JP6623092B2 - 熱硬化性接着シートおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱硬化性接着シートおよびその製造方法に関する。
従来、自動車等の分野において、ブレーキライニングのような摩擦材と金属部材とを接着するために、液状の接着剤が使用されている。しかし、液状の接着剤は、作業性が悪く、塗布量の制御が難しく、また、溶剤の除去が必要になるため、作業性が悪い問題がある。
そこで、熱硬化性固体フィルム接着剤を用いることが提案されている。熱硬化性固体フィルム接着剤として、例えば以下のものが提案されている。
(1)(A)熱硬化性フェノール−アルデヒドレゾール樹脂、(B)分子当り平均1個より多い重合性アクリル基を持つ特定の光重合性樹脂、(C)成分(B)のための光重合開始剤、および(D)ポリビニルアセタールからなる液体組成物の層を化学線に暴露することにより得られる固体フィルム接着剤(特許文献1)。
上記(1)の固体フィルム接着剤は、例えば、剥離シート上に形成され、使用時に剥離シートが取り除かれ、適当な大きさに切断される。この固体フィルム接着剤を、結合すべき表面間に挟んで熱硬化させることでそれらの表面が結合される。
特開平5−209153号公報
しかし、上記(1)の固体フィルム接着剤は、ブレーキライニングのような粗面(多孔面)を有する摩擦材と滑面を有する金属部材との接着では、十分な接着強度を得ることができにくかった。また、接合されたとしても接着剤が被着体の接着部からはみ出すという問題を有していた。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、粗面(多孔面)を有する摩擦材と滑面を有する金属部材のような平面度の悪い被着体同士や、平行度の悪い被着体同士を強固に接着でき、被着体から接着剤のはみ出しを抑えることができる熱硬化性接着シートおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[]の構成を有する、熱硬化性接着シートおよびその製造方法を提供する。
[1]熱硬化性樹脂(A)と下記から選ばれた1種または2種以上の熱可塑性樹脂(B)とが溶剤により溶解された組成物から得られた熱硬化性接着シートであって、前記組成物に未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)が含有され、前記熱硬化性樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対して、未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)が50〜400質量部含有することを特徴とする熱硬化性接着シート。
<熱可塑性樹脂(B)>
ポリオレフィン樹脂及びその変性物、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリイミド樹脂、ジエン系ゴム及びその水添物、オレフィン系ゴ
[2]前記熱硬化性樹脂(A)が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド樹脂の少なくとも1種類以上であることを特徴とする前記[1に記載の熱硬化性接着シート。
]前記熱可塑性樹脂(B)が、ニトリルゴム、アクリルゴムの少なくとも1種類以上であることを特徴とする前記[1に記載の熱硬化性接着シート。
]前記未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド樹脂の少なくとも1種類以上であることを特徴とする前記[1に記載の熱硬化性接着シート。
]硬化剤又は硬化促進剤を1種類以上含有することを特徴とする前記[1]乃至[]のいずれか1項に記載の熱硬化性接着シート。
6]熱硬化性接着シートの製造方法であって、熱硬化性樹脂(A)、下記から選ばれた1種または2種以上の熱可塑性樹脂(B)、未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)及び前記熱硬化性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)を溶解し且つ未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)を溶解しない溶剤を含む液状の熱硬化性接着剤組成物を調製し、前記液状の熱硬化性接着剤組成物を基材上に塗布後、乾燥させて熱硬化性接着シートを得ることを特徴とする熱硬化性接着シートの製造方法。
<熱可塑性樹脂(B)>
ポリオレフィン樹脂及びその変性物、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリイミド樹脂、ジエン系ゴム及びその水添物、オレフィン系ゴム
]前記液状の熱硬化性接着剤組成物に硬化剤又は硬化促進剤を1種類以上含有することを特徴とする前記[]に記載の熱硬化性接着シートの製造方法。
本発明によれば粗面(多孔面)を有する摩擦材と滑面を有する金属部材のような平面度の悪い被着体同士や、平行度の悪い被着体同士を強固に接着でき、被着体から接着剤のはみ出しを抑えることができる熱硬化性接着シートおよびその製造方法を提供できる。
以下、本発明の熱硬化性接着シートを説明する。
