JP2004303572A - 極板の製造方法およびこの製造方法によって得られる極板を用いた非水電解液二次電池 - Google Patents
極板の製造方法およびこの製造方法によって得られる極板を用いた非水電解液二次電池 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】前記混合物に分散媒を添加しながら混練分散したときの前記練合機の負荷最大値となる分散媒の添加量を求め、さらに0.01倍〜0.20倍の分散媒を添加するか、あらかじめ求めた前記分散媒の添加量の1.01倍〜1.20倍の分散媒を前記混合物に添加し、せん断力のかかった状態で混練分散させたペーストを用いる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、厚みが均一でばらつきの少ない極板の製造方法およびこの製造方法によって得られる極板を用いた非水電解液二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話、携帯情報端末等の携帯電子機器の性能は、搭載される半導体素子、電子回路だけでなく、充放電可能な密閉型二次電池の性能に大きく依存しており、搭載される密閉型二次電池の容量アップと共に、軽量・コンパクト化も同時に実現することが望まれている。これらの要望に応える密閉型二次電池として、ニッケルカドミウム蓄電池の約2倍のエネルギー密度を有するニッケル水素蓄電池が開発され、次いで、これを上回るリチウムイオン電池が開発され、主流になっている。
【0003】
これらの密閉型二次電池は、正極板と負極板とをセパレータを介して渦巻状に巻回や積層した極板群と電解液からなる発電要素を円筒形、角形や扁平形の電池ケースに収納し、かしめ封口やレーザー封口することによって構成されている。
【0004】
この電池に用いられる極板は、一般的に活物質(正極活物質または負極活物質)、結着剤(バインダー)、必要に応じて導電剤、導電助剤、増粘剤等を分散媒に混練分散させたペーストを集電体の片面もしくは両面に塗布乾燥した後、所定の厚みまで圧延し、所定の寸法形状にスリットすることにより作製されている。
【0005】
ここで、ペーストの混練分散の方法は、極板の厚みが均一でばらつきの少ない極板を得るために非常に重要なポイントである。
【0006】
従来、活物質、結着剤、必要に応じて導電剤、導電助剤、増粘剤等を所定量配合したものに所定量の溶剤を全量加え、練合機で混練することによってペーストを作製していたが、ペーストの混練状態、粘度等が安定しない為に、極板の厚みが均一でばらつきの少ない極板を得ることが困難であった。
【0007】
導電剤、結着剤と溶剤とを混練した後、活物質を添加して混練する提案(例えば、特許文献1参照)、導電剤と溶剤を混練した後、活物質と結着剤を添加して混練する提案(例えば、特許文献2参照)、結着剤と溶剤とを混練した後、活物質と導電剤を添加して混練する提案(例えば、特許文献3参照)、導電剤と溶剤を混練した後、活物質を添加して混練し、さらに結着剤を添加して混練する提案(例えば、特許文献4参照)などがあるが、これらの方法はいずれも溶剤と導電剤および/または結着剤とを混練した後、活物質を添加して混練する方法であり、せん断力がかからない状態で混練している為、ペーストの混練状態、粘度等を安定させることができなかった。
【0008】
そこで、導電剤、結着剤と活物質とを混練した後、溶剤量を調節して添加して混練し、さらに溶剤を加えてペーストを作製することによって必要な溶剤量が減り、乾燥時間を短縮する提案(例えば、特許文献5参照)、同様な方法により分散性と集電体との密着性を向上させる提案(例えば、特許文献6参照)、結着剤を溶剤に溶解したものに活物質と導電剤を添加して混合した後、微量の溶剤を複数回に分けて添加して固練りし、さらに溶剤を加えてペーストを作製する提案(例えば、特許文献7参照)であり、せん断力をかけた状態で混練した後、さらに溶剤を加えて所定の粘度のペーストを作製しているため、ペーストの混練状態、粘度等を安定させることができると開示されている。
【0009】
しかしながらこれらの方法を用いても、使用するロットが異なると活物質、導電剤、導電助剤などの粉末の場合は、粒径、粒度分布のバラツキによって、結着剤、増粘剤などの場合は、分子量のバラツキによって、最もせん断力のかかる状態で混練することができない場合が生じ、ペーストの混練状態、粘度等を一定にすることができなかった。
【0010】
【特許文献1】
特開平09−213309号公報
【特許文献2】
特開平10−144302号公報
【特許文献3】
特開平11−144714号公報
【特許文献4】
特開平11−213989号公報
【特許文献5】
特開平07−161350号公報
【特許文献6】
特開2000−353516号公報
【特許文献7】
