JP6642116B2 - 電力系統の状態推定方法、電力系統の状態推定装置、及びプログラム - Google Patents

電力系統の状態推定方法、電力系統の状態推定装置、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、電力系統の状態推定方法、電力系統の状態推定装置、及びプログラムに関する。
状態を計器類により測定可能なノードと、状態を測定できないノードと、を含む電力系統におけるノードの状態を推定するために、与えられた、系統設備データ(例えば電源容量、負荷容量、線路データ、変圧器データ)、及び、測定データ(例えば電圧値、電流値)の下で、当該電力系統内の各地点の未知の電圧・電流等の状態を示す値(状態値)を計算により算出することが知られている。
このような電力系統の状態を推定するための手法として、最適化計算により状態値の修正を繰り返し行い、測定データと計算結果との偏差が最小となるように電力系統の状態値を求める手法が知られている(例えば特許文献1、2)。
特開2002−51464号公報 特開2010−263754号公報
ところで、最適化計算では、初期の状態値(初期値)を与える必要がある。特許文献1においては、負荷ノードの状態値を算出するための初期値は、電源からの送り出し電圧と電流の測定値を負荷ノードの契約電力に応じて按分することで割り当てられる。特許文献2は、負荷の現在の利用率を基準として初期値を計算している。
ここで、最適化計算の目的関数は複雑な非線形関数であり、かつ変数である状態値の自由度が大きい。しかし、特許文献1,2では、初期値が現時点における情報のみに基づいて与えられるため、過去の傾向や蓄積されたデータとの整合性が充分にとれていない。初期値が不適切に設定されると、得られる解が実際の系統運用とは異なるおそれがある。
上記課題を解決するための手段の一つは、状態を測定可能な第1ノードと、状態を測定できない第2ノードと、を含む電力系統におけるノードの状態を推定する電力系統の状態推定方法であって、前記第1ノードの状態を示す測定値を取得し、第1時刻より前の第2時刻における前記第2ノードの状態を示す計算値を取得し、前記第1時刻における前記測定値と、前記第2時刻における前記測定値と、の差分を、前記第2ノードに属する各ノードに按分し、前記各ノードに按分された値と、該当する前記各ノードについての前記計算値と、の和を、前記第1時刻における前記第2ノードの状態を示す値を算出するための初期値として設定し、前記初期値と、前記第1時刻における前記測定値と、を用いて最適化計算を実行し、前記第1時刻における前記第2ノードの状態を示す値を算出する。
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄の記載、及び図面の記載等により明らかにされる。
本発明によれば、電力系統の状態を精度よく推定することが可能となる。
本実施形態が適用される電力系統の一例を示す図である。 本実施形態に係る電力系統の状態推定装置の構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る電力系統の状態推定装置の動作手順を示すフローチャートである。
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
添付図面を参照して、本実施形態に係る電力系統の状態推定装置及び推定方法を説明する。ここで、ノードの「状態」とは、例えば、該当するノードに流れる電流、該当するノードにおける電圧、有効電力、無効電力、及び、該当するノードにおける電流と電圧との間の位相角を含むものとする。また、状態値とは、上述した状態を示す値をいう。なお、測定値とは、該当するノードに設けられた測定器によって測定された、当該ノードの状態を示す値を指すものとする。
[本実施形態が適用される電力系統の一例]
図1を参照して、本実施形態が適用される電力系統の一例を説明する。電力系統90は、例えば配電系統であって、図1に示されるように、ノードn0〜n7、負荷L1〜L7、及び測定器95を含む。
ノードn0は、下流側のノードに電力を供給する送り出しノードである。ノードn0には、ノードn0の状態を測定するための測定器95が設けられている。測定器95は、予め設定された時間間隔で、例えば、ノードn0から下流側に送り出される電流の絶対値|I|、ノードn0における電圧の絶対値|V|、ノードn0における電流と電圧との間の位相角θ、ノードn0における有効電力P及び無効電力Qを測定し、測定結果を状態推定装置1に出力する。
