JP2018084129A - 免震具 - Google Patents

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Kozo Kimura
耕造 木村
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Abstract

【課題】設置が容易で、かつ簡単な構成で、振動の伝達を抑制する免震具を提供する。
【解決手段】免震具10は、建造物の基礎60と土台70の間に配置されるとともに、アンカーボルト80が貫通している。免震具10は、基礎側基板20と土台側基板30と、これらの間に挟まれる多数の剛球40と、これら剛球40の枠や仕切りとなる複数のリング50〜54により構成される。基礎側基板20は、略円板状であって、中央に開口部22を有し、外縁には外枠24を有している。土台側基板30は、略円板状であって、中央に開口部32を有し、内縁に内枠34を有している。両基板20,30の間には、多数の剛球40が弾性を有する外側リング50と、内側リング52と、これらの間に配置された中間リング54で仕切られている。地震が起きると、剛球40の転動により基礎60と土台70が相対的にずれ、振動の伝播が抑制される。
【選択図】図1

Description

本発明は、地震などによる建物の揺れを抑制ないし軽減するための免震具に関するものである。
地震のときに住宅の振動を減衰させる免震技術としては、例えば、下記特許文献1に記載の「木造住宅の埋め込み式免震装置」がある。当該技術は、木造住宅の基礎部分に設置する免震装置において、基礎コンクリート上面より突出する部分を基礎コンクリートに埋設する部分より太くした上面開口の筒状剛体を設け、基礎コンクリートに埋設する部分の該筒状剛体の内部には弾性物質を内嵌するとともに、該弾性物質の高さは該筒状導体より突出しており、且つ該弾性物質の中心部には建物構造部材に連結するアンカーボルトと基礎コンクリートに固定するアンカーボルトを上下に離して固着させ、さらに基礎コンクリート上面より突出した該筒状剛体部と該弾性物質の間に弾性係数の異なる弾性物質を接合して内嵌されてなる免震装置を建造物の基礎と土台乃至柱の中間に固定して用いることを特徴とする木造住宅の埋め込み式免震装置が開示されている。
特開2013−113081号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術では、基礎コンクリート側に、アンカーボルトを固定するための穴のみならず、前記筒状剛体を埋設するための穴を形成しなくてはならず、設置までに手間がかかる。また、前記特許文献1に記載の技術では、基礎と土台をアンカーボルトで連結する際に装置を設置しなければならず、すでに基礎と土台が連結されている場合には、後付けで免震対策を施すことができない。
本発明は、以上のような点に着目したもので、容易に設置することができ、簡単な構成で地震などの振動を抑制ないし軽減する免震具を提供することを、その目的とする。他の目的は、基礎の上に土台を連結した後であっても、後付けで設置可能な免震具を提供することである。
本発明は、建造物の基礎と土台の間に配置される免震具であって、前記基礎側に配置され、中央部に前記基礎に固定するための固定具が貫通する開口部を有し、外周に、前記土台側へ向けて伸びた外枠を有する基礎側基板と、前記土台側に配置され、中央部に、前記固定具よりも大きい開口部を有し、該開口部の縁に、前記基礎側へ向けて伸びた内枠を有する土台側基板と、前記両基板の間に挟まれて転動可能な多数の剛球と、前記両基板の間に配置され、前記多数の剛球が内側に収容されるとともに、前記各基板の面に対し水平方向に弾性変形可能な環状の外側リングと、前記両基板の間に配置され、前記外側リングとの間に前記多数の剛球を挟むとともに、前記各基板の面に対し水平方向に弾性変形可能であって、前記内枠よりも径が大きい環状の内側リングと、を備えたことを特徴とする。
主要な形態の一つは、前記固定具が、前記基礎に一部が埋設され、前記基礎から露出した部分が前記土台を貫通するアンカーボルトであり、前記土台に、前記土台側基板の内枠よりも径が大きい貫通孔が設けられるとともに、該貫通孔は、前記土台の表面側に径が大きい拡径部を有しており、前記拡径部内において前記アンカーボルトと締結し、かつ、前記拡径部の底面に当接する締結手段、を備えたことを特徴とする。
