JP6621355B2 - 基礎構造及び建物 - Google Patents

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本発明は、建物の基礎構造、及びそれを用いた建物に関する。
工業化住宅において、基礎梁等の布基礎と、布基礎からの荷重を支持する杭体とを接合しない工法を採用した基礎構造の実用化が進められている。例えば、特許文献1には、構造物の荷重を支持する杭が、構造物と接合されずに軟弱地盤に埋設された、杭基礎及び構造物が開示されている。このような基礎構造を採用すると、上部構造体に外力が作用しても杭頭には水平摩擦力と押し込み力のみが作用するため、杭体へ作用する水平力を大幅に低減することができ、基礎構造の軽量化、簡素化を実現できる。
特開2000−291022号公報
ところで、布基礎と杭体を接合しない上記の基礎構造では、杭体の負担が低減できる一方、布基礎と杭体との間に「引き抜き」に対する抗力が発生しない。従って、上部構造体に風や地震等の外力が作用すると、杭体と接合していない基礎梁等の布基礎が、杭体から浮き上がってしまう虞がある。この現象は、都市部で需要のあるいわゆるペンシルビルなどの建物の幅または奥行きに対して建物高さが高い建物で発生する可能性が高くなる。そして、このような浮き上がりが発生すると、基礎梁が片持ち梁となって鉛直力を支持しなければならず、基礎梁の強度を高める必要があった。
図5、及び図6を用いて基礎梁が片持ち梁となる場合について説明する。図5(a)において、建物にY0〜Y2通り方向の水平力が作用した場合、その水平力の大きさ及び作用点の地盤からの高さに依存するモーメントが建物に作用する。その結果、建物のX1通り立面におけるY0通りとの交点には、図5(b)に示す引き抜き力が発生するが、この引き抜き力が建物の自重による鉛直荷重を上回る場合には、図5(c)に示すようにY0通りとの交点に浮き上がりが発生する。そして、Y0通りとの交点に浮き上がりが発生すると、Y0通りとY1通りとの間の基礎梁がY1通りを固定端とする片持ち梁の状態となる。このような状態では、該引き抜き力と建物の自重による該鉛直荷重の差分がY0通りとY1通りとの間の基礎梁にせん断力として作用するため、基礎梁に要求されるせん断強度及び曲げ強度を高める必要があった。図6についても、図6(a)において、建物にX0〜X2通り方向の水平力が作用した場合、建物に作用するモーメントに起因して、建物のX1通り立面におけるY0通りとの交点には、図6(b)に示す引き抜き力が発生する。この引き抜き力によってY0通りとの交点に浮き上がりが発生すると、Y0通りとY1通りとの間の基礎梁がY1通りを固定端とする片持ち梁の状態となり、該引き抜き力と建物の自重による該鉛直荷重の差分がY0通りとY1通りとの間の基礎梁にせん断力として作用する。従って、図5(b)の場合と同様に基礎梁に要求されるせん断強度及び曲げ強度を高める必要があった。
上記の課題に対して、基礎梁のせん断強度及び曲げ強度を高めるために、基礎梁幅や基礎梁せい(基礎梁の高さ)を大きくしたり、基礎梁に入れる鉄筋を増やす等の対応がなされてきた。しかし、基礎梁幅を大きくすると、建物を敷地境界から遠ざける必要があったり、室内又はピロティの有効利用範囲が狭くなることがあった。また、基礎梁せいを大きくした場合にも同様に建物を敷地境界から遠ざける必要がある。この他、基礎梁に用いる鉄筋を増やした場合には、鉄筋間の空き寸法を確保するために基礎幅及び基礎せいが増加するという同様の課題が生まれる。
他方、都市部では狭小敷地も多く、建物の内部空間を広く確保するために、敷地境界へなるべく接近して建物を建設するニーズが多い。このような場合には、パイルキャップ部を必要としないという面では布基礎と杭体とを接合しない技術が有利となりうる。しかし、そのような敷地では隣接する建物も敷地境界に接近して建設されていることが多い。従って、隣接する建物の基礎を支持する地盤へ影響しないようにするには、基礎梁せいを高くするなどの基礎梁の強度を高めるための設計に制限が発生する。
このように、従来の基礎構造では、都市部における建物のニーズに十分に対応しづらいという問題があった。
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、杭体に対する基礎梁等の浮き上がりを抑制すると共に、隣接建物からの制限を受けにくい基礎構造、及びそれを用いた建物を提供することである。
