JP6634313B2 - 感光性樹脂組成物、それから形成された光硬化パターン、及びそれを備えた画像表示装置 - Google Patents

感光性樹脂組成物、それから形成された光硬化パターン、及びそれを備えた画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物、それから形成された光硬化パターン、及びそれを備えた画像表示装置に関する。
ディスプレイ分野において、感光性樹脂組成物は、フォトレジスト、絶縁膜、保護膜、ブラックマトリックス、カラムスペーサなどの多様な光硬化パターンを形成するために用いられる。具体的には、感光性樹脂組成物をフォトリソグラフィ工程により選択的に露光及び現像し、所望の光硬化パターンを形成する。この過程において、工程上の収率を向上させ、適用対象の物性を向上させるために、高感度の感光性樹脂組成物が要求されている。
近年、LCD製造工程では、生産性向上のために、パターン製造時に高温焼成工程よりは低温焼成工程で高信頼性のフィルタを製造する研究が行われている。しかしながら、200℃以下で従来の感光性樹脂組成物を硬化する場合は、前記樹脂組成物の硬化が十分行われず、下部基板との密着性が低下してパターンの剥離が発生したり、薄膜を形成するために露光量が増加して感度が低下する問題点などが発生している。このため、低温の焼成工程で十分に硬化可能な低温硬化型の着色感光性樹脂組成物に対する要求が高まっている。
さらに、低温硬化が可能なことと共に、感光性樹脂組成物が工程中に酸、アルカリなどの過酷な環境に置かれた場合に備えて、耐化学性を改善することも要求される。
特許文献1は、ブロックイソシアネート基を含むモノマー;エチレン性不飽和二重結合及び酸基を有するモノマー;及び1以上のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーで重合された共重合体を含むバインダ樹脂;エチレン性不飽和二重結合を有する多官能性モノマー;開始剤;着色剤及び溶媒を含む感光性樹脂組成物について開示しているが、前述の問題点に対する代案を提示していない。
韓国公開特許第2014−0147056号公報
本発明は、低温で硬化が可能であると共に、形成されたパターンの耐化学性などの耐久性に優れた感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記感光性樹脂組成物から形成された光硬化パターンを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、前記光硬化パターンを備えた画像表示装置を提供することを目的とする。
1.下記化学式1の化合物を含む感光性樹脂組成物。
(式中、R〜R、R及びRは、それぞれ独立に水素または炭素数1〜6の直鎖または分枝鎖のアルキル基であり、Rは水素であり、前記Xは、有機酸塩陰イオンである。)
2.前記項目1において、前記化学式1の前記化合物におけるR〜Rは、全て水素である、感光性樹脂組成物。
3.前記項目1において、前記化学式1の前記化合物の前記有機酸塩陰イオンは、p−トルエンスルホネート陰イオン、2−カルボキシベンゾエート陰イオン及びオクタノエート陰イオンからなる群より選択されるいずれか1つである、感光性樹脂組成物。
4.前記項目1において、前記化学式1の前記化合物は、組成物の全体100重量に対して0.05〜10重量部で含まれる、感光性樹脂組成物。
5.前記項目1において、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤及び溶媒をさらに含む、感光性樹脂組成物。
6.前記項目5において、前記アルカリ可溶性樹脂は、エポキシ基を有するアルカリ可溶性樹脂を含む、感光性樹脂組成物。
7.前記項目5において、前記アルカリ可溶性樹脂は、下記化学式2で表される繰り返し単位を有する第1樹脂、及び下記化学式3で表される繰り返し単位を有する第2樹脂を含む、感光性樹脂組成物。
(式中、R、R及びRは、互いに独立に水素またはメチル基であり、
は、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート及び2−(メタ)アクリロイルオキシエチルスクシネートからなる群より選択される単量体に由来した構造であり、
は、下記式(1)〜(9)からなる群より選択される単量体に由来した構造であり、

