JP2010044871A - 電極合剤スラリーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高品質の電極合剤スラリーを製造することができるとともに、生産性を向上させることができる電極合剤スラリーの製造方法を提供する。
【解決手段】電極合剤スラリーの製造方法は、 電極合剤の粉体原料に分散溶媒を所定量ずつ連続的に添加するステップ(a)、電動機を使用して、原料を分散媒により分散させるように原料および分散媒を混練するステップ(b)、電動機の負荷電力および負荷電流の少なくとも一方を検出するステップ(c)、並びにステップ(c)における検出値に基づいて原料の分散媒による分散の完了を判定するステップ(d)、を含む。また、ステップ(d)における判定結果に基づいて、原料への分散媒の添加並びに原料および分散媒の混練を停止するステップ(e)、をさらに含む。
【選択図】図5

Description

本発明は、電極合剤スラリーの製造方法に関し、さらに詳しくは、リチウムイオン二次電池等の電池用電極合剤スラリーを作製する技術に関する。
リチウムイオン二次電池は、正極と負極と、それらの間に介在して非水電解液を保持するセパレータとからなる極板群を有する。正極は、正極芯材および正極芯材に担持された正極合剤層を含み、負極は、負極芯材および負極芯材に担持された負極合剤層を含む。セパレータには、ポリエチレン樹脂などを含む微多孔性シートが用いられている。正負の電極合剤層は、活物質と結着剤とを含み、結着剤には、従来、熱可塑性樹脂や変性ゴム材料が用いられている。
正負の電極を作製するには、まず、活物質、導電材および結着剤を含む電極合剤の原料を、分散媒と混合して、電極合剤スラリーを調製する。次いで、得られた電極合剤スラリーを、電極芯材に塗布し、塗布されたスラリーを乾燥させて、電極合剤層を形成する、という工程が行われる(特許文献1参照)。
ここで、電極合剤スラリーを調製する際には、粉体である活物質や導電材に分散媒である水等を加えて混練する分散プロセスが実行される。この分散プロセスは、具体的には、所定量の電極合剤の粉体原料に所定量の分散媒を添加したものを、一定時間混練するようにして実行される。
特開2001−167756号公報
ところが、電極合剤の粉体原料等においては、原料として使用する材料に性状のバラツキがあり、同一の条件で混練を行っても分散が完了しない場合がある。このような場合には、調製された電極合剤スラリーの凝集体や凝集物が増大するなどして、製品の品質が低下する。
これを避けるためには、混練する時間を長めにするなどの対応が考えられるが、この場合には、生産性が低下する。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、高品質の電極合剤スラリーを製造することができるとともに、生産性を向上させることができる電極合剤スラリーの製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の電極合剤スラリーの製造方法は、電極合剤の粉体原料に分散媒を所定量ずつ定期的または不定期に添加するステップ(a)、
電動機を使用して、前記原料を前記分散媒と混練して分散させるステップ(b)、
前記電動機の負荷電力および負荷電流の少なくとも一方を検出するステップ(c)、並びに
前記ステップ(c)における検出値に基づいて前記原料の前記分散媒による分散の完了を判定するステップ(d)、を含む。
また、上記目的を達成するために、本発明の電極合剤スラリーの製造方法は、電極合剤の粉体原料に分散溶媒を所定量ずつ連続的に添加するステップ(a)、
電動機を使用して、前記原料を前記分散媒と混練して分散させるステップ(b)、
前記電動機の負荷電力および負荷電流の少なくとも一方を検出するステップ(c)、並びに
前記ステップ(c)における検出値に基づいて前記原料の前記分散媒による分散の完了を判定するステップ(d)、を含む。
ここで、本発明の電極合剤スラリーの製造方法は、前記ステップ(d)における判定結果に基づいて、前記原料への前記分散媒の添加並びに前記原料および前記分散媒の混練を停止するステップ(e)、をさらに含むのが好ましい。
また、前記原料が、黒鉛を含むのも好ましい。
また、前記原料が、カルボキシメチルセルロースを含むのも好ましい。
また、前記分散媒が水であるのも好ましい。
本発明の電極合剤スラリーの製造方法によれば、電極合剤の粉体原料を分散媒により分散させる際に、粉体原料と分散媒とを混練するために使用される電動機の負荷電力および負荷電流の少なくとも一方が検出される。これにより、粉体原料と分散媒との混連に要するトルクの変動を検出することができる。その検出値に基づいて分散の完了が判定されるので、分散に必要十分な時間だけ混練を実行することができる。したがって、常に一定時間の混練を機械的に実行する場合と比較して、より合理的に分散プロセスを実行することができる。これにより、混練時間を長めに設定するなどの冗長さを回避して、生産性を向上させることができる。
