JP2005235675A - 塗料製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 均一分散が難しい材料を用い、2段階の工程にて、分散媒と複数の材料とを混合し、練合する混練工程を含む塗料製造方法において、固練り工程を必要最小限の混練時間で終了させる塗料製造方法を提供する。
【解決手段】 固練り工程と希釈分散工程の2段階工程を行なう場合に、前段の固練り工程において混練装置の負荷を逐次測定し、その測定値を解析して極大値を示すピークを同定し、2回目のピーク値から所定の時間の後、この固練り工程を終了する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、混練装置を使用して、分散媒と複数の材料とを混合し、練合する混練工程を含む塗料の製造方法に関し、特に、固練り工程の混練時間の決定方法に関する。
電池用活物質合剤等の塗料の製造方法は、一般的に原料である粉体と分散媒とを混練機で所定時間混練する。このとき、原料が均一に混ざっている状態(均一分散状態)が必要であり、これを実現するために様々な混練機やその混練方法が開発され使用されている。
その中でも、まず、第1の工程として、原料を粉体−液体状態がファニキュラー状態で混練(固練り)し、第2の工程として、それを希釈するという2段階の混練方法が用いられている。(例えば、特許文献1参照)
この固練りにおいては、粘度が比較的高い状態にあるので、この状態で、例えば双腕型の混練装置等で混練すると、原料の粉体に強い剪断力がかかり、粉体の凝集塊が短時間で分散されて均一な状態にすることができる。
ただし、固練りをするに際しての混練条件、中でも混練時間に関しては膨大な実験もしくは試作の結果に基づいて経験的に定められる場合が多く、充分長い時間混練することで経験や基礎データの不足を補っている場合も少なくない。特に、表面エネルギーが大きく異なる2種の原料を含む混合物、例えば、特定溶液に対する接触角の差が50度以上となる2種の原材料を含む混合物を混練する場合には、均一分散が難しい材料であるので、
充分に、長い時間混練する必要があった。その理由は以下の通りである。
すなわち、商業的に塗料を製造する場合において、常に1回の製造量が同じであれば予め実験あるいは試作によって混練時間などの混練条件を定めておくことができる。しかしながら、少量多品種生産あるいは受注生産などに対応する場合においては1回の製造量が一定であるとは限らず、また、原料組成等が顧客の注文に応じて変化することも少なくない。このような流動的な状況に於いて、迅速に顧客等の要望に応えようとすれば、予め長い時間をかけて混練条件を定めておくことは許されない。したがって、多少、非効率的であっても充分に長い時間混練するなどして品質を確保している場合が多いのである。
ところが、商業的に塗料を生産しようとする場合においては、不必要に長い時間混練することは製造コストの上昇を招くなどの問題点を内包していることは言うまでもない。
そこで、混練すべき原料の性状を予め測定しておくことで、必要な混練時間を求める方法が提案されている。(特許文献2参照)
この方法によれば電池用の活物質粉末の安息角を測定しておくことで混練時間を決定することができる。
特開2000−348713号公報 特開2001−176503号公報
しかしながら、原料粉末の混練機への投入量(バッチサイズ)が変化した場合や原料粉末の種類や混合比が異なる場合においては必ずしも安息角の測定だけでは混練時間を決定することができない場合がある。そもそもこの方法では、原料粉末の安息角によって混練時間が一意的に決定されてしまうため、バッチサイズなどが変化した場合などに混練時間
を適宜定めることは不可能である。また、原料粉末と分散媒とを混練して塗料状にする場合などは、原料粉末と分散媒との混合比率が変化すると混練条件は大きく変化する場合がほとんどである。特にこの課題は、均一分散が難しい材料では大きな課題となっていた。
