JP6459858B2 - 長尺基板処理装置およびその制御方法ならびにその制御方法を用いた金属膜付長尺基板の製造方法 - Google Patents

長尺基板処理装置およびその制御方法ならびにその制御方法を用いた金属膜付長尺基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は長尺基板の処理装置およびその制御方法に関し、特にロールツーロールで連続的に搬送される長尺基板を効率よく冷却すべくガス放出機構を備えたキャンロールを搭載した長尺基板の処理装置およびその制御方法に関する。
液晶パネル、ノートパソコン、デジタルカメラ、携帯電話等の電子機器には、フレキシブルな基板の上に配線回路が形成された様々な種類のフレキシブル配線基板が用いられている。かかるフレキシブル配線基板の作製では、長尺基板の片面若しくは両面に金属膜が形成された金属膜付長尺基板に対してフォトリソグラフィーやエッチング等の薄膜技術を適用して配線回路をパターニング加工することが行われている。近年、電子機器の高性能化に伴い、フレキシブル配線基板の配線回路はますます微細化、高密度化する傾向にあり、そのため金属膜付長尺基板には平坦でシワのないものが求められている。
上記した金属膜付長尺基板の製造方法として、従来、金属箔を接着剤により長尺基板に貼り付けて製造する方法(3層基板の製造方法)、金属箔に耐熱性樹脂溶液をコーティングした後、乾燥させて製造する方法(キャスティング法)、又は長尺基板に真空成膜法若しくは真空成膜法と湿式めっき法により金属膜を成膜して製造する方法(メタライジング法)等が知られている。そして、メタライジング法の真空成膜法には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームスパッタリング法等が知られている。
上記メタライジング法に関し、特許文献1には、ポリイミド絶縁層上にクロム層をスパッタリングした後、銅をスパッタリングしてポリイミド絶縁層上に導体層を形成する方法が開示されており、特許文献2には、銅ニッケル合金をターゲットとするスパッタリングにより形成された第一の金属薄膜と、銅をターゲットとするスパッタリングにより形成された第二の金属薄膜とをこの順にポリイミドフィルム上に積層することで形成したフレキシブル回路基板用材料が開示されている。尚、上記したポリイミドフィルムの様なフレキシブルな長尺基板に真空成膜を行う場合はスパッタリングウェブコータを用いることが一般的である。
ところで、上記した真空成膜法のうち、スパッタリング法は一般に密着力に優れる反面、真空蒸着法に比べて成膜の際に長尺基板に与える熱負荷が大きいため、長尺基板にシワが発生し易いことが問題になることがあった。このシワの発生を防ぐため、金属膜付長尺基板の製造装置であるスパッタリングウェブコータでは、内部に冷却機構を備えた回転自在な筒状体からなるキャンロールが搭載されており、このキャンロールの外周面にロールツーロールで搬送される長尺基板を巻き付けて裏面側から冷却しながら熱負荷のかかるスパッタリング成膜を行っている。
例えば特許文献3には、スパッタリングウェブコータの一例である巻出巻取式(ロールツーロール方式)真空スパッタリング装置が開示されている。この巻出巻取式真空スパッタリング装置には上記キャンロールの役割を担うクーリングロールが具備されており、さらにクーリングロールにおいて少なくともフィルム(長尺基板)の送入れ側若しくは送出し側に設けたサブロールによってフィルムをクーリングロールに密着する制御が行われている。
しかしながら、非特許文献1に記載されているように、キャンロールの外周面はミクロ的に見て平坦ではないため、キャンロールとその外周面に密着して搬送されるフィルムとの間には真空空間を介して離間するギャップ部(間隙)が存在している。このため、スパッタリングや蒸着の際に生じるフィルムの熱は、実際にはフィルムからキャンロールに効率よく伝熱されているとはいえず、これがフィルムのシワ発生の原因になることがあった。この問題を解決するため、上記キャンロールの外周面とフィルムとの間のギャップ部にキャンロール側からガスを導入して、当該ギャップ部の熱伝導率を真空に比べて高くする技術が提案されている。
例えば特許文献4には、上記ギャップ部にキャンロール側からガスを導入する具体的な方法として、キャンロールの外周面にガスの導入口となる多数の微細孔を設ける技術が開示されている。また、特許文献5には、キャンロールの外周面にガスの導入口となる溝を設ける技術が開示されている。さらに、キャンロール自体を多孔質体で構成し、その多孔質体自身の微細孔をガス分配管機能を備えたガス導入口にする方法も知られている。非特許文献2に記載されているように、上記の方法で例えばガス圧力500Paのアルゴンガスをギャップ部に導入することにより、キャンロールの外周面とフィルムとの離間距離が約40μm以下の場合は当該ギャップ部の熱伝導率を250(W/m・K)にすることができる。
しかし、上記のいずれの方法においても、キャンロールの外周面においてフィルムが巻き付けられていない領域はフィルムが巻き付けられている領域に比べて、ガス導入口での抵抗が低くなるため、真空チャンバーの外部から供給したガスがこのフィルムの巻き付けられていない領域のガス導入口を経て真空チャンバー内に無駄に放出されることになる。その結果、キャンロールの外周面とそこに巻き付けられているフィルムとの間のギャップ部に本来導入されるべき量のガスが供給されず、熱伝導率を高める効果が十分に得られないことがあった。
この問題に対しては、キャンロールの外周面から出没するバルブをガス導入口に設け、このバルブをフィルム面で押さえつけることによってガス導入口を開放する方法(特許文献5)や、キャンロールの外周面のうちフィルムを送り出してから受け入れるまでに該当するフィルムの巻き付けられない領域にカバーを取り付けて、この領域から真空チャンバー内にガスが放出されるのを防止してキャンロール外周面とフィルムとの間のギャップ部に良好にガスを導入する方法(特許文献6)などが提案されている。
しかし、特許文献5に示すようなフィルム面でバルブを押さえつけてガス導入口を開放させる方法は、バルブとの接触によりフィルム面に僅かなキズや凹みを生じさせるおそれがあり、高い品質が要求される電子機器のフレキシブル配線基板の製造に採用することは難しかった。また、特許文献6に示すようなカバーを用いてフィルムが巻き付けられない領域のガス導入口を封鎖する方法は、高い真空度で成膜処理を行う処理装置ではカバーとキャンロール外周面との隙間からガスが漏れるのを防ぐことができなかった。
