JP6040133B2 - 立向上進ガスシールドアーク溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスシールドアーク溶接用チタニヤ系フラックス入りワイヤを使用した小脚長の立向上進ガスシールドアーク溶接方法に関するものである。
従来から、溶接作業を高能率に行うために、フラックス入りワイヤを用いたガスシールドアーク溶接が様々な分野で行われている。例えば、特許文献1には、ルチール系フラックス入りワイヤを用いてすみ肉溶接を行う高速ガスシールドアーク溶接方法が開示されている。特許文献1に記載の溶接方法は、水平すみ肉及び重ねすみ肉溶接において、溶接歪みの軽減を考慮した小脚長ビードを形成する高速溶接方法の技術である。
特開平11−197837号公報
特許文献1に開示されたフラックス入りワイヤはルチール系であるものの水平すみ肉及び重ねすみ肉溶接においてピット及びブローホールが発生しない小脚長ビードを高溶接速度で得られる。しかし、水平すみ肉用であるため、立向すみ肉溶接に用いた場合、スラグ形成剤及び脱酸剤・合金剤の種類及び量が適切でなく、立向上進姿勢において凸ビードや溶落という問題が発生していた。
また、フラックス入りワイヤを用いたガスシールドアーク溶接においては、小脚長が要求される立向すみ肉溶接を行う際、立向下進溶接による施工が一般的である。この立向下進溶接では、1パスのみでは凹ビードとなるため、2パス以上の施工による溶接が行われている。その結果、1パスで施工が完結しないことで2パス目の溶接を行う前にスラグを除去する必要があり、手間を要していた。また、立向下進溶接は、アークがすみ肉ルート部に当たり難いため、ルート部の溶け込みが小さくなるという問題も生じていた。一方、立向上進溶接では、通常、前進溶接による運棒が行われるが、小脚長を達成できる低い溶接電流ではアーク安定性が劣化し、ビード揃いが悪くなる。また、立向上進溶接においてアークを安定させるべく溶接電流増加を行うと、凸ビード化や過大脚長となるといった問題が発生している。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、脚長が5.0mm以下の立向上進すみ肉溶接において、アーク安定性に優れるとともに、1パスで良好なビード形状が得られる立向上進ガスシールドアーク溶接方法を提供することを課題とする。
本発明に係る立向上進ガスシールドアーク溶接方法(以下、適宜、溶接方法という)は、ガスシールドアーク溶接用チタニヤ系フラックス入りワイヤ(以下、適宜、フラックス入りワイヤあるいは、単にワイヤという)を使用した立向上進ガスシールドアーク溶接方法において、ワイヤ全質量に対しTiO:4.5〜8.0質量%を含有するガスシールドアーク溶接用チタニヤ系フラックス入りワイヤを使用し、トーチ傾斜角度:55〜85°、溶接電流:100〜180A、ワイヤ突出し長さ:5〜30mmを溶接条件とし、溶接金属の脚長が5.0mm以下であることを特徴とする。
かかる溶接方法によれば、フラックス入りワイヤがTiOを所定量含有することで、溶融金属の垂れが抑制され、ビード形状が良好となる。また、トーチ傾斜角度および溶接電流を規定することで、低い溶接電流において、溶接金属を小脚長とすることができ、かつ溶接ビード揃いが良好となる。また、ワイヤ突出し長さを規定することで、ワイヤ送給量が調整され、小脚長溶接に対し適正な溶着量が達成される。
本発明に係る立向上進ガスシールドアーク溶接方法は、前記ガスシールドアーク溶接用チタニヤ系フラックス入りワイヤが、ワイヤ全質量に対して、C:0.03〜0.10質量%、Si:0.8〜1.3質量%、Al:0.10〜0.50質量、NaとKとの合計:0.03〜0.15質量%を含有することが好ましい。
