JP5482616B2 - 自動車の前部構造 - Google Patents

自動車の前部構造 Download PDF

Info

Publication number
JP5482616B2
JP5482616B2 JP2010234564A JP2010234564A JP5482616B2 JP 5482616 B2 JP5482616 B2 JP 5482616B2 JP 2010234564 A JP2010234564 A JP 2010234564A JP 2010234564 A JP2010234564 A JP 2010234564A JP 5482616 B2 JP5482616 B2 JP 5482616B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
main body
width direction
inclined surface
vehicle width
tire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010234564A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012086657A (ja
Inventor
周平 西田
哲 岡本
邦弘 景山
岳司 中村
博之 比嘉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2010234564A priority Critical patent/JP5482616B2/ja
Publication of JP2012086657A publication Critical patent/JP2012086657A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5482616B2 publication Critical patent/JP5482616B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/88Optimized components or subsystems, e.g. lighting, actively controlled glasses

Description

本発明は、エンジンアンダーカバー及びタイヤディフレクタを備える自動車の前部構造に関するものである。
従来より、車両の空力特性を向上させる技術が知られており、その1つに、特許文献1に示すようなタイヤディフレクタを設けるものがある。このタイヤディフレクタは、前輪の前方に配置され、これにより、タイヤハウス内に流入する走行風を低減するためのものである。タイヤハウス内に走行風が流入すると、該走行風がタイヤハウスから流出する際に車両全体の走行風の流れを乱し、車両のCD値(空気抵抗係数)を悪化させるという問題がある。これに対し、タイヤディフレクタを設けることによって、タイヤハウス内へ流入する走行風を低減して、CD値を向上させている。
特開平10−305784号公報
しかしながら、タイヤディフレクタはタイヤハウスへの走行風の流入を低減することができるものの、走行風が衝突するため空気抵抗となってしまう。つまり、タイヤディフレクタを設ける構造においては、空力特性に改良の余地がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、タイヤディフレクタを備えた自動車の前部構造において空力特性をさらに向上させることにある。
本発明は、車両前部のエンジンアンダーカバーと、前輪の前方に設けられたタイヤディフレクタとを備えた自動車の前部構造が対象である。そして、前記エンジンアンダーカバーは、エンジンルームの下方を覆う本体部を有し、前記本体部の車幅方向外側であって前記タイヤディフレクタよりも前方には、後方に向かって下方に延びる傾斜面が設けられ、前記タイヤディフレクタは、前記傾斜面よりも車幅方向外側に突出して設けられ、前記傾斜面の前端部は、前記本体部の前端部よりも後方に位置しているものとする。
ここで、「前方」とは、前後方向における前側の真正面だけを意味するのではなく、車幅方向の位置関係は問わず、前後の位置関係における前であればよい。例えば、「タイヤディフレクタよりも前方」は、タイヤディフレクタの前側の真正面だけでなく、タイヤディフレクタよりも斜め前方も含む。
前記の構成の場合、車体の下方に流入する走行風は、エンジンアンダーカバーの本体部に対応する部分においては、本体部の下面に沿って後方へスムーズに流れていく。該走行風のうち、本体部よりも車幅方向外側の領域に流入する走行風は、一部が傾斜面により下方に案内され、残りがタイヤディフレクタに当たる。このように、本体部よりも車幅方向外側の領域に流入する走行風のうち一部は、下方に逃がされるため、タイヤディフレクタに当たる空気量を低減することができる。
また、タイヤディフレクタを傾斜面よりも車幅方向外側に突出して設けることによって、傾斜面が、エンジンアンダーカバーの本体部に近接することになる。そのため、傾斜面により下方に案内された走行風を、もともと存在する、本体部に沿って流れる走行風に合流させ易くなる。つまり、車両全体の走行風の流れを乱してしまうことを抑制することができる。
さらに、傾斜面の前端部を本体部の前端部よりも後方に位置させることによって、本体部の下面のうちの車幅方向端部において空気の流れが該下面から剥離することを防ぐことができる。つまり、前記傾斜面がない構成においては、タイヤディフレクタ前方における空気の淀みによって、該下面のうちの車幅方向端部における空気の流れがタイヤディフレクタの前方に巻き込まれて、該下面から剥離してしまう。これにより、CD値が悪化してしまう。それに対して、前端部を本体部の前端部よりも後方に位置させた傾斜面を設けることによって、本体部よりも車幅方向外側であって、タイヤディフレクタの車幅方向内寄り且つ前方の部分に、下方への空気の流れを作ることができる。つまり、本体部の下面に沿って空気の流れと、タイヤディフレクタ前方の空気の淀みとの間に、傾斜面による下方への空気の流れが存在するため、本体部とタイヤディフレクタとの境目で生じ得た空気流の剥離を防止することができる。これにより、本体部の下面においてスムーズな流れを作ることができ、CD値を向上させることができる。
