JP6651933B2 - 免振装置及び積層ゴム支承の変形量調整方法 - Google Patents

免振装置及び積層ゴム支承の変形量調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、免振装置及び積層ゴム支承の変形量調整方法に関する。
上構造物と下構造物との間に介装される免振装置としては、例えば、構造物とその下方の基礎との上下方向隙間に、積層ゴム支承等からなるアイソレータと、構造物に対する基礎の水平方向相対移動エネルギーを減衰させる摩擦ダンパーとが併設されている免振装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−238164号公報
上記の免振装置にアイソレータとして用いられている積層ゴム支承は、性能保証限界以上の過大な地震入力により積層ゴム支承に大変形が生じた際に座屈する虞がある。積層ゴム支承は、水平変形に伴って構造物が沈み込むことから、発明者は、構造物の沈み込みを規制することにより積層ゴム支承の座屈を防止できると考えた。しかしながら、積層ゴム支承は、経時変化により高さが変化し、特に設置直後から安定するまでの期間は高さが変化し易い。このため、設置時から継続して、積層ゴム支承を効率良く使用できるように、構造物の沈み込み量を所定の値に保つことは難しいという課題がある。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、積層ゴム支承の座屈を防止するとともに沈み込みの量を調整することが可能な免振装置及び積層ゴム支承の変形量調整方法を提供することにある。
かかる目的を達成するために本発明の免振装置は、
上構造物と下構造物との間に介装される免振装置であって、
前記上構造物及び前記下構造物のうちの一方への圧接力を付与する撓み部材に押圧されて前記一方との間で摺動して振動エネルギーを吸収する摺動部を備えたダンパー機構と、
水平方向における前記上構造物と前記下構造物との相対変位に伴う前記上構造物の所定量の沈み込みにより、前記上構造物及び前記下構造物のうちの他方が当接されて前記上構造物を支持する支持部を備え、前記沈み込みを規制する沈み込み規制機構と、
を有し、
前記支持部と前記他方との間に前記沈み込みの量を調整するスペーサーが介装可能な空隙が設けられていることを特徴とする。
このような免振装置によれば、水平方向における上構造物と下構造物との相対変位に伴って上構造物が所定量沈み込むと、沈み込み規制機構により上構造物が支持される。このため、上構造物が支持された後には積層ゴム支承の変形が規制されるので積層ゴム支承の座屈を防止することが可能である。
また、水平方向における上構造物と下構造物との相対変位に伴う上構造物の沈み込みの量を調整するスペーサーが介装可能な空隙が設けられているので、スペーサーにより上構造物の沈み込みの量を容易に調整することが可能である。
かかる免振装置であって、前記所定量は、前記撓み部材の可能たわみ量以下であることが望ましい。
このような免振装置によれば、上構造物の沈み込みの量は、撓み部材の可能たわみ量以下なので、上構造物の沈み込みにより撓み部材がたわみ量の限界に至ることを防止するとともに、撓み部材の撓み可能な範囲でダンパー機構を機能させることが可能である。
かかる免振装置であって、
前記上構造体の前記沈み込みの量が前記所定量未満の場合には、前記撓み部材による前記圧接力により前記摺動部が押圧されることが望ましい。
このような免振装置によれば、上構造体の沈み込みの量が所定量未満の場合には、上構造物が支持部を介して支持されることなく、摺動部が撓み部材の圧接力により一方との間で摺動して振動エネルギーを吸収することが可能である。
かかる免振装置であって、
前記摺動部と前記支持部とは一体をなしており、
前記他方は、前記支持部と係合して当該他方の水平方向の移動とともに前記摺動部を移動させるガイド部を有していることが望ましい。
このような免振装置によれば、上構造物と下構造物とのうち一方との間で摺動する摺動部は、一体となった支持部がガイド部と係合して他方とともに移動するので、上構造物が支持部に支持された際には、上構造部と支持部との間で摺動することなく、摺動部と一方との間で摺動して振動エネルギーを吸収することが可能である。