かかる溶接方法によれば、フラックス入りワイヤが、C、Si、Al、NaとKとの合計を所定量含有することで、アーク安定性がより良好となり、また溶融金属の垂れがより抑制され、ビード形状がより良好となる。
本発明に係る立向上進ガスシールドアーク溶接方法は、前記ガスシールドアーク溶接用チタニヤ系フラックス入りワイヤの運棒をストレート運棒にして溶接することが好ましい。
かかる溶接方法によれば、ストレート運棒においても、5.0mm以下の脚長とする溶接において、アーク安定性に優れるとともに、1パスで良好なビード形状が得られる。なお、ストレート運棒とは、ウィーヴィングを行うことなく直線状に溶接する運棒のことである。
本発明によれば、低電流でもアーク安定性を維持することができ、1パスで平滑なビード形状が得られ、溶接構造物の歪みを最小限とする小脚長すみ肉溶接が達成できる。また、良好な溶け込みを実現することができる。
トーチ傾斜角度について説明するための模式図であり、(a)はJIS Z3001の図に基づく図であり、(b)は本発明の実施形態を想定した図である。 ワイヤ突き出し長さについて説明するための模式図である。 溶接金属の脚長を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明は、ガスシールドアーク溶接用チタニヤ系フラックス入りワイヤを使用した立向上進ガスシールドアーク溶接方法である。そして、溶接方法は、ワイヤ全質量に対しTiO:4.5〜8.0質量%を含有するフラックス入りワイヤを使用し、トーチ傾斜角度:55〜85°、溶接電流:100〜180A、ワイヤ突出し長さ:5〜30mmを溶接条件とするものである。
まず、フラックス入りワイヤについて説明する。
≪フラックス入りワイヤ≫
本発明に用いるフラックス入りワイヤは、ワイヤ全質量に対しTiOを4.5〜8.0質量%含有する。フラックス入りワイヤの成分は、TiOを前記所定量含有すればその他の成分については特に規定されるものではない。その他の成分としては、例えばC、Si、Al、Na、Kなどが挙げられ、これらを含有する場合は、C:0.03〜0.10質量%、Si:0.8〜1.3質量%、Al:0.10〜0.50質量、NaとKとの合計:0.03〜0.15質量%であることが好ましい。
以下、ワイヤの成分限定理由について説明する。
<TiO:4.5〜8.0質量%>
適正なTiO量添加は、溶融金属の垂れを抑える効果が得られ、良好なビード形状が得られる。ワイヤ全質量当たりのTiOの含有量が4.5質量%未満では、溶融金属の垂れを抑えるスラグ成分量が不足し、凸ビードとなる。一方、8.0質量%を超えると、スラグ量が多いため、アークがスラグに当たり、アーク不安定となりビード揃いが悪くなる。したがって、TiO含有量は4.5〜8.0質量%とする。TiO含有量は溶融金属の垂れを抑えるスラグ成分量を増加させる観点から、5.0質量%以上であると好ましい。また、スラグ量をより適度にする観点から、7.0質量%以下であると好ましい。
<C:0.03〜0.10質量%>
ワイヤ全質量当たりのC量を調整することで、より適正なアーク安定性が確保でき、より良好なビード形状が得られる。ワイヤ全質量当たりのCの含有量が0.03質量%以上であれば、アーク安定性がより改善され、ビード形状がより良好となる。一方、0.10質量%以下であれば、スパッタ発生量が減少する。したがって、C含有量は0.03〜0.10質量%が好ましい。C含有量はアーク安定性をより向上させる観点から、0.04質量%以上であるとより好ましい。また、スパッタ発生量をより減少させる観点から、0.07質量%以下であるとより好ましい。
<Si:0.8〜1.3質量%>