そこで、特許文献7及び特許文献8に記載されているように、キャンロールの中心軸方向の一端部に回転部と静止部とからなるガスロータリージョイントを取り付け、その内部に設けた複数のガス供給路のうちの一部に対してガス供給源からのガス供給を機械的に閉止することで上記したフィルムの巻き付けられない領域に位置するガス導入口からギャップ部にガスを導入するのを停止する機構が提案されている。
しかし、かかる機構では、当該フィルムの巻き付けられない領域に位置するガス導入口及びこれに接続しているガス供給路の管内は真空チャンバー内に連通するため減圧状態となり、ガスロータリージョイントの回転部の回転により当該減圧状態のガス供給路がフィルムの巻き付けられている領域に来た瞬間に一気にガスが流れ込むことになるため、ギャップ部のガス圧が不安定になることがあった。
特開平2−98994号公報 特許第3447070号公報 特開昭62−247073号公報 国際公開第2005/001157号 米国特許第3414048号明細書 国際公開第2002/070778号 特許第5516388号公報 特許第5673610号公報
"Vacuum Heat Transfer Models for Web Substrates: Review of Theory and Experimental Heat Transfer Data," 2000 Society of Vacuum Coaters, 43rd. Annual Technical Conference Proceeding, Denver, April 15-20, 2000, p.335 "Improvement of Web Condition by the Deposition Drum Design," 2000 Society of Vacuum Coaters, 50th. Annual Technical Conference Proceeding (2007), p.749
上記したようなスパッタリングウェブコータでは、成膜中に長尺基板が破断する等の搬送系の異常が生じることがあり、かかる搬送系の異常はたいていは搬送中の長尺基板の張力の異常として検知される。従って、張力の異常が検知された場合はスパッタリングウェブコータの運転を緊急停止する必要がある。しかしながら、スパッタリングウェブコータでは成膜中に長尺基板が破断してもしばらくは長尺基板はスパッタリングウェブコータ内の各種ロールに巻き付いたままであり、その間は張力が維持されるため張力の異常は検知されない。
すなわち、長尺基板の搬送系の異常の有無を張力のみで判断すると、異常が検知されるまでにタイムラグがあるため長尺基板の搬送系に異常があってもしばらくはスパッタリング成膜などの被成膜面に熱負荷がかかる処理が継続する。このような熱負荷がかかる処理は、異常時に数分程度の短時間であっても停止することなく継続するとスパッタリングウェブコータに損傷を与えることがある。
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、ロールツーロールで搬送される長尺基板(フィルム)の搬送系の異常をほぼタイムラグなく検知して運転を停止させることが可能なスパッタリングウェブコータ等の長尺基板処理装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の長尺基板処理装置は、真空チャンバー内においてロールツーロールで長尺基板を搬送する搬送手段と、該長尺基板を外周面に巻き付けて冷却するキャンロールと、該キャンロールの外周面に対向する位置に設けられた処理手段とからなる長尺基板処理装置であって、前記キャンロールは、周方向に略均等な間隔をあけて全周に亘って複数のガス導入路が配設されており、これら複数のガス導入路の各々はキャンロールの中心軸方向に沿って略均等な間隔をあけて外周面側に開口する複数のガス放出孔を有しており、該外周面のうち長尺基板が巻き付けられる領域に位置するガス導入路にのみ該真空チャンバーの外部からガスを導入するガス分配手段を備えており、前記ガス分配手段が、前記キャンロールの周方向及び又は半径方向に延在する複数のガス供給路を有し且つ前記キャンロールと同心円状に結合されて共に回転する回転リングユニットと、前記真空チャンバーの外部のガス供給源からのガスを分配する1本のガス分配路を有し且つ該回転リングユニットと互いに摺接面同士で摺接する静止リングユニットとからなるガスロータリージョイントであり、前記複数のガス供給路はそれぞれ一端部が複数のガス導入路に連通しており他端部が前記摺動面で開口しており、前記ガス分配路は一端部が前記キャンロールの外周面のうち長尺基板が巻き付けられる角度範囲に位置するガス導入路に連通するガス供給路の摺接面上の開口部にのみ対向するように摺接面で開口しており他端部が前記ガス供給源からの配管に接続しており、前記ガス分配はそのガス圧を検出するガス圧検出手段を有し、該検出したガス圧に基づいて前記ガス供給源からの配管に設けたピエゾバルブの開度が制御されると共に、該検出したガス圧が所定の条件を満たしたときに前記搬送手段と前記処理手段に停止信号出力されることを特徴としている。
本発明によれば、ロールツーロールで搬送される長尺基板(フィルム)の搬送系の異常をほぼタイムラグなく検知して運転を停止させることが可能になる。
本発明に係る長尺基板処理装置の一具体例を模式的に示す正面図である。 図1の長尺基板処理装置が具備するキャンロールの斜視図である。 図1の長尺基板処理装置が具備するキャンロールをその中心軸を通る面で切断した断面図である。 図3のキャンロールが具備するガスロータリージョイントの斜視図である。 図3のキャンロールが具備するガスロータリージョイントの正面図及び部分断面図である。 従来のガス供給手段を模式的に示すフロー図である。 図3のガスロータリージョイントのガス分配路の開口部とガス供給路の開口部との位置関係を模式的に示す正面図である。 本発明に係る長尺基板処理装置のガス供給システムの一具体例を示すフロー図である。 本技術に係る長尺基板処理装置のガス供給システムの他の具体例を示すフロー図である。 実施例の長尺基板処理装置が具備するガス供給システムの効果を示すグラフである。 比較例の長尺基板処理装置が具備するガス供給システムの効果を示すグラフである。
