ組織の硬化相生成が促進されて靭性が低下する。したがって、フラックス中のSi酸化物のSiO2換算値は0.2〜1.5%とする。
(Zr酸化物のZrO2換算値:0.05〜0.6%)
ジルコンサンドや酸化ジルコン等からなるZr酸化物は、溶融スラグの融点を調整してメタル垂れを防止する効果がある。Zr酸化物のZrO2換算値が0.05%未満では、溶融スラグの融点が低くなり、立向上進姿勢溶接および上向姿勢溶接でメタル垂れが発生しやすくなり、ビード外観およびビード形状が不良になる。一方、Zr酸化物のZrO2換算値が0.6%を超えると、スラグが緻密で固くなり、全姿勢溶接でのスラグ剥離性が不良となる。したがって、フラックス中のZr酸化物のZrO2換算値は0.05〜0.6%とする。
(MgのMgO換算値:0.20〜1.00%)
Mgは、溶融プール内で強脱酸剤として作用し、溶接金属の酸素量を低減して靭性を向上させる効果がある。MgのMgO換算値が0.20%未満であると、溶接金属の酸素量が多くなり、靭性が低下する。一方、MgのMgO換算値が1.00%を超えると、アーク状態が粗くなり、溶滴移行が不規則となってスパッタ発生量が多くなる。したがって、フラックス中のMgのMgO換算値は0.20〜1.00%とする。
なお、Mgは、フラックス中の金属Mgや、Al−MgといったMg合金等から添加される。
(弗素化合物のF換算値:0.01〜0.15%)
弗化ソーダ、氷晶石、弗化アルミ、珪弗化カリ等からなる弗素化合物は、アークの指向性を高めてアーク状態を強く安定させるとともに、溶融スラグの粘性を調整してスラグ被包性を良好にする効果がある。弗素化合物のF換算値が0.01%未満では、アーク状態が不安定になり、溶滴移行が不規則となってスパッタ発生量が増加し、全姿勢溶接でビード外観およびビード形状が不良になる。一方、弗素化合物のF換算値が0.15%を超えると、アーク状態が過剰に強くなってスパッタ発生量が多くなる。また、溶融スラグの粘性が低くなりすぎるため、立向下進姿勢溶接、立向上進姿勢溶接および上向姿勢溶接でメタル垂れが発生しやすくなり、ビード外観およびビード形状が不良になる。したがって、フラックス中の弗素化合物のF換算値は0.01〜0.15%とする。
(Na化合物のNa2O換算値およびK化合物のK2O換算値の合計:0.05〜0.30%)
カリ長石、珪酸ソーダや珪酸カリからなる水ガラスの固質成分、弗化ソーダや珪弗化カリ等の弗素化合物からのNa化合物およびK化合物は、アーク安定剤およびスラグ形成剤として作用する。Na化合物のNa2O換算値およびK化合物のK2O換算値の合計が0.05%未満であると、アーク状態が不安定となり、溶滴移行が不規則となってスパッタ発生量が多くなる。一方、Na化合物のNa2O換算値およびK化合物のK2O換算値との合計が0.30%を超えると、アーク長が長くなって立向下進姿勢溶接、立向上進姿勢溶接および上向姿勢溶接でメタル垂れが発生しやすくなり、ビード外観およびビード形状が不良となる。したがって、フラックス中のNa化合物のNa2O換算値およびK化合物のK2O換算値の合計は0.05〜0.30%とする。
(スラグ形成剤の合計:5.0〜10.0%)
スラグ形成剤は、立向下進姿勢溶接、立向上進姿勢溶接および上向姿勢溶接において、溶融プール中の溶融金属を保持してメタル垂れを防止しつつ、溶融スラグがビード全面に被包してビード外観およびビード形状を良好にするのに非常に重要なファクターである。スラグ形成剤の合計が5.0%未満であると、立向上進姿勢溶接および上向姿勢溶接で溶融プールを保持する溶融スラグ量が不足し、メタル垂れが発生しやすくなり、ビード外観およびビード形状が不良になる。一方、スラグ形成剤の合計が10.0%を超えると、スラグ量が過多となり、立向下進姿勢溶接、立向上進姿勢溶接および上向姿勢溶接でメタル垂れが発生しやすくなり、ビード外観およびビード形状が不良になる。したがって、フラックス中のスラグ形成剤の合計は5.0〜10.0%とする。