は、下記式(10)〜(12)からなる群より選択される単量体に由来した構造であり、


a=10〜60mol%、b=20〜50mol%、c=10〜70mol%である。)
(式中、R、R、R及びRは、互いに独立に水素またはメチル基であり、
は、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート及び2−(メタ)アクリロイルオキシエチルスクシネートからなる群より選択される単量体に由来した構造であり、
は、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、(2−フェニル)フェノキシエトキシ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−(2−フェニル)フェノールプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−(3−フェニル)フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフリル(メタ)アクリレート、(メタ)スチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、N−ベンジルマレイミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート及びテトラヒドロフリル(メタ)アクリレートからなる群より選択される単量体に由来した構造であり、
は、下記式(1)〜(9)からなる群より選択される単量体に由来した構造であり、

は、下記式(10)〜(16)からなる群より選択される単量体に由来した構造であり、

d=10〜30mol%、e=10〜20mol%、f=30〜60mol%、g=10〜30mol%である。)
8.前記項目5において、多官能チオール化合物をさらに含む、感光性樹脂組成物。
9.前記項目1において、70〜100℃で硬化が可能である、感光性樹脂組成物。
10.前記項目1〜9のいずれか1項に記載の前記感光性樹脂組成物から製造された、光硬化パターン。
11.前記項目10において、前記光硬化パターンは、接着剤層、アレイ平坦化膜パターン、保護膜パターン、絶縁膜パターン、フォトレジストパターン、カラーフィルタパターン、ブラックマトリックスパターン及びカラムスペーサパターンからなる群より選択される、光硬化パターン。
12.前記項目10に記載の光硬化パターンを含む、画像表示装置。
本発明の感光性樹脂組成物は、低温で硬化が可能であるため優れた反応性を示す。
また、本発明の感光性樹脂組成物から製造されたパターンは優れた耐化学性などの高い耐久性を示す。
本発明は、特にネガティブ型感光性樹脂に適用され得る。
本発明は、特定構造の化合物を含むことで、低温で硬化が可能であり、耐化学性に優れた感光性樹脂組成物、それから形成された光硬化パターン、及びそれを備えた画像表示装置に関する。
以下、本発明を詳しく説明する。
感光性樹脂組成物
本発明の感光性樹脂組成物は、下記化学式1の化合物を含む。
式中、R〜R、R及びRは、それぞれ独立に水素または炭素数1〜6の直鎖または分枝鎖のアルキル基であり、Rは水素であり、前記Xは、有機酸塩陰イオンである。
前記化学式1の化合物は、R位の水素がアシディック(acidic)であり、容易に離脱するので、100℃以下の低温でも感光性樹脂組成物の硬化を可能なようにする。特にアルカリ可溶性樹脂にエポキシ構造が含まれた場合、前記アシディック(acidic)水素が前記エポキシ環を開環させることにより、低温での硬化度をさらに向上させることができる。
本発明の一実施形態として、前記化学式1の化合物におけるR〜Rは、全て水素であってもよい。
前記化学式1の化合物の陰イオン(X)は、R位から離脱した水素と容易に結合せず、イオン化度が高く、かつ本発明の目的を逸脱しないものであれば、その種類に特に制限はない。具体的には、p−トルエンスルホネート陰イオン、2−カルボキシベンゾエート陰イオン及びオクタノエート陰イオンからなる群より選択されるいずれか1つであってもよい。
本発明の感光性樹脂組成物において、前記化学式1で表される化合物の含量は特に制限されず、具体的には、組成物の全体100重量に対して0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜5重量部で含むことができる。前記化学式1で表される化合物の含量が前述した範囲内であれば、感光性樹脂組成物の低温硬化能が一層向上する。
本発明の感光性樹脂組成物は、化学式1の化合物の他に、当分野での公知の成分をさらに含むことができる。例えば、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤及び溶媒をさらに含むことができる。
アルカリ可溶性樹脂
本発明において、アルカリ可溶性樹脂は、パターンを形成する際の現像処理工程で用いられるアルカリ現像液に対して可溶性を付与する成分であり、本発明の目的から逸脱しない範囲であれば、その種類を特に制限することなく用いることができる。
具体例としては、アクリル系共重合体として、カルボキシル基含有単量体及び前記単量体と共重合可能な他の単量体との共重合体などが挙げられる。
カルボキシル基含有単量体の具体例としては、不飽和モノカルボン酸、または不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸などの分子中に1以上のカルボキシル基を有する不飽和多価カルボン酸などの不飽和カルボン酸などが挙げられる。
これらのカルボキシル基含有単量体は、それぞれ単独にまたは2種以上を混合して用いることができる。
前記カルボキシル基含有単量体と共重合可能な他の単量体の具体例としては、芳香族ビニル化合物;
不飽和カルボン酸エステル類;
不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;
不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;
カルボン酸ビニルエステル類;
不飽和エーテル類;
シアン化ビニル化合物;
不飽和アミド類;
不飽和イミド類;
脂肪族共役ジエン類;
ポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ−n−ブチルアクリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレート、ポリシロキサンの重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基またはモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー類などが挙げられる。
これらの単量体は、それぞれ単独にまたは2種以上を混合して用いることができる。
アルカリ可溶性樹脂におけるカルボキシル基含有単量体単位の含有量は、通常10〜50質量%であり、好ましくは15〜40質量%であり、より好ましくは25〜40質量%である。カルボキシル基含有単量体単位の含有量が10〜50質量%の場合は、現像液に対する溶解性が良好であり、現像時にパターンが正確に形成される傾向があるので好ましい。
前記アクリル系共重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/コハク酸モノ(2−アクリロイルオキシ)/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/コハク酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)/スチレン/アリル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/スチレン/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体などが挙げられる。ここで、(メタ)アクリレートは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。
中でも、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/スチレン共重合体が好ましく用いられる。
前記アルカリ可溶性樹脂は、好ましくは、エポキシ基を有するアルカリ可溶性樹脂を含むことができる。
前記エポキシ基を有するアルカリ可溶性樹脂の一実施形態として、本発明のアルカリ可溶性樹脂は、下記化学式2で表される繰り返し単位を有する第1樹脂、及び下記化学式3で表される繰り返し単位を有する第2樹脂を含むことができる。
式中、R、R及びRは、互いに独立に水素またはメチル基であり、
は、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート及び2−(メタ)アクリロイルオキシエチルスクシネートからなる群より選択される単量体に由来した構造であり、
は、下記式(1)〜(9)からなる群より選択される単量体に由来した構造であり、