(1)真空成膜装置
先ず、本発明の長尺基板処理装置の一具体例について図1を参照しながら詳細に説明する。この図1の長尺基板処理装置は、減圧雰囲気下でロールツーロール方式で搬送される長尺基板に対して熱負荷の掛かる処理であるスパッタリング成膜を行うスパッタリングウェブコータとも称される真空成膜装置50であり、長尺状の耐熱樹脂フィルムなどの長尺基板Fをロールツーロール方式で連続的に搬送する搬送手段と、該長尺基板Fに対して熱負荷のかかる処理を施す処理手段と、これらを収容する真空チャンバー51とから主に構成されている。かかる構成の真空成膜装置50は、長尺基板Fの表面に連続的に効率よく成膜処理を施す場合に好適に用いられる。
具体的に説明すると、真空チャンバー51には、図示しないドライポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオコイル等の種々の真空装置が具備されており、スパッタリング成膜の際はこれら真空装置により到達圧力10−4Pa程度までの減圧と、その後のスパッタリングガスの導入による0.1〜10Pa程度の圧力調整を行うことができる。スパッタリングガスにはアルゴンなど公知のガスを使用でき、目的に応じてさらに酸素などのガスを添加してもよい。真空チャンバー51の形状や材質は、このような減圧状態に耐え得るものであれば特に限定はなく、種々のものを使用することができる。
この真空チャンバー51内において、長尺基板Fをロールツーロールで搬送しながら連続的に成膜処理を施すべく、巻出ロール52からモータ駆動のキャンロール56を経て巻取ロール64に至る長尺基板Fの搬送経路を画定する各種のロール群が配設されている。これらロール群のうち、巻出ロール52からキャンロール56までの搬送経路には、長尺基板Fを案内するフリーロール53、長尺基板Fの張力の測定を行う張力センサロール54、及び長尺基板Fをキャンロール56の外周面に密着させるためにキャンロール56の周速度に対する調整を行うモータ駆動のフィードロール55がこの順で配置されている。
キャンロール56から巻取ロール64までの搬送経路にも上記と同様にキャンロール56の周速度に対する調整を行うモータ駆動のフィードロール61、長尺基板Fの張力の測定を行う張力センサロール62、及び長尺基板Fを案内するフリーロール63がこの順に配置されている。上記した巻出ロール52及び巻取ロール64は、パウダークラッチ等によるトルク制御によって長尺基板Fの張力バランスが保たれている。モータ駆動のキャンロール56と、これに連動して回転するモータ駆動のフィードロール55、61とにより、長尺基板Fは巻出ロール52から巻き出されて上記搬送経路を走行した後、巻取ロール64で巻き取られる。
このキャンロール56の外周面のうち長尺基板Fが巻き付けられる角度範囲A(前フィードロール55から送られてきた長尺基板Fがキャンロール56の外周面に接触し始める角度位置から、キャンロール56に巻き付いている長尺基板Fが後フィードロール61に送り出されるために該外周面から離れる角度位置までの範囲)の領域に対向する位置に、乾式成膜手段としてのマグネトロンスパッタリングカソード57、58、59及び60が当該外周面上に画定される長尺基板Fの搬送経路に沿ってこの順に設けられている。なお、上記した角度範囲Aのことを長尺基板Fの抱き角あるいはラップ部と称することがある。
金属膜のスパッタリング成膜を行う場合は、上記したマグネトロンスパッタリングカソード57〜60には板状のターゲットを使用することができるが、板状ターゲットはその表面にノジュール(異物の成長)が発生することがあるので、ノジュールの発生がなく、ターゲットの使用効率も高い円筒形のロータリーターゲットを使用してもよい。また、この図1の真空成膜装置は、熱負荷の掛かる処理としてスパッタリング成膜を行うものであるため、マグネトロンスパッタリングカソードが設けられているが、熱負荷の掛かる処理はスパッタリング成膜に限定されるものではなく、CVD(Chemical Vapor Deposition、化学蒸着)や真空蒸着などの処理の場合は板状ターゲットに代えて他の真空成膜手段が設けられる。
(2)ガス導入機構付キャンロール
次に、上記したキャンロール56について図2及び図3を参照しながら説明する。キャンロール56は、外周面が長尺基板Fの巻き付く搬送経路となる金属製の円筒部材10で構成されており、その中心軸O部分に位置する回転軸11によって回転可能に支持されている。この円筒部材10の内側にはジャケット12が設けられていわゆるジャケットロール構造になっており、これにより冷却水などの冷媒が流通する冷媒循環路13が形成されている。
回転軸11は二重配管構造になっており、その内側の往路11aと外側の復路11bとを介して、真空チャンバー51の外部に設けられた図示しない冷媒冷却装置と冷媒循環路13との間で上記した冷媒の循環が行われる。これにより、円筒部材10の外周面に巻き付いた長尺基板Fを温度調節された冷媒によって冷却できるようになっている。なお、図2では説明のため、キャンロール56の側面に設けられている円板状部材が取り除かれている。
上記したキャンロール56を構成する円筒部材10の肉厚部には、キャンロール56の中心軸O方向に平行な複数のガス導入路14が周方向に略等間隔をあけて全周に亘って配設されている。各ガス導入路14には、円筒部材10の外周面側(すなわち、キャンロール56の外周面側)においてキャンロール56の回転軸方向に略等間隔に開口する複数のガス放出孔15が設けられている。上記した複数のガス導入路14には、キャンロール56の中心軸O方向の一端部に設けられたガス分配手段としてのガスロータリージョイント20を介して真空チャンバー51の外部からガスが供給される。これにより、キャンロール56の外周面とそこに巻き付いている長尺基板Fとの間に形成されるギャップ部(間隙)にガスを導入することができる。
これらガス導入路14の本数や、各ガス導入路14が有するガス放出孔15の個数は、キャンロール56の外周面のうちの長尺基板Fが巻き付けられる領域の面積やギャップ部に導入するガスの導入量、排気ポンプ能力等により適宜定められる。また、各ガス放出孔15の内径は、キャンロール56の外周面とそこに巻き付けられる長尺基板Fとの間に形成されるギャップ部(隙間)に良好にガスを導入できる大きさであるのが望ましい。この場合、キャンロール56の外周面に微小な内径を有するガス放出孔15を狭ピッチにして多数設けるのが熱伝導率をキャンロールの外周面に全面に亘って均一化できるという点において好ましい。しかしながら、微小な内径を有する孔を狭ピッチで多数設ける加工技術は困難を伴うので、現実的には内径30〜1000μm程度、より好適には内径150〜500μm程度の微細孔を5〜10mmのピッチでキャンロールの外周面に設けるのが好ましい。