なお、スラグ形成剤は、Ti酸化物、Si酸化物、Zr酸化物、Al23、MgO、Na酸化物、K酸化物、FeO、Fe23等の酸化物および弗化ソーダ、氷晶石、弗化アルミ、珪弗化カリ等の弗化物の合計をいう。
(A=([TiO2]×2.2+[SiO2]×0.5)/[ZrO2×0.8+[MgO]/[Al23×16:57〜84)
全姿勢溶接で良好な溶接作業性を維持しつつ、特に立向下進姿勢溶接でのメタル垂れを防止して良好なビード外観およびビード形状を確保するためには、フラックス中のTi酸化物のTiO2換算値[TiO2]、Si酸化物のSiO2換算値[SiO2]、Zr酸化物のZrO2換算値[ZrO2]、MgのMgO換算値[MgO]、AlのAl23換算値およびAl23の合計[Al23]のバランスが非常に重要である。特に、[Al23]と[ZrO2]は、溶融スラグの融点を上げて立向下進姿勢溶接でのメタル垂れを防止する重要な酸化物であるが、この割合が多すぎると、溶融スラグの凝固速度が早くなってスラグ被包性が悪くなり、ビード外観およびビード形状が不良となる。よって、全姿勢溶接の溶接作業性が良好で、特に立向下進姿勢溶接で優れた溶接作業性を得るためには、[TiO2]と[SiO2]の和に対する[ZrO2]の割合([TiO2]+[SiO2])/[ZrO2](以下、前項という。)と、[MgO]に対する[Al23]の割合[MgO]/[Al23](以下、後項という。)の合計を低く設定することが有効である。なお、それぞれの係数は、各成分組成が溶接作業性に及ぼす作用効果から実験的に求めた値であり、下記(1)式で示すA値によって溶接作業性が左右される。
A=([TiO2]×2.2+[SiO2]×0.5)/[ZrO2×0.8+[MgO]/[Al23×16 ・・・(1)式
すなわち、A値が57未満では、Ti酸化物のTiO2換算値[TiO2]、Si酸化物のSiO2換算値[SiO2]およびZr酸化物のZrO2換算値[ZrO2]から算出される前項、および、MgのMgO換算値[MgO]およびAlのAl23換算値[Al23]から算出される後項がともに高くなり、溶融スラグの凝固速度が早くなるので、立向下進姿勢溶接でのスラグ被包性が悪くなり、ビード外観およびビード形状が不良となる。一方、A値が84を超えると、溶融スラグの融点が低くなりすぎ、立向下進姿勢溶接でのメタル垂れが発生しやすくなり、ビード外観およびビード形状が不良になる。したがって、フラックス中の各酸化物から算出されるA値は57〜84とする。
(Bi:0.005〜0.045%)
Biは、立向下進姿勢溶接でのスラグ剥離性を向上させる効果がある。Biが0.005%未満では、その効果が得られず、全姿勢溶接でスラグ剥離性が不良になる。一方、Biが0.045%を超えると、溶接金属中にBiが過剰に歩留まり、靭性が低下する。したがって、フラックス中のBiおよびBi酸化物のBi換算値の合計は0.005〜0.045%とする。なお、Biは、フラックス中の金属Bi等から添加される。
(B:0.003〜0.015%)
Bは、溶接金属のミクロ組織の粒界フェライトの粗大化を抑制して溶接金属の靭性を向上する効果がある。Bが0.003%未満では、この効果が得られず、溶接金属の靭性の向上効果が得られない。一方、Bが0.015%を超えると、低融点のBが粒界に偏析して全姿勢溶接で高温割れが発生しやすくなる。したがって、フラックス中のBは、0.003〜0.015%とする。
なお、Bは、フラックス中のFe−B、Fe−Mn−BといったB合金等から添加される。
以上、本発明のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ成分組成の限定理由を述べたが、残部はFeおよび不可避不純物からなるものとする。Feとは、鋼製外皮のFe、フラックスの鉄粉、Fe−Si、Fe−Mn、Fe−Si−Mn等のフェロアロイである鉄合金粉等からのFeであり、鉄粉は溶着速度を高めるとともに溶接用フラックス入りワイヤの充填率調整の目的から適量添加することができる。不可避不純物とは、PおよびS等の不可避に混入する不純物であり、溶接金属の靭性確保の観点から、P:0.020%以下、S:0.02%以下とすることが好ましい。