また、粉体原料の分散に必要な分散媒が一括して添加されるのではなく、複数回に分けて添加されるので、凝集体や凝集物が少なく、粘度の比較的小さい、高品質の電極合剤スラリーを製造することができる。
また、本発明の好ましい形態によれば、粉体原料に分散媒を所定速度で滴下する等して、粉体原料に分散媒を所定量ずつ連続的に添加しながら粉体原料と分散媒が混練される。これにより、分散媒を添加する速度を最適化することによって、分散に要する時間を最短化することができる。また、そのようにして分散媒を粉体原料に添加することによって、最小凝集粒子径が小さく、粘度の比較的小さい、高品質の電極合剤スラリーを製造することができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施の形態に係る電極合剤の製造方法を説明する。本発明の製造方法により製造される電極合剤はリチウムイオン二次電池に好適に適用される。リチウムイオン二次電池の形態は、特に限定されず、円筒型、角型、積層型など、様々なタイプを包含するが、特に、正極と負極とを、セパレータを介して捲回した極板群を含む円筒型や角型の電池において有効である。
図1は、一般的な円筒型のリチウムイオン二次電池の一例の縦断面図である。正極5および負極6は、両電極間に介在されたセパレータ7とともに巻回された状態であって、柱状の極板群を構成している。正極5には、正極リード5aの一端が接続されており、負極6には、負極リード6aの一端が接続されている。非水電解液を含浸させた極板群は、上部絶縁リング8aおよび下部絶縁リング8bで挟まれた状態で、電池缶1の内空間に収容されている。極板群と電池缶1の内面との間には、セパレータを介装させてある。正極リード5aの他端は、電池蓋2の裏面に溶接されており、負極リード6aの他端は、電池缶1の内底面に溶接されている。電池缶1の開口は、周縁に絶縁パッキン3が配された電池蓋2で塞がれている。
正極は、正極芯材およびそれに担持された正極合剤層を含む。正極芯材としては、アルミニウム箔などが好ましく用いられる。正極合剤層は、一般に、正極活物質と、正極結着剤と、導電剤とを含んでいる。負極は、負極芯材およびそれに担持された負極合剤層を含む。負極芯材としては、銅箔やニッケル箔などが好ましく用いられる。負極合剤層は、一般に、負極活物質と、負極結着剤とを含んでいる。
リチウムイオン二次電池は、一般に、活物質と結着剤とを含む電極合剤を、電極用の分散媒と混合して、電極合剤スラリーを調製する工程、電極合剤スラリーを、電極芯材に塗布し、塗布されたスラリーを乾燥させて、電極合剤層を形成する工程、炭酸エステルを含む非水溶媒に溶質を溶解させて、非水電解液を調製する工程、および得られた電極と非水電解液とを用いて、電池を組み立てる工程を具備する。
電極合剤スラリーは、活物質および結着剤を含む電極合剤を、分散媒と混合することにより調製できる。分散媒には、結着剤を溶解するものを用いることが好ましい。電極合剤スラリーに含ませる結着剤は、活物質100重量部あたり、例えば1〜6重量部が好適である。
ここで、電極合剤スラリーの調製は、具体的には、活物質、導電材、および結着剤などを含む電極合剤の粉体原料を分散媒により分散させる分散プロセスにより実行される。この分散プロセスは、後の実施例(実施例1、2、3)に示すように、電極合剤の粉体原料に分散媒を所定量ずつ定期的または不定期に添加しながら粉体原料と分散媒とを混練機により混練するようにして実行される。このとき、混練時のトルクが検出され、その検出値に基づいて分散の完了が判定され、その判定結果に基づいて分散媒の添加および混練動作が停止される。ここで、混練時のトルクは、例えば混練機の駆動源としての電動機の負荷電力および負荷電流のいずれかを測定して検出することができる。
また、分散の完了は、混練時のトルクの急激な低下により知ることができる。
また、より好ましくは、上記分散プロセスは、後の実施例(実施例4、5、6)に示すように、分散媒を所定速度で粉体原料に滴下しながら粉体原料と分散媒とを混練機により混練するようにして実行される。このとき、混練時のトルクが検出され、その検出値に基づいて分散の完了が判定され、その判定結果に基づいて分散媒の滴下および混練動作が停止される。ここで、混練時のトルクは、例えば混練機の駆動源としての電動機の負荷電力および負荷電流のいずれかを測定して検出することができる。
また、分散の完了は、混練時のトルクの急激な低下により知ることができる。