さらにまた、傾斜面を設ける構成においては、傾斜面の寸法(例えば、長さや車幅方向の幅)を変更することによって、下方へ逃がす走行風とタイヤディフレクタに直接当てる走行風との割合を調節することができる。つまり、傾斜面の寸法によって、CD値を調節することができる。
また、前記傾斜面は、車幅方向において、前記本体部と隣接していることが好ましい。
前記の構成によっても、傾斜面により下方に案内された走行風を、もともと存在する、本体部に沿って流れる走行風にスムーズに合流させることができる。
さらに、前記傾斜面の前方において、該傾斜面の車幅方向内端縁と前記本体部の車幅方向外端縁とを連結する側面をさらに備えることが好ましい。
前記の構成の場合、本体部の車幅方向外側に流入する走行風のうち傾斜面により下方に案内される走行風を効率良く増加させることができる。詳しくは、傾斜面に正面から衝突する走行風だけでなく、車幅方向外側の斜め前から前記側面に衝突した走行風も、該側面により傾斜面まで案内し、該傾斜面により下方に案内することができる。つまり、本体部の車幅方向外側の領域に流入する走行風のうち、傾斜面により案内する走行風の割合を増加させることができる。
また、前記傾斜面の下端部は、前記本体部の下面と略同じ高さになっていることが好ましい。
前記の構成の場合、傾斜面により下方に案内された走行風を、もともと存在する、本体部に沿って流れる走行風にスムーズに合流させることができる。
本発明によれば、前記傾斜面を設けることによって、タイヤディフレクタの方に流れる走行風の一部を、タイヤディフレクタに当てることなく下方に逃がすことができるため、空力特性を改善することができる。
自動車の前部構造の左前の部分を下方から見た斜視図である。 自動車の前部構造の下面図である。 自動車の左側の前部構造を示す側面図である。 比較例1に係る図1に相当する斜視図である。 比較例2に係る図1に相当する斜視図である。
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に、自動車の前部構造の左前の部分を下方から見た斜視図を、図2に、自動車の前部構造の下面図を、図3に、自動車の左側の前部構造を示す側面図を示す。尚、本明細書で、特に断る場合を除いて、「前」とは車両前後方向における前を、「後」とは車両前後方向における後を意味する。
自動車の前部構造100は、フロントバンパ11と、フロントフェンダ12,12と、該フロントバンパ11及びフロントフェンダ12,12で囲まれたエンジンルーム10を上方から閉塞するエンジンフード13と、フロントフェンダ12,12の内部に形成されたタイヤハウス16,16内に位置する左右の前輪14,14と、タイヤハウス16,16の前部を区画形成する、左右のマッドガード15,15と、エンジンルーム10を下方から覆うエンジンアンダーカバー2と、各前輪14の前方に位置する、左右のタイヤディフレクタ3,3と、エンジンアンダーカバー2の後端に連結されたサスクロス18とを備えている。
前記エンジンアンダーカバー2は、エンジンルーム10の下方を覆う概略方形の本体部21と、該本体部21の車幅方向両端縁から立設された側壁部22,22とを有している。本体部21の前部は、上方に向かって緩やかに湾曲している。本体部21の前端部21bは、フロントフェンダ12の下端部に取り付けられている。各側壁部22は、第1側壁部23と、該第1側壁部23よりも後方且つ車幅方向外側に位置する第2側壁部25と、該第1側壁部23の後端縁と第2側壁部25の前端縁とを繋ぐ傾斜壁部24とを有している。つまり、側壁部22は、段差構造となっている。第2側壁部25には、スプラッシュシールド17が取り付けられている。スプラッシュシールド17は、タイヤハウス16とエンジンルーム10とを仕切る機能を有している。
前記マッドガード15は、概略三角形状の水平部15aと、水平部15aの後端縁から上方且つ後方へ湾曲しながら延びる湾曲部15bとを有している。湾曲部15bは、側面視で概略1/4円状に形成されている。マッドガード15,15はそれぞれ、エンジンアンダーカバー2の右側と左側に隣接されている。各マッドガード15は、水平部15aの前端部がフロントフェンダ12の下端部に取り付けられると共に、湾曲部15bの車幅方向外側端縁がフロントフェンダ12の車幅方向端縁及びフロントフェンダ12の前下端縁に取り付けられている。
前記タイヤディフレクタ3は、タイヤハウス16への走行風の流入量を低減するための部材である。タイヤディフレクタ3は、概略90°に屈曲した板状の部材である。詳しくは、タイヤディフレクタ3は、概略長方形状の本体部31と、本体部31の一端縁から延びて該本体部31とのなす角が略90°の取付部32とを有している。取付部32は、マッドガード15の水平部15aの後端部に取り付けられる。このとき、本体部31は、水平部15aの後端縁から下方に垂下し、その法線方向が車両前後方向を向いている。このように取り付けられたタイヤディフレクタ3は、エンジンアンダーカバー2の第2側壁部25の車幅方向外方であって、前輪14の前方に位置する。さらに詳しくは、タイヤディフレクタ3は、車両の前方から見て、車幅方向外側の端部が前輪14の車幅方向内側端縁とオーバーラップし、車幅方向内側の端部がスプラッシュシールド17とオーバーラップしている。すなわち、タイヤディフレクタ3は、タイヤハウス16のうち、前輪14よりも車幅方向内側の領域に対して、車両前後方向における正面(車両前側)に位置している。
続いて、エンジンアンダーカバー2の傾斜壁部24について詳しく説明する。
傾斜壁部24は、平板状の部材であって、後方に向かって下方に延びるように傾斜している。傾斜壁部24の車幅方向内端縁は、第1側壁部23の後端縁と連結され、その車幅方向外端縁は、第2側壁部25の前端縁と連結されている。傾斜壁部24の前端縁(上端縁でもある)は、第1側壁部23の上端縁と同じ高さに位置する。傾斜壁部24の下端縁(後端縁でもある)は、本体部21に繋がっている。詳しくは、本体部21は、傾斜壁部24の下端部近傍の部分が車幅方向外側に突出している。傾斜壁部24の下端部は、この本体部の突出した部分に繋がっている。