特開2001−167756号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決すべく、使用する活物質、導電剤、導電助剤、結着剤、増粘剤などのロットが異なっても、最もせん断力のかかる状態で混練してペーストの混練状態、粘度等を一定にすることができ、厚みが均一でばらつきの少ない極板の製造方法およびこの製造方法によって得られる極板を用いた非水電解液二次電池を提供することを主たる目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するための本発明は、少なくとも活物質と結着剤からなる混合物に分散媒を添加し、練合機にて混練分散したペーストを集電体に塗布乾燥してなる極板の製造方法であって、前記混合物に分散媒を添加しながら混練分散したときの前記練合機の負荷最大値となる分散媒の添加量を求め、さらに0.005倍〜0.05倍の分散媒を添加した状態で混練した後、さらに分散媒を添加して所定の粘度になるまで混練したペーストを集電体に塗布乾燥してなる極板の製造方法である。
【0013】
また、少なくとも活物質と結着剤からなる混合物に分散媒を添加し、練合機にて混練分散したペーストを集電体に塗布乾燥してなる極板の製造方法であって、前記混合物に分散媒を添加しながら混練分散したときの前記練合機の負荷最大値となる分散媒の添加量をあらかじめ求めておき、この分散媒の添加量の1.00倍〜1.05倍の分散媒を前記混合物に添加した状態で混練した後、さらに分散媒を添加して所定の粘度になるまで混練したペーストであることを特徴とする極板の製造方法である。
【0014】
そして、これらの製造方法において、練合機の負荷最大値となる分散媒の添加量は、1分間に前記活物質100質量部に対して0.1質量部〜1.0質量部を添加しながら求めることが好ましい。
【0015】
また、これらのいずれかに記載の製造方法によって得られる極板は、正極板および/または負極板であり、セパレータを介して絶縁状態の極板群を電池ケースに収納してなる非水電解液二次電池である。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態について図面を用いて説明する。
【0017】
図1は本発明の非水電解液二次電池の断面図である。上部が開口している有底の電池ケース11内に正極板13と負極板14とがセパレータ15を介して絶縁されている極板群を収納している。
【0018】
この正極板13は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金製の箔やラス加工もしくはエッチング処理された厚み10μm〜60μmの正極集電体の片面または両面に、正極ペーストを塗着し、乾燥し、圧延して正極活物質層を形成することにより作製される。
【0019】
正極ペーストに用いる正極活物質としては、特に限定されるものではないが、例えば、リチウムイオンをゲストとして受け入れ得るリチウム含有遷移金属化合物が使用される。例えば、コバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄およびバナジウムから選ばれる少なくとも1種の遷移金属と、リチウムとの複合金属酸化物が使用される。なかでもLixCoO2、LixMnO2、LixNiO2、LiCrO2、αLiFeO2、LiVO2、LixCoyNi1−yO2、LixCoyM1−yOz、LixNi1−yMyOz、LixMn2O4、LixMn2−yMyO4(ここで、M=Na、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、SbおよびBよりなる群から選ばれる少なくとも1種、x=0〜1.2、y=0〜0.9、z=2.0〜2.3)、遷移金属カルコゲン化物、バナジウム酸化物のリチウム化物、ニオブ酸化物のリチウム化物等が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、上記のx値は充放電により増減する。正極活物質の平均粒径は、1μm〜30μmであることが好ましい。
【0020】
正極ペーストに用いる結着剤、導電剤、必要に応じて添加できる増粘剤は、従来と同様のものを用いることができる。
【0021】
結着剤としては、ペーストの分散媒に溶解または分散できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、フッ素系結着剤、アクリルゴム、変性アクリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリル系重合体、ビニル系重合体等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、フッ素系結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン等が好ましく、これらはディスパージョンとして用いることができる。
【0022】
導電剤としては、アセチレンブラック、グラファイト、炭素繊維等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】
増粘剤としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどが好ましい。
【0024】