本発明の熱硬化性接着シートは、熱硬化性樹脂(A)、熱可塑性樹脂(B)及び未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)を含有する。
<熱硬化性樹脂(A)>
熱硬化性樹脂(A)としては、例えば、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、イソシアナート樹脂、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、ナジイミド樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。この中でも特にエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド樹脂から選ばれた少なくとも1種類以上であることが熱硬化性接着シートの溶融粘度を容易に制御することができるため、平行度の悪い被着体同士を強固に接着でき、被着体から接着剤のはみ出しを抑えることができる。
また、熱硬化性接着シートには、酸無水物、ポリアミン、イソシアネート、イミダゾール類等の硬化剤を併用したり、有機過酸化物等の硬化応促進剤を添加してもよい。
<熱可塑性樹脂(B)>
熱可塑性樹脂(B)としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂及びその変性物、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレートやポリエチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン樹脂、アクリロニトリル−エチレンゴム−スチレン樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレン樹脂などのスチレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリアクリルニトリル、6-ナイロン、6,6-ナイロン、6T−PA、9T−PA、MXD6−ナイロンなどのポリアミド樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、エチレン−アクリル酸樹脂、エチレン−エチルアクリレート樹脂、エチレン−ビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデンなどの塩素樹脂、ポリフッ化ビニルやポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、メチルペンテン樹脂、セルロース樹脂等、ならびにオレフィン系エラストマー、グリシジル変性オレフィン系エラストマー、マレイン酸変性オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマー、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂などが挙げられる。
また、本発明で使用できる熱可塑性樹脂(B)としては、ジエン系ゴム及びその水添物〔例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、エポキシ化天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えば、エチレンプロピレンゴム、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム、アイオノマー〕、含ハロゲンゴム〔例えば、Br−IIR、CI−IIR、臭素化イソブチレン−p−メチルスチレン共重合体、クロロプレンゴム、ヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、マレイン酸変性塩素化ポリエチレンゴム〕、シリコーンゴム〔例えば、メチルビニルシリコーンゴム、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム〕、含イオウゴム〔例えば、ポリスルフィドゴム〕、フッ素ゴム〔例えば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコーン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム〕等を挙げることができる。
これらの熱可塑性樹脂は1種または2種以上を併用して用いることができる。
この中でも特にトリルゴム、アクリルゴムの少なくとも1種類以上であることが熱硬化性接着シートの溶融粘度を容易に制御することができるため、平面度の悪い被着体同士や、平行度の悪い被着体同士を強固に接着でき、被着体から接着剤のはみ出しを抑えることができる。
熱可塑性樹脂(B)の質量平均分子量(Mw)は、1000〜300万が好ましく、1万〜150万が特に好ましい。Mwが前記範囲の下限値以上であれば、熱硬化性接着シートを被接着体に接着させた際に容易に接着可能であり、上限値以下であれば、熱硬化性接着シートでの強度に優れ、接着シートの取り扱い性が良好になる。熱可塑性樹脂(B)のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算で測定される。