ここで、傾斜壁部24の車両外部に露出する面を傾斜面24aと、本体部21の車両外部に露出する面を下面21aと、第1側壁部23の車両外部に露出する面を第1側面23aと、第2側壁部25の車両外部に露出する面を第2側面25aと称する。
傾斜面24aの前端部(上端部でもある)は、エンジンアンダーカバー2の本体部21の前端部21bよりも後方に位置している。傾斜面24aの下端部(後端部でもある)は、本体部21の下面21aと略同じ高さに位置している。また、傾斜面24aは、本体部21と隣接しており、傾斜面24aの車幅方向内端縁は、第1側面23aの後端縁に接続されている。第1側面23aの下端縁(前端縁でもある)は、本体部21の下面21aの車幅方向外端縁に接続されている。つまり、傾斜面24aの車幅方向内端縁と本体部21の下面21aの車幅方向外端縁とは、第1側面23aを介して連結されている。傾斜面24aは、車両前方から見て、タイヤディフレクタ3の車幅方向内側に位置している。この第1側面23aが「側面」に相当する。
以下に、走行風の流れについて説明する。車両が前進するときには、走行風が相対的に車両前方から後方に向かって流れる。そして、車体の下方に流れ込む走行風のうち、エンジンアンダーカバー2の本体部21に流入する走行風は、下面21aに沿って後方へ流れる。エンジンアンダーカバー2の本体部21よりも車幅方向外側の部分に流入した走行風は、大部分がタイヤディフレクタ3の本体部31に当たり、本体部31よりも下方や車幅方向外方に流れていく。これにより、タイヤハウス16内に流入する風量が抑制される。さらに、エンジンアンダーカバー2の本体部21よりも車幅方向外側の部分に流入した走行風の一部は、傾斜壁部24の傾斜面24aに当たり、傾斜面24aにより下方に案内され、本体部21の下面21aに沿って流れる走行風に合流させられる。これにより、エンジンアンダーカバー2の本体部21よりも車幅方向外側の部分に流入した走行風の全てをタイヤディフレクタ3に衝突させるのではなく、その一部を本体部21の下方に逃がしている。タイヤディフレクタ3は、タイヤハウス16への走行風の流入を抑制してCD値(空気抵抗係数)を改善させることができるとはいっても、走行風が衝突する部材であるため空気抵抗となってしまう。それに対して、傾斜面24aを設けることによって、本体部21の車幅方向外側に流入した走行風の一部を、タイヤディフレクタ3に向かわせることなく、本体部21の下方へ合流させることができる。これにより、CD値をさらに改善することができる。
次に、風洞実験を行った結果について詳述する。前記の構成を有する車両を実施例とし、それに変更を加えた比較例を2つ用意した。
比較例1は、図4に示すように、傾斜面24aの前であって且つ第1側面23aの車幅方向外側に、本体部21の下面21aと面一となるブロック41を設けた。つまり、比較例1は、実施例の本体部21を車幅方向外側へ拡大し且つ、エンジンアンダーカバー2の側壁が段差構造ではなく、平坦な壁面となった構成となっている。
比較例2は、図5に示すように、タイヤディフレクタ3の前に、断面が2つの直角の角部を有する台形の四角柱42を、直角の角部が、本体部31と取付部32とで形成される90°の隅部に合致するように配置した。四角柱42の斜面(直角の角部と対向する面)42aが前方斜め下を向くようになっている。つまり、比較例2は、傾斜面24aが実質的に車幅方向外側に拡大されて、タイヤディフレクタ3へ衝突する走行風が全て、タイヤディフレクタ3の下方へ案内される構成となっている。
このように構成された実施例及び比較例1,2を用いた風洞実験(車速が140km/hを想定)を行い、CD値、CLf値、CLr値を測定した。CLf値は、フロント側のCL値(空気揚力係数)であり、CLr値は、リア側のCL値である。そして、実施例及び比較例1,2それぞれのCD値、CLf値、CLr値を、第1側面23aと第2側面25aとがなだらかに繋がり、後方に向かって車幅方向外側に膨出する(即ち、段差構造となっていない)側壁部22を有する構成のCD値、CLf値、CLr値と比較した。その変化量を表1に示す。
Figure 0005482616
表1からわかるように、実施例はCD値が、0.001だけ改善している。それに対して、比較例1は、CD値が変化せず、しかもリア側のCL値が0.002だけ悪化している。また、比較例2は、CD値が0.001だけ悪化し、リア側のCL値が0.007だけ改善されたものの、フロント側のCL値が0.004だけ悪化している。
比較例1は、実施的に本体部21を車幅方向外側に拡大しただけである。このようにして、エンジンアンダーカバー2の本体部21の下方に流れ込む空気量の割合を若干増加させ、タイヤディフレクタ3に衝突する空気量の割合を若干減少させるだけでは、CD値はほとんど改善されないことがわかる。
比較例2では、本体部21よりも車幅方向外側の領域に流入する走行風は、四角柱42の斜面42aに衝突し、斜面42aに案内されて、四角柱42の下方に流れ込む。四角柱42の後方にはタイヤハウス16が位置するため、四角柱42の下方に流れ込んだ走行風の一部は、そのまま後方に流れていくものもあれば、タイヤハウス16内に流入し、前輪14等に巻き込まれながら、タイヤハウス16内の空気流及び、タイヤハウス16から排出された後の空気流を乱してしまう。その結果、CD値が悪化したものと考えられる。
それに対し、実施例では、本体部21よりも車幅方向外側の領域に流入する走行風の一部を傾斜面24aにより本体部21の下方の流れに合流させることができるため、タイヤディフレクタ3に衝突する空気量を低減することができる。
また、実施例は、本体部21の車幅方向外側に流入する走行風のうち傾斜面24aにより本体部21の下方に合流させる空気量を、比較例1に比べて増加させることができる。詳しくは、実施例においては、傾斜面24aに正面から衝突する走行風に加えて、車幅方向外側の斜め前から第1側面23aに衝突し、第1側面23aに案内されて傾斜面24aに到達した走行風も本体部21の下方に合流させる。比較例1では、本体部21が単に車幅方向外側に拡大されただけで、拡大された部分は後方に奥まっていないため、車幅方向外側の斜め前からブロック41の側面に衝突した走行風は、タイヤディフレクタ3まで案内されて、タイヤディフレクタ3に衝突することになる。つまり、傾斜面24aの車幅方向への突出量と、比較例1における本体部21の車幅方向外側への拡大分が同じ量であっても、本体部21の車幅方向外側に流入する走行風のうち本体部21の下方に逃がされる空気量は実施例の方が多くなる。このため、実施例は、CD値を改善することができたものと考えられる。