本発明は、均一分散が難しい材料を用い、2段階の工程にて、分散媒と複数の材料とを混合し、練合する混練工程を含む塗料製造方法において、固練り工程を必要最小限の混練時間で終了させる塗料製造方法を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明の製造方法は、均一分散が難しい材料として、第1の固体と特定溶液との接触角をθ1とし、第2の固体と特定溶液との接触角をθ2としたとき、接触角θ1とθ2との差の絶対値Δθが50度以上であるものを用いて固練り工程と希釈分散工程の2段階工程を行なう場合に、前段の固練り工程において混練装置の負荷を逐次測定し、その測定値を解析して極大値を示すピークを同定し、2回目のピーク値から所定の時間の後、この固練り工程を終了するものである。
本方法により、均一に分散する時間がばらつく固練り工程が、必要最小限の時間で終了することができる。希釈分散工程は、もともと均一に分散されている混合物を希釈するだけなので、従来からも一定の時間で終了できており、製造方法全体の時間も必要最小限の時間で終了できる。
また、無意味に固練り時間を短くしたものと違って、この2回目のピークが終了した後は、混合物は均質なものとなっており、良質な塗料が製造できる。
本発明によれば、分散媒と表面エネルギーの差が大きな複数の材料とを混練する固練り工程を含む塗料製造方法において必要最小限の混練時間で良質な塗料を製造することができる。
以下、本発明の塗料製造方法について、その実施の形態を説明する。
本発明は、第1の固体と第2の固体とのすくなくとも2つの固体からなる粉体材料および分散媒を、粉体−液体状態がファニキュラー状態で混練し、混合物を作成する固練り工程と前記混合物にさらに分散媒を追加し、粉体−液体状態がスラリー状態になるよう希釈分散しながら練合し、ペーストを作成する希釈分散工程のすくなくとも2つからなる塗料製造方法において、前記第1の固体と特定溶液との接触角をθ1とし、前記第2の固体と特定溶液との接触角をθ2としたとき、接触角θ1とθ2との差の絶対値Δθが50度以上であり、前記固練り工程において混練装置の負荷、例えば有効消費電力または負荷電流を逐次測定し、その測定値を解析して極大値を示すピークを同定し、2回目のピーク値から所定の時間の後、前記固練り工程を終了するものである。
前記第一の固体がリチウムイオン二次電池用正極活物質であり、前記第2の固体が結着剤である場合は、前記特定溶液が、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との体積比1:3の混合溶媒にLiPF6を1.25mol/lの濃度で溶解した溶液であるのが好ましい。特定溶液は、表面エネルギーの違いが分かるものであれば、従来公知のものが使えるが、リチウムイオン二次電池用の材料を使う場合は、その電解液として標準的なECとEMCとの体積比1:3の混合溶媒にLiPF6を1.25mol/lの濃度で溶解した溶液であると、汎用性が増して好ましい。
また、その場合、前記リチウムイオン二次電池用正極活物質がコバルト酸リチウム,ニッケル酸リチウムおよびマンガン酸リチウムからなる群より選ばれた少なくとも1種であるのが、電池特性上好ましく、前記結着剤はアクリルゴム粒子からなる結着剤であると、結着性能は高いながら、コバルト酸リチウム等とは表面エネルギーの違いが大きく、本発明の効果が顕著に表れて好ましい。
さらに、分散媒がN−メチル−2−ピロリドン、アセトンおよびトルエンからなる群より選ばれる少なくとも1種であるのも好ましい。
そして、所定の時間は、10〜30分であるのが好ましい。
まず、目的とする塗料の原材料である複数の物質とこれらを混練するのに使用する分散媒とを用意する。塗料の原料になる複数の物質は通常固体(多くの場合は固体粉末)であるが、固体を分散媒に分散したものあるいは溶媒に溶解させたものでも良い。
分散媒と材料とを1つの容器に投入し混練を開始すると、徐々に混練機に掛かる負荷は大きくなり、極大値(1つ目のピーク値)を示す。これは材料が分散媒に濡れ始めることに起因している。その後、材料が濡れていくに従って負荷は減少していく。