分散媒としては、結着剤、必要に応じて添加する増粘剤が溶解または分散できるものであれば特に限定されないが、有機系溶剤を用いる場合は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルスルホルアミド、テトラメチル尿素、アセトン、メチルエチルケトン等を単独または混合して用いることが好ましい。また、水系溶剤を用いる場合は、水や温水が好ましい。
【0025】
正極ペーストは、次のようにして作製する。
【0026】
上述した正極活物質、結着剤、導電剤、分散媒及び必要に応じて添加する増粘剤の内、分散媒を除いて混合機にて混合するが、結着剤及び必要に応じて添加する増粘剤は、あらかじめ分散媒に溶解または分散させたものを用いることにより、より均一なペーストを作製することができる。
【0027】
すなわち、粉末状態の正極活物質、導電剤を混合機にて混合した後、練合機にて混練しながら、あらかじめ分散媒に溶解または分散させた結着剤および必要に応じて添加する増粘剤を添加する。次に、分散媒を添加しながら練合機の負荷最大値となる分散媒の添加量を求める。この分散媒の添加量は、1分間に前記正極活物質100質量部に対して0.1質量部〜1.0質量部を添加しながら求める。0.1質量部未満の場合には、練合機の負荷最大値となる分散媒の添加量を求めるのに必要な時間が長くなる。逆に、1.0質量部を超える場合には、練合機の負荷最大値となる分散媒の添加量を正確に求めることができず、せん断をかけた状態で混練することができない。
【0028】
なお、前記分散媒の添加量としては、あらかじめ分散媒に溶解または分散させた結着剤および必要に応じて添加する増粘剤を用いた場合には、これらの分散媒の量を含むものとする。
【0029】
このようにして求めた分散媒の添加量に対して、さらに0.005倍〜0.05倍の分散媒を添加して10分間〜60分間混練した後、さらに分散媒を添加して所定の粘度になるまで混練してペーストを作製する。
【0030】
ところで、あらかじめ分散媒に溶解または分散させた結着剤及び必要に応じて添加する増粘剤を用いる場合には、活物質、導電剤と分散媒とを、せん断力をかけた状態で混練した後に添加し、さらに分散媒を添加して所定の粘度になるまで混練してペーストを作製しても同様の結果が得られる。
【0031】
また、このような方法によって、練合機の負荷最大値となる分散媒の添加量をあらかじめ求めておき、この分散媒の添加量の1.00倍〜1.05倍の分散媒を正極活物質、結着剤、導電剤、及び必要に応じて添加する増粘剤からなる混合物に添加しながら30分〜60分間混練した後、さらに分散媒を添加して所定の粘度になるまで混練しても同様の結果が得られる。
【0032】
混合および混練に用いるものとしては、特に限定されるものではないが、例えば、プラネタリーミキサー、ホモミキサー、ピンミキサー、ニーダー、ホモジナイザー等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0033】
このようにして得られた正極ペーストは、使用するロットが異なり活物質、導電剤、導電助剤などの粒径、粒度分布のバラツキや結着剤、増粘剤などの分子量のバラツキがあっても、練合機の負荷最大値となる分散媒の添加量を求め、さらに0.005倍〜0.05倍の分散媒を添加した状態で混練することにより、最もせん断力のかかる状態で混練することができ、さらに分散媒を添加して所定の粘度になるまで混練するので、混練状態が均一な正極ペーストを得ることができる。
【0034】
次に、例えば、スリットダイコーター、リバースロールコーター、リップコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、グラビアコーター、ディップコーター等を用いて、正極ペーストを正極集電体へ容易に塗着することができる。正極集電体に塗着された正極ペーストは、自然乾燥に近い乾燥を行うことが好ましいが、生産性を考慮すると、80℃〜200℃の温度で10分間〜5時間乾燥させるのが好ましい。
【0035】
圧延は、ロールプレス機によって正極板が130μm〜200μmの所定の厚みになるまで、線圧1000〜2000kg/cmで数回を行うか、線圧を変えて圧延するのが好ましい。
【0036】
正極板13には活物質層を有さない無地部を設け、ここに正極リードを溶接する。
【0037】
負極板14は、例えば、通常の銅箔やラス加工もしくはエッチング処理された銅箔からなる厚み10μm〜50μmの負極集電体の片面または両面に、負極ペーストを塗着し、乾燥し、圧延して負極活物質層を形成することにより作製される。
【0038】
負極ペーストに用いる負極活物質としては、特に限定されるものではないが、充電・放電によりリチウムイオンを放出・吸蔵できる炭素材料を用いることが好ましい。例えば、有機高分子化合物(フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロース等)を焼成することにより得られる炭素材料、コークスやピッチを焼成することにより得られる炭素材料、人造黒鉛、天然黒鉛、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維等が好ましく、その形状としては、繊維状、球状、鱗片状、塊状のものを用いることができる。
【0039】
負極ペーストに用いる結着剤、必要に応じて用いられる導電助剤、増粘剤には、従来と同様のものを用いることができ、正極板と同様の結着剤、導電剤、増粘剤を用いることもできる。
【0040】
負極ペーストは、負極活物質と、結着剤と、必要に応じて導電剤と、増粘剤とを、分散媒に分散させて調製される。負極板には活物質層を有さない無地部を設け、ここに負極リードが溶接される。
【0041】
負極ペーストは、次のようにして作製する。
【0042】
上述した負極活物質、結着剤、分散媒及び必要に応じて添加する導電助剤、増粘剤の内、分散媒を除いて混合機にて混合するが、結着剤及び必要に応じて添加する増粘剤は、あらかじめ分散媒に溶解または分散させたものを用いることにより、より均一なペーストを作製することができる。
【0043】
すなわち、粉末状態の負極活物質と必要に応じて添加する導電助剤を混合機にて混合した後、練合機にて混練しながら、あらかじめ分散媒に溶解または分散させた結着剤および必要に応じて添加する増粘剤を添加する。次に、分散媒を添加しながら練合機の負荷最大値となる分散媒の添加量を求める。この分散媒の添加量は、正極ペーストと同様に1分間に前記負極活物質100質量部に対して0.1質量部〜1.0質量部を添加して求める。0.1質量部未満の場合には、練合機の負荷最大値となる分散媒の添加量を求めるのに必要な時間が長くなる。逆に、1.0質量部を超える場合には、練合機の負荷最大値となる分散媒の添加量を正確に求めることができず、せん断をかけた状態で混練することができない。
【0044】
なお、前記分散媒の添加量としては、あらかじめ分散媒に溶解または分散させた結着剤および必要に応じて添加する増粘剤を用いた場合には、これらの分散媒の量を含むものとする。
【0045】
このようにして求めた分散媒の添加量に対して、さらに0.005倍〜0.05倍の分散媒を添加して10分間〜60分間混練した後、さらに分散媒を添加して所定の粘度になるまで混練したペーストを作製する。
【0046】
ところで、正極ペーストと同様に、あらかじめ分散媒に溶解または分散させた結着剤及び必要に応じて添加する増粘剤を用いる場合には、活物質、導電助剤と分散媒とを、せん断力をかけた状態で混練した後に添加し、さらに分散媒を添加して所定の粘度になるまで混練してペーストを作製しても同様の結果が得られる。
【0047】
また、このような方法によって、練合機の負荷最大値となる分散媒の添加量をあらかじめ求めておき、この分散媒の添加量の1.00倍〜1.05倍の分散媒を正極活物質、結着剤及び必要に応じて添加する導電助剤、増粘剤からなる混合物に添加しながら30分〜60分間混練した後、さらに分散媒を添加して所定の粘度になるまで混練しても同様の結果が得られる。
【0048】
セパレータ15としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル(ポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシド)、セルロース(カルボキシメチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロース)、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル等の高分子からなる微多孔フィルムが好ましく用いられる。また、これらの微多孔フィルムを重ね合わせた多層フィルムも用いられる。なかでもポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン等からなる微多孔フィルムが好適であり、厚みは15μm〜30μmが好ましい。
【0049】
電池ケース11の材質としては、アルミニウム合金、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼などを用いることができる。これらの材料に絞り加工、DI加工等を施して電池ケース11の形状にすることができる。ケースの防蝕性を高めるために、加工後の電池ケース11にメッキ処理を施しても良い。
【0050】
非水電解液としては、非水溶媒と溶質からなり、非水溶媒としては、主成分として環状カーボネートおよび鎖状カーボネートが含有される。前記環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、およびブチレンカーボネート(BC)から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。また、前記鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、およびエチルメチルカーボネート(EMC)等から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
【0051】
溶質としては、例えば、電子吸引性の強いリチウム塩を使用し、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiC(SO2CF3)3等が挙げられる。これらの電解質は、一種類で使用しても良く、二種類以上組み合わせて使用しても良い。これらの溶質は、前記非水溶媒に対して0.5〜1.5Mの濃度で溶解させることが好ましい。
