JP7257189B2 - 耐候性鋼のAr-CO2混合ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents
耐候性鋼のAr-CO2混合ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ Download PDFInfo
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Description
本発明は、鋼構造物等に使用される耐候性鋼を溶接する際に用いられるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに関し、シールドガスとしてAr-CO2混合ガスを使用し、全姿勢溶接での溶接作業性が良好で、スパッタ発生量が少なく、かつ、強度及び靭性に優れた溶接金属を得るうえで好適な耐候性鋼のAr-CO2混合ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに関する。
耐候性鋼は、船舶、橋梁、その他鉄骨構造物等に適用されており、係る耐候性鋼を溶接する際には、フラックス入りワイヤが広く適用されている。フラックス入りワイヤを用いて溶接した際に生成するスラグは、全姿勢溶接を行ううえで、非常に好適な特性を備えているため、立向や上向姿勢溶接で溶融金属が垂れ落ちることなく溶接することができ、溶接作業性に優れている。
耐候性鋼の全姿勢溶接で溶接作業性が良好で、溶接金属の強度及び靭性に優れるフラックス入りワイヤについては、例えば特許文献1や特許文献2に開示されている。しかし、特許文献1及び特許文献2に開示されているフラックス入りワイヤでは、溶融金属のメタル垂れは生じないもののビード形状が凸状となりやすく、アークが不安定でスパッタ発生量が多くなり、溶接金属の低温での靭性が得られないという問題がある。
また、特許文献3には、高電流の立向上進溶接においても溶融金属が垂れ落ちることなく、優れた強度及び靭性からなる溶接金属を得ることが可能なフラックス入りワイヤの開示がある。しかし、特許文献3に開示されているフラックス入りワイヤにおいても、アークが不安定でスパッタ発生量が多くなり、溶接金属の低温での靭性が得られないという問題がある。
そこで本発明は、上述した問題点に檻みて案出されたものであり、耐候性鋼を溶接するにあたり、全姿勢溶接での溶接作業性、水平すみ肉溶接及び立向上進溶接において溶接作業性が良好でスパッタ発生量が少なく、特に低温での靭性に優れた溶接金属が安定して得ることが可能な耐候性鋼のAr-CO2混合ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、耐候性鋼のAr-CO2混合ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤについて、全姿勢溶接において溶接作業性が良好であり、特に低温での靭性に優れた溶接金属を得るべく種々検討を行った。
その結果、フラックスに添加するCu、Ni及びCrの各含有量を適量とすることによって、良好で安定した錆層を形成することを見出した。
また、C、Ti酸化物、弗素化合物、Na化合物及びK化合物を適量とすることによってアークが安定してスパッタ発生量が少なくなり、Si、Ti酸化物、Si酸化物の各含有量を適量とすることによって、ビード形状が良好になることを見出した。
さらに、Al、Ti酸化物、Zr酸化物、Al酸化物の各含有量を適量とすることによって、特に立向上進溶接時での溶接金属のメタル垂れを抑制することができ、シールドガスとしてAr-CO2混合ガスシールドを適用して溶接金属の酸素量を低減すると共にフラックス入りワイヤ中のMn、Ti、Mg及びTi酸化物を適量とすることによって、機械的性能、特に低温での靭性に優れた溶接金属が安定して得られることを見出した。
すなわち本発明の要旨は、鋼製外皮にフラックスを充填してなる耐候性鋼のAr-CO2混合ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、ワイヤ全質量に対する質量%で、鋼製外皮とフラックスの合計で、C:0.01~0.08%、Si:0.1~1.0%、Mn:1.0~3.0%、Cu:0.2~0.7%、Ni:0.1~0.8%、Cr:0.3~0.9%、Ti:0.003~0.20%、Al:0.02~0.15%を含有し、さらに、ワイヤ全質量に対する質量%で、フラックス中に、Ti酸化物のTiO2換算値の合計:3~8%、Si酸化物のSiO2換算値の合計:0.1~1.0%、Zr酸化物のZrO2換算値の合計:0.1~1.0%、Al酸化物のAl2O3換算値の合計:0.05~1.0%、Na化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計:0.01~0.4%、Mg:0.05~0.8%、弗素化合物のF換算値の合計:0.01~0.2%を含有し、残部が鋼製外皮のFe、鉄粉のFe分、鉄合金粉のFe分及び不可避不純物からなることを特徴とする。
