JP6620718B2 - 電池用電極の製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は電池用電極の製造方法に関する。
特開2015−170550号公報(特許文献1)は、活物質と導電材とを乾式で混合した後、バインダ溶液を加えて造粒することにより、造粒体を調製すること、ならびに、造粒体を備える電池用電極(以下「電極」と略記される場合がある)を製造することを開示している。
特開2015−170550号公報
粒径が小さく、かさ密度が低い導電材(たとえばアセチレンブラック等)が検討されている。このような粉体物性を有する導電材により、電池の内部抵抗の低減が期待されている。しかし、かさ密度が低い導電材は電極製造過程で凝集しやすい。そのため、導電材が均一に分散した電極を製造することが困難である。導電材の分散状態に偏りがあると、内部抵抗が低減されない可能性がある。分散剤の使用も考えられる。しかし分散剤は電池の内部抵抗を増加させる可能性もある。
本開示の目的は、導電材の分散性が向上した電池用電極を提供することである。
以下、本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし、本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により、本開示の発明の範囲が限定されるべきではない。
本開示の電池用電極の製造方法は、以下の(A)〜(D)を含む。
(A)活物質とバインダ溶液とを混合することにより、第1固形分率を有する第1造粒体を調製する。
(B)第1造粒体と導電材とを混合することにより、第2固形分率を有する第2造粒体を調製する。
(C)第2造粒体と溶媒とを混合することにより、第3固形分率を有する第3造粒体を調製する。
(D)第3造粒体を備える電池用電極を製造する。
第2固形分率は、第1固形分率よりも高い。かつ第3固形分率は、第1固形分率よりも低い。
本開示において「造粒体」とは、粉体が造粒されることにより得られる顆粒の集合体を示す。「バインダ溶液」とは、バインダ(典型的には高分子化合物)が溶媒に溶解している溶液を示す。
かさ密度が低い導電材は、次の(i)または(ii)の理由により分散し難いと考えられる。
(i)活物質と導電材との間のかさ密度の差が大きいため、乾式でこれらが混合されても容易に混ざり合わず、分離してしまう。すなわち混合物内に活物質リッチな部分と導電材リッチな部分とが発生する。
(ii)かさ密度が低い導電材は、直接バインダ溶液と接触すると凝集しやすい(ダマになりやすい)。
本開示の製造方法では、まず上記(A)に示されるように、活物質とバインダ溶液とが混合されることにより、第1造粒体が調製される。この際の固形分率(第1固形分率)は、最終固形分率(第3固形分率)よりも高く設定される。固形分率が高いため、第1造粒体は、粒が粗大化することなく、細粒となり得る。第1造粒体では、活物質とバインダ溶液とが互いに分散し合うことができる。
上記(B)に示されるように、第1造粒体と導電材とが混合される。これにより第2造粒体が調製される。第1造粒体は、活物質およびバインダ溶液の混合物である。そのため導電材が直接バインダ溶液と接触することが抑制される。これにより導電材の凝集が抑制される。さらに第1造粒体が細粒であるため、第1造粒体と導電材とが互いに分散し合うことができる。導電材(固形分)の追加により、混合物の固形分率は上昇する。すなわち、第2造粒体は、第1固形分率よりも高い第2固形分率を有するように調製されることになる。
次いで上記(C)に示されるように、第2造粒体と溶媒とが混合される。これにより第3造粒体が調製される。第3造粒体は、第3固形分率(最終固形分率)を有するように調製される。第3固形分率は、第1固形分率よりも低くされる。
最後に上記(D)に示されるように、第3造粒体を備える電極が製造される。たとえば、第3造粒体が集電体(典型的には金属箔)の表面に塗着されることにより電極が製造される。第3造粒体を備える電極では、導電材の分散性が向上していると考えられる。この電極を備える電池は、低い内部抵抗を有し得る。