さらに、実施例では、本体部21の下面21aのうちの車幅方向端部において空気の流れが該下面21aから剥離することを防ぐことができる。詳しくは、傾斜面24aが存在しない場合には、車幅方向において本体部21とタイヤディフレクタ3とが隣接する。タイヤディフレクタ3の前方においては、空気の淀みが生じている。かかる場合、本体部21の下面21aのうちの車幅方向端部(タイヤディフレクタ3に近接する部分)に沿って後方に流れる空気は、タイヤディフレクタ3の前方の空気の淀みに巻き込まれて、下面21aから剥離し易い。その結果、下面21aに沿って空気の流れが乱れ、CD値が悪化する虞がある。それに対して、前端部を本体部21の前端部21bよりも後方に位置させた傾斜面24aを設けることによって、下面21aに沿って空気の流れと、タイヤディフレクタ3の前方の空気の淀みとの間に、傾斜面24aに沿って下方へ導かれる空気の流れが存在することになる。その結果、下面21aに沿って空気流が、タイヤディフレクタ3に巻き込まれて、該下面21aから剥離することを抑制することができる。これにより、下面21aに沿った流れを安定させることができ、CD値を改善することができたものと考えられる。
したがって、本実施形態によれば、本体部21の車幅方向外側且つ、タイヤディフレクタ3の車幅方向内側であって、タイヤディフレクタ3よりも前方に傾斜面24aを設けることによって、本体部21の車幅方向外側の領域に流入する走行風の一部を下方へ導いて、タイヤディフレクタ3に向かわないようにすることができる。これにより、タイヤディフレクタ3に当たる走行風を低減することができる。
また、傾斜面24aを、タイヤディフレクタ3の車幅方向内側、即ち、本体部21に近接する位置に位置させることによって、傾斜面24aにより下方に案内する走行風を本体部21の下面21aの走行風に合流させ易くすることができる。
また、傾斜面24aの車幅方向内側端縁と下面21aの車幅方向外側端縁とを第1側面23aで連結することによって、車幅方向外側の斜め前方から第1側面23aへ衝突する走行風も傾斜面24aで下方へ逃がすことができるため、本体部21よりも車幅方向外側の部分に流入する走行風のうち、タイヤディフレクタ3に当たる走行風の割合を効果的に低減することができる。
さらに、傾斜面24aの前端部を本体部21の前端部よりも後方に位置させることによって、下面21aに沿った空気の流れがタイヤディフレクタ3の前方の空気の淀みに巻き込まれて、該下面21aから剥離することを防止することができる。これにより、下面21aに沿った流れを安定させることができる。
こうして、車両のCD値を改善して、空力特性を向上させることができる。
また、傾斜面24aの下端部を、本体部21の下面21aと同じ高さとすることによって、傾斜面24aにより下方に案内する走行風を本体部21の下面21aの走行風により一層合流させ易くすることができる。
さらに、傾斜面24a、即ち、傾斜壁部24を本体部21に隣接させることによって、前述の傾斜面24aの車幅方向内側端縁と下面21aの車幅方向外側端縁とを第1側面23aで連結する構成及び、傾斜面24aの下端部を本体部21の下面21aと同じ高さとする構成とを容易に実現することができる。
さらに、傾斜面24aの幅等の寸法を変更することによって、本体部21の車幅方向外側の領域に流入する走行風のうち、下方へ導く走行風の割合を調節することができる。
《その他の実施形態》
本発明は、前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
傾斜面24a(及び傾斜壁部24)は、エンジンアンダーカバー2の本体部21と一体に形成され、エンジンアンダーカバー2の一部となっているがこれに限られるものではない。傾斜面24a(及び傾斜壁部24)は、エンジンアンダーカバー2と別体で構成されていてもよい。例えば、エンジンアンダーカバー2の第1側面23aに、傾斜面24aを有する板状の傾斜壁部を配置した構成であってもよい。この傾斜壁部は、この位置に配置できる限りにおいては、エンジンアンダーカバー2に取り付けられてもよいし、マッドガード15に取り付けられてもよいし、タイヤディフレクタ3に取り付けられてもよいし、任意の取付構造を採用することができる。あるいは、傾斜壁部は、タイヤディフレクタ3と一体に形成されていてもよい。この場合、傾斜壁部は、タイヤディフレクタ3の本体部31の車幅方向内端部において、本体部31よりも前方に突出するようにして設けられる。
また、傾斜面24a(及び傾斜壁部24)の下端部は、本体部21の下面21aと略同じ高さであるが、これに限られるものではない。エンジンアンダーカバー2の下方には、下面21aに沿った走行風の大きな流れがあるので、傾斜面24a(及び傾斜壁部24)の下端部と本体部21の下面21aとが略同じ高さでなくても、傾斜面24aに案内された走行風は、下面21aに沿った走行風に容易に合流する。
さらに、タイヤディフレクタ3が傾斜面24aよりも車幅方向外側に位置し、傾斜面24aとタイヤディフレクタ3とが車両前方から見て重なっていないが、これに限られるものではない。すなわち、傾斜面24aがタイヤディフレクタ3よりも前方に位置する限り、傾斜面24aとタイヤディフレクタ3の車幅方向内側の部分とが車両前方から見て重なっていてもよい。
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、エンジンアンダーカバー及びタイヤディフレクタを備える自動車の前部構造について有用である。
100 自動車の前部構造
10 エンジンルーム
14 前輪
2 エンジンアンダーカバー
21 本体部
21a 下面
21b 前端部
23a 第1側面(側面)
24a 傾斜面
3 タイヤディフレクタ