また、ワイヤ全質量に対する質量%で、鋼製外皮とフラックスの合計で、B:0.002~0.015%を含有することを特徴とする。
さらに、ワイヤ全質量に対する質量%で、フラックス中に、Bi:0.005~0.020%含有することも特徴とする耐候性鋼のAr-CO2混合ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにある。
本発明の耐候性鋼のAr-CO2混合ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤによれば、耐候性鋼の全姿勢溶接においてアークが安定してスパッタ発生量が少なく、ビード形状及びスラグ剥離性などの溶接作業性が良好であり、特に低温での靭性に優れた溶接金属が安定して得られるなど溶接部の品質向上を図ることができる。
以下、本発明を適用した耐候性鋼のAr-CO2混合ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤの成分組成およびその含有量と各成分組成の限定理由について説明する。なお、各成分組成の含有量は、ワイヤ全質量に対する質量%で表すこととし、その質量%を表すときには単に%と記載して表すこととする。
[鋼製外皮とフラックスの合計でC:0.01~0.08%]
Cは、アークを安定させて溶滴サイズを細粒化させる効果がある。Cが0.01%未満では、アークが不安定で溶滴の細粒化が困難となってスパッタ発生量が多くなる。一方、Cが0.08%を超えると、Cが溶接金属中に過剰に歩留まり靱性が低下する。したがって、Cは0.01~0.08%とする。なお、Cは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスからの金属粉及び合金粉等から添加できる。
Cは、アークを安定させて溶滴サイズを細粒化させる効果がある。Cが0.01%未満では、アークが不安定で溶滴の細粒化が困難となってスパッタ発生量が多くなる。一方、Cが0.08%を超えると、Cが溶接金属中に過剰に歩留まり靱性が低下する。したがって、Cは0.01~0.08%とする。なお、Cは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスからの金属粉及び合金粉等から添加できる。
[鋼製外皮とフラックスの合計でSi:0.1~1.0%]
Siは、溶接時に一部が溶接スラグとなってビード形状を良好にし、溶接作業性の向上に寄与する。Siが0.1%未満では、溶接ビード形状が不良となる。一方、Siが1.0%を超えると、Siが溶接金属中に過剰に歩留まり靱性が低下する。したがって、Siは0.1~1.0%とする。なお、Siは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスからの金属Siの他、Fe-Si、Fe-Si-Mn等の合金粉末から添加できる。
Siは、溶接時に一部が溶接スラグとなってビード形状を良好にし、溶接作業性の向上に寄与する。Siが0.1%未満では、溶接ビード形状が不良となる。一方、Siが1.0%を超えると、Siが溶接金属中に過剰に歩留まり靱性が低下する。したがって、Siは0.1~1.0%とする。なお、Siは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスからの金属Siの他、Fe-Si、Fe-Si-Mn等の合金粉末から添加できる。
[鋼製外皮とフラックスの合計でMn:1.0~3.0%]
Mnは、Siと同様、溶接時に一部が溶接スラグとなってビード形状を良好にし、溶接作業性の向上に寄与するとともに脱酸剤として作用し、溶接金属の低温靭性を向上させる効果がある。Mnが1.0%未満では、溶接金属中にMnが十分に歩留まらず、溶接金属の低温靭性が低下するとともにビード形状が不良となる。一方、Mnが3.0%を超えると、Mnが溶接金属中に過剰に歩留まり、強度が過剰になって靱性が低下する。したがって、Mnは1.0~3.0%とする。なお、Mnは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスからの金属Mn、Fe-Mn、Fe-Si-Mn等の合金粉末から添加される。
Mnは、Siと同様、溶接時に一部が溶接スラグとなってビード形状を良好にし、溶接作業性の向上に寄与するとともに脱酸剤として作用し、溶接金属の低温靭性を向上させる効果がある。Mnが1.0%未満では、溶接金属中にMnが十分に歩留まらず、溶接金属の低温靭性が低下するとともにビード形状が不良となる。一方、Mnが3.0%を超えると、Mnが溶接金属中に過剰に歩留まり、強度が過剰になって靱性が低下する。したがって、Mnは1.0~3.0%とする。なお、Mnは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスからの金属Mn、Fe-Mn、Fe-Si-Mn等の合金粉末から添加される。