ノードn0の下流側には、ノードn1〜n7が設けられている。具体的には、ノードn0にノードn1が接続され、ノードn1にはノード2が接続され、ノードn2にはノードn3が接続され、ノードn3にはノードn4及びノードn6が接続され、ノードn4にはノードn5が接続され、ノードn6にはノードn7が接続されている。
ノードn1〜n7には、ノードn3を除き、負荷L1〜L7がそれぞれ接続されている。負荷L1〜L7は、ノードn1〜n7のそれぞれに接続された複数の電力負荷を包括的に示しているものとする。ここで、ノードn1〜n7から負荷L1〜L7に流れる電流の絶対値を|I|〜|I|とする。ただし、本実施形態では、ノードn1〜n7の状態を測定するための測定器は設けられていないので、電流|I|〜|I|を含むノードn1〜n7の状態を直接的に知ることはできない。
このように、本実施形態が適用される電力系統90は、状態を測定可能なノードn0(第1ノード)と、状態を測定できないノードn1〜n7(第2ノード)と、を含む。状態推定装置1は、このような電力系統90の各ノードにおける状態値を算出する装置である。なお、図1に示された電力系統90は、1カ所の送り出しノードn0と、そのノードn0に接続された負荷側のノードn1〜n7と、から構成されているが、電力系統90は、複数の送り出しノードと、それら送り出しノードのそれぞれに接続された負荷ノードと、から構成されてもよい。
[最適化計算及び初期値の設定]
状態推定装置1は、各ノードの状態値の算出のために最適化計算を実行するところ、かかる最適化計算のためには初期値の設定が必要である。本実施形態では、以下のように初期値が設定されたうえで、最適化計算が実行される。
<初期値の設定>
本実施形態では、初期値は、現在(第1時刻)の測定値、過去の所定の時刻(第2時刻)における測定値、及び、当該過去の所定の時刻における状態値に基づいて設定される。かかる「過去の所定の時刻」は、例えば次の時刻から適宜選択されてよい。
− 前回の状態値計算が実行された時刻。例えば、状態値の算出が1時間毎に実施される場合には、1時間前に測定された測定値、及び、1時間前に算出された状態値が採用される。なお、状態値の計算は、例えば15分間隔のように、任意の時間間隔で実行されてよい。
− 前日の同時刻。例えば、最新の状態値の算出が午前11時に実行される場合、前日の午前11時に測定された測定値、及び、その時刻に算出された状態値が採用される。
− 最新の測定値と最も近似した傾向を示す過去の測定値が測定された時刻。例えば、最新の測定値との偏差が最小となるような過去の測定値が測定された時刻における測定値、及びその測定値に対応して算出された状態値が採用される。なお、過去の測定値とその測定値に対応する状態値との間には、整合が取れているものとする。
次いで、選択された過去の測定値とその測定値に対応する状態値との差分を計算する。そして、かかる差分を各ノードにおける過去の状態値に配分した値を、各ノードにおける状態値を算出するための初期値として設定する。かかる差分の配分の一例としては、負荷全体の容量(例えば契約容量や設備容量)に対する、負荷側の各ノードの容量の割合に応じて、上記差分を按分することが挙げられる。
上述した初期値の設定手法を、図1に例示される電力系統90に則して具体的に説明する。まず、ノードni(1≦i≦7)を流れる電流の初期値|I|(1≦i≦7)を、以下の(式1)で計算する。
Figure 0006642116
ただし、|I base|は、選択された過去の時刻においてノードniを流れる電流の絶対値(状態値)、|ΔI|は、次の(式2)を用いて算出される、送り出しノードn0における測定値と状態値と間の差分の、ノードniへの配分である。
Figure 0006642116
ここで、|Ibase|は、選択された過去の時刻における送り出しノードn0での電流の絶対値(状態値)、Lはノードniに接続された負荷の契約容量、nは状態推定の対象となるノード数である。図1の電力系統90ではn=7である。
このように、本実施形態では、選択された過去の時刻における送り出しノードn0での測定値の、対応する状態値からの変化量(|I|−|Ibase|)を、負荷の契約容量に応じて各ノードの電流の絶対値(状態値)|I base|に配分することで、初期値|I|を計算する。
