JP6568430B2 - 防音ハウス - Google Patents

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Description

本発明は、作業を行う対象の全体を囲むことにより、その外部に音が漏れるのを防ぐための、作業を行う際に一時的に設けられる建築物である、防音ハウスに関する。
例えば、建築物などを解体するには、解体現場においてパワーショベルなどの重機を用いて建築物を破壊し、細分化し、それによって生じた廃棄物を適当な方法で分別して廃棄する。
このような解体作業を、例えば、住宅地、病院、或いは学校等の近辺で行う場合には、騒音の問題が生じ易い。建築物には、ガラスのような、その解体の際に大きな音を生じるものが含まれていることが多いため、解体作業の際に生じる音は騒音といえるレベルのものになることが多い。実際特段の手当無く解体作業を行った場合に、近所の住民等から苦情が生じた事例も過去に相当数存在する。
建築物の解体作業を一例とする何らかの作業を行うときに、その作業によって生じる騒音の周囲への拡散を防止するための技術の1つとして、防音ハウスが用いられている。
防音ハウスは、作業が行われる範囲である対象範囲(例えば、解体される建築物の全体)を囲む、作業が行われる前後にわたって作られる一時的な建築物である。
防音ハウスの一例として、例えば以下のようなものを挙げることができる。
防音ハウスは、基本構造として、テントを含む。防音ハウスは、縦方向に伸びる柱を多数本備えている。柱は、対象範囲の全体をぐるっと囲むようにして、適当な間隔で立てられる。柱は、一体物である必要はなく、柱の高さ方向の一部を構成する柱部材複数本を、縦方向に接続して構成されたものであっても良い。防音ハウスはまた、多数の柱の外周を囲むようにして配される膜材を備えている。ここまでが、防音ハウスがその基本として有する、テントとしての構造である。以下に説明する防音パネルを有さない、このようなテントは、建築物の解体の際などに一般的に用いられている。
そして、隣合う柱の間の、例えば膜材の内側には、防音パネルが取付けられる。防音パネルは通常、隣接するすべての柱の間に、且つそれら柱の上から下までのすべての高さに存在するようにして配置される。そうすることにより、防音ハウスは、事実上、対象範囲をぐるっと囲む、多数の防音パネルでできた壁を有し、且つその壁の外側を覆う膜材を有するものとなる。
上述の壁に含まれる多数の防音パネルによって音を遮断、或いは減衰させることにより、防音ハウス内で生じた音が防音ハウス外へ伝わることを防止することができるようになる。
以上のような防音パネルを用いた防音ハウスは、防音の機能を果たすものであり、広く普及している。
しかしながら、以上のような防音ハウスにも解決すべき点がある。
上述の如き防音ハウスで用いられる防音パネルは、比較的軽量な、例えば、平米当たりの重さが5kg前後のものとされるのが通常である。防音ハウスの柱には通常、防音パネル無しのテントの柱をそのまま流用したものが用いられるので、防音パネルの重さが過大であると、柱が防音パネルの重さを支えきれないという事態が生じるおそれがあるからである。
他方、質量則という用語で知られるように、ある物体はその質量が大きければ大きいほど音を跳ね返す力が強くなる。したがって、上述のような比較的軽量な防音パネルしか用いることができない従来の防音ハウスは、その防音の機能を良くするにしても限度がある。
防音ハウスではない単なるテントに用いられている上述の柱を一から設計しなおして、柱を重い防音パネルを支えることができるようなものにするか、或いは単なるテントに用いられている上述の柱に補強を施すことにより、柱で従来よりも重い、例えば平米あたり50kg程度の防音パネルを支えられるようにする、というアプローチも考えられる。しかしながら、これらアプローチはいずれも、設計、部品の製造或いは調達、施工等にかかるコストが大きく実用には向かない。