熱可塑性樹脂(B)のガラス転移温度は、熱硬化性接着シートを被接着体に接着させた際に容易に接着可能とするため、−100℃〜50℃が好ましく、−50℃〜40℃が特に好ましい。
熱可塑性樹脂(B)には、必要に応じて、例えば、粘着付与樹脂、充填剤、難燃剤、老化防止剤、帯電防止剤、軟化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤等の公知の添加剤等が含まれていてもよい。
熱硬化性接着シートにおける熱硬化性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)との割合は、熱硬化性樹脂(A)100質量部に対して熱可塑性樹脂(B)が100〜500質量部が好ましく、更に100〜200質量部が好ましい。熱可塑性樹脂(B)が100質量部未満の場合では、接着剤のシート化が困難となる(成膜性が悪くなる)。熱可塑性樹脂(B)が500質量部より多い場合では、熱硬化性接着シートのBステージが制御しにくくなる。したがって、接着剤の溶融粘度が低くなりすぎて被着体から接着剤のはみ出しを抑えにくくなったり、接着剤の溶融粘度が高くなりすぎて被着体への密着性が低下し、熱硬化した後の接合体にて、被着体界面での破壊が起こりやすくなる。
<未硬化の熱硬化性樹脂の粒子>
「未硬化の熱硬化性樹脂」とは、いわゆるBステージ以前の状態の熱硬化性樹脂をさす。具体的には、加熱により流動状態を経由して硬化にいたることのできる状態の熱硬化性樹脂をいう。つまり未硬化の熱硬化性樹脂は、融点を有しており、融点以上の温度に加熱すると溶融物となり、さらに加熱することで硬化物となる。
したがって、熱硬化性接着シートは、未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)の融点以上の温度に加熱すると、未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)が溶融して流動状態となる。流動状態となった未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)と熱可塑性樹脂(B)とが混和し、熱硬化性接着シートが通常の熱硬化性接着剤と同様の性状を示すようになる。その後、さらに加熱を行うことで、熱硬化性接着シートが硬化する。
未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)における熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いる他、適宜混合したり、酸無水物、ポリアミン、イソシアネート、イミダゾール類等の硬化剤を併用したり、有機過酸化物等の反応促進剤を添加してもよい。
エポキシ樹脂は、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、ナフタレン型、ビフェニル型、ジシクロペンタジエン型のものが特に好ましい。
フェノール樹脂としては、具体的にはアルキルフェノール型、p−フェニルフェノール型、ビスフェノールA型等のノボラックフェノール樹脂およびレゾールフェノール樹脂が好ましい。
イミド樹脂としては、アミドイミド樹脂、マレイミド樹脂、ナジイミド樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂粒子(C)としては、その熱硬化性樹脂粒子(C)の融点以上の温度に加熱して溶融させたときに、熱可塑性樹脂(B)と相溶するものが好ましい。これにより、熱硬化性接着シートを熱硬化性樹脂粒子(C)の融点以上の温度に加熱したときに、熱硬化性樹脂粒子(C)が溶融する。溶融した熱硬化性樹脂粒子(C)と熱可塑性樹脂(B)とが相溶して均一な組成物となり、硬化させたときに優れた接着強度が得られやすい。
熱硬化性樹脂粒子(C)の形状は特に限定されず、例えば球状、真球状、無定形、針状、繊維状、板状などでもよい。これらは2種類以上組み合わせて使用してもよい。熱硬化性樹脂粒子(C)の平均粒子径に関しても特に制限はないが、0.01μm〜200μmのものが、接着剤塗料の塗工性、熱硬化性接着シートの溶融特性を制御しやすく好適である。
熱硬化性接着シート中、熱硬化性樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対する熱硬化性樹脂粒子(C)の割合は、50〜400質量部が好ましく、100〜300質量部がより好ましい。熱硬化性樹脂粒子(C)の割合が50質量部未満の場合は、熱硬化した後の、接着剤の耐熱性が不十分となり、熱時のせん断強度が低下し、熱時に熱硬化性接着シートを用いて接着した被着体の間(例えば金属部品と摩擦材との間)で破壊されやすくなる。つまり、接着剤の凝集破壊、または、被着体界面での破壊が起こりやすくなる。熱硬化性樹脂粒子(C)の割合が400質量部より多いと、シート化が困難になる。
熱硬化性接着シート全体に対する熱硬化性樹脂粒子(C)の割合は、20〜95体積%であることが好ましく、25〜80体積%がより好ましい。熱硬化性樹脂粒子(C)の割合が20体積%未満の場合は、熱硬化した後の、接着剤の耐熱性が不十分となり、熱時のせん断強度が低下し、熱時に熱硬化性接着シートを用いて接着した被着体の間(例えば金属部品と摩擦材との間)で破壊されやすくなる。つまり、熱時に、接着剤の凝集破壊、または、被着体界面での破壊が起こりやすくなる。一方、熱硬化性樹脂粒子(C)の割合が95体積%より多いと、シート化が困難になる。
