JP5159695B2 - 配電系統状態推定方法及び配電系統状態推定装置 - Google Patents

配電系統状態推定方法及び配電系統状態推定装置 Download PDF

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本発明は、配電系統における各ノードの電圧や電力等の状態を推定する配電系統状態推定方法及び配電系統状態推定装置に関する。
近年、風力発電や太陽光発電等の自然エネルギーを利用した分散型電源の配電系統への導入が進んでいるが、分散型電源の発電出力は、時間帯ごとの風量や天候等の気象条件に左右されるため、分散型電源からの逆潮流による配電系統に与える影響が懸念されている。そこで、発電出力が不安定な分散型電源が導入された配電系統の状態を分析、評価するために、配電系統の状態推定手法として特許文献1及び2の手法が提案されている。
特許文献1では、潮流計算を用いて、分散型電源出力及び負荷電力の観測値と、観測点における計算値との誤差についての目的関数を最小化するような系統状態を、最適化手法の一つである粒子群最適化(PSO:Particle Swarm Optimization)により求めて、系統内の各地点の電圧及び電流を推定する手法が開示されている。なお、状態推定の対象となる配電系統の負荷の初期値は、系統側及び分散型電源側の発電電力の合計値を各負荷の設備容量による按分比により配分して求めるが、各負荷の力率が不明であるため事前に設定した力率で一定と仮定している。
特許文献2では、各区間内の電力値のサンプル情報等に基づいて各区間の注入電力のバラツキ(分布)を算出し、送出し電力の推定値と、実際の計測値とのミスマッチを求め、当該ミスマッチが所定値より大きい場合、当該推定値を初期値として処理を繰り返す手法が開示されている。
特許第3929235号 特開2000−245064号公報
しかしながら、上記特許文献の手法には、以下のような問題点がある。
まず、特許文献1の手法の場合、潮流計算を用いているため、計算時間が膨大となり、オンラインで高速に状態推定を行うのには不向きである。また、負荷の力率を一定と仮定しているため、状態推定の誤差が大きくなるおそれもある。
次に、特許文献2の手法の場合、各区間の一部の家庭のサンプル情報等を用いているため、実際の系統状況を正確に反映できないおそれがある。また、その結果として、分散型電源の運転状況が特異だった場合や、月日が経過した場合には、そのときの最新の状況を反映できないおそれがある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、配電系統の状態を容易に精度よく推定することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、コンピュータにより、配電系統におけるノードの状態を推定する配電系統状態推定方法であって、前記ノードは、電圧、通過有効電力及び通過無効電力を測定可能な測定可能ノードと、それらを測定できない測定不可ノードとを含み、前記コンピュータが、前記配電系統のうち、1の配電線に関する定数である配電線データ、当該配電線につながる各ノードの設備容量、利用率及び力率に基づいて、各ノードの電圧計算値、有効電力計算値及び無効電力計算値、通過有効電力計算値及び通過無効電力計算値を算出する計算式を記憶するステップと、前記測定可能ノードの電圧、通過有効電力及び通過無効電力の測定値と計算値を入力パラメータとし、各測定値及び各計算値のうち、対応する測定値と、計算値との差に関する評価値を算出する目的関数を記憶するステップと、前記配電線データ、前記設備容量、前記測定可能ノードの電圧測定値、通過有効電力測定値及び通過無効電力測定値を取得するステップと、各測定不可ノードの利用率及び力率を変化させながら、前記計算式を用いて前記測定可能ノードの電圧計算値、有効電力計算値及び無効電力計算値を求め、前記目的関数を用いて前記評価値を求めることにより、当該評価値が最小になるような各測定不可ノードの利用率及び力率の組合せを特定する最適化ステップと、特定した前記利用率及び力率の組合せに基づいて、前記計算式を用いて各測定不可ノードの電圧計算値、有効電力計算値及び無効電力計算値を求め、状態推定の結果として出力するステップと、を実行することを特徴とする。
この方法によれば、測定可能な一部のノードの測定値を用いて、配電線につながる測定不可の負荷や電源の状態を精度よく推定できる。また、潮流計算等の複雑な計算を行うことなく、簡単な計算で求めることができる。なお、最適化ステップにおいて、計測可能ノードに負荷が接続されている場合には、その計測可能ノードの利用率及び力率も含めて変化させる。また、状態推定の結果として出力するステップにおいて、計測可能ノードに負荷が接続されている場合には、その計測可能ノードの電圧計算値、有効電力計算値及び無効電力計算値も含めて求める。
また、本発明は、配電系統状態推定方法であって、前記計算式が、前記設備容量と、前記利用率とを乗算することにより、前記有効電力計算値を算出し、当該有効電力計算値を加算することにより、前記通過有効電力計算値を算出する第1の計算式を含むことを特徴とする。なお、第1の計算式は、発明を実施するための形態における式3及び式5に対応する。