(3)ガスロータリージョイント
次に、上記した複数のガス導入路14にガスを分配して供給するガスロータリージョイント20について図4及び図5をも参照しながら説明する。ガスロータリージョイント20は、キャンロール56の一方の側面にキャンロール56と同心円状に結合されて共に回転する回転リングユニット21と、真空チャンバー51の外部の図示しないガス供給源からの配管が接続されており且つ回転リングユニット21と互いに摺接面同士で摺接する静止リングユニット22とから構成されている。
回転リングユニット21には、ガス導入路14の本数と同じ本数のガス供給路23が周方向に均等な間隔をあけて全周に亘って形成されている。これら複数のガス供給路23の各々は、回転リングユニット21の内部で放射状に及び/又は回転リングユニット21の中心軸方向に平行に形成されており、その一端部が当該ガス供給路23と同じ角度位置にあるガス導入路14に連結配管24を介して連通しており、他端部は略円形状の開口部23aとして回転リングユニット21の摺接面21aで開口している。
一方、静止リングユニット22には1つのガス分配路25が形成されており、このガス分配路25の一端部は前述したガス供給源に接続するガス供給源接続配管26に連通しており、他端部は静止リングユニット22の摺接面22aで開口している。このガス分配路25が静止リングユニット22の摺接面22aで開口している開口部25aの形状は、上記したガス供給路23の開口部23aに対向する環状領域のうち、抱き角Aの角度範囲に位置するガス供給路23の開口部23aにのみ対向するように略C字状になっている。すなわち、静止リングユニット22のガス分配路25は、長尺基板Fを巻き付ける抱き角Aの範囲内に位置しているガス導入路14に接続しているガス供給路23には連通し、この抱き角Aの範囲内に位置していないガス導入路14に接続しているガス供給路23には連通しないようになっている。
かかる構成により、キャンロール56の全周に設けられている複数のガス導入路14のうち角度範囲Aに位置するガス導入路14に接続しているガス供給路23及び連結配管24は、上記略C字状開口部25aを介してガス分配路25に連通するので、当該ガス導入路14を経てキャンロール56の外周面に開口しているガス放出孔15からキャンロール56の外周面と長尺基板Fとの間のギャップ部にガスが放出される。一方、角度範囲Aに位置しないガス導入路14に接続しているガス供給路23及び連結配管24は、ガス分配路25との連通が遮断されるのでこのガス導入路14及びガス放出孔15からはギャップ部にガスが放出されない。
これにより、真空チャンバー51の外部のガス供給源から導入したガスが角度範囲A以外の抵抗の少ない図1の角度範囲Bの領域から真空チャンバー内に無駄に漏れるのを防ぐことができ、キャンロール56の外周面とそこに巻き付いている長尺基板Fとの間の隙間に良好にガスを導入することができる。なお、上記した略C字状の開口部25aの周方向の延在長さを変えることにより、ガスを放出しない角度範囲Bを適宜調整することが可能になる。また、ガス導入路14の本数が多すぎてそれらの各々を連結配管24を介してガスロータリージョイント20のガス供給路23に接続するのが困難な場合は、キャンロール56の周方向に連続する複数本のガス導入路14毎に1本のガス集合管(図示せず)にまとめて接続してからガスロータリージョイント20のガス供給路23に接続してもよい。
ガスロータリージョイント20の構造は図3に示すような略同じ内径及び外径を有する環状の静止リングユニット及び回転リングユニットがキャンロール56の中心軸O方向に対向する構造に限定されない。例えば小径の環状の静止リングユニットの外周面に大径の環状の回転リングユニットの内周面を摺接させるような構造でもよく、この場合は静止リングユニットに設けたガス分配路の開口部は外周面で開口し、一方、回転リングユニットのガス供給路の開口部は内周面で開口することになる。
上記したガスロータリージョイント20には、公知のガスシール手段を備えることによりガスロータリージョイント20の摺接面からのガスのリークを防ぐことができる。但し、キャンロール56の外周面と長尺基板Fとの離間距離が40μm程度のとき、この離間したギャップ部の両端からある程度ガスがリークするが、この場合のガスリーク量は真空成膜装置50が備える前述した真空ポンプなどの真空装置で排気可能である上、ギャップ部に導入するガスをスパッタリング雰囲気のガスとすればスパッタリング雰囲気を汚染することもない。
ところで、上記したようなガスロータリージョイント20へのガス供給系には、図6に示すようにガス供給源接続配管26にマスフローコントローラ(MFC)を設けて、ガス供給源接続配管26を介して供給されるガスが一定の流量で流れるように制御する流量制御方式を採用することが考えられる。しかし、この方式ではキャンロール56と長尺基板Fとの間のギャップ部(間隙)のガス圧を一定に保つのが困難になると考えられる。その理由は、長尺基板Fが巻き付けられていない領域に位置するガス放出孔15及びそのガス導入路14並びにこれに接続しているガス供給路23及び連結配管24の管内は真空チャンバー51内に連通して減圧状態にあるため、キャンロール56の回転に伴って移動するこれらガス導入路14等の連通空間が長尺基板Fの巻き付けられていない領域から長尺基板Fの巻き付けられている領域に来た瞬間にガスが一気に流れ込むからである。
これについて、キャンロール56の外周面のうちの長尺基板Fが巻き付けられていない領域及びその周方向の前後近傍におけるガス分配路25の摺動面上の略C字状開口部25aとガス供給路23の摺動面上の開口部23aとの位置関係を示した図7を参照しながら説明する。なお、この図7の紙面右側図面は、説明を簡単にするため、実際は円弧状に並んでいるガス供給路23の摺動面上の開口部23a群を一直線状に図示しており、さらにガス分配路25の略C字状開口部25aはその両端部のみを図示している。