Claims (4)

  1. 車両前部のエンジンアンダーカバーと、前輪の前方に設けられたタイヤディフレクタとを備えた自動車の前部構造であって、
    前記エンジンアンダーカバーは、エンジンルームの下方を覆う本体部を有し、
    前記本体部の車幅方向外側であって前記タイヤディフレクタよりも前方には、後方に向かって下方に延びる傾斜面が設けられ、
    前記タイヤディフレクタは、前記傾斜面よりも車幅方向外側に突出して設けられ、
    前記傾斜面の前端部は、前記本体部の前端部よりも後方に位置していることを特徴とする自動車の前部構造。
  2. 請求項1に記載の自動車の前部構造において、
    前記傾斜面は、車幅方向において、前記本体部と隣接していることを特徴とする自動車の前部構造。
  3. 請求項2に記載の自動車の前部構造において、
    前記傾斜面の前方において、該傾斜面の車幅方向内端縁と前記本体部の車幅方向外端縁とを連結する側面をさらに備えることを特徴とする自動車の前部構造。
  4. 請求項1乃至3の何れか1つに記載の自動車の前部構造において、
    前記傾斜面の下端部は、前記本体部の下面と略同じ高さになっていることを特徴とする自動車の前部構造。
JP2010234564A 2010-10-19 2010-10-19 自動車の前部構造 Expired - Fee Related JP5482616B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010234564A JP5482616B2 (ja) 2010-10-19 2010-10-19 自動車の前部構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010234564A JP5482616B2 (ja) 2010-10-19 2010-10-19 自動車の前部構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012086657A JP2012086657A (ja) 2012-05-10
JP5482616B2 true JP5482616B2 (ja) 2014-05-07