上述した(式1)及び(式2)に基づいて計算された初期値を用いると、負荷側のノードniに接続された負荷Li(1≦i≦7)における有効電力Pおよび無効電力Qは、以下の(式3)及び(式4)で計算される。
Figure 0006642116
Figure 0006642116
ここで、|V|はノードniにおける電圧絶対値の初期値であり、θはノードniにおける電圧Vと電流Iとの間の位相角の初期値である。初期値|V|としては、例えば、前回の状態値計算が実施された時刻における電圧の絶対値や、送り出しノードn0の電圧|V|が使用されてよい。また、初期値θは任意に設定されてよい。
このようにしてノードniに接続された負荷Liにおける有効電力Pおよび無効電力Qが設定された後、次の(式5)及び(式6)に示される潮流方程式を用いて潮流計算を行う。これにより、ノードniにおける電圧絶対値|V|、及び位相角θが得られる。
Figure 0006642116
Figure 0006642116
ここで、|Yi,j|は、ノードniとノードnj(1≦j≦7)との間のアドミタンスの絶対値、δi,jはノードniとノードnjとの間のインピーダンスの極座標形式における偏角である。また、*は複素共役を、Re{ }は括弧内の複素数の実部を、Im{
}は括弧内の複素数の虚部を、それぞれ示している。
上記(式5)及び(式6)を用いてノードniにおける電圧の絶対値|V|を算出することで、上記(式3)及び(式4)からノードniの電流の絶対値|I|を得ることができる。
そして、得られた電流の絶対値|I|及び電圧の絶対値|V|に基づいて、送り出しノードn0における状態値を算出することができる。なお、送り出しノードが複数存在する場合には、送り出しノード及びその下流の負荷ノードの組合せ毎に、上述した状態値の計算を行えばよい。
<最適化計算>
上記のようにして算出した初期値を用いて最適化計算を行い、送り出しノードn0における測定値と計算値(状態値)との差分が最小となるように、負荷側のノードniにおける状態値を決定する。最適化計算の例を以下に示す。ただし、以下の例では、送り出しノードが複数存在するものとしている。
送り出しノードにおける状態値と測定値の差を評価関数とし、次の(式7)で示す。
Figure 0006642116
ここで、fは評価関数、xは操作変数、kは送り出しノードの数(図1の電力系統90ではk=1)、Vm,iは送り出しノードiにおける電圧の測定値、V(x)は送り出しノードiにおける電圧の計算値、Im,iは送り出しノードiを流れる電流の測定値、I(x)は送り出しノードiを流れる電流の計算値、θm,iは送り出しノードiにおけ
る位相角、θ(x)は送り出しノードiにおける位相角の計算値、wは電圧絶対値の偏差に関する重み係数、wは電流絶対値の偏差に関する重み係数、wは位相角に関する重み係数である。本実施形態では、操作変数xの一例として、負荷側のノードniに接続された負荷Liにおける有効電力Pおよび無効電力Qが用いられている。
そして、上記(式7)で示される評価関数の値が最小となるような操作変数xを計算する。計算の際、上記(式7)に、電圧、電流、および状態値に対して制約条件を与えてもよい。
この計算に最適化手法を適用する。最適化手法としては、例えば逐次二次計画法や発見的手法であるParticle Swarm Optimization(PSO)等を適用することができる。
[状態推定装置の機能構成]
上述した最適化計算を実行するための状態推定装置1の機能構成を、図2を参照しつつ説明する。状態推定装置1は、図2に示されるように、入力部10、記憶部20、初期値設定部30、最適化計算部40、及び出力部50を含む。
入力部10は、測定器95との間のインターフェイスであるとともに、ユーザとの間のインターフェイスでもある。入力部10は、測定器95から出力された測定データを受信し、記憶部20に記憶する。入力部10はまた、ユーザ又は外部サーバから電力系統90に関するデータを受け付けて、記憶部20に記憶する。入力部10は更に、計算を実行する時間間隔や出力方式などに関するユーザの指令を受け付けてもよい。
記憶部20は、各種データを記憶するとともに、状態推定装置1の各機能を実行するためのプログラムを記憶している。かかる記憶部20は、系統データ記憶部21、測定データ記憶部22、基準データ記憶部23、初期値記憶部24、及び状態値記憶部25を含む。
系統データ記憶部21は、電力系統90を構成するノード及びブランチに関するデータを記憶する。ノードに関するデータは、例えば各ノードの種別である。ノードは、基準ノード(無限大母線)、PQ指定ノード、PV指定ノードに分類されるので、基準ノードでは電圧の絶対値および位相を指定し、PQ指定ノードではノードの有効電力および無効電力を指定し、PV指定ノードでは有効電力および電圧絶対値を指定することになる。また、各ノードの契約容量や設備容量も系統データ記憶部21に記憶される。ブランチに関するデータは、例えばノード接続情報、各ノード間のインピーダンス、変圧器の有無である。
測定データ記憶部22は、入力部10が測定器95から受信した、所定の時間間隔毎の測定データを記憶する。基準データ記憶部23は、後述する状態値記憶部25に記憶された所定の時間間隔毎の状態値のうち、選択された過去の時刻における状態値を記憶する。
初期値記憶部24は、上述した最適化計算に利用される初期値を記憶する。状態値記憶部25は、最適化計算部40が所定の時間間隔毎に算出した状態値を記憶する。状態値記憶部25は、測定データ記憶部22が記憶している過去分の測定データに対応する状態値を記憶していることが望ましい。
なお、測定データ記憶部22は、送り出しノードn0(第1ノード)の状態を示す測定値を取得する第1取得部に相当すると見ることができる。また、基準データ記憶部23は、過去の時刻における負荷側のノードn1〜n7の状態を示す計算値(状態値)を取得する第2取得部に相当すると見ることができる。あるいは、後述する初期値設定部30を、
第1取得部及び第2取得部に相当するものと見てもよい。また、記憶部20の全部又は一部は、状態推定装置1の外部のサーバに設けられてもよい。
初期値設定部30は、先に手順を詳しく説明したように、現在(第1時刻)における送り出しノードn0での測定値と、選択された過去の時刻(第2時刻)における送り出しノードn0での測定値と、選択された過去の時刻における負荷側のノードn1〜n7での状態値(計算値)と、に基づいて、現在におけるノードn1〜n7の状態値を算出するための初期値を設定する。
最適化計算部40は、先に手順を詳しく説明したように、初期値設定部30において算出された初期値と、現在における送り出しノードn0での測定値と、を用いて最適化計算を実行し、現在におけるノードn1〜n7の状態値を算出する。最適化計算部40は、計算結果を出力部50及び記憶部20に出力する。
出力部50は、最適化計算部40における計算結果を、例えば表示装置、プリンタ、外部装置などに出力する。
このような機能構成を有する状態推定装置1は、CPU、RAM、及びROMを備えたコンピュータによって実現することができる。上述した初期値設定部30及び最適化計算部40の各機能はCPUによって実行される。
[状態推定装置の動作]
上述した状態推定装置1の動作、つまり状態推定方法を、図3を参照しつつ説明する。
まずステップS1において、ノード、ブランチに関するデータが系統データ記憶部21から読み込まれる。
次いで、ステップS2において、測定データが測定データ記憶部22から読み込まれる。測定データは、例えば送り出しノードn0において測定された電圧絶対値、電流絶対値、及び力率である。ここ言う測定データは、上述したとおり、最新の測定データと、選択された過去の時刻における測定データと、を含む。
そして、ステップS3において、選択された過去の時刻における状態値が基準データ記憶部23から読み出される。
そして、ステップS4において、ステップS1〜S3で読みだされた系統データ、測定データ及び状態値を用いて初期値を設定する。かかるステップS4は、初期値設定部30において実行される。
ステップS5において、ステップS2で読みだされた最新の測定データと、ステップS4で設定された初期値と、を用いて最適化計算を実行し、状態値を更新する。かかるステップS5は、最適化計算部40において実行される。
そして、ステップS6において、最適化計算で得られた状態値を解として出力し、一連の処理が終了する。
[本実施形態の効果]
上記のとおり、本実施形態では、過去の測定値及び状態値に基づいて状態推定計算の初期値を設定するため、初期値を電力系統90の実際の運転状態に近づけることができる。したがって、電力系統90の状態を精度よく算出することができる。また、状態推定計算
