JP6642686B2 - 長尺フィルムの真空成膜方法 - Google Patents

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本発明は、スルーホールを有する長尺フィルムにスパッタリング成膜を行う真空成膜装置及び真空成膜方法に関する。
電子機器に搭載される液晶ディスプレイのドライバIC搭載用等にはCOF(Chip on Film)が使用されている。COFは、例えばポリイミドフィルムに代表される耐熱性樹脂フィルムの片面にスパッタリング成膜等の乾式めっき法で金属薄膜を成膜した後、この金属薄膜の上に電気めっき等の湿式めっき法で銅層等の金属層を積層し、得られた金属膜付耐熱性樹脂フィルムの金属層部分をパターニングして配線回路を形成することで作製される。上記のスパッタリング成膜で形成した金属層は耐熱性樹脂フィルムとの密着性に優れており、よって信頼性の高い金属膜付耐熱性樹脂フィルムを作製することが可能になる。
しかし、スパッタリング成膜法は真空蒸着法に比べて耐熱性樹脂フィルムに与える熱負荷が大きく、耐熱性樹脂フィルムにシワが発生し易いという問題を抱えている。そこで、金属膜付耐熱性樹脂フィルムを連続的に作製する真空成膜装置では、内部に冷却機能を備えた回転駆動式の筒状体からなる冷却ロールが搭載されており、その外周面にロールツーロールで搬送される長尺状の耐熱性樹脂フィルムを巻き付けながら表面側にスパッタリング成膜を施すことにより、熱負荷のかかるスパッタリング成膜によって生じた耐熱性樹脂フィルムの熱を裏面側から冷却することが行われている。
例えば特許文献1には、真空成膜装置の一例である巻出巻取式(ロールツーロール方式)の真空スパッタリング装置が開示されている。この真空スパッタリング装置には、上記冷却ロールの役割を担うクーリングロールが具備されている。更に、クーリングロールの少なくとも長尺フィルム送入れ側若しくは送出し側にサブロールが設けられており、これにより長尺フィルムをクーリングロールの外周面に密着させる制御が行われている。
ところで、冷却ロールの外周面はミクロ的に見て平坦ではないため、冷却ロールの外周面とそこに巻き付けて搬送される長尺樹脂フィルムとの間には微小な真空空間からなるギャップ部(間隙)が存在しており、この部分が伝熱抵抗になって長尺樹脂フィルムを効率よく冷却できないことがある。そこで、冷却ロール側から上記ギャップ部内にガスを導入してギャップ部内の熱伝導率を高めることがある。例えば特許文献2には、冷却ロールの外周面に全周に亘って多数の微細なガス放出孔を設けて上記ギャップ部にキャンロール側からガスを導入し、これによりスパッタリング成膜や蒸着の際の長尺樹脂フィルムの熱を冷却ロールに効率よく伝熱させる技術が開示されている。
特開昭62−247073号公報 国際公開第WO2005/001157号
近年、電子機器の高性能化に伴い、上記したCOFのような片面めっき基板のほか、ポリイミドフィルムなどの樹脂フィルムの両面に銅層等の金属層を成膜したいわゆる両面めっき基板の需要が増大している。両面めっき基板の場合は、樹脂フィルムの表裏面にそれぞれ配設される銅配線回路同士の通電のため、樹脂フィルムの両面の金属膜の成膜に加えて樹脂フィルムを貫通するメタル配線を設けることが必要になる。そのため、両面めっき基板の作製では樹脂フィルムの表裏面にCOFの場合と同様の真空成膜装置を用いた成膜プロセスで銅層等の金属層を成膜した後、この金属層が成膜された樹脂フィルムにレーザーやドリル等を用いてスルーホール用の貫通孔を穿孔し、更にこの貫通孔の内壁面に無電解めっきや電解銅めっきで銅配線を形成することが行われている。
あるいは、両面めっき基板の他の作製方法として、先ず樹脂フィルムにレーザーやドリル等を用いてスルーホール用の貫通孔を穿孔し、この貫通孔を備えた樹脂フィルムの表裏面にスパッタリングで銅層等の金属層を成膜することもある。この後者の作製方法では、スパッタリング成膜時にスルーホール用貫通孔の内壁面にも樹脂フィルムの表裏面と同様のスパッタ膜を成膜できるので、少ない工程で効率よく作製できるという利点がある。