ここで、本発明者らは鋭意検討の結果、均一分散が難しい材料、つまり特定の溶液に対する接触角が大きく異なる(Δθが50度以上)材料を混練する場合、混練がさらに進行すると再び負荷が大きくなり、ピークを持ち、この2つ目のピーク値が観測された後において混練物は均質性の高い状態になっていることを見出した。この2つ目のピーク値は、表面エネルギーの大きく違う粉体粒子全体に分散媒が行き渡り、混練物が均一に混合された状態になる過程において起こる現象であると推定でき、この2つ目のピーク値が観測された所定時間後においては、混練物は均質性の高い状態になっていると考えらる。
図1に、混練時の負荷の径時変化を示す模式図を示す。
まず、均一分散の難しい複数の原料と分散媒とを混練機に投入して混練を開始し、少なくとも混練開始直後から、混練機の負荷、例えば有効消費電力を測定し始める。測定はペンレコーダなどによって連続的に行っても良いし、一定時間毎に測定を実施しても良い。いずれにしても測定値を記録,記憶するなどして、図1に示すように測定値の変化を把握できるようにしておく。
図1において、測定値が時間とともに大きくなり、ピーク1の第1の極大値を示し、さらに混練を続けると、測定値はピーク2の第2の極大値を迎える。その後、所定の時間が経過した終了時点3で混練機を停止する。
この有効消費電力のピーク1は、材料が分散媒に濡れ始めることに起因している。その後、材料が濡れていくに従って有効消費電力は減少していく。そして、混練がさらに進行すると、再び有効消費電力がピーク2を迎える。
この第2の極大値であるピーク2は、均一分散の難しくない複数の原料、つまり、特定溶液に対する接触角が余り異ならない(Δθが50度未満)材料を混練する場合には見られないため、分散媒が材料全体に行き渡り、混練物が均一に混合された状態になることに起因しており、このピーク2が観測された後、約10分程度後において混練物は均質性の高い状態になっている。さらに、30分以上経っても均質性の高いままであるが、時間が経つにつれて本発明の効果である最小限の時間で終了できるという効果が小さくなる。つまり、このピーク2を迎えた後、所定の時間後の終了時点3で混練を終了すれば、均質性
の高い塗料を得ることができ、しかも徒に長い時間混練し続けることを回避できる。
また、有効消費電力を測定する代わりに負荷電流を測定してもよい。電力は電圧と電流の積であるが、負荷電圧の変化は負荷電流の変化に比べて少なく、ピークの位置に与える影響はほとんど無いため、ほぼ有効消費電力と負荷電流は比例する。
このように有効消費電力または負荷電流の測定値の変化を、その測定値の標準偏差の変化として把握することで微妙な測定値変化を確実に捕捉することができる。このようなデータ処理を迅速、確実に行うためにはデータロガーとコンピュータとを使用するのが便利である。
しかしながら、有効消費電力もしくは負荷電流の測定値は、常に図1のような明確な極大値を示すとは限らず、塗料化する物質が特定溶液に対する接触角が大きく異ならない(Δθが50度に近い)材料や使用する混練機によっては測定値のピーク2は図2に模式的に示したように小さくなり、不明確な場合もある。
このような場合も第2の極大値を迎えたあと、所定の時間経過したところで混練を終了すれば良いのであるが、このような微妙な測定値変化を確実に捕捉するためには、従来公知のスムージング法などを用いて、シグナル/ノイズ(S/N)比を挙げて、ピークを同定すれば良いが、例えば、以下のような方法を用いる。
混練開始時(時刻0)から一定時間毎に有効消費電力もしくは負荷電流を測定し、各測定点においてその直前の所定点数の標準偏差Sを求める。この一連の測定操作を続けながら、予め、定めておいた時刻T0までにおける標準偏差の最大値を把握し、この値と、その値が得られた時刻をそれぞれSmax,T1とする。時刻T1は有効消費電力もしくは負荷電流の測定値の第1の極大値を示す時刻と概ね一致する。さらに、時刻aT1から時刻bT1までにおける有効消費電力もしくは負荷電流の測定値の標準偏差の平均値をSaveとする。定数aおよびbの値は、時刻aT1から時刻bT1までの時間帯が時刻T1よりも後になるように設定する。すなわち、1<a<bとする。時刻bT1以降において標準偏差Sが、先に求めた平均値Saveよりも明らかに大きくなった時刻をTxとする。すなわち、標準偏差SがSaveのx倍以上(ただし1<x)になったときを時刻Txとする。この時刻Txは有効消費電力もしくは負荷電流の測定値の第2の極大値を示す時刻と概ね一致する。最後に、時刻Txから所定の時間Bだけ経過した時点で混練を終了する。