[鋼製外皮とフラックスの合計でCu:0.2~0.7%]
Cuは、溶接金属に耐候性を付与させるために必須の元素である。Cuが0.2%未満では、この効果が十分に得られず、溶接金属の耐候性が低下する。一方、Cuが0.7%を超えると、溶接金属の強度が高くなりすぎ、靭性が低下する。したがって、Cuは0.2~0.7%とする。なお、Cuは、鋼製外皮に含まれる成分の他、ワイヤ表面のCuめっき、フラックスからの金属Cu、Fe-Cu等の合金粉末から添加できる。
Cuは、溶接金属に耐候性を付与させるために必須の元素である。Cuが0.2%未満では、この効果が十分に得られず、溶接金属の耐候性が低下する。一方、Cuが0.7%を超えると、溶接金属の強度が高くなりすぎ、靭性が低下する。したがって、Cuは0.2~0.7%とする。なお、Cuは、鋼製外皮に含まれる成分の他、ワイヤ表面のCuめっき、フラックスからの金属Cu、Fe-Cu等の合金粉末から添加できる。
[鋼製外皮とフラックスの合計でNi:0.1~0.8%]
Niは、溶接金属の耐候性を向上させるために必須元素である。Niが0.1%未満では、この効果が十分に得られず、溶接金属の耐候性が低下する。一方、Niが0.8%を超えると、溶接金属の強度が高くなりすぎ、靭性が低下する。したがって、Niは0.1~0.8%とする。なお、Niは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスからの金属Ni、Fe-Ni、Ni-Mg等の合金粉末から添加できる。
Niは、溶接金属の耐候性を向上させるために必須元素である。Niが0.1%未満では、この効果が十分に得られず、溶接金属の耐候性が低下する。一方、Niが0.8%を超えると、溶接金属の強度が高くなりすぎ、靭性が低下する。したがって、Niは0.1~0.8%とする。なお、Niは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスからの金属Ni、Fe-Ni、Ni-Mg等の合金粉末から添加できる。
[鋼製外皮とフラックスの合計でCr:0.3~0.9%]
Crは、溶接金属の耐候性を向上させるために必須元素である。Crが0.3%未満では、この効果が十分に得られず溶接金属の耐候性が低下する。一方、Crが0.9%を超えると、溶接金属の強度が高くなりすぎ、靭性が低下する。したがって、Crは0.3~0.9%とする。なお、Crは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスからの金属Cr、Fe-Cr等の合金粉末から添加できる。
Crは、溶接金属の耐候性を向上させるために必須元素である。Crが0.3%未満では、この効果が十分に得られず溶接金属の耐候性が低下する。一方、Crが0.9%を超えると、溶接金属の強度が高くなりすぎ、靭性が低下する。したがって、Crは0.3~0.9%とする。なお、Crは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスからの金属Cr、Fe-Cr等の合金粉末から添加できる。
[鋼製外皮とフラックスの合計でTi:0.003~0.20%]
Tiは、溶接金属の組織を微細化して低温靭性を向上させる効果がある。Ti が0.003%未満では、溶接金属の低温靭性が低下する。一方、Tiが0.20%を超えると、靭性を阻害する上部ベイナイト組織を生成し低温靭性が低くなる。したがって、Tiは0.003~0.20%とする。なお、Tiは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスからの金属Ti、Fe-Ti等の合金粉末から添加できる。
Tiは、溶接金属の組織を微細化して低温靭性を向上させる効果がある。Ti が0.003%未満では、溶接金属の低温靭性が低下する。一方、Tiが0.20%を超えると、靭性を阻害する上部ベイナイト組織を生成し低温靭性が低くなる。したがって、Tiは0.003~0.20%とする。なお、Tiは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスからの金属Ti、Fe-Ti等の合金粉末から添加できる。
[鋼製外皮とフラックスの合計でAl:0.02~0.15%]
Alは、溶接時にAl酸化物として溶融スラグとなって溶接スラグの粘性や融点を調整し、特に立向上進溶接における溶融メタルが垂れ落ちるのを防ぐ効果がある。しかし、Alが0.02%未満では、この効果が十分に得られず、立向上進溶接時に溶融メタルが垂れやすくなる。一方、Alが0.15%を超えると、Al酸化物として過度に溶接金属に残留して溶接金属の靭性が低下する。したがって、Alは0.02~0.15%とする。なお、Alは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスからの金属Al、Fe-Al、Al-Mg等の合金粉末から添加できる。
Alは、溶接時にAl酸化物として溶融スラグとなって溶接スラグの粘性や融点を調整し、特に立向上進溶接における溶融メタルが垂れ落ちるのを防ぐ効果がある。しかし、Alが0.02%未満では、この効果が十分に得られず、立向上進溶接時に溶融メタルが垂れやすくなる。一方、Alが0.15%を超えると、Al酸化物として過度に溶接金属に残留して溶接金属の靭性が低下する。したがって、Alは0.02~0.15%とする。なお、Alは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスからの金属Al、Fe-Al、Al-Mg等の合金粉末から添加できる。
[フラックス中のTi酸化物のTiO2換算値の合計:3~8%]
Ti酸化物は、溶接時のアーク安定化に寄与するとともに、溶接スラグとなって溶接ビードの形状を良好にし、溶接作業性の向上に寄与する効果がある。特に、立向上進溶接においては、溶融スラグの粘性や融点を調整し、溶融メタルが垂れるのを防ぐ効果がある。また、一部が微細なTi酸化物として溶接金属中に残留して溶接金属のミクロ組織を微細化し、溶接金属の靱性を向上させる効果もある。Ti酸化物のTiO2換算値の合計が3%未満では、これらの効果が十分に得られず、アークが不安定になってスパッタ発生量が多く、ビード形状が劣化する。またTi酸化物のTiO2換算値の合計が3%未満では、立向上進溶接において溶融メタルが垂れ、溶接の継続が困難になり、さらに、溶接金属の靭性が低下する。一方、Ti酸化物のTiO2換算値の合計が8%を超えると、アークが安定してスパッタ発生量が少なくなるが、Ti酸化物として溶接金属中に過剰に残存して靱性が低下する。したがって、Ti酸化物のTiO2換算値の合計は3~8%とする。なお、Ti酸化物は、フラックスからのルチール、酸化チタン、チタンスラグ、イルメナイト等から添加される。
Ti酸化物は、溶接時のアーク安定化に寄与するとともに、溶接スラグとなって溶接ビードの形状を良好にし、溶接作業性の向上に寄与する効果がある。特に、立向上進溶接においては、溶融スラグの粘性や融点を調整し、溶融メタルが垂れるのを防ぐ効果がある。また、一部が微細なTi酸化物として溶接金属中に残留して溶接金属のミクロ組織を微細化し、溶接金属の靱性を向上させる効果もある。Ti酸化物のTiO2換算値の合計が3%未満では、これらの効果が十分に得られず、アークが不安定になってスパッタ発生量が多く、ビード形状が劣化する。またTi酸化物のTiO2換算値の合計が3%未満では、立向上進溶接において溶融メタルが垂れ、溶接の継続が困難になり、さらに、溶接金属の靭性が低下する。一方、Ti酸化物のTiO2換算値の合計が8%を超えると、アークが安定してスパッタ発生量が少なくなるが、Ti酸化物として溶接金属中に過剰に残存して靱性が低下する。したがって、Ti酸化物のTiO2換算値の合計は3~8%とする。なお、Ti酸化物は、フラックスからのルチール、酸化チタン、チタンスラグ、イルメナイト等から添加される。
[フラックス中のSi酸化物のSiO2換算値の合計:0.1~1.0%]
Si酸化物は、溶融スラグの粘性や融点を調整してスラグ被包性を向上させる効果がある。Si酸化物のSiO2換算値の合計が0.1%未満では、この効果が十分に得られずビード形状が不良となる。一方、Si酸化物のSiO2換算値の合計が1.0%を超えると、溶融スラグの塩基度が低下して溶接金属の酸素量が増加して靭性が低下する。したがって、Si酸化物のSiO2換算値は0.1~1.0%とする。なお、Si酸化物は、フラックスからの珪砂、カリ長石、珪酸ソーダ、ジルコンサンド等から添加できる。
Si酸化物は、溶融スラグの粘性や融点を調整してスラグ被包性を向上させる効果がある。Si酸化物のSiO2換算値の合計が0.1%未満では、この効果が十分に得られずビード形状が不良となる。一方、Si酸化物のSiO2換算値の合計が1.0%を超えると、溶融スラグの塩基度が低下して溶接金属の酸素量が増加して靭性が低下する。したがって、Si酸化物のSiO2換算値は0.1~1.0%とする。なお、Si酸化物は、フラックスからの珪砂、カリ長石、珪酸ソーダ、ジルコンサンド等から添加できる。
[フラックス中のZr酸化物のZrO2換算値の合計:0.1~1.0%]
Zr酸化物は、溶融スラグの粘性や融点を調整し、特に立向上進溶接における溶融メタルが垂れるのを防ぐ効果がある。Zr酸化物のZrO2換算値の合計が0.1%未満では、この効果が十分に得られず、立向上進溶接時に溶融メタルが垂れやすくなる。一方、Zr酸化物のZrO2換算値の合計が1.0%を超えると、スラグの剥離性が不良になる。したがって、Zr酸化物のZrO2換算値の合計は0.1~1.0%とする。なお、Zr酸化物は、フラックスからの酸化ジルコニウム、ジルコンサンド等から添加できると共にTi酸化物に微量含有される。
Zr酸化物は、溶融スラグの粘性や融点を調整し、特に立向上進溶接における溶融メタルが垂れるのを防ぐ効果がある。Zr酸化物のZrO2換算値の合計が0.1%未満では、この効果が十分に得られず、立向上進溶接時に溶融メタルが垂れやすくなる。一方、Zr酸化物のZrO2換算値の合計が1.0%を超えると、スラグの剥離性が不良になる。したがって、Zr酸化物のZrO2換算値の合計は0.1~1.0%とする。なお、Zr酸化物は、フラックスからの酸化ジルコニウム、ジルコンサンド等から添加できると共にTi酸化物に微量含有される。
[フラックス中のAl酸化物のAl2O3換算値の合計:0.05~1.0%]
Al酸化物は、溶融スラグの粘性や融点を調整し、特に立向上進溶接における溶融メタルが垂れるのを防ぐ効果がある。Al酸化物のAl2O3換算値の合計が0.05%未満では、この効果が十分に得られず、立向上進溶接時に溶融メタルが垂れやすくなる。一方、Al酸化物のAl2O3換算値の合計が1.0%を超えると、溶接時に溶融プールからAl酸化物が浮上分離できなくなって取り残されスラグ巻き込みが発生してしまう。したがって、Al酸化物のAl2O3換算値の合計は0.05~1.0%とする。なお、Al酸化物はフラックスからのアルミナ、カリ長石、曹長石等から添加される。
Al酸化物は、溶融スラグの粘性や融点を調整し、特に立向上進溶接における溶融メタルが垂れるのを防ぐ効果がある。Al酸化物のAl2O3換算値の合計が0.05%未満では、この効果が十分に得られず、立向上進溶接時に溶融メタルが垂れやすくなる。一方、Al酸化物のAl2O3換算値の合計が1.0%を超えると、溶接時に溶融プールからAl酸化物が浮上分離できなくなって取り残されスラグ巻き込みが発生してしまう。したがって、Al酸化物のAl2O3換算値の合計は0.05~1.0%とする。なお、Al酸化物はフラックスからのアルミナ、カリ長石、曹長石等から添加される。
[フラックス中のNa化合物及びK化合物のNa2O換算値とK2O換算値の合計:0.01~0.4%]
Na化合物及びK化合物は、アークを安定にする効果がある。Na化合物及びK化合物のNa換算値とK換算値の合計が0.01%未満では、その効果は十分に得られず、アークが不安定となる。一方、Na化合物及びK化合物のNa2O換算値とK2O換算値の合計が0.4%を超えると、溶融スラグの粘性が低下して立向上進溶接で、溶融メタルが垂れ落ちる。したがって、Na化合物及びK化合物のNa2O換算値とK2O換算値の合計は0.01~0.4%とする。なお、Na化合物及びK化合物は、珪酸ソーダ、珪酸カリからなる水ガラスの固質分及びフラックスからのカリ長石、ソーダ長石、NaF、KF、K2SiF6、AlF3等から添加される。
Na化合物及びK化合物は、アークを安定にする効果がある。Na化合物及びK化合物のNa換算値とK換算値の合計が0.01%未満では、その効果は十分に得られず、アークが不安定となる。一方、Na化合物及びK化合物のNa2O換算値とK2O換算値の合計が0.4%を超えると、溶融スラグの粘性が低下して立向上進溶接で、溶融メタルが垂れ落ちる。したがって、Na化合物及びK化合物のNa2O換算値とK2O換算値の合計は0.01~0.4%とする。なお、Na化合物及びK化合物は、珪酸ソーダ、珪酸カリからなる水ガラスの固質分及びフラックスからのカリ長石、ソーダ長石、NaF、KF、K2SiF6、AlF3等から添加される。
[フラックス中のMg:0.05~0.8%]
Mgは、強脱酸剤であり溶接金属中の酸素を低減し、溶接金属の靱性を高める効果がある。Mgが0.05%未満では、この効果が十分に得られず、溶接金属の靭性が低下する。一方、Mgが0.8%を超えると、溶接時にアーク中で激しく酸素と反応してスパッタやヒュームの発生量が多くなって溶接作業性が不良となる。したがって、Mgは0.05~0.8%とする。なお、Mgは、フラックスからの金属Mg、Al-Mg等の合金粉末から添加される。
Mgは、強脱酸剤であり溶接金属中の酸素を低減し、溶接金属の靱性を高める効果がある。Mgが0.05%未満では、この効果が十分に得られず、溶接金属の靭性が低下する。一方、Mgが0.8%を超えると、溶接時にアーク中で激しく酸素と反応してスパッタやヒュームの発生量が多くなって溶接作業性が不良となる。したがって、Mgは0.05~0.8%とする。なお、Mgは、フラックスからの金属Mg、Al-Mg等の合金粉末から添加される。
[フラックス中の弗素化合物のF換算値の合計:0.01~0.2%]
弗素化合物は、アークを安定させる効果がある。弗素化合物のF換算値の合計が0.01%未満では、この効果が十分に得られずアークが不安定となる。一方、弗素化合物のF換算値の合計が0.2%を超えると、アークが不安定になりスパッタが多く発生し、また、立向上進溶接で溶融メタル垂れが発生しやすくなる。また弗素化合物のF換算値の合計が0.2%を超えると、ビード底部にスラグ成分が取り残されたまま溶接金属が凝固してしまうためスラグ巻込みが発生する。したがって、弗素化合物のF換算値の合計は0.01~0.2%とする。なお、弗素化合物は、フラックスからのCaF2、NaF、KF、LiF、MgF2、K2SiF6、AlF3等から添加される。
弗素化合物は、アークを安定させる効果がある。弗素化合物のF換算値の合計が0.01%未満では、この効果が十分に得られずアークが不安定となる。一方、弗素化合物のF換算値の合計が0.2%を超えると、アークが不安定になりスパッタが多く発生し、また、立向上進溶接で溶融メタル垂れが発生しやすくなる。また弗素化合物のF換算値の合計が0.2%を超えると、ビード底部にスラグ成分が取り残されたまま溶接金属が凝固してしまうためスラグ巻込みが発生する。したがって、弗素化合物のF換算値の合計は0.01~0.2%とする。なお、弗素化合物は、フラックスからのCaF2、NaF、KF、LiF、MgF2、K2SiF6、AlF3等から添加される。
[鋼製外皮とフラックスの合計でB:0.002~0.015%]
Bは、微量の添加により溶接金属のミクロ組織を微細化し、溶接金属の低温靱性を向上させる効果がある。Bが0.002%未満では、この効果が十分に得られず、溶接金属の低温靭性が低下する。一方、Bが0.015%を超えると、溶接金属が過度に硬化して靱性が低下するとともに、溶接金属に高温割れが発生し易くなる。したがって、Bは0.002~0.015%とする。なお、Bは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスからのFe-B、Fe-Mn-B等の合金粉末から添加される。
Bは、微量の添加により溶接金属のミクロ組織を微細化し、溶接金属の低温靱性を向上させる効果がある。Bが0.002%未満では、この効果が十分に得られず、溶接金属の低温靭性が低下する。一方、Bが0.015%を超えると、溶接金属が過度に硬化して靱性が低下するとともに、溶接金属に高温割れが発生し易くなる。したがって、Bは0.002~0.015%とする。なお、Bは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスからのFe-B、Fe-Mn-B等の合金粉末から添加される。
[鋼製外皮とフラックスの合計Bi:0.005~0.020%]
Biは、スラグ剥離性をさらに改善する効果がある。Biが0.005%未満では、この効果が十分に得られず、全姿勢溶接で十分なスラグ剥離性が得られない場合がある。一方、Biが0.020%を超えると、溶接金属の低温靭性が低下し、また高温割れが発生しやすくなる。したがって、Biは0.005~0.020%とする。なお、Biは、フラックスからの金属Bi等の合金粉末から添加できる。
Biは、スラグ剥離性をさらに改善する効果がある。Biが0.005%未満では、この効果が十分に得られず、全姿勢溶接で十分なスラグ剥離性が得られない場合がある。一方、Biが0.020%を超えると、溶接金属の低温靭性が低下し、また高温割れが発生しやすくなる。したがって、Biは0.005~0.020%とする。なお、Biは、フラックスからの金属Bi等の合金粉末から添加できる。
本発明に係る耐候性鋼のAr-CO2ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤは、鋼製外皮をパイプ状に成形し、その内部にフラックスを充填した構造である。ワイヤの種類としては、成形した鋼製外皮の合わせ目を溶接して得られる鋼製外皮に継ぎ目の無いワイヤと、鋼製外皮の合わせ目の溶接を行わないままとした鋼製外皮に継ぎ目を有するワイヤとに大別できる。本発明においては、何れの断面構造のワイヤを採用してもよい。但し、鋼製外皮に継ぎ目が無いワイヤは、ワイヤ中の水分量を低減することを目的に焼鈍が可能であり、また製造後のフラックスの吸湿が無いため、溶接金属の拡散性水素量を低減し、耐低温割れ性の向上を図ることができるので、鋼製外皮に継ぎ目が無いワイヤを用いるのが好ましい。
本発明の耐候性鋼のAr-CO2ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤの残部は、鋼製外皮のFe、成分調整のために添加する鉄粉中のFe、Fe-Mn、Fe-Si合金等の鉄合金粉のFe分及び不可避不純物である。また、特に制限はしないが、フラックス充填率は生産性の観点から、ワイヤ全質量に対して8~20%とし、Mo、V、Nbは機械性能の強度の観点から、Mo:0.1%以下、V:0.05%以下、Nb:0.05%以下とするのが好ましい。
