JP6651729B2 - 電子音楽装置及びプログラム - Google Patents
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Description
このような電子楽器については、例えば非特許文献1に記載されている。
しかしながら、この場合、自身の演奏に従った楽音と、自動伴奏や再生など、他の演奏者が演奏するパートに見立てた音とが同じスピーカから出力されることになる。このため、従来の電子楽器を用いた演奏では、演奏者は、実際のバンド演奏のような、回りから他のパートの楽音が聞こえて来る中で演奏する、といった感覚で演奏を行うことはできないという問題があった。
同様な問題は、電子楽器に限らず、ユーザの演奏に応じて生成された音信号の入力を受け付け、これに自動演奏の楽音やハーモニー音等を付加して出力する電子音楽装置においても、同様に生じるものである。
また、この発明は、以上のように装置として実施する他、方法、システム、プログラム、記録媒体など、任意の態様で実施することができる。
まず、この発明の電子音楽装置の一実施形態である電子楽器について説明する。図1は、その電子楽器のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1に示す電子楽器10は、ユーザの演奏操作に従って楽音を出力すると共に、予め記憶された演奏データに従って自動伴奏の楽音を出力したり、予め記憶された楽音データを再生したり、外部から入力される音信号を加工して出力したりする機能を備える装置である。
RAM13は、一時的に記憶すべきデータを記憶したり、CPU11のワークメモリとして使用したりする記憶手段である。
記録媒体I/F14は、着脱可能な可搬記録媒体40を接続し、可搬記録媒体40に対してデータの読み書きを行うためのインタフェースである。可搬記録媒体40としては、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリやメモリカード等が考えられる。この可搬記録媒体40には、再生すべき楽曲データや、電子楽器10の設定に関するデータ等を保存しておくことが考えられる。
通信I/F16は、外部装置とデータ通信を行うためのインタフェースである。有線、無線を問わず、任意の規格のものを採用可能である。通信方式は、ネットワーク通信であっても、ピアツーピア通信であってもよい。
演奏操作子18は、ユーザから電子楽器10に対する演奏操作を受け付けるための操作子であり、ここでは、ピアノ等の鍵盤楽器を模した鍵盤及びペダルによって構成されるものとする。しかし、弦楽器、管楽器、打楽器等、他のタイプの楽器を模した演奏操作子を設けたり、一般的な楽器とは異なる、適宜に配列したボタン等の操作子(GUI(Graphical User Interface)も含む)を演奏操作子として用いたりすることも考えられる。
図2に示すように、信号処理部20は、n個の音信号取得部201−1〜nと、振り分け部230とを備える。
音源部は、あるパートでの発音開始イベントを検出した場合に、1つの未割り当ての音信号取得部201を、その発音開始イベントに応じた発音に割り当てて、そのイベントに応じた楽音の音信号を生成させる。また、音源部は、発音停止イベントを検出すると、音信号取得部201に発音の停止(リリース)を指示する。そして、その指示に応じて音信号取得部201が生成する音信号のレベルが一定以下に低下すると、音源部は該当の音信号取得部201についての割り当てを解除し、該当の音信号取得部201を別の発音に使用できる状態に戻す。
1パートにつき複数音の同時発音を許可する場合、1パートの発音に複数の音信号取得部201を使用する場合もある。楽音生成の方式は、PCM(Pulse Code Modulation)方式、FM(Frequency Modulation)方式等、任意の方式を採用可能である。
音信号入力部19から供給されるデジタル音信号を取得する場合、音信号取得部201は、供給されたデジタル音信号の各サンプルを、同様に適当なタイミングで出力する機能を備える。この場合、1系統の入力に対し1つの音信号取得部201を用いる。
以上の各機能を備える音信号取得部201は、機能毎に必要な数を予め設けておいてもよいし、必要に応じて動的に生成及び消去できるようにしてもよい。また、使われない音信号取得部201があってもよい。
このうち混合バス231は、各音信号取得部201が取得した音信号のうち、ユーザの演奏又は発声に応じて生成された第1音信号を入力して、それらの音信号をミキシングした音信号を、主パートの音信号として生成する機能を備える。混合バス232は、各音信号取得部201が取得した音信号のうち、上記第1音信号以外の第2音信号を入力して、それらの音信号をミキシングした音信号を、副パートの音信号として生成する機能を備える。なお、ここでいう「主」と「副」は、便宜的な呼称であり、実際のどちらの音が目立つかといった点とは関係がない。
スピーカ接続端子24は、図3に示すように、スリーブ接点241、チップ接点242、ブレーク接点243を備える。AUDIOの信号線は、DA変換部22から供給されるアナログ音信号を伝送する信号線であり、CONNECTの信号線は、スピーカ接続端子24におけるスピーカの接続状態を示す信号を伝送する信号線である。