本願発明は、単なるテントを基本構造として有する防音ハウスにおいて、平米あたりの重さが比較的重い防音パネルを用いることを可能とすることにより、コストの大幅な上昇を抑えつつも、その防音性能を向上させることを課題とする。
上述の課題を解決するため、本願発明者は以下の発明を提案する。
本願発明は、所定の対象範囲からの音漏れを防止するための防音ハウスである。
そして、この防音ハウスは、その基本的な構造として、従来の防音ハウスと同様に、テントを有する。テントは、前記対象範囲の周囲に沿うようにしながら前記対象範囲を囲む第1の仮想の線である第1線上に、隣接するものとの間に所定の間隔を空けて立てられた柱である多数の第1柱と、隣合う前記第1柱の間を覆うようにして前記第1柱に固定された膜材と、を含む。
防音ハウスは、また、前記第1線の外側を囲む第2の仮想の線である第2線上の少なくとも所定の範囲に、隣接するものとの間に所定の間隔を空けて立てられた柱である多数の第2柱と、前記第2柱に、平面視した場合に前記第2線上に乗るようにして固定された、板状の防音パネルと、を有している。そして、前記第2柱は、前記防音パネルにかかる重力による荷重をそれのみで受けることができるようになっているとともに、前記防音パネルに風が吹きつけたことにより、前記第2柱が前記対象範囲に向けて傾斜したときに、傾斜した前記第2柱に当接した前記テントが、前記第2柱のそれ以上の傾斜を防ぐようになっている。
本願の防音ハウスは、第1柱で防音パネルを支えることをしない。その代わり、第2柱で、防音パネルを支えることとしている。これは次のような理由による。
本願発明の防音ハウスは、上述のように、テントを、その基本的な構造として有している。テントは、上述のように、第1柱と膜材を有する。本願発明における第1柱は、一般的な、或いは従来のテントにおける柱に同じである。
一般的な、或いは従来のテントにおける柱は、膜材を支持するためのものである。したがって、テントにおける柱は、軽い膜材を支えられれば十分であるので、縦方向にはたらく荷重に強くする必要はなく、無用なコストの上昇を抑えるため実際に縦方向の荷重には強くは作られていない。他方、テントを使用している際に、柱に固定された膜材に風が吹き付ける場合がある。その場合、膜材を支持するテントの柱には、水平方向の大きな荷重がかかり得る。したがって、従来のテントの柱は、水平方向の大きな荷重に耐えうるだけの性能が与えられている。実際、建築基準法は、仮設のテントであっても、東京においてであれば、34m/sの風が吹いても耐えうるだけの性能を要求しており、一般的な、或いは従来のテントにおける柱はそれに耐え得るだけの性能が与えられている。
本願発明者は、一般的な、或いは従来のテントにおける柱が持つ、上述の如き性質に目を付けた。つまり、かかる柱は、重い防音パネルの荷重を支持するために必要な強度は持たないが、水平方向、より詳しくは対象範囲の外側から内側に向かう方向の力にはよく耐えることができる。そこで、本願発明者は、テントを構成する第1柱に防音パネルの荷重を支持させるのでなく、第1柱とは別の、対象範囲を基準とした場合に第1柱の外側に位置する第2柱に防音パネルを支持させることとするとともに、風を防音パネルが受けたことにより、第2柱が内側に傾斜した場合には、第2柱からの水平方向の力を、第2柱の内側に位置するテントによって受けることとしたのである。第2柱の転倒をテントによって防ぐこの方法によれば、第2柱に、風に耐え得るだけの剛性を与えたり、また、その基端を地面に対して強固に固定する必要がなくなるため、コストの過度の上昇を抑えられる。また、この防音ハウスに含まれることになるテントは、一般的な、或いは従来のテントと同じもので良いので、その設計、部品の製造或いは調達、そして施工においてもコストが向上することがない。
本願発明の防音ハウスに含まれるテントが備える上述の第1柱のうち互いに隣接するものは、梁で繋がれていてもよい。これにより、傾斜する第2柱を、第1柱か梁で支持できるようになる。
本願発明の第2柱は、第1柱又は梁と接続されている必要はないが、接続されていても構わない。本願発明の防音ハウスは、例えば、前記第1柱又は前記梁と、前記第2柱とを互いに接続する接続部材を備えていてもよい。
この場合、テントに向かって傾斜する第2柱は、接続部材を介して、テントによって支持されることになる。また、接続部材の存在により、第2柱は傾斜しにくくなる。接続部材は、一本の第2柱に対して複数接続されるようになっていても良い。また、接続部材は、第2柱の少なくとも上半分、できれば上1/4の部分で、第2柱に対して接続されるようになっていると第2柱を安定させるに有用である。
前記接続部材は、伸縮自在で復元性を有するものとされていてもよい。これにより、第2柱或いはテントが、例えば地震などによって揺れた場合であっても、第2柱の傾斜を最小限に抑えることができるようになる。
伸縮自在で復元性を有する接続部材は例えば、弾性体である。また、前記接続部材は、ダンパーであってもよい。
第2柱は、防音パネルに重力によってかかる荷重を支持することができる必要があるが、それが可能である限りその詳細な構成は問わない。例えば、前記第2柱はH鋼であってもよい。H鋼であれば、縦方向の荷重に強く、また、曲げる力にも強い。
第2柱は、上述したように、第1線の外側を囲む第2の仮想の線である第2線上の少なくとも所定の範囲に、隣接するものとの間に所定の間隔を空けて立てられる。前記第2柱は、前記第2線の全長にわたって設けられていてもよい。これにより、防音パネルでテントの周りをぐるりと囲むことも可能となる。
前記防音パネルは矩形であり、隣合う前記第2柱に、その幅方向の両端を固定されていてもよい。この場合、防音パネルの横幅がすべての防音パネルについて等しいのであれば、隣合う第2柱の間隔は、すべて等間隔となる。
前記防音パネルは矩形であり、隣合う前記第2柱のすべての間に設けられており、且つ隣合う前記第2柱の間を、地上から前記第1柱の高さまでにわたって覆うようになっていてもよい。この場合、第2柱の高さは、少なくとも第1柱の高さと同じかそれより高い。こうすることで、防音パネルは、第2柱が立てられる第2線上の所定の範囲において、第2柱の高さに略一致する、防音パネルでできた壁を構築することになる。そのような壁をテントの外側に配することにより、テントの内側の対象範囲からの音漏れを防止できるようになる。この場合においてももちろん、第2線の全長にわたって防音パネルを配することができる。
なお、防音ハウスは、屋根を有していても良い。屋根には防音パネルが設けられていてもそうでなくてもよい。通常のテントは屋根を備えている。防音ハウスの屋根はテントの屋根そのものであり、他に特に工夫をしていないものであってもよい。
本発明の好ましい実施形態における防音ハウスが構築される対象範囲、及びそれを囲む第1線、及び第2線を概略的に示す平面図。 図1に示した対象範囲の周囲に第1柱を立てた状態を示す平面図。 図2に示した第1柱に梁を取付けた状態を示す、テントに含まれる壁のうちの1つの一部を外側から見た状態を示す図。 本発明の好ましい実施形態における防音ハウスに含まれるテントの構造を概念的に示す断面図。 本発明の好ましい実施形態における防音ハウスの構造を概念的に示す断面図。 本発明の好ましい実施形態における防音ハウスの防音壁の平面図。 本発明の好ましい実施形態における防音ハウスの防音壁の一部を外側から見た状態を示す図。 本発明の好ましい実施形態における防音ハウスにおける第2柱の地面に対する固定方法の例を示す斜視図。
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施形態の防音ハウス、及びその構築方法について説明する。
防音ハウスは、音を生じる何らかの作業が行われる範囲である、対象範囲を囲むように作られる。例えば、図1における点線Aで囲まれた範囲が対象範囲である。これには限られないが、この実施形態における対象範囲Aは矩形であるものとする。
