JP4561034B2 - 非水電解液電池の製造方法 - Google Patents

非水電解液電池の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4561034B2
JP4561034B2 JP2003028037A JP2003028037A JP4561034B2 JP 4561034 B2 JP4561034 B2 JP 4561034B2 JP 2003028037 A JP2003028037 A JP 2003028037A JP 2003028037 A JP2003028037 A JP 2003028037A JP 4561034 B2 JP4561034 B2 JP 4561034B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode plate
battery
electrolyte
plate group
kpa
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003028037A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004241222A (ja
Inventor
健一 保手浜
敬士 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2003028037A priority Critical patent/JP4561034B2/ja
Publication of JP2004241222A publication Critical patent/JP2004241222A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4561034B2 publication Critical patent/JP4561034B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Filling, Topping-Up Batteries (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は非水電解液電池の製造方法に関し、特に電解液を短時間で効率よく注液する製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、AV機器、ノート型パソコン、或いは携帯型通信機器などの民生用電子機器のポータブル化、コードレス化が急速に促進されている。これらの電子機器の駆動用電源としては、従来はニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池などが主に用いられていたが、電子機器のポータブル化やコードレス化が進展して定着するに従って、駆動用電源となる二次電池の高エネルギー密度化や小型軽量化の要望がますます強くなっている。
【0003】
このような状況から、高率充放電特性を示すリチウム含有複合酸化物、例えばLiCoO2を正極活物質に用いてリチウムイオンの挿入、離脱を利用したリチウムイオン二次電池に代表される非水電解液を用いた二次電池が主流になっている。
【0004】
リチウムイオン二次電池は、小型・軽量でありながら急速充電が可能で、高エネルギー密度を有するという極めて顕著な特徴を有する電池である。このような非水電解液電池は、正極板と負極板とがセパレータを介して絶縁されている状態で渦巻き状に巻回した極板群を電池缶に収納することにより、電池缶内において化学反応に寄与する極板面積を可及的に大きくする工夫がなされている。
【0005】
このように高容量、高エネルギー密度が求められ、極板群の高密度化が進むと、電解液が極板群内に含浸しにくくなり、電解液を短時間で注液することが困難になっている。
【0006】
すなわち、従来、電解液の注液中または注液後に振動を加える方法(例えば、特許文献1参照)、遠心力を用いる方法(例えば、特許文献2参照)や電解液を注入した後加熱するか、電極群を電池缶に挿入し加熱した後、電解液を注入するなどの方法(例えば、特許文献3,4参照)を用い、空気との置換を促進させる方法を採用していたが、極板群の高密度化が進み、電解液が極板群内に含浸しにくくなり、電解液が極板群に含浸する時間を確保する為に、製造ラインの速度を落としたり、滞留できるスペースを設置する必要があり、電解液の注液時から電池封口までの時間のばらつきが増大し、電池特性のばらつきが大きくなるといった問題もあった。
【0007】