以下、本発明の効果を実施例により具体的に説明する。
まず、鋼製外皮にJIS G3141 SPCCを使用し、該鋼製外皮をU字型に成形、フラックスを充填率8~20%で充填してC字型に成形した後、鋼製外皮の合わせ目を溶接して造管、伸線し、表1及び表2に示す各種成分のフラックス入りワイヤを試作した。なお、試作したワイヤ径は1.2mmとした。
これら試作ワイヤを用い、水平すみ肉溶接及び立向上進溶接による溶接作業性を調査した。
溶接作業性は、板厚12mmのJIS G 3114 SM570WQに規定される鋼板をT字に組んだ試験体に、表3に示す溶接条件で、水平すみ肉溶接及び立向上進溶接を行い、その際のアーク状態、スパッタ発生状態、スラグ剥離性、ビード形状の良否、メタル垂れの有無を目視確認で調査した。
溶着金属試験は、板厚20mmのJIS G 3114 SMA570WQに規定される鋼板を用い、JIS Z 3111に準じて溶接を行い、X線透過試験を行った後、溶着金属の板厚方向中心から引張試験片(A0号)及び衝撃試験片(2mmVノッチ試験片)を採取して機械試験を実施した。引張試験の評価は、引張強さが570~750MPaを良好とした。衝撃試験の評価は、-20℃におけるシャルピー衝撃試験を行い、繰返し3本の吸収エネルギーの平均が47J以上を良好とした。その際、初層溶接時に高温割れの有無を目視確認し、耐候性を調査した。これら結果を表4及び表5にまとめて示す。
X線透過試験は、スラグ巻き込み、ブローホール、溶け込み不良が認められた場合、その欠陥の種類を表記し、継手溶接長500mmにおいて上記欠陥が認められない場合は無欠陥とした。
耐候性の試験は、溶着金属試験を調査した試験片から厚さ4mm、幅25mm、長さ50mmをビード表面から各3枚採取し、この試験片を10%塩酸液に温度80℃で6時間漬けた。評価方法は腐食による溶接金属部の減少厚さと母材の減少厚さを測定し、母材減少厚さに対する溶接金属部減少厚さの比率を求め、その値が1.0以下を良好とした。つまり、溶接金属部減少厚さ/母材減少厚さ≦1.0の場合を良好としている。
表1及び表4のワイヤ記号W1~W16は本発明例、表2及び表5のワイヤ記号W17~W35は比較例である。本発明例であるワイヤ記号W1~W16は、フラックス入りワイヤ中の鋼製外皮とフラックスの合計でC、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Ti、Al、フラックス中のTi酸化物のTiO2換算値の合計、Si酸化物のSiO2換算値の合計、Zr酸化物のZrO2換算値の合計、Al酸化物のAl2O3換算値の合計、Na化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計、Mg、弗素化合物のF換算値の合計が適正であるので、アークが安定してスパッタ発生量が少なく、立向上進溶接でメタル垂れがなく、各姿勢溶接でスラグ剥離性及びビード形状が良好で、高温割れ発生、X線透過試験では欠陥は発生しなかった。また、溶着金属の引張強さ及び吸収エネルギーも良好であった。
なお、ワイヤ記号W2、W4、W10、W12、W14、W16はBが適量添加されているので、溶着金属の吸収エネルギーの平均が60J以上得られた。
さらに、ワイヤ記号W3、W4、W11、W12、W15、W16はBiが適量添加されているのでスラグ剥離性が極めて良好であった。
比較例中ワイヤ記号W17は、Cが少ないので、アークが不安定になりスパッタ発生量が多くなった。また、Cuが少ないので、耐候性が不良であった。
ワイヤ記号W18は、Cが多いので、溶着金属の吸収エネルギーが低くなった。また、Zr酸化物のZrO2換算値の合計が多いので、スラグ剥離性が不良であった。なお、Biが少ないので、スラグ剥離性を改善する効果は得られなかった。
ワイヤ記号W19は、Siが少ないので、ビード形状が不良であった。また、Niが少ないので耐候性が不良であった。なお、Bが多いので溶着金属の引張強さが高く、クレータ割れが発生し、溶着金属の吸収エネルギーが低かった。
ワイヤ記号W20は、Siが多いので、溶着金属の吸収エネルギーが低かった。また、Al酸化物のAl2O3換算値の合計が少ないので、立向上進溶接においてメタル垂れが発生した。
ワイヤ記号W21は、Mnが少ないので、ビード形状が不良になり、溶着金属の吸収エネルギーが低かった。また、Crが少ないので、溶着金属の耐候性が不良であった。
ワイヤ記号W22は、Mnが多いので、溶着金属の引張強さが高く、吸収エネルギーが低かった。また、Si酸化物のSiO2換算値の合計が少ないので、ビード形状が不良であった。