対象範囲Aには、図示を省略するが、例えば廃ビルが存在する。音を生じる何らかの作業は、例えば、その廃ビルの撤去である。
防音ハウスを構築するには、図1に示したように、対象範囲Aの周囲に第1第1柱1を多数立てる。第1柱1は、金属でできている。対象範囲Aの周囲には、対象範囲Aをぐるっと一周平面視で矩形に囲む仮想の線である、第1線Bが存在する。各第1柱1は、隣接するものと所定の、例えば一定の間隔で、第1線Bの上に垂直に立てられる(図1、図2)。第1柱1の地面に対する固定の方法は従来のテントの工法に倣えばよい。
各第1柱1は、棒状であり、対象範囲Aに存在する例えば廃ビルよりもその高さが高い。これには限られないが、この実施形態では、各第1柱1の高さはすべて同じとされている。
なお、各第1柱1は、一本の柱でできている必要はない。例えば、第1柱1は、その高さ方向で分割されており、それを長さ方向で繋げたものであっても構わない。また、各第1柱1は、平面視したときに例えば正方形の4つの角上に位置する4本の第1副柱11からなり、それらをトラス状に接続するトラス梁11aによって接続したものとすることが可能である。そのような第1柱1の例を、図3に示している。
柱1の下端の地面に対する固定の仕方は、公知或いは周知の技術に従えば良い。かかる固定は比較的強固に行われる。
隣接する第1柱1同士は、梁2によって接続される(図3)。梁2は金属でできている。この実施形態における梁2は、地面に対して水平な水平梁2Aと地面に対して傾斜するトラス梁2Bとからなる。水平梁2Aとトラス梁2Bはいずれも、通常の梁またはトラス構造が担う役割と同様の役割を担うものであり、隣接する第1柱1同士を連結することにより、各第1柱1の剛性を高めるものである。なお、梁2は、水平梁2Aとトラス梁2Bの双方を含んでも良いが、それらの一方を含めば足りる。本願発明でいう梁には、水平梁2Aとトラス梁2Bの双方が含まれる。
第1柱1は、梁2により隣接するもの同士が連結された状態となっている。第1線Bは4つの直線により構成されるが、第1線Bのうちの一の直線上に乗っている第1柱1は、梁2により隣接するもの同士が連結されることにより、事実上の壁を構成する。つまり、第1線Bの上には平面視で矩形とされた4枚の壁が存在するような状態となっている。
なお、梁2はすべての第1柱1が立てられてから第1柱1に組み付けられる必要は必ずしもない。
次いで、各第1柱1の上には、屋根材3が設けられる(図4)。屋根材3は、第1柱1に適当な方法で固定される。屋根材3は、第1柱1と梁2で作られた上述の壁と同様の構造を持つものとすることができる。
なお、屋根材3は必ずしも必須ではない。
また、屋根材3は、第1柱1と梁2のすべてが構築されてから作られる必要は必ずしもない。
そして、第1柱1の周囲と、上述した屋根材3の上面とを、膜材4で覆う(図4)。膜材4はいずれも、テントに応用することが、公知又は周知のものから選択することができる。膜材4は、例えば、樹脂製のシート、或いは、繊維による織物又は編物の少なくとも一方の面を樹脂でコーティングしたシートとすることができる。
膜材4は、第1柱1、梁2、及び屋根材3の適当な部分に固定される。膜材4の第1柱1、梁2、又は屋根材3への固定の仕方は、公知又は周知の技術を用いることができる。例えば、膜材4の縁部にハトメを打ち付けておき、そのハトメを貫通させた紐で膜材4を第1柱1等に縛り付けることにより、膜材4を第1柱1等に対して固定することができる。
以上により得られるのは、従来と同様のテントである。図4に示されたかかるテントは、廃ビルを解体するときに生じる粉塵等が対象範囲Aから周囲に飛散しないようにする等の目的で広く使われており、周知又は公知である。
したがって、以上で説明したテントを作るための工法には、従来のテントを作るための、周知又は公知の工法を用いることができる。
