JP6459858B2 - 長尺基板処理装置およびその制御方法ならびにその制御方法を用いた金属膜付長尺基板の製造方法 - Google Patents
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Description
先ず、本発明の長尺基板処理装置の一具体例について図1を参照しながら詳細に説明する。この図1の長尺基板処理装置は、減圧雰囲気下でロールツーロール方式で搬送される長尺基板に対して熱負荷の掛かる処理であるスパッタリング成膜を行うスパッタリングウェブコータとも称される真空成膜装置50であり、長尺状の耐熱樹脂フィルムなどの長尺基板Fをロールツーロール方式で連続的に搬送する搬送手段と、該長尺基板Fに対して熱負荷のかかる処理を施す処理手段と、これらを収容する真空チャンバー51とから主に構成されている。かかる構成の真空成膜装置50は、長尺基板Fの表面に連続的に効率よく成膜処理を施す場合に好適に用いられる。
次に、上記したキャンロール56について図2及び図3を参照しながら説明する。キャンロール56は、外周面が長尺基板Fの巻き付く搬送経路となる金属製の円筒部材10で構成されており、その中心軸O部分に位置する回転軸11によって回転可能に支持されている。この円筒部材10の内側にはジャケット12が設けられていわゆるジャケットロール構造になっており、これにより冷却水などの冷媒が流通する冷媒循環路13が形成されている。
次に、上記した複数のガス導入路14にガスを分配して供給するガスロータリージョイント20について図4及び図5をも参照しながら説明する。ガスロータリージョイント20は、キャンロール56の一方の側面にキャンロール56と同心円状に結合されて共に回転する回転リングユニット21と、真空チャンバー51の外部の図示しないガス供給源からの配管が接続されており且つ回転リングユニット21と互いに摺接面同士で摺接する静止リングユニット22とから構成されている。
そこで、本発明の処理装置の一具体例では、図8に示すように、ガス分配路25にガス圧検出手段として圧力センサー(P)33を設けると共にガス供給源接続配管26にピエゾバルブ(PV)35及びマスフローメータ(MFM)36を設け、ピエゾバルブ(PV)35の開度が圧力センサー(P)33の出力信号値に基づいて調整されるように調節計(CPU)37による制御を行っている。このように高速対応が可能なピエゾバルブを採用することで、ガス分配路25のガス圧の変動に対して迅速に開閉させることが可能になるため、ガス分配路25のガス圧を一定に制御することができる。
上記した本発明の一具体例のガス供給手段を備えたキャンロールを真空成膜装置に搭載し、この真空成膜装置(スパッタリングウェブコータ)を用いてロールツーロールで連続的に搬送される長尺基板の表面に例えばNi系合金等からなる膜とCu膜とが積層された金属膜をスパッタリング成膜することにより、フィルムシワ等の不具合の無い極めて高品質の金属膜付長尺基板を作製することができる。このようなメタライジング法で作製された金属膜付長尺基板は、サブトラクティブ法によりフレキシブル配線基板に加工することができる。サブトラクティブ法とは、レジストで覆われていない金属膜(例えば、上記Cu膜)をエッチングにより除去してフレキシブル配線基板を製造する方法である。
(6)長尺基板処理装置
図1に示すような真空成膜装置(スパッタリングウェブコータ)50を用いて、長尺基板Fとしての幅500mm、長さ1000m、厚さ25μmの宇部興産株式会社製の耐熱性ポリイミドフィルム「ユーピレックス(登録商標)」に金属膜を成膜して金属膜付長尺耐熱性樹脂フィルムを作製した。成膜の際、ギャップ部のガス圧を意図的に低下させるため、長尺基板Fの長さ方向の中央(500m)以降に内径5mmの円形の孔をフィルム幅方向に10個並べた孔の列を30mm間隔で10列、合計100個開けておいた。
実施例と同様にして意図的に一部に穴を開けた長尺基板Fの表面にNi−Cr膜からなるシード層とCu膜とからなる金属膜を成膜したが、図9に示すガス供給システムに代えて、張力センサロール62の張力信号をデジタルアラームに入力し、張力200Nの60%である120NでデジタルアラームのB接点(ノーマリークローズ)に接続し、このB接点を主制御システムのスパッタリング停止とフィルム搬送停止が同時に機能する異常停止信号に接続した。
11 回転軸
12 ジャケット
13 冷媒循環路
14 ガス導入路
15 ガス放出孔
20 ガスロータリージョイント
21 回転リングユニット
21a 回転リングユニット摺接面
22 静止リングユニット
22a 静止リングユニット摺接面
23 ガス供給路
23a 略円形状開口部
24 連結配管
25 ガス分配路
25a 略C字状開口部
26 ガス供給源接続配管
41 主供給系
42 副供給系
33、43 圧力センサー(P)
44 マスフローコントローラ(MFC)
35、45 ピエゾバルブ(PV)
36、46 マスフローメータ(MFM)
37、47 調節計(CPU)
38、48 デジタルアラーム(ALM)
39、49 主制御システム
50 真空成膜装置
51 真空チャンバー
52 巻出ロール
53、63 フリーロール
54、62 張力センサロール
55、61 フィードロール
56 キャンロール
57、58、59、60 マグネトロンスパッタリングカソード
64 巻取ロール
F 長尺基板
Claims (6)
- 真空チャンバー内においてロールツーロールで長尺基板を搬送する搬送手段と、該長尺基板を外周面に巻き付けて冷却するキャンロールと、該キャンロールの外周面に対向する位置に設けられた処理手段とからなる長尺基板処理装置であって、