そこで減圧状態にした注液中または注液後に振動を加える方法(例えば、特許文献5,6参照)、所定量遠心注液した後残量を注液し減圧する方法(例えば、特許文献7参照)や極板群、電解液と外装容器を45℃以上の温度に保って、電解液を注液後、減圧と常圧を交互に5回以上繰り返す方法(例えば、特許文献8参照)が提案されている。
【0008】
しかしながら、前記減圧状態にした注液中または注液後に振動を加える方法や所定量遠心注液した後残量を注液し減圧する方法の場合、極板群の細孔の空気と電解液との置換性が向上しないので、あまり注液時間を短縮できないことがわかった。
【0009】
また、極板群、電解液と外装容器を45℃以上の温度に保って、電解液を注液後、減圧と常圧を交互に5回以上繰り返す方法の場合、極板群の細孔まで含浸させることは可能であるが、減圧するのに長時間を要し、短時間で注液するのが困難であり、電解液が減圧時に気泡と一緒に外装缶外に溢れ、電解液量が一定にならない場合があった。
【0010】
【特許文献1】
特開平4−061746号公報
【特許文献2】
特開平7−073866号公報
【特許文献3】
特開平10−326626号公報
【特許文献4】
特開2000−123859号公報
【特許文献5】
特開平5−190168号公報
【特許文献6】
特開平11−265705号公報
【特許文献7】
特開平10−233204号公報
【特許文献8】
特開2000−090962号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、極板群の細孔の空気と非水電解液との置換の効率を良くし、短時間での非水電解液の注液を可能にし、サイクル特性に優れた非水電解液電池の製造方法を得ることを主たる目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の非水電解液電池の製造方法は、正極板と負極板とがセパレータを介して絶縁された状態の極板群を電池缶内に収納した後、電解液を注液してなる電池の製造方法において、前記極板群を収納した電池缶と電解液とを加温した状態で、常圧状態と減圧状態とのサイクルを少なくとも2回繰り返し、電解液を分割注液することを特徴とする非水電解液電池の製造方法であり、減圧状態はサイクル毎に前回の減圧状態の圧力値以下とし、減圧状態の圧力が40kPa〜80kPaであり、前記加温温度が40℃である。
【0013】
極板群を収納した電池缶と電解液とを40℃に加温して電解液の粘性を下げることによって、一般に用いられている減圧状態よりも弱い40kPa〜80kPaの減圧状態で電池缶と極板群の隙間及び極板群の細孔内の空気と電解液との置換を行い、電解液を短時間で含浸させることができるので効率が良く、常圧状態と減圧状態とのサイクルを少なくとも2回繰り返し、電解液を分割注液することにより、減圧時に気泡と一緒に電解液が電池缶外に溢れることがなく、減圧状態をサイクル毎に前回の減圧状態の圧力値以下にすることにより、極板群の電解液で置換された部分と未置換部分との界面の空気が誘出され、この空気と電解液とを容易に置換させることができ、より効率良く電解液を含浸させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の非水電解液電池の形状としては、角型、扁平型、円筒型などの形状に限定されるものではないが、図1に示す角型のリチウム二次電池の断面図を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
図1に示すように、正極板14と負極板16とがセパレータ15を介在して楕円状に捲回された極板群が、有底角型の電池缶11に収納されており、封口板12の内部端子に電気的に接続されており、封口板12と電池缶11とをレーザー溶接した後、封口板12に設けた注液孔から非水電解液を注液した後、注液栓18をレーザーで封口している。
【0016】
この正極板14は、アルミニウム製の箔、ラス加工やエッチング処理された箔からなる正極集電体13の片側または両面に正極活物質と結着剤、必要に応じて導電剤を溶剤に混練分散させたペーストを塗布、乾燥、圧延して作製することができる。そして、正極板14の厚みは100μm〜200μmの厚みで、柔軟性があることが好ましい。
【0017】
正極活物質としては、例えば、リチウムイオンをゲストとして受け入れ得るリチウム含有遷移金属化合物が使用される。例えば、コバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄およびバナジウムから選ばれる少なくとも一種類の金属とリチウムとの複合金属酸化物、LiCoO2、LiMnO2、LiNiO2、LiCoxNi(1-x)2(0<x<1)、LiCrO2、αLiFeO2、LiVO2等が好ましい。
【0018】