また、本発明は、配電系統状態推定方法であって、前記計算式が、前記力率からリアクタンス率を求め、前記有効電力計算値に前記リアクタンス率を乗算し、当該乗算値を前記力率で除算することにより、前記無効電力計算値を算出し、当該無効電力計算値を加算することにより前記通過無効電力計算値を算出する第2の計算式を含むことを特徴とする。なお、第2の計算式は、発明を実施するための形態における式4及び式6に対応する。
また、本発明は、配電系統状態推定方法であって、前記配電線データが、各ブランチの抵抗、リアクタンス及び亘長を含み、前記計算式が、前記通過有効電力計算値、前記通過無効電力計算値及び前記配電線データから、前記電圧計算値を算出する第3の計算式を含むことを特徴とする。なお、第3の計算式は、発明を実施するための形態における式8及び式9に対応する。目的関数は、評価値が所定値より大きい場合と、小さい場合とに応じて数式を使い分けるようにしてもよい。
また、本発明は、配電系統状態推定方法であって、前記目的関数が、各測定値及び各計算値のうち、対応する測定値と、計算値との差の絶対値の合計値又はその合計値に所定の係数を乗算した値と、当該差の合計値の絶対値又はその絶対値に所定の係数を乗算した値とを加算した値を前記評価値として算出することを特徴とする。
この方法によれば、ノードごとの偏差及び偏差の合計という2つの観点から、各ノードの利用率及び力率の妥当性を評価することができる。また、所定の係数を乗算することにより、評価値に対する各項の重み付けを調整することができる。
また、本発明は、配電系統状態推定方法であって、前記最適化ステップが、タブサーチの手法を用いることを特徴とする。
また、本発明は、配電系統状態推定方法であって、前記最適化ステップが、「(1)現在状態として各ノードの利用率及び力率を記憶し、当該現在状態から所定個数の近傍状態を設定し、記憶する。(2)所定個数の各近傍状態について、前記目的関数を用いて前記評価値を求める。(3)所定個数の各近傍状態のうち、前記評価値が最も小さい前記近傍状態に前記現在状態を更新し、当該近傍状態をタブーリストに追加する。(4)当該近傍状態の評価値が最適解の評価値より小さい場合、当該近傍状態に前記最適解を更新する。(5)(3)で更新した前記現在状態から所定個数の近傍状態を設定し、記憶し、(2)に戻る。(6)所定の条件を満たすまで(2)〜(5)の探索処理を繰り返す。」の手順によることを特徴とする。
この方法によれば、タブーリストに含まれる状態を再度探索しないことにより、停滞せずに最適解を探索することができる。また、任意の条件を設定することにより、探索処理の繰り返しを制御することができる。
また、本発明は、配電系統状態推定方法であって、前記現在状態から所定個数の近傍状態を設定するには、前記現在状態である各ノードの利用率ごとに、所定の変化単位を設定し、当該変化単位に1〜4のいずれかの数値を乗算し、その乗算値に乱数により決定した正負の符号を付与し、当該符号を付与した乗算値を前記利用率ごとに加算し、近傍状態とし、前記現在状態である各ノードの力率ごとに、所定の変化単位を設定し、当該変化単位に1〜4のいずれかの数値を乗算し、その乗算値に乱数により決定した正負の符号を付与し、当該符号を付与した乗算値を前記力率ごとに加算し、近傍状態とすることを特徴とする。
また、本発明は、配電系統状態推定方法であって、前記所定の条件が、前記探索処理を所定の回数繰り返すこと又は前記評価値が所定の範囲内であることであることを特徴とする。
なお、本発明は、配電系統状態推定装置を含む。その他、本願が開示する課題及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、及び図面により明らかにされる。
本発明によれば、配電系統の状態を容易に精度よく推定することができる。
配電系統状態推定方法を実現する配電系統状態推定システム10の構成例を示す図である。 予め取得可能な配電系統のデータ及びプログラムの実行結果として求められるデータの例を示す図である。 電圧の計測値と、目的関数による電圧の計算値とを比較する図であり、(a)は計測値及び式1aによる計算値の曲線を示し、(b)及び(c)は計測値及び式1aと式1bによる計算値の曲線を示す。 配電系統の状態推定の処理例を示すフローチャートである。 現在負荷から近傍負荷を求める方法について説明する図である。 近傍負荷に関する係数aとb及び正負の符号の設定方法を示す図である。 近傍負荷に関する係数aとb及び正負の符号の設定方法を示す図である。 各ノードについて、既知の設備容量及び潮流計算の結果により設定された利用率と力率の値を示す図である。 潮流計算設定値から求められた各ノード及び各ブランチの有効電力、無効電力、電圧等の値を示す図である。 潮流計算結果を計測値とする地点である3点を示す図である。 計測地点を3点とした場合の、各ノードの電圧、有効電力、無効電力及び通過電流について、潮流計算による真値と、状態推定結果とを比較を示す図である。 計測地点を3点とした場合の、最適解の評価値の収束状況、電圧誤差の発生確率及び通過電流誤差の発生確率を示す図である。 