JP2017160417A - 粘着シート - Google Patents
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Abstract
Description
粘着シートは、少なくとも1つの粘着剤層と、前記粘着剤層を支持する基材層とを備える。
基材層は、粘着剤層を保持し、被着体の表面形状に倣って折り曲げ等の変形が可能な部材であり、その弾性率の範囲が、1680N/cm以上3000N/cm以下である。なお、基材層の弾性率は、後述する測定方法により測定される。基材層の弾性率が、このような範囲であると、基材層は適度な強度と柔らかさを備えつつ、粘着剤層の柔らかさを阻害することが抑制され、粘着シートの気密性を確保し易い。
粘着剤層は、被着体に貼り付け可能な粘着面を提供する層であり、粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率は、250kPa以下となっている。なお、粘着剤層の貯蔵弾性率(23℃)は、後述する方法により測定される。
CH2=C(R1)COOR2 ・・・・・(1)
ここで、上記式(1)中のR1は、水素原子又はメチル基である。また、R2は、炭素原子数1〜18の鎖状アルキル基である。以下、このような炭素原子数の範囲を「C1−18」と表すことがある。粘着剤の貯蔵弾性率等の観点より、R2がC1−14(例えばC2−10、典型的にはC4−9)の鎖状アルキル基であるアルキル(メタ)アクリレートを主モノマーとすることが適当である。また、粘着特性の観点より、R1が水素原子であってR2がC4−9の鎖状アルキル基であるアルキルアクリレート(以下、単にC4−9アルキルアクリレートと称する場合がある。)を主モノマーとすることが好ましい。
使用前の粘着シートにおいて、粘着剤層の表面(粘着面)は、剥離ライナーによって保護される。剥離ライナーとしては、公知のものから適宜、選択したものを利用することができる。ただし、粘着シートを、ハードディスクドライブ(磁気ディスク装置)等に貼り付けて使用する場合には、シリコーン系剥離処理剤を用いない、非シリコーン系の剥離ライナーを利用することが好ましい。シリコーン系の剥離ライナーを使用すると、環状シロキサン等のハードディスクドライブ等の故障の原因となるシロキサン化合物(シロキサンガス)が発生してしまうからである。
粘着シートは、例えば、気密性が要求される被着体に対して好適に用いることができる。粘着シートは、例えば、ハードディスクドライブ(磁気ディスク装置)におけるカバーシール、ハードディスクドライブに設けられている各種孔(穴)を塞ぐための封止シール、ハードディスクドライブを構成する電子部品(電子部材)や筐体等の部品(部材)の固定部材等として利用することができる。
粘着シートが貼り付けられる被着体を構成する材料としては、特に制限はないが、粘着シートの性能を十分に発揮し易い等の理由により、好ましくは、金属(例えば、アルミニウム)、合金(例えば、ステンレス鋼)、表面が金属又は合金で覆われた部材(例えば、カチオン電着塗装物)等が挙げられる。
(基材層aの作製)
ドライラミネート接着による積層方式により、PETフィルム層(厚み:25μm)、アルミニウム層(厚み:7μm)及びPETフィルム層(厚み:9μm)が、この順番で表側から裏側にかけて並ぶ構成の基材層aを作製した。なお、各PETフィルム層とアルミニウム層との間には、それぞれ接着剤層(厚み:2.5μm)が介在されている。基材層aの総厚みは、46μmである。
アクリル酸(AA)5質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)95質量部、及びアクリル酸4−ヒドロキシブチル(4HBA)0.05質量部を、酢酸エチル100質量部を溶媒として、撹拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに投入した。そして、70℃にて窒素分以下で1時間撹拌した後、熱重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1質量部を投入し、57℃で5時間反応させ、続いて75℃で2時間反応させて、反応後に酢酸エチル200質量部を添加し、重量平均分子量が120万のアクリル系ポリマーの溶液(固形分濃度:25質量%)を得た。そして、この溶液に、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製)、商品名「コロネートL」、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物、固形分濃度75質量%)2質量部(固形分換算)を配合して、溶液状の粘着剤組成物Aを得た。後述する表1において、イソシアネート系架橋剤である「コロネートL」は、「CL」と示した。