本発明は、建物の上部構造体を支持し、基礎構造の外周部分を形成する外周基礎梁と、
該外周基礎梁の下方に位置し、該外周基礎梁から水平方向に突出するフーチングと、
該フーチングの下方に設けられ、建物全体を支持する杭体と
を備える建物の基礎構造であって、
前記杭体は、前記フーチングと接合されておらず、
前記フーチングは、前記外周基礎梁の水平方向外側への突出長さよりも、水平方向内側への突出長さの方が長く、
前記フーチングの上方に錘部を配置していることを特徴とする建物の基礎構造である。
また、前記杭体は、前記外周基礎梁の直下に配置されていることが好ましい。
また、前記錘部は、前記フーチングの前記外周基礎梁からの水平方向内側への突出部分の上方に配置されていることが好ましい。
また、前記錘部は、コンクリートスラブを含むことが好ましい。
また、前記コンクリートスラブの両端のそれぞれの下方に前記フーチングが配置されており、少なくとも一方の前記フーチングは前記外周基礎梁の水平方向外側への突出長さよりも、水平方向内側への突出長さの方が長いことが好ましい。
また、前記錘部は、埋め戻し土を含むことが好ましい。
また、前記上部構造体は、建物の外周壁を含み、前記フーチングの水平方向外側の外側端は、前記外周壁の外側面よりも内側に配置されていることが好ましい。
また、前記フーチングの水平レベルは、基礎構造内において同一であることが好ましい。
また、本発明は、上記いずれかに記載の建物の基礎構造を備える建物である。
また、上記建物は、ピロティ構造を有していることが好ましい。
本発明の基礎構造、及び建物によれば、杭体に対する基礎梁等の浮き上がりを抑制すると共に、隣接建物からの制限を受けにくくすることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る基礎構造、及びそれを用いたピロティ構造を有する建物の構成を示す正面図である。 本発明の一実施形態に係る基礎構造の拡大図であり、(a)は平面図、(b)は正面断面図である。 本発明の一実施形態に係る基礎構造に用いられる基礎梁及びフーチング、並びに柱部材を示す平面図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係る基礎構造と隣地建物との位置関係を示す図であり、(b)は、基礎梁せいを大きくした従来の基礎構造と隣地建物との位置関係を示す図である。 建物に水平力が作用したときに基礎梁が浮き上がる原理を示す図である。 建物に水平力が作用したときに基礎梁が浮き上がる原理を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基礎構造1を用いた建物100の構成を示す正面図である。なお、本明細書、特許請求の範囲、要約書及び図面では、後述する上部構造体2が位置する側を上方(図1における上側)とし、杭体14が位置する側を下方(図1における下側)とする。
まず、建物100の全体構成について説明する。図1に示す建物100は、鉄骨造の軸組みを有する3階建ての工業化住宅である。
建物100は、GLに固定された鉄筋コンクリート造の基礎構造1と、柱部材30や梁部材などの軸組部材で構成された軸組架構を有し、基礎構造1に固定された上部構造体2と、で構成されている。なお、軸組架構を構成する軸組部材は、規格化(標準化)されたものであり、予め工場にて製造された後に建築現場に搬入されて組み立てられる。
基礎構造1は、軸組架構の下方に位置し、軸組架構を支持している。具体的に、基礎構
造1は、鉄筋コンクリート造の外周基礎梁10及びフーチング12、並びに杭体14を備える。また、外周基礎梁10の上端部には、露出型固定柱脚工法により軸組架構の柱部材30の柱脚を固定するための柱脚固定部が設けられ、アンカーボルトが外周基礎梁10の上面から突出している。
上部構造体2は、複数の柱部材30及び柱部材30間に架設された複数の梁部材から構成される軸組架構と、この軸組架構の外周部に配置される外周壁4と、階層間を上階屋内空間と下階屋内空間とに隔てる床部材16’と、を備えている。
なお、図1に示す建物100は、1階部分が柱部材30と床部材16’としてのコンクリートスラブ16とを備え、部分的に外周壁4を設けないで外部空間と連通する、ピロティ構造となっている。