潮流計算結果を計測値とする地点である4点を示す図である。 計測地点を4点とした場合の、各ノードの電圧、有効電力、無効電力及び通過電流について、潮流計算による真値と、状態推定結果とを比較を示す図である。 計測地点を4点とした場合の、最適解の評価値の収束状況、電圧誤差の発生確率及び通過電流誤差の発生確率を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を説明する。本発明の実施の形態に係る配電系統状態推定方法は、配電線に設置された設備(負荷や電源等)の情報と、配電線上の全ノードのうち、一部のノード(例えば、3又は4箇所程度)に付設された計測機器により計測される情報とを用いて、計測機器が設置されていないノードに設置される負荷や電源の状態(有効電力、無効電力、電圧等)を推定するものである。
≪システムの構成と概要≫
図1は、配電系統状態推定方法を実現する配電系統状態推定システム10の構成例を示す図である。
配電系統は、電圧、電流が計測可能な配電用遮断器CBから延設される配電線1と、配電線1を複数の区間に区分する計測機能付き開閉器2及び計測機能のない通常の開閉器3と、配電線1の各区間に設定され、配下の需要家の負荷7に向う給電箇所である受電点4と、配電線1の電圧降下を補償するSVR(Step Voltage Regulator:自動電圧調整器)5と、風力発電や太陽光発電等の分散型電源Gを配電線1に連系させる連系点6と、を備えて構成される。
計測機能付き開閉器2は、設置箇所(ノード)の電圧V及び設置箇所を通過する有効電力Pと無効電力Q(請求項における「ノードの電圧、通過有効電力及び通過無効電力」という記載に対応する。)を計測する機能を具備している。また、計測機能付き開閉器2、開閉器3、受電点4、SVR5及び連系点6は、情報処理装置100において、配電線1上それぞれ固有のノードとして取り扱われている。配電線1上のノードのうち、計測機能付き開閉器2は、電圧、通過有効電力及び通過無効電力を測定可能な測定可能ノードである。一方、開閉器3、受電点4、SVR5及び連系点6は、電圧、通過有効電力及び通過無効電力を測定できない測定不可ノードである。なお、ブランチは、隣接するノード間の区間であり、配電線1の一部によって実現される。
配電系統状態推定システム10は、上記の配電系統における配電用遮断器CB及び計測機能付き開閉器2に接続される通信装置(子局)8と、情報処理装置100の通信部(親局)103とを通信網200経由で通信可能に接続して構成される。
情報処理装置100は、配電系統の状態を推定する装置(配電系統状態推定装置)であり、処理部101、メモリ102、通信部103、記憶部104、入力部105、表示部106及び出力部107を備える。なお、情報処理装置100は、パソコンやサーバ等のスタンドアロン型として構成してもよいし、複数の装置を通信可能に接続したクライアントサーバ型として構成してもよい。
処理部101は、メモリ102に格納された各種プログラムを実行することによってシステム全体の制御を司るプロセッサである。メモリ102は、各種プログラムを格納するものであり、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等として実現される。通信部103は、通信網200を介して通信装置8と通信可能に接続され、通信装置8との間の通信により、計測機能付き開閉器2により計測された各ノードの計測データ(有効電力P、無効電力Q、ノード電圧V)を取得する。
記憶部104は、予め取得可能な設備データや計測データ、上記プログラムの実行結果として求められるデータ等を格納するものであり、ハードディスクやディスクアレイ装置として実現される。
図2は、記憶部104に記憶される予め取得可能な配電系統のデータ及びプログラムの実行結果として求められるデータの例を示す図である。予め取得可能なデータとしては、配電線1の線種・亘長、負荷7の設備容量(有効電力)及びSVR5の整定値(設備データ)並びにフィーダあたり3箇所程度に設置された計測機能付き開閉器2からの通過有効電力、通過無効電力及び電圧(計測データ)がある。プログラムの実行結果として求められるデータとしては、各ノードの負荷及び電圧(有効電力P、無効電力Q、ノード電圧V)がある。なお、最適化問題では、利用率ru及び力率pfを状態変数とする。
入力部105は、オペレータが各種のデータを入力するインタフェースであり、キーボードやマウス等によって実現される。表示部106は、上記プログラムの実行結果を表示するものであり、液晶ディスプレイ等によって実現される。出力部107は、上記プログラムの実行結果を出力するものであり、プリンタやロガー等として実現される。
≪状態推定手法における最適化問題のモデル化≫
配電系統の状態推定手法における最適化問題を定式化した目的関数を、次の式1a及び式1bに示す。そして、本最適化問題の制約条件として、式2aによる力率cosθの制約条件及び式2bによる負荷7の利用率ruの制約条件が定義される。ここで、i(=1〜n)は、ノードの番号であり、電圧、通過有効電力及び通過無効電力の測定値が取得可能なノードのみに関して各値を有し、それ以外のノードの各値はゼロとする。すなわち、式1におけるΣの計算は、電圧、通過有効電力及び通過無効電力が測定可能なノードについての和を示す。なお、2乗されている計算項は、絶対値に置き換えてもよい。