さらに具体的に説明すると、極大値を示すピークが明確でない場合において、
(a)混練装置の有効消費電力もしくは負荷電流を所定時間A毎に測定する操作と、
(b)各測定点においてその直前の連続する所定点数Nの測定値の標準偏差Sを求める操作と、
(c)混練開始時刻(時刻0)から所定時刻T0までの標準偏差Sの最大値SmaxおよびSmaxが測定された時刻T1を求める操作と、
(d)時刻aT1(ただし、1<a)から時刻bT1(ただし、a<b)までの標準偏差Sの平均値Saveを求める操作と、
(e)時刻bT1以降において最初に標準偏差Sが前記Saveのx倍(ただし、1<x)以上の値Sxを示した時刻Txを求める操作と、
(f)時刻Tx以後所定時間B経過後に混練を終了する操作
とを含む塗料製造方法である。
有効消費電力もしくは負荷電流を測定することで混練時間を決定する場合において有効消費電力等の変化(たとえば極大値)を把握することが重要であるが、この変化は容易に把握できない場合も少なくない。なぜなら、有効消費電力等の変化量が小さい場合や測定
値がばらつく場合などがあるためである。このような場合には、所定時間毎に有効消費電力等を測定し、各測定点においてその直前の連続する所定点数Nの測定値の標準偏差を求め、この標準偏差の変化を把握することで、混練時間を決定することができる。
このとき、Aの値は、5秒≦A≦10秒であることが好ましい。5秒≦Aにすることが好ましいのは、Aが小さすぎるとデータ点数が多くなるのでデータ処理が複雑になるからである。A≦10秒にすることが好ましいのは、Aを過大な値に設定すると有効消費電力等の重要な変化(例えば極大値)を見逃す場合があり得るからである。
その場合、Nの値も混練する材料によって変るが、5≦N≦8の場合には簡単なデータ処理でしかも確実に有効消費電力等の変化を捉えることができる。
0の値は混練する材料によって変るが、混練開始(時刻0)から時刻T0までの間に有効消費電力等の標準偏差Sが極大値を示すように設定するのが好ましい。具体的には多くの場合15分≦T0≦30分が好ましい。T0が15分より短いと、標準偏差Sの極大値を観測できない場合があり、T0が30分よりも長いと、時刻0から時刻T0までに標準偏差Sが複数の極大値を示す場合があり得るからである。
aおよびbの値も製造する塗料の種類によって変るが、1.5≦a≦2および2≦b≦4が好ましい。aが1.5よりも小さいとSaveがSmaxの影響を受ける恐れがあり、aが2よりも大きいと時刻T0からaT1までの間にSの値が第2の極大値を示す場合があるからである。また、bが2よりも小さいと時刻aT1からbT1までの時間が短くなってしまうためSaveのデータの信頼性が低くなってしまう場合があり、bが4よりも大きいと時刻aT1から時刻bT1までの間にSの値が第2の極大値を示す場合があるからである。
xの値は3≦x≦10が望ましい。xの値が過小、過大であれば確実に有効消費電力等の変化を捉えることが難しくなる場合があるからである。
Bの値は10分≦B≦30分に設定するのが望ましい。Bの値が小さすぎると有効消費電力等の変化が大きいところで混練を終了することになるので、得られた塗料の均質性は一応確保されているとしても、ロット毎のバラツキが生じやすく、Bの値が大きすぎると必要以上に混練を続けることになるからである。
本発明は、複数の材料の表面エネルギーの差が大きい場合に顕著な効果を奏するものである。具体的には、第1の材料と特定溶液との接触角をθ1とし、第2の材料と分散媒との接触角をθ2としたとき、接触角θ1とθ2との差の絶対値Δθが50度以上である2種の材料を含む場合において本発明は効果的である。これは、Δθが50度よりも小さい場合には、均一分散が容易であり比較的短い時間で混練を終了できるからであり、また、2つ目の極大値を示さない場合がほとんどだからである。
Δθが50度以上となるような材料の組合せとしては、コバルト酸リチウム,ニッケル酸リチウム,マンガン酸リチウムからなる群より選ばれた少なくとも1種と、アクリルゴム粒子からなる結着剤の組合せが挙げられる。
また、これらの材料を混練するにあたっての分散媒としてはN−メチル−2−ピロリドン,アセトン,トルエンが挙げられる。
そして、本発明の混練の後、さらに、導電補助剤などの他の材料を混練したり、塗料を希釈したりする工程を付け加えても良い。
さらに本発明の具体例について実施例により説明する。
<検討1.混練時間決定方式の検討>
(比較例1)
非水電解液二次電池の正極活物質合剤塗料の製造を目的として、その原料である、コバルト酸リチウム粉末を3kg,コアシェル構造を有するアクリルゴム粒子結着剤(日本ゼオン株式会社製、BM500B)を固形分として0.012kg,ポリフッ化ビニリデン(以下PVDFと称す)を固形分として0.012kg,N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと称す)を0.534kg用意した。ここで温度20℃における、コバルト酸リチウムと特定溶液との接触角は5.7度であり、アクリルゴム系の結着剤BM500Bと特定溶液との接触角は60度であった。すなわち、コバルト酸リチウムとアクリルゴム粒子結着剤(BM500B)とは、特定溶液に対する接触角の差が54.3度であった。
なお、接触角の測定方法は以下の通りである。評価する原料に特定溶液を1cc滴下する。この評価原料と特定溶液の接触部をカメラにてTVモニター上に拡大し,モニター上にて滴下30秒後の接触角を画像処理式3点クリック法にて測定した。
まず、固練り工程として、これらの原料を浅田鉄工製の双腕型混練装置(型名 PVM−5)の混練釜に投入した後、回転数50rpmで所定の時間混練を行なった(第1の混練)。
次の希釈分散工程は、2段階で行なった。第1の混練終了後、さらにアセチレンブラック0.06kg,水素化ニトリルゴム(日本ゼオン株式会社製,BM720HのNMP溶液を固形分として0.012kg,NMP0.255kgを投入して、再び5分混練した(第2の混練)。この混練の終了後、NMP0.084kgを追加投入し、さらに10分混練した(第3の混練)。一連の混練終了後、混練物を取り出し、目的の正極合剤塗料を得た。
また混練機回転数および原料投入量の混練条件については表1に示す5条件で行なった。なおコバルト酸リチウム以外の投入量についてはコバルト酸リチウムの添加量に比例して増減した。
Figure 2005235675
表1の混練条件Aで、第1の混練を50分行なった後、第2の混練以降を行った正極合剤塗料を10個作製した。これを塗料1〜5とする。同様に第1の混練をそれぞれ100分、150分、200分、250分、300分行なった後、第2の混練以降を行ない作製した5個の正極合剤塗料をそれぞれ、塗料6〜10、塗料11〜15、塗料16〜20、塗料21〜25、塗料26〜30とする。
同様に表1の混練条件Bで第1の混練をそれぞれ50分、100分、150分、200分、250分、300分行なった後、第2の混練以降を行ない作製した正極合剤塗料をそれぞれ、塗料31〜35、塗料36〜40、塗料41〜45、塗料46〜50、塗料51〜55、塗料56〜60とする。
同様に表1の混練条件Cで第1の混練をそれぞれ50分、100分、150分、200分、250分、300分行なった後、第2の混練以降を行ない作製した正極合剤塗料をそれぞれ、塗料61〜65、塗料66〜70、塗料71〜75、塗料76〜80、塗料81〜85、塗料86〜90とする。
同様に表1の混練条件Dで第1の混練をそれぞれ50分、100分、150分、200分、250分、300分行なった後、第2の混練以降を行ない作製した正極合剤塗料をそれぞれ、塗料91〜、塗料191〜200、塗料91〜95、塗料96〜100、塗料101〜105、塗料106〜110、塗料111〜115、塗料116〜120とする。