外周壁4は、外装部材と、断熱部材と、内装部材と、を含んでいる。外装部材は、例えば、軽量気泡コンクリート(以下、「ALC」と記載する。「ALC」とは「autoclaved light weight concrete」の略である。)のパネルにより構成することができ、軸組架構の周囲にALCパネルを複数連接させることにより、外周壁4の外層を形成することができる。断熱部材は、例えば、フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡樹脂系の材料で形成することができる。内装部材は、例えば、石膏ボードで形成することができる。
図1において、建物100の上部構造体2の左端上部に水平方向の外力Fwが作用すると、上部構造体2には、外力Fwと上部構造体2の高さによって決まる回転モーメントが作用する。そして、図1における左側の外周基礎梁10及びフーチング12には、この回転モーメントと左右の杭体14間距離に依存する引き抜き力Fpが作用する。ところが、本実施形態では、杭体14とフーチング12とを接合していないため、杭体14にかかる水平力の負担を低減できる一方、フーチング12と杭体14との間に「引き抜き」に対する抗力が発生しない。従って、上部構造体2の自重による杭体14への押し込み力よりも大きな引き抜き力Fpが作用すると、フーチング12が杭体14に対して浮き上がってしまう虞がある。本実施形態では、後述するコンクリートスラブ16、埋め戻し土17、その他重量物20を錘部として、フーチング12に鉛直荷重をかけるように作用させることによって上記の浮き上がりを低減している。
次に、基礎構造1の構成について、図2(a),(b)及び図3を用いて更に詳細に説明する。なお、図2(a)に示す平面図では、基礎構造1のうち、外周基礎梁10、フーチング12、及び杭体14のみを図示している。また、図2(b)に示す正面図では、床部材16’としてのコンクリートスラブ16及び外周壁4の外装部材18を除く上部構造体2を省略して示している。
図2(b)に示すように、基礎構造1は、立ち上がり部として設けられた外周基礎梁10と、外周基礎梁10の下方に位置し、建物100の荷重を直接地盤に伝えるフーチング12と、GLに埋設され、フーチング12の底面に当接して配置される杭体14とを備える。
なお、基礎構造1は、上部構造体2の軸組架構からの鉛直荷重を地盤に分散して伝達する機能に加えて、後述するように、上部構造体2における外装部材18や床部材16’を支持する機能を有している。
外周基礎梁10は、鉄筋コンクリート造であり、上部構造体2の下方に位置し、上部構造体2を支持している。また、外周基礎梁10の下方には、外周基礎梁10と一体で形成された、建物100の荷重を地盤に伝える鉄筋コンクリート造のフーチング12が設けられている。フーチング12は、図2(b)に示すように、水平方向の中心位置CL2が、外周基礎梁10の中心位置CL1に対して水平方向内側(敷地境界BLとは反対側)に偏心して配置されている。すなわち、外周基礎梁10から水平方向外側(敷地境界BL側)へのフーチング12の突出長さよりも、水平方向内側への突出長さの方が長くなるように構成されている。これによって、図2(b)に示すように、外周基礎梁10を敷地境界BLの近傍に配置しても、フーチング12が敷地の外側にはみ出すことがない。なお、「外周基礎梁10から水平方向外側へのフーチング12の突出長さよりも、水平方向内側への突出長さの方が長い」とは、必ずしもフーチング12が外周基礎梁10から水平方向外側に突出していることを要するものではない。フーチング12の水平方向外側への突出は無くてもよいし(この場合、外側への突出長さはゼロとなる)、フーチング12の水平方向外側端が外周基礎梁10の外側面よりも内側にあってもよい(この場合、外側への突出長さはマイナスの値となる)。その一方で、フーチング12は、外周基礎梁10から水平方向内側へ突出することが必須の構成となっている(水平方向内側への突出長さはプラスの値のみである)。そして、フーチング12の水平方向内側への突出部分の上方には、図2(b)に示すように、例えば、埋め戻し土17等を配置してフーチング12に鉛直荷重をかけることによって基礎構造1の浮き上がりを低減することができる。また、埋め戻し土17を介して更に床部材16’を配置してもよい。床部材16’として比重が大きい、例えばコンクリートスラブ16を配置することが好ましい。また、コンクリートスラブ16の上には室外機等の設備や蓄電池等の様々な重量物20を配置してもよい。更に、コンクリートスラブ16等はフーチング12上に直接配置してもよい。