の収束性が向上するとともに、計算時間を短縮することが可能となる。
[まとめ]
以上説明したように、状態を測定可能な送り出しノードn0と、状態を測定できない負荷側のノードn1〜n7と、を含む電力系統90におけるノードの状態を推定する電力系統の状態推定方法は、送り出しノードn0の状態を示す測定値を取得し、過去の時刻におけるノードn1〜n7の状態を示す計算値(状態値)を取得し、現在における測定値と、当該過去の時刻における測定値と、前記計算値(状態値)と、に基づいて、現在におけるノードn1〜n7の状態を示す値(状態値)を算出するための初期値を設定し、その初期値と、現在における測定値と、を用いて最適化計算を実行し、現在におけるノードn1〜n7の状態を示す値(状態値)を算出する。かかる実施形態によれば、最適化計算のための初期値を設定するに際して、現在における測定値のほかに、過去の測定値及び計算値(状態値)を考慮しているので、過去の系統運用を踏まえた初期値の設定が可能である。したがって、電力系統90の状態を精度よく推定することができる状態推定方法を提供することができる。また、かかる状態推定方法では、最適化計算における解の収束性が向上するとともに、計算時間の短縮化を図ることができる。
また、現在における測定値と過去の時刻における測定値との差分を、ノードn1〜n7の各ノードに按分し、各ノードに按分された値と、該当する各ノードについての計算値と、の和を、初期値として設定してもよい。例えば、上記差分は、各ノードに接続された負荷の容量に応じて按分されてもよい。かかる実施形態によれば、最新の測定値と過去の測定値との差分を各ノードに配分することで、過去の運用実績に則した適切な初期値を設定することが可能となる。その結果、計算の精度、解の収束性、計算時間の短縮化の更なる向上が期待される。
また、計算値(状態値)として、現在における測定値との間の誤差が最小となる計算値が選択されてもよい。かかる実施形態によれば、現在の系統の状態と近似する状態を示す過去のデータが用いられるので、初期値を適切に設定することが可能となる。このことは、電力系統90の状態の更に精度よく推定することを可能とする。また、解の収束性の更なる向上及び計算時間の更なる短縮が可能となる。
あるいは、状態を測定可能な送り出しノードn0と、状態を測定できない負荷側のノードn1〜n7と、を含む電力系統90におけるノードの状態を推定する電力系統の状態推定装置1は、送り出しノードn0の状態を示す測定値を取得する測定データ記憶部22と、過去の時刻におけるノードn1〜n7の状態を示す計算値(状態値)を取得する基準データ記憶部23と、現在における測定値と、過去の時刻における測定値と、上記計算値(状態値)と、に基づいて、現在におけるノードn1〜n7の状態を示す値(状態値)を算出するための初期値を設定する初期値設定部30と、前記初期値と、現在における測定値と、を用いて最適化計算を実行し、現在におけるノードn1〜n7の状態を示す値(状態値)を算出する最適化計算部40と、を備える。かかる実施形態によれば、最適化計算のための初期値を設定するに際して、現在における測定値のほかに、過去の測定値及び計算値(状態値)を考慮しているので、過去の系統運用を踏まえた適切な初期値の設定が可能である。したがって、電力系統90の状態を精度よく推定することができる状態推定装置を提供することができる。また、かかる状態推定装置では、最適化計算における解の収束性が向上するとともに、計算時間の短縮化を図ることができる。
プログラムは、状態を測定可能な送り出しノードn0と、状態を測定できない負荷側のノードn1〜n7と、を含む電力系統90におけるノードの状態を推定する電力系統の状態推定装置1に対して、送り出しノードn0の状態を示す測定値を取得する第1機能と、過去の時刻におけるノードn1〜n7の状態を示す計算値(状態値)を取得する第2機能
と、現在における測定値と、過去の時刻における測定値と、前記計算値(状態値)と、に基づいて、現在におけるノードn1〜n7の状態を示す値(状態値)を算出するための初期値を設定する第3機能と、前記初期値と、現在における測定値と、を用いて最適化計算を実行し、現在におけるノードn1〜n7の状態を示す値(状態値)を算出する第4機能と、を実行させる。かかる実施形態によれば、最適化計算のための初期値を設定するに際して、現在における測定値のほかに、過去の測定値及び計算値(状態値)を考慮しているので、過去の系統運用を踏まえた適切な初期値の設定が可能である。したがって、状態推定装置に対して電力系統90の状態を精度よく推定させることが可能なプログラムを提供することができる。また、かかるプログラムの実行により、最適化計算における解の収束性が向上するとともに、計算時間の短縮化を図ることができる。
なお、上述した実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
1 状態推定装置
10 入力部
20 記憶部
30 初期値設定部
40 最適化計算部
50 出力部
90 電力系統
95 測定器
n0〜n7 ノード
L1〜L7 負荷

Claims (5)

  1. 状態を測定可能な第1ノードと、状態を測定できない第2ノードと、を含む電力系統におけるノードの状態を推定する電力系統の状態推定方法であって、
    前記第1ノードの状態を示す測定値を取得し、
    第1時刻より前の第2時刻における前記第2ノードの状態を示す計算値を取得し、
    前記第1時刻における前記測定値と、前記第2時刻における前記測定値と、の差分を、前記第2ノードに属する各ノードに按分し、前記各ノードに按分された値と、該当する前記各ノードについての前記計算値と、の和を、前記第1時刻における前記第2ノードの状態を示す値を算出するための初期値として設定し、
    前記初期値と、前記第1時刻における前記測定値と、を用いて最適化計算を実行し、前記第1時刻における前記第2ノードの状態を示す値を算出する
    ことを特徴とする電力系統の状態推定方法。
  2. 前記差分は、前記各ノードに接続された負荷の容量に応じて按分される
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力系統の状態推定方法。
  3. 前記第2時刻は、前記第1時刻における前記測定値との偏差が最小となる測定値が測定された時刻である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力系統の状態推定方法。
  4. 状態を測定可能な第1ノードと、状態を測定できない第2ノードと、を含む電力系統におけるノードの状態を推定する電力系統の状態推定装置であって、
    前記第1ノードの状態を示す測定値を取得する第1取得部と、
    第1時刻より前の第2時刻における前記第2ノードの状態を示す計算値を取得する第2取得部と、
    前記第1時刻における前記測定値と、前記第2時刻における前記測定値と、の差分を、前記第2ノードに属する各ノードに按分し、前記各ノードに按分された値と、該当する前記各ノードについての前記計算値と、の和を、前記第1時刻における前記第2ノードの状態を示す値を算出するための初期値として設定する初期値設定部と、
    前記初期値と、前記第1時刻における前記測定値と、を用いて最適化計算を実行し、前記第1時刻における前記第2ノードの状態を示す値を算出する最適化計算部と、
    を備えることを特徴とする電力系統の状態推定装置。
  5. 状態を測定可能な第1ノードと、状態を測定できない第2ノードと、を含む電力系統におけるノードの状態を推定する電力系統の状態推定装置に対して、
    前記第1ノードの状態を示す測定値を取得する第1機能と、
    第1時刻より前の第2時刻における前記第2ノードの状態を示す計算値を取得する第2機能と、
    前記第1時刻における前記測定値と、前記第2時刻における前記測定値と、の差分を、前記第2ノードに属する各ノードに按分し、前記各ノードに按分された値と、該当する前記各ノードについての前記計算値と、の和を、前記第1時刻における前記第2ノードの状態を示す値を算出するための初期値として設定する第3機能と、
    前記初期値と、前記第1時刻における前記測定値と、を用いて最適化計算を実行し、前記第1時刻における前記第2ノードの状態を示す値を算出する第4機能と、
    を実行させるプログラム。
JP2016038670A 2016-03-01 2016-03-01 電力系統の状態推定方法、電力系統の状態推定装置、及びプログラム Active JP6642116B2 (ja)

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