前記キャンロールは、周方向に略均等な間隔をあけて全周に亘って複数のガス導入路が配設されており、これら複数のガス導入路の各々はキャンロールの中心軸方向に沿って略均等な間隔をあけて外周面側に開口する複数のガス放出孔を有しており、該外周面のうち長尺基板が巻き付けられる領域に位置するガス導入路にのみ該真空チャンバーの外部からガスを導入するガス分配手段を備えており、
前記ガス分配手段が、前記キャンロールの周方向及び又は半径方向に延在する複数のガス供給路を有し且つ前記キャンロールと同心円状に結合されて共に回転する回転リングユニットと、前記真空チャンバーの外部のガス供給源からのガスを分配する1本のガス分配路を有し且つ該回転リングユニットと互いに摺接面同士で摺接する静止リングユニットとからなるガスロータリージョイントであり、前記複数のガス供給路はそれぞれ一端部が複数のガス導入路に連通しており他端部が前記摺動面で開口しており、前記ガス分配路は一端部が前記キャンロールの外周面のうち長尺基板が巻き付けられる角度範囲に位置するガス導入路に連通するガス供給路の摺接面上の開口部にのみ対向するように摺接面で開口しており他端部が前記ガス供給源からの配管に接続しており、
前記ガス分配路はそのガス圧を検出するガス圧検出手段を有し、該検出したガス圧に基づいて前記ガス供給源からの配管に設けたピエゾバルブの開度が制御されると共に、該検出したガス圧が所定の条件を満たしたときに前記搬送手段と前記処理手段に停止信号が出力されることを特徴とする長尺基板処理装置。 - 前記ガス分配路の前記一端部が前記摺接面で開口する開口部の形状が略C字状であることを特徴とする、請求項1に記載の長尺基板処理装置。
- 前記処理手段が乾式成膜手段であることを特徴とする、請求項1〜2のいずれか1項に記載の長尺基板処理装置。
- 前記乾式成膜手段がスパッタリングカソードであることを特徴とする、請求項3に記載の長尺基板処理装置
- 真空チャンバー内においてロールツーロールで長尺基板を搬送する搬送手段と、該長尺基板を外周面に巻き付けて冷却するキャンロールと、該キャンロールの外周面に対向する位置に設けられた処理手段とからなる長尺基板処理装置の制御方法であって、
前記キャンロールは、周方向に略均等な間隔をあけて全周に亘って複数のガス導入路が配設されており、これら複数のガス導入路の各々はキャンロールの中心軸方向に沿って略均等な間隔をあけて外周面側に開口する複数のガス放出孔を有しており、該外周面のうち長尺基板が巻き付けられる領域に位置するガス導入路にのみ該真空チャンバーの外部からガスを導入するガス分配手段を備えており、
前記ガス分配手段が、前記キャンロールの周方向及び又は半径方向に延在する複数のガス供給路を有し且つ前記キャンロールと同心円状に結合されて共に回転する回転リングユニットと、前記真空チャンバーの外部のガス供給源からのガスを分配する1本のガス分配路を有し且つ該回転リングユニットと互いに摺接面同士で摺接する静止リングユニットとからなるガスロータリージョイントであり、前記複数のガス供給路はそれぞれ一端部が複数のガス導入路に連通しており他端部が前記摺動面で開口しており、前記ガス分配路は一端部が前記キャンロールの外周面のうち長尺基板が巻き付けられる角度範囲に位置するガス導入路に連通するガス供給路の摺接面上の開口部にのみ対向するように摺接面で開口しており他端部が前記ガス供給源からの配管に接続しており、
前記ガス分配路はそのガス圧を検出するガス圧検出手段を有し、該検出したガス圧に基づいて前記ガス供給源からの配管に設けたピエゾバルブの開度を制御すると共に、該検出したガス圧が設定値よりも低くなったときに前記搬送手段と前記処理手段に停止信号を出力する制御を行うことを特徴とする長尺基板処理装置の制御方法。 - 真空チャンバー内においてロールツーロールで搬送する長尺基板をキャンロールの外周面に巻き付けて冷却しながら、該キャンロールの外周面に対向する位置に設けられた成膜手段で成膜する金属膜付長尺基板の製造方法であって、
前記キャンロールは、周方向に略均等な間隔をあけて全周に亘って複数のガス導入路が配設されており、これら複数のガス導入路の各々はキャンロールの中心軸方向に沿って略均等な間隔をあけて外周面側に開口する複数のガス放出孔を有しており、該外周面のうち長尺基板が巻き付けられる領域に位置するガス導入路にのみ該真空チャンバーの外部からガスを導入するガス分配手段を備えており、
前記ガス分配手段が、前記キャンロールの周方向及び又は半径方向に延在する複数のガス供給路を有し且つ前記キャンロールと同心円状に結合されて共に回転する回転リングユニットと、前記真空チャンバーの外部のガス供給源からのガスを分配する1本のガス分配路を有し且つ該回転リングユニットと互いに摺接面同士で摺接する静止リングユニットとからなるガスロータリージョイントであり、前記複数のガス供給路はそれぞれ一端部が複数のガス導入路に連通しており他端部が前記摺動面で開口しており、前記ガス分配路は一端部が前記キャンロールの外周面のうち長尺基板が巻き付けられる角度範囲に位置するガス導入路に連通するガス供給路の摺接面上の開口部にのみ対向するように摺接面で開口しており他端部が前記ガス供給源からの配管に接続しており、
前記ガス分配路はそのガス圧を検出するガス圧検出手段を有し、該検出したガス圧に基づいて前記ガス供給源からの配管に設けたピエゾバルブの開度を制御すると共に、該検出したガス圧が所定の条件を満たしたときに前記ロールツーロールの搬送を停止すると共に前記処理手段に停止信号を出力することを特徴とする金属膜付長尺基板の製造方法。
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