図7の(1)〜(4)に示すように、ガス供給路23−Aは、その開口部23a−Aが略C字状開口部25aの一端部を横切って該略C字状開口部25aに対向しなくなると、ガス供給源からのガス供給が遮断される。その結果、ガス供給路23−Aに連通するガス導入路14及びガス放出孔15からガスが抜けて真空チャンバー51内と同じ減圧状態になっていく。逆に、ガス供給路23−Dは、図7の(1)〜(2)ではガス供給源からのガス供給が遮断されており、その管内はこれに連通するガス導入路14及びガス放出孔15と共に減圧状態にあるが、回転により図7の(3)に来た時に略C字状開口部25aに対向するので、該減圧状態の管内に急激にガス供給源からガスが導入される。その結果、図7の(2)〜(3)の間ではキャンロール56の外周面とそこに巻き付けられる長尺基板Fとの間に形成されるギャップ部(間隙)のガス圧が大きく変動し、これにより冷却効率が変化してシワ発生の原因になることがあった。
(4)ガス供給システム
そこで、本発明の処理装置の一具体例では、図8に示すように、ガス分配路25にガス圧検出手段として圧力センサー(P)33を設けると共にガス供給源接続配管26にピエゾバルブ(PV)35及びマスフローメータ(MFM)36を設け、ピエゾバルブ(PV)35の開度が圧力センサー(P)33の出力信号値に基づいて調整されるように調節計(CPU)37による制御を行っている。このように高速対応が可能なピエゾバルブを採用することで、ガス分配路25のガス圧の変動に対して迅速に開閉させることが可能になるため、ガス分配路25のガス圧を一定に制御することができる。
あるいは、本発明の処理装置の他の具体例として、図9に示すように、ガス供給源接続配管26の少なくとも一部を主供給系41と副供給系42との2つの供給系で構成すると共に、ガスロータリージョイント20のガス分配路25にそのガス圧を検知するガス圧検出手段として圧力センサー(P)43を設け、主供給系41にはマスフローコントローラ(MFC)44を設けて一定の流量でガスが流れるように流量制御し、一方、副供給系42にはピエゾバルブ(PV)45とマスフローメータ(MFM)46とを設ける。そして、このピエゾバルブ(PV)45の開度が圧力センサー(P)43の出力信号値に基づいて調整されるように調節計(CPU)47による制御を行ってもよい。
この図9の場合は、ガスロータリージョイント20のガス分配路25のような真空チャンバー51の内部の放出ガス用ガス溜め空間に該真空チャンバー51の外部からガスを供給するガス供給手段において、該ガス溜め空間のガス圧を一定に制御する圧力制御方式と、該ガス溜め空間に一定流量のガスを流すように制御する流量制御方式とを併用するので、該ガス溜め空間の圧力変動に対して迅速かつ高い精度で圧力制御を行うことが可能になる。その結果、該ガス溜め空間としてのガス分配路25にガス供給路23、連結配管24、ガス導入路14及びガス放出孔15を介して連通しているキャンロール56の外周面とそこに巻き付けられる長尺基板Fとの間のギャップ部(間隙)のガス圧に変動が発生しにくくなる。
副供給系42の流量制御用バルブの最大設計流量は、主供給系41の流量制御用バルブの最大設計流量以下で且つ1/20以上であるのが好ましい。例えば、キャンロール56の外周面と長尺基板Fとの間のギャップ部(間隙)のガス圧を900Paに保つためにガス供給源から定常的に60sccmの流量でガスを供給する必要がある場合、主供給系31のマスフローコントローラ(MFC)34にはフルスケール50sccmのものを用いて設定流量30sccmで流量制御しながら主供給系41からガスの供給を行うと共に、副供給系42のピエゾバルブ(PV)45にはフルスケール50sccmのものを用いてその開度を調整することでガス分配路25のガス圧を制御する。これにより、ガス溜め空間としてのガス分配路25をほぼ一定圧力に維持することができる。この制御方式の方が、フルスケール100sccmのピエゾバルブのみを用いてその開度をガス分配路25のガス圧が一定になるように制御するよりも制御性が良いのは明らかである。
上記のようにピエゾバルブ(PV)の開度でガス溜め空間の圧力制御を行う場合、ピエゾバルブ(PV)で制御できるガス圧は、該ピエゾバルブ(PV)を定常時に流れるガス流量の1/10の精度で制御することは可能であるが、1/10より細かい制御は困難である。そこで、ガス供給系を少なくとも2つの供給系に分けて、それらのうち最大設計流量が多くない方に設けたバルブの開度でガス溜め空間の圧力制御を行うことにより、高い精度で且つ制御性よくガス溜め空間のガス圧を制御することが可能になる。このため、上記したように副供給系42の流量制御用バルブの最大設計流量が主供給系41の流量制御用バルブの最大設計流量以下で且つ1/20以上になるように、副供給系42のピエゾバルブ(PV)45のサイズを選定するのが好ましい。なお、図9では主供給系41と副供給系42とを合流させてからガスロータリージョイント20に接続しているが、これに限定されるものではなく、主供給系41と副供給系42とを合流させずに別々にガスロータリージョイント20のガス分配路25に接続してもよい。
本発明の処理装置では、上記した圧力制御からなる図8のガス供給システム、あるいは圧力制御及び流量制御を併用した図9のガス供給システムにおいて、上記したキャンロール56の外周面と長尺基板Fとの間のギャップ部のガス圧が所定の圧力以下に低下したときにマグネトロンスパッタリングカソード57〜60などの熱負荷のかかる処理手段を自動的に停止し、さらに長尺基板Fの搬送手段を自動的に停止するように構成されている。
具体的には、図8及び図9にそれぞれ例示されているように、圧力センサー(P)33、43からのアナログ入力信号が設置値以下になるとリレー接点が動作するデジタルアラーム(ALM)38、48が設けられており、このデジタルアラーム(ALM)38、48のデジタル信号がマグネトロンスパッタリングカソード57〜60の運転や長尺基板Fの搬送を制御する主制御システム39、49に送られるようになっている。これにより、例えばガスロータリージョイント20のガス分配路25のガス圧が定常時の圧力から半減したときに主制御システム39、49によって自動的にマグネトロンスパッタリングカソード57〜60の停止と長尺基板Fの搬送の停止を行うことができる。