ここで、正極活物質としては、複合リチウム酸化物が好ましく用いられる。複合リチウム酸化物としては、特に限定されないが、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、コバルト酸リチウムの変性体、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、ニッケル酸リチウムの変性体、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)、マンガン酸リチウムの変性体、これらの酸化物のCo、MnもしくはNiの一部を他の遷移金属元素で置換したものなどが好ましい。各変性体には、アルミニウム、マグネシウムなどの元素を含むものがある。また、コバルト、ニッケルおよびマンガンの少なくとも2種を含むものもある。LiMn2O4などのMn系リチウム含有遷移金属酸化物は、特に、地球上に豊富に存在し、低価格である点で有望である。
負極活物質としては、特に限定されないが、各種天然黒鉛、各種人造黒鉛、石油コークス、炭素繊維、有機高分子焼成物などの炭素材料、酸化物、シリサイドなどのシリコン含有複合材料、各種金属もしくは合金材料を用いることができる。
正極合剤層や負極合剤層には、導電剤を含めることができる。このような導電剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、各種黒鉛などを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
結着剤には、種々の樹脂材料を用いることができる。
正極の結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン―ブタジエン共重合エマルジョン(JSR(株)製の「#S2990A(商品名)」など)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などを用いることができる。PTFEは、正極合剤層の原料ペーストの増粘剤となるCMC、ポリエチレンオキシド(PEO)、などと組み合わせて用いることもできる。PVdFは、単一でも結着剤としての機能と、増粘剤としての機能とを有する。
負極の結着剤としては、正極の結着剤と同様のものも用いられるが、ゴム性状高分子が好ましく用いられる。ゴム性状高分子としては、スチレン単位およびブタジエン単位を含むものが好ましく用いられる。例えばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、SBRの変性体などを用いることができるが、これらに限定されない。これらのゴム性状高分子は、粒子状を呈することが好ましい。粒子状を呈するゴム性状高分子は、活物質粒子同士を点接着することができる。従って、負極活物質の表面を被覆せずにリチウムイオン受入れ性に優れた負極合剤層が得られる。負極の結着剤と増粘剤とを併用する場合、増粘剤としては、水溶性高分子が好ましく用いられる。セルロース系樹脂が好ましく、特にカルボキシメチルセルロース(CMC)が好ましい。
セパレータは、リチウムイオン二次電池の使用環境に耐え得る材料からなるものであれば、特に限定されない。ポリオレフィン樹脂を含む微多孔性シートをセパレータとして用いることが一般的である。ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。微多孔性シートは、1種のポリオレフィン樹脂を含む単層膜であってもよく、2種以上のポリオレフィン樹脂を含む多層膜であってもよい。セパレータの厚さは8〜30μmであることが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の各実施例および比較例においては、全て同じ材料および混練機を用いて負極合剤スラリーを調製した。また、その調製過程における混練機の電動機の負荷電力を測定するとともに、調製された負極合剤スラリーの粘度および最小凝集粒子径を測定した。
より具体的には、負極合剤の粉体原料として、負極活物質である人造黒鉛(ティムカルジャパン(株)製、グレード:KS−4、平均粒子径:6μm)と、増粘剤であるカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(第一工業製薬(株)製、グレード:セロゲン4H)とを使用した。分散媒としてイオン交換水を使用した。混練機は、プライミクス(株)製の型番:T.K.ハイビスミックス2P−1を使用した。
また、混練機の電動機の負荷電力、すなわち混練に要するトルクを検出するために、電動機の電源配線の電流と電圧とをクランプメータ(HIOランプオンパワーハイテスタ3169)により測定した。両測定値から算出される電力値は、クランプメータに内蔵されているメディア(コンパクトフラッシュ(登録商標))に記録した。