かかる免振装置であって、
前記ガイド部は筒状をなし、
前記摺動部と、前記ガイド部との間に前記撓み部材をなす皿ばねが介装されており、
前記支持部は、前記摺動部の前記他方側に突出されて前記皿ばねを貫通するとともに前記ガイド部内に挿入されており、
前記空隙は、前記ガイド部内に設けられていることが望ましい。
このような免振装置によれば、摺動部、皿ばね、及び、ガイド部が上下方向に直列に配置され、支持部は皿ばねの内周側に配置されているので、占有面積を小さくすることが可能である。また、空隙はガイド部内に設けられているので、ガイド部によりスペーサーが脱落しないように保持させることが可能である。
かかる免振装置であって、
前記ガイド部は、前記支持部と係合した状態のまま前記他方から取り外し可能に取り付けられており、前記他方から取り外されたときに前記空隙と繋がって前記他方側に開放された開孔を有していることが望ましい。
このような免振装置によれば、支持部と係合した状態のままガイド部を他方から取り外すことにより、ガイド部の、空隙と繋がった開孔が他方側に開放されるので、空隙に配置するスペーサーの厚みや数を変更して容易に沈み込みの量を調整することが可能である。
かかる免振装置であって、
前記摺動部は、前記撓み部材により前記一方に押圧されるフェノール樹脂製の摩擦材を有していることが望ましい。
このような免振装置によれば、面圧が高く摩擦係数が大きなフェノール樹脂製の摩擦材が、上構造物及び下構造物のうちの一方との間で摺動して振動エネルギーを吸収するので、低コストでより摩擦減衰力の大きな免振装置を提供することが可能である。
また、上構造物と下構造物との間に介装されて前記上構造物を支持する積層ゴム支承と、
前記積層ゴム支承と併設され、前記上構造物及び前記下構造物のうちの一方への圧接力を付与する撓み部材に押圧されて前記一方との間で摺動して振動エネルギーを吸収する摺動部を備えたダンパー機構と、
水平方向における前記上構造物と前記下構造物との相対変位に伴う前記上構造物の所定量の沈み込みにより前記上構造物及び前記下構造物のうちの他方が当接されて前記上構造物を支持する支持部を備え、前記沈み込みを規制する沈み込み規制機構と、
を有する免振装置の、
前記支持部と前記他方との間隔を、スペーサーにより変更させて前記所定量を調整することを特徴とする。
このような積層ゴム支承の変形量調整方法によれば、水平方向における上構造物と下構造物との相対変位に伴う上構造物の沈み込みの量をスペーサーにより調整するだけで、容易に上構造物の沈み込みの量を適切な量に調整することが可能である。また、上構造物の沈み込みの量が適切に調整されることにより、積層ゴム支承の変形が適切に規制されるので容易な調整方法により積層ゴム支承の座屈を防止することが可能である。
かかる積層ゴム支承の変形量調整方法であって、
前記積層ゴム支承の経年による前記沈み込みにより減じた、前記支持部と前記他方との間隔の変化量に基づいて前記スペーサーの高さを減ずることが望ましい。
このような積層ゴム支承の変形量調整方法によれば、積層ゴム支承に経年により沈み込みが生じ、支持部と他方との間隔が減じたとしても、支持部と他方との間隔の変化量に基づいてスペーサーの高さを減ずるだけで、支持部と他方との間隔が所定量になるように容易に調節することが可能である。
本発明によれば、積層ゴム支承の座屈を防止するとともに沈み込みの量を調整することが可能な免振装置及び積層ゴム支承の変形量調整方法を提供することが可能である。
本実施形態にかかる免振装置の通常時の状態を示す正面図である。 本実施形態にかかる免振装置が有する摩擦皿ばね支承の通常時の状態を示す正面図である。 本実施形態にかかる免振装置の大地震時の状態を示す正面図である。 本実施形態にかかる免振装置が有する摩擦皿ばね支承の大地震時の状態を示す正面図である。 本実施形態にかかる免振装置における積層ゴム支承の変形量調整の効果を示すグラフである。