また、フーチング12の水平方向内側への突出部分の上方にコンクリートスラブ16を設けると共に、図1に示すように、建物100の1階部分をピロティ構造としてもよい。コンクリートスラブ16の一端及び他端の下方には、すなわち図1においてコンクリートスラブ16の両端の下方には、水平方向外側よりも内側への突出長さが長いフーチング12がそれぞれ配置されている。そして、各フーチング12の水平方向内側への突出部分の上方には、埋め戻し土17等を介して、又は直接、コンクリートスラブ16が配置されることになる。これによって、コンクリートスラブ16の重量が無駄なくフーチング12に伝わるので、効率良く基礎構造1の浮き上がりを抑制することができる。また、1階部分に収容される自動車等の収容物を基礎構造1の浮き上がりを防止するための重量物20として活用することができる。
なお、コンクリートスラブ16の両端の下方に設けられたフーチング12は、少なくとも一方が水平方向外側よりも内側への突出長さが長くなるように構成されていればよい。
フーチング12の直下には、杭体14が設けられている。杭体14の上端部である杭頭は、フーチング12の底面に対して接合されておらず、杭頭にフーチング12を直接載せている。これによって、杭頭とフーチング12との間には、鉛直方向の支持力と水平方向の摩擦抵抗のみが作用する。すなわち、水平方向の支持力は摩擦抵抗のみとなるので、上部構造体2に発生する水平力を杭体14に負担させることなく、埋め戻し土17等に負担させることができるため、杭体14のせん断破壊を抑制でき、耐震性が向上する。
なお、本実施形態のように外周基礎梁10に対してフーチング12を偏心して配置している場合でも、杭体14は、図2(a)に示すように平面視で外周基礎梁10の直下に配置することが好ましい。杭体14を外周基礎梁10の直下に配置しない場合には、フーチング12に加わる外周基礎梁10からの鉛直方向の荷重、及び杭体14からの支持力が基礎梁材軸周りのねじれモーメントとして作用する。そのため、基礎梁材軸周りのねじれモーメントによってせん断破壊が発生しないようなフーチング12及び外周基礎梁10の断面形状や強度とする必要があるからである。なお、ここでいう、「杭体14を外周基礎梁10の直下に配置」とは、平面視で杭体14の全てが外周基礎梁10と重なることを要するものではなく、杭体14の一部が外周基礎梁10と重なればよい。また、図2(a)のように杭体14の中心軸が外周基礎梁10の中心位置CL1と重なることが望ましい。
また、本実施形態における、杭体14とフーチング12とが接合されていない状態は、「小規模建築物基礎設計指針」(日本建築学会、2008年)の2ページに記載されている、「小口径杭と接合しないで杭頭に布基礎やべた基礎を直接載せた基礎形式」、すなわち「直接基礎」と同義である。そして、杭体14とフーチング12とが接合されていない状態は、図2(b)のように杭体14上にフーチング12が当接している場合に限定されず、例えば「小規模建築物基礎設計指針」181ページの図7.1.3(b)に示されているように、間に砕石が介在するように構成された場合なども含むものとする。
また、布基礎を連続布基礎とすることが好ましい。基礎構造1が一体となって浮き上がりに抵抗できるからである。
本実施形態では、フーチング12が外周基礎梁10に対して内側に偏心して配置されているため、外側へのフーチング12の突出長さが小さく、外周基礎梁10を敷地境界BL近傍に配置することができる。そして、フーチング12の水平方向内側への突出長さを大きくし、その突出部分の上方には埋め戻し土17、コンクリートスラブ16、その他重量物20を配置することができるため、上部構造体2に外力が作用しても、その外力によって発生する回転モーメントを、重量物20等の重量によって打ち消して基礎構造1の浮き上がりを抑制することができる。
なお、フーチング12の外側端は、外装部材18の外側面よりも内側に位置することが好ましい。これによって、上部構造体2を敷地境界近傍に配置しても、基礎構造1が敷地外にはみ出すことがない。