他の形態の一つは、前記締結手段が、前記拡径部の底面に当接するとともに、前記貫通孔と同程度の内径の開口部を有する第1のワッシャーと、該第1のワッシャーの上に配置されており、前記第1のワッシャーの開口部の径より小さく、前記アンカーボルトの径より大きい内径の開口部を有する第2のワッシャーと、前記第2のワッシャーの上に配置されており、前記アンカーボルトが貫通可能な開口部を有する第3のワッシャーと、該第3のワッシャーの上に配置されたパッキン手段と、該パッキン手段上に配置されたナットと、を備えており、前記締結手段と前記拡径部の内面の間に、所定の隙間を設けたことを特徴とする。更に他の形態の一つは、前記アンカーボルトがステンレス製であることを特徴とする。
主要な形態の他の一つは、前記固定具が、前記基礎に埋設される埋設部と、前記基礎側基板の開口部と係合する頭部と、を有するとともに、前記頭部が、前記土台側基板の内枠と接触しない高さを有することを特徴とする。あるいは、前記固定具が、前記基礎に後打ちされるアンカー部と、カールプラグと、からなることを特徴とする。
更に他の形態は、前記外側リングと内側リングの間に、前記各基板の面に対して水平方向に弾性変形可能な環状の中間リングを一つ以上設けるとともに、各リングの間に、前記剛球を複数配置したことを特徴とする。あるいは、前記外側リングと内側リングの間に、前記各基板の面に対して水平方向に弾性変形可能なスパイラル状の中間リングを設けるとともに、各リングの間に、前記剛球を複数配置したことを特徴とする。更に他の形態は、前記固定具が貫通する開口を有する方形状の底面と、該底面の各辺に設けられた縁部とを有しており、前記底面上に、前記基礎側基板を収容する位置決め用の枠体、を備えたことを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
本発明によれば、建造物の基礎と土台の間に配置される免震具が、前記基礎側に配置され、中央部に前記基礎に固定するための固定具が貫通する開口部を有し、外周に、前記土台側へ向けて伸びた外枠を有する基礎側基板と、前記土台側に配置され、中央部に、前記固定具よりも大きい開口部を有し、該開口部の縁に、前記基礎側へ向けて伸びた内枠を有する土台側基板と、前記両基板の間に挟まれて転動可能な多数の剛球と、前記両基板の間に配置され、前記多数の剛球が内側に収容されるとともに、前記各基板の面に対し水平方向に弾性変形可能な環状の外側リングと、前記両基板の間に配置され、前記外側リングとの間に前記多数の剛球を挟むとともに、前記各基板の面に対し水平方向に弾性変形可能であって、前記内枠よりも径が大きい環状の内側リングと、を備えることとした。このため、設置が容易で、かつ、簡単な構成で地震などの振動を抑制ないし軽減することができる。また、基礎と土台の隙間から入れられる固定具を用いることで、免震具を後付けで設置できるという効果がある。
本発明の実施例1の免震具を示す断面図である。 前記実施例1の免震具の分解斜視図である。 前記実施例1の作用を示す図であり、(A)は基礎と土台がずれた状態を示す断面図,(B)はリングの変形状態を示す図である。 本発明の実施例2を示す断面図である。 本発明の実施例3を示す図である。 本発明の他の実施例を示す図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
最初に、図1〜図3を参照しながら本発明の実施例1を説明する。図1は、本実施例の免震具を示す断面図,図2は、本実施例の免震具の分解斜視図である。図3は、本実施例の作用を示す図であり、(A)は基礎と土台がずれた状態を示す断面図,(B)はリングの変形状態を示す図である。本実施例の免震具は、建造物の基礎と土台をアンカーボルトで固定する段階で設置するものである。
図1及び図3に示すように、本実施例の免震具10は、建造物の基礎60と土台70の間に配置されるとともに、アンカーボルト80が貫通している。前記免震具10は、基礎側基板20と土台側基板30と、これらの間に挟まれる多数の剛球40と、これら剛球40の枠や仕切りとなる外側リング50,内側リング52,中間リング54などにより構成されている。
前記基礎側基板20は、図2に示すように、略円板状であって、中央部に、前記基礎60に埋設されたアンカーボルトが貫通するための開口部22を有している。また、基礎側基板20の外周縁には、本体部分を前記基礎60に取り付けたときに、土台70側へ向けて伸びる略リング状の外枠24が形成されている。該外枠24の高さは、前記剛球40の高さ(直径)よりも低く設定されており、剛球40が土台側基板30に接して転動することを妨げることがない。また、前記外枠24は、剛球40が基礎側基板20から脱落するのを防止するストッパの役割を果たす。このような基礎側基板20は、例えば、ダクタイル鋳鉄,ねずみ鋳鉄,ステンレスなど剛性の高い金属により形成されている。
前記土台側基板30は、図2に示すように、略円板状であって、中央部に、前記アンカーボルト80が貫通する開口部32が形成されている。該開口部32の径は、前記基礎側基板20の開口部22よりも大きく設定されており、前記基礎60と土台70が、相対的に水平方向へずれたときに、前記アンカーボルト80がしなって変形することができる程度の余裕をもって設定されている。例えば、前記開口部32は、アンカー面から5mm以上離れていると好ましく、アンカーボルト80の径D1を12mmとした場合には、開口部22の径D2を22〜25mm程度にするという具合である。また、前記開口部32の縁には、本体部分を土台側に取り付けたときに、基礎60側へ向けて伸びる略リング状の内枠34が形成されている。該内枠34の高さは、前記剛球40の直径よりも低く設定されており、前記剛球40が、基礎側基板20と土台側基板30に接して転動することを妨げない。このような土台側基板30は、前記基礎側基板20と同様に、ダクタイル鋳鉄,ねずみ鋳鉄,ステンレスなど剛性の高い金属により形成されている。
前記基礎側基板20と土台側基板30の間には、図1〜図3に示すように、前記両基板20,30の間に挟まれて転動可能な多数の剛球40が配置されている。また、前記両基板20,30の間には、前記多数の剛球40が内側に収容されるとともに、前記各基板20,30の面に対して水平方向に弾性変形可能な環状の外側リング50が設けられている。該外側リング50の径は、両基板20,30の直径よりも小さく設定されており、両基板20,30が相対的に水平方向に移動したときには、前記外側リング50は、前記外枠24に当たるため、両基板20,30の外側にはみ出すことはない。
更に、前記両基板20,30の間には、前記外側リング50との間に、前記多数の剛球40を挟むとともに、前記各基板20,30の面に対して水平方向に弾性変形可能であって、前記内枠34よりも径が小さい環状の内側リング42が設けられている。本実施例では、前記外側リング50と内側リング52の間に、更に、前記両基板20,30の面に対して水平方向に弾性変形可能な中間リング54が設けられている。そして、外側リング50と中間リング54の間に、多数の(複数の)の剛球40が配置され、中間リング54と内側リング52の間にも、多数の(複数の)剛球40が配置されている。前記各リング50,52,54の高さは、前記剛球40の直径よりも低いため、前記基礎側基板20と前記土台側基板30が前記剛球40を挟んで対向したときに、前記剛球40を介して両基板20,30が、水平方向に相対的に移動するのを妨げることがない。
本実施例の免震具10を設置するときは、まず、基礎60にアンカーボルト80を埋設し、該アンカーボルト80の露出部分を前記開口部22に通すようにして、基礎側基板20を基礎60に取り付ける。次に、前記外側リング50,内側リング52,中間リング54を、前記基礎側基板20の面上に配置し、これら外側リング50と中間リング54の間と、中間リング54と内側リング52の間に、それぞれ多数の剛球40を配置する。その後、前記アンカーボルト80を前記開口部32に通すようにして、土台側基板30を、前記基礎側基板20に対向するように被せる。
この状態では、前記剛球40の径が、前記外枠24及び内枠34の高さよりも長いため、外枠24は、土台側基板30に接触せず、内枠34も、基礎側基板20に接触しないため、土台側基板30と基礎側基板20が、剛球40の転動により、水平方向に相対的に移動可能となっている。そして、前記土台側基板30の上に、土台70を乗せる。前記土台70には、貫通孔72が形成されており、この貫通孔72を前記アンカーボルト80が通るように土台70を設置する。前記貫通孔72の径D3は、前記アンカーボルト80及び内枠34の径よりも、更に大きく設定されており、アンカーボルト80の弾性変形を許容している。アンカーボルト80の径をD1,内枠34の内径をD2,貫通孔72の径をD3とすると、D1<D2<D3である。具体的には、アンカーボルト80の径D1を12mmとした場合、貫通孔72の径D3を32cm程度にするという具合である。
更に、前記土台70の貫通孔72は、上部側の径が拡大した拡径部72Aとなっている。前記拡径部72を利用して、図1に示すように、金物付きゴムワッシャー82,平ワッシャー84,スプリングワッシャー86を挟み、ダブルナット88,89をアンカーボルト80に螺合させることで、前記基礎60と土台70で、免震具10を締め付け固定する。
ここで、地震等が起こり、基礎60側が水平方向に揺れると、前記多数の剛球40の転動により、前記基礎側基板20に対する土台側基板30の位置が相対的に水平方向に移動する。図1は、揺れが起こる前の状態、図3(A)は、水平方向に基礎60がずれた場合(図示の例では右側へずれた場合)が示されている。図3(A)に示すように、揺れが起きると、アンカーボルト80がしなるとともに、前記剛球40の転動により基礎60と土台70が相対的にずれるため、土台70側への振動の伝達が抑制される。