本発明の好適な実施形態について添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態の免振装置1は、図1に示すように、下構造物としての、建物の基礎1aと、基礎1a上に設けられ上構造物としての建物本体1bとの間に介装され、アイソレータをなす積層ゴム支承2と併設される摩擦皿ばね支承3である。積層ゴム支承2及び摩擦皿ばね支承3は、建物本体1bの下面において、周囲より下方に突出している部位に配置されている。積層ゴム支承2と摩擦皿ばね支承3は、それぞれ複数設けられているが、図1においては省略して1つずつ示している。また、基礎1aの上面と建物本体1bの下面との間隔を、以下、構造物間隔δ1という。本実施形態においては、基礎1aが、上構造物及び下構造物のうちの一方に相当し、建物本体1bが、上構造物及び下構造物のうちの他方に相当する。
摩擦皿ばね支承3は、基礎1a上に設けられたプレート状の滑り板32及びこの滑り板32上に、水平方向における四方に滑動自在に配置される摩擦材31とから構成されるダンパー機構としての摩擦減衰力生成部30と、建物本体1bの下面に、滑り板32の直上に位置させて設けられ、摩擦材31を滑り板32に対して圧接させるための撓み部材を備えた皿ばねユニット34と、を有している。本実施形態においては、撓み部材として、設定圧接力が加えられて基礎1a及び建物本体1bとの間の上下方向における構造物間隔δ1の見込み変化量に対して弾発力の変動が小さな非線形ばね領域内でたわみ変形される皿ばね33を用いている。
滑り板32はステンレス板や、その表面にステンレス板が設けられたクラッド鋼等で形成されている。またこの滑り板32の表面で滑動される摩擦材31としては、ステンレス板との摩擦係数μに応じて、例えば四フッ化エチレン、超高分子量ポリエチレンまたはフェノール樹脂が用いられている。そしてこの摩擦材31は、建物本体1bの下面に固定されている皿ばねユニット34の下面に取り付けられている。
皿ばねユニット34は、皿ばね33の下に設けられる摺動部としての下フランジ35と、皿ばね33の上に設けられるフランジ部材36と、下フランジ35の上に立設され皿ばね33の内側にて皿ばね33の水平方向の移動を規制する規制部37と、規制部37上に載置されるスペーサー38と、を有している。
下フランジ35は、皿ばね33の外径より大きな円盤状をなし、下面に摩擦材31を備えている。規制部37は、下フランジ35の中央から上に立設されて一体をなし、皿ばね33の内径より小さな外径の円柱状をなしている。スペーサー38は、規制部37の外形とほぼ同じ外径に形成されている。
フランジ部材36は、下フランジ35と上下方向に互いに間隔を空けて対向し、下フランジ35と同じ平面形状をなす環状の中央フランジ36aと、中央フランジ36aより上方に位置し、上下方向に互いに間隔を空けて対向し、中央フランジ36aより大きな外径をなす環状の上フランジ36bと、中央フランジ36aと上フランジ36bにそれぞれ設けられている中央の孔が上下方向に連通するように繋ぐ筒状のシリンダー部36cと、を有している。シリンダー部36cの内径は、規制部37の外径より僅かに大きく形成されている。
摩擦皿ばね支承3は、摩擦材31が設けられた下フランジ35の上方に突出する円柱状の規制部37が、重ね合わせられた複数の皿ばね33に挿通され、皿ばね33の中央から上方に規制部37が突出するように配置され、皿ばね33の上にフランジ部材36が載置される。このとき、フランジ部材36のシリンダー部36c内に規制部37が挿入された状態で中央フランジ36aが皿ばね33上に載置される。その後、シリンダー部36c内には、規制部37上にシリンダー部36c内の空隙Sが所定の高さになるようにスペーサー38が載置される。ここで、フランジ部材36が、規制部37と係合して建物本体1bの水平方向の移動とともに下フランジ35を移動させるガイド部に相当する。
摩擦皿ばね支承3は、設置前には下フランジ35と中央フランジ36aとが、シリンダー部36cの外周より外側に設けられたボルト4とナット5により仮固定されている。このとき、下フランジ35と中央フランジ36aとの間隔を狭めるように皿ばね33が圧縮され、摩擦材31から上フランジ36bまでの高さが、基礎1aに設けられた滑り板32と建物本体1bの下面に設けられたベースプレート1cとの間隔より低い状態で仮固定されている。また、スペーサー38はフランジ部材36の上端より上方に突出していない。