しかしながら、スルーホール用の貫通孔を有する長尺の樹脂フィルムにロールツーロール方式の真空成膜装置を用いて連続的にスパッタリング成膜を行うと、冷却ロールの外周面のうち樹脂フィルムの貫通孔に対応する部位にスパッタ膜が徐々に付着していき、そのまま運転を続けると冷却ロールの冷却能力が低下する問題が生ずることがあった。そのため、定期的に冷却ロールの外周面の付着物を除去する作業が必要となり、連続的な成膜が妨げられることが問題になっていた。
本発明は、上記したように、従来の真空成膜装置を用いて両面めっき基板を作製する際に生じる問題に鑑みてなされたものであり、スルーホール用の貫通孔を有する長尺樹脂フィルムに連続的にスパッタ膜を成膜することが可能な真空成膜装置及び真空成膜法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係る真空成膜方法は、予め穿孔されたスルーホール用の複数の貫通孔を有する長尺フィルムを真空チャンバー内においてロールツーロールで搬送する搬送機構と、該長尺フィルムに対して熱負荷の掛かる成膜処理を施す成膜処理手段と、内部に冷媒循環路を有し且つ該長尺フィルムを巻き付けて冷却する外周面を有する冷却ロールと、該冷却ロールの外周面とそこに巻き付けられる該長尺フィルムとの間に介在する長尺の介在フィルムをロールツーロールで搬送する第2の搬送機構とを備えた、両面めっき基板用の真空成膜装置を用いてスパッタリング成膜を行う長尺フィルムの真空成膜方法であって、前記冷却ロールは、周方向に略均等な間隔をあけて全周に亘って配設された複数のガス導入路を有しており、これら複数のガス導入路の各々は該冷却ロールの回転軸方向に沿って略均等な間隔をあけて外周面側に開口する複数のガス導入孔を有しており、前記介在フィルムは前記長尺フィルムと同じ幅を有しており、且つ内径0.03〜1mmの複数の貫通孔を有する膜か、あるいはガス透過性のある材質からなることを特徴としている。
本発明によれば、冷却ロールを搭載した真空製膜装置を用いてスルーホール用の貫通孔を有する長尺樹脂フィルムに連続的にスパッタ成膜を行うに際して、当該冷却ロールの外周面にスパッタ膜を付着させることなく良好にスパッタ成膜を施すことが可能になる。
本発明の成膜装置の一具体例を示す模式的な部分正面図である。 図1の成膜装置に好適に搭載される冷却ロールの縦断面図である。 長尺フィルムに貫通孔を穿孔する穿孔装置の模式的な正面図である。
以下、本発明に係る真空成膜装置の一具体例として、図1に示すロールツーロール方式のスパッタリング装置を参照しながら説明する。この図1に示すスパッタリング装置は、スパッタリングウェブコータとも称される装置であり、ロールツーロールで搬送される長尺樹脂フィルムFを内部に冷却機構を備えた冷却ロールの外周面に巻き付けて裏面側から冷却しながら該長尺樹脂フィルムFに対してスパッタ成膜を行うものであり、該長尺樹脂フィルムFにシワを生じさせることなく熱負荷の掛かるスパッタ成膜処理を連続的に施すことができる。
具体的に説明すると、この図1に示す真空成膜装置は図示しない真空チャンバー内に搭載されており、長尺樹脂フィルムFの巻き出し及び巻き取りをそれぞれ行う巻出ロール1及び巻取ロール2と、これら巻出ロール1から巻取ロール2までロールツーロールで搬送される長尺樹脂フィルムFを外周面に巻き付けて冷却する回転駆動式の冷却ロール3と、長尺樹脂フィルムFを冷却ロール3の外周面に密着させるべく冷却ロール3の周速度に対する調整が行われる回転駆動式のフィードロール4、5とが配設されている。これらロール群からなる搬送機構に加えて、長尺樹脂フィルムFの搬送を適宜ガイドするフリーロールや長尺樹脂フィルムFの張力の測定を行う張力センサロールが設けられることもある。
冷却ロール3は例えば外径400mm程度の金属製の筒状体で構成されており、内部に冷却水等の冷媒が循環する流路が設けられている。更に、外周面に巻き付いている長尺樹脂フィルムFの冷却効率を高めるため、必要に応じて外周面からガスを放出するガス放出機構を備えていてもよい。ガス放出機構を備えた冷却ロールの具体例について図2を参照しながら説明する。図2に示すように、冷却ロール3は金属製の円筒ロール11で主に構成されており、その内側に内筒部12が設けられている。この2重構造部分の内側に冷却水などの冷媒が流通する冷媒循環路12aが形成されている。この冷媒循環路12a内の冷媒は円筒ロール11の回転中心軸O部分に設けられた2重管13を介して真空チャンバー外部の冷媒冷却装置(図示せず)との間で循環できるようになっている。
