JP6627110B2 - 車両用シュノーケル - Google Patents
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Description
さらに、特にフロントピラーの流下水ガイドの位置で異音が発生し難くなる。
以下、図1から図5に基づいて本発明の実施形態1に係る車両用シュノーケルについて説明する。本実施形態に係る車両用シュノーケルは、SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)等のボンネット型車両の吸気系に使用されるシュノーケルである。なお、図中に示す前後左右及び上下は、シュノーケルが装着された車両(以下、車両10という)の前後左右及び上下に対応している。
本実施形態に係るシュノーケル20について説明する前に、そのシュノーケル20が取付けられる車両10の前部構造について簡単に説明する。車両10の車室12の前側には、図1、図2に示すように、ルーフパネル16の前部を左右両側から支える支柱状のフロントピラー14が設けられている。ルーフパネル16と左右のフロントピラー14とに囲まれた位置には、フロントガラス13がセットされる車室12の前面側開口部(図番省略)が形成されている。左右のフロントピラー14は、フロントガラス13の下側位置で車幅方向に延びるカウルパネル(図示省略)によって相互に連結されている。また、前記カウルパネルの下側には、車幅方向に延びるダッシュパネル(図示省略)が設けられており、そのダッシュパネルによって車室前側のエンジンルームERと車室12とが前後に仕切られている。
フロントピラー14の窓枠部140は、フロントガラス13の端縁を支える部分であり、左右のフロントピラー14の窓枠部140が左右対称に形成されている。このため、図2、図3に基づいて、右側のフロントピラー14における窓枠部140の構成について説明する。フロントピラー14の窓枠部140は、図3(図2のIII-III平断面図)に示すように、アウタパネル141とインナパネル143と補強パネル145とから筒状に形成されている。
シュノーケル20は、図1、図2等に示すように、車両ルーフ部の位置で空気を吸引し、その吸引した空気をエンジンのエアクリーナ10fまで導く装置である。これにより、車両10が悪路を走行中に、例えば、水がエンジンフード18の位置まで到達した場合でもエンジンのエアクリーナ10fに水が入り込むようなトラブルを防止できる。シュノーケル20は、図2、図4等に示すように、シュノーケル縦筒部22と、シュノーケル横筒部24と、前記シュノーケル横筒部24とエアクリーナ10fとをつなぐ連結筒部26とを備えている。
シュノーケル20のシュノーケル縦筒部22は、図2、図4に示すように、フロントピラー14の窓枠部140に沿って傾斜した状態で立設される縦筒本体部22mと、縦筒本体部22mに対して真上方向に曲げられた上端部22uと、その上端部22uに被せられた略円錐台形の屋根部22tとから構成されている。シュノーケル縦筒部22は、運転席からの視界を妨げないように、運転席から見てフロントピラー14の窓枠部140と重なる位置に配置されている。このため、シュノーケル縦筒部22の縦筒本体部22mは、図3に示すように、フロントピラー14の窓枠部140に対して斜め右前位置であって、窓枠部140から所定寸法だけ離れた位置に設置されている。これにより、シュノーケル縦筒部22の縦筒本体部22mとフロントピラー14の窓枠部140間には、図2に示すように、車幅方向に隙間Sが形成される。
シュノーケル横筒部24は、図1に示すように、右側のフロントフェンダパネル17の表面に沿ってフロントピラー14(窓枠部140)の位置からエアクリーナ10fと車両前後方向においてほぼ同位置まで車両前方に延びる筒状部材である。シュノーケル横筒部24の後端上部には、図2、及び図4等に示すように、シュノーケル縦筒部22の下端部が所定角度で連結される連結位置決め部24cが設けられている。また、シュノーケル横筒部24の前端部裏側には、図4に示すように、連結筒部26の側壁貫通部26kが接続される角形開口24hが形成されている。
連結筒部26は、図2に示すように、シュノーケル横筒部24の角形開口24hとエアクリーナ10fの空気吸入口(図示省略)とをつなぐ管路であり、フロントフェンダパネル17とエンジンルームERの壁部を貫通する側壁貫通部26kとフレキシブル管路26wとから構成されている。
エンジンが駆動されると、前記エンジンの負圧がエアクリーナ10f、及びシュノーケル20の連結筒部26を介してシュノーケル横筒部24、シュノーケル縦筒部22に加わるようになる。これにより、シュノーケル縦筒部22の屋根部22tの吸引口から車両10のルーフパネル16近傍の空気が吸引される。屋根部22tの吸引口から吸引された空気は、シュノーケル縦筒部22の上端部22uの外周面に沿って周方向にガイドされた後、上部開口からシュノーケル縦筒部22内に導かれる。そして、シュノーケル縦筒部22、シュノーケル横筒部24、及び連結筒部26を介してエアクリーナ10fに導かれる。これにより、悪路走行中に、例えば、水がエンジンフード18の位置まで到達した場合でもエアクリーナ10fに水が入り込むようなトラブルを防止できる。