は、下記式(10)〜(12)からなる群より選択される単量体に由来した構造であり、
a=10〜60mol%、b=20〜50mol%、c=10〜70mol%である。
式中、R、R、R及びRは、互いに独立に水素またはメチル基であり、
は、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート及び2−(メタ)アクリロイルオキシエチルスクシネートからなる群より選択される単量体に由来した構造であり、
は、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、(2−フェニル)フェノキシエトキシ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−(2−フェニル)フェノールプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−(3−フェニル)フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフリル(メタ)アクリレート、(メタ)スチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、N−ベンジルマレイミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート及びテトラヒドロフリル(メタ)アクリレートからなる群より選択される単量体に由来した構造であり、
は、下記式(1)〜(9)からなる群より選択される単量体に由来した構造であり、


は、下記式(10)〜(16)からなる群より選択される単量体に由来した構造であり、

d=10〜30mol%、e=10〜20mol%、f=30〜60mol%、g=10〜30mol%である。
本発明において、化学式2及び化学式3で表される各々の繰り返し単位は、化学式2及び化学式3で表されたものに限定して解釈してはならず、括弧内のサブ繰り返し単位が、定められたモル%範囲内で、化学式2及び化学式3の直鎖のいずれの位置でも自由に位置することができる。すなわち、化学式2及び化学式3の各括弧はモル%で示すために、1つのブロックとして表示されているが、各サブ繰り返し単位は、当該樹脂内であれば、制限されることなく、ブロックとして、又はそれぞれ分離して位置され得る。
本発明に係る化学式2の化合物の好適な例としては、下記化学式2−1の化合物が挙げられる。
式中、R、R及びRは、互いに独立に水素またはメチル基であり、a=10〜60mol%、b=20〜50mol%、c=10〜70mol%である。
また、本発明に係る化学式3の化合物の好適な例としては、下記化学式3−1の化合物が挙げられる。
式中、R、R、R及びRは、互いに独立に水素またはメチル基であり、d=10〜30mol%、e=10〜20mol%、f=30〜60mol%、g=10〜30mol%である。
本発明に係る第1樹脂は、感光性樹脂組成物の耐化学性及び反応性を改善する機能をするものである。このような観点で、第1樹脂の重量平均分子量は6,000〜12,000であることが好ましい。前記分子量範囲において、最も優れた反応性及び耐化学性を示すことができる。
本発明に係る第2樹脂は、感光性樹脂組成物のパターン形成性及び耐熱性などの耐久性を改善する機能をするものである。このような観点で、第2樹脂の重量平均分子量は20,000〜30,000であることが好ましい。前記分子量範囲において、最も優れたパターン形成性及び耐熱性などを示すことができる。
本発明に係る第1樹脂と前記第2樹脂の混合重量比は、50:50〜90:10であり、好ましくは70:30〜80:20であってもよい。第1樹脂の含量が第2樹脂よりも少ないと、低温硬化性が低下し、現像後残渣が発生する。第1樹脂の含量が第2樹脂重量の9倍を超えると、パターン形成性が低下する。
本発明に係る第1樹脂及び第2樹脂は、互いに独立に、化学式2及び化学式3の繰り返し単位以外にも、当分野における公知の他の単量体で形成された繰り返し単位をさらに含んでいてもよく、化学式2の繰り返し単位のみで形成されてもよい。
アルカリ可溶性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常5,000〜50,000であり、好ましくは8,000〜40,000であり、より好ましくは10,000〜35,000であり、最も好ましくは10,000〜30,000である。アルカリ可溶性樹脂の分子量が5,000〜50,000であると、導膜硬度が向上し、残膜率も高く、未露光部の現像液に対する溶解性が良好であり、解像度が向上する傾向にあるので好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の酸価は、通常50〜150であり、好ましくは60〜140であり、より好ましくは80〜135であり、最も好ましくは80〜130である。酸価が50〜150であると、現像液に対する溶解性が向上して未露光部が溶解しやすく、高感度化して現像時に露光部のパターンが残って残膜率が向上する傾向にあるので好ましい。ここで、酸価とは、アクリル系重合体1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、通常、水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することで求められる。