以上で説明したテントは、従来のテントが備えるのと同様の強度を有している。特に、第1柱1は、それが支持するのが梁2を除けば膜材4のみであるので、縦方向の荷重にはそれ程強くはないものの、膜材4が34m/sの風を対象範囲Aの外側から受けたとしても、それに耐え得るようなものとされている。
次いで、第2柱5を立てる(図5)。第2柱5は、図1に示した第2線Cの上に立てる。
第2線Cは、第1線Bの更に外側をぐるっと一周、平面視で矩形に囲む仮想の線である。第2柱5は、後述するように、防音パネルを支持するものであり、防音パネルを配すべき位置に少なくとも立てられる。第2柱5は必ずしもそうする必要はないが、この実施形態では、第2線Cの全長にわたって、立てられる。これには限られないが、第2柱5の高さは第1柱1の高さ以上であり、この実施形態では、第2柱5の高さは第1柱1の高さと等しい。
隣合う第2柱5間の間隔は、必ずしもこの限りではないが、この実施形態では、等間隔である。隣合う第2柱5間の間隔は、必ずしもこの限りではないが、後述する矩形の防音パネルの横幅に略一致させられている。なお、図示を省略するが、隣合う第2柱5の間を、第1柱1を繋ぐ梁2と同様の梁にて接続することも可能である。
第2柱5は、柱であり、後述する防音パネルにかかる重力による荷重をそれのみで受け、且つその荷重に耐えられるようなものとなっている。必ずしもこの限りではないが、第2柱5は公知のH鋼にて構成されている。必ずしもこの限りではないが、この実施形態のH鋼は、断面の縦横の長さが300mm×300mmである。
第2柱5の地面に対する固定は、第1柱1の地面に対する固定ほど強固に行う必要はない。
例えば、図8(A)に示したようにして第2柱5の下端を地面に対して固定することができる。この例では、垂直な板である垂直板11A1と水平な板である水平板11A2とを有するアングル材11Aを4つ用いて作られた、係止部材11を用いて、第2柱5の地面に対する固定が行われる。係止部材11は、上述のように4つのアングル材11Aを用いて作られているが、この場合における各アングル材11Aは、それらの水平板11A2が平面視で外側に張り出すようにして、且つそれらの垂直板11A1が平面視で矩形、これには限られないが正方形をなすようにして、互いに固定、例えば溶接固定されている。4つのアングル材11Aは、その結果、平面視で正方形の内部空間を有する角筒を成す。この角筒の内部空間の断面は、第2柱5の下端を角筒の長さ方向に挿入した場合に、第2柱5の周囲を略ぴったりと収納できるようにされている。係止部材11の水平板11A2を貫通したアンカーボルト11Bの先端を地面に打ち込むことにより、係止部材11は地面に対して固定される。この例では、4つのアングル材11Aの垂直板11A1にて作られた角筒の内側の空間に、第2柱5の下端を差込み収納させることにより、第2柱5は地面に固定される。第2柱5の地面に対する固定は、正確に言うと、地面に固定された係止部材11による係止に過ぎないが、後述するように、第2柱5が傾斜するような動きはある程度許容されるため、第2柱5の地面に対する固定は、この程度のものでも足り、強い強度は必要無い。
図8(B)に第2柱5の地面に対する固定方法の他の例を示す。この例では、第2柱5は地面に対して、他の部材を介して係止されるのではなく、固定される。第2柱5の下端には、板状のベース板12Aが、例えば溶接により固定される。ベース板12Aと第2柱5との固定は、直角三角形の補強板による溶接により、強化されている。ベース板12Aは、矩形であり、第2柱5の下端から周囲に張り出した状態とされる。この例では、ベース板12Aの周囲の第2柱5の外側に張り出した部分を貫通させたアンカーボルト12Bを地面に打ち込むことにより、第2柱5の地面に対する固定がなされている。かかる固定の方法は、第1柱1の下端を地面に固定する場合にも使われる、柱を地面に固定するための方法としては比較的強固なものであるが、そのような方法により第2柱5を地面に固定してもよい。
次いで、第2柱5の適宜の部分を、テントを構成する第1柱1又は梁2に接続部材6によって接続する(図5)。接続部材6は、後述するようにして第2柱5に取付けられた防音パネルが風を受けた場合における、第2柱5のテントに向けての傾斜を防ぐためのものである。かかる機能は、接続部材6が、第2柱5と、第1柱1又は梁2とを固定的に接続するものであれば得ることができる。例えば、接続部材6は、金属製の棒状体であっても良い。
もっとも、この実施形態では、接続部材6は、ある程度の範囲で伸縮自在なものとされている。接続部材6を伸縮自在であり復元性を有するものとするには、例えば、接続部材6をゴムその他の弾性体によって構成することが考えられる。或いは、接続部材6を公知又は周知のダンパーとすることによっても、伸縮自在とすることができる。この実施形態における接続部材6はこれには限られないが、ダンパーである。
接続部材6を伸縮自在なものとすると、地震などにより第2柱5が揺れた場合においても、第2柱5の転倒が生じにくくなる。接続部材6は、これには限られないが、例えば株式会社エスイーが製造、販売を行うSEダンパー(商標)である。
この実施形態においては、これには限られないが、一本の第2柱5に対して、複数の、例えば3つの接続部材6が用いられる。3つの接続部材6は、第2柱5の下方(第2柱5の下から1/4の範囲)、第2柱5の中程、第2柱5の上方(第2柱5の上から1/4の範囲)の3箇所を、テントの第1柱1又は梁2に接続するようになっている。なお、テントの膜材4の適宜の位置には、接続部材6を貫通させるための孔が穿たれる。
なお、接続部材6は、すべての第2柱5が立てられる前に設置されても良い。また、接続部材6は、後述するようにして防音パネルが取付けられた後に、第2柱5とテントの第1柱1又は梁2とを接続してもよい。
そして、第2柱5には、防音パネル7が取付けられる(図5、図6、図7)。防音パネル7は、市販のもので良い。ここで用いる防音パネル7は、これには限られないが、例えば大丸防音株式会社のコスモスパネル(BSK−Cタイプ)(商標)である。この防音パネル7は、1平米当たりの重さが57kgであり、防音性能に優れたものである。防音性能と第2柱5の強度の兼合いで考えた場合、これには限られないが、1平米あたりの重さが20kg〜60kg程度とするのが好ましいと思われる。
防音パネル7は、矩形である。そして、その横幅は、等間隔とされた第2柱5の間隔に略対応しており、第2柱5の間隔よりも若干大きい。防音パネル7は、幅方向のその両端を、隣合う第2柱5にそれぞれ固定することで、第2柱5に取付けられる。そのとき、図7に示したように、防音パネル7の幅方向の両側の辺は、第2柱5と平行になるようにする。
防音パネル7は、防音パネル7と、H鋼である第2柱5の一部とを貫通するボルト8Aと、ボルト8Aに螺合させられるナット8Bとにより、第2柱5に固定される(図6、図7)。H鋼である第2柱5には、ボルト8Aを貫通させる位置に、ボルト8Aを貫通させるための孔が予め穿たれていてもよく、またボルト8Aを貫通させる位置に、ボルト8Aを貫通させるたびに孔を穿っても構わない。ボルト8Aを貫通させるための孔を予め第2柱5に穿っておく場合には、どの孔を使用するかは決めずに、例えば等間隔に並ぶ多数の孔を第2柱5の長さ方向に穿っておいても良い。
防音パネル7は、図7に示したように、すべての第2柱5の間に、上下方向に隙間ができないようにして、取付けられる。この実施形態の防音パネル7は、必ずしもそうする必要はないが、地上から、第2柱5の最も高い位置までをカバーするようになっている。
これにより防音ハウスは完成する。
都合、防音パネル7は平面視で矩形の4枚の防音壁を構成することになり、4枚の防音壁は、テントの4つの壁を四方から囲むことになる。なお、4枚の防音壁の一部の防音パネルを開閉自在とするとともに、テントの膜材4の一部を開閉自在とすること等により、対象範囲Aに作業員等が出入りするための通用口を作る等の当業者が通常行う工夫が、防音ハウスになされていても良いのは当然である。
防音ハウスの中で廃ビルの解体等の作業が行われたとしても、防音パネル7により構築される防音壁が、対象範囲Aからの音を遮蔽する。
防音パネル7は、防音性能の高い比較的重いものではあるが、防音パネル7に重力によってかかる荷重は第2柱5によって支持され、第1柱1にはかからないので、第1柱1が従来通りのテントに用いられる柱であっても、何ら問題は生じない。
また、防音ハウスを使用している最中に、4枚の防音壁のいずれかに風が吹き付けて、その防音壁を支える第2柱5に、それらをテントに向かって傾けるような力が働いたとする。この場合、第2柱5は、テントに向かってある程度傾斜する。その力はダンパーである接続部材6によってある程度吸収されるものの、しかしながら結局は第1柱1を含む上述したテントの壁で受止められる。テントの壁にはそもそも、膜材4に風が吹き付けても耐えられるようにすべく、水平方向の大きな力に耐えられるような機能が与えられているので、接続部材6を介してテントの壁に大きな力がかかったとしても、その力が風に基づく物であるかぎり、テントの壁はその力に耐えることが可能である。ダンパーである接続部材6による復元力により、第2柱5は、元の位置に戻る。
防音ハウスの使用中に地震があった場合においては、その地震が、テントの壁が耐えられる大きさのものである限り、テントの壁に含まれた第1柱1又は梁2にダンパーである接続部材6を介して接続されている第2柱5は、テントの壁に対して揺れることはあっても、倒れることはない。ダンパーの復元力により、地震の揺れが収まれば、第2柱5は元の位置に戻る。
1 第1柱
2 梁
3 屋根材
4 膜材
5 第2柱
6 接続部材
7 防音パネル

Claims (9)

  1. 所定の対象範囲からの音漏れを防止するための防音ハウスであって、
    前記対象範囲の周囲に沿うようにしながら前記対象範囲を囲む第1の仮想の線である第1線上に、隣接するものとの間に所定の間隔を空けて立てられた柱である多数の第1柱と、
    隣合う前記第1柱の間を覆うようにして前記第1柱に固定された膜材と、
    を含む、テントを有するとともに、
    前記第1線の外側を囲む第2の仮想の線である第2線上の少なくとも所定の範囲に、隣接するものとの間に所定の間隔を空けて立てられた柱である多数の第2柱と、
    前記第2柱に、平面視した場合に前記第2線上に乗るようにして固定された、板状の防音パネルと、
    を有しており、
    前記第2柱は、前記防音パネルにかかる重力による荷重をそれのみで受けることができるようになっているとともに、
    前記防音パネルに風が吹きつけたことにより、前記第2柱が前記対象範囲に向けて傾斜したときに、傾斜した前記第2柱に当接した前記テントが、前記第2柱のそれ以上の傾斜を防ぐようになっている、
    防音ハウス。
  2. 隣接する前記第1柱を繋ぐ梁を備えている、
    請求項1記載の防音ハウス。
  3. 前記第1柱又は前記梁と、前記第2柱とを互いに接続する接続部材を備えている、
    請求項2記載の防音ハウス。
  4. 前記接続部材は、伸縮自在であり復元性を有するものとされている、
    請求項3記載の防音ハウス。
  5. 前記接続部材は、ダンパーである、
    請求項4記載の防音ハウス。
  6. 前記第2柱はH鋼である、
    請求項1記載の防音ハウス。
  7. 前記第2柱は、前記第2線の全長にわたって設けられている、
    請求項1記載の防音ハウス。
  8. 前記防音パネルは矩形であり、隣合う前記第2柱に、その幅方向の両端を固定されている、
    請求項1又は7記載の防音ハウス。
  9. 前記防音パネルは矩形であり、隣合う前記第2柱のすべての間に設けられており、且つ隣合う前記第2柱の間を、地上から前記第1柱の高さまでにわたって覆うようになっている、
    請求項1、7又は8記載の防音ハウス。
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