式1a及び式1bで表現した目的関数f(x)において、Vmiはノードiの電圧測定値であり、Viはノードiの電圧計算値である。Pmiはブランチi-1〜iの通過有効電力測定値であり、Pi-(i-1)はブランチi-1〜iの通過有効電力計算値である。Qmiはブランチi-1〜iの通過無効電力測定値であり、Qi-(i-1)はブランチi-1〜iの通過無効電力計算値である。また、a、b、c、d、e、fは重み付け係数である。
なお、Vmi、Pmi及びQmiは、情報処理装置100が計測機能付き開閉器2の通信装置8から受信した測定値(測定可能なノードの測定値)である。また、Vi、Pi-(i-1)及びQi-(i-1)は、他の測定可能なノードの測定値及び測定不可のノードの計算値から求められた、測定可能なノードの計算値である。
図3は、電圧の計測値と、目的関数による電圧の計算値とを比較する図である。図3(a)は、計測値及び式1aによる計算値の曲線を示す。電圧の計測値は配電線1のうちSVR5が設置された箇所で不連続に変化するので、SVR5より電源側における計測値及び計算値の偏差と、SVR5より負荷側における計測値及び計算値の偏差とが打ち消し合い、式1aの第4項が小さくなり、結果として評価値f(x)が小さくなる。SVR5前後の不連続な変化を満たす状態に遷移するためには、式1aを用いた場合、一旦、評価関数の計算値(評価値)が高い状態を経由する必要があるので、容易に最適解に到達できない(探索回数が増大してしまう)。このため、SVR5前後の不連続な変化を満たす状態に遷移するまでは、計測値及び計算値の偏差の和の評価項目を排除する必要がある。そこで、図3(b)に示すように、SVR5前後の不連続な変化を満たす状態の所定の評価値までは、計測値及び計算値の偏差の和がない式1bにより評価する。目的関数が所定の評価値以下になった後は、式1aに評価関数を変更して探索する。これにより、図3(c)に示すように、さらに真値に近い解を得ることができる。なお、所定値は、目的関数による電圧の計算値から決定する。例えば、電圧、有効・無効電力の偏差をそれぞれ50V、50kVA、50kVar等と決めて、式1bにより計算する。偏差の値は、最終的な誤差(目標値)の1.2倍等とするが、実際には試験系統で試行してから決定される。
≪配電系統の状態推定の処理例≫
図4は、配電系統の状態推定の処理例を示すフローチャートである。本処理は、配電系統状態推定システム10の情報処理装置100において、処理部101が、メモリ102又は記憶部104に記憶された設備データ及び通信部103により受信された計測データから、各ノードの有効電力、無効電力及び電圧を計算するものであり、最適化の手法としてメタヒューリスティクスの手法の一つであるタブサーチを適用する。以下に、その処理の概要を説明する。
まず、処理部101は、初期解の作成及び評価値の算出を行う(S400)。ここでは、式1の目的関数f(x)のパラメータのうち、測定可能なノードの電圧、通過有効電力及び通過無効電力の計算値の基になる、測定不可である各負荷の利用率及び力率を初期解として作成し、その初期解から各計算値を求める。なお、計測可能ノードに負荷が接続されている場合には、その計測可能ノードの利用率及び力率を初期解に含める。一方、通信部103を通じて計測機能付き開閉器2から各ノードの電圧、当該ノードを一端とするブランチごとの通過有効電力及び通過無効電力の計側値を取得する。そして、各計算値及び各計測値を目的関数f(x)に代入し、評価値を算出する。
次に、処理部101は、パターン及び乱数を組み合わせて100種類の近傍負荷を作成する(S401)。近傍負荷とは、現在負荷(最初は、初期解)として作成された各負荷の利用率及び力率を少しずつ変えたものであり、100種類とは、例えば、10種類の利用率×10種類の力率による。続いて、100種類の近傍負荷それぞれについて、各ブランチの通過有効電力P及び通過無効電力Q、各ノードの電圧降下Vを計算する(S402)。そして、目的関数f(x)により評価値を算出する(S403)。ここでは、S402で計算した各計算値及びS400で取得した各計測値を目的関数f(x)に代入して、評価値を算出する。
S403では、目的関数f(x)を使い分けるようにしてもよい。すなわち、初めに式1bにより評価値を求め、その評価値が所定値より小さい場合には、式1aで計算し直す。評価値が所定値より大きい場合には、そのまま式1bによる評価値を使用する。評価値が所定値付近の場合には、式1aと式1bによる評価値が混在する状態となるが、偏差の目標値から離れているため、近傍探索を繰り返すうちに、式1aのみの評価となり、問題はない。また、目的関数f(x)を使い分ける別の方法として、単純に探索回数で変更してもよい。この場合は、S403において現在の探索回数を確認して、所定の探索回数以前は式1bにより評価し、それ以降は式1aにより評価する。以上のような目的関数f(x)の使い分けは、例えば、配電線1にSVR5を設置した箇所で電圧が不連続に変化する場合に、SVR5を挟んで配電線1全体に亘る各ノードの電圧を求めるときに有効な方法になる。