アルカリ可溶性樹脂の含量は特に限定されず、具体的には、本発明の感光性樹脂組成物の全体100重量部に対して10〜90重量部、好ましくは25〜80重量部で含むことができる。前記のような含量で含まれる場合には、現像液への溶解性が十分であり、非画素部分の基板上に現像残渣が発生しにくく、現像時に露光部の画素部分の膜減少が生じにくいので、非画素部分の脱落性の良好な傾向がある。さらに、優れた機械的物性を有する光硬化パターンを形成することができるので好ましい。
光重合性化合物
本発明の感光性樹脂組成物に用いる重合性化合物は、製造工程中に架橋密度を増加させ、光硬化パターンの機械的特性を強化させることができる。
光重合性化合物は、当分野で用いられるものを特に制限なく用いることができ、例えば、単官能単量体、2官能単量体及びその他の多官能単量体である。その種類は特に限定されないが、下記化合物をその例として挙げられる。
単官能単量体の具体例としては、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。2官能単量体の具体例としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイルオキシエチル)エーテル、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。その他の多官能単量体の具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エトキシル化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロポキシル化ジペンタエリスリトールヘクサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。中でも、2官能以上の多官能単量体が好ましく用いられる。
前記重合性化合物の含量は、特に限定されないが、例えば、感光性樹脂組成物中の固形分を基準とし、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、10〜90重量部、好ましくは30〜80重量部の範囲で用いられる。重合性化合物の含量が前記範囲であると、優れた耐久性を有することができ、組成物の現像性を向上させることができる。
光重合開始剤
本発明に係る光重合開始剤は、前記光重合性化合物を重合できるものであれば、その種類は特に制限されず、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ビイミダゾール系化合物、チオキサントン系化合物、オキシムエステル系化合物からなる群より選択された少なくとも1種の化合物を用いることができ、好ましくは、ビイミダゾール系化合物またはオキシムエステル系化合物を用いることが好ましい。
また、前記光重合開始剤は、本発明の感光性樹脂組成物の感度を向上させるために、光重合開始助剤をさらに含んでいてもよい。本発明に係る感光性樹脂組成物は光重合開始助剤を含むことで、感度が一層高くなり、生産性を向上させることができる。
前記光重合開始助剤としては、アミン化合物、カルボン酸化合物及びチオール基を有する有機硫黄化合物からなる群より選択される1種以上の化合物が挙げられる。
前記光重合開始剤の含量は、特に限定されないが、例えば、固形分を基準とし、感光性樹脂組成物の全体100重量部に対して0.1〜10重量部で含むことができ、好ましくは0.1〜5重量部で含むことができる。前記範囲を満たすと、感光性樹脂組成物が高感度化して露光時間が短縮するので、生産性が向上し、高い解像度を維持することができ、また形成した画素部の強度および画素部の表面での平滑性が良好となることから好ましい。
溶媒
溶媒は、当該分野で通常用いるものであれば、いずれも制限なく用いることができる。