仮固定状態の摩擦皿ばね支承3は、積層ゴム支承2により支持されている建物本体1bと基礎1aとの間にて滑り板32上に配置され、上フランジ36bがベースプレート1cを介して建物本体1bに固定されて設置される。建物本体1bに固定された摩擦皿ばね支承3は、ボルト4とナット5が取り外され摩擦材31が滑り板32上に、皿ばね33による圧接力により押圧される。
設置された状態の摩擦皿ばね支承3は、シリンダー部36c内のスペーサー38の上端とベースプレート1cとの間に、高さ(以下、空隙高さという)δ2の空隙Sが形成されている。
本実施形態の免振装置1において、必要な摩擦減衰力を発生させるためには、まず摩擦減衰力生成部30に生じさせるべき圧接力、すなわち皿ばね33に発生させるべき弾発力が決定される。このとき使用する積層ゴム支承2や摩擦材31、滑り板32の仕様も決定される。
そして、これらに基づいて、本発明に係る免振装置1に用いる皿ばね33に生じさせるべき弾発力と皿ばね33に作用し得る見込み変形量との関係が設定される。このとき、皿ばね22は、基礎1aと建物本体1bとの間の構造物間隔δ1の見込み変化量に対して弾発力の変動が小さい領域、所謂非線形ばね領域内、より具体的には、図5における「皿ばね荷重一定領域」で使用されるように設定する。
このように設定された免振装置1は、建物に振動エネルギーが入力され、積層ゴム支承2により支持されている建物本体1bに作用する地震力が、皿ばね33による圧接力にて摩擦減衰力生成部30の摩擦材31と滑り板32との静摩擦力を超えると、積層ゴム支承2の水平変形を伴って摩擦材31と滑り板32との間にて発生する摩擦減衰により摩擦皿ばね支承3として機能する。このとき、積層ゴム支承2は、水平変形するばかりでなく、積層ゴム支承2の高さが低くなる沈み込みが生じており、積層ゴム支承2の水平変形に伴って構造物間隔δ1が狭くなる。
振動エネルギーにより過大な地震力が入力されると、図3、図4に示すように、積層ゴム支承2がより大きく水平変形するが、積層ゴム支承2の沈み込みの量が、所定量の空隙高さδ2になると、建物本体1bの下面に設けられたベースプレート1cがスペーサー38上に当接される。ベースプレート1cがスペーサー38上に当接されることにより、積層ゴム支承2の更なる水平変形が規制され建物本体1bが規制部37に支持される。このため、空隙高さδ2は、積層ゴム支承2が座屈しない水平変位時の沈み込みの量に設定されており、ベースプレート1cがスペーサー38上に当接されることにより積層ゴム支承2の座屈を防止するフェイルセーフ機能を発揮する。このとき、空隙高さδ2は、皿ばね33が押圧されて、無負荷状態で傾斜をなしていた周面が平坦になるまでの撓み量を示す可能撓み量以下に設定されている。ここで、規制部37が支持部に相当し、フェイルセーフ機構が、沈み込み規制機構に相当する。
このため、摩擦皿ばね支承3を設置する際には、構造物間隔δ1及び空隙高さδ2を適切に設定して設置しなければ、摩擦減衰機能とフェイルセーフ機能とを有効に発揮させることができない虞がある。例えば、構造物間隔δ1が設定すべき間隔より広い場合には、皿ばね33による圧接力が不足して必要な、振動の摩擦減衰効果が得られない虞があり、構造物間隔δ1が設定すべき間隔より狭い場合には、静止摩擦力が大きくなり、風による建物の揺れなど、小さな振動に対して摩擦減衰効果が得られない虞がある。
また、空隙高さδ2が設定すべき間隔より広い場合には、積層ゴム支承2が座屈する虞があり、空隙高さδ2が設定すべき間隔より狭い場合には、振動の摩擦減衰効果が十分に得られない虞がある。
ところで、一般的に皿ばねは、施工現場に合わせて製造されるものではなく、互いに異なる複数の仕様にて製造された複数種類の皿ばねの中から施工現場に合うものを選択して使用される。このため、摩擦減衰機能とフェイルセーフ機能とを有効に発揮させるべく皿ばねを選定するとともに選定した皿ばねを用いて所定の構造物間隔δ1及び空隙高さδ2に合わせることは煩雑である。また、積層ゴム支承2は外気温の温度変化によって伸縮すること、長年にわたって構造物重量を支持し続けることに伴ってクリープ現象を生じることなどにより、設置当初の構造物間隔δ1及び空隙高さδ2を維持することは難しい。