基材層aの裏側にあるPETフィルム層の面上に、乾燥後の厚みが30μmとなるように粘着剤組成物Aを塗布し、その塗布された組成物Aを120℃で3分間乾燥して、基材層a上に粘着剤層が形成されてなる実施例1の粘着シートを得た。なお、粘着剤層の表面(粘着面)には、離型処理及びエンボス処理された熱可塑性フィルムからなる剥離ライナー(サンエー化研株式会社製、商品面「SFL−70T2」、70μm)を貼り付けた。以降の実施例、比較例における粘着シートの粘着面についても、同様の剥離ライナーを貼り付けた。
(粘着剤組成物Bの調製)
アクリル酸(AA)の配合量を7質量に変更し、かつアクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)に代えてアクリル酸ブチル(BA)93質量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、溶液重合を行い、重量平均分子量が120万のアクリル系ポリマーの溶液(固形分濃度:25質量%)を得た。そして、その溶液に、実施例1と同様、イソシアネート系架橋剤(トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物、固形分濃度75質量%)2質量部(固形分換算)を配合して、溶液状の粘着剤組成物Bを得た。
実施例1と同様の基材層aを用意し、その基材層aの裏側にあるPETフィルム層の面上に、乾燥後の厚みが30μmとなるように粘着剤組成物Bを塗布し、その塗布された組成物Bを120℃で3分間乾燥して、基材層a上に粘着剤層が形成されてなる実施例2の粘着シートを得た。
基材層bとして、厚みが20μmのアルミニウム箔を用意した。その基材層bの片面上に、乾燥後の厚みが30μmとなるように、実施例2と同様の粘着剤組成物Bを塗布した。塗布された組成物Bを120℃で3分間乾燥して基材層b上に粘着剤層を形成することで、実施例3の粘着シートを得た。
基材層cとして、PETフィルムの片面にアルミ蒸着層が形成されてなるアルミ蒸着PETフィルム(厚み:50μm)を用意した。その基材層cの片面(アルミ蒸着層)上に、乾燥後の厚みが30μmとなるように、実施例2と同様の粘着剤組成物Bを塗布した。塗布された組成物Bを120℃で3分間乾燥して基材層c上に粘着剤層を形成することで、実施例4の粘着シートを得た。
(粘着剤組成物Cの調製)
イソシアネート系架橋剤(「コロネートL」、固形分濃度75質量%)の配合量を、5質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、溶液状の粘着剤組成物Cを得た。
実施例1と同様の基材層aを用意し、その基材層aの裏側にあるPETフィルム層の面上に、乾燥後の厚みが30μmとなるように粘着剤組成物Cを塗布し、その塗布された組成物Cを120℃で3分間乾燥して、基材層a上に粘着剤層が形成されてなる比較例1の粘着シートを得た。
(粘着剤組成物Dの調製)
イソシアネート系架橋剤(「コロネートL」、固形分濃度75質量%)の配合量を、5質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、溶液状の粘着剤組成物Dを得た。
実施例1と同様の基材層aを用意し、その基材層aの裏側にあるPETフィルム層の面上に、乾燥後の厚みが30μmとなるように粘着剤組成物Dを塗布し、その塗布された組成物Dを120℃で3分間乾燥して、基材層a上に粘着剤層が形成されてなる比較例2の粘着シートを得た。
(粘着シートの作製)
実施例1と同様の基材層aを用意し、その基材層aの裏側にあるPETフィルム層の面上に、乾燥後の厚みが10μmとなるように、実施例2と同様の粘着剤組成物Bを塗布した。塗布された組成物Bを120℃で3分間乾燥して基材層a上に粘着剤層を形成することで、比較例3の粘着シートを得た。
基材層dとして、厚みが50μmのPETフィルムを用意した。その基材層dの片面上に、乾燥後の厚みが30μmとなるように、実施例2と同様の粘着剤組成物Bを塗布した。塗布された組成物Bを120℃で3分間乾燥して基材層d上に粘着剤層を形成することで、比較例4の粘着シートを得た。