キャンロール56の外周面とそこに巻き付いている長尺基板Fとの間のギャップ部のガス圧が何らかの原因で低下すると該ギャップ部に存在しているガスの熱伝達係数が低下し、長尺基板Fの温度が一気に増加して致命的なシワが発生することがあり、また、長尺基板Fが溶けたり破断したりしてキャンロール56にダメージを与えてしまうこともある。更に、キャンロール56とは無関係に長尺基板Fに穴が開いたり傷や張力変動に起因して破断したりすることがある。このようなトラブルが発生しても上記したガス供給システムを用いることで、ダメージを少なくすることができる。
なお、圧力センサー(P)33、43は、上記したキャンロール56の外周面と長尺基板Fとの間のギャップ部のガス圧の低下を検出するものであり、ギャップ部のガス圧低下の原因としては、(1)キャンロール56やガスロータリージョイント20あるいはそれらに付随する配管系のガス漏れ、(2)長尺基板Fの抗力低下(張力)によるギャップ部の端部からのガス漏れ、(3)長尺基板Fのウネリによるギャップ部の端部からのガス漏れ、及び(4)長尺基板Fの破断が考えられる。
このように、本発明の長尺基板処理装置は、真空チャンバー内へのガスのリークなどの問題を生じることなくキャンロール外周面とそこに巻き付けられる長尺基板との間のギャップ部に安定してガスを導入することができる上、長尺基板の破断などの異常が発生したときに直ちに長尺基板の搬送系や熱負荷のかかる処理手段の運転を停止することができるので、ダメージを最小限に抑えることができる。
(5)長尺基板
上記した本発明の一具体例のガス供給手段を備えたキャンロールを真空成膜装置に搭載し、この真空成膜装置(スパッタリングウェブコータ)を用いてロールツーロールで連続的に搬送される長尺基板の表面に例えばNi系合金等からなる膜とCu膜とが積層された金属膜をスパッタリング成膜することにより、フィルムシワ等の不具合の無い極めて高品質の金属膜付長尺基板を作製することができる。このようなメタライジング法で作製された金属膜付長尺基板は、サブトラクティブ法によりフレキシブル配線基板に加工することができる。サブトラクティブ法とは、レジストで覆われていない金属膜(例えば、上記Cu膜)をエッチングにより除去してフレキシブル配線基板を製造する方法である。
上記Ni合金等から成る膜はシード層と呼ばれ、金属膜付長尺基板の電気絶縁性や耐マイグレーション性等の所望の特性によりその組成が選択される。そして、シード層には、Ni−Cr合金やインコネルやコンズタンタンやモネル等の各種公知の合金を用いることができる。また、金属膜付長尺基板の金属膜(Cu膜)を更に厚くしたい場合、湿式めっき法を用いて金属膜を形成することがある。湿式めっき法には、電気めっき処理のみで金属膜を形成する場合と、一次めっきとして無電解めっき処理と、二次めっきとして電解めっき処理とを組み合わせて行う場合がある。いずれにおいても、湿式めっき処理には一般的な湿式めっき法を採用することができる。
また、上記金属膜付長尺基板に用いる長尺基板としては、樹脂フィルムのほか金属箔や金属ストリップなど用いることができる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルムまたは液晶ポリマー系フィルムなどの樹脂フィルムを挙げることができ、これらは金属膜付フレキシブル基板としての柔軟性、実用上必要な強度、配線材料として好適な電気絶縁性を有している。尚、上記本発明の一具体例では金属膜付長尺基板として長尺基板にNi-Cr合金やCu等の金属膜を積層する場合について説明したが、上記金属膜の成膜のほか、酸化物膜、窒化物膜、炭化物膜等の成膜を行う場合にも本発明の本発明の効果が奏される。
(6)長尺基板処理装置
以上、本発明のガス供給手段及びこれを備えたキャンロールの一具体例について説明したが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の主旨から逸脱しない種々の変形例や変更例が含まれる。例えば、該キャンロールが搭載される長尺基板の処理装置としてスパッタリング等の乾式成膜を行う真空成膜装置を採り上げて説明したが、これに限定されるものではなく、減圧雰囲気下で長尺基板の表面を改質するプラズマ処理やイオンビーム処理等の熱負荷が掛かる処理を行うものでもよく、この場合も本発明の効果が奏される。
ここでプラズマ処理とは、例えばアルゴンと酸素の混合ガスまたはアルゴンと窒素の混合ガスによる減圧雰囲気下において放電を行うことにより、酸素プラズマまたは窒素プラズマを発生させて長尺基板を処理するものである。一方、イオンビーム処理とは、例えば公知のイオンビーム源を用いて強い磁場を印加した磁場ギャップでプラズマ放電を発生させ、プラズマ中の陽イオンを陽極による電解でイオンビームとして目的物(長尺基板)へ照射する処理である。
[実施例](流量制御方式と圧力制御方式の併用のガス供給システムの圧力計にデジタルアラームを配置)
図1に示すような真空成膜装置(スパッタリングウェブコータ)50を用いて、長尺基板Fとしての幅500mm、長さ1000m、厚さ25μmの宇部興産株式会社製の耐熱性ポリイミドフィルム「ユーピレックス(登録商標)」に金属膜を成膜して金属膜付長尺耐熱性樹脂フィルムを作製した。成膜の際、ギャップ部のガス圧を意図的に低下させるため、長尺基板Fの長さ方向の中央(500m)以降に内径5mmの円形の孔をフィルム幅方向に10個並べた孔の列を30mm間隔で10列、合計100個開けておいた。
キャンロール56には、ステンレス製の直径800mm、幅750mmのジャケットロール構造の円筒部材を用い、その外周面にハードクロムめっきを施した。図2に示すように円筒部材10の肉厚部にその中心軸方向に平行な内径4mmのガス導入路14を360本開け、それらの各々に対して、その長手方向に10mm毎に内径0.2mmのガス放出孔15を47個穿孔した。これにより、円筒部材10の両端部からそれぞれ長尺基板Fの両端部の20mm内側までの領域にはガス放出孔15が存在しないことになる。
図1に示す角度範囲Bに対応するキャンロール56の外周面のうち長尺基板Fが巻き付けられない領域の角度(非ラップ部)は約30°となり、この領域に位置するガス導入路14の本数は30本になる。360本のガス導入路14を直接ガスロータリージョイント20の回転リングユニット21に接続するのは困難であったため、周方向に連続する10本のガス導入路14毎に1本のガス集合管に接続した後、回転リングユニット21のガス供給路23に接続した。これにより、ガスロータリージョイント20の回転リングユニット21のガス供給路23の本数は36本となった。
非ラップ部の一端部からマグネトロンスパッタリングカソード57までの間、及び非ラップ部の他端部からマグネトロンスパッタリングカソード60までの間で放出ガスがギャップ間に導入さればよいので、10°ごとに配置されているガス導入路14のうち、上記ガス集合管の最前部及び最後部のものからガスが漏れないようにするため、図4に示すガスロータリージョイント20の静止リングユニット22のガス分配路25のC字状開口部25aはキャンロール56の周方向に330°ではなく、C字状開口部25aの両端部をテフロンブロックで10°ずつ塞いで310°とした。
キャンロール56の外周面と長尺基板Fとの間のギャップ部(間隙)及びガス分配路25のガス圧を900Paに保つため、図9に示すように、ガスロータリージョイント20のガス分配路25内のガス圧を測定する圧力センサー(P)43には、フルスケール1330Paの隔膜真空計を設置すると共に、ガス供給源接続配管26の一部を主供給系41と副供給系42との2つの供給系で構成した。そして、主供給系41のマスフローコントローラ(MFC)44にはフルスケール50sccmのものを用いて設定流量30sccmで流量制御しながら主供給系41からガスの供給を行うと共に、フルスケール50sccmのピエゾバルブ(PV)45を用いてその開度をガス分配路25のガス圧の圧力制御により調節することで副供給系42からガスを供給した。
更に、圧力センサー(P)43の圧力信号をデジタルアラーム48に入力し、ガス圧900Paの60%の540Paでデジタルアラーム48のB接点(ノーマリークローズ)に接続し、このB接点を主制御システム49のマグネトロンスパッタリングカソード57〜60の停止と長尺基板Fの搬送用各種モータの停止が同時に機能する異常停止信号に接続した。
長尺基板Fとしての耐熱性ポリイミドフィルムに成膜させる金属膜はシード層としてのNi−Cr膜の上にCu膜を成膜するものとし、そのため、マグネトロンスパッタリングカソード57にはNi−Crターゲットを用い、マグネトロンスパッタリングカソード58、59、60にはCuターゲットを用い、更に、アルゴンガスを300sccm導入し、各カソードへの印加電力は10kWの電力制御で成膜を行った。
巻出ロール52と巻取ロール64の張力は200Nとした。この時、キャンロール56の半径は0.4m、長尺基板Fの張力は200N/0.5mなので、抗力は1000Nになる。上記したギャップ部のガス圧は抗力の1000Nを超えてはならず、しかも高い方が熱伝達に優れる。キャンロール56は水冷により20℃に制御しているが、長尺基板Fとキャンロール56との熱伝導効率が良好でないと冷却効果は期待できない。巻出ロール52に長尺基板Fをセットし、その先端を引き出したキャンロール56を経由して巻取ロール64に取り付けた。
真空チャンバー51内を複数台のドライポンプにより5Paまで排気した後、更に複数台のターボ分子ポンプとクライオコイルを用いて3×10−3Paまで排気した。この状態で長尺基板Fを搬送速度3m/分で搬送し、マグネトロンスパッタリングカソード57〜60にアルゴンガスを導入して電力を印加して、Ni−Cr膜のシード層とその上のCu膜の成膜を開始した。
図10に示すように、長尺基板Fの先端から500mの部分がキャンロール56を通過してギャップ部のガス圧を意図的に低下させる100個の穴が開けられている部分がキャンロール56の外周面に巻き付けられたとき(下向き矢印)、ガスロータリージョイント20のガス圧が低下し、約2秒後に540Paまで低下した。その結果、デジタルアラーム48のB接点がオープンし、異常停止信号を受信した主制御システム49は瞬時にスパッタ電源をオフすると共に搬送停止命令を出力し、長尺基板Fの搬送が4秒後に停止した。
このとき、ギャップ部のガス圧が低下したので熱伝達率が悪化し、長尺基板Fには熱負荷により致命的なしわが発生し、一部穴が開いている個所も存在したが破断にはいたらなかった。すなわち、キャンロールのガス圧が低下した際にすばやくスパッタリング電源と長尺基板の搬送が停止することが確認できた。よって、高価なキャンロールにダメージを与えることなく直ぐに運転を再スタートさせることができた。
[比較例](流量制御方式と圧力制御方式の併用のガス供給システムに張力センサーにデジタルアラームを配置)
実施例と同様にして意図的に一部に穴を開けた長尺基板Fの表面にNi−Cr膜からなるシード層とCu膜とからなる金属膜を成膜したが、図9に示すガス供給システムに代えて、張力センサロール62の張力信号をデジタルアラームに入力し、張力200Nの60%である120NでデジタルアラームのB接点(ノーマリークローズ)に接続し、このB接点を主制御システムのスパッタリング停止とフィルム搬送停止が同時に機能する異常停止信号に接続した。
その結果、図11に示すように、長尺基板Fの先端から500mの部分がキャンロール56を通過してギャップ部のガス圧を意図的に低下させる100個の穴が開けられている部分がキャンロール56の外周面に巻き付けられたとき(下向き矢印)、ガスロータリージョイント20の圧力が低下し、約2秒後に540Paまで低下した。その結果、約6秒後に長尺基板Fが熱負荷により破断して、張力センサーからの張力信号が6秒後に120Nより低下してデジタルアラームのB接点がオープンし、異常停止信号を受信した主制御システムは瞬時にスパッタ電源をオフすると共に搬送停止命令を出力し、長尺基板Fの搬送が6+7秒後に停止した。このとき、ギャップ部のガス圧が低下しているので熱伝達率が悪化し、長尺基板Fは熱負荷により破断した。
10 円筒部材
11 回転軸
12 ジャケット
13 冷媒循環路
14 ガス導入路
15 ガス放出孔
20 ガスロータリージョイント
21 回転リングユニット
21a 回転リングユニット摺接面
22 静止リングユニット
22a 静止リングユニット摺接面
23 ガス供給路
23a 略円形状開口部
24 連結配管
25 ガス分配路
25a 略C字状開口部
26 ガス供給源接続配管
41 主供給系
42 副供給系
33、43 圧力センサー(P)
44 マスフローコントローラ(MFC)
35、45 ピエゾバルブ(PV)
36、46 マスフローメータ(MFM)
37、47 調節計(CPU)
38、48 デジタルアラーム(ALM)
39、49 主制御システム
50 真空成膜装置