本実施形態に係るシュノーケル20によると、シュノーケル縦筒部22は、フロントピラー14(窓枠部140)から車幅方向に離れた状態で車両10に取付けられている。このため、シュノーケル縦筒部22が車両10に取付けられた状態で、シュノーケル縦筒部22とフロントピラー14間には隙間Sが形成される。したがって、車両走行時には、シュノーケル縦筒部22とフロントピラー14(窓枠部140)間の隙間Sを高速の空気流が通過するようになる。ここで、シュノーケル縦筒部22におけるフロントピラー側の側面には、そのシュノーケル縦筒部22の高さ方向に複数の突起22bが形成されている。このため、シュノーケル縦筒部22とフロントピラー14間の隙間Sを通過する高速の空気流は複数の突起22bに衝突して拡散され、不規則な流れとなる。即ち、シュノーケル縦筒部22とフロントピラー14間の隙間Sを通過する空気流が高さ方向にほぼ一定速度の規則的な空気流とならない。このため、フロントピラー14のドリップチャンネル142に空気が集中的に当たらなくなり、ドリップチャンネル142の位置で笛吹き音等の異音が発生し難くなる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、シュノーケル縦筒部22の突起状の突起22bを車両前後方向に延びる扁平楕円状に形成する例を示した。しかし、扁平楕円状の突起22bを前後に傾斜させた状態で形成することも可能である。また、突起22bの形状を適宜変更することも可能である。また、本実施形態では、扁平楕円状の突起22bをシュノーケル縦筒部22の高さ方向に一定間隔で並べる例を示した。しかし、前記突起22bをシュノーケル縦筒部22の高さ方向に間隔を変えて配置することも可能であるし、突起22bのサイズや個数を変更することも可能である。
14・・・・・フロントピラー
20・・・・・シュノーケル
22・・・・・シュノーケル縦筒部
22b・・・・突起
22t・・・・屋根部
24・・・・・シュノーケル横筒部
26・・・・・連結筒部
142・・・・ドリップチャンネル(流下水ガイド)
S・・・・・・隙間
Claims (5)
- 車両のフロントピラーに沿って立設されるシュノーケル縦筒部を備えており、前記シュノーケル縦筒部を通して車両上方の空気をエンジンのエアクリーナまで導けるように構成された車両用シュノーケルであって、
前記シュノーケル縦筒部は、前記フロントピラーから車幅方向外側に離れた位置に配置される構成であり、
前記シュノーケル縦筒部における前記フロントピラー側の側面には、そのシュノーケル縦筒部の高さ方向に複数の突起が形成されており、
前記シュノーケル縦筒部に形成された複数の突起の突出端部は、車両前面視した場合に、前記フロントピラーに設けられた流下水ガイドと車幅方向におけるほぼ同座標に配置される構成である車両用シュノーケル。 - 請求項1に記載の車両用シュノーケルであって、
前記シュノーケル縦筒部は、そのシュノーケル縦筒部の突起により乱された空気流が前記フロントピラーに設けられた流下水ガイドに当たるように、前記流下水ガイドよりも一定寸法だけ前方に配置される構成である車両用シュノーケル。 - 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の車両用シュノーケルであって、
前記シュノーケル縦筒部の突起は、車両前後方向に延びるビード状に形成されている車両用シュノーケル。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両用シュノーケルであって、
前記シュノーケル縦筒部の上端位置には、下側に空気の吸引口を備える屋根部が設けられており、
前記屋根部は、吸引口から吸引された空気を前記シュノーケル縦筒部の外周面に沿って周方向にガイドした後、前記シュノーケル縦筒部の上部開口まで導けるように構成されている車両用シュノーケル。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の車両用シュノーケルであって、
前記シュノーケル縦筒部の下部に接続されるシュノーケル横筒部と、前記シュノーケル横筒部とエアクリーナとをつなぐ連結筒部とを備えており、
前記シュノーケル横筒部は、前記フロントピラーの位置からエンジンのエアクリーナと車両前後方向において同位置まで車両のフェンダパネルに沿って前方に延びるように設置される車両用シュノーケル。
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