さらに、処理部101は、最高評価の近傍負荷を現在負荷としてタブーリストに書き込む(S404)。ここでは、算出した目的関数f(x)の評価値のうち、最小(すなわち、計算値と、計測値との差が最も小さい。差の小さい方が評価は高い。)のものに対応する、各負荷の利用率及び力率を格納する。これによれば、タブーリストに含まれるものは、再度探索することはなく、停滞せずに最適解を探索することができる。
次に、処理部101は、最高評価の評価値が現最適解の評価値より小さいか否かを判定する(S405)。現最適解は、これまでの探索で最高評価の評価値のうち、最小値に対応する、各負荷の利用率及び力率であり、メモリ102又は記憶部104に格納される。最高評価の評価値が現最適解の評価値より小さい場合(S405:YES)、現最適解を最高評価の近傍負荷に書き換える(S406)。最高評価の評価値が現最適解の評価値より大きいか、同じ場合(S406:NO)、現最適解の書き換えはしない。
そして、設定した探索回数に達したか否かを判定し(S407)、探索回数に達していない場合(S407:NO)、S401に戻って次の探索を行う。このとき、前回の探索で最高評価の近傍負荷を現在負荷として用いる。探索回数に達している場合(S407:YES)、処理を終了する。そして、現最適解の各ノードの利用率及び力率の組合せに基づいて、各ノード(計測可能ノードに負荷が接続されている場合には、その計測可能ノードを含む。)の電圧、有効電力、無効電力、通過有効電力及び通過無効電力を算出し、算出した各数値を状態推定結果として表示部106に表示し、出力部107に出力する。
以上の処理では、探索回数ごとに、振っていく近傍負荷の中心(現在負荷)を変えていく。すなわち、最初は初期解を現在負荷とし、2回目以降は最高評価の近傍負荷を現在負荷とする。そして、そのときの最高評価の近傍負荷が、その時点の現最適解の評価値より小さい(評価として高い)場合に、当該最高評価の近傍負荷に現最適解を更新する。なお、探索処理の繰り返しを終了する条件としては、図4に示すように探索回数が所定値になった場合でもよいし、目的関数の評価値が所定範囲(例えば、所定値以下)になった場合でもよい。
続いて、各処理の詳細を説明する。
≪通過P、Qの算出方法≫
===ノード毎の負荷P、Qの算出===
各ノードの設備容量が予め分かっていることを前提条件として、各ノードの負荷の利用率及び力率を暫定的に設定することにより、設備容量、利用率及び力率から各ノードの有効電力及び無効電力を算出することができる。具体的には、以下の式3及び式4による。
===ブランチ通過P、Qの算出===
各ノードの有効電力及び無効電力が求められた場合、ブランチの通過有効電力及び通過無効電力を算出することができる。具体的には、以下の式5及び式6に示すように、ブランチi−1〜i(ノードi)の通過電力P、Qは、ノードi〜ノードnの各ノードのP、Qをそれぞれ合計する。
図5に示すように、各ノードにはノード番号がそれぞれ付与されており、そのノード番号は、配電線1の送電端(配電用遮断器CB)から配電線1の末端に向けて開始番号1から1ずつ増加して付与される。なお、各ノードの接続情報があればよいので、必ずしも順番に番号を付与しなくてもよい。例えば、図5において、ノード8と、ノード9との間のブランチ8〜9の通過有効電力及び通過無効電力は、ノード9〜ノード22の負荷の有効電力及び無効電力をそれぞれ積算する。なお、データ上の力率は、遅れを正、進みを負で持っているため、進みの場合は、無効電力Qi<0となる。
≪電圧降下計算方法≫
===ノードiに流れ込む電流とノードiの電圧の算出===
ノードi−1〜i間の電圧降下を計算し、変電所送出し電圧から逐次引き算を行う。具体的には、以下の式7、式8及び式9による。
まず、i=1からnまで式7〜式9の計算を繰り返し、逐次ノードの電圧を算出する。次に一度算出したViを用いて、式7及び式8のVi-1をViに置き換えて再度式7〜式9を繰り返して計算する。(前のノードの電圧を使用すると、式7及び式8で高い電圧を使うため、電流が小さくなり電圧降下も小さくなってしまうので、末端側の電圧を使って補正するようにしてもよい。)
以上から、測定可能ノードに関して、測定不可ノードの利用率及び力率を変化させながら、式3〜式9を用いて算出した通過有効電力、通過無効電力及び電圧降下の値を式1の目的関数f(x)に代入して評価値を求め、図4のS405及びS406に示すように、探索処理ごとにそれまでの最高評価値と比較し、更新する。これにより、目的関数f(x)の評価値が最小になる測定不可ノードの利用率及び力率のパターンを特定する。そして、その利用率及び力率のパターンから、測定不可ノードの電圧、有効電力及び無効電力を計算し、出力する。
≪近傍負荷の作成方法≫
図5は、現在負荷から近傍負荷を求める方法について説明する図である。現在負荷である利用率ru及び力率pf(iはノード番号)に対して、近傍負荷として利用率ru±aΔru及び力率pf±bΔpfを設定する。係数a及びbは、1、2、3、4のいずれかの数値であり、正負の符号は乱数により決定される。Δruは、利用率の変化単位であり、例えば、現在負荷の利用率ruの0.25%が用いられる。Δpfは、力率の変化単位であり、例えば、現在負荷の力率pfの0.2%が用いられる。