調製された負極合剤スラリーの粘度を東機産業(株)製のB型粘度計により測定した。また、調製された負極合剤スラリーの凝集体の大きさを調べるためにあさひ総研(株)製のグラインドゲージを用いた。具体的には、塗料をグラインドゲージでキャストし、凝集粒子による軌跡が現れ始めた目盛りを読み取り、その値を最小凝集粒子径として記録した。
《実施例1》
1)人造黒鉛500gと、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩1gとを秤量し、混練機の混練用容器に入れた。
2)分散媒としてのイオン交換水を混練用容器に100g添加し、攪拌羽を20rpmの回転数で回転させて10分間混練した後、回転を止めた。
3)さらに100gのイオン交換水を添加し、20rpmの回転数で混練用のブレードを回転させて10分間混練した後、回転を止めた。
4)手順3を3回繰り返して、分散プロセスを完了した。以上の結果を、図2に示す。
この実施例1においては、図2に示すように、手順4において、手順3を3回繰り返したとき(混練開始から約37分後)に混練機の電動機の負荷電力が急激に低下する現象が見られた。また、手順4を完了したときの製造物(負極合剤スラリー)の粘度は8500mPa・s(ミリパスカル秒)であった。また、最小凝集粒子径は40μmであった。
《実施例2》
1)人造黒鉛500gと、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩1gとを秤量し、混練機の混練用容器に入れた。
2)分散媒としてのイオン交換水を混練用容器に50g添加し、攪拌羽を20rpmの回転数で回転させて10分間混練した後、回転を止めた。
3)さらに50gのイオン交換水を添加し、20rpmの回転数で混練用のブレードを回転させて10分間混練した後、回転を止めた。
4)手順3を5回繰り返して、分散プロセスを完了した。以上の結果を、図3に示す。
この実施例2においては、図3に示すように、手順4において、手順3の5回目を実行しているとき(混練開始から約56分後)に混練機の電動機の負荷電力が急激に低下する現象が見られた。また、手順4を完了したときの製造物(負極合剤スラリー)の粘度は8700mPa・sであった。また、最小凝集粒子径は45μmであった。
なお、本実施例2においては、手順4の後に更に手順3を3回実行し、イオン交換水をさらに添加した場合の分散プロセスの挙動を観察した。その結果を、図に破線のグラフにより示す。同図に示すように、手順4の後に更にイオン交換水を添加しても混練機の電動機の負荷電力は変化しなかった。したがって、混練機の電動機の負荷電力が急激に低下した時点に、分散が実質的に完了していることが分かる。
《実施例3》
1)人造黒鉛500gと、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩1gとを秤量し、混練機の混練用容器に入れた。
2)分散媒としてのイオン交換水を混練用容器に50g添加し、20rpmの回転数で混練用のブレードを回転させて10分間混練した後、回転を止めた。
3)さらに50gのイオン交換水を添加し、20rpmの回転数で混練用のブレードを回転させて10分間混練した後、回転を止めた。
4)さらに100gのイオン交換水を添加し、20rpmの回転数で混練用のブレードを回転させて10分間混練し、分散プロセスを完了した。以上の結果を、図4に示す。
この実施例3においては、図4に示すように、手順4を実行しているとき(混練開始から約26分後)に混練機の電動機の負荷電力が急激に低下する現象が見られた。また、手順4を完了したときの製造物(負極合剤スラリー)の粘度は9000mPa・sであった。また、最小凝集粒子径は40μmであった。
なお、本実施例3においては、手順4の後に更に手順4を1回実行して、イオン交換水をさらに添加した場合の分散プロセスの挙動を観察した。その結果を、図に破線のグラフにより示す。同図に示すように、手順4の後に更にイオン交換水を添加しても混練機の電動機の負荷電力は変化しなかった。したがって、混練機の電動機の負荷電力が急激に低下した時点に、分散が実質的に完了していることが分かる。
《実施例4》
1)人造黒鉛500gと、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩1gとを秤量し、混練機の混練用容器に入れた。
2)分散媒としてのイオン交換水を1分間に10ml(ミリリットル)の速度で混練用容器内の粉体原料の上に滴下しながら、20rpmの回転数で混練用のブレードを回転させて所定時間混練した。以上の結果を、図5に示す。
この実施例4においては、図5に示すように、手順2において、混練開始から約20分後に混練機の電動機の負荷電力が急激に低下する現象が見られた。その時点の製造物(負極合剤スラリー)の粘度は7900mPa・sであった。また、最小凝集粒子径は40μmであった。また、イオン交換水の添加量は200ml(=10(ml)×20(分))であった。
なお、本実施例4においては、手順2の後に更に20分間、1分間に10mlの速度でイオン交換水を添加しながら20rpmの回転数で混練用のブレードを回転させて混練を継続し、その場合の分散プロセスの挙動を観察した。その結果を、図に破線のグラフにより示す。同図に示すように、手順2の後に更にイオン交換水を添加しても混練機の電動機の負荷電力は変化しなかった。したがって、混練機の電動機の負荷電力が急激に低下した時点に、分散が実質的に完了していることが分かる。
《実施例5》
1)人造黒鉛500gと、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩1gとを秤量し、混練機の混練用容器に入れた。
2)分散媒としてのイオン交換水を1分間に5ml(ミリリットル)の速度で混練用容器内の粉体原料の上に滴下しながら、20rpmの回転数で混練用のブレードを回転させて所定時間混練した。以上の結果を、図6に示す。
この実施例5においては、図6に示すように、手順2において、混練開始から約30分後に混練機の電動機の負荷電力が急激に低下する現象が見られた。その時点の製造物(負極合剤スラリー)の粘度は7000mPa・sであった。また、最小凝集粒子径は45μmであった。また、イオン交換水の添加量は150ml(=5(ml)×30(分))であった。
なお、本実施例5においては、手順2の後に更に50分間、1分間に5mlの速度でイオン交換水を添加しながら20rpmの回転数で混練用のブレードを回転させて混練を継続し、その場合の分散プロセスの挙動を調査した。その結果を、図に破線のグラフにより示す。同図に示すように、手順2の後に更にイオン交換水を添加しても、負荷電力に大きな変化は見られなかった。したがって、混練機の電動機の負荷電力が急激に低下した時点に、分散が実質的に完了していることが分かる。
《実施例6》
1)人造黒鉛500gと、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩1gとを秤量し、混練機の混練用容器に入れた。
2)分散媒としてのイオン交換水を1分間に5ml(ミリリットル)の速度で混練用容器内の粉体原料の上に滴下しながら、20rpmの回転数で混練用のブレードを回転させた。
3)混練開始から約30分後に混練機の電動機の負荷電力が急激に低下したので、イオン交換水の滴下を停止するとともに、さらに350mlのイオン交換水を一括して添加し、10分間混練した。以上の結果を、図7に示す。
この実施例6においては、図7に示すように、手順3において、さらに350mlのイオン交換水を添加しても、電動機の負荷電力に特に大きな変化は見られなかった。したがって、混練機の電動機の負荷電力が急激に低下した時点に、分散が実質的に完了していることが分かる。また、手順3の途中でイオン交換水の添加を停止したときの製造物(負極合剤スラリー)の粘度は7000mPa・sであった。また、最小凝集粒子径は40μmであった。
《比較例1》
1)人造黒鉛500gと、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩1gとを秤量し、混練機の混練用容器に入れた。
2)分散媒としてのイオン交換水を混練用容器に500g添加し、20rpmの回転数で混練用のブレードを回転させて60分間混練した。以上の結果を、図8に示す。
この比較例1においては、図8に示すように、混練開始当初は負荷電力が増大し、その後徐々に負荷電力は低下したが、急激な負荷電力の低下は見られなかった。また、手順2を完了したときの製造物(負極合剤スラリー)の粘度は12000mPa・sであった。また、最小凝集粒子径は65μmであった。
《比較例2》
1)人造黒鉛500gと、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩1gとを秤量し、混練機の混練用容器に入れた。
2)分散媒としてのイオン交換水を混練用容器に250g添加し、20rpmの回転数で混練用のブレードを回転させて30分間混練した後、回転を停止した。
3)さらにイオン交換水を混練用容器に250g添加し、20rpmの回転数で混練用のブレードを回転させて30分間混練した。以上の結果を、図9に示す。
この比較例2においては、図9に示すように、混練開始当初は負荷電力が増大し、約25分経過した後に負荷電力は低下した。また、手順3を完了したときの製造物(負極合剤スラリー)の粘度は11000mPa・sであった。また、最小凝集粒子径は60μmであった。
以上示したように、実施例1〜6においては、いずれも混練機の電動機の負荷電力の急激な低下が観察された。混練機の電動機の負荷電力、つまり電極合剤の粉体原料と分散媒とを混練するのに必要なトルクが急激に低下したことは、分散が良好に進行したことを示している。したがって、実施例1〜6においては、粉体原料の分散が良好に行われたことが分かる。また、実施例1〜6において分散が良好に行われたことは、電極合剤スラリーの最小凝集粒子径が比較的小さくなっていること、並びに電極合剤スラリーの粘度が比較的小さくなっていることからも分かる。
電極合剤スラリーの最小凝集粒子径は、凝集の度合いを示しており、最小凝集粒子径が比較的大きい比較例1、2においては、分散が良好に行われなかったことが分かる。また、電極合剤スラリーの粘度が比較的大きくなっていることからも、比較例1、2においては、分散が良好に行われなかったことが分かる。
比較例1、2においては、混練開始時に比較的大量(500ml、250ml)のイオン交換水を一括して電極合剤の粉体原料に添加し、混練を実行している。このため、分散が良好に行われなかったものと推測される。
これに対して、実施例6においては、負荷電力が急激に低下した後に、比較的多量(350ml)のイオン交換水を添加しているが、最小凝集粒子径は大きくなっておらず、粘度も比較的低いままとなっている。この事実からも、負荷電力が急激に低下したときに分散が実質的に完了していることが理解される。
また、実施例1〜6の中でも、イオン交換水を滴下して添加する実施例4、5、6においては、負荷電力が急激に低下するまでの時間、つまり粉体原料の分散が実質的に完了するまでの時間が比較的短くなっている。特に、実施例4においては、約20分で分散が完了している。これに対して、比較例1、2においては、60分間に亘って混練動作を実行しても、良好な分散がなしえていない。
したがって、滴下の速度を最適なものとすることにより、分散を完了するまでの時間を最小としながら、高品質の電極合剤スラリーを製造することができる。これにより、電極合剤スラリーの品質の向上および生産性の向上を同時に達成することができる。
以上のように、本発明によれば、充放電サイクルの繰り返しに伴う容量劣化が抑制されたリチウムイオン二次電池を得ることができる。
本発明の一実施の形態に係る電極合剤スラリーの製造方法を適用して電極合剤スラリーが製造される電池の一例を示す縦断面図である。 本発明の実施例1の時間−負荷電力特性を示すグラフである。 本発明の実施例2の時間−負荷電力特性を示すグラフである。 本発明の実施例3の時間−負荷電力特性を示すグラフである。 本発明の実施例4の時間−負荷電力特性を示すグラフである。 本発明の実施例5の時間−負荷電力特性を示すグラフである。 本発明の実施例6の時間−負荷電力特性を示すグラフである。 本発明の比較例1の時間−負荷電力特性を示すグラフである。 本発明の比較例2の時間−負荷電力特性を示すグラフである。

Claims (6)

  1. 電極合剤の粉体原料に分散媒を所定量ずつ定期的または不定期に添加するステップ(a)、
    電動機を使用して、前記原料を前記分散媒と混練して分散させるステップ(b)、
    前記電動機の負荷電力および負荷電流の少なくとも一方を検出するステップ(c)、並びに
    前記ステップ(c)における検出値に基づいて前記原料の前記分散媒による分散の完了を判定するステップ(d)、を含む電極合剤スラリーの製造方法。
  2. 電極合剤の粉体原料に分散溶媒を所定量ずつ連続的に添加するステップ(a)、
    電動機を使用して、前記原料を前記分散媒と混練して分散させるステップ(b)、
    前記電動機の負荷電力および負荷電流の少なくとも一方を検出するステップ(c)、並びに
    前記ステップ(c)における検出値に基づいて前記原料の前記分散媒による分散の完了を判定するステップ(d)、を含む電極合剤スラリーの製造方法。
  3. 前記ステップ(d)における判定結果に基づいて、前記原料への前記分散媒の添加並びに前記原料および前記分散媒の混練を停止するステップ(e)、をさらに含む請求項1または2記載の電極合剤の製造方法。
  4. 前記原料が、黒鉛を含む請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記原料が、カルボキシメチルセルロースを含む請求項4記載の製造方法。
  6. 前記分散媒が水である請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
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