図3は、本実施形態に係る基礎構造1の外周基礎梁10、中央基礎梁22、連結基礎梁24及び偏心させて配置したフーチング12、並びに柱部材30を示す平面図である。なお、図3では、フーチング12が外周基礎梁10から外側には突出せず、内側のみに突出するものとして記載している。外周基礎梁10は、基礎構造1を構成する基礎梁のうち外周部分を形成するものであり、本実施形態において、偏心させたフーチング12を配置する箇所である。中央基礎梁22は、基礎構造1を構成する基礎梁のうち外周部分を形成するものではなく、柱部材30の柱脚部分同士を結ぶ基礎梁である。連結基礎梁24は、基礎梁同士を結ぶものであり、図3において中央基礎梁22と外周基礎梁10との間に架設されている。連結基礎梁24は、柱部材30の柱脚部分同士を連結するものではなく、部屋のレイアウト上、柱部材30は配置できないが、床部材16’の支持強度を向上させたい場合等に設けられる。図3の例では、右下の外周基礎梁10にのみ偏心させたフーチング12を配置し、外周基礎梁10のその他の部分には、フーチング12を配置していない。上部構造体2の構成上、図3の右下の外周基礎梁10が特に浮き上がり易い場合には、図3のようなフーチング12の構成を採用することによって、基礎構造1の浮き上がりを効果的に防止することができる。
なお、図3では、外周基礎梁10の一部分においてフーチング12を内側に偏心して配置しているが、この態様には限定されず、外周基礎梁10の全ての部分においてフーチング12を内側に偏心して配置してもよい。また、外周基礎梁10の位置に応じて、フーチング12の内側に突出する突出長さを異ならせることも可能である。また、フーチング12を偏心させない部分については、両側に等しい長さで突出する通常のフーチングを配置してもよい。
なお、フーチング12の基礎構造1内における水平レベルは、同一とするのが好ましい。基礎構造1を簡素化することができるからである。なお、基礎構造1内におけるフーチング12の水平レベルとは、フーチング12の鉛直方向の最下面の高さである。
ここで、本実施形態の偏心させたフーチング12を採用した基礎構造1が、従来の基礎梁せいを大きくする基礎構造と比較してより敷地境界近傍に配置することができる理由について説明する。図4(a)は、本実施形態に係る基礎構造1と隣地建物との位置関係を示す図である。図中、θは土の性質(土の摩擦角)によって決まる安息角であり、土が崩れないで安定しているときの、斜面と水平面とのなす最大角度である。安息角θは、硬い土ほど大きくなる。本実施形態では、フーチング12の敷地境界BL側の突出長さを変えること無く、敷地境界BLとは反対側に大きく突出させ、その突出部分に錘部を配置して浮き上がりを抑制するための鉛直方向荷重を増大させている。従って、基礎構造1の浮き上がりを抑制する構造を採用しても、外周基礎梁10の中心位置CL1と敷地境界BLとの距離Xを変える必要がない。
一方、図4(b)は、基礎梁せいを大きくした従来の基礎構造と隣地建物との位置関係を示す図である。基礎梁せいを大きくする場合、建物の高さが変わらないように基礎梁10’の上端高さは変えずに下端をGLの下方により深く潜り込ませる。従って、隣地建物の基礎構造の底部よりも、建物の基礎構造の底部の高さがより低くなる。そのため、図4(a)と同じ安息角θを確保するためには、図4(b)に示すように、基礎梁10’の中心位置CL1’と敷地境界BLとの距離X’を図4(a)の距離Xよりも大きくする必要がある。
このように本実施形態では、従来の基礎梁せいを大きくして基礎梁10’のせん断強度及び曲げ強度を確保する場合と比較して、外周基礎梁10をできるだけ敷地境界BLの近傍に配置して敷地を有効利用することができる。
以上述べたように、本実施形態では、杭体14に対してフーチング12を接合させず、外周基礎梁10に対してフーチング12を敷地境界BLとは反対方向の内側に偏心させた構成にしている。これによって、杭体14に作用する水平力を低減して杭体14に要求されるせん断強度を抑えることができる。また外周基礎梁10を敷地境界BLに隣接して設置して敷地を有効利用した場合にも、フーチング12の外側が敷地からはみ出すことが無いため、基礎構造1の配置の自由度が向上する。更に、フーチング12を敷地境界BLとは反対側の敷地内側に突出させ、この突出部分の上部に重量物20等の錘部を配置することにより、基礎構造1の局所的な浮き上がりを低減することができる。
また、本実施形態によれば、フーチング12の内側突出部分の上方に錘部としてコンクリートスラブ16、埋め戻し土17、又はその両方を配置するようにしたので、基礎構造1の局所的な浮き上がりを更に効果的に低減することができる。特に、図2(b)に示すようにフーチング12の内側突出部分の上方に埋め戻し土17を配置し、更にその上にコンクリートスラブ16を配置した場合には、コンクリートスラブ16と埋め戻し土17の重量を確実にフーチング12に伝えて基礎構造1の浮き上がりを低減することができる。