そこで、本実施形態の免振装置1が備える摩擦皿ばね支承3は、シリンダー部36c内の規制部37上にスペーサー38を載置した構成とし、スペーサー38の着脱によりスペーサー38の上端とベースプレート1cとの間の空隙高さδ2を調整可能としている。このとき、スペーサー38を円形の薄板状に形成し、摩擦皿ばね支承3の設置時に、選定した皿ばね33にて所定の空隙高さδ2が得られるように、規制部37上に載置するスペーサー38の枚数を調整する。このとき、厚さが互いに異なるスペーサーを置き換えて空隙高さδ2を調整しても構わない。ここで、下フランジ35、規制部37及びスペーサー38が沈み込み規制機構に相当する。
本実施形態の摩擦皿ばね支承3において、スペーサー38によりスペーサー38の上端とベースプレート1cとの間の空隙高さδ2を調整する場合には、例えば、まず、摩擦皿ばね支承3の設置箇所の近傍において、摩擦皿ばね支承3を、例えば左右で挟むような位置にキリンジャッキによる仮サポートを設置する。このとき、キリンジャッキは、建物本体1bの下面のうち免振装置1が設置されている箇所より高い下面の下に配置する。
次に、下フランジ35と中央フランジ36aとに、シリンダー部36cの外周より外側に通したボルト4に螺合されているナット5を締め付けて皿ばね33を圧縮し、下フランジ35の摩擦材31と滑り板32との間に生じた隙間に、滑り材32上でスライド可能な鋼板等を介在させ、上フランジ36bを建物本体1bから取り外すことにより、摩擦皿ばね支承3を鋼板上に載置してスライド移動可能な状態とする。
次に、鋼板と共に摩擦皿ばね支承3を、キリンジャッキが設けられている左右方向と交差する前後方向にスライドさせて、取り外した摩擦皿ばね支承3を、建物本体1bの下面が、取り付けられていた箇所より高い箇所まで移動させる。この状態で、フランジ部材36は、規制部37と係合しており、スペーサー38が配置されている空隙Sと繋がった開孔36dが上方に開放されている。すなわち、上フランジ36bの中央に設けられている孔が、建物本体1bがなす他方から取り外されたときに空隙Sと繋がって上方に開放された開孔36dに相当する。
次に、空隙Sに配置されているスペーサー38を開孔36dから取り出してスペーサー38の厚み、または、枚数を変更することによりスペーサー38の高さを調整し、開孔36dから空隙S内に設置する。
高さを調整したスペーサー38を空隙S内に設置した摩擦皿ばね支承3は、取り外した手順と逆の手順により元の位置に設置し、キリンジャッキを取り外して、スペーサー38の上端とベースプレート1cとの間の空隙高さδ2調整が完了する。
規制部37上に複数枚のスペーサー38を載置した状態で所定量の空隙高さδ2を確保して摩擦皿ばね支承3を設置し、設置後の免振装置1において積層ゴム支承2の温度変化や経年変化による積層ゴム支承2の沈み込みにより所定量の空隙高さδ2が得られなくなった場合には、規制部37上スペーサー38の枚数を減らして高さを減ずることにより再び所定量の空隙高さδ2を確保する。このとき、減ずるスペーサー38の枚数は、建物本体1bと規制部37との間隔の経年変化等による変化量に基づいて、当該変化量に相当する高さをなす数だけ減らすことが望ましい。
本実施形態の免振装置1は、図5に示すように、スペーサー38がない場合には、設置の初期状態Aにおける空隙高さδ2が高いため地震時には積層ゴム支承2が水平変形する間(A→F)は摩擦減衰機能を発揮し、過大地震時に皿ばね33が密着状態Gとなった状態で積層ゴム支承2の水平変形が規制されフェイルセーフ機能を発揮することになる。規制部37上にスペーサー38を載置した場合には、初期状態Aにおいて空隙高さδ2がスペーサー38の厚み分低くなるため、地震時には積層ゴム支承2の水平変形する間(A→BまたはA→D)は摩擦減衰機能を発揮し、過大地震時に皿ばね33が、スペーサーの厚みに応じて低くなった空隙高さδ2分圧縮された状態(CまたはE)で積層ゴム支承2の水平変形が規制され皿ばね33の撓み代を残した状態でフェイルセーフ機能を発揮する。このように、スペーサー38の厚みを変更することにより、積層ゴム支承2の水平変形量を調節し、また、それぞれの空隙高さδ2においてフェイルセーフ機能を発揮させることが可能となる。また、建物本体1bの沈み込みの量が所定量未満、すなわち空隙高さδ2未満の場合には、建物本体1bが規制部37を介して支持されることなく、下フランジ35の摩擦材31が皿ばね33の圧接力により基礎1aの滑り板32に押圧されて摩擦減衰機能を発揮する。