同様に表1の混練条件Eで第1の混練をそれぞれ50分、100分、150分、200分、250分、300分行なった後、第2の混練以降を行ない作製した正極合剤塗料をそれぞれ、塗料121〜125、塗料126〜130、塗料131〜135、塗料136〜140、塗料141〜145、塗料146〜150とする。
これらの正極合剤塗料を以下に示す方法にて評価した。
(ダイコート塗布時の塗布スジ有無)
評価する正極合剤塗料をアルミ芯材上にダイコート方式で50m塗布を行なう。混練不均一で凝集物が存在する場合,ダイノズルとアルミ芯材との間に凝集物が詰まり,アルミ芯材上に塗料が存在しない部分が発生する(以下,「塗布スジ」と称す)。この塗布スジの有無によって塗料分散性の評価を行なった。すなわち塗布スジが発生しなかったものを「分散性良好」、塗布スジが発生したものを「分散性不良」とした。なおダイノズルとアルミ芯材の間隙は150μm、塗布速度は毎分10mで行なった。表2に各混練条件における正極合剤塗料5個当たりの「分散性良好」であった数を示す。
Figure 2005235675
表2よりすべての混練条件で分散性を良好にするためには第1の混練を300分以上行なう必要があることが分かる。したがって比較例1のように混練時間を決定する指標がない場合、150個の正極合剤塗料を作製するためには第1の混練において300分×150個=45000分の混練時間を要する。
(実施例1)
第1の混練における混練機の消費電力を5秒間隔で測定、記録し、以下のデータ処理を行なうことによって第1の混練を完了時間を決定した以外は比較例1と同様の手順で正極合剤塗料を作製した。データ処理方法の詳細について以下に示す。
1)消費電力の各測定点から連続する過去5点の標準偏差Sを計算する。
2)第1の混練開始後20分(T0)までの標準偏差の最大値Smax、およびSmax
が測定された時間T1を求める。
3)時刻2T1〜時刻3T1までの標準偏差Saveを決定する。
4)2T1以降において最初に標準偏差SがSmaxの3倍以上の値Sxを示した時間T
xを求める。
5)Txから15分経過した時点を第1の混練完了時間とする。
表1の各混練条件A〜Eそれぞれについて30個の正極合剤塗料を作製した。そのときの上記消費電力により求めた第1の混練完了時間をそれぞれ表3に示す。なおこれらの150個の正極合剤塗料をダイコート方式で塗布したところ、いずれも塗布スジは発生しなかった。
Figure 2005235675
これより表3の第1の混練時間の総計は23715分となり、混練機の消費電力を測定・記録・データ処理を行なうことにより大幅な混練時間短縮が可能となることが分かる。
また本発明を用いることにより電池特性においても効果が得られることが分かった。比較例1の混練条件Aで第1の混練時間を300分行なったときの正極合剤塗料および実施例1の混練条件Aで第1の混練時間を消費電力を用いて決定したときの正極合剤塗料について以下に示す方法で評価を行なった。
(正極合剤塗料粘度)
正極合剤塗料を250ccビーカーに250cc投入し、BH型回転粘度計で粘度測定を行なった。ローターは5号ローター、回転数は20rpmで行なった。
(サイクル特性)
正極合剤塗料を15μm厚のアルミニウム箔に塗布乾燥し、厚みが約240μmの塗膜を、総厚が160μmとなるようにプレスした後、56mm幅にスリットし、正極電極板を得た。
一方、負極は次のように作製した。
すなわち、(i)人造黒鉛(日立化成(株)製MAG−D)を活物質として100重量部、(ii)結着材としてSBR変性体(日本ゼオン(株)製BM−400B、固形分40重量%)を固形分換算で1重量部、増粘剤としてCMC(第1工業製薬(株)製、セロゲン4H)を固形分換算で1重量部および水を双腕式練合機にて攪拌し、固形分比が50重量%の負極合剤ペーストを作製した。このペーストを10μm厚の銅箔に塗布乾燥し、厚みが約250μmの塗膜を、総厚が180μmとなるようにプレスした後、59mm幅にスリットし、負極電極電極板を得た。
これらの正・負極の電極板を、20μm厚のポリエチレン微多孔フィルム(セルガード(株)製#2320)をセパレータとして捲回構成し、所定の長さで切断してNiメッキしたFeを基材とする電槽缶内に挿入し、EC・DMC・MEC混合溶媒(体積比3:3:2)100重量部にVCを3重量部添加し、さらにLiPF6を1Mの濃度となるように溶解させた電解液を、5.5g添加して封口し、公称容量2000mAhの円筒型18650リチウムイオン二次電池を作製した。
封口後の完成電池について、定電流充電1400mA/4.1Vカット・定電流放電1400mA/3Vカットの慣らし充放電を2度行い、45℃環境で7日間保存した後、以下の充放電サイクルを200回繰り返した。
充電:定電流1400mA/4.2Vカットの後、定電圧4.2V保持/100mAカット
放電:定電流2000mA/3Vカット
このときの1サイクル目に対する200サイクル目の放電容量比を200サイクル容量維持率として表4中に示した
Figure 2005235675
表4より混練時間が長すぎると、過分散となり塗料粘度が大幅に低下していることが分かる。また200サイクルの容量維持率も低下していることが分かる。塗料粘度が低い場合、芯材に塗布中に塗料が沈降してしまい塗布重量のバラツキを誘発する。その結果、負極への負荷が局所的に大きくなるところが存在し、負極活物質の層間に挿入しきれなかったリチウムイオンがリチウム金属として析出しやすくなるため、サイクル特性が低下したものと推察できる。この結果より必要以上の混練は電池特性の低下につながるが、本発明によって第1の混練時間を求めることにより、これを抑制することが可能となる。
本発明の塗料製造方法は、例えばポータブル電気機器の電源等に使われるリチウムイオン二次電池の極板塗工に用いられる活物質ペースト等の製造方法として有用である。
本発明の一実施の形態の混練時の負荷の径時変化を示す模式図 本発明の別の実施の形態の混練時の負荷の径時変化を示す模式図
符号の説明
1、2 ピーク
3 終了時点

Claims (5)

  1. 第1の固体と第2の固体とのすくなくとも2つの固体からなる粉体材料および分散媒を、粉体−液体状態がファニキュラー状態で混練し、混合物を作成する固練り工程と前記混合物にさらに分散媒を追加し、粉体−液体状態がスラリー状態になるよう希釈分散しながら練合し、ペーストを作成する希釈分散工程のすくなくとも2つからなる塗料製造方法において、
    前記第1の固体と特定溶液との接触角をθ1とし、前記第2の固体と特定溶液との接触角をθ2としたとき、接触角θ1とθ2との差の絶対値Δθが50度以上であり、
    前記固練り工程において混練装置の負荷を逐次測定し、その測定値を解析して極大値を示すピークを同定し、2回目のピーク値から所定の時間の後、前記固練り工程を終了することを特徴とする塗料製造方法。
  2. 前記第一の固体がリチウムイオン二次電池用正極活物質であり、前記第2の固体が結着剤であり、前記特定溶液が、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの体積比1:3の混合溶媒にLiPF6を1.25mol/lの濃度で溶解した溶液であることを特徴とする請求項1記載の塗料製造方法。
  3. 前記リチウムイオン二次電池用正極活物質がコバルト酸リチウム,ニッケル酸リチウムおよびマンガン酸リチウムからなる群より選ばれた少なくとも1種であり、前記結着剤はアクリルゴム粒子からなる結着剤を含む請求項2記載の塗料製造方法。
  4. 分散媒がN−メチル−2−ピロリドン、アセトンおよびトルエンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2または3記載の塗料製造方法。
  5. 前記所定の時間は、10〜30分である請求項2から4のいずれかに記載の塗料製造方法。

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