JP6591310B2 - 使用済燃料貯蔵ラック - Google Patents
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Description
また、本発明の実施形態に係る使用済燃料貯蔵ラックは、燃料集合体が収容される格子状の複数のセルと、前記セルの下部に設けられ燃料プールのプール底面に載置される筐体状のベース部材と、を備える使用済燃料貯蔵ラックであって、前記プール内壁又は前記プール内壁に固定された構造物と前記ベース部材の底板との間に介在し、前記ベース部材に予荷重を負荷する弾性部材と、前記予荷重を調整する予荷重調整部材と、を有し、前記予荷重調整部材は、前記ベース部材の底板に設けられた貫通孔に遊嵌し前記プール底面に固定されたアンカーボルトと、前記アンカーボルトに螺合し上下動可能なナットと、前記ナットの下面に設けられ前記ナットとともに上下動可能な荷重受け具と、前記荷重受け具の下面と前記底板の間に設けられた弾性部材と、からなり、前記弾性部材の下端部に座金を設け、前記座金と前記底板の間、及び/又は前記底板とプール底面との間に摩擦材を配置したことを特徴とする。
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係る使用済燃料貯蔵ラックについて、図1〜図3及び図5を参照して説明する。
第1の実施形態に係る使用済燃料貯蔵ラック2は、図1及び図5に示すように、格子状に区画された複数のセル4から構成され、使用済燃料プール3内に配置される。使用済燃料貯蔵ラック2の各セル4には使用済燃料集合体1が収容され、使用済燃料集合体1を冷却して未臨界状態に維持する。
ベース部材6は、図2に示すように、側板6Aと底板6Bを溶接により接続した筐体構造で、上部が使用済燃料貯蔵ラック2の下面に溶接等により固定され、下部はプール底面5上に載置されている。また、底板6Bには、使用済燃料プール3の底部コンクリートに埋め込まれたアンカーボルト7が遊嵌される貫通孔6Cが設けられている。
予荷重調整部材8は、図2に示すように、アンカーボルト7に螺合結合する逆錐状の荷重受け具9と、荷重受け具9と側板6Aの間に配置された複数の弾性部材10と、から構成される。
弾性部材10は、一端に錐状の内周面を有する嵌合部材10aが取り付けられ、他端は側板6Aに固定される。
このように構成された本実施形態において、設計上想定する地震力の範囲では、使用済燃料貯蔵ラック2が共振した際にベース部材6から弾性部材10へ伝わる水平方向の荷重が予荷重を超えないため、ベース部材6の底板6Bがプール底面5に対して滑ることがない。一方、過大な地震力が加わった場合には、使用済燃料貯蔵ラック2が共振した際にベース部材6から弾性部材10へ伝わる水平方向の荷重が予荷重を超えるため、底板6Bがプール底面5上を滑る。
以上説明したように、本実施形態によれば、ベース部材6の内部に予荷重調整部材8を配置したことにより、設計上想定する地震力の範囲では使用済燃料貯蔵ラック2が共振した際にベース部材6の底板6Bが滑ることがなく、設計上想定する地震力の範囲を超えた場合には使用済燃料貯蔵ラック2がプール底面5上を滑る。これにより、プール底面5のコンクリートや使用済燃料貯蔵ラック2に過大な負荷がかかることを抑制できる。また、自立式に比較して使用済燃料貯蔵ラック2が滑りにくくなり、また滑りによる移動量が抑制されるため、使用済燃料貯蔵ラック2同士の衝突、又は使用済燃料プール3のプール側壁11との衝突等の発生を抑制することができる。
上述した実施形態では、所定のセル4aの下部に設けられたベース部材6の内部に予荷重調整部材8を配置するものであるが、図3に示すように、隣接する使用済燃料貯蔵ラック2の間、及び使用済燃料プール3のプール側壁11との間に本実施形態に係る予荷重調整部材8を配置してもよい。
第2の実施形態に係る使用済燃料貯蔵ラックについて、図4を参照して説明する。
上記第1の実施形態では、予荷重調整部材8は側板6Aに水平方向の予荷重を負荷しているが、本第2実施形態では、予荷重調整部材12は底板6Bに垂直方向の予荷重を負荷する構成としている。
本第2の実施形態の予荷重調整部材12は、アンカーボルト7に螺合するナット13と、ナット13の下面に取り付けられた座金状の荷重受け具15と、上端が荷重受け具15の下面に取り付けられ、下端が円環状の座金14aに取り付けられた弾性部材14と、から構成される。このうち、座金14aは底板6B上に載置される。