結着剤としては、使用する溶剤や電解液に対して安定な材料であれば、特に限定されないが、例えば、フッ素系結着材やアクリルゴム、変性アクリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプロピレンゴム、ブタジエンゴム、アクリル系重合体、ビニル系重合体等を単独、或いは二種類以上の混合物または共重合体として用いることができる。フッ素系結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体(P(VDF−HFP))やポリテトラフルオロエチレン樹脂のディスパージョン等が好ましい。
【0019】
必要に応じて導電剤、増粘剤を加えることができ、導電剤としてはアセチレンブラック、グラファイト、黒鉛、炭素繊維等を単独、或いは二種類以上の混合物が好ましく、増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、ガゼイン等が好ましい。
【0020】
溶剤としては、結着剤が溶解または均一に分散可能な溶剤が適切で、有機系結着剤の場合は、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルスルホルアミド、テトラメチル尿素、アセトン、メチルエチルケトン等の有機溶剤を単独またはこれらを混合した混合溶剤が好ましく、水系結着剤の場合は水や温水が好ましい。
【0021】
また、負極板16は、負極集電体17の片側または両面に負極活物質と結着剤、必要に応じて増粘剤、導電助剤を溶剤に混練分散させたペースト状の負極合剤を塗布、乾燥、圧延して負極合剤層を形成することができ、その厚みは100μm〜210μmの厚みで、柔軟性があることが好ましい。
【0022】
負極集電体17として用いる銅または銅合金は、特に限定されるものではなく、圧延箔、電解箔などが挙げられ、その形状も箔、孔開き箔、エキスパンド材、ラス材等であっても構わないが、その厚みは引張り強度が強いほど好ましいが、厚くなると電池内部の空隙体積が少なくなり、エネルギー密度が低下するので20μm以下が好ましく、8〜15μmの範囲がより好ましい。
【0023】
負極活物質としては、特に限定されるものではないが、例えば、有機高分子化合物(フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロース等)を焼成することにより得られる炭素材料、コークスやピッチを焼成することにより得られる炭素材料、或いは人造グラファイト、天然グラファイト等が好ましく、その形状としては、球状、鱗片状、塊状のものを用いることができる。
【0024】
結着剤、溶剤および必要に応じて加えることができる導電助剤は正極の導電剤と同様のものを使用することができる。
【0025】
ところで、正極および負極の活物質、結着剤、必要に応じて加える導電剤、導電助剤を溶剤に混練分散させてペースト状合剤を作製する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、プラネタリーミキサー、ホモミキサー、ピンミキサー、ニーダー、ホモジナイザー等を用いることができる。これらを単独、或いは組み合わせて使用することも可能である。
【0026】
また、上記ペースト状合剤の混練分散時に、各種分散剤、界面活性剤、安定剤等を必要に応じて添加することも可能である。
【0027】
塗着乾燥は、特に限定されるものではなく、上記のように混錬分散させたペースト状の合剤を、例えば、スリットダイコーター、リバースロールコーター、リップコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、グラビアコーター、ディップコーター等を用いて、容易に塗着することができ、自然乾燥に近い乾燥が好ましいが、生産性を考慮すると70℃〜200℃の温度で乾燥させるのが好ましい。
【0028】
圧延は、ロールプレス機によって所定の厚みになるまで、線圧1000〜2000kg/cmで数回圧延を行うか、線圧を変えて圧延するのが好ましい。
【0029】
セパレータ15としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂の微多孔膜や不織布からなる単層または多層構造で構成されており、ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂の2層または両端がポリプロピレン樹脂で中間層がポリエチレン樹脂の3層構造でシャットダウン機能を有するセパレータが好ましく、セパレータの厚みは10〜30μmの範囲が好ましい。
【0030】
電池缶11としては、上端が開口している有底の角型ケースであり、その材質は、耐圧強度の観点からマンガン、銅等の金属を微量含有するアルミニウム合金や安価なニッケルメッキを施した鋼鈑が好ましい。
【0031】