なお、本発明のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤは、鋼帯をパイプ状に成形して内部にフラックスを充填したものであり、鋼製外皮の端部同士を溶接した継ぎ目の無いシームレスタイプ、鋼製外皮の端部同士をかしめて繋げた継ぎ目のあるかしめタイプがあるが、本発明は両方のタイプで適用可能である。建設現場等の現地溶接や高所および低温環境での溶接では、低温割れ防止や予熱温度低減の理由から、耐吸湿性に優れて拡散性水素を低減することができるシームレスタイプであることが好ましく、さらに、ワイヤ送給性が良好でアークの安定性に優れたワイヤ表面に銅めっきを施した溶接用フラックス入りワイヤであることが好ましい。
また、ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤのワイヤ径は1.2〜1.6mm、フラックスの充填率は高溶着性と生産性を考慮して11〜20%程度であることが好ましい。
また、本発明の溶接用フラックス入りワイヤの溶接で使用するシールドガスはCO2ガスとすることが好ましい。
以下、本発明の効果を実施例により具体的に説明する。
JIS G3141 SPHCの鋼製外皮(C:0.02%、Si:0.01%、Mn:0.40%、P:0.02%、S:0.01%、Al:0.03%)に、各種フラックスをフラックス充填率15%で充填し、表1に示すワイヤ径1.2mmまで縮径したフラックス入りワイヤを各種試作した。
Figure 0006322096
表1に示す各試作ワイヤを用い、立向下進姿勢溶接、立向上進溶接、上向姿勢溶接、水平姿勢溶接でアーク状態の安定性、溶滴移行性、スパッタ発生量、メタル垂れ性、スラグ被包性、スラグ剥離性、ビード外観およびビード形状等の溶接作業性を調査し、溶着金属試験で溶接金属の引張強さおよび吸収エネルギー等の機械的性能の調査を行った。
溶接作業性は、板厚12mmのJIS G3106 SM490B鋼をT字に組み、表2に示す各姿勢の溶接条件にて立向下進すみ肉溶接、立向上進すみ肉溶接、上向きすみ肉溶接、水平すみ肉溶接を行い、アーク状態、溶滴移行、スパッタ発生量、メタル垂れの有無、スラグ被包性およびスラグ剥離性の良否、ビード外観およびビード形状の良否、高温割れの有無について目視確認にて調査した。また、JIS Z 3181に準じて破断面の観察を行い、スラグ巻込みおよび融合不良等の溶接欠陥の有無を調査した。
Figure 0006322096
溶着金属試験は、JIS Z 3111に準じ、板厚20mmのJIS G3106 SM490B鋼を用い、開先角度45°、ルート間隔12mm、裏当付きの試験体を、表2に示す下向姿勢の溶接条件で多層盛溶接を行い、溶着金属の板厚中央部から引張試験片(JIS Z2201 A0号)およびシャルピー衝撃試験片(JIS Z2202 4号)を採取して評価し、引張強さは490〜590MPa、シャルピー衝撃試験は試験温度0℃で3本の吸収エネルギーの平均値が47J以上を合格とした。それらの結果を表3にまとめて示す。
Figure 0006322096
Figure 0006322096
表3及び表4中No.が本発明例、No.22は比較例である。
本発明例であるNo.は、溶接用フラックス入りワイヤ中の鋼製外皮とフラックスの合計のC、Si、Mn、AlのAl23換算値およびAl23の含有量の合計が適正で、フラックスのTi酸化物のTiO2換算値、Si酸化物のSiO2換算値、Zr酸化物のZrO2換算値、MgのMgO換算値、弗素化合物のF換算値、Na化合物のNa2O換算値およびK化合物のK2O換算値の合計、Bi、スラグ形成剤の含有量が適正で、A値も適正であるので、全姿勢溶接でアーク状態が安定していて溶滴移行が良好であり、スパッタ発生量も少なく、メタル垂れも発生せず、スラグ被包性、スラグ剥離性、ビード外観およびビード形状が良好で、スラグ巻込みや融合不良等の溶接欠陥も発生せず、溶接作業性が良好であった。また、溶着金属の引張強さおよび吸収エネルギーも良好であり、極めて満足な結果であった。また、No.2、3、5、6は、フラックス中にBが添加されているので、溶着金属の吸収エネルギーが極めて良好であった。
これに対して、比較例中、No.は、鋼製外皮とフラックスの合計のCが少ないので、全姿勢溶接でアーク状態が不安定で溶滴移行が不規則となり、スパッタ発生量が多く、溶着金属の引張強さが低かった。また、鋼製外皮とフラックスの合計でのAlのAl23換算値とAl23の合計が多いので、全姿勢溶接でスラグ巻込みが発生し、立向下進姿勢溶接ではビード外観およびビード形状が不良であった。さらに、フラックス中のSi酸化物のSiO2換算値が多く、かつ、フラックス中のBiが多いので、溶着金属の吸収エネルギーが極めて低かった。
比較例中、No.は、鋼製外皮とフラックスの合計のCが多いので、溶着金属の引張強さが過剰に高く、吸収エネルギーが低かった。また、フラックス中のSi酸化物のSiO2換算値が少ないので、全姿勢溶接でスラグ被包性が悪く、ビード外観およびビード形状が不良であった。さらに、フラックス中のNa化合物のNa2O換算値とK化合物のK2O換算値の合計が少ないので、全姿勢溶接でアーク状態が不安定で溶滴移行が不規則となり、スパッタ発生量が多かった。
比較例中、No.10は、鋼製外皮とフラックスの合計のSiが多いので、全姿勢溶接でビード外観およびビード形状が不良で、溶着金属の引張強さも低かった。また、フラックス中のSi酸化物のSiO2換算値が多く、かつ、フラックス中にBが添加されていないので、溶着金属の吸収エネルギーが極めて低かった。さらに、フラックス中のZr酸化物のZrO2換算値が多く、かつ、フラックス中にBiが添加されていないので、全姿勢溶接でスラグ剥離性が極めて不良であった。
比較例中、No.11は、フラックス中のZr酸化物のZrO2換算値が少ないので、立向上進姿勢溶接および上向姿勢溶接でメタル垂れが発生し、ビード外観およびビード形状が不良であった。また、フラックス中の各酸化物から算出されるA値が高いので、立向下進姿勢溶接でメタル垂れが発生し、ビード外観およびビード形状が不良であった。
比較例中、No.12は、鋼製外皮とフラックスの合計のMnが少ないので、全姿勢溶接でビード外観およびビード形状が不良で、溶着金属の引張強さが低く、かつ、フラックス中にBが添加されていないので、溶接金属の吸収エネルギーが極めて低かった。また、フラックス中のMgのMgO換算値が多いので、全姿勢溶接でアークが粗くなって溶滴移行が不規則になり、スパッタ発生量が多かった。
比較例中、No.13は、鋼製外皮とフラックスの合計のMnが多いので、溶着金属の引張強さが過剰に高く、かつ、フラックス中にBが添加されていないので、吸収エネルギーが極めて低かった。また、フラックス中のスラグ形成剤の合計が少ないので、立向上進姿勢溶接および上向姿勢溶接でメタル垂れが発生し、ビード外観およびビード形状が不良であった。
比較例中、No.14は、鋼製外皮とフラックスの合計のAlのAl23換算値とAl23の合計が少ないので、立向上進姿勢および上向姿勢溶接でメタル垂れが発生し、ビード外観およびビード形状が不良であった。
比較例中、No.15は、フラックス中のTi酸化物のTiO2換算値が少ないので、全姿勢溶接でアーク状態が不安定で溶滴移行が不規則となり、スパッタ発生量が多く、立向上進姿勢溶接および上向姿勢溶接でメタル垂れが発生し、ビード外観が不良でビード形状が凸状になり、溶着金属の吸収エネルギーが低かった。また、各酸化物から算出されるA値が低いので、立向下進姿勢溶接でスラグ被包性が悪く、ビード外観およびビード形状が不良であった。