前記溶媒の具体例としては、エチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジアルキルエーテル類;エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;アルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート類;ブチルジオールモノアルキルエーテル類;ブタンジオールモノアルキルエーテルアセテート類;ブタンジオールモノアルキルエーテルプロピオネート類;ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類;芳香族炭化水素類;ケトン類;アルコール類;エステル類;環状エステル類などが挙げられる。ここで例示した溶媒は、それぞれ単独にまたは2種以上を混合して用いることができる。前記溶媒は、塗布性及び乾燥性の観点で、アルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、アルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、ブタンジオールアルキルエーテルアセテート類、ブタンジオールモノアルキルエーテル類、エステル類を好ましく用いることができ、さらに好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、メトキシブチルアセテート、メトキシブタノール、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチルなどを用いることができる。
前記溶媒の含量は、特に限定されず、具体的には、感光性樹脂組成物の全体100重量部に対して40〜95重量部、好ましくは45〜85重量部で含まれ得る。前記範囲を満たすと、スピンコータ、スリットアンドスピンコータ、スリットコータ(ダイコータ、カーテンフローコータとも称する。)、インクジェットコータなどの塗布装置により塗布したとき、塗布性が良好となるので好ましい。
添加剤
必要に応じて、本発明に係る感光性樹脂組成物は、充填剤、他の高分子化合物、硬化剤、レベリング剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、連鎖移動剤などの添加剤をさらに含んでいてもよい。
前記添加剤の含量は、特に限定されず、具体的には、感光性樹脂組成物の全体100重量部に対して0.1〜15重量部、好ましくは0.1〜10重量部で含まれ得る。
光硬化パターン及び画像表示装置
本発明は、前記感光性樹脂組成物から製造される光硬化パターン、及び前記光硬化パターンを含む画像表示装置を提供することを目的とする。
前記感光性樹脂組成物から製造された光硬化パターンは、低温硬化性に優れ、耐化学性などに優れる。これにより、画像表示装置における各種パターン、例えば、接着剤層、アレイ平坦化膜、保護膜、絶縁膜パターンなどに用いることができ、フォトレジスト、ブラックマトリックス、カラムスペーサパターン、ブラックカラムスペーサパターンなどに用いることもできるが、これに制限されるものではなく、特にフォトレジストパターンとして好適である。
このような光硬化パターンを具備するか、または製造過程中に前記パターンを用いる画像表示装置としては、液晶表示装置、OLED、フレキシブルディスプレイ等があるが、これらに限定されるものではなく、適用可能な当分野で知られているすべての画像表示装置を例示できる。
光硬化パターンは、前述した本発明の感光性樹脂組成物を基材上に塗布し、(必要に応じて露光及び現像工程を経た後)光硬化パターンを形成することで製造できる。
以下、本発明の理解を助けるために好適な実施例を示すが、これらの実施例は本発明を例示するに過ぎず、添付された特許請求の範囲を制限するわけではなく、本発明の範疇及び技術思想の範囲内において実施例に対し変更が多様であること且つ修正が可能であることは、当業者にとって明らかなことであり、このような変更及び修正が添付された特許請求の範囲に属するのも当然のことである。
製造例1:アルカリ可溶性樹脂(第1樹脂)の合成
還流冷却器、滴下漏斗及び撹拌機を備えた1Lのフラスコ内を窒素雰囲気とし、メチルエチルジエチレングリコール300g(4.05モル)を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。次いで、下記の化学式8及び化学式9の混合物(モル比は50:50)300g(1.36モル)、グリシジルメタクリレート150g(1.06モル)及びメタクリル酸50g(1.7モル)をメチルエチルジエチレングリコール140g(0.94モル)に溶解して溶液を調剤した。
製造した溶液を、滴下漏斗を用いて70℃に保温したフラスコ内に4時間かけて滴下した。一方、重合開始剤の2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30g(0.12モル)をメチルエチルジエチレングリコール225g(1.5モル)に溶解した溶液を、別途の滴下漏斗を用いて4時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の溶液の滴下が終了した後、4時間、70℃に維持した。その後、室温まで冷却し、固形分36.7質量%、酸価59mg−KOH/g(固形分換算)の共重合体(第1樹脂)の溶液を得た。