【0052】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例を用いて詳細に説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0053】
(実施例1)
正極ペーストは次のようにして作製した。まず、プラネタリーミキサー中に正極活物質としてコバルト酸リチウムを100質量部に導電剤としてアセチレンブラック2質量部を添加して10分間混合した。次に、結着剤としてポリフッ化ビニリデンをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させ、固形分が12%のものを16.7質量部、プラネタリーミキサーで混合しながら添加した。そして、プラネタリーミキサーの負荷電力のモニターを観察しながら、分散媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を1分間に前記正極活物質100質量部に対して1.0質量部の割合で、16.0質量部添加したところで、プラネタリーミキサーの負荷電力の最大値を示したので、その0.05倍に相当するNMPを0.8質量部添加した後、30分間せん断力をかけた状態で混練した。さらに、NMPを10.0質量部添加し、粘度が20Pa・sの正極ペーストを作製した。
【0054】
この正極ペーストを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体上にドクターブレード方式で195μmの厚さになるように両面塗布して乾燥後、厚さ150μmに圧延し、所定寸法に切断して幅42mm、長さ460mmの正極板13を作製した。
【0055】
(実施例2)
実施例1と同様のロット、配合比にて、正極活物質と導電剤を混合後、結着剤を添加混合した。次に、実施例1で求めたプラネタリーミキサーの負荷電力の最大値を示した分散媒であるNMPの添加量の1.00倍に相当するNMPを16.0質量部添加した後、60分間せん断力をかけた状態で混練した。さらに、NMPを10.4質量部添加し、粘度が20Pa・sの正極ペーストを作製した以外は、実施例1と同様にして正極板13を作製した。
【0056】
(実施例3)
実施例1と同様のロット、配合比にて、正極活物質と導電剤を混合後、結着剤を添加混合した。次に、実施例1で求めたプラネタリーミキサーの負荷電力の最大値を示した分散媒であるNMPの添加量の1.05倍に相当するNMPを16.8質量部添加した後、60分間せん断力をかけた状態で混練した。さらに、NMPを10.0質量部添加し、粘度が20Pa・sの正極ペーストを作製した以外は、実施例1と同様にして正極板13を作製した。
【0057】
(実施例4)
実施例1と同様のロット、配合比にて、正極活物質と導電剤を混合後、結着剤を添加混合した。そして、プラネタリーミキサーの負荷電力のモニターを観察しながら、分散媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を1分間に前記正極活物質100質量部に対して0.05質量部の割合で、15.9質量部添加したところで、プラネタリーミキサーの負荷電力の最大値を示したので、その0.005倍に相当するNMPを0.0795質量部添加した後、30分間せん断力をかけた状態で混練した。さらに、NMPを10.4質量部添加し、粘度が20Pa・sの正極ペーストを作製した以外は、実施例1と同様にして正極板13を作製した。
【0058】
(実施例5)
実施例1と同様のロット、配合比にて、正極活物質と導電剤を混合後、結着剤を添加混合した。そして、プラネタリーミキサーの負荷電力のモニターを観察しながら、分散媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を1分間に前記正極活物質100質量部に対して1.5質量部の割合で、16.4質量部添加したところで、プラネタリーミキサーの負荷電力の最大値を示したので、その0.05倍に相当するNMPを0.82質量部添加した後、30分間せん断力をかけた状態で混練した。さらに、NMPを10.4質量部添加し、粘度が21Pa・sの正極ペーストを作製した以外は、実施例1と同様にして正極板13を作製した。
【0059】
(実施例6)
実施例1と同様のロット、配合比にて、正極活物質と導電剤のみを混合した。そして、プラネタリーミキサーの負荷電力のモニターを観察しながら、分散媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を1分間に前記正極活物質100質量部に対して1.0質量部の割合で、28.5質量部添加したところで、プラネタリーミキサーの負荷電力の最大値を示したので、その0.005倍に相当するNMPを0.1425質量部添加した後、40分間せん断力をかけた状態で混練した。
【0060】
次に、結着剤として実施例1と同じロットのポリフッ化ビニリデンをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させ、固形分が12%のものを16.7質量部、プラネタリーミキサーで混合しながら添加した。さらに、NMPを0.01質量部添加し、粘度が20Pa・sの正極ペーストを作製した以外は、実施例1と同様にして正極板13を作製した。