円筒ロール11の外周肉厚部には回転中心軸Oの方向に延在する複数のガス導入路14が周方向に略均等な間隔をあけて全周に亘って設けられており、これら複数のガス導入路14の各々に、回転中心軸Oの方向に沿って略均等な間隔をあけて外周面で開口する内径30〜1000μm程度の複数のガス放出孔15が設けられている。円筒ロール11の一端部には、これら複数のガス導入路14にガスを分配して供給するガスロータリージョイント16が設けられており、真空チャンバー外部の図示しないガス供給源からガス供給ライン17を介して導入されたガスは複数のガス導入路14及びそれらの各々が有する複数のガス放出孔15を経て円筒ロール11の外周面から放出される。これにより、冷却ロール3の外周面とそこに巻き付いている長尺樹脂フィルムFとの間のギャップ部にガスが導入される
なお、これらガス導入路14の本数や各ガス導入路14が有するガス放出孔15の個数は、冷却ロール3の外周面のうち長尺樹脂フィルムFが巻き付く角度範囲(抱き角とも称する)、長尺樹脂フィルムFの張力、ガスの必要放出量等に応じて適宜定められる。また、ガスロータリージョイント16には上記の抱き角以外の角度範囲に位置するガス導入路14に対してはガスの供給を遮断できるようなガス供給制御手段を備えることが好ましい。このようなガス供給制御手段としては、例えばガスロータリージョイント16を構成する回転部内の各ガス導入路に対応する流路を回転に伴って機械的に開閉させたり、該回転部の流路にバルブ等を設けて電気的又は電磁気的に開閉させたりする方法がある。
再度図1に戻ると、本発明の一具体例の真空成膜装置は、前述した長尺樹脂フィルムFが長尺状の介在フィルムSを介して冷却ロール3の外周面に巻き付くようにするため、当該介在フィルムSの巻き出し及び巻き取りをそれぞれ行う第2巻出ロール6及び第2巻取ロール7が第2の搬送機構として設けられている。これにより、巻出ロール1から巻き出された長尺樹脂フィルムFは、第2巻出ロール6から巻き出された介在フィルムSとフィードロール4の外周面上で重なり、そのまま冷却ロール3に送られる。そして、長尺樹脂フィルムFは、冷却ロール3の外周面に介在フィルムSを介して巻き付けられる。つまり、冷却ロール3の外周面とそこに巻き付けられる長尺樹脂フィルムFとの間には介在フィルムSが挟まれた状態で介在する。
冷却ロール3の外周面に対向する位置には成膜処理手段として図示しない1又は複数個のスパッタターゲットが設けられており、これにより長尺樹脂フィルムFの表面にスパッタ成膜が施される。その際、上記したように、冷却ロール3の外周面とそこに巻き付けられる長尺樹脂フィルムFとの間に介在フィルムSが介在しているので、スルーホール用の貫通孔を有する長尺樹脂フィルムFのスパッタ成膜時に、該貫通孔を通り抜けて冷却ロール3の外周面に向かうスパッタ粒子は、介在フィルムSに遮られてその表面上に堆積するので冷却ロール3の外周面には堆積しなくなる。これにより、冷却ロール3の外周面の堆積物の除去が不要になるので、長尺樹脂フィルムFに対して連続的にスパッタ成膜を行うことが可能になる。
また、本発明の一具体例の真空成膜装置は、前述したように冷却ロール3がガス放出機構を備えているので、上記の長尺樹脂フィルムFのスパッタ成膜の際に、冷却ロール3の外周面とそこに巻き付いている介在フィルムSとの間のギャップ部に伝熱効率を高める気体が導入されることになる。これにより、介在フィルムSが介在することによって低下した冷却効率をある程度補うことが可能になる。
スパッタ成膜を終えた長尺樹脂フィルムFはフィードロール5を経て巻取ロール2で巻き取られる。一方、長尺樹脂フィルムFと冷却ロール3の外周面との間に挟まった状態で介在していた介在フィルムSは、フィードロール5の外周面上で長尺樹脂フィルムFから分かれた後、第2巻取ロール7で巻き取られる。
介在フィルムSは厚みが6〜25μmであるのが好ましい。この厚みが6μm未満では介在フィルムのハンドリングが困難になり、介在フィルムSにシワ等が発生しやすくなる。一方、介在フィルムSの厚みが25μmを超えると、冷却ロール3の外周面とそこに巻き付く長尺樹脂フィルムFとの間の伝熱効率が顕著に低下し、スパッタ成膜中の除熱が不十分になって長尺樹脂フィルムFにシワが発生しやすくなる。