なお、aが4通り、bが4通り、正負の符号がランダムというのは一例であって、現在負荷である利用率及び力率に対する周辺値を近傍負荷としてランダムにそれぞれ適宜10通り設定すればよい。その結果、近傍負荷の力率及び利用率は、ノードごとに合わせて10×10=100通りとなる。
また、係数a及びbは、最適値から乖離している場合には現在負荷から大きく振るべきであり、最適値に近い場合には現在負荷から小さく振るべきである。その振るべき大きさを使い分けるものとする。例えば、全探索回数の1/4まではΔru及びΔpfを1%とし、その後は0.2%とする等が考えられる。また、探索回数に合わせて、より複雑に変化させてもよい。
図6及び図7は、近傍負荷に関する係数aとb及び正負の符号の設定方法を示す図である。図6に示すように、まず、係数aとbのそれぞれについて100種類の変化(近傍)パターンを作成する。例えば、全ノードの係数が増加(プラス)又は減少(マイナス)というパターンがあり、一方、各ノードの増減(プラス、マイナス)がランダムに(乱数を使って)決定されるパターンもある。そして、同じ番号のaの変化パターンと、bの変化パターンとを組み合わせて1つの変化パターンを作成する。ただし、図7に示すように、変化パターンの番号に沿った並べ方をaと、bとの間で変えるようにすることによって、色々な変化割合の組合せができるようにする。
以上により、現在負荷の利用率と力率のパターン(=系統の負荷、発電量)を少しずつ変化させた近傍負荷のパターンを100通り作成する。
≪現在状態の遷移方法≫
図4に示した配電系統の状態推定の処理において、現在状態(現在負荷)を遷移させる方法について説明する。
(1)予め設定した現在状態(各ノードの負荷の利用率及び力率)に対して100通りのパターン(近傍負荷)を作成する。
(2)作成した100通りのパターンについて、評価値(目的関数の計算結果)を算出する。
(3)最も評価の高い(すなわち、評価値の小さい)パターンを現在状態に置き換える。
(4)置き換えた現在状態を元にして、さらに100通りのパターンを作成し、(2)に戻る。
評価した全てのパターンに対して最高評価の値(評価値の最小値)及びパターン(利用率と力率)を記憶しておき、設定した回数の探索[(2)〜(4)の処理]を終了した際に解として算出する。探索ごとの最高評価の値のうち、さらに最も小さい評価値及びそのパターンを最適解として記憶するようにしてもよい。
以上によれば、簡易電圧降下計算を利用することにより、高速に配電系統の状態推定が可能であり、オンラインにも適用可能である。設備の利用率ru及び力率pfを状態変数とすることにより、効率よく最適化が可能であり、大きい負荷を重点的に最適化できる。また、開閉器区間の設備容量しか分からない場合には、区間内にノードを設けることにより、負荷分布を算出可能である。例えば、大きめの設備容量を設定して最適化を行う場合、区間負荷の合計が設備容量を上回らない制約条件を付加してもよい。なお、設備容量は初期値の作成に用いるだけなので、設備容量が不明の場合も状態推定が可能であり、区間内の負荷分布を算出可能である。
≪実施例≫
次に、図8〜図15を参照しながら、上記の配電系統状態推定方法を適用した実施例について説明する。特に、上記の状態推定方法による最適化の結果(計算値)と、潮流計算の結果(一部を真値、すなわち、計測値として用いる)とを比較する。
図8は、各ノードについて、既知の設備容量及び潮流計算の結果により設定された利用率と力率の値を示す図である。なお、ノード番号20のノードには、分散型電源Gが設置されている。
図9は、図8に示した潮流計算設定値から求められた各ノード及び各ブランチの有効電力、無効電力、電圧等の値を示す図である。各ノードについては、有効電力、無効電力、電圧、送出電圧降下積算値及び負荷電流の各数値が示されている。各ブランチについては、通過電流、通過有効電力、通過無効電力、有効電力ロス、無効電力ロス及び区間内電圧降下の各数値が示されている。
図10〜図12は、計測地点を3点とした場合の結果を示す図である。
図10は、潮流計算結果を計測値とする地点である3点を示す。ノード番号7、13、19の各ノードの電圧及びノードの区間6−7、12−13、18−19の各ブランチの通過有効電力と通過無効電力の潮流計算結果が計測値として示されている。
図11は、各ノードの電圧、有効電力、無効電力及び通過電流について、潮流計算による真値と、状態推定結果との比較を示す。なお、状態推定処理における探索回数は、1000回である。
図12は、最適解の評価値の収束状況、電圧誤差の発生確率及び通過電流誤差の発生確率を示す。探索回数は、100回以下で十分と考えられる。
図13〜図15は、計測地点を4点とした場合の結果を示す図である。
図13は、潮流計算結果を計測値とする地点である4点を示す。ノード番号4、10、13、19の各ノードの電圧及びノードの区間3−4、9−10、12−13、18−19の各ブランチの通過有効電力と通過無効電力の潮流計算結果が計測値として示されている。
図14は、各ノードの電圧、有効電力、無効電力及び通過電流について、潮流計算による真値と、状態推定結果とを比較を示す。計測地点を4点とした方が、3点とした方より、真値と、状態推定結果との差が小さくなっている。なお、状態推定処理における探索回数は、200回である。
図15は、最適解の評価値の収束状況、電圧誤差の発生確率及び通過電流誤差の発生確率を示す。探索回数は、100回以下で十分と考えられる。
以上本発明の実施の形態について説明したが、図1に示す情報処理装置100内の各部を機能させるために、処理部101で実行されるプログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録し、その記録したプログラムをコンピュータに読み込ませ、実行させることにより、本発明の実施の形態に係る配電系統状態推定システム10が実現されるものとする。なお、プログラムをインターネット等のネットワーク経由でコンピュータに提供してもよいし、プログラムが書き込まれた半導体チップ等をコンピュータに組み込んでもよい。
以上説明した本発明の実施の形態によれば、電圧等が測定可能な一部のノードの測定値を用いて、配電線1につながる測定不可の負荷や発電機の状態を推定できる。また、潮流計算等の複雑な計算を行うことなく、簡単な計算で求めることができる。
また、式1に示す目的関数f(x)を用いて、ノードごとの偏差の2乗の合計値と、偏差の合計値の2乗とを加算して評価値を算出するので、ノードごとの偏差及び偏差の合計という2つの観点から、各ノードの利用率及び力率の妥当性を評価することができる。また、a、b、c、d、e、fの各係数を乗算することにより、評価値に対する各項の重み付けを調整することができる。
そして、目的関数の評価値を最小にする最適化問題を解く手法としてタブサーチを用いるので、タブーリストに含まれる状態を再度探索しないことにより、停滞せずに最適解を探索することができる。また、任意の終了条件を設定することにより、探索処理の繰り返しを制御することができる。
以上によれば、配電系統の状態を容易に精度よく推定できるので、オンラインによる配電系統の監視制御が容易に可能になる。例えば、負荷により電圧降下を計算できるので、電圧管理の精度が向上し、適正電圧を維持することができる。また、設備利用率が向上し、過剰設備の除却、過負荷防止、事故時の融通範囲の拡大を図ることができる。さらに、負荷により事故時の融通計算を行うことにより、事故が発生したときにどういう配電系統で送電するべきかを検討することができる。
≪その他の実施の形態≫
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。例えば、上記実施の形態では、最適解探索手法としてタブサーチを示したが、式1に示す目的関数f(x)の評価値が最小になるような各ノードの利用率及び力率を特定できるのであれば他の手法でもよい。例えば、遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm:GA)や焼きなまし法を用いるようにしてもよい。
1 配電線
2 計測機能付き開閉器
3 開閉器
4 受電点
5 SVR
6 連系点
7 負荷
8 通信装置
10 配電系統状態推定システム
100 情報処理装置(配電系統状態推定装置)
101 処理部
104 記憶部
CB 配電用遮断器
G 分散型電源

Claims (10)

  1. コンピュータにより、配電系統におけるノードの状態を推定する配電系統状態推定方法であって、
    前記ノードは、電圧、通過有効電力及び通過無効電力を測定可能な測定可能ノードと、それらを測定できない測定不可ノードとを含み、
    前記コンピュータは、
    前記配電系統のうち、1の配電線に関する定数である配電線データ、当該配電線につながる各ノードの設備容量、利用率及び力率に基づいて、各ノードの電圧計算値、有効電力計算値及び無効電力計算値、通過有効電力計算値及び通過無効電力計算値を算出する計算式を記憶するステップと、
    前記測定可能ノードの電圧、通過有効電力及び通過無効電力の測定値と計算値を入力パラメータとし、各測定値及び各計算値のうち、対応する測定値と、計算値との差に関する評価値を算出する目的関数を記憶するステップと、
    前記配電線データ、前記設備容量、前記測定可能ノードの電圧測定値、通過有効電力測定値及び通過無効電力測定値を取得するステップと、
    各測定不可ノードの利用率及び力率を変化させながら、前記計算式を用いて前記測定可能ノードの電圧計算値、有効電力計算値及び無効電力計算値を求め、前記目的関数を用いて前記評価値を求めることにより、当該評価値が最小になるような各測定不可ノードの利用率及び力率の組合せを特定する最適化ステップと、
    特定した前記利用率及び力率の組合せに基づいて、前記計算式を用いて各測定不可ノードの電圧計算値、有効電力計算値及び無効電力計算値を求め、状態推定の結果として出力するステップと、
    を実行することを特徴とする配電系統状態推定方法。
  2. 請求項1に記載の配電系統状態推定方法であって、
    前記計算式は、前記設備容量と、前記利用率とを乗算することにより、前記有効電力計算値を算出し、当該有効電力計算値を加算することにより、前記通過有効電力計算値を算出する第1の計算式を含む
    ことを特徴とする配電系統状態推定方法。
  3. 請求項2に記載の配電系統状態推定方法であって、
    前記計算式は、前記力率からリアクタンス率を求め、前記有効電力計算値に前記リアクタンス率を乗算し、当該乗算値を前記力率で除算することにより、前記無効電力計算値を算出し、当該無効電力計算値を加算することにより前記通過無効電力計算値を算出する第2の計算式を含む
    ことを特徴とする配電系統状態推定方法。
  4. 請求項3に記載の配電系統状態推定方法であって、
    前記配電線データは、各ブランチの抵抗、リアクタンス及び亘長を含み、
    前記計算式は、前記通過有効電力計算値、前記通過無効電力計算値及び前記配電線データから、前記電圧計算値を算出する第3の計算式を含む
    ことを特徴とする配電系統状態推定方法。
  5. 請求項1に記載の配電系統状態推定方法であって、
    前記目的関数は、各測定値及び各計算値のうち、対応する測定値と、計算値との差の絶対値の合計値又はその合計値に所定の係数を乗算した値と、当該差の合計値の絶対値又はその絶対値に所定の係数を乗算した値とを加算した値を前記評価値として算出する
    ことを特徴とする配電系統状態推定方法。
  6. 請求項1に記載の配電系統状態推定方法であって、
    前記最適化ステップは、タブサーチの手法を用いる
    ことを特徴とする配電系統状態推定方法。
  7. 請求項6に記載の配電系統状態推定方法であって、
    前記最適化ステップは、
    (1)現在状態として各ノードの利用率及び力率を記憶し、当該現在状態から所定個数の近傍状態を設定し、記憶する。
    (2)所定個数の各近傍状態について、前記目的関数を用いて前記評価値を求める。
    (3)所定個数の各近傍状態のうち、前記評価値が最も小さい前記近傍状態に前記現在状態を更新し、当該近傍状態をタブーリストに追加する。
    (4)当該近傍状態の評価値が最適解の評価値より小さい場合、当該近傍状態に前記最適解を更新する。
    (5)(3)で更新した前記現在状態から所定個数の近傍状態を設定し、記憶し、(2)に戻る。
    (6)所定の条件を満たすまで(2)〜(5)の探索処理を繰り返す。
    の手順によることを特徴とする配電系統状態推定方法。
  8. 請求項7に記載の配電系統状態推定方法であって、
    前記現在状態から所定個数の近傍状態を設定するには、
    前記現在状態である各ノードの利用率ごとに、所定の変化単位を設定し、当該変化単位に1〜4のいずれかの数値を乗算し、その乗算値に乱数により決定した正負の符号を付与し、当該符号を付与した乗算値を前記利用率ごとに加算し、近傍状態とし、
    前記現在状態である各ノードの力率ごとに、所定の変化単位を設定し、当該変化単位に1〜4のいずれかの数値を乗算し、その乗算値に乱数により決定した正負の符号を付与し、当該符号を付与した乗算値を前記力率ごとに加算し、近傍状態とする
    ことを特徴とする配電系統状態推定方法。
  9. 請求項7に記載の配電系統状態推定方法であって、
    前記所定の条件は、前記探索処理を所定の回数繰り返すこと又は前記評価値が所定の範囲内であることである
    ことを特徴とする配電系統状態推定方法。
  10. 配電系統におけるノードの状態を推定する配電系統状態推定装置であって、
    前記ノードは、電圧、通過有効電力及び通過無効電力を測定可能な測定可能ノードと、それらを測定できない測定不可ノードとを含み、
    前記配電系統のうち、1の配電線に関する定数である配電線データ、当該配電線につながる各ノードの設備容量、利用率及び力率に基づいて、各ノードの電圧計算値、有効電力計算値及び無効電力計算値、通過有効電力計算値及び通過無効電力計算値を算出する計算式を記憶する手段と、
    前記測定可能ノードの電圧、通過有効電力及び通過無効電力の測定値と計算値を入力パラメータとし、各測定値及び各計算値のうち、対応する測定値と、計算値との差に関する評価値を算出する目的関数を記憶する手段と、
    前記配電線データ、前記設備容量、前記測定可能ノードの電圧測定値、通過有効電力測定値及び通過無効電力測定値を取得する手段と、
    各測定不可ノードの利用率及び力率を変化させながら、前記計算式を用いて前記測定可能ノードの電圧計算値、有効電力計算値及び無効電力計算値を求め、前記目的関数を用いて前記評価値を求めることにより、当該評価値が最小になるような各測定不可ノードの利用率及び力率の組合せを特定する最適化手段と、
    特定した前記利用率及び力率の組合せに基づいて、前記計算式を用いて各測定不可ノードの電圧計算値、有効電力計算値及び無効電力計算値を求め、状態推定の結果として出力する手段と、
    を備えることを特徴とする配電系統状態推定装置。
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