このようにして作製した正極板14と負極板16とをセパレータ15を介して絶縁されている状態で扁平状に巻回した極板群を乾燥した後、電池缶11に収納するか、極板群を電池缶11に収納した後、乾燥する。
【0032】
この乾燥条件としては、低湿度、高温の雰囲気であることが好ましいが、温度が高すぎるとセパレータに熱収縮が生じたり、微多孔孔が潰れたりして電池特性に悪影響を及ぼすので、具体的には露点が−30〜−80℃であり、温度が60〜100℃であることが好ましい。
【0033】
そして、正極板14に接続された正極リードの他端部を防爆機構を有する封口板12に接続し、負極板16に接続された負極リードの他端部を、封口板12の内部端子に接続した後、封口板12と電池缶11とをレーザー溶接する。
【0034】
次に、極板群を収納した電池缶11を加温した状態で、加温した電解液を常圧状態と減圧状態とのサイクルを少なくとも2回繰り返して、封口板12上に設けた注液孔より電解液を分割注液する。このときの加温温度は40℃〜100℃の範囲であることが好ましく、減圧状態の圧力が40kPa〜80kPaであることが好ましく、減圧状態はサイクル毎に前回の減圧状態の圧力値以下にすることがより好ましい。
【0035】
極板群を収納した電池缶と電解液の加温温度が40℃未満の場合は、電解液の粘性低下が不十分で、電池缶と極板群の隙間及び極板群の細孔内の空気との置換が不十分で好ましくなく、加温温度が高くなる程、空気との置換性が良くなるが、100℃を超えるとセパレータに熱収縮が生じたり、微多孔孔が潰れたりして電池特性に悪影響を及ぼすので好ましくない。
【0036】
このようにして電解液の粘性を下げることによって、一般に用いられている減圧状態よりも弱い40kPa〜80kPaで電池缶と極板群の隙間及び極板群の細孔内の空気と電解液との置換を行い、電解液を短時間で含浸させることができるので効率が良い。減圧状態が40kPaを下回る圧力値で減圧状態が強い状態にするには、大掛りな減圧設備が必要になる上、減圧状態にする時間がかかるので好ましくなく、減圧状態の圧力が80kPaを上回る圧力値で減圧状態が弱い状態では、空気と電解液との置換に長時間を要する上、極板群の細孔内の空気と電解液とを完全に置換できないので好ましくない。
【0037】
常圧状態と減圧状態とのサイクルを少なくとも2回繰り返し、電解液を分割注液することにより、最も気泡が出やすい初回の減圧時に電解液量が所定量注液されていないので、気泡と一緒に電解液が電池缶外に溢れることがなく、減圧状態をサイクル毎に前回の減圧時の圧力値以下にすることにより、より効率良く電解液を含浸させることができる。
【0038】
加温した電解液を常圧状態と減圧状態とを交互に少なくとも2回繰り返して、分割注液するに当たって、均等に分割注液しても良いが、1回目が最も多く、徐々に注液量を減らす方法が、気泡と一緒に電解液が電池缶外に溢れることがなく、極板群の細孔内の空気との置換性が容易となるのでより好ましい。
【0039】
電解液としては、非水溶媒に電解質を溶解することにより調整される。前記非水溶媒としては、主成分として環状カーボネートおよび鎖状カーボネートが含有される。前記環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、およびブチレンカーボネート(BC)から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。また、前記鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、およびエチルメチルカーボネート(EMC)等から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
【0040】
電解質としては、例えば、電子吸引性の強いリチウム塩を使用し、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252、LiC(SO2CF33等が挙げられる。これらの電解質は、一種類で使用しても良く、二種類以上組み合わせて使用しても良い。これらの電解質は、前記非水溶媒に対して0.5〜1.5Mの濃度で溶解させることが好ましい。
【0041】
【実施例】
本発明を実施例と比較例を用いて詳細に説明するが、これらは、本発明を何ら限定するものではない。
【0042】
(実施例1)
まず、図1に示す正極板14は、正極活物質としてコバルト酸リチウムを100質量部、導電剤としてアセチレンブラックを3質量部、結着剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂を固形分で4質量部とカルボキシメチルセルロースを0.8質量部を加え、水を溶剤として混練分散させてペーストを作製した。このペーストを、厚さ20μmの帯状のアルミニウム箔からなる正極集電体13に連続的に間欠塗着を行い乾燥し、250℃で10時間熱処理を行った後、線圧1000Kg/cmで3回圧延を行った。
【0043】
そして、アルミニウム製の正極リードをスポット溶接して取付け、さらに内部短絡を防止するためのポリプロピレン樹脂製絶縁テープを貼付することにより、幅寸法42mm、長さ300mm、厚さ0.180mmの正極板14を作製した。
【0044】
次に、負極板16は、負極活物質としてリチウムを吸蔵、放出可能な鱗片状黒鉛を100質量部、結着剤としてスチレンブタジエンラバー(SBR)の水溶性ディスパージョンを固形分として4質量部、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを0.8質量部、溶剤として水を加え、混練分散させてペースト状合剤を作製した。このペーストを、厚さ14μmの帯状の銅箔からなる負極集電体17に連続的に間欠塗着を行い、110℃で30分間乾燥し、線圧110Kg/cmで3回圧延を行った。
【0045】
そして、ニッケル製の負極リードをスポット溶接して取付け、さらに内部短絡を防止するためのポリプロピレン樹脂製絶縁テープを貼付することにより、幅寸法44mm、長さ400mm、厚さ0.196mmの負極板16を作製した。
【0046】
このようにして、正極板14と負極板16とが厚さ20μmのポリプロピレン樹脂製の微多孔性セパレータ15を介して絶縁された状態で楕円状に巻回した電極群の長辺面から60℃の温度で6.5MPaの圧力条件にて30秒間プレスすることにより扁平状の極板群を得た。
【0047】
この扁平状の極板群をマンガン、銅等の金属を微量含有するJIS呼称3000系のアルミニウム合金を用いて、肉厚0.25mmで、幅寸法6.3mm、長さ寸法34.0mm、総高50.0mmの形状にプレス成型により作製した有底角型の電池ケース11内に収納した。
【0048】
露点−30℃、温度90℃で2時間乾燥させることによって、カールフィシャー式水分計を用いた測定で、極板群の含有水分量を500ppmから70ppmに下げた。
【0049】
さらに、封口板12と電池ケース11とをレーザ溶接した後、封口板12に設けた注液孔より、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)を2:1で混合した混合溶媒に、LiPF6を1.0Mの濃度で溶解させた非水電解液を2.1cm3注液した後、注液栓18をレーザで封口して、電池容量が1000mAhを設計値とする角型のリチウム二次電池を作製した。
【0050】
なお、注液は次のようにして行った。2.1cm3が所定量の非水電解液を2回に分けて注液した。1回目は、40℃に加温した非水電解液を1.1cm3注液し、60kPaの減圧処理を40秒行い、2回目は40℃に加温した非水電解液を1.0cm3注液し、60kPaの減圧処理を40秒行った後、外観目視検査で注液した非水電解液が完全に極板群に含浸するまでの時間を各10個ずつ測定し、その平均時間と標準偏差を表1に示す。
【0051】
【表1】
Figure 0004561034
【0052】
(実施例2)
2.1cm3が所定量の非水電解液を2回に分けて次のようにして注液した以外は、実施例1と同様にして角型のリチウム二次電池を作製した。
【0053】
注液の1回目は、100℃に加温した非水電解液を1.5cm3注液し、80kPaの減圧処理を40秒行い、2回目は100℃に加温した非水電解液を0.6cm3注液し、80kPaの減圧処理を40秒行った後、外観目視検査で注液した非水電解液が完全に極板群に含浸するまでの時間を各10個ずつ測定し、その平均時間と標準偏差を表1に示す。
【0054】
(実施例3)
2.1cm3が所定量の非水電解液を2回に分けて次のようにして注液した以外は、実施例1と同様にして角型のリチウム二次電池を作製した。
【0055】
注液の1回目は、40℃に加温した非水電解液を1.1cm3注液し、60kPaの減圧処理を40秒行い、2回目は40℃に加温した非水電解液を1.0cm3注液し、40kPaの減圧処理を40秒行った後、外観目視検査で注液した非水電解液が完全に極板群に含浸するまでの時間を各10個ずつ測定し、その平均時間と標準偏差を表1に示す。
【0056】
(実施例4)
2.1cm3が所定量の非水電解液を3回に分けて次のようにして注液した以外は、実施例1と同様にして角型のリチウム二次電池を作製した。
【0057】
注液の1回目は、40℃に加温した非水電解液を0.9cm3注液し、80kPaの減圧処理を20秒行い、2回目は40℃に加温した非水電解液を0.7cm3注液し、60kPaの減圧処理を30秒行い、3回目は40℃に加温した非水電解液を0.5cm3注液し、40kPaの減圧処理を30秒行った後、外観目視検査で注液した非水電解液が完全に極板群に含浸するまでの時間を各10個ずつ測定し、その平均時間と標準偏差を表1に示す。