図3のスピーカプラグ301が挿入されていない状態では、AUDIOの信号線とCONNECTの信号線がブレーク接点243で接触している。このため、CONNECTの信号線には、基準電位Vccを抵抗244と抵抗245の比により分圧した電圧の信号が流れる。
従って、CPU11は、CONNECTの信号線の電位をモニタすることにより、スピーカ接続端子24に対する外部スピーカ30の接続有無を検出することができる。
CPU11は、所要のプログラムを実行することにより、少なくとも、図5に示す振り分け制御部110の機能を実現する。この振り分け制御部110は、図2に示した振り分け部230と合わせて出力制御手段として機能する。
この振り分け制御部110は、ユーザ演奏パート特定部111、第1スイッチ制御部112、演奏モード設定部113、第2スイッチ制御部114、外部スピーカ接続検出部115、および第3スイッチ制御部116を備える。
これらの動作は、電子楽器10の起動時も含め、音信号取得部201による音信号取得の開始あるいは停止を検出した場合に実行すればよく、ユーザ演奏パート特定部111及び第1スイッチ制御部112の機能と対応する処理は,図6のフローチャートのステップS11〜S12に示すものである。
第2スイッチ制御部114は、その演奏モードの設定に従い、スイッチ234−1,2を、演奏モードに従った出力を行う側に切り替える機能を備える。
これらの動作は、演奏モードの変更操作を検出した場合に実行すればよく、演奏モード設定部113及び第2スイッチ制御部114の機能と対応する処理は,図7のフローチャートのステップS21〜S22に示すものである。
しかし、演奏操作子18により演奏操作がなされている場合には、自動で主パートを内蔵スピーカ23から発音させるようにしてもよい。
第3スイッチ制御部116は、その判定結果に従い、外部スピーカ30が接続されていれば、スイッチ235を、副パートの音信号と主パートの音信号とを別々の出力先へ出力する側(図2で下側)へ切り替え、接続されていなければ、スイッチ235を、副パートの音信号と主パートの音信号とを加算して同じ出力先へ出力する側(図2で上側)へ切り替える機能を備える。
これらの動作は、定期的に外部スピーカ30の接続状態を検出して実行し、外部スピーカ接続検出部115及び第3スイッチ制御部116の機能と対応する処理は,図8のフローチャートのステップS31〜S34に示すものである。
以上の振り分け制御部110及び振り分け部230による音信号の振り分けの動作が、出力制御手順の動作である。
図9に示すのは、演奏操作子18によるメロディパートの演奏を、自動伴奏及び楽曲データの再生と同時に行う場合の例である。
例えば、CPU11は、発音開始イベントを検出すると、空いている発音ch211を探してその発音開始イベントに係る発音に割り当て、割り当てた発音chに対し、発音開始イベントで指定されたパートの発音を行うための音色パラメータ等を設定した上で、発音開始を指示する。また、CPU11は、発音停止イベントを検出すると、その発音停止イベントに応じて停止させるべき発音に割り当てられている発音ch211を探し、その発音chに対し、リリース状態への移行を指示する。
この状態で、スイッチ234を、主パートを内蔵スピーカ23へ出力する側へ、スイッチ235を、主パートと副パートとを別々の出力先へ出力する側へ切り替えると、図9に示す状態となる。
このため、ユーザは、自身の演奏による音が近くから発せられ、それ以外の、バンドであれば他の演奏者の演奏に当たる音が遠くから発せられる環境で、演奏を行うことができる。そして、このことにより、ユーザが電子楽器10を利用して一人で演奏を行う場合でも、あたかもバンドの中でその演奏を行っているような感覚を得ることができる。
図10の例でも、自動伴奏に応じた音信号の取得は、音源部210の発音ch211が行う。ただし、図10の例では、発音ch211−1〜mが生成した音信号に音響効果を付与するための効果付与部212−1〜mを設けており、発音ch211と、これと対応する効果付与部212との組み合わせが、図2の音信号取得部201に該当する。
そしてここでは、効果付与部251はユーザの演奏に応じて生成された音信号を取得するものであるとして扱い、第1スイッチ制御部112は、効果付与部251と対応するスイッチ233を主パート側に切り替える。
この状態で、スイッチ234を、主パートを外部スピーカ30へ出力する側へ、スイッチ235を、主パートと副パートとを別々の出力先へ出力する側へ切り替えると、図10に示す状態となる。
この振り分けは、図9に示した状態とは逆であるが、図10の例は、ギターを電子楽器10から少し離れた位置で演奏し、外部スピーカ30をその演奏位置近傍に配置する場合に好適なものである。
なお、ユーザの演奏に応じて生成された音信号を図9のように内蔵スピーカ23から出力するか図10のように外部スピーカ30から出力するかは、ユーザが、電子楽器10の使用状況に応じて演奏モードを設定する(演奏モード設定部113参照)ことにより、容易に選択することができる。
図11の例において、ユーザの歌唱により生じる音声は、マイクにてピックアップされ、音信号入力部19を介してデジタル音信号として信号処理部20へ供給される。信号処理部20は、その音信号を信号受付部263にて受け付けて取得する。この信号受付部263も図2の音信号取得部201に該当する。