基材層eとして、厚みが50μmのアルミニウム箔を用意した。その基材層eの片面上に、乾燥後の厚みが30μmとなるように、実施例2と同様の粘着剤組成物Bを塗布した。塗布された組成物Bを120℃で3分間乾燥して基材層e上に粘着剤層を形成することで、比較例5の粘着シートを得た。
(粘着剤組成物Eの調製)(ゴム系)
スチレンイソプレンブロック共重合体(重量平均分子量:17万)100質量部と、実施例1と同様のイソシアネート系架橋剤(「コロネートL」、固形分濃度75質量%)2質量部(固形分換算)と、溶媒としてのトルエンとを撹拌混合して、溶液状の粘着剤組成物Eを作製した。
実施例1と同様の基材層aを用意し、その基材層aの裏側にあるPETフィルム層の面上に、乾燥後の厚みが30μmとなるように、粘着剤組成物Eを塗布し、その塗布された組成物Eを120℃で3分間乾燥して、基材層a上に粘着剤層が形成されてなる実施例5の粘着シートを得た。
(シロップの調製)
アクリル酸(AA)6質量部、及びアクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)94質量部が混合されてなる液状のモノマー混合物に、光重合開始剤として、商品名「イルガキュア651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)」(BASFジャパン株式会社製)0.05質量部及び商品名「イルガキュア184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)」(BASFジャパン株式会社製)0.05質量部を配合した後、粘度(BH粘度計No.5ローター、10rpm、測定温度:30℃)が約15Pa・sになるまで紫外線を照射して、モノマー成分の一部が重合してなる部分重合体を含むシロップ(AA/2EHA=6/94)を得た。
前記シロップ(100質量部)に、架橋成分(多官能性モノマー)としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、商品名「KAYARAD」、日本化薬株式会社製)0.05質量部を添加し、それらを混合することによって、シロップ状の粘着剤組成物Fを得た。
実施例1と同様の基材層aを用意し、その基材層aの裏側にあるPETフィルム層の面上に、硬化後の厚みが150μmとなるように、粘着剤組成物Fを塗布した。その後、基材層a上の組成物Fに剥離ライナー(商品名「MRE#38」、三菱樹脂株式会社製)を貼り付け、その状態で組成物Fに対して、両面側から照度5mW/cm2の紫外線を2分間照射し、組成物Fを硬化させた。このようにして基材層a上に粘着剤層が形成されてなる実施例6の粘着シートを得た。
実施例1と同様の基材層aを用意し、その基材層aの裏側にあるPETフィルム層の面上に、硬化後の厚みが200μmとなるように、粘着剤組成物Fを塗布したこと以外は、実施例6と同様にして、基材層a上に粘着剤層が形成されてなる実施例7の粘着シートを得た。
(シロップの調製)
アクリル酸(AA)の配合量を20質量部に変更したこと以外は、実施例6と同様にして、シロップ(AA/2EHA=20/94)を得た。
比較例6のシロップ(114質量部)に、架橋成分(多官能性モノマー)としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、商品名「KAYARAD」、日本化薬株式会社製)0.05質量部を添加し、それらを混合することによって、シロップ状の粘着剤組成物Gを得た。
実施例1と同様の基材層aを用意し、その基材層aの裏側にあるPETフィルム層の面上に、硬化後の厚みが30μmとなるように、粘着剤組成物Gを塗布した。その塗布された組成物Gに対して、照度5mW/cm2の紫外線を2分間照射し、基材a上に粘着剤層が形成されてなる比較例6の粘着シートを得た。
(シロップの調製)
アクリル酸(AA)を配合せず、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)の配合量を100質量部に変更したこと以外は、実施例6と同様にして、シロップ(2EHA=100)を得た。
比較例7のシロップ(100質量部)に、架橋成分(多官能性モノマー)としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、商品名「KAYARAD」、日本化薬株式会社製)0.05質量部を添加し、それらを混合することによって、シロップ状の粘着剤組成物Hを得た。