適正なSi量添加は、溶融金属の垂れを抑える効果が得られ、より良好なビード形状が得られる。ワイヤ全質量当たりのSi含有量が0.8質量%以上であれば、溶融金属の垂れを抑える効果が大きく、ビード形状がより良好となる。一方、1.3質量%以下であれば、機械的性質の吸収エネルギー値がより良好となる。したがって、Si含有量は0.8〜1.3質量%が好ましい。Si含有量は溶融金属の垂れを抑える効果をより大きくする観点から、0.9質量%以上であるとより好ましい。また、機械的性質の吸収エネルギー値をより良好なものとする観点から、1.1質量%以下であるとより好ましい。なお、SiはSi単体と、SiOの化合物中のSi換算値の総量である。
<Al:0.10〜0.50質量%>
適正なAl量添加は、溶融金属の垂れを抑える効果が得られ、より良好なビード形状が得られる。ワイヤ全質量当たりのAlの含有量が0.10質量%以上であれば、溶融金属の垂れを抑えるスラグ成分量が増え、ビード形状がより良好となる。一方、0.50質量%以下であれば、スパッタ発生量が減少する。したがって、Al含有量は0.10〜0.50質量%が好ましい。Al含有量は溶融金属の垂れを抑えるスラグ成分量をより増やす観点から、0.25質量%以上であるとより好ましい。
<NaとKとの合計(Na+K):0.03〜0.15質量%>
適正なNa,K源の添加は、良好なアーク安定性が得られる効果があり、より良好なビード形状が得られる。ワイヤ全質量当たりのNa+Kの含有量が0.03質量%以上であれば、アーク安定性がより改善され、ビード形状がより良好となる。一方、0.15質量%以下であれば、耐吸湿性が向上する。したがって、NaとKとの合計の含有量は0.03〜0.15質量%が好ましい。NaとKとの合計の含有量はアーク安定性をさらに改善する観点から、0.05質量%以上であるとより好ましい。また、耐吸湿性をより向上させる観点から、0.12質量%以下であるとより好ましい。なお、Na,Kは、それぞれNa,K単体と、Na,Kの化合物中のNa,K換算値の総量である。
<残部及びその他成分>
フラックス入りワイヤの残部はFeおよび不可避的不純物である。不可避的不純物としては、例えば、P,S,Ni,Cr,Mo,V,Nb,Sn等が挙げられ、それぞれ0.05質量%以下含有しても問題ない。
また、強度を調節するために、Mnを1.0〜3.0質量%、スラグ形成剤としてZrを0.01〜0.50質量%、Alを0.01〜0.20質量%添加してもよい。
<フラックス入りワイヤの製造方法>
フラックス入りワイヤの製造方法としては、帯鋼の長さ方向にフラックスを散布してから包み込むように円形断面に成形し伸線する方法や、太径の鋼管にフラックスを充填して伸線する方法がある。しかしながら、いずれの方法でも本発明には影響しないため、いずれの方法で製造しても良い。さらにシームが有るものと無いものがあるが、これもいずれでも良い。外皮の成分については何ら規定する必要はないが、コスト面と伸線性の面から軟鋼の材質を用いるのが一般的である。また、表面に銅めっきを施す場合もあるが、めっきの有無は問わない。
次に、溶接条件の限定理由について説明する。
<トーチ傾斜角度:55〜85°>
図1(a)、(b)に示すように、トーチ傾斜角度Aとはトーチ1の中心線と溶接される長手軸とのなす傾斜を溶接進行方向からみた角度である。ここで、図1(a)はJIS Z3001の図に基づく図であり、図1(b)は本発明の実施形態を想定した図である。なお、符号2は母材であり、2aは上板(縦板)、2bは下板(横板)である。
立向上進すみ肉溶接を行う場合、アークをすみ肉ルート部に当て溶け込みを確保するため、トーチ傾斜角度は通常90°以上の角度とすることが通常であった。ただし、小脚長すみ肉の場合、少量の溶着量とすべく低い溶接電流とする必要が生じ、アークが不安定となることで溶接ビード揃いが不均一になりやすい傾向がある。本発明では、トーチ傾斜角度が55〜85°と、従来の90°以上に対して90°未満のトーチ傾斜角度とする(すなわち、後進溶接とする)ことで、アークが安定した低い溶接電流での施工を実現し、溶接金属を小脚長とし、かつ溶接ビード揃いを良好することができる。このように本発明は、従来用いられていない新しい施工法である。