そして、第1スイッチ制御部112は、信号受付部263と対応するスイッチ233を主パート側に切り替える。
この状態で、スイッチ234を、主パートを内蔵スピーカ23へ出力する側へ、スイッチ235を、主パートと副パートとを別々の出力先へ出力する側へ切り替えると、図11に示す状態となる。
この状態では、ユーザは、自身の発声による音が近くから発せられ、それ以外の、合唱であれば他の歌唱者の発声に当たる音が遠くから発せられる環境で、歌唱を行うことができ、図9の場合と同様な効果を得ることができる。
例えば、上述した実施形態では、外部スピーカ30をスピーカ接続端子24に接続する例について説明したが、外部の発音装置を通信I/F16を介して接続する構成であってもよい。
図12において、図1と共通の又は対応する構成には図1と同じ符号を付し、その説明は省略する。
図12に示す電子楽器10′は、図1の電子楽器10と比べ、DA変換部22及びスピーカ接続端子24を設けていない点が異なる。また、信号処理部20′も、図1の信号処理部20ではDA変換部22へ出力していた音信号を通信I/F16へ出力する点が異なる。この場合、通信I/F16が第2出力手段に該当する。
また、CPU11は、ペアリング設定操作がない場合(S41のNo)、あるいはステップS43の後に、不揮発メモリ12に保存されたペアリング相手があればそのペアリング相手との通信状態を確認し(S44)、通信可否に応じて、図8のステップS32乃至S34と同様なスイッチ235の切り替えを行う(S45〜S47)。
以上の構成によっても、信号処理部20′の各音信号取得部201が取得した音信号を、内蔵スピーカ23と外部の発音装置300のスピーカ313とに分けて振り分けて出力することにより、上述した実施形態の場合と同様な効果を得られる。
また、上記第1発音手段と第2発音手段との位置が物理的に近接している場合でも、演奏者に、第2発音手段が発する音が離れた位置からの発音であるかのように聞かせられるのであれば、そのような第2発音手段も採用可能である。このためには、例えばサウンドビームを壁に反射させたり、音の位相を制御することにより音像を実際と異なる位置に感じさせたりする技術を採用可能である。
また、内蔵スピーカ23や、外部スピーカ30が、それぞれ複数あってもよい。
また、上述した実施形態では、CPU11と信号処理部20を別々のハードウェアとして設けた例について説明したが、これらの各部の機能を、全て共通のプロセッサによる情報処理により実現してもよい。
また、以上説明してきた電子音楽装置の機能を、複数の装置に分散して設け、それらの装置を協働させて、以上説明してきた電子音楽装置と同等な機能を備える電子音楽システムを構成することも考えられる。
このプログラムは、はじめからコンピュータに備えるROMや他の不揮発性記憶媒体(フラッシュメモリ,EEPROM等)などに格納しておいてもよい。しかし、メモリカード、CD、DVD、ブルーレイディスク等の任意の不揮発性記録媒体に記録して提供することもできる。それらの記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータにインストールして実行させることにより、必要な処理をコンピュータに実行させることができる。
さらに、ネットワークに接続され、プログラムを記録した記録媒体を備える外部装置あるいはプログラムを記憶手段に記憶した外部装置からダウンロードし、コンピュータにインストールして実行させることも可能である。
また、以上述べてきた構成及び変形例は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて適用することも可能である。
Claims (3)
- 電子音楽装置であって、
ユーザの演奏に応じて生成された第1音信号と、前記第1音信号と異なる、自動演奏又は楽音データの再生による第2音信号とを取得する音信号取得手段と、
当該電子音楽装置に内蔵する発音手段へ音信号を出力する第1出力手段と、
当該電子音楽装置の外部にある発音手段へ音信号を出力する、前記第1出力手段と異なる第2出力手段と、
前記音信号取得手段が取得した音信号のうち、前記第1音信号を前記第1出力手段へ供給し、前記第2音信号を前記第2出力手段へ供給する出力制御手段とを備えることを特徴とする電子音楽装置。 - 請求項1に記載の電子音楽装置であって、
前記第2出力手段に、該第2出力手段が出力する音信号に従った発音を行う発音手段が接続されているか否かを判定する判定手段を備え、
前記出力制御手段は、前記判定手段が、前記発音手段が接続されていないと判定した場合に、前記第1音信号に加えて前記第2音信号も前記第1出力手段へ供給することを特徴とする電子音楽装置。 - コンピュータに、
ユーザの演奏に応じて生成された第1音信号と、前記第1音信号と異なる、自動演奏又は楽音データの再生による第2音信号とを取得する音信号取得手順と、
前記音信号取得手順で取得した音信号のうち、前記第1音信号を、電子音楽装置に内蔵する発音手段へ音信号を出力する第1出力手段へ供給し、前記第2音信号を、前記電子音楽装置の外部にある発音手段へ音信号を出力する、前記第1出力手段と異なる第2出力手段へ供給する出力制御手順とを実行させるためのプログラム。
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