本実施形態の免振装置1によれば、水平方向における基礎1aと建物本体1bとの相対変位に伴って建物本体1bが所定量沈み込むと、積層ゴム支承2と併設された摩擦皿ばね支承3により建物本体1bが支持される。このため、建物本体1bが支持された後には積層ゴム支承2の変形が規制されるので積層ゴム支承2の座屈を防止することが可能である。
また、基礎1aと建物本体1bとの水平方向の相対変位に伴う建物本体1bの沈み込みの量を調整するスペーサー38が介装可能な空隙Sが設けられているので、スペーサー38により建物本体1bの沈み込みの量を容易に調整することが可能である。
また、基礎1aに設けられた滑り板32との間で摺動する摩擦材31を備えた下フランジ35は、一体に設けられた規制部37がシリンダー部36cと係合して建物本体1bとともに移動するので、建物本体1bが規制部37に支持された際には、建物本体1bと規制部37との間で摺動することなく、下フランジ35と滑り板32との間で摺動して振動エネルギーを吸収することが可能である。
また、下フランジ35は、建物本体1bとの間に介在されている皿ばね33により滑り板32への圧接力を付与されているので、建物本体1bの沈み込みの量が空隙高さδ2未満の場合には、建物本体1bが規制部37を介して支持されることなく、フランジ35の摩擦材31が皿ばね33の圧接力により基礎1aの滑り板32に押圧されて摺動することにより振動エネルギーを吸収することが可能である。
また、下フランジ35、皿ばね33、及び、フランジ部材36が上下方向に直列に配置され、規制部37は皿ばね33の内周側に配置されているので、摩擦皿ばね支承3の占有面積を小さくすることが可能である。
また、規制部37と係合した状態でフランジ部材36を建物本体1bから取り外すことにより、フランジ部材36の、空隙Sと繋がった開孔36dが上方に開放されるので、空隙Sに配置するスペーサー38厚みや数を変更して容易に沈み込みの量を調整することが可能である。
また、本実施形態の積層ゴム支承2の変形量調整方法によれば、水平方向における基礎1aと建物本体1bとの相対変位に伴う建物本体1bの沈み込みの量をスペーサー38により調整するだけで、容易に建物本体1bの沈み込みの量を適切な量に調整することが可能である。また、建物本体1bの沈み込みの量が適切に調整されることにより、積層ゴム支承2の変形が適切に規制されるので容易な調整方法により積層ゴム支承2の座屈を防止することが可能である。
また、経年により積層ゴム支承2に沈み込みが生じ、建物本体1bと規制部37との間隔が減じたとしても、建物本体1bと規制部37との間隔の変化量に基づいてスペーサー38の高さを減ずるだけで、建物本体1bと規制部37との間隔が所定量になるように容易に調節することが可能である。
上記実施形態においては、建物本体1bに皿ばねユニット34が設けられ、基礎1aと下フランジ35とが摺動する例について説明したが、これに限らず、基礎1aに皿ばねユニット34が設けられ、建物本体1bと下フランジ35とが摺動してもかまわない。
また、上記実施形態においては、摩擦皿ばね支承3がフェイルセーフ機構及び沈み込み規制機構を備える例について説明したが、フェイルセーフ機構と沈み込み規制機構とを別個に備え、積層ゴム支承2とともに基礎1aと建物本体1bとの間に併設しても構わない。
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
1 免振装置、1a 基礎(下構造物)、1b 建物本体(上構造物)、
1c ベースプレート、2 積層ゴム支承、3 摩擦皿ばね支承、4 ボルト、
5 ナット、30 摩擦減衰力生成部(ダンパー機構)、31 摩擦材、