【0061】
(実施例7)
正極活物質、導電剤、結着剤の配合比は実施例1と同じであるが、ロットが異なり平均粒径が実施例1よりも小さい正極活物質と導電剤を混合後、結着剤を添加混合した。そして、プラネタリーミキサーの負荷電力のモニターを観察しながら、分散媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を1分間に前記正極活物質100質量部に対して1.0質量部の割合で、16.2質量部添加したところで、プラネタリーミキサーの負荷電力の最大値を示したので、その0.05倍に相当するNMPを0.81質量部添加した後、30分間せん断力をかけた状態で混練した。さらに、NMPを10.2質量部添加し、粘度が20Pa・sの正極ペーストを作製した以外は、実施例1と同様にして正極板13を作製した。
【0062】
(実施例8)
正極活物質、導電剤、結着剤の配合比は実施例1と同じであるが、ロットが異なり平均粒径が実施例1よりも大きい正極活物質と導電剤を混合後、結着剤を添加混合した。そして、プラネタリーミキサーの負荷電力のモニターを観察しながら、分散媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を1分間に前記正極活物質100質量部に対して1.0質量部の割合で、15.8質量部添加したところで、プラネタリーミキサーの負荷電力の最大値を示したので、その0.05倍に相当するNMPを0.79質量部添加した後、30分間せん断力をかけた状態で混練した。さらに、NMPを9.8質量部添加し、粘度が20Pa・sの正極ペーストを作製した以外は、実施例1と同様にして正極板13を作製した。
【0063】
(実施例9)
負極ペーストは次のようにして作製した。まず、プラネタリーミキサー中に負極活物質として人造塊状黒鉛を100質量部に、導電助剤として気相成長炭素を2質量部、結着剤として平均粒径0.4μmのスチレン−ブタジエンゴムの水ディスパージョン(固形分48%)を4.2質量部、プラネタリーミキサーで混合しながら添加した。
【0064】
そして、プラネタリーミキサーの負荷電力のモニターを観察しながら、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を40℃の温水に溶解させ、固形分が1%の分散媒を1分間に前記負極活物質100質量部に対して0.1質量部の割合で、67.0質量部添加したところで、プラネタリーミキサーの負荷電力の最大値を示したので、その0.005倍に相当する前記分散媒を0.335質量部添加した後、20分間せん断力をかけた状態で混練した。
【0065】
次に、前記CMCの固形分が1%の分散媒を26.0質量部、プラネタリーミキサーで混合分散しながら添加した。さらに、40℃の温水のみからなる分散媒を4.9質量部添加し、粘度が18Pa・sの負極ペーストを作製した。
【0066】
この負極ペーストを厚さ12μmの銅箔からなる負極集電体上にドクターブレード方式で厚さ200μmに両面塗布して乾燥後、厚さ155μmに圧延し、所定寸法に切断して幅44mm、長さ445mmの負極板14を作製した。
【0067】
(実施例10)
実施例9と同様のロット、配合比にて、負極活物質と導電助剤のみを混合した。そして、プラネタリーミキサーの負荷電力のモニターを観察しながら、分散媒として実施例9と同じロットのカルボキシメチルセルロース(CMC)を40℃の温水に溶解させ、固形分が1%の分散媒を1分間に前記正極活物質100質量部に対して0.1質量部の割合で、65.0質量部添加したところで、プラネタリーミキサーの負荷電力の最大値を示したので、その0.005倍に相当する前記分散媒を0.325質量部添加した後、20分間混練した。
【0068】
次に、結着剤として実施例9と同様のロットである平均粒径0.4μmのスチレン−ブタジエンゴムの水ディスパージョン(固形分48%)を4.2質量部、プラネタリーミキサーで混合しながら添加した。
【0069】
さらに、前記CMCの固形分が1%の分散媒を25.0質量部、プラネタリーミキサーで混合分散しながら添加した後、40℃の温水のみからなる分散媒を7.1質量部添加し、粘度が18Pa・sの負極ペーストを作製した以外は、実施例9と同様にして負極板14を作製した。
【0070】
(比較例1)
実施例1と同様のロット、配合比にて、正極活物質と導電剤を混合後、結着剤を添加混合した。次に、分散媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を29.0質量部添加した後、60分間プラネタリーミキサーを用いて混練して、粘度が20Pa・sの正極ペーストを作製した以外は、実施例1と同様にして正極板13を作製した。
【0071】
(比較例2)