熱硬化性接着シートの厚さは、特に限定されず、用途等に応じて適宜設定できる。例えば1〜2000μm程度とすることができる。
必要に応じて、上記の熱硬化性樹脂(A)、熱可塑性樹脂(B)、熱硬化性樹脂粒子(C)、及び、これらの樹脂の混合物の硬化反応を促進させるため、または、熱硬化性樹脂(A)、及び熱可塑性樹脂(B)を乾燥加熱時にある程度硬化させて、接着シートの溶融粘度を高めるために、硬化剤または硬化促進剤を導入することとも可能である。
例として、ジアザビシクロオクタン、又はメチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5トリメチルヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、アセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、スクシニックアシッドパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−ミリスティルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ−アリルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカネート、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクテート、t−ヘキシルパーオキシネオデカネート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオヘキサネート、アセチルシクロヘキシルスルフォニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート等の有機過酸化物、1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチル−2−エチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール・トリメリット酸塩、1−ベンジル−2−エチルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチル−5−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−イソプロピルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾリウムトリメリテート、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2−メチルイミダゾリウムイソシアヌール酸付加物、2−フェニルイミダゾリウムイソシアヌール酸付加物、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン−イソシアヌール酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、4,4’−メチレン−ビス−(2−エチル−5−メチルイミダゾール)、1−アミノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(シアノエトキシメチル)イミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾール・ベンゾトリアゾール付加物、1−アミノエチル−2−エチルイミダゾール、1−(シアノエチルアミノエチル)−2−メチルイミダゾール、N,N’−[2−メチルイミダゾリル−(1)−エチル]−アジポイルジアミド、N,N’−ビス−(2−メチルイミダゾリル−1−エチル)尿素、N−(2−メチルイミダゾリル−1−エチル)尿素、N,N’−[2−メチルイミダゾリル−(1)−エチル]ドデカンジオイルジアミド、N,N’−[2−メチルイミダゾリル−(1)−エチル]エイコサンジオイルジアミド、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール・塩化水素酸塩等のイミダゾール類、トリフェニルフォスフィン等の反応促進剤を添加することができる。
<熱硬化性接着シートの製造方法>
熱硬化性接着シートの製造方法としては、例えば、以下の工程を有する製造方法が挙げられる。
基材上に、熱硬化性樹脂(A)、熱可塑性樹脂(B)、未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)及び前記熱硬化性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)を溶解し且つ未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)を溶解しない溶剤を含む液状の熱硬化性接着剤組成物を調製し、前記液状の熱硬化性接着剤組成物を基材上に塗布後、乾燥させて熱硬化性接着シートを形成する工程。
[熱硬化性接着剤組成物]
熱硬化性接着剤組成物における溶剤は、熱硬化性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)を溶解し且つ未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)を溶解しないものであれば特に限定されず、熱硬化性樹脂(A)、熱可塑性樹脂(B)、未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)それぞれの材質に応じて公知の溶剤のなかから適宜選択できる。
前記の工程を有する製造方法により熱硬化性接着シートを製造する場合、熱硬化性樹脂粒子(C)を構成する未硬化の熱硬化性樹脂としては、乾燥(溶剤を除去)する際の温度では溶融しないものが用いられる。具体的には、融点が溶剤の沸点よりも高い熱硬化性樹脂が用いられる。
また、融点が溶剤の沸点よりも高い未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)を用い、(C)の融点以下の温度で乾燥することで、(C)を溶融、反応させずに、熱硬化性樹脂(A)同士、熱可塑性樹脂(B)同士、または、(A)と(B)同士を反応させて、接着剤の溶融粘度、Bステージの状態を調整することが可能となる。前記の有機化酸化物、イミダゾール類、トリフェニルホスフィン等の反応促進剤を添加することも、接着剤の溶融粘度、Bステージの制御に有効である。
[基材]
基材としては、例えば剥離フィルム、剥離紙、その他の紙、不織布等が挙げられる。剥離フィルム、剥離紙としては、接着シートの特性を損なうものでなく、容易に剥離できるものであれば、いずれのものも使用できる。
剥離フィルムとしては、例えば樹脂フィルム、樹脂フィルムにシリコーン等の離型剤で剥離処理を施したもの等が挙げられ、剥離処理を施したものが好ましい。具体的には、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、シリコーン等で離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられる。
剥離紙としては、例えば樹脂コート紙、紙にシリコーン等の離型剤で剥離処理を施したもの等が挙げられる。剥離紙として具体的には、ポリエチレンコート紙、ポリプロピレンコート紙、シリコーン離型紙等が挙げられる。
基材の厚さは、樹脂フィルムを母材に用いた剥離フィルムの場合は、10〜100μmが好ましく、紙を母材に用いた剥離紙の場合は、50〜200μmが好ましい。
[塗布・乾燥]
塗布、乾燥はそれぞれ公知の方法により行うことができる。
例えば塗布方法としては、通常の塗工方式や印刷方式が挙げられる。具体的には、エアドクターコーティング、バーコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、ダムコーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティングや、グラビア印刷等の凹版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷等が使用できる。
乾燥方法としては、加熱方式、蒸気圧方式等が挙げられる。加熱方式としては、熱方式、赤外線方式、ランプ方式等が挙げられる。蒸気圧方式としては、真空方式、凍結乾燥方式、超臨海方式等が挙げられる。加熱方式によって、溶剤を加熱乾燥する際の乾燥条件は特に制限はないが、60〜150℃の範囲で、使用する溶剤によって適宜調整することが望ましい。60℃よりも低温であると熱硬化性接着シート中に溶剤が残り易く、また溶剤の揮発に伴って塗布した熱硬化性接着剤組成物の温度が低下して結露が起こり、樹脂成分が相分離、あるいは析出する場合があるため好ましくない。150℃よりも高温であると、未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)の溶融および硬化が進行したり、急な温度上昇によって塗膜が荒れるため好ましくない。乾燥時間についても特に制限は無いが、実用性を考慮すると1〜10分の処理が好ましい。
上記のようにして、熱硬化性接着シートに基材が積層した積層体が得られる。
得られた積層体は、ロール状に巻き取ってもよい。必要に応じて、前記積層体から基材を取り除く工程、前記積層体または熱硬化性接着シートを切断する工程等を行ってもよい。
乾燥後の熱硬化性接着シートには、基材側とは反対側に、セパレータ(保護層)として剥離フィルムまたは剥離紙を積層、ロール状に巻き取ることも可能である。剥離フィルムまたは剥離紙としては、前述に示した基材として使用できるものが好ましい。セパレータを有する基材付き熱硬化性接着シートを使用する際には、セパレータのみを剥離した後、熱硬化性接着シートを基材から剥離して使用する。
<作用効果>
熱硬化性接着シートにおいては、未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)を含有しているため、熱硬化性接着シートを、未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)の融点以上に加熱すれば、未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)が溶融し、熱硬化性接着シートが通常の熱硬化性接着剤と同様の性状を示し、他の部材との接着が可能となる。特に、溶融した未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)と熱可塑性樹脂(B)とが相溶する場合、未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)の融点以上に加熱したときに未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)と熱可塑性樹脂(B)とが均一な組成物となり、これを硬化させたときに優れた接着強度が得られやすい。
また、前記製造方法にあっては、熱硬化性接着剤組成物中の未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)が固形フィラーとして機能する。これにより熱硬化性接着剤組成物(塗料)に適度な粘性が付与され、厚い塗膜を形成することが可能となる。
未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)以外の固形フィラーを用いた場合、厚い塗膜を形成することはできるが、熱硬化性接着シートの接着力が低くなる問題がある。固形フィラーを含有させない場合、溶剤を多く入れると厚く塗れない問題があり、溶剤を少なくすると均一に塗れないか、又は全く塗れなくなる問題がある。
本発明では熱硬化性接着シートを厚く構成できるため、基材から熱硬化性接着シートを剥離しやすくなり、被接着体に接着させる場合に貼り付け器具又は人の手による取り扱いが容易となる。また、熱硬化性接着シートを厚く構成できるため、粗面(多孔面)を有する摩擦材と滑面を有する金属部材のような平面度の悪い被着体同士や、平行度の悪い被着体同士を強固に接着できる。
また、融点が溶剤の沸点よりも高い未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)を用い、(C)の融点以下の温度で乾燥することで、(C)を溶融、反応させずに、熱硬化性樹脂(A)同士、熱可塑性樹脂(B)同士、または、(A)と(B)同士を反応させて、接着剤の溶融粘度、Bステージの状態を調整することが可能となるため、被着体から接着剤のはみ出しを抑えることができる。
<用途>
熱硬化性接着シートの用途は、特に限定されず、従来、熱硬化性接着シート(シート状の熱硬化性接着剤)が使用されている各種の用途に使用できる。具体例としては、自動車のドラムブレーキにおける金属部品と摩擦材との接着剤、建材用途などが挙げられる。
以上、本発明の接着シートについて、実施形態を示して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。上記実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
(実施例1)
フェノール樹脂(レゾールフェノール樹脂、比重=1.2、トルエンに溶解)50質量部とニトリルゴム(アクリロニトリルブタジエン共重合体、ガラス転移温度=−30℃、質量平均分子量=50×10、トルエンに溶解)50質量部とイミダゾール化合物10質量部とをトルエン(沸点=110.6℃)300質量部に溶解した溶液へ、ビスマレイミド樹脂粒子(比重=1.4、融点=160℃、平均粒子径6μm、トルエンに未溶解)50質量部を混合して液状の熱硬化性接着剤組成物を得た。この熱硬化性接着剤組成物は、ニトリルゴム溶液中に粒状のビスマレイミド樹脂粒子が分散した状態であった。
次に、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の片面に、上記熱硬化性接着剤組成物を、乾燥後の厚さが100μmになるように塗布し、熱風循環型乾燥機中にて脱溶剤して熱硬化性接着シートを形成した。これにより、PETフィルム付き本発明の熱硬化性接着シートを得た。
(実施例2)
実施例1において、ビスマレイミド樹脂粒子(比重=1.4、融点=160℃、平均粒子径6μm、トルエンに未溶解)の含有量を400質量部とした以外は同様にしてPETフィルム付き本発明の熱硬化性接着シートを得た。
(実施例3)
実施例1において、ビスマレイミド樹脂粒子(比重=1.4、融点=160℃、平均粒子径6μm、トルエンに未溶解)の含有量を200質量部とし、更に有機過酸化物10質量部を追加した以外は同様にしてPETフィルム付き本発明の熱硬化性接着シートを得た。
(実施例4)
実施例1において、フェノール樹脂(レゾールフェノール樹脂、比重=1.2、トルエンに溶解)50質量部をフェノール樹脂(レゾールフェノール樹脂、比重=1.2、トルエンに溶解)25質量部及びエポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、比重=1.1、トルエンに溶解)25質量部に代えて、更にビスマレイミド樹脂粒子(比重=1.4、融点=160℃、平均粒子径6μm、トルエンに未溶解)の含有量を200質量部とした以外は同様にしてPETフィルム付き本発明の熱硬化性接着シートを得た。
(実施例5)