ワイヤ記号W23は、Cuが多いので、溶着金属の引張強さが高く、吸収エネルギーが低かった。また、Alが少ないので、立向上進溶接でメタル垂れが発生した。なお、Bが添加されているが溶着金属の吸収エネルギーを向上する効果は得られなかった。
ワイヤ記号W24は、Niが多いので、溶着金属の引張強さが高く、吸収エネルギーが低かった。なお、Bが添加されているが溶着金属の吸収エネルギーを向上する効果は得られなかった。
ワイヤ記号W25は、Crが多いので、溶着金属の引張強さが高く、吸収エネルギーが低かった。なお、Bが添加されているが溶着金属の吸収エネルギーを向上する効果は得られなかった。
ワイヤ記号W26は、Tiが少ないので、溶着金属の吸収エネルギーが低かった。また、Al酸化物のAl2O3換算値の合計が多いので、スラグ巻き込みが発生した。
ワイヤ記号W27は、Tiが多いので、溶着金属の吸収エネルギーが低かった。また、Na化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計が少ないので、アークが不安定であった。なお、Bが添加されているが溶着金属の吸収エネルギーを向上する効果は得られなかった。
ワイヤ記号W28は、Alが多いので、溶着金属の吸収エネルギーが低かった。また、Zr酸化物のZrO2換算値の合計が少ないので、立向上進溶接においてメタル垂れが発生した。
ワイヤ記号W29は、Ti酸化物のTiO2換算値の合計が少ないので、アークが不安定でスパッタ発生量が多く、ビード形状が不良になり、溶着金属の吸収エネルギーが低かった。さらに、立向上進溶接においてメタル垂れが発生した。なお、Bが少ないので溶着金属の吸収エネルギーを改善する効果は得られなかった。
ワイヤ記号W30は、Ti酸化物のTiO2換算値の合計が多いので、溶着金属の吸収エネルギーが低かった。また、Mgが多いので、アークが不安定になってスパッタ発生量が多くなった。
ワイヤ記号W31は、Si酸化物のSiO2換算値の合計が多いので、溶着金属の吸収エネルギーが低かった。また、弗素化合物のF換算値の合計が少ないので、アークが不安定になった。
ワイヤ記号W32は、Na化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計が多いので、立向上進溶接においてメタル垂れが発生した。また、Mgが少ないので、溶着金属の吸収エネルギーが低かった。
ワイヤ記号W33は、弗素化合物のF換算値の合計が多いので、アークが不安定でスパッタ発生量が多く、立向上進溶接においてメタル垂れが発生した。なお、Biが多いので、クレータ割れが発生し、溶着金属の吸収エネルギーが低かった。
Claims (3)
- 鋼製外皮にフラックスを充填してなる耐候性鋼のAr-CO2混合ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、
ワイヤ全質量に対する質量%で、鋼製外皮とフラックスの合計で、
C:0.01~0.08%、
Si:0.1~1.0%、
Mn:1.0~3.0%、
Cu:0.2~0.7%、
Ni:0.1~0.8%、
Cr:0.3~0.9%、
Ti:0.003~0.20%、
Al:0.02~0.15%を含有し、
さらに、ワイヤ全質量に対する質量%で、フラックス中に、
Ti酸化物のTiO2換算値の合計:3~8%、
Si酸化物のSiO2換算値の合計:0.1~1.0%、
Zr酸化物のZrO2換算値の合計:0.1~1.0%、
Al酸化物のAl2O3換算値の合計:0.05~1.0%、
Na化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計:0.01~0.4%、
Mg:0.05~0.8%、
弗素化合物のF換算値の合計:0.01~0.2%を含有し、
残部が鋼製外皮のFe、鉄粉のFe分、鉄合金粉のFe分及び不可避不純物からなることを特徴とする耐候性鋼のAr-CO2混合ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。 - ワイヤ全質量に対する質量%で、鋼製外皮とフラックスの合計で、B:0.002~0.015%を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐候性鋼のAr-CO2混合ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
- ワイヤ全質量に対する質量%で、フラックス中に、Bi:0.005~0.020%を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の耐候性鋼のAr-CO2混合ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
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