51 真空チャンバー
52 巻出ロール
53、63 フリーロール
54、62 張力センサロール
55、61 フィードロール
56 キャンロール
57、58、59、60 マグネトロンスパッタリングカソード
64 巻取ロール
F 長尺基板


Claims (6)

  1. 真空チャンバー内においてロールツーロールで長尺基板を搬送する搬送手段と、該長尺基板を外周面に巻き付けて冷却するキャンロールと、該キャンロールの外周面に対向する位置に設けられた処理手段とからなる長尺基板処理装置であって、
    前記キャンロールは、周方向に略均等な間隔をあけて全周に亘って複数のガス導入路が配設されており、これら複数のガス導入路の各々はキャンロールの中心軸方向に沿って略均等な間隔をあけて外周面側に開口する複数のガス放出孔を有しており、該外周面のうち長尺基板が巻き付けられる領域に位置するガス導入路にのみ該真空チャンバーの外部からガスを導入するガス分配手段を備えており、
    前記ガス分配手段が、前記キャンロールの周方向及び又は半径方向に延在する複数のガス供給路を有し且つ前記キャンロールと同心円状に結合されて共に回転する回転リングユニットと、前記真空チャンバーの外部のガス供給源からのガスを分配する1本のガス分配路を有し且つ該回転リングユニットと互いに摺接面同士で摺接する静止リングユニットとからなるガスロータリージョイントであり、前記複数のガス供給路はそれぞれ一端部が複数のガス導入路に連通しており他端部が前記摺動面で開口しており、前記ガス分配路は一端部が前記キャンロールの外周面のうち長尺基板が巻き付けられる角度範囲に位置するガス導入路に連通するガス供給路の摺接面上の開口部にのみ対向するように摺接面で開口しており他端部が前記ガス供給源からの配管に接続しており、
    前記ガス分配はそのガス圧を検出するガス圧検出手段を有し、該検出したガス圧に基づいて前記ガス供給源からの配管に設けたピエゾバルブの開度が制御されると共に、該検出したガス圧が所定の条件を満たしたときに前記搬送手段と前記処理手段に停止信号出力されることを特徴とする長尺基板処理装置。
  2. 前記ガス分配路の前記一端部が前記摺接面で開口する開口部の形状が略C字状であることを特徴とする、請求項に記載の長尺基板処理装置。
  3. 前記処理手段が乾式成膜手段であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の長尺基板処理装置。
  4. 前記乾式成膜手段がスパッタリングカソードであることを特徴とする、請求項に記載の長尺基板処理装置
  5. 真空チャンバー内においてロールツーロールで長尺基板を搬送する搬送手段と、該長尺基板を外周面に巻き付けて冷却するキャンロールと、該キャンロールの外周面に対向する位置に設けられた処理手段とからなる長尺基板処理装置の制御方法であって、
    前記キャンロールは、周方向に略均等な間隔をあけて全周に亘って複数のガス導入路が配設されており、これら複数のガス導入路の各々はキャンロールの中心軸方向に沿って略均等な間隔をあけて外周面側に開口する複数のガス放出孔を有しており、該外周面のうち長尺基板が巻き付けられる領域に位置するガス導入路にのみ該真空チャンバーの外部からガスを導入するガス分配手段を備えており、
    前記ガス分配手段が、前記キャンロールの周方向及び又は半径方向に延在する複数のガス供給路を有し且つ前記キャンロールと同心円状に結合されて共に回転する回転リングユニットと、前記真空チャンバーの外部のガス供給源からのガスを分配する1本のガス分配路を有し且つ該回転リングユニットと互いに摺接面同士で摺接する静止リングユニットとからなるガスロータリージョイントであり、前記複数のガス供給路はそれぞれ一端部が複数のガス導入路に連通しており他端部が前記摺動面で開口しており、前記ガス分配路は一端部が前記キャンロールの外周面のうち長尺基板が巻き付けられる角度範囲に位置するガス導入路に連通するガス供給路の摺接面上の開口部にのみ対向するように摺接面で開口しており他端部が前記ガス供給源からの配管に接続しており、
    前記ガス分配路はそのガス圧を検出するガス圧検出手段を有し、該検出したガス圧に基づいて前記ガス供給源からの配管に設けたピエゾバルブの開度を制御すると共に、該検出したガス圧が設定値よりも低くなったときに前記搬送手段と前記処理手段に停止信号を出力する制御を行うことを特徴とする長尺基板処理装置の制御方法。
  6. 真空チャンバー内においてロールツーロールで搬送する長尺基板をキャンロールの外周面に巻き付けて冷却しながら、該キャンロールの外周面に対向する位置に設けられた成膜手段で成膜する金属膜付長尺基板の製造方法であって、
    前記キャンロールは、周方向に略均等な間隔をあけて全周に亘って複数のガス導入路が配設されており、これら複数のガス導入路の各々はキャンロールの中心軸方向に沿って略均等な間隔をあけて外周面側に開口する複数のガス放出孔を有しており、該外周面のうち長尺基板が巻き付けられる領域に位置するガス導入路にのみ該真空チャンバーの外部からガスを導入するガス分配手段を備えており、
    前記ガス分配手段が、前記キャンロールの周方向及び又は半径方向に延在する複数のガス供給路を有し且つ前記キャンロールと同心円状に結合されて共に回転する回転リングユニットと、前記真空チャンバーの外部のガス供給源からのガスを分配する1本のガス分配路を有し且つ該回転リングユニットと互いに摺接面同士で摺接する静止リングユニットとからなるガスロータリージョイントであり、前記複数のガス供給路はそれぞれ一端部が複数のガス導入路に連通しており他端部が前記摺動面で開口しており、前記ガス分配路は一端部が前記キャンロールの外周面のうち長尺基板が巻き付けられる角度範囲に位置するガス導入路に連通するガス供給路の摺接面上の開口部にのみ対向するように摺接面で開口しており他端部が前記ガス供給源からの配管に接続しており、
    前記ガス分配路はそのガス圧を検出するガス圧検出手段を有し該検出したガス圧に基づいて前記ガス供給源からの配管に設けたピエゾバルブの開度を制御すると共に、該検出したガス圧が所定の条件を満たしたときに前記ロールツーロールの搬送を停止すると共に前記処理手段に停止信号を出力することを特徴とする金属膜付長尺基板の製造方法。
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