溶接においてトーチ傾斜角度を55〜85°とすることで、アークが溶融プール上に発生し、低電流領域でも安定した溶接が達成され、良好な小脚長立向上進すみ肉溶接を実施できる。トーチ傾斜角度が85°を超えると、アークが溶融プール上に発生しづらくアーク不安定となり、溶接ビードが不揃いとなる。一方、トーチ傾斜角度が55°未満であると、アーク力で溶融金属が下に流れるため、凸ビードとなる。したがって、トーチ傾斜角度は55〜85°とする。好ましい下限は65°、好ましい上限は75°である。トーチ傾斜角度を65°以上とするとアーク力による溶融金属の垂れが減少する。したがって、傾斜角度は65°以上であると好ましい。また、トーチ傾斜角度を75°以下とするとアークが溶融金属に発生するため安定した溶接が達成でき、安定したビード揃いとなる。したがって、傾斜角度は75°以下であると好ましい。
<溶接電流:100〜180A>
溶接電流が100A未満では、アーク不安定となり溶接ビードが不揃いとなる。一方、溶接電流が180Aを超えると、溶着量が多くなるため、小脚長溶接が達成されない。したがって、溶接電流は100〜180Aとする。好ましい下限は110A、好ましい上限は150Aである。溶接電流が110A以上であると、アークが安定しビード形状が良好となる。したがって、溶接電流は110A以上であると好ましい。また、150A以下であると溶着量が適正化され、小脚長溶接が容易となる。したがって、溶接電流は150A以下であると好ましい。
<ワイヤ突出し長さ:5〜30mm>
図2に示すように、ワイヤ突き出し長さLとはチップ3の先端から母材2までの距離をいう。
ワイヤ突出し長さは、適正なワイヤ突出し長さとすることでワイヤ送給量が調整され、小脚長溶接に対し適正な溶着量が達成できる。ワイヤ突出し長さが5mm未満では、溶接においてトーチノズルにスパッタが溜まり易く、安定した溶接が実施不可能である。一方、ワイヤ突出し長さが30mmを超えると、溶着量が多くなるため、小脚長溶接が達成されない。したがって、ワイヤ突出し長さは5〜30mmとする。好ましい下限は10mm、好ましい上限は20mmである。ワイヤ突出し長さが10mm以上であると、アーク安定性が良好となる。したがって、ワイヤ突出し長さは10mm以上であると好ましい。また、ワイヤ突出し長さが20mm以下であると、溶着量が適正化され小脚長溶接が容易となる。したがって、ワイヤ突出し長さは20mm以下であると好ましい。
溶接条件において、その他の条件は特に規定されるものではなく、一例として、溶接電源および極性:350A仕様サイリスタ電源およびDCEP、溶接速度:300〜400mm/min、シールドガス種類:100体積%CO、シールドガス流量:15〜50L/minとすることができる。
≪その他≫
<溶接金属の脚長:5.0mm以下>
図3は、溶接金属の脚長を示す模式図である。脚長(上脚長および下脚長の両方)の狙い値は、熱歪みの観点から5.0mm以下とする。脚長が5.0mmより大きいと、入熱増加に伴い溶接箇所が歪んでしまう。したがって、脚長は5.0mm以下とする。脚長は入熱増加をより抑制する観点から、好ましくは4.0mm以下である。
その他の条件としては特に限定されるものではないが、以下の条件が好ましい。
<ギャップ:0〜1mm>
ギャップが1mm以下であれば、小脚長すみ肉溶接が達成されやすく、溶接箇所に歪みが発生しにくい。また、溶融金属が垂れにくく良好なビード形状が達成されやすい。したがって、ギャップは0〜1mmが好ましい。
<板厚:3mm以上>
板厚が3mm以上であれば、アーク力および入熱で鋼板裏に溶融金属が抜ける可能性がない。したがって、板厚は3mm以上が好ましい。なお、より好ましくは5mm以上である。