【0058】
(実施例5)
2.1cm3が所定量の非水電解液を2回に分けて次のようにして注液した以外は、実施例1と同様にして角型のリチウム二次電池を作製した。
【0059】
注液の1回目は、40℃に加温した非水電解液を1.1cm3注液し、100kPaの減圧処理を40秒行い、2回目は40℃に加温した非水電解液を1.0cm3注液し、100kPaの減圧処理を40秒行った後、外観目視検査で注液した非水電解液が完全に極板群に含浸するまでの時間を各10個ずつ測定し、その平均時間と標準偏差を表1に示す。
【0060】
(実施例6)
2.1cm3が所定量の非水電解液を2回に分けて次のようにして注液した以外は、実施例1と同様にして角型のリチウム二次電池を作製した。
【0061】
注液の1回目は、40℃に加温した非水電解液を1.1cm3注液し、30kPaの減圧処理を40秒行い、2回目は40℃に加温した非水電解液を1.0cm3注液し、30kPaの減圧処理を40秒行った後、外観目視検査で注液した非水電解液が完全に極板群に含浸するまでの時間を各10個ずつ測定し、その平均時間と標準偏差を表1に示す。
【0062】
(比較例1)
2.1cm3が所定量の非水電解液を2回に分けて次のようにして注液した以外は、実施例1と同様にして角型のリチウム二次電池を作製した。
【0063】
注液の1回目は、25℃の常温の非水電解液を1.1cm3注液し、60kPaの減圧処理を40秒行い、2回目は25℃の常温の非水電解液を1.0cm3注液し、60kPaの減圧処理を40秒行った後、外観目視検査で注液した非水電解液が完全に極板群に含浸するまでの時間を各10個ずつ測定し、その平均時間と標準偏差を表1に示す。
【0064】
(比較例2)
2.1cm3が所定量の非水電解液を1回で注液した以外は、実施例1と同様にして角型のリチウム二次電池を作製した。
【0065】
注液は、40℃に加温した非水電解液を2.1cm3注液し、60kPaの減圧処理を90秒行った後、外観目視検査で注液した非水電解液が完全に極板群に含浸するまでの時間を各10個ずつ測定し、その平均時間と標準偏差を表1に示す。
【0066】
このようにして得られた実施例1〜実施例6及び比較例1〜比較例2の電池、各10個ずつを用いて充放電サイクル試験を行った結果を表1に示す。
【0067】
充放電サイクル試験は、20℃の環境下において、3.0Vの終止電圧まで1000mA(1.0ItA)の定電流で残存放電した後、電池電圧が4.2Vに達するまでは700mA(0.7ItA)の定電流充電を行った後、3.0Vの終止電圧まで1000mA(1.0ItA)の定電流で3.0Vの放電終止電圧まで放電するサイクルを500サイクル繰り返したときの容量を測定し、3サイクル目を100%としたときの500サイクル目の容量維持率を算出し、その平均値と標準偏差を求めた。
【0068】
表1から明らかなように、比較例2の常圧状態と減圧状態を1回のみで注液した場合、減圧状態にしたときに気泡と一緒に電解液が電池缶外へ液溢れする現象が認められたが、分割注液した各実施例の場合、液溢れは認められなかった。
【0069】
また、比較例1、実施例1、実施例2の比較から、加温しながら減圧状態にすることにより、電解液の粘度を下げると共に極板群の細孔内の空気と電解液との置換性を向上させることができ、注液後の含浸時間を短くできることがわかった。
【0070】
そして、実施例1、実施例3、実施例5、実施例6の比較から、減圧状態の圧力値を下げることにより、極板群の細孔内の空気と電解液との置換性を向上させることができ注液後の含浸時間を短くできることがわかったが、減圧状態の圧力値を40kPa未満にしても、含浸時間はほとんど短くすることができないことがわかった。
【0071】
さらに、前回の減圧状態より圧力値を下げることにより、注液後の含浸時間を短くでき、より好ましいことがわかった。
【0072】
充放電サイクルから、注液後の含浸時間が長い場合、極板群の細孔内の空気と電解液との置換が均一に行われない為、容量維持率のばらつきが大きくなったと考えられる。
【0073】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の非水電解液電池の製造方法によれば、極板群の細孔の空気と非水電解液との置換を効率良く、短時間で可能にし、充放電サイクル特性に優れた非水電解液電池の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非水電解液電池の縦断面図
【符号の説明】
11 電池缶
12 封口板
13 正極集電体
14 正極板
15 セパレータ
16 負極板
17 負極集電体
18 注液栓