図1は、本開示の実施形態に係る電池用電極の製造方法の概略を示すフローチャートである。 図2は、ロールコータの一例を示す概略図である。 図3は、比較例1−1および1−2の製造方法の概略を示すフローチャートである。 図4は、比較例2の製造方法の概略を示すフローチャートである。 図5は、比較例3の製造方法の概略を示すフローチャートである。
以下、本開示の実施形態(以下「本実施形態」とも記される)が説明される。ただし以下の説明は、本開示の発明の範囲を限定するものではない。以下では、一例としてリチウムイオン二次電池用電極の製造方法が説明される。ただし、本実施形態はリチウムイオン二次電池用電極の製造方法に限定されるべきではない。
<電池用電極の製造方法>
図1は、本実施形態の電池用電極の製造方法の概略を示すフローチャートである。本実施形態の製造方法は、(A)第1造粒体の調製、(B)第2造粒体の調製、(C)第3造粒体の調製、および(D)電池用電極の製造を含む。以下、本実施形態の製造方法が順を追って説明される。
《(A)第1造粒体の調製》
本実施形態の製造方法は、(A)活物質とバインダ溶液とを混合することにより、第1固形分率を有する第1造粒体を調製することを含む。
活物質は、活物質粒子の集合体(粉体)である。活物質は、正極活物質であってもよいし、負極活物質であってもよい。すなわち本実施形態により製造される電極は、正極であってもよいし、負極であってもよい。通常、リチウムイオン二次電池の正極活物質は導電性が低い。そのため多量の導電材が必要とされる。導電材が多くなる程、導電材が凝集しやすくなる。したがって本実施形態の製造方法は、正極に対して特に有効であると考えられる。
活物質は、たとえば、1〜20μmの平均粒径を有してもよい。平均粒径は、レーザ回折散乱法によって測定される体積基準の粒度分布において微粒側から累積50%の粒径を示す。活物質は、たとえば、0.5〜2.5g/cm3のかさ密度を有してもよい。かさ密度は「JIS R 1628 ファインセラミックス粉末のかさ密度測定方法」に準拠した方法により測定される。
正極活物質としては、たとえば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn24、LiNi1/3Co1/3Mn1/32、LiFePO4等が挙げられる。正極活物質は1種単独で使用されてもよいし、2種以上が組み合わされて使用されてもよい。負極活物質としては、たとえば、黒鉛、酸化珪素等が挙げられる。
バインダ溶液は、バインダが溶媒に溶解している溶液である。バインダ溶液は、たとえば1〜10質量%(典型的には3〜6質量%)のバインダを含有してもよい。バインダとしては、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリアクリル酸(PAA)等が挙げられる。バインダは1種単独で使用されてもよいし、2種以上が組み合わされて使用されてもよい。溶媒は、バインダの分散性を考慮して選択される。たとえば、バインダがPVdFである場合、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)が溶媒として使用され得る。バインダがPAAである場合、水が溶媒として使用され得る。
(A)第1造粒体の調製〜(C)第3造粒体の調製では、一般的な攪拌造粒装置が使用され得る。たとえば、攪拌造粒装置の攪拌槽内において、活物質およびバインダ溶液が攪拌されることにより、第1造粒体が調製される。バインダ溶液が良く分散するように、混合物は低速で長時間攪拌されることが望ましい。攪拌速度は、たとえば500〜1000rpmでよい。攪拌速度は、攪拌羽根の回転速度を示す。攪拌時間は、たとえば30〜600秒でよい。
第1造粒体は第1固形分率を有するように調製される。固形分率は溶媒以外の成分の質量比率を示す。第1固形分率は、後述の第3固形分率(最終固形分率)よりも高くされる。たとえば、第1固形分率は、第3固形分率よりも4〜10質量%高くされてもよい。第1固形分率が高いことにより、粒成長が抑制され得る。すなわち第1造粒体が細粒になりやすい。第1固形分率は、活物質とバインダ溶液との配合、ならびにバインダ溶液の濃度により調整され得る。第1固形分率が低いと、攪拌開始直後に混合物が団子状態になり、造粒できない可能性もある。第1造粒体は、たとえば、76質量%以上82質量%以下の第1固形分率を有するように調製され得る。
《(B)第2造粒体の調製》
本実施形態の製造方法は、(B)第1造粒体と導電材とを混合することにより、第2固形分率を有する第2造粒体を調製することを含む。
導電材は、導電性粒子の集合体(粉体)である。導電材は、たとえばカーボンブラックでよい。カーボンブラックは、たとえば、アセチレンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック等であってもよい。本実施形態では、粒径が小さく、かさ密度が低いカーボンブラックが使用され得る。カーボンブラックは、たとえば、10〜100nmの一次粒径を有してもよい。カーボンブラックの一次粒径は、電子顕微鏡により測定される。カーボンブラックは、たとえば、0.01〜0.08g/cm3のかさ密度を有してもよい。
第2造粒体も、第1造粒体が調製された攪拌槽内で調製され得る。攪拌槽において、第1造粒体および導電材が攪拌されることにより、第2造粒体が調製される。導電材が良く分散するように、混合物は高速で長時間攪拌されることが望ましい。攪拌速度は、たとえば4500〜6000rpmでよい。攪拌時間は、たとえば30〜600秒でよい。
導電材の混合により、第2固形分率は第1固形分率よりも高くなる。第2固形分率は、たとえば、第1固形分率よりも1〜2質量%高くされてもよい。本実施形態では、第1造粒体が細粒であり、なおかつ導電材とバインダ溶液との直接接触が抑制されるため、第1造粒体および導電材が互いに良く分散することができる。
《(C)第3造粒体の調製》
本実施形態の製造方法は、(C)第2造粒体と溶媒とを混合することにより、第3固形分率を有する第3造粒体を調製することを含む。
第3造粒体も、第1造粒体および第2造粒体が調製された攪拌槽内で調製され得る。攪拌槽内において、第2造粒体および溶媒が攪拌されることにより、第3造粒体が調製される。ここで使用される溶媒は、典型的にはバインダ溶液の溶媒と同じ溶媒とされる。攪拌速度は低速でよい。溶媒の混合により、最終固形分率(第3固形分率)を有する第3造粒体が調製される。第3固形分率は、第1固形分率よりも低くされる。第3造粒体は、たとえば、70質量%以上76質量%未満の第3固形分率を有するように調製され得る。
《(D)電池用電極の製造》
本実施形態の製造方法は、(D)第3造粒体を備える電池用電極を製造することを含む。電池用電極は、たとえば、ロールコータにより製造される。
図2は、ロールコータの一例を示す概略図である。ロールコータ100は、第1回転ロール101、第2回転ロール102および第3回転ロール103により構成されている。各回転ロールに描かれた曲線矢印は、各回転ロールの回転方向を示している。たとえば、第2回転ロール102は、第1回転ロール101より速い周速を有する。第3回転ロール103は、第2回転ロール102よりも速い周速を有する。
第3造粒体1は、第1回転ロール101と第2回転ロール102との間のロール隙に供給される。当該ロール隙では、第3造粒体1が層状に成形される。これにより活物質層2が形成される。活物質層2は、第2回転ロール102によって搬送される。
第2回転ロール102は、活物質層2を、第2回転ロール102と第3回転ロール103との間のロール隙に供給する。第3回転ロール103は、集電体3を、第2回転ロール102と第3回転ロール103との間のロール隙に供給する。当該ロール隙では、活物質層2が集電体3の表面に転写される。すなわち集電体3の表面に活物質層2が配置される。これにより電極10が製造される。活物質層2は第3造粒体1を備える。すなわち、集電体3の表面に活物質層2が配置されることにより、第3造粒体1を備える電極10が製造される。なお活物質層2は、集電体3の両面に配置されてもよい。その後、電極10は電池仕様に合わせて所定の寸法に加工され得る。ここでの加工は圧延、裁断を含む。
集電体3は、たとえば、金属箔でよい。活物質が正極活物質である場合、集電体3は、たとえばアルミニウム箔でよい。活物質が負極活物質である場合、集電体3は、たとえば、銅箔でよい。
活物質層2は、活物質、導電材およびバインダを含有する。活物質層2は、たとえば、80〜98質量%の活物質、1〜15質量%の導電材、および1〜5質量%のバインダを含有する。本実施形態の活物質層2では、導電材の分散性が良好であるため、たとえば反応抵抗の低減が期待される。