実施例1において、フェノール樹脂(レゾールフェノール樹脂、比重=1.2、トルエンに溶解)50質量部をフェノール樹脂(レゾールフェノール樹脂、比重=1.2、融点=135℃、トルエンに溶解)25質量部及びビスマレイミド樹脂25質量部(比重1.2、トルエンに溶解)に代えて、更にビスマレイミド樹脂粒子(比重=1.4、融点=160℃、平均粒子径6μm、トルエンに未溶解)の含有量を200質量部とした以外は同様にしてPETフィルム付き本発明の熱硬化性接着シートを得た。
(実施例6)
実施例1において、フェノール樹脂(レゾールフェノール樹脂、比重=1.2、トルエンに溶解)50質量部をエポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、比重=1.1、トルエンに溶解)25質量部及びビスマレイミド樹脂(比重1.2、トルエンに溶解)25質量部に代えて、更にビスマレイミド樹脂粒子(比重=1.4、融点=160℃、平均粒子径6μm、トルエンに未溶解)の含有量を200質量部とした以外は同様にしてPETフィルム付き本発明の熱硬化性接着シートを得た。
(実施例7)
実施例1において、ニトリルゴム(アクリロニトリルブタジエン共重合体、ガラス転移温度=−30℃、質量平均分子量=50×10、トルエンに溶解)50質量部をアクリルゴム(アクリル酸エステル共重合体、ガラス転移温度=15℃、質量平均分子量=70×10、トルエンに溶解)に代えて、更にビスマレイミド樹脂粒子(比重=1.4、融点=160℃、平均粒子径6μm、トルエンに未溶解)の含有量を200質量部に代えた以外は同様にしてPETフィルム付き本発明の熱硬化性接着シートを得た。
(実施例8)
実施例1において、ビスマレイミド樹脂粒子(比重=1.4、融点=160℃、平均粒子径6μm、トルエンに未溶解)の含有量を100質量部とし、更にレゾールフェノール樹脂粒子(比重=1.2、融点=135℃、平均粒子径6μm、トルエンに未溶解)100質量部を追加した以外は同様にしてPETフィルム付き本発明の熱硬化性接着シートを得た。
(実施例9)
実施例1において、ビスマレイミド樹脂粒子(比重=1.4、融点=160℃、平均粒子径6μm、トルエンに未溶解)の含有量を100質量部とし、更にエポキシ樹脂粒子(ビフェニル型エポキシ樹脂、比重=1.2、平均粒子径6μm、トルエンに未溶解)100質量部を追加した以外は同様にしてPETフィルム付き本発明の熱硬化性接着シートを得た。
(実施例10)
実施例1において、ビスマレイミド樹脂粒子(比重=1.4、融点=160℃、平均粒子径6μm、トルエンに未溶解)50質量部をレゾールフェノール樹脂粒子(比重=1.2、融点=135℃、平均粒子径6μm、トルエンに未溶解)100質量部及びエポキシ樹脂粒子(ビフェニル型エポキシ樹脂、比重=1.2、平均粒子径6μm、トルエンに未溶解)100質量部に代えた以外は同様にしてPETフィルム付き本発明の熱硬化性接着シートを得た。
(比較例1)
実施例1において、フェノール樹脂(レゾールフェノール樹脂、比重=1.2、トルエンに溶解)の含有量を250質量部とし、ビスマレイミド樹脂粒子(比重=1.4、融点=160℃、平均粒子径6μm、トルエンに未溶解)を含有しない以外は同様にしてPETフィルム付き比較用の熱硬化性接着シートを得た。
(比較例2)
実施例1において、ビスマレイミド樹脂粒子(比重=1.4、融点=160℃、平均粒子径6μm、トルエンに未溶解)50質量部を200重量部とし、溶剤をN,N−ジメチルホルムアミド(沸点=153℃)300質量部とし、マレイミド樹脂粒子を溶解させた以外は同様にしてPETフィルム付き比較用の熱硬化性接着シートを得た。
(比較例3)
実施例1において、フェノール樹脂(レゾールフェノール樹脂、比重=1.2、トルエンに溶解)50質量部をエポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、比重=1.1、トルエンに溶解)250質量部に代えて、ビスマレイミド樹脂粒子(比重=1.4、融点=160℃、平均粒子径6μm、トルエンに未溶解)を含有しない以外は同様にしてPETフィルム付き比較用の熱硬化性接着シートを得た。
(比較例4)
実施例1において、ビスマレイミド樹脂粒子(比重=1.4、融点=160℃、平均粒子径6μm、トルエンに未溶解)50質量部をシリカ微粒子(平均粒子径6μm)200質量部に代えた以外は同様にしてPETフィルム付き比較用の熱硬化性接着シートを得た。
前記実施例1〜10及び比較例1〜4における熱硬化性接着シートの配合組成をまとめて表1に示した。なお、表中の数値は質量部を意味する。
Figure 0006623092
次に前記実施例1〜10及び比較例1〜4の熱硬化性接着シートについて、次の評価を行い、その結果を表2に示した。
(厚塗り性)
乾燥後の、PETフィルム付き熱硬化性接着シートにおいて、100μm厚の接着シートが作製できたものを○、接着シートが作製できなかったもの(厚塗りできなかったもの、シート化できなかったもの、シートとしてPETフィルムから取り出せなかったもの)を×とした。
(常温せん断強度)
PETフィルム付き熱硬化性接着シートについて、PETフィルムから熱硬化性接着シートを剥離し、接着面積が20mm幅×5mm長となるように、平板に貼り付けた後、接着剤のもう一方の面に同素材の平板を配置し、0.5MPaで圧締しながら、200℃で30分間熱処理をし、積層体を作製した。平板としては、冷間圧延鋼板(FPCC板、20mm幅×30mm長と90mm長、厚さ1.6mm)を用いた。
得られた積層体について、接着強度の測定を次の通り行った。
25℃環境下で、得られた積層体の熱硬化性接着シートを平板に対してせん断方向に引張った時の強度(常温せん断強度)を測定した。測定時の被着体−引張試験機のチャック間距離は約80mm、引張速度は50mm/分とした。測定には(株)今田製作所製の剪断力試験機SL5000を使用した。常温せん断強度が3.5MPa以上のものを○とした。
(耐熱せん断強度)
上記常温せん断強度と同様の接着強度の測定を、平板を200℃に加熱させて行った。加熱時間は3分間とした。せん断強度が、1.5MPa以上を示したものを○、1.5MPa未満のものを×とした。
(溶融粘度)
熱硬化性接着シートを2mm厚に積層し、レオメーターにて、硬化前の接着シートの常温から300℃までのせん断粘度を測定した。昇温条件は10℃/minとした。また、使用機器は、HAAKE社製MARSレオメーターを使用した。
測定温度域内で、せん断粘度が、500Pa・s以上示していれば○、500Pa・s未満であれば×とした。
Figure 0006623092
表2から明らかなように、実施例1〜10の熱硬化性接着シートは、厚塗り性が良好であり、常温せん断強度も3.5MPa以上有するため、粗面(多孔面)を有する摩擦材と滑面を有する金属部材のような平面度の悪い被着体同士や、平行度の悪い被着体同士を強固に接着できる。また、実施例1〜10の熱硬化性接着シートは、耐熱せん断強度が1.5MPa以上であり、溶融粘度(せん断粘度)が500Pa・s以上であるため、被着体から接着剤のはみ出しを抑えることができる。
一方、比較例1〜4の熱硬化性接着シートは、厚塗り性、耐熱せん断強度、溶融粘度のいずれかが基準を満たさないため、平面度及び平行度の悪い被着体同士を強固に接着できなかったり、被着体から接着剤のはみ出しを抑えることができなかったりする。

Claims (7)

  1. 熱硬化性樹脂(A)と下記から選ばれた1種または2種以上の熱可塑性樹脂(B)とが溶剤により溶解された組成物から得られた熱硬化性接着シートであって、前記組成物に未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)が含有され、前記熱硬化性樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対して、未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)が50〜400質量部含有することを特徴とする熱硬化性接着シート。
    <熱可塑性樹脂(B)>
    ポリオレフィン樹脂及びその変性物、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリイミド樹脂、ジエン系ゴム及びその水添物、オレフィン系ゴム
  2. 前記熱硬化性樹脂(A)が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド樹脂の少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項に記載の熱硬化性接着シート。
  3. 前記熱可塑性樹脂(B)が、ニトリルゴム、アクリルゴムの少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項に記載の熱硬化性接着シート。
  4. 前記未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド樹脂の少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項に記載の熱硬化性接着シート。
  5. 硬化剤又は硬化促進剤を1種類以上含有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の熱硬化性接着シート。
  6. 硬化性接着シートの製造方法であって、熱硬化性樹脂(A)、下記から選ばれた1種または2種以上の熱可塑性樹脂(B)、未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)及び前記熱硬化性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)を溶解し且つ未硬化の熱硬化性樹脂粒子(C)を溶解しない溶剤を含む液状の熱硬化性接着剤組成物を調製し、前記液状の熱硬化性接着剤組成物を基材上に塗布後、乾燥させて熱硬化性接着シートを得ることを特徴とする熱硬化性接着シートの製造方法。
    <熱可塑性樹脂(B)>
    ポリオレフィン樹脂及びその変性物、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリイミド樹脂、ジエン系ゴム及びその水添物、オレフィン系ゴム
  7. 前記液状の熱硬化性接着剤組成物に硬化剤又は硬化促進剤を1種類以上含有することを特徴とする請求項に記載の熱硬化性接着シートの製造方法。
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