32 滑り板、33 皿ばね(撓み部材)、34 皿ばねユニット、
35 下フランジ(摺動部)、36 フランジ部材(ガイド部)、
36a 中央フランジ、36b 上フランジ、36c シリンダー部、
36d 開孔、37 規制部(支持部)、38 スペーサー、
S 空隙

Claims (9)

  1. 上構造物と下構造物との間に介装される免振装置であって、
    前記上構造物及び前記下構造物のうちの一方への圧接力を付与する撓み部材に押圧されて前記一方との間で摺動して振動エネルギーを吸収する摺動部を備えたダンパー機構と、
    水平方向における前記上構造物と前記下構造物との相対変位に伴う前記上構造物の所定量の沈み込みにより、前記上構造物及び前記下構造物のうちの他方が当接されて前記上構造物を支持する支持部を備え、前記沈み込みを規制する沈み込み規制機構と、
    を有し、
    前記支持部と前記他方との間に前記沈み込みの量を調整するスペーサーが介装可能な空隙が設けられていることを特徴とする免振装置。
  2. 請求項1に記載の免振装置であって、
    前記所定量は、前記撓み部材の可能たわみ量以下であることを特徴とする免振装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の免振装置であって、
    前記上構造体の前記沈み込みの量が前記所定量未満の場合には、前記撓み部材による前記圧接力により前記摺動部が押圧されることを特徴とする免振装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の免振装置であって、
    前記摺動部と前記支持部とは一体をなしており、
    前記他方は、前記支持部と係合して当該他方の水平方向の移動とともに前記摺動部を移動させるガイド部を有していることを特徴とする免振装置。
  5. 請求項4に記載の免振装置であって、
    前記ガイド部は筒状をなし、
    前記摺動部と、前記ガイド部との間に前記撓み部材をなす皿ばねが介装されており、
    前記支持部は、前記摺動部の前記他方側に突出されて前記皿ばねを貫通するとともに前記ガイド部内に挿入されており、
    前記空隙は、前記ガイド部内に設けられていることを特徴とする免振装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載の免振装置であって、
    前記ガイド部は、前記支持部と係合した状態のまま前記他方から取り外し可能に取り付けられており、前記他方から取り外されたときに前記空隙と繋がって前記他方側に開放された開孔を有していることを特徴とする免振装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の免振装置であって、
    前記摺動部は、前記撓み部材により前記一方に押圧されるフェノール樹脂製の摩擦材を有していることを特徴とする免振装置。
  8. 上構造物と下構造物との間に介装されて前記上構造物を支持する積層ゴム支承と、
    前記積層ゴム支承と併設され、前記上構造物及び前記下構造物のうちの一方への圧接力を付与する撓み部材に押圧されて前記一方との間で摺動して振動エネルギーを吸収する摺動部を備えたダンパー機構と、
    水平方向における前記上構造物と前記下構造物との相対変位に伴う前記上構造物の所定量の沈み込みにより前記上構造物及び前記下構造物のうちの他方が当接されて前記上構造物を支持する支持部を備え、前記沈み込みを規制する沈み込み規制機構と、
    を有する免振装置の、
    前記支持部と前記他方との間隔を、スペーサーにより変更させて前記所定量を調整することを特徴とする積層ゴム支承の変形量調整方法。
  9. 請求項8に記載の積層ゴム支承の変形量調整方法であって、
    前記積層ゴム支承の経年による前記沈み込みにより減じた、前記支持部と前記他方との間隔の変化量に基づいて前記スペーサーの高さを減ずることを特徴とする積層ゴム支承の変形量調整方法。
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