<ワイヤ径:1.0〜1.2mm>
ワイヤ径が1.0mm以上であれば、ワイヤが座屈しにくい。一方、ワイヤ径が1.2mm以下であれば、低い溶接電流でもアークが安定しやすいため、良好なビード形状が達成されやすい。したがって、ワイヤ径は1.0〜1.2mmが好ましい。
<フラックス充填率:10〜25質量%>
ワイヤ全質量あたりのフラックス充填率が10質量%以上であれば、アークの安定性がより良好となると共にスパッタ発生量が減少し、溶接作業性が向上する。一方、25質量%以下であれば、ワイヤの断線が発生したり、フラックスの充填中に粉がこぼれ落ちたりする等の事態が生じにくく、生産性が劣化しにくい。したがって、フラックス充填率は10〜25質量%が好ましい。
<ストレート運棒にして溶接>
本発明の溶接方法では、フラックス入りワイヤの運棒をストレート運棒にして溶接することが好ましい。この場合にも、5.0mm以下の脚長とする溶接において、アーク安定性に優れるとともに、1パスで良好なビード形状が得られる。ただし、ストレート運棒に限らず、他の運棒の場合であっても、好適に溶接することが可能である。
次に、本発明のガスシールドアーク溶接方法における溶接の手順の一例について説明する。なお、本発明で規定する条件以外については、従来公知の溶接手順と同様であるので、詳細な説明は省略する。
まず、母材やワイヤの準備、溶接装置の各種設定など、立向上進ガスシールドアーク溶接を行うための諸準備をする(溶接準備工程)。次に、トーチ傾斜角度を55〜85°に設定する(トーチ傾斜角度設定工程)。次に、ワイヤ突出し長さを5〜30mmに設定する(ワイヤ突出し長さ設定工程)。そして、100〜180Aの溶接電流をワイヤに流し(電流供給工程)、立向上進ガスシールドアーク溶接を行う。なお、溶接準備工程の後の各工程の順は特に規定されるものではなく、順不同で行えばよい。また、同時に行っても良い。
以下、本発明の効果を説明するために、本発明の範囲に入る実施例と、本発明の範囲から外れる比較例とを比較して説明する。
(ワイヤ製造方法)
まず、帯鋼を長手方向に送りながら成形ロールによりオープン管に成形した。次に、オープン管に、表1、2の化学組成となるように、スラグ形成剤、脱酸剤、アーク安定剤、金属または合金、Fe粉等を所要量添加したフラックスを充填した。次に、断面を円形に加工することでフラックス入りワイヤを作製した。その後、ワイヤは冷間引き抜き加工により1.2mmのワイヤ径とした。なお、冷間加工途中に加工硬化したワイヤの軟化を目的に焼鈍を施している。
このフラックス入りワイヤを用いて表1、2に示す条件にて溶接を実施した。表1、2において、本発明の範囲を満たさないものについては数値に下線を引いて示す。
Figure 0006040133
Figure 0006040133
その他の溶接条件は以下のとおりである。
[溶接条件]
溶接電源、極性:350A仕様サイリスタ電源、DCEP
溶接姿勢:立向上進
溶接速度:300〜400mm/min
シールドガス種類:100体積%CO
シールドガス流量:25L/min
ワイヤ直径:1.2mm
フラックス充填率:15.0質量%
鋼板:JIS G 3101 SS400 厚さ6.0mm
そして、溶接金属の脚長を測定するとともに、以下の評価を行った。
<脚長>
脚長は、上脚(上脚長)と下脚(下脚長)の両方を測定した(図3参照)。
<歪み>
歪みについては、脚長が5.0mm以下では溶接部に歪みが確認されず、脚長が5.0mmより大きい場合は溶接部に歪みが確認された。したがって、脚長が5.0mm以下の場合は「○」、脚長5.0mmより大きい場合は「×」とした。
<アーク安定性>
アーク安定性については、官能にて評価した。
スパッタも少なく連続したアークが発生した場合は「◎」、連続したアークが発生した場合は「○」、アーク切れを確認した場合は「×」とした。
<ビード形状>
ビード形状については、官能にて評価した。
ビードにおいて、優れた平滑さが確認された場合は「◎」、平滑である場合は「○」、凸形状である場合は「×」とした。
(総合評価)
総合評価として、
歪み「○」、アーク安定性「◎」、ビード形状「◎」の場合は「◎」
歪み「○」、アーク安定性「◎」、ビード形状「○」の場合、または、歪み「○」、アーク安定性「○」、ビード形状「◎」の場合は「○〜◎」
歪み「○」、アーク安定性「○」、ビード形状「○」の場合は「○」
いずれかの項目が「×」の場合は「×」
とした。
これらの結果を表3、4に示す。
Figure 0006040133
Figure 0006040133
表3に示すように、No.1〜17は、本発明の範囲を満たすため、各評価において良好な結果を得られた。
一方、No.18〜26は、本発明の範囲を満たさないため、良好な結果が得られなかった。
No.18、19はトーチ傾斜角度が上限値を超えるため、アークが安定性せず、ビードが不揃いとなった。
No.20はトーチ傾斜角度が下限値未満のため、アーク力で溶融金属が下に流れ、凸ビードとなった。
No.21は溶接電流が下限値未満のため、アークが安定せず、ビードが不揃いとなった。
No.22は溶接電流が上限値を超えるため、脚長が5.0mmを超え、溶接部が歪んだ。
No.23はワイヤ突出し長さが下限値未満のため、スパッタがノズルに入り、安定した溶接が行えなかった。そのため、アーク安定性、ビード形状に劣った。
No.24はワイヤ突出し長さが上限値を超えるため、脚長が5.0mmを超え、溶接部が歪んだ。
No.25はTiOの含有量が下限値未満のため、溶融金属が垂れ、凸ビードとなった。
No.26はTiOの含有量が上限値を超えるため、スラグにアークが当たり、アークが安定せず、ビードが不揃いとなった。
以上、本発明について実施の形態および実施例を示して詳細に説明したが、本発明の趣旨は前記した内容に限定されることなく、その権利範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈しなければならない。なお、本発明の内容は、前記した記載に基づいて広く改変・変更等することが可能であることはいうまでもない。
1 トーチ
2 母材
2a 上板(縦板)
2b 下板(横板)
3 チップ
A トーチ傾斜角度
L ワイヤ突き出し長さ

Claims (3)

  1. ガスシールドアーク溶接用チタニヤ系フラックス入りワイヤを使用した立向上進ガスシールドアーク溶接方法において、
    ワイヤ全質量に対しTiO:4.5〜8.0質量%を含有するガスシールドアーク溶接用チタニヤ系フラックス入りワイヤを使用し、
    トーチ傾斜角度:55〜85°、溶接電流:100〜180A、ワイヤ突出し長さ:5〜30mmを溶接条件とし、
    溶接金属の脚長が5.0mm以下であることを特徴とする立向上進ガスシールドアーク溶接方法。
  2. 前記ガスシールドアーク溶接用チタニヤ系フラックス入りワイヤは、ワイヤ全質量に対して、C:0.03〜0.10質量%、Si:0.8〜1.3質量%、Al:0.10〜0.50質量、NaとKとの合計:0.03〜0.15質量%を含有することを特徴とする請求項1に記載の立向上進ガスシールドアーク溶接方法。
  3. 前記ガスシールドアーク溶接用チタニヤ系フラックス入りワイヤの運棒をストレート運棒にして溶接することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の立向上進ガスシールドアーク溶接方法。
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