Claims (1)

  1. 正極板と負極板とがセパレータを介して絶縁された状態の極板群を電池缶内に収納した後、電解液を注液してなる電池の製造方法において、前記極板群を収納した電池缶と電解液とを40℃に加温した状態で、常圧状態と圧力が40kPa〜80kPaの減圧状態とのサイクルを少なくとも2回繰り返し、前記減圧状態はサイクル毎に前回の減圧状態の圧力値以下として、電解液を分割注液することを特徴とする非水電解液電池の製造方法。
JP2003028037A 2003-02-05 2003-02-05 非水電解液電池の製造方法 Expired - Fee Related JP4561034B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003028037A JP4561034B2 (ja) 2003-02-05 2003-02-05 非水電解液電池の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003028037A JP4561034B2 (ja) 2003-02-05 2003-02-05 非水電解液電池の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004241222A JP2004241222A (ja) 2004-08-26
JP4561034B2 true JP4561034B2 (ja) 2010-10-13

Family

ID=32955605

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003028037A Expired - Fee Related JP4561034B2 (ja) 2003-02-05 2003-02-05 非水電解液電池の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4561034B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5251713B2 (ja) * 2009-05-07 2013-07-31 トヨタ自動車株式会社 二次電池の製造方法
JP5550988B2 (ja) * 2009-05-25 2014-07-16 住友化学株式会社 ナトリウム二次電池の製造方法およびナトリウム二次電池
KR101395438B1 (ko) * 2011-12-05 2014-05-14 닛산 지도우샤 가부시키가이샤 필름 외장 전기 디바이스의 제조 방법 및 제조 장치
KR101531645B1 (ko) * 2012-11-12 2015-06-25 주식회사 엘지화학 이차전지의 제조방법
WO2016167116A1 (ja) 2015-04-16 2016-10-20 Necエナジーデバイス株式会社 二次電池の製造方法および製造装置
KR20210136716A (ko) 2020-05-08 2021-11-17 주식회사 엘지에너지솔루션 전해액 비산방지 구조를 포함하는 이차전지용 전해액 주입장치
WO2022186083A1 (ja) * 2021-03-01 2022-09-09 株式会社村田製作所 非水電解質二次電池

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10233203A (ja) * 1997-02-17 1998-09-02 Fuji Photo Film Co Ltd 電池の電解液供給方法および装置
JPH10284121A (ja) * 1997-04-08 1998-10-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解液二次電池の製造法
JP2001110401A (ja) * 1999-10-12 2001-04-20 Sony Corp 液体注入方法および液体注入装置
JP2001196050A (ja) * 1999-10-29 2001-07-19 Nec Mobile Energy Kk 容器内への液体の注液装置および注液方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10233203A (ja) * 1997-02-17 1998-09-02 Fuji Photo Film Co Ltd 電池の電解液供給方法および装置
JPH10284121A (ja) * 1997-04-08 1998-10-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解液二次電池の製造法
JP2001110401A (ja) * 1999-10-12 2001-04-20 Sony Corp 液体注入方法および液体注入装置
JP2001196050A (ja) * 1999-10-29 2001-07-19 Nec Mobile Energy Kk 容器内への液体の注液装置および注液方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004241222A (ja) 2004-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3429014B1 (en) Lithium secondary battery having lithium metal formed on cathode and manufacturing method therefor
KR100390099B1 (ko) 비수전해질 및 비수전해질 이차전지
JP2006294282A (ja) リチウムイオン二次電池の製造方法
JP5625328B2 (ja) 非水電解質二次電池用集電体およびこれを用いた負極
JP2015037008A (ja) 非水電解質二次電池用の電極活物質層とその製造方法
KR20170111745A (ko) 비수성 전해액, 이를 포함하는 리튬 이차전지 및 이의 제조방법
EP3404763A1 (en) Electricity storage element
JP4867213B2 (ja) 非水電解液二次電池の製造方法
JP2016004657A (ja) 正極、正極の製造方法、及び非水電解質二次電池
JP4746272B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP4026351B2 (ja) 負極集電体およびこの集電体を用いた負極板と非水電解液二次電池
JP2013114847A (ja) リチウムイオン二次電池とその製造方法
JP2007141482A (ja) 非水電解質捲回型二次電池
JP4561034B2 (ja) 非水電解液電池の製造方法
KR102261176B1 (ko) 이차전지의 제조방법
JP5296971B2 (ja) 二次電池用負極の製造方法
JP4151459B2 (ja) 極板の製造方法およびこの製造方法によって得られる極板を用いた非水電解液二次電池
JP2007242348A (ja) リチウムイオン二次電池
JP2000340263A (ja) 非水電解質二次電池
JP2004030939A (ja) リチウム二次電池の製造方法
JP4240960B2 (ja) リチウム二次電池及びその製造方法
JP6613952B2 (ja) 正極活物質、及びそれを用いた正極ならびにリチウムイオン二次電池
JP2005310617A (ja) 非水電解液二次電池およびその製造方法
JP2009238433A (ja) リチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池
CN114600272B (zh) 用于负极的预锂化的设备和用于负极的预锂化的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060124

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20060214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081031

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090804

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091005

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20091119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100706

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100719

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130806

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130806

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees