JP7304829B2 - 亜鉛めっき鋼板溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents
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Description
Cは、アークを安定にする効果がある。Cが0.005%未満であると、その効果が得られずアークが不安定になる。一方、Cが0.040%を超えると、溶接金属の延性が低下する。従って、ステンレス鋼外皮とフラックスの合計でCは0.005~0.040%とする。なお、Cは、ステンレス鋼外皮に含まれる成分の他、フラックスから金属粉及び合金粉として添加できる。)
Siは、脱酸剤として作用するとともにビード形状を改善する効果がある。Siが0.10%未満であると、脱酸により形成されるスラグ量が少なくなりビード形状が不良となる。一方、Siが0.80%を超えると、溶接金属の粘性が低下してビード形状が不良となる。従って、ステンレス鋼外皮とフラックスの合計でSiは0.10~0.80%とする。なお、Siは、ステンレス鋼外皮に含まれる成分の他、フラックスから金属Si、Fe-Si、Fe-Si-Mnなどの合金粉として添加できる。
Mnは、溶接金属のオーステナイト相を安定化させて、溶接金属の延性を良好にする効果がある。Mnが0.50%未満であると、溶接金属の延性が低下する。一方、Mnが2.00%を超えると、スパッタ発生量が多くなる。また、Mnが2.00%を超えると、溶接金属の延性が低下する。従って、ステンレス鋼外皮とフラックスの合計でMnは0.50~2.00%とする。なお、Mnは、ステンレス鋼外皮に含まれる成分の他、フラックスから金属Mn,Fe-Mn、Fe-Si-Mnなどの合金粉として添加できる。
Niは、オーステナイト形成元素であり、溶接金属中のオーステナイト相を安定化させ、溶接金属の延性を向上させる効果がある。Niが7.0%未満であると、溶接金属の延性が低下する。一方、Niが10.0%を超えると、P、Sなどの割れに有害な微量成分の偏析を促進して亜鉛脆化割れが生じやすくなる。従って、ステンレス鋼外皮とフラックスの合計でNiは7.0~10.0%とする。なお、Niは、ステンレス鋼外皮に含まれる成分の他、フラックスから金属Ni、Fe-Niなどの合金粉として添加できる。
Crは、フェライト形成元素であり、溶接金属の凝固完了時にフェライト単相とし、溶接金属の亜鉛脆化割れを抑制する。Crが26.0%未満であると、溶接金属に亜鉛脆化割れが生じやすくなる。なお、ステンレス鋼の溶接金属は、Crが13%程度で良好な耐食性が得られるが、本発明は、Crを含有しない亜鉛めっき鋼板に適用し、母材希釈を50%(一般的には母材希釈10~40%)受けても溶接金属のCr量が13%確保できることも考慮してCrの下限を26.0%とした。一方、Crが30.0%を超えると、Cr炭化物やσ相の析出が生じやすく、溶接金属の延性が低下する。従って、ステンレス鋼外皮とフラックスの合計でCrは26.0~30.0%とする。なお、Crは、ステンレス鋼外皮に含まれる成分の他、フラックスから金属Cr、Fe-Crなどの合金粉として添加できる。
Tiは、アークを安定にする効果がある。Tiが0.10%未満であると、アークが不安定となる。一方、Tiが0.50%を超えると、溶接時に溶滴が粗大に成長し、大粒のスパッタが発生する。従って、ステンレス鋼外皮とフラックスの合計でTiは0.10~0.50%とする。なお、Tiは、ステンレス鋼外皮に含まれる成分の他、フラックスから金属Ti、Fe-Tiなどの合金粉として添加できる。
Ti酸化物は、スラグ剥離性を向上させるとともに、ビード止端部にSi酸化物と共に適正な厚みのスラグを形成して溶融亜鉛の止端部への進入を防いで母材熱影響部の亜鉛脆化割れを防止する効果がある。Ti酸化物のTiO2換算値の合計が4.0%未満であると、スラグ剥離性が不良になり、母材熱影響部に亜鉛脆化割れが生じやすくなる。一方、Ti酸化物のTiO2換算値が7.0%を超えると、スラグ量が多くなってビード形状が不良になる。従って、フラックス中に含有するTi酸化物のTiO2換算値の合計は4.0~7.0%とする。なお、Ti酸化物は、フラックスからルチール、酸化チタン、チタンスラグ、イルミナイトなどとして添加できる。
Si酸化物は、スラグ剥離性を良好にすると共に溶融スラグの流動性を調整してビード形状を良好にする。Si酸化物のSiO2換算値が2.0%未満であると、スラグ剥離性及びビード形状が不良となる。一方、Si酸化物のSiO2換算値が4.0%を超えると、溶融スラグが流れやすくなってビード形状が不良となる。従って、フラックス中のSi酸化物のSiO2換算値の合計は2.0~4.0%とする。なお、Si酸化物は、フラックスから珪砂、カリ長石、珪酸ソーダ、珪酸カリなどとして添加できる。
Na酸化物、Na弗化物、K酸化物及びK弗化物は、アークをソフトにして安定にする。Na酸化物、Na弗化物、K酸化物及びK弗化物の1種または2種以上のNa換算値とK換算値の合計が0.20%未満であると、アークが不安定になりスパッタ発生量が多くなる。一方、Na酸化物、Na弗化物、K酸化物及びK弗化物1種または2種以上のNa換算値とK換算値の合計が1.00%を超えると、アークが強くなりすぎ、スパッタ発生量が多くなる。また、Na酸化物、Na弗化物、K酸化物及びK弗化物1種または2種以上のNa換算値とK換算値の合計が1.00%を超えると、ビード止端部の母材とのなじみが悪くなり、ビード形状が不良となる。従って、フラックス中に含有するNa酸化物、Na弗化物、K酸化物及びK弗化物の1種または2種以上のNa換算値とK換算値の合計は0.20~1.00%とする。なお、Na酸化物、Na弗化物、K酸化物及びK弗化物は、フラックスから珪酸ソーダ及び珪酸カリからなる水ガラスの固質酸化物成分、NaF、K2SiF6、K2ZrF6、Na3AlF6等の金属弗化物の粉末として添加できる。Na換算値及びK換算値はそれらに含有されるNa量及びK量の合計である。
金属弗化物は、アークを集中させて安定させる効果がある。金属弗化物のF換算値の合計が0.20%未満では、この効果が得られず、アークが不安定でスパッタ発生量が多くなる。一方、金属弗化物のF換算値の合計が0.60%を超えると、溶融スラグの融点が低下してビード形状が不良になる。従って、フラックス中に含有する金属弗化物のF換算値の合計は0.20~0.60%とする。なお、金属弗化物は、フラックスからのCaF2、NaF、LiF、MgF2、K2SiF6、K2ZrF6、Na3AlF6、AlF3等から添加でき、F換算値はそれらに含有されるF量の合計である。
Bi及びBi酸化物は、溶接スラグの溶接金属からの剥離を促進して、スラグ剥離性を良好にする。Bi及びBi酸化物の一方または両方のBi換算値が0.050%以下であると、スラグ剥離を促進する効果が不十分である。一方、Bi及びBi酸化物の一方または両方のBi換算値が0.120%を超えると、溶接金属の延性が低下する。従って、フラックスに含有するBi及びBi酸化物の一方または両方のBi換算値は0.050超~0.120%とする。なお、Bi及びBi酸化物は、金属Biや酸化Bi等から添加される。
Zr酸化物は、Ti酸化物に不純物として含有されているが、Zr酸化物のZrO2換算値の合計が0.20%を超えると、アークが不安定となる。従って、Zr酸化物のZrO2換算値の合計は0.20%以下とする。なお、Zr酸化物のZrO2換算値の合計は、必須の元素ではなく、含有率が0%とされていてもよい。
Al酸化物は、Si酸化物に不純物として含有されているが、Al酸化物のAl2O3換算値の合計が0.20%を超えると、スラグ剥離性が不良となる。従って、Al酸化物のAl2O3換算値の合計は0.20%以下とする。なお、Al酸化物のAl2O3換算値の合計は、必須の元素ではなく、含有率が0%とされていてもよい。
Claims (1)
- ステンレス鋼外皮内にフラックスが充填された亜鉛めっき鋼板溶接用フラックス入りワイヤにおいて、
ワイヤ全質量に対する質量%で、ステンレス鋼外皮とフラックスの合計で、
C:0.005~0.040%、
Si:0.10~0.80%、
Mn:0.50~2.00%、
Ni:7.0~10.0%、
Cr:26.0~30.0%、
Ti:0.10~0.50%を含有し、
さらに、ワイヤ全質量に対する質量%で、フラックス中に、
Ti酸化物のTiO2換算値の合計:4.0~7.0%、
Si酸化物のSiO2換算値の合計:2.0~4.0%、
Na酸化物、Na弗化物、K酸化物及びK弗化物の1種または2種以上:Na換算値及びK換算値の合計で0.20~1.00%、
金属弗化物のF換算値の合計:0.20~0.60%、
Bi及びBi酸化物の一方または両方のBi換算値の合計:0.050超~0.120%を含有し、
Zr酸化物のZrO2換算値の合計:0.20%以下、
Al酸化物のAl2O3換算値の合計:0.20%以下であり、
残部はステンレス鋼外皮のFe分、鉄合金粉からのFe分及び不純物からなる組成を備えることを特徴とする亜鉛めっき鋼板溶接用フラックス入りワイヤ。
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