以下、実施例が説明される。ただし以下の例は、本開示の発明の範囲を限定するものではない。まず各例に共通する材料、装置および条件が示される。
(材料)
活物質:ニッケルコバルトマンガン酸リチウム
導電材:アセチレンブラック(製品名「DENKA BLACK」、デンカ社製)
バインダ溶液:PVdFのNMP溶液(製品名「KFポリマー」、クレハ社製)
溶媒:NMP
集電体:アルミニウム箔
(装置)
攪拌造粒装置:アジテータ羽根およびチョッパー羽根を有する物
ロールコータ:3本の回転ロールにより構成される物(図2を参照のこと)
(造粒体および電極の構成)
固形分配合:[活物質:導電材:バインダ=90.5:8:1.5(質量比)]
造粒体の最終固形分率:72質量%
活物質層の目付:5.5g/cm2
活物質層の密度:2.3g/cm3
<比較例1−1>
図3は、比較例1−1および1−2の製造方法の概略を示すフローチャートである。以下のように図3のフローチャートに沿って電池用電極(正極)が製造された。
《(a1)導電材の解砕》
攪拌造粒装置により、導電材が解砕された。
《(b1)導電材の混合》
攪拌造粒装置により、上記で得られた解砕済み導電材と活物質とが乾式で混合された。これにより乾燥粉体が調製された。このときの攪拌速度は4500rpmとされ、攪拌時間は5秒とされた。
《(c1)造粒》
攪拌造粒装置により、上記で得られた乾燥粉体とバインダ溶液とが混合された。これにより造粒体が調製された。
《(d1)電池用電極の製造》
ロールコータにより、前述のようにして造粒体を備える電池用電極が製造された。ロール圧延機により、電池用電極が圧延された。ロール圧延機の荷重は3tとされた。
<比較例1−2>
攪拌時間が300秒に変更されることを除いては、比較例1と同じ製造方法により、電池用電極が製造された。
<比較例2>
図4は、比較例2の製造方法の概略を示すフローチャートである。以下のように図4のフローチャートに沿って電池用電極が製造された。
《(a2)導電材の湿潤》
攪拌造粒装置により、導電材と溶媒とが混合された。これにより湿潤導電材が調製された。湿潤導電材では、導電材が凝集することにより、元の導電材よりもかさ密度が高くなっていると考えられる。
《(b2)導電材の混合》
攪拌造粒装置により、湿潤導電材と活物質とが混合された。これにより湿潤粉体が調製された。このときの攪拌速度は4500rpmとされ、攪拌時間は5秒とされた。
《(c2)造粒》
攪拌造粒装置により、上記で得られた湿潤粉体とバインダ溶液とが混合された。これにより造粒体が調製された。
《(d2)電池用電極の製造》
ロールコータにより、前述のようにして造粒体を備える電池用電極が製造された。ロール圧延機により、電池用電極が圧延された。ロール圧延機の荷重は3tとされた。
<比較例3>
図5は、比較例3の製造方法の概略を示すフローチャートである。以下のように図5のフローチャートに沿って電池用電極が製造された。
《(a3)導電材の混合》
攪拌造粒装置に、活物質および導電材が投入された。活物質および導電材が攪拌された。
《(b3)造粒》
攪拌中、攪拌により舞い上がる混合粉体にバインダ溶液が滴下された。このときの攪拌速度は4500rpmとされ、攪拌時間は5秒とされた。これにより造粒体が調製された。
《(c3)電池用電極の製造》
ロールコータにより、造粒体を備える電池用電極が製造された。ロール圧延機により、電池用電極が圧延された。ロール圧延機の荷重は3tとされた。
<実施例>
図1に示すフローチャートに沿って電池用電極が製造された。
《(A)第1造粒体の調製》
攪拌造粒装置により、活物質とバインダ溶液とが混合された。このときの攪拌速度は800rpmとされ、攪拌時間は30秒とされた。これにより第1固形分率を有する第1造粒体が調製された。第1固形分率は76質量%とされた。
《(B)第2造粒体の調製》
攪拌造粒装置により、第1造粒体と導電材とが混合された。このときの攪拌速度は4500rpmとされ、攪拌時間は30秒とされた。これにより第2固形分率を有する第2造粒体が調製された。第2固形分率は77質量%とされた。すなわち第2固形分率は、第1固形分率よりも高い。
《(C)第3造粒体の調製》
攪拌造粒装置により、第2造粒体と溶媒とが混合された。これにより第3固形分率を有する第3造粒体が調製された。第3固形分率(最終固形分率)は72質量%とされた。すなわち第3固形分率は、第1固形分率よりも低い。
《(D)電池用電極の製造》
ロールコータにより、第3造粒体を備える電池用電極が製造された。ロール圧延機により、電池用電極が圧延された。ロール圧延機の荷重は3tとされた。
<比較例4>
第1固形分率が70質量%とされることを除いては、実施例と同じ製造方法により電池用電極が製造された。ただし比較例4では、攪拌開始直後に、混合物が団子状態となり、十分な攪拌時間を確保することができなかった。すなわち、攪拌時間は実質的に0秒であった。第1固形分率が低いためと考えられる。
<評価>
《造粒体の体積抵抗率》
各例において、最終的に得られた造粒体が乾燥された。乾燥状態の造粒体において体積抵抗率が測定された。体積抵抗率は、粉体抵抗測定システム(「MCP−PD51型」、三菱化学アナリテック社製)により測定された。結果は下記表1に示されている。体積抵抗率が低い程、造粒体において導電材の分散性が向上していると考えられる。
《導電材の分散性》
電極において導電材の分散状態が目視により確認された。結果は下記表1に示されている。「A」は導電材の分散状態が良好(均一)であることを示す。「B」は導電材の分散状態にムラがあることを示す。
《反応抵抗》
電極(正極)を備えるラミネート電池が製造された。ラミネート電池の充電率(SOC)が27%に調整された。−30℃の恒温槽内において反応抵抗が測定された。反応抵抗は、インピーダンスアナライザ(Solartron社製)により測定された。反応抵抗が低い程、電極における導電材の分散状態が良好であると考えられる。
なおラミネート電池の正極以外の構成は以下のとおりとされた。
(負極)
活物質:黒鉛
バインダ:カルボキシメチルセルロースおよびスチレンブタジエンゴム
固形分配合:[活物質:バインダ=98.5:1.5(質量比)]
溶媒:イオン交換水
活物質層の目付:3.8g/cm3
活物質層の密度:1.2g/cm3
(セパレータ)
ポリエチレン製の微多孔膜(市販品)
(電解液)
リチウムイオン電池用電解液(市販品)
Figure 0006620718
<結果>
比較例1−1および比較例1−2の結果から、図3の製造フローでは攪拌時間が延長されても、導電材の分散性が改善されないことが分かる。活物質のかさ密度と、導電材のかさ密度との差が大きいため、攪拌が止まると、攪拌槽内において活物質と導電材とが鉛直方向に分離するためと考えられる。
比較例2および3の結果から、図4および5の製造フローでは、導電材の分散性が悪いことが分かる。導電材が直接バインダ溶液に接触するため、導電材が凝集しやすいものと考えられる。
実施例では、導電材の分散性が向上していた。活物質とバインダ溶液とが先行造粒されることにより、活物質とバインダ溶液とが互いに良く分散し、なおかつ導電材が直接バインダ溶液に接触することが抑制されるためと考えられる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の発明の範囲は上記の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 第3造粒体、2 活物質層、3 集電体、10 電極、100 ロールコータ、101 第1回転ロール、102 第2回転ロール、103 第3回転ロール。

Claims (1)

  1. 活物質とバインダ溶液とを混合することにより、第1固形分率を有する第1造粒体を調製すること、
    前記第1造粒体と導電材とを混合することにより、第2固形分率を有する第2造粒体を調製すること、
    前記第2造粒体と溶媒とを混合することにより、第3固形分率を有する第3造粒体を調製すること、および
    前記第3造粒体を備える電池用電極を製造すること
    を含み、
    前記第2固形分率は、前記第1固形分率よりも高く、かつ
    前記第3固形分率は、前記第1固形分率よりも低い、
    電池用電極の製造方法。
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