Family

ID=46258759

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010234564A Expired - Fee Related JP5482616B2 (ja) 2010-10-19 2010-10-19 自動車の前部構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5482616B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5737257B2 (ja) 2012-09-28 2015-06-17 トヨタ自動車株式会社 車両前部構造
CN105228888B (zh) * 2013-04-24 2017-06-27 丰田自动车株式会社 车辆用整流装置
JP6350482B2 (ja) 2015-10-22 2018-07-04 マツダ株式会社 自動車のデフレクタ構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012086657A (ja) 2012-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4811461B2 (ja) 車両用空力構造
JP4566282B1 (ja) 自動車用サイドバイザー
JP5737257B2 (ja) 車両前部構造
JP6066973B2 (ja) 車体側部構造
JP6477762B2 (ja) 車両の前部車体構造
JP6296120B2 (ja) 自動車の下部構造
JP5236810B2 (ja) ダンプトラック
JP5482616B2 (ja) 自動車の前部構造
JP4594220B2 (ja) アンダカバー
JP2009029334A (ja) 車体下部構造
JP5516280B2 (ja) 車両の後部車体構造
JP2015016835A (ja) フロアアンダーカバー構造
JP6336883B2 (ja) アンダーカバー
JP2007216913A (ja) 車両の空気抵抗低減構造
JP2006219019A (ja) 車両の前部整流構造
JP6485474B2 (ja) 車両用整流構造
WO2010026444A1 (en) Vehicle cab with a front air nozzle
JP5849922B2 (ja) 車両用整流構造
JP6138176B2 (ja) インナーフェンダー
JP2008179217A (ja) 車両用整流装置
JP6156396B2 (ja) 自動車の下部構造
CN107856619B (zh) 车辆用车身底罩结构
JPH10305784A (ja) 車体前部構造
JP2016055751A (ja) 車両のアンダカバー構造
JP5569338B2 (ja) 車両用空力装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130313

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20130401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140121

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5482616

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees