JP2015022838A - 多孔質導電シート及びその製造方法 - Google Patents

多孔質導電シート及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015022838A
JP2015022838A JP2013148562A JP2013148562A JP2015022838A JP 2015022838 A JP2015022838 A JP 2015022838A JP 2013148562 A JP2013148562 A JP 2013148562A JP 2013148562 A JP2013148562 A JP 2013148562A JP 2015022838 A JP2015022838 A JP 2015022838A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive sheet
porous conductive
sheet
heat
resistant organic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013148562A
Other languages
English (en)
Inventor
一真 黒川
Kazuma Kurokawa
一真 黒川
赤松 哲也
Tetsuya Akamatsu
哲也 赤松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Toho Tenax Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toho Tenax Co Ltd filed Critical Toho Tenax Co Ltd
Priority to JP2013148562A priority Critical patent/JP2015022838A/ja
Publication of JP2015022838A publication Critical patent/JP2015022838A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Paper (AREA)
  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】燃料電池を長期間使用した場合の、繰り返しの圧縮負荷による電池性能が低下を抑制できるガス拡散層用多孔質導電シート及びその製造方法を提供する。
【解決手段】耐熱性有機パルプと導電物質から成る多孔質導電シートであって、繰り返し厚み変化率が15%以上であり、引張強度が1.5N/cm以上であり、かつ、厚み方向の圧縮時の貫通方向電気抵抗が50mΩ/cm以下である多孔質導電シートでにより上記課題が解決される。また、多孔質導電シートの剛軟度は40〜300mN・cmであることが好ましい。この多孔質導電シートは、耐熱性有機パルプと導電物質と繊維状もしくは粒子状の樹脂を含む前駆体シートを、80〜500℃で加温処理する製造方法により得ることができる。さらに、本発明はこの多孔質導電シートを用いた電極材およびかかる電極材と電解質膜とが積層される燃料電池を包含する。
【選択図】図1

Description

本発明は、多孔質導電シート及びその製造方法に関する。本発明の多孔質導電シートは、電極材、特に燃料電池用電極材に有用である。
固体高分子型燃料電池やバイオ燃料電池などの燃料電池に用いられる膜電極接合体は、燃料用ガス拡散層、燃料用触媒層、電解質膜、酸化剤用触媒層、酸化剤用ガス拡散層が順に積層されて構成されている。この膜電極接合体を構成するガス拡散層に使用される多孔質導電シートとして、耐酸性及び導電性に優れ、軽量であるという理由から、導電物質である炭素繊維を樹脂炭化物で結着させた多孔質導電シートが用いられている。例えば、特許文献1には、固体高分子型燃料電池のガス拡散層として用いる多孔質シートとして、炭素繊維と有機パルプを抄造した前駆体シートに、液状の熱硬化性樹脂を付着させ炭素化させた多孔質シートが開示されている。
ところで、上記の膜電極接合体には、燃料電池の発電運転に伴い発生する熱や水分などによって、電解質膜の膨張および収縮が起きる。例えば、発電反応に伴い膜電極接合体において水が生成される。また、燃料電池に供給される反応流体が加湿されていることがある。このような生成水や加湿用水分を電解質膜が吸収し膨張することがある。また、発電運転が停止されると、生成水および加湿用水分がなくなるため、電解質膜が乾燥して収縮することがある。
このような電解質膜の膨張・収縮により、膜電極接合体を構成するガス拡散層は、燃料電池内において繰り返し圧縮負荷を受けることになる。しかし、従来の多孔質導電シートは、流動性の高い熱硬化性樹脂により炭素繊維表面が覆われ、全ての繊維交点が結着されていることから、圧縮時の厚み変化量が小さく、圧縮負荷を受けた場合に、結着部分が破壊し、圧縮負荷が開放された後もシートの厚みが回復せず、シートの薄葉化やセパレータへのくい込みなど、シート自体の不可逆的な変形が発生してしまう。多孔質導電シートが一度変形すると、ガス拡散性の低下、フラッディングの発生、ガス拡散電極と触媒層の接触抵抗の増加などの問題が引き起こされ、結果として、繰り返し燃料電池を使用すると、燃料電池の電池性能が低下してしまうという問題がある。
電解質膜の膨張・収縮に伴う膜電極接合体の破損を抑制する手段として、電解質膜の外周部に電解質膜を支持する支持部を設置する方法(例えば、特許文献2)や、膜電極接合体の面方向への膨張収縮を吸収するために、膜電極接合体を構成する全ての層にエンボス加工を施す方法(例えば、特許文献3)などが提案されているが、これらの方法は、ガス拡散層の圧縮負荷による損傷を防ぐものではなかった。
一方、ガス拡散層の弾力性を高め、膜電極接合体の構造変化への追従性を高める提案がなされている。例えば、特許文献4では直線性の高いポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維とカール性の高いピッチ系炭素繊維を組み合わせ、ピッチ系炭素繊維により繊維同士を絡み合わせて弾力性の高いガス拡散層とすることが提案されている。しかし、ピッチ系炭素繊維は脆く折れやすいため、得られるガス拡散層の圧縮負荷に対する耐性は低く、繰り返えされる電極の厚みの変化によりガス拡散層が変形してしまう。そのため、燃料電池を長期間使用した場合に発生する、繰り返しの圧縮負荷による電池性能の低下を十分に抑制することはできなかった。
そのため、燃料電池を長期間使用した場合の、繰り返しの圧縮負荷による電池性能の低下を抑制できるガス拡散層用多孔質導電シートが求められている。
特開2011−151009号公報 特開2010−027422号公報 特開2004−139783号公報 特開2009−087614号公報
本発明の目的は、燃料電池を長期間使用した場合の、繰り返しの圧縮負荷による電池性能の低下を抑制できるガス拡散層用多孔質導電シート及びその製造方法を提供することである。
上記課題を解決する本発明は、耐熱性有機パルプと導電物質から成る多孔質導電シートであって、繰り返し厚み変化率が15%以上であり、引張強度が1.5N/cm以上であり、かつ、厚み方向の圧縮時の貫通方向電気抵抗が50mΩ/cm以下である多孔質導電シートである。本発明においては、多孔質導電シートの剛軟度は40〜300mN・cmであることが好ましい。
本発明の多孔質導電シートの製造方法は、耐熱性有機パルプと導電物質と繊維状もしくは粒子状の樹脂を含む前駆体シートを、80〜500℃で加温処理する多孔質導電シートの製造方法である。
本発明は前記多孔質導電シートを用いた電極材、および、かかる電極材と電解質膜とが積層される燃料電池を包含する。
本発明の多孔質導電シートは、電解質膜の膨張・収縮に対する追従性に優れ、燃料電池を長期間使用した場合の電池性能の低下を抑制できる。
本発明の多孔質導電シートの製造方法によれば、優れた機械強度と導電性を備え、かつ厚み変化への追従性に優れた多孔質導電シートを得ることができる。
本発明で用いられる耐熱性有機パルプを示す図面代用写真である。
本発明の多孔質導電シート(以下、「本シート」ともいう)は、耐熱性有機パルプと導電物質から成る多孔質導電シートである。耐熱性有機パルプは、繊維の表面にランダムに形成された微小径の短繊維を備え、微小径の短繊維がシート内に、3次元網目状の絡み形成することで多孔質導電シートの骨格材として働く。本発明の多孔質シートは、耐熱性有機パルプと導電物質の他に、樹脂または樹脂分解物や樹脂炭化物などの樹脂残渣、フッ素化合物などの撥水剤、燃料電池の触媒成分などを含んでいてもよく、樹脂または樹脂残渣を含むことが好ましい。
本発明の多孔質導電シートは、かかる耐熱性有機パルプと導電物質から成る多孔質導電シートであって、さらに、繰り返し厚み変化率が15%以上であり、引張強度が1.5N/cm以上であり、且つ厚み方向の圧縮時の貫通電気抵抗が50mΩ/cm以下という3つの特性を備えた多孔質導電シートである。
本発明の多孔質導電シートは、引張強度が1.5N/cm以上であり、厚み方向の圧縮時の貫通電気抵抗が50mΩ/cm以下であり、さらに繰り返し厚み変化率が15%以上であるため、本発明の多孔質導電シートを、燃料電池のガス拡散層として使用すると、高い電池性能を得ることができ、また、燃料電池を長期間使用した場合の、繰り返しの圧縮負荷による電池性能の低下を抑制し、電池性能を長期間維持することができ、発電効率の高い優れた燃料電池を得ることができる。
本発明の多孔質導電シートは、繰り返し厚み変化率が15%以上であるため、例えば燃料電池のガス拡散電極として用いた場合、電解質膜の膨張・収縮に対応でき、電解質膜の膨潤による圧縮負荷を受けても、圧縮負荷が開放された後にシートの厚みが十分に回復する。繰り返し厚み変化率は、15〜50%であることがより好ましく、20〜40%が更に好ましい。
また、引張強度が、1.5N/cm以上という要件を満たしているので、例えば燃料電池のセル組み立て時の取扱い性が良好である。引張強度は、1.5〜30N/cmであることがより好ましく、2.0〜20N/cmであることがさらに好ましく、2.5〜10N/cmであることが特に好ましい。
さらに、本発明の多孔質導電シートは、厚み方向の圧縮時の貫通孔方向電気抵抗が50mΩ/cm以下であるため、例えば燃料電池の電極材として用いた場合、発電時の出力電圧が高く、良好な電池性能を得ることができる。厚み方向の圧縮時の貫通孔方向電気抵抗は、1〜50mΩ/cmであることがより好ましく、10〜45mΩ/cmであることがさらに好ましく、15〜40mΩ/cmであることが特に好ましい。
上記のような3つの特性を満足する本発明の多孔質導電シートを、燃料電池のガス拡散層として使用すると、電解質膜の膨張・収縮に対する追従性に優れ、燃料電池を長期間使用した場合の電池性能の低下を抑制できる。
本発明で用いられる耐熱性有機パルプとしては、窒素雰囲気下400℃で加熱した時の重量減少率が80%以下の耐熱性有機パルプであることが好ましく、重量減少率が0〜50%の耐熱性有機パルプであることがより好ましい。耐熱性パルプの融点は、80℃以上が好ましく、200〜1000℃であることがより好ましく、400〜800℃であることが更に好ましい。融点が高いほど、燃料電池の運転中もパルプが溶融しにくく、電池性能を長期間維持することができる。
この耐熱性有機パルプの炭素含有量は95%以下が好ましく、20〜90%がより好ましく、30〜85%がより好ましい。炭素含有率が低いほど、繊維表面に形成された短繊維が柔軟であり、絡みやすい。そのため、シート形状を保持しやすく、取扱いやすい。
このような耐熱性有機パルプとしては、芳香族ポリアミドパルプ、フィブリル状ポリイミド繊維、フィブリル状酸化繊維、フィブリル状アクリル繊維が例示される。本シートに用いる耐熱性有機パルプとしては、特に芳香族ポリアミドパルプが好ましい。
本発明で使用する導電物質とは比抵抗が100Ω・cm以下の物質のことをいう。導電物質により、シートに導電パスが形成される。本シートに使用する導電物質としては、少なくとも導電粒子及び/または炭素繊維とを含むことが好ましい。導電粒子もしくは炭素繊維のいずれかだけを使用してもよいし、導電粒子及び炭素繊維を併せて使用してもよい。導電粒子の含有量と炭素繊維の含有量の質量比が20/80〜75/25の範囲であることが、繰り返し厚み変化率、引張強度、厚み方向の圧縮時の貫通電気抵抗の3つの特性のバランスの観点から好ましく、30/70〜55/45であることがより好ましい。
本発明に用いる導電粒子としては、炭素系導電粒子、金属系導電粒子、導電セラミック粒子が好ましい。
本発明に用いる炭素繊維としては、アペクト比が5以上の炭素繊維であることが好ましく、5〜2400の炭素繊維であることがより好ましく、10〜1800がさらに好ましく、15〜1000が特に好ましい。また、本発明で用いる炭素繊維としては、断面における長径と短径の比が1〜10の炭素繊維であることが好ましい。炭素繊維の断面における長径と短径の比は、より好ましくは1〜5であり、さらに好ましくは1〜3である。炭素繊維の断面における長径と短径の比が1に近いすなわち炭素繊維の断面形状が真円に近いほど、より高いガス透過性が得られ、電池性能が向上しやすい。中でも、炭素繊維のアスペクト比が高く、且つ炭素繊維の断面における長径と短径の比が1に近いほど、炭素繊維が多孔質導電シートの骨格として寄与しやすいため、得られる多孔質導電シートの引張強度が向上する。
本発明で使用される炭素繊維の繊維長は0.01mm〜20mmが好ましく、0.02mm〜15mmがより好ましく、0.05mm〜12mmが特に好ましい。繊維長が長い炭素繊維を用いると、多孔質導電シート内で、炭素繊維同士が網目構造を形成し、シートの骨格材として働く為、多孔質導電シートの引張強度が向上する。さらに、炭素繊維同士が形成する網目がシートの通気孔として働き、良好な通気度を有する多孔質導電シートを得ることが出来る。また、炭素繊維が存在することにより、シート内の網目構造が密になりすぎることを防ぎ、多孔質導電シートの通気度を向上させることができる。繊維長を短く調整することにより、繊維がシート内に均一分散しやすくなり、得られるシートの引張強度を向上させることができる。
本シートにおいて、耐熱性有機パルプの含有量と導電物質の含有量との質量比は、90/10〜10/90の範囲であることが好ましく、85/15〜15/85の範囲であることがより好ましい。導電物質の耐熱性有機パルプに対する質量比が高いほど、高い導電性が得られる。一方、耐熱性有機パルプの導電物質に対する質量比が高いほど、耐熱性有機パルプによる高い補強効果が得られやすく、高い引張強度を有する多孔質導電シートが得られる。
繰り返し厚み変化率が15%以上であり、引張強度が1.5N/cm以上であり、且つ厚み方向の圧縮時の貫通電気抵抗が50mΩ/cm以下という3つの特性を備えた多孔質導電シートとするためには、繊維状もしくは粒子状の樹脂によって、耐熱性有機パルプと導電物質が部分的に結着させられた多孔質導電シートとすることが好ましい。
耐熱性有機パルプと導電物質を固形の樹脂を用いて部分的に結着させることで、従来の耐熱性有機パルプと導電物質が樹脂により完全に結着された多孔質導電シートではトレードオフの関係にあった、引張強度と導電性を低下させることなく、多孔質導電シートの繰り返し厚み変化率を向上させることができる。
繊維状もしくは粒子状の樹脂としては、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂、カルボキシルメチルセルロース(CMC)、アクリル樹脂が好ましく用いられる。
粒子状の樹脂を使用する場合、その平均粒径は、接着性の観点から0.01μm以上であることが好ましく、0.01〜100μmがより好ましく、0.1〜80μmがさらに好ましく、1〜50μmが特に好ましい。平均粒径が大きいほど、広い結着面積を得ることができ、強度向上に寄与させやすい。
繊維状の樹脂を使用する場合、その繊維長は、0.001mm〜20mmが好ましく、0.01mm〜15mmがより好ましく、0.05mm〜12mmが特に好ましい。繊維長が長いほど、広い結着面積が得られ、強度向上に寄与させやすい。繊維長が短いほど、抄紙時の繊維の分散が良く、得られるシートの品位を向上させやすい。また、本発明で用いる繊維状樹脂としては、アスペクト比が5以上の繊維状の樹脂であることが好ましく、アスペクト比が5〜5000の繊維状の樹脂であることがより好ましい。粒子状もしくは繊維状の樹脂は、それぞれを単独で使用しても良いし、併用してもよい。
本シートの剛軟度は、40〜300mN・cmの範囲であることが好ましい。より好ましくは50〜275mN・cm、更に好ましくは、60〜250mN・cmである。剛軟度が高いほど、燃料電池用電極として使用した際、セパレータへの垂れ込みが発生しにくくなり、より高い電池性能を発現させることができる。また、剛軟度が低いほど、ロールに巻き取ることが容易になり、生産性が向上する。本シートの剛軟度は、繊維状もしくは粒子状の樹脂の添加量を調節することで制御できる。
本シートの厚さ平均値は、用いる燃料電池の種類や用途により適宜選択されるが、取扱い性の面から、30〜500μmが好ましく、50〜400μmがより好ましい。厚さ平均値が高いほど、シートの強度がより高くなり、取扱い性が向上しやすい傾向がある。厚さ平均値が低いほど、シート面方向の厚さの均一性を向上させやすい。
本シートの目付は、用いる燃料電池の種類や用途によりシートの厚みを鑑み適宜選択されるが、取扱い性の面から、20〜200g/mが好ましく、30〜150g/mがより好ましい。目付が高いほど、シート強力が高くなり、取扱い性が向上しやすい。一方で、目付が高すぎる場合は、所期の厚さのシートが得にくい傾向にある。
本シートの嵩密度は、取扱い性の観点から0.2〜0.7g/cmが好ましい。嵩密度が高ければ、シート強度がより高くなり、シートの取扱い性が向上する。嵩密度が低いほど、シートの面方向における厚さの均一性が向上しやすい。
本シートの平均細孔径は、電池性能の観点から、0.01〜50μmが好ましく、0.01〜20μmがより好ましい。平均細孔径が大きくなると、シートの排水性が高くなり、電極内に生成水が滞留しにくくなる傾向がある。一方、平均細孔径が小さいほど、燃料ガスもしくは燃料液体の拡散性が向上する。
本シートの通気度は、5ml/min.・cm以上が好ましく、10〜2000ml/min.・cmであることがより好ましく、20〜1000ml/min.cmが更に好ましい。通気度が高いほど、燃料ガスや燃料液体の拡散性が良く、高い電池性能を得ることができる。
本シートの濡れ張力は、50mN/m以下であることが好ましく、1〜30mN/mであることがより好ましい。濡れ張力が低いほど、シートの排水性が良く、かかるシートを使用した電極は、電極内の生成水を排出しやすく、電池性能を向上させやすい。
本シートは、耐熱性パルプの繊維表面にフッ素樹脂が融着されていることが好ましい。耐熱性有機パルプの繊維表面にフッ素系樹脂が融着されていると、多孔質導電シートに撥水性が付与され、濡れ張力の低い多孔質導電シートとすることができる。
本シートに含まれる耐熱性有機パルプのフッ素樹脂に対する質量比は、10/90〜70/30の範囲であることが好ましく、20/80〜50/50の範囲であることが特に好ましい。耐熱性有機パルプのフッ素樹脂に対する質量比が高いほど、シートを形成しやすく、シート強度が向上しやすい傾向がある。一方、フッ素樹脂の耐熱性有機パルプに対する質量比が高いほど、高い撥水性を備える多孔質導電シートを得ることができる。
本シートの前記各成分の含有率は、繰り返し厚み変化率、引張強度、厚み方向の圧縮時の貫通電気抵抗の3つの特性のバランスの観点から、耐熱性有機パルプが5〜45質量%、導電物質が5〜95質量%、フッ素樹脂が1〜50質量%、繊維状もしくは粒子状の樹脂が0.1〜50質量%であることが好ましく、繊維状もしくは粒子状の樹脂が5〜30質量%であることがより好ましい。
繰り返し厚み変化率は、次の方法により評価される。まず、多孔質導電シートを、2枚のブロックで挟み5MPaの圧力が掛かるまで加圧した後、圧力を開放し、その時のシート厚みを測定する。この時のシート厚みを「ヒステリシス元厚み」とする。次に、一度加圧した多孔質導電シートを再びブロックに挟み、1MPaの圧力が掛かるまで加圧し、厚みを測定する。この時のシート厚みを「ヒステリシス圧縮厚み」とし、下式(1)に従って、ヒステリシス元厚みに対する、1MPaの圧力による再加圧の前後での多孔質導電シートの厚み変化量の割合を、繰り返し厚み変化率として算出する。
(繰り返し厚み変化率)[%]=(ヒステリシス元厚み−ヒステリシス圧縮厚み)/(ヒステリシス元厚み)・・・(1)
上記のような本発明の多孔質導電シートは、引張強度、厚み方向の圧縮時の貫通電気抵抗および繰り返し厚み変化率が規定の要件を同時に満たすため、本発明の多孔質導電シートを、燃料電池のガス拡散層として使用すると、高い電池性能を有し、さらに、かかる電池性能を長期間維持することができる発電効率の高い優れた燃料電池を得ることができる。
本発明のもう一つの態様である多孔質導電シートの製造方法は、耐熱性有機パルプと導電物質と、繊維状もしくは粒子状の樹脂を含む前駆体シートを、80〜500℃で加温処理する多孔質導電シートの製造方法である。本発明で用いる前駆体シートは、さらにフッ素樹脂を含んでいることが好ましい。
このようにして得られた多孔質導電シートは、従来互いにトレードオフの関係にあった、繰り返し厚み変化率と引張強度および導電性の3つの特性を同時に満足することができる。
耐熱性有機パルプと導電物質と、繊維状もしくは粒子状の樹脂を含む前駆体シートを、80〜500℃で加温処理する本発明の製造方法で得られる多孔質導電シートは、繊維状もしくは粒子状の固形樹脂によって、耐熱性有機パルプと導電物質が部分的に結着させられた多孔質導電シートとなる。
このような多孔質導電シートは、耐熱性有機パルプの微細繊維による3次元網目状の絡み構造に加え、耐熱性有機パルプと導電物質が、繊維状もしくは粒子状の樹脂との接点で結着され骨格構造を形成するため、優れた引張強度を発現する。さらに、耐熱性有機パルプによる3次元網目状の絡み構造は結着されていないため、シートに圧縮負荷がかかった場合に、絡み構造部分が可動し、シートが変形することができる。かかる変形は、圧縮負荷が開放された際に、3次元網目状の絡み構造の反発力と、繊維状もしくは粒子状の樹脂の接点により構成される骨格構造により、圧縮前の形状に復元される。そのため、本発明の製造方法により得られる多孔質導電シートは大きな繰り返し厚み変化率を備える。
さらに、本発明では、繊維状もしくは粒子状の樹脂による耐熱性有機パルプと導電物質との結着は部分的であるため、導電物質同士の接触が阻害されず、導電パスが形成されやすくなり、高い導電性を得ることができる。
以下、本発明の多孔質導電シートの製造方法について、より詳細に説明する。
本発明の多孔質導電シートの製造方法では、耐熱性有機パルプと導電物質と繊維状もしくは粒子状の樹脂を含む前駆体シートを、80〜500℃で加温処理する。
本発明で用いる前駆体シートは、耐熱性有機パルプと導電物質と、繊維状もしくは粒子状の樹脂を含んでいれば特に制限はされないが、例えば、耐熱性有機パルプ、導電物質および繊維状もしくは粒子状の樹脂を混合して抄紙する方法、または、耐熱性有機パルプと導電物質を混合して抄紙した後、繊維状もしくは粒子状の樹脂を前駆体シートに付着させる方法によって得ることができる。抄紙方法としては、例えば、湿式抄紙、乾式抄紙などの方法が挙げられるが、高目付の前駆体シートが得られやすい湿式抄紙法を用いることが好ましい。本発明で用いる前駆体シートは、フッ素樹脂を含んでいることが好ましく、耐熱性パルプの繊維表面にフッ素樹脂が融着されていることがより好ましい。
(繊維状もしくは粒子状の樹脂)
本発明に用いる繊維状もしくは粒子状の樹脂は、35℃の水に入れた場合に、1分以上形状を保持できる固形樹脂であることが好ましく、また、融点が、35℃〜400℃の範囲の樹脂であることが好ましい。
35℃の水に入れた場合に、1分以上形状を保持できれば、前駆体シートを湿式抄紙法で抄造する際でも、樹脂が水に溶けることなく、繊維状もしくは粒子状の形状がよく保たれた前駆体シートを得やすいため、大きな繰り返し厚み変化率を持つシートをより得やすくなる。
また、樹脂の融点が35℃〜400℃あれば、前駆体シートの製造時や保存時に樹脂が溶融しくく、一方、加温処理によって樹脂の溶融度合を制御しやすいため、耐熱性有機パルプと導電物質を部分的に結着させやすく好ましい。
粒子状の樹脂を使用する場合、その平均粒径は、接着性の観点から0.01μm以上であることが好ましく、0.01〜100μmがより好ましく、0.1〜80μmがさらに好ましく、1〜50μmが特に好ましい。平均粒径が大きいほど、広い結着面積を得ることができ、強度向上に寄与させやすい。平均粒径が大きすぎる場合は、シートの表面平滑性が悪くなりやすい傾向がある。
本発明で用いる粒子状樹脂としては、例えば、フェノール樹脂粒子、ポリビニルアルコール(PVA)粒子、カルボキシルメチルセルロース(CMC)粒子、アクリル粒子などが挙げられる。
繊維状の樹脂を使用する場合、その繊維長は、0.001mm〜20mmが好ましく、0.01mm〜15mmがより好ましく、0.05mm〜12mmが特に好ましい。繊維長が長いほど、広い結着面積が得られ、強度向上に寄与させやすい。繊維長が短ければ、抄紙時の繊維の分散が良く、得られるシートの品位を向上させやすい。また、本発明で用いる繊維状樹脂としては、アスペクト比が5以上の繊維状の樹脂であることが好ましく、アスペクト比が5〜5000の繊維状の樹脂であることがより好ましい。
本発明で用いる繊維状樹脂としては、フェノール繊維、PVA繊維、アクリル繊維などが好ましく用いられる。
本発明に用いる樹脂は、粒子状もしくは繊維状の樹脂を、それぞれを単独で使用しても良いし、併用してもよい。
(耐熱性有機パルプ)
本発明で使用する耐熱性有機パルプとは、耐熱性のある有機繊維であって、フィブリル化された繊維のことをいい、窒素雰囲気下400℃で加熱した時の重量減少率が80%以下の有機パルプであることが好ましく、重量減少率が0〜50%の耐熱性有機パルプであることがより好ましい。「フィブリル化」とは、繊維の表面に微小径の短繊維をランダムに形成させることをいう。
この表面に微小径の短繊維をランダムに形成された繊維を混合し多孔質導電シートを形成することにより、シート内に、3次元網目状の絡みを備えることができる。
この耐熱性有機パルプの炭素含有量は95%以下が好ましく、20〜90%がより好ましく、30〜85%がより好ましい。炭素含有率が低いほど、繊維表面に形成された短繊維が柔軟であり、絡みやすい。その為シート形状を保持しやすく、取扱いやすい。
また、耐熱性パルプの融点は、80℃以上が好ましく、200〜1000℃であることがより好ましく、400〜800℃であることが更に好ましい。融点が高いほど、燃料電池の運転中もパルプが溶融しにくく、電池性能を長期間維持することができる。
上記の条件を満たす耐熱性有機パルプとしては、芳香族ポリアミドパルプ、フィブリル状ポリイミド繊維、フィブリル状酸化繊維、フィブリル状アクリル繊維が例示される。
本シートに用いる耐熱性有機パルプとしては、特に芳香族ポリアミドパルプが好ましい。
ここで言う芳香族ポリアミドパルプとは、アミド結合の85モル%以上が芳香族ジアミン成分と芳香族ジカルボン酸成分との脱水縮合により形成されるアミド結合を有する芳香族ポリアミドパルプである。本発明に用いられる芳香族ポリアミドパルプは、繊維を高度にフィブリル化させたものであることが好ましい。以下の記載では、芳香族ポリアミドパルプを、「アラミドパルプ」と称することがある。
図1は、フィブリル化させた芳香族ポリアミドパルプを示す図面代用写真である。図1中、2はフィブリル化させた芳香族ポリアミドパルプである。芳香族ポリアミドパルプ2は、幹部4と、幹部4から繊維をフィブリル化させたフィブリル部6とからなる。幹部4は、繊維径が3〜70μm、長さが0.1〜500mmである。フィブリル部6の繊維径は、0.01〜2μmである。
アミド結合の85モル%以上が芳香族ジアミン成分と芳香族ジカルボン酸成分との脱水縮合により形成されるアミド結合を有する芳香族ポリアミドパルプとしては、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、コポリパラフェニレン−3,4’オキシジフェニレン−テレフタルアミド、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、ポリパラベンズアミド、ポリ−4,4’−ジアミノベンズアニリド、ポリパラフェニレン−2,6−ナフタリックアミド、コポリパラフェニレン/4,4’−(3,3’−ジメチルビフェニレン)テレフタルアミド、ポリオルソフェニレンテレフタルアミド、ポリパラフェニレンフタルアミド、ポリメタフェニレンイソフタルアミド等を挙げることができる。中でも、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、コポリパラフェニレン−3,4’オキシジフェニレン−テレフタルアミドなどのパラ系の芳香族ポリアミドを用いると、よりシート強度の高い多孔質導電シートが得られるため好ましい。また、ポリメタフェニレンイソフタルアミドなどのメタ系の芳香族ポリアミドを用いると、より耐熱性の高い多孔質導電シートを得ることができる。
「フィブリル化」とは、繊維の表面に微小径の短繊維をランダムに形成させることをいう。本発明において、芳香族ポリアミド繊維のフィブリル化は公知の方法で行われる。例えば、有機高分子重合体溶液に沈殿剤を加え、剪断力の生ずる系で混合する方法によりフィブリル化が行われる。また、光学的異方性を示す高分子重合体溶液から形成した分子配向性を有する成形物に、叩解等の機械的剪断力を与えて、ランダムに微小径の短繊維を付与させる方法によりフィブリル化が行われる。
通常、フィブリル化の指標としてはBET比表面積が用いられる。アラミドパルプのBET比表面積は1〜25m/gが好ましく、5〜20m/gが特に好ましく、9〜16m/gがさらに好ましい。アラミドパルプのBET比表面積が低すぎると、パルプ同士の絡み合いが十分に起こらないので、得られる多孔質導電シートの機械的強度が低くなる傾向がある。また、アラミドパルプにフッ素樹脂粒子を沈着させることが困難となる傾向がある。一方、アラミドパルプのBET比表面積が高すぎる場合は、多孔質導電シートの抄造時における濾水性が悪くなる傾向がある。そのため、多孔質導電シートの抄造に長時間を要し、製造コストを上昇させやすい傾向がある。
(導電物質)
本発明で使用する導電物質とは比抵抗が100Ω・cm以下の物質のことをいう。形状は、繊維状、粒子状でも構わない。また、該当する2種類以上の物質を組み合わせて使用しても構わない。この導電物質を抄紙工程で混合することにより、シートに導電物質が均一に分散され、導電パスを形成することができる。本シートに使用する導電物質としては、少なくとも導電粒子及び/または炭素繊維とを含むことが好ましい。導電粒子もしくは炭素繊維のどちらか一方だけを使用してもよいし、導電粒子及び炭素繊維を併せて使用してもよい。導電粒子の含有量と炭素繊維の含有量の質量比が20/80〜75/25の範囲であることが、繰り返し厚み変化率、引張強度、厚み方向の圧縮時の貫通電気抵抗の3つの特性のバランスの観点から好ましく、30/70〜55/45であることがより好ましい。
本シートに用いられる導電粒子としては、炭素系導電粒子、金属系導電粒子、導電セラミック粒子が例示される。
炭素系導電粒子としては、炭素含有率が94質量%以上であって、比抵抗値が100Ω・cm以下の粒子状の物質が好ましい。炭素含有率が高いほど、多孔質導電シートの導電性を向上させやすい。また、この多孔質導電シートを組み込んだ電池を長期間に亘って作動させた場合にも、多孔質導電シートが劣化しにくくなる。
上記の条件を満たす炭素系導電粒子としては、黒鉛粒子、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、グラフェンが例示される。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
カーボンブラックとしては、アセチレンブラックや、中空シェル状の構造を持つケッチェンブラック(登録商標)などが挙げられる。特にケッチェンブラックが好ましい。
炭素系導電粒子としてカーボンブラックを用いる場合、その平均粒径は0.01〜1μmであることが好ましい。平均粒径が高ければ、カーボンブラックの分散液を調製する際のカーボンブラックの凝集が抑制され、分散斑が起きにくくなる。平均粒径が低いほど、カーボンブラック粒子が耐熱性有機パルプの繊維間に適度に分散され、得られる多孔質導電シートの導電性が向上しやすい。
黒鉛粒子としては、鱗片状黒鉛、鱗状黒鉛、土状黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛、膨張化黒鉛、葉片状黒鉛、塊状黒鉛、粒状黒鉛などが例示される。鱗片状黒鉛、粒状黒鉛が特に好ましい。
本発明に用いられる炭素繊維とは、繊維状の炭素系物質であって、好ましくはアスペクト比が5以上の繊維状炭素系物質である。アスペクト比が大きいほど、炭素繊維が多孔質導電シートの骨格として寄与しやすく、ガス透過性が向上しやすい。本発明において、炭素繊維のアペクト比は、5〜2400であることがより好ましく、10〜1800がさらに好ましく、15〜1000が特に好ましい。
本発明で用いる炭素繊維としては、断面における長径と短径の比が1〜10である繊維状の炭素系物質であることが好ましい。炭素繊維の断面における長径と短径の比は、より好ましくは1〜5であり、さらに好ましくは1〜3である。炭素繊維の断面における長径と短径の比が1に近いほど、より高いガス透過性が得られ、電池性能が向上しやすい。
中でも、炭素繊維のアスペクト比が高く、且つ炭素繊維の断面における長径と短径の比が1に近いほど、炭素繊維が多孔質導電シートの骨格として寄与しやすく、多孔質導電シートにより優れたガス透過性を与えることができる。
本発明で使用される炭素繊維の繊維長は0.01mm〜20mmが好ましく、0.02mm〜15mmがより好ましく、0.05mm〜12mmが特に好ましい。
繊維長が長い炭素繊維を用いると、多孔質導電シート内で、炭素繊維同士が網目構造を形成し、シートの骨格材として働く為、シート強度が向上する傾向がある。さらに、炭素繊維同士が形成する網目がシートの通気孔として働き、良好な通気度を有する多孔質導電シートを得ることが出来る。また、炭素繊維が存在することにより、シート内の網目構造が密になりすぎることを防ぎ、多孔質導電シートの通気度を向上させることができる。繊維長が短ければ、繊維がシート内に均一分散して、得られるシートの強力が向上しやすい。
本発明の多孔質導電シートに含まれる炭素繊維としては、炭素含有率が94質量%以上であって、比抵抗値が100Ω・cm以下であり且つ所定の長さを有している繊維状の物質が好ましく用いられる。炭素含有率が高いほど、多孔質導電シートの通電性が向上する。さらに、この多孔質導電シートを組み込んだ電池を長期間に亘って作動させても、多孔質導電シートが劣化しにくくなる。
上記の条件を満たす炭素繊維としてはPAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、フェノール系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維などが挙げられ、これらの炭素繊維を所定の長さに切断して得られる炭素繊維チョップドストランド、炭素繊維ミルドファイバーを用いることがより好ましい。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
炭素繊維の繊維径は5〜20μmが好ましく、6〜13μmが特に好ましい。扁平な断面の炭素繊維の場合、長径と短径との平均値を繊維径とする。繊維径が大きいほど、単繊維の強度が高く、得られる多孔質導電シートの強力が向上しやすい傾向がある。繊維径が小さいほど、多孔質導電シートを構成する炭素単繊維の外周の形状が多孔質導電シートのシート面に浮き上がりにくく、多孔質導電シートの表面平滑性が向上し、多孔質導電シートの接触電気抵抗が減少しやすい傾向にある。
(フッ素樹脂)
本シートは、耐熱性パルプの繊維表面にフッ素樹脂が融着されていることが好ましい。耐熱性有機パルプの繊維表面にフッ素系樹脂が融着されていると、多孔質導電シートに撥水性が付与される。
ここで言うフッ素樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂(以下、「PTFE」と略記する)、パーフルオロ−アルコキシ樹脂(以下、「PFA」と略記する)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体樹脂(以下、「FEP」と略記する)、四フッ化エチレン−エチレン共重合体樹脂(以下、「ETFE」と略記する)、フッ化ビニリデン樹脂(以下、「PVDF」と略記する)、三フッ化塩化エチレン(以下、「PCTFE」と略記する)が例示される。その中でも、PTFEが耐熱性、摺動特性に優れるため、特に好ましい。
フッ素樹脂粒子の平均粒径は0.01〜10μmが好ましく、0.1〜1μmが特に好ましい。平均粒径が大きいほど、耐熱性有機パルプに沈着させやすい。また、平均粒径が小さいほど、安定な分散液を調製しやすく、多孔質導電シート中にフッ素樹脂が均一に分散しやすくなる。
本シートに含まれる耐熱性有機パルプのフッ素樹脂に対する質量比は、10/90〜70/30の範囲であることが好ましく、20/80〜50/50の範囲であることがより好ましい。耐熱性有機パルプのフッ素樹脂に対する質量比が高いほど、シートを形成しやすく、シート強度が向上しやすい傾向がある。一方、フッ素樹脂の耐熱性有機パルプに対する質量比が高いほど、高い撥水性を備える多孔質導電シートが得られやすい。
本シートにおいて、耐熱性有機パルプの含有量と、導電物質の含有量との質量比は、90/10〜10/90の範囲であることが好ましく、85/15〜15/85の範囲であることが特に好ましい。導電物質の耐熱性有機パルプに対する質量比が高いほど、高い導電性が得られやすい。一方、耐熱性有機パルプの導電物質に対する質量比が高いほど、耐熱性有機パルプによる補強効果が得られやすい。
本シートの前記各成分の好ましい含有率は、シート強度と導電性のバランスの観点から、耐熱性有機パルプが5〜45質量%、導電物質が5〜95質量%、フッ素樹脂が1〜50質量%、繊維状もしくは粒子状の樹脂が0.1〜50質量%である。繊維状もしくは粒子状の樹脂が5〜30質量%であることがより好ましい。
耐熱性有機パルプの割合が高すぎる場合、電気抵抗が高くなり電池性能が低下しやすい傾向がある。一方、耐熱性有機パルプの割合が低すぎる場合、シート強度が低く抄紙しにくい傾向がある。
導電物質の割合が高すぎる場合、シート強度が低くなりやすく、抄紙しにくい傾向がある。一方、導電物質の割合が低すぎる場合は、電気抵抗が高くなり電池性能が低下しやすい傾向がある。
フッ素樹脂の割合が少なすぎる場合は、撥水性が低くなり、燃料電池の電池反応で生成される水を排水する機能が不足しやすい傾向がある。一方、フッ素樹脂の割合が高すぎる場合は、フッ素樹脂が膜状に存在するため、ガスの透過性が低くなりやすい傾向がある。
繊維状もしくは粒子状の樹脂の割合が高すぎる場合、絶縁物質が増加する為、電気抵抗が高くなり、電池性能が低下しやすい傾向がある。一方、繊維状もしくは粒子状の樹脂の割合が低すぎる場合は繊維状もしくは粒子状の樹脂による補強効果が得られにくく、シート強度が低くなり取扱い性が低下しやすい傾向がある。
(前駆体シートの製造)
本発明で用いる前駆体シートは、耐熱性有機パルプと導電物質と、繊維状もしくは粒子状の樹脂を含んでいれば、その製造方法は特に制限はされないが、耐熱性有機パルプ、導電物質を含むスラリーを抄紙する湿式の抄紙方法が、導電物質をシート内に均一に分散させやすいため好ましい。繊維状もしくは粒子状の樹脂は、スラリーに混合し耐熱性有機パルプと導電物質とともに抄紙しても、抄紙した後、得られた前駆体シートに付着させてもよい。スラリーに混合し耐熱性有機パルプと導電物質とともに抄紙する方法が、繊維状もしくは粒子状の樹脂を前駆体シート中に均一に分散させやすく、得られる多孔質導電シートの引張強度が向上しやすいためより好ましい。
スラリーの調製においては、まず、耐熱性有機パルプの分散液を調整する。分散媒としては水が好ましい。耐熱性有機パルプの分散液は、公知の方法で調製することができる。例えば、木質パルプを抄造する際に従来から用いられている方法を適用することができる。各種の離解機(パルパー)、ナイアガラビーター等の各種のビーター、又はシングルディスクリファイナー等の各種のリファイナー等を用いて分散させることができる。
本シートの好ましい様態としてフッ素樹脂を添加する場合には、スラリーにフッ素樹脂分散液を添加する製造方法を用いることができる。この方法を用いる場合には、耐熱性有機パルプとフッ素樹脂粒子とが分散する分散液(以下、「耐熱性有機パルプ−フッ素樹脂分散液」と称することがある。)を調製することが好ましい。耐熱性有機パルプ−フッ素樹脂分散液は、耐熱性有機パルプが分散する分散液とフッ素樹脂粒子が分散する分散液とを各々調製し、これらを混合することにより製造できる。フッ素樹脂粒子の分散液に耐熱性有機パルプを添加して分散させることにより調製しても良いし、この逆であっても良い。最も好ましいのは、フッ素樹脂粒子の分散液に耐熱性有機パルプを添加して分散させる方法である。
耐熱性有機パルプ−フッ素樹脂分散液における耐熱性有機パルプとフッ素樹脂との配合比率は、目的とする最終製品に応じて適宜選択すれば良い。抄紙して得られたシート全体の耐熱性有機パルプのフッ素樹脂に対する質量比は、10/90〜70/30の範囲であることが好ましく、20/80〜50/50の範囲であることがより好ましい。耐熱性有機パルプのフッ素樹脂に対する質量比が高いほど、シートを形成しやすく、シート強度が向上しやすい傾向がある。一方、フッ素樹脂の耐熱性有機パルプに対する質量比が高いほど、高い撥水性を備える多孔質導電シートが得られやすい傾向がある。
フッ素樹脂粒子の分散液は、公知の方法によって調製することができる。例えば、界面活性剤の存在下、フッ素樹脂の原料モノマーをラジカル重合させることにより調製することができる。フッ素樹脂粒子の分散液の市販品をそのまま用いることもできる。市販品のフッ素樹脂粒子の分散液としては、旭硝子株式会社製のFluon PTFEディスパージョンAD911E(製品名)や、ダイキン工業株式会社製のポリフロン PTFE D−1E(製品名)が例示される。
フッ素樹脂粒子の分散液には、ノニオン性の界面活性剤を分散剤として用いる分散液と、イオン性の界面活性剤を分散剤として用いる分散液とがある。イオン性の界面活性剤で分散させる場合、ノニオン性の界面活性剤を用いる場合に比べ、フッ素樹脂粒子を解分散させやすい。しかし、イオン性の界面活性剤を用いて分散させたフッ素樹脂粒子の分散液は、解分散させるとフッ素樹脂粒子の大きなフロックが形成されやすくなる。フッ素樹脂粒子の大きなフロックが形成されると、均一にフッ素樹脂が含浸された多孔質導電シートを得にくい。ノニオン性の界面活性剤で分散させる場合、フッ素樹脂粒子の分散液は、イオン性の界面活性剤を用いる場合に比べ、フッ素樹脂粒子を解分散させにくい傾向にある。しかし、解分散ができる場合は、細かなフッ素樹脂粒子を耐熱性有機パルプの繊維に均一に沈着させることができる。したがって、本発明においては、ノニオン性の界面活性剤を用いるフッ素樹脂粒子の分散液を用いることが好ましい。
分散液中の耐熱性有機パルプやフッ素樹脂の濃度は特に制限されないが、分散液の流動性を損なわない範囲でできるだけ高い濃度とした方が製造コスト低減の点から好ましい。
また、フッ素樹脂粒子が耐熱性有機パルプ表面に粒子状に沈着させやすくする目的で、この耐熱性有機パルプ−フッ素樹脂分散液に対して凝集剤を添加し、フッ素樹脂粒子を解分散させてもよい。凝集剤は、耐熱性有機パルプ−フッ素樹脂分散液中に分散するフッ素樹脂粒子を解分散させる作用を有する。凝集剤の種類や添加量は、フッ素樹脂粒子の分散に用いられている界面活性剤の種類や、耐熱性有機パルプの比表面積に応じて適宜決定すれば良い。
耐熱性有機パルプ−フッ素樹脂分散液中のフッ素樹脂粒子は、実質的に全量が耐熱性有機パルプに沈着されることが好ましい。耐熱性有機パルプに沈着されないフッ素樹脂粒子は、抄造時の廃水に流出される。フッ素樹脂は高価格であるため、廃水中にフッ素樹脂が流出されることは経済性の観点から好ましくない。また、フッ素樹脂が廃水中に流出されると、廃水処理が必要になり、製造コストを上昇させる。すなわち、「実質的に全量」とは、廃水処理が不要になる程度をいう。
耐熱性有機パルプ分散液または耐熱性有機パルプ−フッ素樹脂分散液(以下、まとめて耐熱性有機パルプ分散液と称する)には、続いて導電物質が添加される。導電物質には、導電粒子及び/または炭素繊維が該当する。導電物質の添加は、フッ素樹脂粒子を耐熱性有機パルプに沈着させる前であっても後であっても良い。二種類以上の導電物質を耐熱性有機パルプ分散液へ配合する方法は、導電物質それぞれの分散液を耐熱性有機パルプ分散液に配合しても良いし、導電物質をそれぞれ耐熱性有機パルプ分散液に配合した後に分散させても良い。導電粒子を使用する場合は二次粒子の状態で分散していても良い。これにより、耐熱性有機パルプと、導電物質と、好ましくは耐熱性有機パルプに沈着するフッ素樹脂とを含む分散液(以下、まとめてスラリーともいう)が得られる。
耐熱性有機パルプの配合量と、導電物質の配合量との配合比率は、目的とする最終製品に応じて適宜選択すれば良い。抄紙して得られたシート全体の耐熱性有機パルプの導電物質に対する質量比としては、90/10〜10/90の範囲であることが好ましく、85/15〜15/85の範囲であることがより好ましい。導電物質の耐熱性有機パルプに対する質量比が高いほど、高い導電性が得られやすい。一方、耐熱性有機パルプの導電物質に対する質量比が高いほど、耐熱性有機パルプによる高い補強効果が得られやすい。
また、得られる多孔質導電シートの性能を向上させたり、他の特性を付与させたりする目的で、スラリーにグラファイトやブロンズ粉等のような充填材、添加剤等を添加することもできる。
このスラリーには、繊維状もしくは粒子状の樹脂を混合しても良い。繊維状もしくは粒子状の樹脂の添加する順番は、フッ素樹脂粒子を耐熱性有機パルプに沈着させる前であっても後であっても良いし、導電物質を添加する前であっても後であっても良く順番は問わない。繊維状もしくは粒子状の樹脂の配合量は、目的とする最終製品に応じて適宜選択すればよい。
このスラリーにおいて、耐熱性有機パルプは5〜45質量%、導電物質は5〜95質量%、フッ素樹脂は1〜50質量%、繊維状もしくは粒子状の樹脂が0.1〜50質量%であるであることが好ましい。
このスラリーを湿式抄紙し、多孔質シート前駆体が得られる。湿式抄紙は、公知の方法により行われる。例えば、長網式や丸網式の抄造機を用いることができる。得られた多孔質シート前駆体は必要により脱水、乾燥される。
この多孔質シート前駆体に、繊維状もしくは粒子状の樹脂を付着してもよい。
付着の方法は、繊維状もしくは粒子状の樹脂が繊維状もしくは粒子状のままシートに付着される方法であれば、特に限定されるものではない。付着方法としては、スプレー散布、ドクターブレード法、繊維状もしくは粒子状樹脂混合シートの貼り合せなどが例示される。
(加温処理工程)
続いて、多孔質シート前駆体に80〜500℃で加温処理を実施することで本発明の多孔質導電シートを得る。加温処理は、繊維状もしくは粒子状の樹脂が溶融し、その他原料と結着する方法であれば、特に限定されるものではないが、熱プレス処理、焼成処理などが例示される。
その中で、熱プレスを行うことが好ましい。熱プレスによって、多孔質導電シートのシート厚みを調節することができる。また、シート表面を平滑化し、接触抵抗が低減し、シートの厚さ方向の導電性を向上させることができる。
熱プレスの温度は、80〜500℃の範囲で、繊維状もしくは粒子状の樹脂の種類により選択される。好ましくは、100〜400℃がであり、120〜350℃がより好ましい。熱プレスの加圧方向は、多孔質導電シートの厚さ方向である。熱プレス時の接圧は、0.1〜100MPaであり、1〜50MPaが好ましく、5〜20MPaが特に好ましい。熱プレスの時間は、0.5〜300分間であり、1〜60分間が好ましく、2〜30分間が特に好ましい。熱プレスは、連続式、バッチ式のいずれで行っても良い。
さらに、本発明の多孔質導電シートを不活性ガス中焼結することが好ましい。本発明の好ましい様態として、フッ素樹脂を添加した場合には、焼結処理により、耐熱性有機パルプに沈着されているフッ素樹脂粒子が溶融して耐熱性有機パルプ表面に融着される。その結果、撥水性が付与された多孔質導電シートが得られる。焼結温度は、200〜500℃であり、230〜430℃が好ましく、焼結時間は、10〜120分間が好ましく、30〜90分間がより好ましい。
多孔質導電シートは、面圧を付与しながら焼成しても良い。面圧は、1.0kPa以下が好ましく、0.1〜0.5kPaがより好ましい。面圧の付与は、バッチプレス、間欠プレス、カレンダプレス、ベルトプレス、ローラー等を用いて付与することができる。
上記のような製造方法で得られる多孔質導電シートは、電解質膜の膨張・収縮に対応できる大きな繰り返し厚み変化率と、取扱いに十分な引張強度と高い導電性を有している為、燃料電池の電極材として好適に用いることができる。
本発明の多孔質導電シートは、引張強度が1.5N/cm以上であり、厚み方向の圧縮時の貫通電気抵抗が50mΩ/cm以下であり、さらに繰り返し厚み変化率が15%以上であるという3つの特性を兼ね備えているため、本発明の多孔質導電シートを、燃料電池のガス拡散層として使用すると、高い電池性能を有し、さらに、かかる電池性能を長期間維持することができる発電効率の高い優れた燃料電池を得ることができる。
そのため、本発明の多孔質導電シートは、固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極やバイオ燃料電池用電極、空気金属電池用電極など燃料電池の電極材としてに好ましく用いられる。これらのうち、固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極に特に好ましく用いることができる。
本発明のもう一つの様態である多孔質導電シートを用いた電極材は、本発明の多孔質導電シートを用いてなる電極材である。本発明の多孔質導電シートを用いた電極材は、ガス透過性及び導電性に優れているため、例えば、多孔質導電シートの一面に触媒層を塗布することで、固体高分子型燃料電池、バイオ燃料電池や空気金属電池の電極などに、好適に使用できる。本シートを用いて得られる電極材の限界電流密度は、発電性能能観点から0.5A/cm以上であることが好ましく、1〜10A/cmであることがより好ましい。
本発明のさらなる態様である燃料電池は、本発明の電極材と、電解質膜とが積層される燃料電池である。さらに詳しくは、本発明の多孔質導電シートの一面に触媒層を塗布した電極材にさらに高分子電解質膜を積層した、固体高分子型燃料電池である。固体高分子方燃料電池の燃料としては、メタノールやエタノール等の有機化合物や水素を好ましく用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。各物性の測定、評価は以下の方法によった。
[目付]
一辺が10cmの正方形の多孔質導電シートを120℃で1時間乾燥し、加熱後の質量より算出した。
[厚さ]
シートの厚さは、直径5mmの円形圧板を用いてシートの厚さ方向に1.2Nの荷重(61.9kPa)を負荷した時のシートの厚さを測定する。まず、10cm角のシートの面を、9面の正方形に区分(即ち、約3.33cm角で9面に区分)し、この区分された各面の中心部における厚さの測定値を平均した値をシートの厚さとして算出する。
[厚み方向の圧縮時の貫通電気抵抗]
50mm角の多孔質導電シートを、50mm角(厚さ10mm)の金メッキした2枚の電極で挟んだ。この際、多孔質導電シートと電極とは、互いの対応する各辺が一致するように重ねた。2枚の電極で多孔質導電シートの厚さ方向に、0.1MPaずつ、5MPaの圧力が掛かるまで加圧後、圧力を開放する。次に、その加圧した多孔質導電シートを再び前記同様1分間ごとに0.1MPaずつ、今度は荷重1MPaの圧力を負荷し、この状態で多孔質導電シートの電気抵抗値R(Ω)を測定した。電気抵抗値Rと測定面積に基づいて、圧縮時の貫通電気抵抗値を算出した。
[繰り返し厚み変化率]
50mm角の多孔質導電シートを、50mm角(厚さ10mm)の2枚のブロックで、互いの対応する各辺が一致するようにして挟み、このブロックを1分間ごとに0.1MPaずつ、5MPaの圧力が掛かるまで加圧した。その後、圧力を開放しシート厚みを測定した。そのときのシート厚みを「ヒステリシス元厚み」とした。次に、その加圧した多孔質導電シートを再びブロックに挟み、前記同様1分間ごとに0.1MPaずつ、今度は1MPaの圧力が掛かるまで加圧し、そのときの多孔質シートの厚みを測定した。そのときのシート厚みを「ヒステリシス圧縮厚み」とした。次に、下式(1)を用い、繰り返し厚み変化率を算出した。
(繰り返し厚み変化率)[%]=(ヒステリシス元厚み−ヒステリシス圧縮厚み)/(ヒステリシス元厚み)・・・(1)
[剛軟度]
長さ15cm、幅2cmにカットした多孔質導電シートを、JIS L 1096に記載の方法(B法)に準拠して剛軟度を測定した。
[平均粒径]
JIS Z 8825−1「粒子径解析−レーザー回折法」に準拠して、平均粒径を測定した。測定には、レーザー回折・散乱式粒度分析計[日機装社製、商品名:マイクロトラック]を用いた。
[引張強度]
JIS L−1096に準拠し、引張強度を測定した。
[炭素繊維のアスペクト比]
断面写真より、任意に5点選択して長径と短径を測定し平均繊維径もしくは平均厚みを算出し、平均繊維径もしくは平均厚みと炭素繊維長さからアスペクト比を算出した。
[長径と短径の比]
断面写真より、任意に5点選択し長径と短径を測定し算出した。
[通気度]
JIS K 3832「精密ろ過膜エレメント及びモジュールのバブルポイント試験方法」に準拠し測定した。パームポロメーター[PMI(Porous Material,Inc.)社製:商品名CFP−1100AEX]を用い、乾き流量測定時の100mmHOの圧力下での1cmあたりの通気量を測定した。
[濡れ張力]
JIS K 6768「プラスチック−フィルム及びシート−ぬれ張力試験方法」に準拠して、濡れ張力を測定した。
[電池特性]
多孔質導電シートを50mm角にカットし、これに触媒(Pt−Rt)を0.2mg/cm担持させた。高分子電解質膜(SIGMA−ALDRICH社製、Nafion 117)の両面に上記触媒を担持させた多孔質導電シートを接合してセルを構成した。セル温度75℃、セル内露点80℃、ガス利用率40%の条件で発電を行い、電圧が0Vとなる電流密度を限界電流密度とした。
[実施例1]
耐熱性有機パルプであるトワロン1094(製品名、テイジン・アラミド B.V.製のポリパラフェニレンテレフタラミド繊維のパルプ、BET比表面積:13.5m/g、濾水度:100ml、加重平均繊維長:0.91mm)をイオン交換水に混合して分散液を調製した(以下、この分散液を「分散液A」ともいう)。
フッ素樹脂であるAD911E(製品名、旭硝子株式会社製のPTFEのノニオン系分散液、PTFEの平均粒径:0.25μm、PTFEを60質量%含有)をイオン交換水に混合して分散液を調製した(以下、この分散液を「分散液B」ともいう)。
導電粒子としてケッチェンブラックEC300JD(製品名、ライオン株式会社製のカーボンブラック、一次粒子径34.0nm)をイオン交換水に混合して分散液を調製した(以下、この分散液を「分散液C」ともいう)。
炭素繊維として、PAN系炭素繊維(東邦テナックス株式会社製 TENAX HTS40、平均繊維直径7μm、比重1.76、長径/短径1)を3mmにカットしたチョップドファイバ(以下、PAN系CFチョップともいう)を、イオン交換水に混合して分散液を調製した(以下、この分散液を「分散液D」ともいう)。
粒子状樹脂である、ベルパールS890(製品名、エア・ウォーター・ベルパール株式会社製、熱溶融性の高分子量フェノール樹脂、平均粒径:20μm、粒子状)をイオン交換水に混合した(以下、この分散液を「分散液E」ともいう。)
分散液Bと分散液Cとを混合し、15分間攪拌した。この分散液に、分散液Aを加えて20分間攪拌することにより、アラミドパルプにフッ素樹脂を沈着させた。さらに、分散液Dと分散液Eを加えて3分間攪拌し、スラリーを得た。スラリー中の各成分の配合量は表1に示した。
得られたスラリーを、湿式抄紙し、多孔質導電シートの前駆体シートを得た。抄紙する際のフェノール樹脂は分散液中に溶解しておらず、粒子状の形状を有していた。
この前駆体シートを、温度200℃、圧力20MPaの条件下で、10分間熱プレスによる加温処理を実施した。その後、該多孔質導電シートを窒素ガス雰囲気下400℃で60分間、焼結処理することによりアラミドパルプにフッ素樹脂が融着した多孔質導電シートを得た。得られた多孔質導電シートの各種物性を表1に記載した。
実施例1で得られた多孔質導電シートは、繰り返し厚み変化率、引張強度および導電性に優れた多孔質導電シートであり、かかる多孔質導電シートを電極に用いた電池の限界電流密度は、1.2A/cmと高く優れた電池性能を示した。
[実施例2]
繊維状もしくは粒子状の樹脂の分散液(分散液E)を使用しなかった以外は実施例1と同様の方法で多孔質導電シートの前駆体シートを得た。
粒子状樹脂であるフェノール粒子 ベルパールS890(製品名、エア・ウォーター・ベルパール株式会社製、熱溶融性の高分子量フェノール樹脂、平均粒径:20μm、粒子状)をイオン交換水に混合して分散液を調整した(以下、この分散液を「分散液F」ともいう)。
分散液Fを霧吹きにいれ、前駆体シートの表面に散布した後、空気雰囲気下、100℃で2時間乾燥し、更に、温度200℃、圧力20MPaの条件下で、10分間熱プレスによる加熱処理を行い、多孔質導電シートを得た。前駆体シート上でのフェノールの状態は粒子状であった。その後、該多孔質導電シートを窒素ガス雰囲気下400℃で60分間、焼成処理することによりアラミドパルプにフッ素樹脂が融着した多孔質導電シートを得た。得られた多孔質導電シートの各種物性は表1に記載した。
実施例2で得られた多孔質導電シートは、実施例1と比較して、引張強度が2.2N/cmとわずか低くなったものの、燃料電池の電極材として用いるには十分好適な引張強度を示した。また、繰り返し厚み変化率、および導電性に優れた多孔質導電シートであった。かかる多孔質導電シートを電極に用いた電池の限界電流密度は、1.3A/cmと高く優れた電池性能を示した。
[比較例1]
繊維状もしくは粒子状の樹脂の分散液(分散液E)を使用しない以外は実施例1と同様の方法で多孔質導電シートを得た。スラリーの各分散液におけるそれぞれの成分比率及び得られた多孔質導電シートの各種物性を表1に示した。
比較例1で得られた多孔質導電シートは、繊維状もしくは粒子状の樹脂により、耐熱性有機パルプと導電物質が部分的に結着されていない。その為、得られた多孔質導電シートは、繰り返し厚み変化率が低く、また引張強度も低いものであった。また、発電試験のためセル組立を試みたが、引張強度が低すぎるため、取扱い性が悪く、セルが組み立てられず、燃料電池用電極材としては不適であった。
[比較例2]
繊維状もしくは粒子状の樹脂の分散液の代わりに、液状のフェノール樹脂 レヂトップ PL−2211((製品名、群栄化学社製、液体)をスラリーに添加した以外は、実施例1と同様の方法で多孔質導電シートの作製を試みた。抄紙前のフェノール樹脂の状態は液体であった。スラリーの各分散液におけるそれぞれの成分比率及び得られた多孔質導電シートの各種物性を表1に示した。
比較例3の製造方法では、フェノール樹脂と溶媒である水が分離してしまい前駆シートを抄紙することができず、多孔質導電シートを得ることが出来なかった。
[比較例3]
実施例2と同様の方法にて、繊維状もしくは粒子状の樹脂を含まない多孔質導電シートの前駆体シートを得た。
次に、液状のフェノール樹脂 レヂトップ PL−2211((製品名、群栄化学社製、液体)をメタノールにて5%に希釈し、前駆体シートの表面に塗布した。塗布前のフェノールの状態は液体であった。その後、空気雰囲気下、100℃で2時間乾燥し、更に、温度200℃、圧力20MPaの条件下で、10分間熱プレスによる加熱処理を行い、多孔質導電シートを得た。更に、該多孔質導電シートを窒素ガス雰囲気下400℃で60分間、焼成処理することによりアラミドパルプにフッ素樹脂が融着した多孔質導電シートを得た。得られた多孔質導電シートの各種物性は表1に記載した。
比較例3で得られたシートは、シート全体にフェノール樹脂が浸透し、シート全体に結着部分が存在する。その為、繰り返し厚み変化率が15%以下と低くなった。また、フェノール樹脂が導電物質の形成する導電パスを阻害してしまい、電気抵抗が高く導電性の低いシートであった。かかるシートを用いて発電試験を行った結果、限界電流密度が0.5A/cm以下となり、燃料電池用電極材としては不適であった。
[比較例4]
比較例3で得られた多孔質導電シートを、更に窒素ガス雰囲気下、温度1750℃、圧力3kPaで10分間高温焼成した。
高温で焼成したことで、フェノール樹脂が炭化し導電性は向上したものの、繰り返し厚み変化率は比較例3よりも低下してしまった。
発電試験を行った結果、限界電流密度が0.5A/cm以下となり、燃料電池用電極材としては不適であった。
[比較例5]
実施例1と同様の方法で、多孔質導電シートの前駆体シートを得た。この前駆体シートに対して、80〜500℃での加温処理をしない代わりに、窒素ガス雰囲気下、温度1750℃、圧力3kPaで10分間高温焼成し、多孔質導電シートを得た。
高温で焼成したことで、フェノール樹脂が炭化し、得られた多孔質導電シートの繰り返し厚み変化率と引張強度は低いものであった。
発電試験を行った結果、限界電流密度が0.5A/cm以下となり、燃料電池用電極材としては不適であった。
[実施例3、4]
粒子状の固形樹脂の配合量を変更した以外は実施例1と同様の方法で多孔質導電シートを得た。スラリーの各分散液におけるそれぞれの成分比率および得られた多孔質導電シートの各種物性を表2に示した。
実施例1よりも固形樹脂の配合比率を増加させた実施例3で得られた多孔質導電シートは、実施例1と比較して耐熱性有機パルプと導電物質の結着箇所が増加し、耐熱性有機パルプの可動域がやや減少したため、繰り返し厚み変化率は多少減少したものの、引張強度および剛難度は実施例1よりも向上し、優れた電池性能を示した。
一方、実施例1よりも固形樹脂の配合比率を減少させた実施例4で得られた多孔質導電シートは、実施例1と比較して引張強度および剛難度はやや低下したものの、繰り返し厚み変化率は向上し、優れた電池性能を示した。
[実施例5]
繊維状もしくは粒子状の樹脂として、フェノール粒子に変えてPVA繊維 VPB101(製品名、株式会社クラレ製、繊度:2.9dtex、カット長4mm、繊維状)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で多孔質導電シートを得た。抄紙する際のPVA繊維の状態は繊維状であった。スラリーの各分散液におけるそれぞれの成分比率、得られた多孔質導電シートの各種物性を表2に示した。
用いる樹脂をフェノール粒子からPVA繊維に変更しても、繰り返し厚み変化率、引張強度および導電性に優れた多孔質導電シートを得ることができた。かかる多孔質導電シートを電極に用いた電池の限界電流密度は、1.3A/cmと高く優れた電池性能を示した。
[実施例6]
繊維状もしくは粒子状の樹脂として、フェノール粒子に変えて5mmにカットしたフェノール繊維(日本カイノール社製)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で多孔質導電シートを得た。抄紙する際のフェノール繊維の状態は繊維状であった。スラリーの各分散液におけるそれぞれの成分比率、得られた多孔質導電シートの各種物性を表2に示した。
用いる樹脂をフェノール粒子からフェノール繊維に変更しても、繰り返し厚み変化率、引張強度および導電性に優れた多孔質導電シートを得ることができた。かかる多孔質導電シートを電極に用いた電池の限界電流密度は、1.4A/cmと高く優れた電池性能を示した。
[実施例7、8]
導電粒子の配合量を変更した以外は実施例1と同様の方法で多孔質導電シートを得た。抄紙する際の抄紙する際のフェノールの状態は粒子状であった。スラリーの各分散液におけるそれぞれの成分比率、得られた多孔質導電シートの各種物性を表3に示した。
実施例1よりも導電粒子の配合比率を増加させた実施例7で得られた多孔質導電シートは、実施例1と比較して構造材となる、耐熱性有機パルプや炭素繊維、樹脂の割合が相対的に減少したため、繰り返し厚み変化率および引張強度は多少減少したものの、電極材料として用いるには十分な値を示した。また、得られた多孔質導電シートの導電性は実施例1よりも向上し、優れた電池性能を示した。
一方、実施例1よりも導電粒子の配合比率を減少させた実施例8で得られた多孔質導電シートは、実施例1と比較して導電性はやや低下したものの電極材料として用いるには十分な値を示した。また、かかる多孔質導電シートは、引張強度および厚み変化への追従性に優れた多孔質導電シートであり、優れた電池性能を示した。
[実施例9、10]
炭素繊維の配合量を変更した以外は実施例1と同様の方法で多孔質導電シートを得た。抄紙する際の抄紙する際のフェノールの状態は粒子状であった。スラリーの各分散液におけるそれぞれの成分比率、得られた多孔質導電シートの各種物性を表3に示した。
実施例1よりも炭素繊維の配合比率を増加させた実施例9で得られた多孔質導電シートは、実施例1と比較して、導電材と構造材の両方の機能を備えた炭素繊維割合が高いため、導電性はわずかに低下したものの、実施例1よりも更に優れた引張強度および厚み変化への追従性を示し、電極材として好適に用いられる多孔質導電シートであった。