実施例1と同様の基材aを用意し、その基材aの裏側にあるPETフィルム層の面上に、硬化後の厚みが30μmとなるように、粘着剤組成物Hを塗布した。その後、基材層a上の組成物Hに剥離ライナー(商品名「MRE#38」、三菱樹脂株式会社製)を貼り付け、その状態で組成物Hに対して、両面側から照度5mW/cm2の紫外線を2分間照射し、組成物Hを硬化させた。このようにして基材層a上に粘着剤層が形成されてなる比較例7の粘着シートを得た。
(シロップの調製)
N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)6質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)82質量部、メタクリル酸2−メトキシエチル(2MEA)12質量部が混合されてなる液状のモノマー混合物に、光重合開始剤として、商品名「イルガキュア651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)」(BASFジャパン株式会社製)0.05質量部及び商品名「イルガキュア184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)」(BASFジャパン株式会社製)0.05質量部を配合した後、粘度(BH粘度計No.5ローター、10rpm、測定温度:30℃)が約15Pa・sになるまで紫外線を照射して、モノマー成分の一部が重合してなる部分重合体を含むシロップ(NVP/2EHA/2MEA=6/82/12)を得た。
比較例8のシロップ(100質量部)に、架橋成分(多官能性モノマー)としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、商品名「KAYARAD」、日本化薬株式会社製)0.05質量部、フィラーとして水酸化アルミニウム(商品名「ハイジライトH−42」、昭和電工株式会社製、平均粒径:1μm)250質量部を添加し、それらを混合することによって、シロップ状の粘着剤組成物Iを得た。
(シロップの調製)
アクリル酸(AA)6質量部、及びアクリル酸イソオクチル(iOA)94質量部が混合されてなる液状のモノマー混合物に、光重合開始剤として、商品名「イルガキュア651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)」(BASFジャパン株式会社製)0.05質量部及び商品名「イルガキュア184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)」(BASFジャパン株式会社製)0.05質量部を配合した後、粘度(BH粘度計No.5ローター、10rpm、測定温度:30℃)が約15Pa・sになるまで紫外線を照射して、モノマー成分の一部が重合してなる部分重合体を含むシロップ(AA/iOA=6/94)を得た。
前記シロップ(100質量部)に、架橋成分(多官能性モノマー)としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、商品名「KAYARAD」、日本化薬株式会社製)0.05質量部を添加し、それらを混合することによって、シロップ状の粘着剤組成物Jを得た。
実施例1と同様の基材層aを用意し、その基材層aの裏側にあるPETフィルム層の面上に、硬化後の厚みが150μmとなるように、粘着剤組成物Jを塗布した。その後、基材層a上の組成物Jに剥離ライナー(商品名「MRE#38」、三菱樹脂株式会社製)を貼り付け、その状態で組成物Jに対して、両面側から照度5mW/cm2の紫外線を2分間照射し、組成物Jを硬化させた。このようにして基材層a上に粘着剤層が形成されてなる実施例8の粘着シートを得た。
(シロップの調製)
アクリル酸イソオクチル(iOA)を、アクリル酸イソノニル(iNA)94質量部に変更したこと以外は、実施例8と同様にして、シロップ(AA/iNA=20/94)を得た。
実施例1と同様の基材層aを用意し、その基材層aの裏側にあるPETフィルム層の面上に、硬化後の厚みが150μmとなるように、粘着剤組成物Kを塗布した。その後、基材層a上の組成物Kに剥離ライナー(商品名「MRE#38」、三菱樹脂株式会社製)を貼り付け、その状態で組成物Kに対して、両面側から照度5mW/cm2の紫外線を2分間照射し、組成物Kを硬化させた。このようにして基材層a上に粘着剤層が形成されてなる実施例9の粘着シートを得た。