また、本実施例では、アンカーボルト80として、鉄骨よりもしなりやすいステンレスを用いており、基礎60と土台70の相対変位が生じても弾性力によりしなって折れることがない。そして、その弾性力により、相対変位がすみやかに復元される。また、図3(B)に示すように、剛球40の転動にともなって、前記外側リング50,内側リング52,中間リング54も移動するが、これらリング50〜54も弾性を有するため、外枠24に接するように移動した後、更に同方向に力がかかった場合でも、図3(B)に示すように、各リング50〜54が変形して力を吸収する。そして、弾性力を利用した復元力により、前記リング50〜54は、外枠24側に向けてかかる力がなくなると、形状が復元する。
このように、実施例1によれば、外枠24を備えた基礎側基板20と、内枠34を備えた土台側基板30を、弾性変形可能なリング52〜54により囲まれた多数の剛体40を挟んで対向させ、免震具10を貫通するアンカーボルト80を用いて、基礎60と土台70を連結することとした。このため、アンカーボルト80を締めるときに設置すればよいため、設置が容易である。また、簡単な構成でありながら、地震等により揺れが生じても、剛球40の転動により基礎60と土台70に水平方向に相対的な位置ずれが生じ、建造物への振動の伝播が抑制され、免震効果が得られる。また、アンカーボルト80やリング50〜54の弾性力により、なめらかに位置の復元が可能である。また、ステンレス製のアンカーボルト80を用いることで、折れにくく形状復元しやすい。
次に、図4(A)及び(B)を参照しながら本発明の実施例2を説明する。なお、上述した実施例1と同一ないし対応する構成要素には同一の符号を用いることとする(以下の実施例についても同様)。上述した実施例1は、土台70を基礎60に固定する前に、アンカーボルト80が貫通するように免震具10を設置することとしたが、本実施例は、すでに基礎と土台を固定した後に、後付けで設置する例である。
図4(A)に示すように、本実施例の免震具10Aの構造は、基本的には前記実施例1と同様である。なお、土台70Aには、アンカーボルト80用の貫通孔72は設けられていない。本実施例では、図4(A)に示すように、基礎60Aと土台70Aの間をジャッキアップして隙間90を形成し、そこに免震具10Aを設置する。その際、前記アンカーボルト80の代わりに、基礎側基板20を固定するための固定具100を用いる。
前記固定具100は、前記基礎60Aに埋設される埋設部102と、前記基礎側基板20の表面と面一または突出する頭部104と、該頭部104に嵌めるキャップ106により構成されている。前記キャップ106を被せた頭部104は、埋設部102が基礎60Aに埋設された状態において、前記土台側基板30の内枠34と接触しない高さに設定されている。また、図示の例のように、前記埋設部102の径を、前記実施例1のアンカーボルト80と同じ径とすると、基礎側基板20を確実に固定することができるとともに、実施例1の基礎側基板20をそのまま用いることができる。前記内枠34は、剛球40のストッパとしても機能する。このように、本実施例によれば、基礎60Aと土台70Aを連結した後であっても、後付けで免震具100を設置することができる。他の基本的な作用・効果は、上述した実施例1と同様である。また、図4(B)に示す例のように、固定具120を、基礎60Aに後打ちされるアンカー122と、カールプラグ124により構成しても同様の効果が得られる。
次に、図5を参照しながら本発明の実施例3を説明する。図5(A)は、本実施例の主要部の断面図,図5(B)は振動が生じたときの初期の状態を示す主要部の断面図である。本実施例の構造は、基本的には、上述した実施例1と同様であるが、本実施例では、アンカーボルト80を締結する部分にも、免震のための機構を設けた例である。図5(A)に示すように、土台70側の貫通孔72は、表面側に拡径部72Bが設けられている。前記拡径部72Bを利用して、該拡径部72Bの底面側から順に、第1のワッシャー82A,第2のワッシャー82B、第3のワッシャー82C、ゴムパッキン85、スプリングワッシャー86を挟み、ダブルナット88,89をアンカーボルト80に螺合させることで、前記基礎60と土台70で、免震具10を締め付け固定する。
このとき、本実施例では、前記第1のワッシャー82Aの開口部83Aが、貫通孔72の径とほぼ同程度に大きく形成され、第2のワッシャー82Bの開口部83Bは、前記開口部83Aよりは小さく、かつ、前記アンカーボルト80の径よりは大きく形成されている。更に、前記第3のワッシャー82Cの開口部83Cは、前記開口部83Bより小さく、アンカーボルト80が貫通できる程度の径に設定されている。また、これら第1のワッシャー82A,第2のワッシャー82B,第3のワッシャー82C,ゴムパッキン85の外周面と、前記拡径部72Bの内面側には、所定の隙間92が設けられている。該隙間92は、水平方向に揺れが生じたときに、まず、前記第1のワッシャー82Aの開口部83Aと、第2のワッシャー82Bの開口部83Bに余裕がある分だけ、水平方向にずれることができるようにするためのものである。
そして、地震等が起こり、基礎60側が水平方向に揺れると、剛球40の転動により、図5(A)に示す状態から、第1及び第2のワッシャー82A,82Bがずれた状態となり、更に、揺れが大きくなると、図3に示すようにアンカーボルト80自体がしなる。このように、前記剛球40の転動により基礎60と土台70が相対的にずれるため、土台70側への振動の伝達が抑制される。本実施例によれば、アンカーボルト80を締結する部分に、水平方向へのずれを許容する開口部や隙間を設けたので、アンカーボルト80自体がしなる前に振動を吸収でき、より免震効果が高く、耐久性にも優れている。他の基本的な作用・効果は、上述した実施例1と同様である。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例で示した形状,寸法は一例であり、必要に応じて適宜変更してよい。例えば、前記実施例では、外側リング50,内側リング52,中間リング54を円形としたが、これも一例であり、楕円形や長円形とすることを妨げるものではない。例えば、図6(B)に示す例では、中間リングとして、スパイラル状のものを用いている。この場合、スパイラルリング56のスパイラル間と、スパイラルリング56と外側リング50の間と、スパイラルリング56と内側リング52の間に、複数の剛球40が配置される。
(2)前記実施例では、外側リング50と内側リング52の間に中間リング54を設けることとしたが、これも一例であり、中間リング54は必要に応じて設ければよい。また、2つ以上の中間リングを設けることを妨げるものではない。
(3)前記実施例1では、外側リング50と中間リング52の間と、内側リング50と中間リング54の間に、ほぼ一列ずつ剛球40を配置することとしたが、これも一例であり、複数列の剛球がリング間に収まるようにしてもよい。例えば、図6(A)に示す例では、中間リング54をなくして、外側リング50と内側リング52の間に、2列半程度の剛球40を配置した例である。むろん、中間リング54を設けた場合に、外側リング50と中間リング54の間や、内側リング52と中間リング54の間に、1列以上の剛球を配置するようにしてもよい。また、図6(A)及び(B)に示すリング及び基礎側基板を、実施例2及び3に適用するようにしてもよい。
(4)前記実施例で示した材質も一例であり、同様の効果を奏する範囲内で、公知の各種の材料を用いてよい。
(5)本発明の免震具は、例えば、アンカーボルトや柱の位置に合わせて設置するのが好ましいが、実施例2で示すように、それ以外の場所に設けることを妨げるものではない。むろん、アンカーボルト80の位置に設置したうえ、更にそれ以外の場所に設けることを妨げるものではない。
(6)本発明の免震具は、図6(C)に示すように、基礎側基板20自体を、方形状の底面152とその各辺に設けられた側面154A〜154Dからなる枠体150に収容してもよい。本発明の免震具を設置する部分は、直線状の部材の上であることが多いため、免震具自体を方形状の枠におさめることで、位置決めが容易となる。
(7)本発明の免震具は、木造住宅などへの使用が好適であるが、他の公知の各種の建造物の免震のために用いることを妨げるものではない。
本発明によれば、建造物の基礎側に配置され、中央部に前記基礎に固定するための固定具が貫通する開口部を有し、外周に、建造物の土台側へ向けて伸びた外枠を有する基礎側基板と、前記土台側に配置され、中央部に、前記固定具よりも大きい開口部を有し、該開口部の縁に、前記基礎側へ向けて伸びた内枠を有する土台側基板と、前記両基板の間に挟まれて転動可能な多数の剛球と、前記両基板の間に配置され、前記多数の剛球が内側に収容されるとともに、前記各基板の面に対し水平方向に弾性変形可能な環状の外側リングと、前記両基板の間に配置され、前記外側リングとの間に前記多数の剛球を挟むとともに、前記各基板の面に対し水平方向に弾性変形可能であって、前記内枠よりも径が大きい環状の内側リングと、を備えることとした。このため、設置が容易で、かつ、簡単な構成で地震などの振動を抑制ないし軽減することができるため、建造物の基礎と土台の間に配置される免震具の用途に適用できる。
10,10A:免震具
20:基礎側基板
22:開口部
24:外枠(ストッパ)
30:土台側基板
32:開口部
34:内枠(ストッパ)
40:剛球
50:外側リング
52:内側リング
54:中間リング
56:スパイラルリング
60,60A:基礎
70,70A:土台
72:貫通孔
72A,72B:拡径部
80:アンカーボルト
82:金物付きゴムワッシャー
82A,82B,82C:ワッシャー
83A,83B,83C:開口部
84:平ワッシャー
85:ゴムパッキン
86:スプリングワッシャー
88,89:ダブルナット
90,92:隙間
100:固定具
102:アンカー部
104:頭部
106:キャップ
120:固定具
122:アンカー
124:カールプラグ
150:枠体
152:底面
154A〜154D:側面

Claims (9)

  1. 建造物の基礎と土台の間に配置される免震具であって、
    前記基礎側に配置され、中央部に前記基礎に固定するための固定具が貫通する開口部を有し、外周に、前記土台側へ向けて伸びた外枠を有する基礎側基板と、
    前記土台側に配置され、中央部に、前記固定具よりも大きい開口部を有し、該開口部の縁に、前記基礎側へ向けて伸びた内枠を有する土台側基板と、
    前記両基板の間に挟まれて転動可能な多数の剛球と、
    前記両基板の間に配置され、前記多数の剛球が内側に収容されるとともに、前記各基板の面に対し水平方向に弾性変形可能な環状の外側リングと、
    前記両基板の間に配置され、前記外側リングとの間に前記多数の剛球を挟むとともに、前記各基板の面に対し水平方向に弾性変形可能であって、前記内枠よりも径が大きい環状の内側リングと、
    を備えたことを特徴とする免震具。
  2. 前記固定具が、
    前記基礎に一部が埋設され、前記基礎から露出した部分が前記土台を貫通するアンカーボルトであり、
    前記土台に、前記土台側基板の内枠よりも径が大きい貫通孔が設けられるとともに、該貫通孔は、前記土台の表面側に径が大きい拡径部を有しており、
    前記拡径部内において前記アンカーボルトと締結し、かつ、前記拡径部の底面に当接する締結手段、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の免震具。
  3. 前記締結手段が、
    前記拡径部の底面に当接するとともに、前記貫通孔と同程度の内径の開口部を有する第1のワッシャーと、
    該第1のワッシャーの上に配置されており、前記第1のワッシャーの開口部の径より小さく、前記アンカーボルトの径より大きい内径の開口部を有する第2のワッシャーと、
    前記第2のワッシャーの上に配置されており、前記アンカーボルトが貫通可能な開口部を有する第3のワッシャーと、
    該第3のワッシャーの上に配置されたパッキン手段と、
    該パッキン手段上に配置されたナットと、
    を備えており、
    前記締結手段と前記拡径部の内面の間に、所定の隙間を設けたことを特徴とする請求項2記載の免震具。
  4. 前記アンカーボルトがステンレス製であることを特徴とする請求項2又は3記載の免震具。
  5. 前記固定具が、
    前記基礎に埋設される埋設部と、
    前記基礎側基板の開口部と係合する頭部と、
    を有するとともに、
    前記頭部が、
    前記土台側基板の内枠と接触しない高さを有することを特徴とする請求項1記載の免震具。
  6. 前記固定具が、
    前記基礎に後打ちされるアンカー部と、
    カールプラグと、
    からなることを特徴とする請求項1記載の免震具。
  7. 前記外側リングと内側リングの間に、前記各基板の面に対して水平方向に弾性変形可能な環状の中間リングを一つ以上設けるとともに、
    各リングの間に、前記剛球を複数配置したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の免震具。
  8. 前記外側リングと内側リングの間に、前記各基板の面に対して水平方向に弾性変形可能なスパイラル状の中間リングを設けるとともに、
    各リングの間に、前記剛球を複数配置したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の免震具。
  9. 前記固定具が貫通する開口を有する方形状の底面と、該底面の各辺に設けられた縁部とを有しており、
    前記底面上に、前記基礎側基板を収容する位置決め用の枠体、
    を備えたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の免震具。
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