得られた第1樹脂の重量平均分子量Mwは、8,200、分子量分布は1.85であった。
このとき、前記分散樹脂の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定には、HLC−8120GPC(東ソー(株)製)装置を用い、またカラムは、TSK−GELG4000HXL及びTSK−GELG2000HXLを直列接続して用い、カラム温度は40℃、移動相溶媒はテトラヒドロフラン、流速は1.0ml/分、注入量は50μl、検出器RIを用い、測定試料濃度は0.6質量%(溶媒=テトラヒドロフラン)、校正用標準物質はTSK STANDARD POLYSTYRENE F−40、F−4、F−1、A−2500、A−500((東ソー(株)製))を用いた。
前記で得られた重量平均分子量及び数平均分子量の比を分子量分布(Mw/Mn)とした。
製造例2:アルカリ可溶性樹脂(第2樹脂)の合成
単量体として、スチレン30g(0.29モル)、メタクリル酸45g(0.5モル)、グリシジルメタクリレート135g(0.95モル)、2−(オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−5−イル)メチル−2−プロペノエート65g(0.3モル)を用いた以外は、製造例1と同様な方法にて、固形分32.4質量%、酸価31mg−KOH/g(固形分換算)の共重合体(第2樹脂)の溶液を得た。
得られた第2樹脂の重量平均分子量Mwは、28,000、分子量分布は3.20であった。
実施例1
製造例1により合成されたアルカリ可溶性樹脂(第1樹脂)の12.8重量部、製造例2により合成されたアルカリ可溶性樹脂(第2樹脂)の27.0重量部、光重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製)9.7重量部、光重合開始剤としてオキシムエステル系化合物OXE−01の0.7重量部、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールの0.2重量部、及び多官能チオール化合物として(2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3,5−トリイル)トリス(エタン−2,1−ジイル)トリス(3−メルカプトブタノエート((2,4,6−trioxo−1,3,5−triazinane−1,3,5−triyl)tris(ethane−2,1−diyl)tris(3−mercaptobutanoate))の7.3重量部に、添加剤としてSH−8400の0.1重量部を混合した。さらに、硬化度向上を目的で、U−CAT SA506(2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロピリミド[1,2−a]アゼピニウム(2,3,4,6,7,8,9,10−octahydropyrimido[1,2−a]aqepin−1−ium)、及びp−トルエンスルホネート(p−toluenesulfonate)の塩、San Apro社製)の0.2重量部、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの混合比(重量比)が4:6の溶媒を全体100重量部となるように混合し、3時間撹拌して感光性樹脂組成物を製造した。
実施例2
U−CAT SA810(陰イオンが2−カルボキシベンゾエート、San Apro社製)を用いた以外は、実施例1と同様な方法にて感光性樹脂組成物を製造した。
実施例3
U−CAT SA102(陰イオンがオクタノエート、San Apro社製)を用いた以外は、実施例1と同様な方法にて感光性樹脂組成物を製造した。
実施例4
U−CAT SA506を8重量部、溶媒を34.2重量部で含む以外は、実施例1と同様な方法にて感光性樹脂組成物を製造した。
実施例5
U−CAT SA506を12重量部、溶媒を30.2重量部で含む以外は、実施例1と同様な方法にて感光性樹脂組成物を製造した。
比較例1
U−CAT SA506を含まない以外は、実施例1と同様な方法にて感光性樹脂組成物を製造した。
比較例2
U−CAT SA506に代えて、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン(1,8−diazabicyclo[5,4,0]undec−7−ene)を含む以外は、実施例1と同様な方法にて感光性樹脂組成物を製造した。
比較例3
U−CAT SA506に代えて、U−CAT 5002(San Apro社製)を含む以外は、実施例1と同様な方法にて感光性樹脂組成物を製造した。
比較例4
U−CAT SA506に代えて、1−メチル−2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロピリミド[1,2−a]アゼピニウム(1−methyl−2,3,4,6,7,8,9,10−octahydropyrimido[1,2−a]aqepin−1−ium)、及びp−トルエンスルホネート(p−toluenesulfonate)の塩を用いた以外は、実施例1と同様な方法にて感光性樹脂組成物を製造した。
試験方法
2インチ×2インチのガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)を中性洗剤、水及びアルコールにより順次洗浄した後、乾燥した。このガラス基板上に、前記実施例及び比較例で製造された感光性樹脂組成物をそれぞれスピンコートした後、ホットプレートを用いて90℃で125秒間プリベークした。前記プリベークした基板を25℃に冷却した後、石英ガラス製フォトマスクとの間隔を150μmとし、露光機(UX−1100SM;Ushio(株)製)を用いて60mJ/cmの露光量(365nm基準)で光を照射した。このとき、フォトマスクは、次のパターンが、同一平面上に形成されたフォトマスクが用いられた。
30μm square patternの正四角形の開口部(Holeパターン)を有し、相互間隔が100μmであり、光照射後、非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%とを含む水系現像液に、前記導膜を25℃で60秒間浸漬して現像した。水洗後にオーブン中で80℃で1時間ポストベークを行った。このようにして得られたパターンについて、下記のような物性評価を行った。その結果を下記表1に示す。
(1)耐熱残膜率(低温硬化性能評価)
パターン形成が終了した現像後の硬化物を、80℃で1時間加熱して最終硬化した後、さらに230℃で30分加熱して追加加熱による膜収縮の程度を観察した。下記(2)〜(4)と同様の評価基準(5B〜0B)で耐熱残膜率を評価した。5Bが耐熱残膜率が高く、0Bが耐熱残膜率が低いことを示す。
低温硬化条件で硬化性能に優れた材料は追加加熱における膜収縮が小さいものと見なし、追加加熱後の耐熱残膜率が高いものが、より低温硬化性能に優れたものであると判断できる。
(2)耐酸性評価
前述の方法により製造された導膜を45℃でHNO及びHCl水溶液に2分間浸漬した。その後、カッタによりカットした表面にテープを貼り付け、剥がすときに導膜の剥離が発生する程度を標準試験条件(ASTM D−3359−08)に基づいて密着性を確認することで、耐酸性を評価した。
<評価基準>
5B:剥離0%
4B:剥離0%超5%未満
3B:剥離5%以上15%未満
2B:剥離15%以上35%未満
1B:剥離35%以上65%未満
0B:剥離65%以上
(3)アルカリ溶解性評価
製造した組成物を基板に塗布してそれぞれスピンコートした後、ホットプレートを用いて80℃で120秒間プリベークした。前記プリベークした基板を25℃に冷却後、0.04%KOH系水溶液に浸漬した後、90秒間導膜の溶解過程を観察した。下記基準によりアルカリ溶解性を評価した。
<評価基準>
5B:40秒未満経過後に溶解
4B:40秒以上60秒未満経過後に溶解
3B:60秒以上80秒未満経過後に溶解
2B:80秒以上100秒未満経過後に溶解
1B:100秒以上経過後に溶解
0B:剥離される
(4)耐剥離液性評価
前述の方法により製造された導膜を50℃でSAM−19(DONGWOO FINE−CHEM ストリッパー)に2分間浸漬した。その後、剥離発生の程度を(ASTM D−3359−08)に基づいて密着性を確認することで、耐剥離液性を評価した。
<評価基準>
5B:剥離しない
4B:0%超5%未満で剥離
3B:5%以上15%未満で剥離
2B:15%以上35%未満で剥離
1B:35%以上65%未満で剥離
0B:65%以上で剥離
(5)保存安定性評価
製造した組成物を23℃のインキュベータで48時間保管した後、粘度計(TVE−33L、Toki−SanGyo製)の温度を25℃に合わせ、マイクロピペットを用いて組成物を1.2mL滴下した。その後、粘度の変化を観察し、下記の評価基準に従った。
<評価基準>
○:2cp以上の変化なし
×:2cp以上の変化あり
前記表1から、本発明の範囲に含まれる実施例は、比較例に比べて、耐熱残膜率が高くなっていることから低温硬化性能に優れるとともに、耐酸性及び耐剥離液性が高くなっていることから耐化学性がさらに優れることがわかった。さらに、アルカリ溶解性評価において、溶解が速いほどアルカリ溶解性に優れると評価されたので、本発明はネガティブ型感光性樹脂(特に、ネガティブ型フォトレジスト)に適用可能であることを確認できた。

Claims (11)

  1. 下記化学式1の化合物と、
    エポキシ構造を含むアルカリ可溶性樹脂とを含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。

    (式中、R〜R、R及びRは、それぞれ独立に水素または炭素数1〜6の直鎖または分枝鎖のアルキル基であり、Rは水素であり、前記Xは、有機酸塩陰イオンである。)
  2. 前記化学式1の前記化合物におけるR〜Rは、全て水素である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記化学式1の前記化合物の前記有機酸塩陰イオンは、p−トルエンスルホネート陰イオン、2−カルボキシベンゾエート陰イオン及びオクタノエート陰イオンからなる群より選択されるいずれか1つである、請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記化学式1の前記化合物は、組成物の全体100重量に対して0.05〜10重量部で含まれる、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 光重合性化合物、光重合開始剤及び溶媒をさらに含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記アルカリ可溶性樹脂は、下記化学式2で表される繰り返し単位を有する第1樹脂、及び下記化学式3で表される繰り返し単位を有する第2樹脂を含む、請求項5に記載の感光性樹脂組成物。

    (式中、繰り返し単位aは、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート及び2−(メタ)アクリロイルオキシエチルスクシネートからなる群より選択される単量体に由来した構造であり、
    繰り返し単位bは、下記式(1)〜(9)からなる群より選択される単量体に由来した構造であり、 は、水素またはメチル基であり、

    繰り返し単位cは、下記式(10)〜(12)からなる群より選択される単量体に由来した構造であり、 は、水素またはメチル基であり、


    a=10〜60mol%、b=20〜50mol%、c=10〜70mol%である。)

    (式中、繰り返し単位dは、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート及び2−(メタ)アクリロイルオキシエチルスクシネートからなる群より選択される単量体に由来した構造であり、
    繰り返し単位eは、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、(2−フェニル)フェノキシエトキシ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−(2−フェニル)フェノールプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−(3−フェニル)フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフリル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、N−ベンジルマレイミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート及びテトラヒドロフリル(メタ)アクリレートからなる群より選択される単量体に由来した構造であり、
    繰り返し単位fは、下記式(1)〜(9)からなる群より選択される単量体に由来した構造であり、 は、水素またはメチル基であり、

    繰り返し単位gは、下記式(10)〜(16)からなる群より選択される単量体に由来した構造であり、 は、水素またはメチル基であり、


    d=10〜30mol%、e=10〜20mol%、f=30〜60mol%、g=10〜30mol%である。)
  7. 多官能チオール化合物をさらに含む、請求項5または6に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 70〜100℃で硬化が可能である、請求項1ないしのいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の前記感光性樹脂組成物から製造された光硬化パターン。
  10. 前記光硬化パターンは、接着剤層、アレイ平坦化膜パターン、保護膜パターン、絶縁膜パターン、フォトレジストパターン、カラーフィルタパターン、ブラックマトリックスパターン及びカラムスペーサパターンからなる群より選択される、請求項に記載の光硬化パターン。
  11. 請求項9または10に記載の光硬化パターンを含む、画像表示装置。
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