実施例、比較例の各粘着剤組成物A〜Kを利用して、それぞれ測定用の粘着剤層(厚み:1000μm)を作製した。そして、粘着剤層を、直径7.9mmに打ち抜き、それをパラレルプレートで挟み込む形で固定したものを測定資料とした。そのような測定資料について、動的粘弾性測定装置(レオメトリック社製、製品名「ARES」)を用い、下記条件で動的粘弾性測定を行い、温度条件23℃における貯蔵弾性率G’を測定した。粘着剤層の貯蔵弾性率の測定結果は、表1,2に示した。
装置:Rheometric Scientific社製、ARES(Advanced Rheometric Expansion System)
周波数:1Hz
温度:−40〜100℃
昇温温度:5℃/分
ひずみ:1%
粘着シートの粘着面の表面張力を、ISO 8296:2003の規格に基づいて測定した。具体的な測定方法は、以下の通りである。
実施例、比較例の各剥離ライナー付き粘着テープから、それぞれ10mm幅×50mm長さに切り出し、それらから剥離ライナーを剥がしたものを測定サンプルとした。測定サンプルの長手方向の上端を引張試験機の上端チャックに挟んで固定した後、上下のチャック間距離が20mmになるように測定サンプルの位置を調節しつつ、下端チャックで測定サンプルを挟んで固定した。固定された測定サンプルを、50mm/分の速度で引張試験(応力−歪試験)を行い、応力歪曲線の初期傾きから弾性率を算出し、これを初期弾性率(N/cm)とした。
実施例、比較例の各粘着テープについて、図3に示される試験装置100を利用してヘリウムガス漏洩試験を行った。試験装置100は、内部に密閉された空間R1を有する試験室(ヘリウム充填容器)101と、試験室101内に設置される耐圧容器(圧力容器)102とを備えている。耐圧容器102は、SUS304製であり、円筒状をなしている。耐圧容器102は、一方の開口端が試験室101の床面上に固定される形で立設されている。耐圧容器102の他方の開口端は、試験室101の天井側を向くように配され、その開口端を塞ぐ形で板状のステージ103が設置されている。円筒状の耐圧容器102と、試験室101の床面と、ステージ103とで囲まれた空間R2が、ヘリウムガス漏洩試験の検出エリアとなっている。なお、ステージ103は、厚み方向の貫通し、耐圧容器102の内側と連通する貫通孔(直径5mm)103aを備えおり、その貫通孔103aを塞ぐ形で、粘着テープから切り出された円形状の試験サンプル(直径14mm)Sが貼り付けられる。
各実施例及び各比較例の粘着シートから、幅20mm×長さ150mmの測定サンプルを切り出した。この測定サンプルを、ステンレス板(SUS:304BA)に、2kgのローラーを1往復させる方法で圧着して貼付し、温度23℃の雰囲気下で20分間放置した。その後、JIS Z 0237に準拠し、引張試験機(島津製作所社製、製品名「テンシロン」)を使用して、引張り速度:300mm/分、剥離角度:180°で(測定環境:23℃、50%RH)引き剥がして、その剥離に要する力(180°引き剥がし粘着力)(N/20mm)を測定した。測定結果は、表1,2に示した。
各実施例及び各比較例の粘着シートの加熱発生ガス量は、ダイナミックヘッドスペース法により測定した。具体的な測定方法は、以下の通りである。粘着シートから、7cm2サイズに切り出したものを測定サンプルとした。測定サンプルを50mlバイアル中に封入し、それをヘッドスペースオートサンプラ(製品名「EQ−12031HSA」、株式会社JEOL製)で、120℃、10分間の条件で加熱した。測定サンプルから発生するガスの総量(加熱発生ガス量)は、ガスクロマトグラフ/質量分析計(GC−MS)を用いて測定した。なお、加熱発生ガス量は、粘着シートの単位面積当たりの発生ガス量(単位:ng/cm2)である。測定結果は、表1,2に示した。
図4は、定荷重剥離試験の内容を模式的に表した説明図である。図4を参照しつつ、定荷重剥離試験について説明する。先ず、実施例、比較例で得られた粘着シートから、幅20mm×長さ150mmの測定サンプルを切り出した。この測定サンプルS1の粘着面(粘着剤層20)を、温度23℃の雰囲気下で、ステンレス板(SUS:304BA)X1に、2kgのローラーを1往復させる方法で圧着して貼付し、温度25℃の雰囲気下で30分間放置した。その後、測定サンプルS1が貼付されたステンレス板X1を、測定サンプルS1が貼付されている面が下側となるようにクランプを用いて水平に設置した。次いで、ステンレス板X1から、測定サンプルS1を、長さ方向の一方の末端から長さ方向に5mm剥離させた。