また、本実施形態によれば、コンクリートスラブ16の両端の下方にフーチング12が配置されており、少なくとも一方のフーチング12が外周基礎梁10の水平方向外側への突出長さよりも、水平方向内側への突出長さの方が長くなるように構成した。これによって、より効率良く基礎構造1の浮き上がりを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、杭体14を平面視で外周基礎梁10の直下に配置したので、フーチング12にモーメントが作用し難く、フーチング12と外周基礎梁10との間のせん断強度を極端に高める必要が無い。
また、本実施形態によれば、外周壁4の外側面よりも、フーチング12の水平方向外側への突出部分の外側端の方が内側に配置されるように構成した。これによって、外周壁4を敷地境界BLに隣接して配置して敷地を有効利用する場合にも、フーチング12が敷地からはみ出すことがない。
また、本実施形態によれば、フーチング12の水平レベルが、基礎構造1内において同一となるように構成したので、基礎構造1をより簡素化することができる。
また、本実施形態によれば、建物100がピロティ構造を有するようにしたので、自動車等の収容物を重量物20として利用して、基礎構造1の局所的な浮き上がりを更に効果的に低減することができる。
なお、上述したところは、本発明の実施形態を示したにすぎず、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。そして、そのような構成は本発明の範囲内であると理解すべきである。
1 基礎構造
2 上部構造体
4 外周壁
6 ピロティ
10 外周基礎梁
12 フーチング
14 杭体
16 コンクリートスラブ(錘部)
16’ 床部材
17 埋め戻し土(錘部)
18 外装部材
20 重量物(錘部)
22 中央基礎梁
24 連結基礎梁
30 柱部材
100 建物
BL 敷地境界
CL1,CL2 中心位置
10’ 基礎梁
12’ フーチング
CL1’ 中心位置

Claims (10)

  1. 建物の上部構造体を支持し、基礎構造の外周部分を形成する外周基礎梁と、
    該外周基礎梁の下方に位置し、該外周基礎梁から水平方向に突出するフーチングと、
    該フーチングの下方に設けられ、建物全体を支持する杭体と
    を備える建物の基礎構造であって、
    前記杭体は、前記フーチングと接合されておらず、
    前記フーチングは、前記外周基礎梁の水平方向外側への突出長さよりも、水平方向内側への突出長さの方が長く、
    前記フーチングの上方に錘部を配置していることを特徴とする建物の基礎構造。
  2. 前記杭体は、前記外周基礎梁の直下に配置されている、請求項1に記載の建物の基礎構造。
  3. 前記錘部は、前記フーチングの前記外周基礎梁からの水平方向内側への突出部分の上方に配置されている、請求項1又は2に記載の建物の基礎構造。
  4. 前記錘部は、コンクリートスラブを含む、請求項3に記載の建物の基礎構造。
  5. 前記コンクリートスラブの両端のそれぞれの下方に前記フーチングが配置されており、少なくとも一方の前記フーチングは前記外周基礎梁の水平方向外側への突出長さよりも、水平方向内側への突出長さの方が長い、請求項4に記載の建物の基礎構造。
  6. 前記錘部は、埋め戻し土を含む、請求項3乃至5のいずれか一項に記載の建物の基礎構造。
  7. 前記上部構造体は、建物の外周壁を含み、前記フーチングの水平方向外側の外側端は、前記外周壁の外側面よりも内側に配置されている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の建物の基礎構造。
  8. 前記フーチングの水平レベルは、基礎構造内において同一である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の建物の基礎構造。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の建物の基礎構造を備える建物。
  10. 請求項9に記載の建物であって、ピロティ構造を有する建物。
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