本変形例では、底板6Bとプール底面5の間に摩擦係数の大きい摩擦材を介在させる(例えば、底板6Bとプール底面5の何れかまたは両方に摩擦材を貼り付ける)、底板6Bとプール底面5の何れかまたは両方を粗面加工する、底板6Bに摩擦係数が高い材料を用いる等して、使用済燃料貯蔵ラック2を滑りにくくする。これにより、設計上の想定以下の地震力に対し底板6Bが滑るのを防止することができる。また、座金14aと底板6Bを、同様に摩擦材を介在させる、粗面加工、摩擦係数が高い材料の採用等の同様の措置を行って滑りにくくしてもよい。
このように構成された本実施形態において、設計上想定する地震力の範囲では、使用済燃料貯蔵ラック2が共振した際にベース部材6の底板6Bは、垂直方向の予荷重により滑ることがない。
過大な地震力が加わった場合には、使用済燃料貯蔵ラック2が共振した際に底板6Bがプール底面5を数ミリ程度滑る。
本第2の実施形態によれば、上記第1の実施形態と同様に、過大な地震力がかかった場合は使用済燃料貯蔵ラック2がプール底面5上を滑ることで大きい負荷がかかることがなく、また使用済燃料貯蔵ラック2の滑りを最小限に抑制することで、プール底面5のコンクリートの損傷、使用済燃料貯蔵ラック2同士の衝突、又は使用済燃料プール3のプール側壁11との衝突等を防止することができる。
第3の実施形態に係る使用済燃料貯蔵ラックについて、図5を参照して説明する。
本実施形態では、上記第1及び第2の実施形態で説明したベース部材6の配置構成について説明する。
図5(b)では、各実施形態に係るベース部材6は使用済燃料貯蔵ラック2の対角線上の2隅に配列された複数のセル4a(☆印)に設けられ、他の2隅の複数のセル4a(○印)には従来のアンカーボルトによる固定手段が用いられている。
Claims (5)
- 燃料集合体が収容される格子状の複数のセルと、前記セルの下部に設けられ燃料プールのプール底面に載置される筐体状のベース部材と、を備える使用済燃料貯蔵ラックであって、
前記プール内壁又は前記プール内壁に固定された構造物と前記ベース部材の側板との間に介在し、前記ベース部材に予荷重を負荷する弾性部材と、
前記予荷重を調整する予荷重調整部材と、を有することを特徴とする使用済燃料貯蔵ラック。 - 前記予荷重調整部材は、前記ベース部材の底板に設けられた貫通孔に遊嵌し前記プール底面に固定されたアンカーボルトと、前記アンカーボルトに螺合し上下動可能な逆錐状の荷重受け具と、前記荷重受け具と前記側板の間に設けられた弾性部材と、からなることを特徴とする請求項1記載の使用済燃料貯蔵ラック。
- 前記燃料貯蔵ラックの4隅にある複数のセルのうち、少なくとも1隅にある複数のセルに前記ベース部材を配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の使用済燃料貯蔵ラック。
- 燃料集合体が収容される格子状の複数のセルと、前記セルの下部に設けられ燃料プールのプール底面に載置される筐体状のベース部材と、を備える使用済燃料貯蔵ラックであって、
前記プール内壁又は前記プール内壁に固定された構造物と前記ベース部材の底板との間に介在し、前記ベース部材に予荷重を負荷する弾性部材と、
前記予荷重を調整する予荷重調整部材と、を有し、
前記予荷重調整部材は、前記ベース部材の底板に設けられた貫通孔に遊嵌し前記プール底面に固定されたアンカーボルトと、前記アンカーボルトに螺合し上下動可能なナットと、前記ナットの下面に設けられ前記ナットとともに上下動可能な荷重受け具と、前記荷重受け具の下面と前記底板の間に設けられた弾性部材と、からなり、
前記弾性部材の下端部に座金を設け、前記座金と前記底板の間、及び/又は前記底板とプール底面との間に摩擦材を配置したことを特徴とする使用済燃料貯蔵ラック。 - 前記燃料プールに複数の使用済燃料貯蔵ラックを配置し、当該複数の使用済燃料貯蔵ラックの間、及び/又は前記使用済燃料貯蔵ラックと前記使用済燃料プールのプール側壁との間に前記ベース部材を配置したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の使用済燃料貯蔵ラック。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7551567B2 (ja) | 2021-05-21 | 2024-09-17 | 株式会社東芝 | 減衰付加装置 |
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