比較例中、No.16は、フラックス中のTi酸化物のTiO2換算値が多いので、立向下進姿勢溶接、立向上進姿勢溶接および上向姿勢溶接でメタル垂れが発生し、ビード外観およびビード形状が不良で、スラグ巻込みおよび融合不良が発生し、かつ、フラックス中にBが添加されていないので、溶着金属の吸収エネルギーが極めて低かった。また、フラックス中にBiが添加されていないので、全姿勢溶接でスラグ剥離性が不良であった。
比較例中、No.17は、各酸化物から算出されるA値が高いので、立向下進姿勢溶接でメタル垂れが発生し、ビード外観およびビード形状が不良であった。
比較例中、No.18は、フラックス中の弗素化合物のF換算値が少ないので、全姿勢溶接でアーク状態が不安定で溶滴移行が不規則となり、スパッタ発生量が多く、ビード外観およびビード形状が不良であった。
比較例中、No.19は、フラックス中のMgのMgO換算値が少なく、かつ、フラックス中のBが少ないので、溶着金属の吸収エネルギーが極めて低かった。また、フラックス中の弗素化合物のF換算値が多いので、全姿勢溶接でアークが強くなってスパッタ発生量が多く、立向下進姿勢溶接、立向上進姿勢溶接および上向姿勢溶接でメタル垂れが発生し、ビード外観およびビード形状が不良であった。
比較例中、No.20は、フラックス中のNa化合物のNa2O換算値およびK化合物のK2O換算値の合計が多いので、立向下進姿勢溶接、立向上進姿勢溶接および上向姿勢溶接でメタル垂れが発生し、ビード外観およびビード形状が不良であった。また、フラックス中のBが多いので、全姿勢溶接で高温割れが発生した。
比較例中、No.21は、フラックス中のスラグ形成剤の合計が多いので、立向下進姿勢溶接、立向上進姿勢溶接および上向姿勢溶接でメタル垂れが発生し、ビード外観およびビード形状が不良であった。
比較例中、No.22は、鋼製外皮とフラックスの合計でSiが多いので、溶着金属の吸収エネルギーが極めて低かった。また、フラックス中のZr酸化物のZrO2換算値が多く、かつ、フラックス中のBiが少ないので、全姿勢溶接でのスラグ剥離性が不良であった。

Claims (2)

  1. 鋼製外皮にフラックスを充填してなるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、
    ワイヤ全質量に対する質量%で、
    鋼製外皮とフラックスの合計で、
    C:0.02〜0.08%、
    Si:0.2〜0.8%、
    Mn:2.0〜4.0%、
    AlのAl23換算値およびAl23の1種または2種の合計:0.10〜0.90%を含有し、
    フラックスに、
    Ti酸化物のTiO2換算値:4.0〜6.89%、
    Si酸化物のSiO2換算値:0.2〜1.5%、
    Zr酸化物のZrO2換算値:0.05〜0.6%、
    MgのMgO換算値:0.20〜1.00%、
    弗素化合物のF換算値:0.01〜0.15%、
    Na化合物のNa2O換算値およびK化合物のK2O換算値の合計:0.05〜0.30%、
    Bi:0.005〜0.045%、
    スラグ形成剤の合計:5.0〜10.0%を含有し、
    かつ、下記(1)式で定義されるA値が57〜84を満足し、
    残部はFeおよび不可避不純物であることを特徴とするガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
    A=([TiO2]×2.2+[SiO2]×0.5)/[ZrO2×0.8+[MgO]/[Al23×16・・・(1)式
    但し、[TiO2]、[SiO2]、[ZrO2]は各々酸化物の換算値、[MgO]はMgのMgO換算値、[Al23]はAlのAl23換算値およびAl23の1種または2種の合計の含有量(質量%)を示す。
  2. ワイヤ全質量に対する質量%で、フラックスに、B:0.003〜0.015%を含有することを特徴とする請求項1に記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
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