一方、実施例1よりも炭素繊維の配合比率を減少させた実施例10で得られた多孔質導電シートは、実施例1と比較して引張強度および厚み変化への追従性はやや低下したものの電極材料として用いるには十分な値を示した。また、かかる多孔質導電シートは、導電性に優れた多孔質導電シートであり、優れた電池性能を示した。
[実施例11]
フッ素樹脂の配合量を増加させた以外は実施例1と同様の方法で多孔質導電シートを得た。抄紙する際の抄紙する際のフェノールの状態は粒子状であった。スラリーの各分散液におけるそれぞれの成分比率、得られた多孔質導電シートの各種物性を表3に示した。
実施例11で得られた多孔質導電シートは、繰り返し厚み変化率、引張強度および導電性に優れた多孔質導電シートであり、かかる多孔質導電シートを電極に用いた電池の限界電流密度は、1.2A/cmと高く優れた電池性能を示した。
[実施例12]
フッ素樹脂を用いず、焼結処理を行わなかった以外は実施例1と同様の方法で多孔質導電シートを得た。抄紙する際の抄紙する際のフェノールの状態は粒子状であった。スラリーの各分散液におけるそれぞれの成分比率、得られた多孔質導電シートの各種物性を表3に示した。
実施例12で得られた多孔質導電シートは、繰り返し厚み変化率、引張強度および導電性に優れた多孔質導電シートであり、かかる多孔質導電シートであった。実施例12で得られた多孔質導電シートは、フッ素樹脂が耐熱性有機パルプに沈着していないため、実施例1と比較して撥水性がやや低下したため、かかる多孔質導電シートを電極に用いた電池の限界電流密度は、0.6A/cmとやや低かったものの、十分に優れた電池性能を示した。
[実施例13]
炭素繊維として、PAN系CFチョップに替えて、ピッチ系のラヒーマ(帝人株式会社製、平均繊維直径8μm、平均繊維長170μm、アスペクト比21、長径/短径1)を使用する以外は、実施例1と同様の方法で多孔質導電シートを得た。抄紙する際のフェノールの状態は粒子状であった。スラリーの各分散液におけるそれぞれの成分比率、得られた多孔質導電シートの各種物性を表4に示した。
実施例13で得られた多孔質導電シートは、繰り返し厚み変化率、引張強度および導電性に優れた多孔質導電シートであり、かかる多孔質導電シートを電極に用いた電池の限界電流密度は、1.6A/cmと高く優れた電池性能を示した。
[実施例14]
炭素繊維として、PAN系CFチョップに替えて、PAN系ミルド繊維(東邦テナックス株式会社製 TENAX HTM100 160mu、平均繊維直径7μm、平均繊維径160μm、アスペクト比23、長径/短径1)を使用する以外は、実施例1と同様の方法で多孔質導電シートを得た。抄紙する際のフェノールの状態は粒子状であった。スラリーの各分散液におけるそれぞれの成分比率、得られた多孔質導電シートの各種物性を表4に示した。
実施例14で得られた多孔質導電シートは、繰り返し厚み変化率、引張強度および導電性に優れた多孔質導電シートであり、かかる多孔質導電シートを電極に用いた電池の限界電流密度は、1.4A/cmと高く優れた電池性能を示した。
2 フィブリル化させた芳香族ポリアミドパルプ
4 幹部
6 幹部4から繊維をフィブリル化させたフィブリル部

Claims (5)

  1. 耐熱性有機パルプと導電物質から成る多孔質導電シートであって、繰り返し厚み変化率が15%以上であり、引張強度が1.5N/cm以上であり、かつ、厚み方向の圧縮時の貫通方向電気抵抗が50mΩ/cm以下であることを特徴とする多孔質導電シート。
  2. 剛軟度が40〜300mN・cmである請求項1に記載の多孔質導電シート。
  3. 耐熱性有機パルプと導電物質と繊維状もしくは粒子状の樹脂を含む前駆体シートを、80〜500℃で加温処理することを特徴とする多孔質導電シートの製造方法。
  4. 請求項1または2に記載の多孔質導電シートを用いる電極材。
  5. 請求項4に記載の電極材と、電解質膜とが積層される燃料電池。
JP2013148562A 2013-07-17 2013-07-17 多孔質導電シート及びその製造方法 Pending JP2015022838A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013148562A JP2015022838A (ja) 2013-07-17 2013-07-17 多孔質導電シート及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013148562A JP2015022838A (ja) 2013-07-17 2013-07-17 多孔質導電シート及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015022838A true JP2015022838A (ja) 2015-02-02

Family

ID=52487132

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013148562A Pending JP2015022838A (ja) 2013-07-17 2013-07-17 多孔質導電シート及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015022838A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017171724A (ja) * 2016-03-22 2017-09-28 株式会社巴川製紙所 熱硬化性接着シートおよびその製造方法
JP2020534446A (ja) * 2018-08-22 2020-11-26 江西克莱威納米炭材料有限公司 アラミド繊維の遠赤外線放射紙及びその製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011065349A1 (ja) * 2009-11-24 2011-06-03 三菱レイヨン株式会社 多孔質電極基材およびその製造方法
JP2013080590A (ja) * 2011-10-03 2013-05-02 Toho Tenax Co Ltd 導電シート及びその製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011065349A1 (ja) * 2009-11-24 2011-06-03 三菱レイヨン株式会社 多孔質電極基材およびその製造方法
JP2013080590A (ja) * 2011-10-03 2013-05-02 Toho Tenax Co Ltd 導電シート及びその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017171724A (ja) * 2016-03-22 2017-09-28 株式会社巴川製紙所 熱硬化性接着シートおよびその製造方法
JP2020534446A (ja) * 2018-08-22 2020-11-26 江西克莱威納米炭材料有限公司 アラミド繊維の遠赤外線放射紙及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5537664B2 (ja) 導電シート及びその製造方法
JP5753469B2 (ja) 導電シート及びその製造方法
JP5987484B2 (ja) ガス拡散電極基材およびその製造方法
US12034188B2 (en) Graphitized carbon substrate and gas diffusion layer employing same
KR102339301B1 (ko) 다공질 기재, 다공질 전극, 탄소 섬유지, 탄소 섬유지의 제조 방법, 다공질 기재의 제조 방법
JP6717748B2 (ja) ガス拡散基材
KR102082546B1 (ko) 가스 확산 전극 기재, 및 그것을 구비하는 막 전극 접합체 및 연료 전지
KR20010080532A (ko) 다공질, 도전성시트 및 그 제조방법
JP2000299113A (ja) 導電シートおよびそれを用いた燃料電池用電極基材
KR20160124098A (ko) 가스 확산 전극 기재, 및 그것을 구비하는 막 전극 접합체 및 연료 전지
WO2017099181A1 (ja) 炭素シート、ガス拡散電極基材、および燃料電池
JP6046461B2 (ja) 多孔質導電シート及びその製造方法、電極材、燃料電池
JP2015022838A (ja) 多孔質導電シート及びその製造方法
JP5844675B2 (ja) 多孔質導電シート及びその製造方法、電極材、燃料電池
JP5464136B2 (ja) ガス拡散電極基材の製造方法
WO2017069014A1 (ja) 炭素シート、ガス拡散電極基材、巻回体、および燃料電池
US9859572B2 (en) Gas diffusion substrate
JP2017171550A (ja) 導電性多孔質基材、ガス拡散電極、および、燃料電池
JP2017182900A (ja) 炭素シート、ガス拡散電極基材、および燃料電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160407

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170321

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170926