測定サンプルS1における剥離させた部分側の一方の端部から、100gの錘W1をヒモで吊し、ステンレス板X1表面に対して垂直方向(90°剥離方向)に、100g重の荷重をかけ、試験を開始した。試験は、温度23℃の雰囲気下で行った。なお、錘は、測定サンプルS1の幅方向の中央、長さ方向の末端から5mmの部分に穴をあけて通したヒモの先に取り付けた。なお、図4には、定荷重剥離試験開始時における、ステンレス板X1、測定サンプルS1、錘W1の位置関係が示されている。試験開始から24時間後、試験を終了し、24時間の間に測定サンプルS1がステンレス板X1から剥離した距離(剥がれ距離)を測定し、定荷重剥離(24hrs剥がれ距離)(mm)とした。測定結果は、表1,2に示した。
図5は、保持力試験の内容を模式的に表した説明図である。図5を参照しつつ、保持力試験について説明する。先ず、実施例、比較例で得られた粘着シートから、幅10mm×長さ100mmの測定サンプルS2を切り出した。測定サンプルS2の粘着面(粘着剤層20)を、ステンレス板(SUS:304BA)X2に、幅10mm、長さ20mmの接着面積(2cm2)にて、2kgのローラーを1往復させる方法で圧着して貼付し、80℃の環境下に垂下して30分間放置した。その後、測定サンプルS2の自由端に500gの錘W2を付加して試験を開始した。図5には、保持力測定試験開始時における、ステンレス板X2、測定サンプルS2、錘W2の位置関係が示されている。JIS Z0237に準拠して、500g重の荷重が付与された状態で80℃環境下に1時間放置し、1時間の間に測定サンプルS2がずれた距離(ズレ量)(mm)を測定した。測定結果は、表1,2に示した。
実施例及び比較例の各粘着剤層におけるプローブタック(kN/m2)を、以下に示されるASTM D2979(転倒試験機による接着剤の感圧粘着性試験法)に準じた方法で測定した。
Claims (14)
- 粘着剤層と、前記粘着剤層を支持する基材層とを備え、
前記粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率が250kPa以下であり、
前記基材層の弾性率が、1680N/cm以上3000N/cm以下であり、
80℃での250gf/cm2あたりの保持力試験における1時間後のズレ量が1.0mm未満であることを特徴とする粘着シート。 - 前記粘着剤層の23℃におけるプローブタックが、20kN/m2以上である請求項1に記載の粘着シート。
- 前記粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率が、12kPa以上である請求項1又は2に記載の粘着シート。
- 前記粘着剤層の厚みが、15μm以上である請求項1〜3の何れか一項に記載の粘着シート。
- 前記粘着剤層の表面張力が20dyn/cm以上である請求項1〜4の何れか一項に記載の粘着シート。
- 前記基材層の厚みが、10μm以上100μm以下である請求項1〜5の何れか一項に記載の粘着シート。
- 前記粘着剤層の厚みが、200μm以下である請求項1〜6の何れか一項に記載の粘着シート。
- 前記粘着剤層の表面張力が、60dyn/cm以下である請求項1〜7の何れか一項に記載の粘着シート。
- 前記粘着剤層が、アクリル系ポリマー、エステル系ポリマー、及びゴム系ポリマーからなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項1〜8の何れか一項に記載の粘着シート。
- 前記基材層が、プラスチック層、金属層、又はそれらの複合層からなる請求項1〜9の何れか一項に記載の粘着シート。
- 3000Paのヘリウム充填容器と1Paの圧力容器とを隔てた際に、前記ヘリウム充填容器から前記圧力容器へヘリウムガスが漏洩する割合が、1×10−9Pa・m3/s未満である請求項1〜10の何れか一項に記載の粘着シート。
- 23℃での100g定荷重剥離試験における24時間後の剥がれ距離が50mm未満である請求項1〜11の何れか一項に記載の粘着シート。
- 前記粘着剤層のステンレス板に対する180°引き剥がし粘着力が、5N/20mm以上である請求項1〜12の何れか一項に記載の粘着シート。
- 前記粘着剤層を130℃で30分間加熱した際の発生ガス量が、6000ng/cm2未満である請求項1〜13の何れか一項に記載の粘着シート。
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