介在フィルムSはガス透過性を有する材質からなるのが好ましい。介在フィルムSがガス透過性を有していれば、冷却ロール3の外周面から放出したガスが介在フィルムSを透過してその表側のギャップ部空間と裏側のギャップ部空間との間を比較的自由に移動することができるので伝熱効率が向上し、長尺樹脂フィルムFをより効率よく冷却することが可能になる。これにより、スパッタ成膜時の長尺樹脂フィルムFのシワ発生をより一層低減させることが可能になる。
ガス透過性の介在フィルムは、搬送性、薄さ、耐熱性、コスト等の面から考えて、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムにレーザーやプレスにより穿孔加工を施したものを用いるのが良い。あるいは、必要に応じて気体透過性の多孔質フィルム(例えば日東電工株式会社製のサンマップ(登録商標))や不織布を用いてもよい。レーザーやプレスにより穿孔する場合は、好適には内径0.03〜1mm、より好適には内径0.1〜0.2mmの貫通孔を5〜30mm程度のピッチで穿孔するのが好ましい。貫通孔の内径が0.03mm未満ではガスの透過性が低下するので好ましくない。一方、内径が1mmを超えると、介在フィルムのバリア機能が低下し、冷却ロール3の外周面にスパッタ粒子が堆積しやすくなる。なお、レーザーやプレスにより穿孔する場合は、長尺フィルムと共にキャンロールに巻き付けた際に各孔の位置が長尺フィルムのスルーホールの位置とずれているのが好ましい。
上記した本発明の真空成膜装置では、介在フィルムSの搬送速度とスパッタ成膜される長尺樹脂フィルムFの搬送速度とはほぼ同一であるのが望ましい。これらの搬送速度をほぼ同一にすることで長尺樹脂フィルムFにスリ傷等が生じるのを防ぐことができる。また、介在フィルムSの張力と長尺樹脂フィルムFの張力をそれぞれ測定する張力センサーロール(張力ピックアップロール)等を別々に設けてこれら張力を別々に調整するのが好ましい。この場合、介在フィルムS側の張力を高めに設定するのが好ましく、これにより冷却ロール3の外周面への密着力が向上して接触面積が広くなり、冷却ロール3の冷却効率をより一層高めることができる。その結果、長尺樹脂フィルムFにシワが発生しにくくなる。
本発明の真空成膜装置を用いて金属薄膜付耐熱性樹脂フィルムを製造する場合は、樹脂フィルムにポリイミドフィルム、液晶ポリマーフィルムのような耐熱性樹脂フィルムや、PETフィルムのような樹脂フィルムを用いることができる。この樹脂フィルムには、予めスルーホール用の貫通孔が穿孔されており、その穿孔には例えば図3に示すような第3巻出ロール21及び第3巻取ロールによってロールツーロールで搬送される長尺樹脂フィルムFに上方からレーザーを照射して穿孔する穿孔装置23を用いることで効率よく穿孔することができる。
スパッタ成膜で形成する金属薄膜は、例えばNi−Cr合金等のNi系合金からなるシード層とその上のCu膜との積層膜からなる。このような金属薄膜を有する金属薄膜付樹脂フィルムは、更に湿式めっき法を用いて金属薄膜を厚くすることができる。この場合の湿式めっき法には、電気めっき処理のみで金属膜を積層する場合のほか、一次めっきとしての無電解めっき処理と、二次めっきとしての電解めっき処理とを組み合わせて行う場合がある。このようにして厚膜化された金属膜に対して、例えばサブトラクティブ法やアディティブ法でパターニング加工することで配線回路を形成することができる。
[実施例1]
図1に示す真空成膜装置を用いて貫通孔を有する長尺フィルムFにスパッタ成膜を施した。なお、冷却ロール3には図2に示すガス放出機構付きの冷却ロールを用いたが、ガス供給ライン17にはガスを供給しないで運転した。長尺フィルムFには、前もってレーザーにて内径約0.05mmのスルーホール用の貫通孔を複数穿孔した、厚さ25μm、幅500mmのポリイミドフィルムを使用した。介在フィルムSには、厚さ約12μm、幅500mmのPETフィルムを使用した。
これらフィルムを共に搬送速度0.5m/分で搬送し、厚さ約35ÅのNi−Cr層と、その上の厚さ約1000Åの銅層とを成膜したところ、長尺フィルムFにシワは生じなかった。また、介在フィルムSの表面上の長尺フィルムFの貫通孔に対応する部位にスパッタ粒子が堆積していたが、冷却ロール3の外周面にはスパッタ粒子の堆積は生じていなかった。そのため、連続的に成膜することができた。
[比較例1]
介在フィルムSを冷却ロール3の外周面とそこに巻き付く長尺フィルムFとの間に介在させなかった以外は実施例1と同様にして貫通孔を有する長尺フィルムFにスパッタ成膜を施した。その結果、長尺フィルムFにシワは生じなかったものの、冷却ロール3の外周面のうち、長尺フィルムFの貫通孔に対応する部位に点状に成膜跡が発生していた。
[実施例2]
ガス放出機構付き冷却ロールのガス放出孔15からArガスを微量放出することで冷却ロール3の外周面とそこに巻き付く介在フィルムSとの間のギャップ部にArガスを充満させたことと、搬送速度を0.7m/分にした以外は実施例1と同様にして貫通孔を有する長尺フィルムFにスパッタ成膜を施した。その結果、長尺フィルムFにシワは生じておらず、連続的に成膜することができた。次に、搬送速度を徐々に上げて1.1m/分にしたところ、スパッタ成膜中に長尺フィルムFにシワが入った。
更に比較のため、搬送速度を1.1m/分から0.7m/分に戻し、ガス放出孔15からガスを放出させずに上記と同様の条件で成膜を行った。その結果、スパッタ成膜中に長尺フィルムFにシワが生じていた。
[実施例3]
介在フィルムSとして、レーザーにて内径0.05mmの孔をあけたPETを使用したことと、搬送速度を2m/分にしたこと以外は実施例2と同様にして貫通孔を有する長尺フィルムFにスパッタ成膜を施した。その結果、スパッタ成膜中に長尺フィルムFにシワが生じなかった。なお、介在フィルムSの貫通孔と長尺フィルムFの貫通孔の位置は、互いに幅方向にずれた位置となるように穿孔しておいたので、スパッタ成膜時に冷却ロール3の外周面上でこれら貫通孔の位置が一致することはなかった。
上記の実施例及び比較例の結果から、スルーホール用の貫通孔を有する長尺フィルムを搬送しながら真空中でスパッタ成膜する際、冷却ロールの外周面とそこに巻き付く長尺フィルムとの間に該長尺フィルムとは別途搬送される介在フィルムを介在させることで、冷却ロールの外周面へのスパッタ粒子の付着を防止できることが分かった。また、冷却ロールの外周面と介在フィルムとの間に伝熱用の気体を導入することで、介在フィルムが介在することによるフィルムの冷却効果の低下を補えることが分かった。更に、ガス透過性の介在フィルムを用いることで、介在フィルムと成膜される長尺フィルムとの伝熱効率を高めて該長尺フィルムの温度上昇を抑えることができ、シワの発生を抑え得ることが分かった。
F 樹脂フィルム
S 介在フィルム
1 巻出ロール
2 巻取ロール
3 冷却ロール
4、5 フィードロール
6 第2巻出ロール
7 第2巻取ロール
11 円筒ロール
12 内筒部
12a 冷媒循環路
13 2重管
14 ガス導入路
15 ガス放出孔
16 ガスロータリージョイント
17 ガス供給ライン
21 第3巻出ロール
22 第3巻取ロール
23 穿孔装置

Claims (2)

  1. 予め穿孔されたスルーホール用の複数の貫通孔を有する長尺フィルムを真空チャンバー内においてロールツーロールで搬送する搬送機構と、該長尺フィルムに対して熱負荷の掛かる成膜処理を施す成膜処理手段と、内部に冷媒循環路を有し且つ該長尺フィルムを巻き付けて冷却する外周面を有する冷却ロールと、該冷却ロールの外周面とそこに巻き付けられる該長尺フィルムとの間に介在する長尺の介在フィルムをロールツーロールで搬送する第2の搬送機構とを備えた、両面めっき基板用の真空成膜装置を用いてスパッタリング成膜を行う長尺フィルムの真空成膜方法であって、前記冷却ロールは、周方向に略均等な間隔をあけて全周に亘って配設された複数のガス導入路を有しており、これら複数のガス導入路の各々は該冷却ロールの回転軸方向に沿って略均等な間隔をあけて外周面側に開口する複数のガス導入孔を有しており、前記介在フィルムは前記長尺フィルムと同じ幅を有しており、且つ内径0.03〜1mmの複数の貫通孔を有する膜か、あるいはガス透過性のある材質からなることを特徴とする長尺フィルムの真空成膜方法
  2. 前記長尺フィルム及び前記介在フィルムの搬送張力をそれぞれ個別調整する2つの張力調整機構を前記真空成膜装置が有することを特徴とする、請求項1に記載の長尺フィルムの真空成膜方法
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