実施例1と同様のロット、配合比にて、正極活物質と導電剤を混合後、結着剤を添加混合した。そして、プラネタリーミキサーの負荷電力のモニターを観察しながら、分散媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を1分間に前記正極活物質100質量部に対して1.0質量部の割合で、16.0質量部添加したところで、プラネタリーミキサーの負荷電力の最大値を示したので、その0.10倍に相当するNMPを1.6質量部添加した後、30分間混練した。さらに、NMPを11.0質量部添加し、粘度が20Pa・sの正極ペーストを作製した以外は、実施例1と同様にして正極板13を作製した。
【0072】
(比較例3)
実施例1と同様のロット、配合比にて、正極活物質と導電剤を混合後、結着剤を添加混合した。次に、実施例1で求めたプラネタリーミキサーの負荷電力の最大値を示した分散媒であるNMPの添加量の1.10倍に相当するNMPを17.6質量部添加した後60分間混練した。さらに、NMPを11.0質量部添加し、粘度が20Pa・sの正極ペーストを作製した以外は、実施例1と同様にして正極板13を作製した。
【0073】
(比較例4)
実施例1と同様のロット、配合比にて、正極活物質と導電剤を混合後、結着剤を添加混合した。次に、実施例1で求めたプラネタリーミキサーの負荷電力の最大値を示した分散媒であるNMPの添加量の0.95倍に相当するNMPを15.2質量部添加した後60分間混練した。さらに、NMPを13.0質量部添加し、粘度が20Pa・sの正極ペーストを作製した以外は、実施例1と同様にして正極板13を作製した。
【0074】
(比較例5)
実施例9と同様のロット、配合比にて、負極活物質と導電助剤を混合後、結着剤を添加混合した。そして、プラネタリーミキサーの負荷電力のモニターを観察しながら、実施例9と同じロットのカルボキシメチルセルロース(CMC)を40℃の温水に溶解させ、固形分が1%の分散媒を1分間に前記正極活物質100質量部に対して0.1質量部の割合で、67.0質量部添加したところで、プラネタリーミキサーの負荷電力の最大値を示したので、その0.10倍に相当する前記分散媒を6.7質量部添加した後、30分間せん断力をかけた状態で混練した。
【0075】
次に、前記CMCの固形分が1%の分散媒を20.0質量部、プラネタリーミキサーで混合分散しながら添加した。さらに、40℃の温水のみからなる分散媒を4.9質量部添加し、粘度が18Pa・sの負極ペーストを作製した以外は、実施例9と同様にして負極板14を作製した。
【0076】
このようにして実施例1〜実施例10、比較例1〜比較例5で作製した正極板13または負極板14の厚みの均一性と混練分散状態を評価した。
【0077】
厚みの均一性は、マイクロメータを用いて幅方向の下端部、中央部、上端部について、長さ方向の始端部、中央部、終端部の各5点合計30点の厚みの平均値と標準偏差を算出して評価した結果を表1に示す。
【0078】
混練分散状態は、極板断面のSEM写真を撮り、活物質、導電剤等の30μm以上の二次凝集物の有無から混練分散状態を評価した結果を表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
表1より明らかなように、実施例の製造方法によれば、最もせん断力のかかる状態で混練分散させることができ、ペースト中に二次凝集物がなく、粘度を一定にすることができるので、極板の厚みの標準偏差値が小さく、均一でばらつきの少ない極板を得ることができることがわかり、特に実施例1、7、8より、使用する活物質、導電剤、導電助剤、結着剤、増粘剤などのロットが異なっても、最もせん断力のかかる状態で混練分散できる製造方法であることがわかった。
【0081】
また、実施例1、3から、活物質、導電剤、結着剤のロットが同じであればこれらを混合した後、練合機にて分散媒を添加しながら混練分散したときの前記練合機の負荷最大値となる分散媒の添加量を求め、さらに0.005倍〜0.05倍の分散媒を添加した状態で混練分散しても、あらかじめ求めた前記分散媒の添加量の1.00倍〜1.05倍の分散媒を前記混合物に添加した状態で混練分散しても、最もせん断力のかかる状態で混練分散させることができることがわかった。
【0082】
そして、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の比較から、練合機にて分散媒を添加して混練分散したときの前記練合機の負荷最大値となる分散媒の添加量を求め、さらに0.005倍〜0.05倍の分散媒を添加し、せん断力のかかった状態で混練する必要があることがわかった。
【0083】
また、実施例1と実施例6及び実施例9と実施例10の比較から、あらかじめ分散媒に溶解または分散させた結着剤を用いた場合には、活物質、導電助剤と分散媒とをせん断力をかけた状態で混練した後に添加し、さらに分散媒を添加して所定の粘度になるまで混練してペーストを作製しても、ペースト中に二次凝集物がなく、粘度を一定にすることができるので、極板の厚みの標準偏差値が小さく、均一でばらつきの少ない極板を得ることができることがわかった。
【0084】
比較例4の練合機の負荷最大値となる分散媒の添加量を求め、その0.95倍の分散媒を添加した場合、極板の厚みばらつきがあり、表面に光沢がないのは、せん断力がかかった状態で混練できるが、分散媒が活物質や導電剤(導電助剤)表面を完全に濡らした状態にできない為、粘度調整しても均一なペーストが得られなかった為と思われる。
【0085】
さらに、実施例1、4、5より、練合機の負荷最大値となる分散媒の添加量は、1分間に活物質100質量部に対して0.1質量部〜1.0質量部を添加しながら求めることが好ましいことがわかった。
【0086】
次に、このようにして作製した正極板13と負極板14とを表2に示すように組み合わせ、厚さ25μmのポリエチレン樹脂製の微多孔膜フィルムからなるセパレータ15を介して扁平状に巻回した極板群を、長辺面からのプレス加工により長円状の極板群を作製し、上部が開口している有底のアルミニウム合金製の電池ケース11内に収納した後、封口板12を電池ケース11に嵌合し、レーザ溶接にて前記嵌合部を封止密閉した。
【0087】
その後、封口板12の注液孔より、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネートの混合溶媒中に、電解質としてヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を1モル/lの濃度で溶解した電解液を所定量注入し、封栓16と前記封口板12とをレーザ溶接することによって注液孔を封止密閉して、幅6.3mm、長さ34mm、高さ50mmの寸法で、電池容量1000mAhの扁平型リチウム二次電池を作製して、実施例11〜実施例17、比較例11の電池とした。
【0088】
これらの電池を各20セル用いて、放電レート特性と充放電サイクル特性を評価した。
【0089】
放電レート特性は、3.0Vの終止電圧まで2000mA(1.0ItA)の定電流で残存放電した後、電池電圧が4.2Vに達するまでは1400mA(0.7ItA)の定電流充電を行い、その後、電流値が減衰して100mA(0.05ItA)になるまで充電した満充電の電池を、200mA(0.2ItA)の定電流で3.0Vの放電終止電圧まで放電させた場合の放電容量に対する2000mA(2.0ItA)の定電流で放電させた場合の放電レートを算出し、その平均値を求めた結果を表2に示す。
【0090】
充放電サイクル特性は、3.0Vの終止電圧まで2000mA(1.0ItA)の定電流で残存放電した後、電池電圧が4.2Vに達するまでは1400mA(0.7ItA)の定電流充電を行い、その後、3.0Vの終止電圧まで2000mA(1.0ItA)の定電流で放電するサイクルを500サイクル繰り返したときの容量を測定し、3サイクル目を100%としたときの500サイクル目の容量維持率を算出し、その平均値を求めた結果を表2に示す。
【0091】
【表2】
【0092】
表2から明らかなように、実施例の非水電解液二次電池によれば、厚みが均一でばらつきの少ない極板を用いているので、放電レート特性、充放電サイクル特性に優れた非水電解液二次電池が得られることがわかった。特に、正極板および負極板の両方に用いた場合、正極板と相対する負極板との単位面積当たりの容量が一定になるので、放電レート特性、充放電サイクル特性がさらによくなることがわかった。
【0093】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、厚みが均一でばらつきの少ない極板を製造することができ、放電レート特性、充放電特性に優れた非水電解液二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る非水電解液二次電池の縦断面図
【符号の説明】
11 電池ケース
12 封口板
13 正極板
14 負極板
15 セパレータ
16 封栓
Claims (4)
- 少なくとも活物質と結着剤からなる混合物に分散媒を添加し、練合機にて混練分散したペーストを集電体に塗布乾燥してなる極板の製造方法であって、前記混合物に分散媒を添加しながら混練分散したときの前記練合機の負荷最大値となる分散媒の添加量を求め、さらに0.005倍〜0.05倍の分散媒を添加した状態で混練した後、さらに分散媒を添加して所定の粘度になるまで混練したペーストであることを特徴とする極板の製造方法。
- 少なくとも活物質と結着剤からなる混合物に分散媒を添加し、練合機にて混練分散したペーストを集電体に塗布乾燥してなる極板の製造方法であって、前記混合物に分散媒を添加しながら混練分散したときの前記練合機の負荷最大値となる分散媒の添加量をあらかじめ求めておき、この分散媒の添加量の1.00倍〜1.05倍の分散媒を前記混合物に添加した状態で混練した後、さらに分散媒を添加して所定の粘度になるまで混練したペーストであることを特徴とする極板の製造方法。
- 前記練合機の負荷最大値となる分散媒の添加量は、1分間に前記活物質100質量部に対して0.1質量部〜1.0質量部を添加しながら求めることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の極板の製造方法。
- 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の製造方法によって得られる極板は正極板および/または負極板であり、セパレータを介して絶縁状態の極板群を電池ケースに収納してなる非水電解液二次電池。
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