JP6619799B2 - ホイールローダ - Google Patents

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Description

本発明は、ホイールローダに関する。
ホイールローダでは、掘削作業と、掘削したものをダンプトラックのベッセルなどに積込む積込作業とを繰り返すことが多い。特に、大型のホイールローダの場合、Vシェイプ運転と呼ばれる作業を長時間にわたって繰り返すことが多く、オペレータの負担が大きい。そこで、オペレータの負担軽減のために、ブーム及びバケットの動作を一部自動化して、前記ベッセル等への積込作業を補助するモードが搭載されたホイールローダがある(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1のホイールローダでは、ブーム操作レバーに対して所定の操作が行われた場合に、バケットの積込操作を自動的に開始している。これにより、オペレータは、ブームレバーを操作するだけで、バケットで積込むことができる。
特開2009−197425号公報
ところで、ホイールローダは、掘削作業を行う場合は、ブーム先端を下げてバケットを地面に近い位置に配置して作業する。一方、積込作業を行う場合は、ブーム先端を運搬作業車又はダンプトラックのベッセルよりも高い位置に上げて作業する。このため、掘削作業および積込作業を繰り返す場合に作業を効率化するには、ホイールローダを移動しながら、作業機を移動させる必要がある。
したがって、オペレータは、例えば、アクセル操作(右足)、ブレーキ操作(左足)、ステアリング操作(左手)を行ってホイールローダを移動させながら、作業機を右手で操作するといった複雑な操作を行う必要があり、特に経験の浅いオペレータにとっては、操作の負荷が大きく、効率的な操作が難しいという問題がある。
本発明の目的の一つは、掘削した土砂等を運搬して積込む作業を容易に行うことができるホイールローダを提供することにある。
本発明のホイールローダは、ブームと、前記ブームに取り付けられたバケットとを備えた作業機を有するホイールローダであって、ホイールローダの作業状態を検出する作業状態検出手段と、前記作業状態検出手段で検出される前記作業状態に応じて、前記作業機の目標位置および前記ホイールローダの移動距離との関係を設定する目標設定手段と、前記ホイールローダの移動距離を検出する移動距離検出手段と、前記移動距離検出手段で検出された移動距離に応じて求められた作業機の目標位置に前記ブームおよび前記バケットを移動させる作業機制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、積荷後進作業、積荷前進作業、空荷後進作業等の所定の作業状態においては、ホイールローダが移動すると、作業状態および移動距離に応じた作業機の目標位置が目標設定手段で設定され、作業機制御手段はこの目標位置にブームおよびバケットを移動する。このため、オペレータは、主にステアリング、アクセル、ブレーキ操作を行えば良く、ブームレバーやバケットレバー等の作業機の操作を、ステアリングやアクセル操作と同時に行う必要が無い。したがって、経験の浅いオペレータであってもホイールローダを容易に操作することができる。
また、ホイールローダの移動中に、作業機が適切な位置に自動的に移動するため、ホイールローダの移動後に作業機を移動する場合に比べて、作業効率を向上でき、省燃費運転も実現できる。
本発明のホイールローダにおいて、前記作業状態検出手段は、前記バケットに荷が積込まれているか否かを判別する積荷判別手段と、前記ホイールローダの前進および後進を判別する前後進判別手段とを備え、前記積荷判別手段で積荷状態であると判別し、かつ、前記前後進判別手段で後進であると判別した場合に、前記作業状態は積荷後進状態であると検出し、前記目標設定手段は、前記積荷後進状態に応じて、前記作業機の目標位置および前記ホイールローダの移動距離との関係を設定し、前記作業機制御手段は、前記作業状態が前記積荷後進状態である場合に、前記移動距離検出手段で検出された移動距離に応じて求められた前記作業機の目標位置に前記ブームおよび前記バケットを移動させることが好ましい。
本発明のホイールローダにおいて、前記作業状態検出手段は、前記バケットに荷が積込まれているか否かを判別する積荷判別手段と、前記ホイールローダの前進および後進を判別する前後進判別手段とを備え、前記積荷判別手段で積荷状態であると判別し、かつ、前記前後進判別手段で前進であると判別した場合に、前記作業状態は積荷前進状態であると検出し、前記目標設定手段は、前記積荷前進状態に応じて、前記作業機の目標位置および前記ホイールローダの移動距離との関係を設定し、前記作業機制御手段は、前記作業状態が前記積荷前進状態である場合に、前記移動距離検出手段で検出された移動距離に応じて求められた前記作業機の目標位置に前記ブームおよび前記バケットを移動させることが好ましい。
本発明のホイールローダにおいて、前記作業状態検出手段は、前記バケットに荷が積込まれているか否かを判別する積荷判別手段と、前記ホイールローダの前進および後進を判別する前後進判別手段とを備え、前記積荷判別手段で空荷状態であると判別し、かつ、前記前後進判別手段で後進であると判別した場合に、前記作業状態は空荷後進状態であると検出し、前記目標設定手段は、前記空荷後進状態に応じて、前記作業機の目標位置および前記ホイールローダの移動距離との関係を設定し、前記作業機制御手段は、前記作業状態が前記空荷後進状態である場合に、前記移動距離検出手段で検出された移動距離に応じて求められた前記作業機の目標位置に前記ブームおよび前記バケットを移動させることが好ましい。
本発明のホイールローダにおいて、前記目標設定手段は、前記積荷後進状態に応じた前記ブームの目標位置として、前記積荷後進状態の移動開始時のブーム角度から、前記ホイールローダが距離L1を移動した際に前記ブームが水平となるブーム角度まで、移動距離に比例してブーム角度を設定し、前記積荷後進状態に応じた前記バケットの目標位置として、前記ブーム角度に連動して前記バケットをチルト位置に維持するバケットシリンダ長を設定することが好ましい。
本発明のホイールローダにおいて、前記目標設定手段は、前記積荷前進状態での目標移動距離である距離L2と、前記距離L2未満の第1中間距離と、前記第1中間距離以上、かつ、前記距離L2未満の第2中間距離とを設定し、移動距離が前記第1中間距離未満の場合は、前記積荷前進状態に応じた前記ブームの目標位置として、前記ブームが水平となるブーム角度を設定し、前記積荷前進状態に応じた前記バケットの目標位置として、前記バケットをチルト位置に維持するバケットシリンダ長を設定し、移動距離が前記第1中間距離以上、かつ、前記第2中間距離未満の場合は、前記積荷前進状態に応じた前記ブームの目標位置として、前記第1中間距離移動した時点のブーム角度から、前記第2中間距離移動した時点で予め設定された上げポジショナ位置となるブーム角度まで、移動距離に比例してブーム角度を設定し、前記積荷前進状態に応じた前記バケットの目標位置として、前記ブーム角度に連動して前記バケットをチルト位置に維持するバケットシリンダ長を設定し、移動距離が前記第2中間距離以上、かつ、前記距離L2以下の場合は、前記積荷前進状態に応じた前記ブームの目標位置として、前記上げポジショナ位置のブーム角度を設定し、前記積荷前進状態に応じた前記バケットの目標位置として、前記バケットをチルト位置に維持するバケットシリンダ長を設定することが好ましい。
本発明のホイールローダにおいて、前記目標設定手段は、前記空荷後進状態での目標移動距離である距離L2と、前記距離L2未満の第3中間距離と、前記第3中間距離以上、かつ、前記距離L2未満の第4中間距離とを設定し、移動距離が前記第3中間距離未満の場合は、前記空荷後進状態に応じた前記ブームの目標位置として、前記ブームが予め設定された上げポジショナ位置となるブーム角度を設定し、前記空荷後進状態に応じた前記バケットの目標位置として、前記空荷後進状態の移動開始時のバケットシリンダ長から、前記ホイールローダが前記第3中間距離移動した時点で前記バケットが予め設定された初期位置となるバケットシリンダ長まで、移動距離に比例してバケットシリンダ長を設定し、移動距離が前記第3中間距離以上、かつ、前記第4中間距離未満の場合は、前記空荷後進状態に応じた前記ブームの目標位置として、前記第3中間距離移動した時点のブーム角度から、前記第4中間距離移動した時点の前記ブームが水平となるブーム角度まで、移動距離に比例してブーム角度を設定し、前記空荷後進状態に応じた前記バケットの目標位置として、前記バケットを予め設定された初期位置に維持するバケットシリンダ長を設定し、移動距離が前記第4中間距離以上、かつ、前記距離L2以下の場合は、前記空荷後進状態に応じた前記ブームの目標位置として、前記第4中間距離移動した時点のブーム角度から、前記第距離L2移動した時点の前記ブームが予め設定された下げポジショナ位置となるブーム角度まで、移動距離に比例してブーム角度を設定し、前記空荷後進状態に応じた前記バケットの目標位置として、前記バケットを予め設定された初期位置に維持するバケットシリンダ長を設定することが好ましい。
本発明のホイールローダにおいて、前記ブームの現在位置を検出するブーム位置検出手段と、前記バケットの現在位置を検出するバケット位置検出手段とを備え、前記目標設定手段は、前記移動距離検出手段で検出された現在の移動距離に応じて前記ブームおよび前記バケットの現在の目標位置を算出し、前記作業機制御手段は、前記ブームの現在の目標位置と前記ブーム位置検出手段で検出された現在位置との偏差量と、前記バケットの現在の目標位置と前記バケット位置検出手段で検出された現在位置との偏差量とを算出し、前記偏差量に基づいて前記ブームおよび前記バケットを移動させることが好ましい。
本発明のホイールローダにおいて、前記ブームを操作するブームレバーと、前記バケットを操作するバケットレバーとを備え、前記作業機制御手段は、前記ブームレバーおよびバケットレバーの手動操作による操作量を加算して前記作業機を移動させることが好ましい。
本発明のホイールローダにおいて、前記ブームを操作するブームレバーと、前記バケットを操作するバケットレバーとを備え、前記作業機制御手段は、前記ブームレバーおよびバケットレバーの手動操作による操作量が加算された場合は、前記作業機が目標位置に移動した移動距離を記憶し、前記目標設定手段は、前記作業機の位置および前記ホイールローダの移動距離との関係における前記ホイールローダの移動距離を、前記作業機が目標位置に移動したときに記憶した移動距離で補正することが好ましい。
本発明のホイールローダは、ブームと、前記ブームに取り付けられたバケットとを備えた作業機を有するホイールローダであって、前記ブームを操作するブームレバーと、前記バケットを操作するバケットレバーと、前記ホイールローダの作業状態を検出する作業状態検出手段と、前記作業状態検出手段で検出される前記作業状態に応じて、前記作業機の目標位置および前記ホイールローダの移動距離との関係を設定する目標設定手段と、前記ホイールローダの移動距離を検出する移動距離検出手段と、前記移動距離検出手段で検出された移動距離に応じて求められた前記作業機の目標位置に前記ブームおよび前記バケットを移動させる作業機制御手段とを備え、前記目標設定手段は、前記ブームレバーおよびバケットレバーの手動操作があった場合に、前記作業機の手動操作前の現在位置と目標位置との偏差を求め、前記作業機の手動操作後の現在位置に前記偏差を加算した新たな目標位置を設定し、この新たな目標位置を用いて前記作業機の目標位置と前記ホイールローダの移動距離との新たな関係を設定することを特徴とする。
本発明によれば、積荷後進作業、積荷前進作業、空荷後進作業等の所定の作業状態においては、ホイールローダが移動すると、作業状態および移動距離に応じた作業機の目標位置が目標設定手段で設定され、作業機制御手段はこの目標位置にブームおよびバケットを移動する。ホイールローダの移動中に、作業機が適切な位置に自動的に移動するため、ホイールローダの移動後に作業機を移動する場合に比べて、作業効率を向上でき、省燃費運転も実現できる。
さらに、オペレータが作業機を手動で操作した場合には、手動操作後の作業機の位置に基づいて、作業機の目標位置とホイールローダの移動距離との新たな関係を目標設定手段が設定する。このため、作業機制御手段は、新たな関係に基づいて作業機を移動させることができ、オペレータの操作を反映した自動制御を行うことができる。
この際、手動操作前の作業機の現在位置と目標位置との偏差を求め、手動操作後の作業機の現在位置に前記偏差を加算して新たな目標位置を設定しているので、作業機を作動させる際の制御目標に対する実際の移動の遅れ分を考慮した目標位置を設定できる。このため、手動操作後の現在位置から最終目標位置まで最も移動距離が短い効率的な制御を行うことができる。
本発明の第1実施形態にかかるホイールローダを示す側面図。 第1実施形態における作業機の駆動機構を模式的に示す説明図。 作業機コントローラの構成を示すブロック図。 第1実施形態のホイールローダのVシェイプ作業を模式的に説明する説明図。 第1実施形態のVシェイプ作業の作業工程を模式的に説明する説明図。 第1実施形態のVシェイプ作業の作業機制御処理を示すフローチャート。 第1実施形態の積荷後進状態での移動距離と作業機の目標位置との関係を示すグラフ。 第1実施形態の積荷前進状態での移動距離と作業機の目標位置との関係を示すグラフ。 第1実施形態の空荷後進状態での移動距離と作業機の目標位置との関係を示すグラフ。 第1実施形態の積荷後進状態での作業機制御処理を示すフローチャート。 第1実施形態の積荷前進状態での作業機制御処理を示すフローチャート。 第1実施形態の空荷後進状態での作業機制御処理を示すフローチャート。 第1実施形態の空荷後進状態での作業機制御処理を示すフローチャート。 第1実施形態のブーム偏差角と目標流量との関係を示すグラフ。 第1実施形態のバケット偏差長と目標流量との関係を示すグラフ。 本発明の第2実施形態における作業機の駆動機構を模式的に示す説明図。 第2実施形態のVシェイプ作業を模式的に説明する説明図。 第2実施形態のVシェイプ作業の作業機制御処理を示すフローチャート。 第2実施形態の積荷後進状態での移動距離とブーム角度の目標位置との関係を示すグラフ。 第2実施形態の積荷後進状態での移動距離とバケットシリンダ長の目標位置との関係を示すグラフ。 第2実施形態の積荷前進状態での移動距離とブーム角度の目標位置との関係を示すグラフ。 第2実施形態の積荷前進状態での移動距離とバケットシリンダ長の目標位置との関係を示すグラフ。 第2実施形態の空荷後進状態での移動距離とブーム角度の目標位置との関係を示すグラフ。 第2実施形態の空荷後進状態での移動距離とバケットシリンダ長の目標位置との関係を示すグラフ。 第2実施形態の積荷後進状態での作業機制御処理を示すフローチャート。 第2実施形態の積荷前進状態での作業機制御処理を示すフローチャート。 第2実施形態の積荷前進状態での作業機制御処理を示すフローチャート。 第2実施形態の空荷後進状態での作業機制御処理を示すフローチャート。 第2実施形態の空荷後進状態での作業機制御処理を示すフローチャート。 第2実施形態の手動操作後の目標位置と移動距離との新たな関係の設定方法を説明する図。 第2実施形態のブーム偏差角と目標流量との関係を示すグラフ。 第2実施形態のバケット偏差長と目標流量との関係を示すグラフ。
[第1実施形態]
[ホイールローダの全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係るホイールローダ1を示す側面図である。ホイールローダ1は、鉱山等で使用される大型のホイールローダ1である。
ホイールローダ1は、前部車体2Aと後部車体2Bとで構成される車体2を備えている。前部車体2Aの前方(図1中の左方)には、掘削・積込用のバケット31、ブーム32、ベルクランク33、連結リンク34、バケットシリンダ35、ブームシリンダ36等で構成される油圧式の作業機3が取り付けられている。
後部車体2Bは、厚板の金属板等で構成された後部車体フレーム5を有している。後部車体フレーム5の前側には、オペレータが乗り込む箱状のキャブ6が設けられ、後部車体フレーム5の後側には、図示しないエンジンや、エンジンによって駆動される油圧ポンプ等が搭載されている。
[作業機の駆動機構]
図2は、作業機3の駆動機構を模式的に示す説明図である。ホイールローダ1は、作業機コントローラ10と、エンジン11と、Power Take Off(PTO:動力取出装置)12とを備えている。PTO12は、エンジン11の出力を、車輪(タイヤ)7を駆動する走行系と、作業機3を駆動する油圧装置系に分配する。
[走行系の構成]
走行系は、ホイールローダ1を走行させるための機構(走行装置)であり、トルクコンバータ(T/C)15や、図示しないトランスミッション、アクスル等を備えている。エンジン11から出力された動力は、PTO12、トルクコンバータ15、トランスミッション及びアクスルを介して、車輪7に伝達される。
[油圧装置系の構成]
油圧装置系は、主に作業機3(例えばブーム32やバケット31)を駆動するための機構である。油圧装置系は、PTO12で駆動される作業機用の油圧ポンプ21と、油圧ポンプ21の吐出回路に設けられた油圧パイロット式のバケット操作弁22およびブーム操作弁23と、バケット操作弁22の各パイロット受圧部に接続されたバケット用の電磁比例制御弁24,25と、ブーム操作弁23の各パイロット受圧部に接続されたブーム用の電磁比例制御弁26,27と、を備えている。
電磁比例制御弁24〜27は、図示略のパイロットポンプに接続され、作業機コントローラ10からの制御信号に応じて、パイロットポンプから前記各パイロット受圧部への作動油の供給を制御する。
具体的には、電磁比例制御弁24は、バケットシリンダ35を縮めて、バケット31が積込位置に移動するようにバケット操作弁22を切り換える。また、電磁比例制御弁25は、バケットシリンダ35を伸ばして、バケット31がチルト位置に移動するようにバケット操作弁22を切り換える。
電磁比例制御弁26は、ブームシリンダ36を縮めて、ブーム32が下がるようにブーム操作弁23を切り換える。また、電磁比例制御弁27は、ブームシリンダ36を伸ばして、ブーム32が上がるようにブーム操作弁23を切り換える。
[作業機コントローラに接続される機器]
作業機コントローラ10には、図3にも示すように、キャブ6に設けられたブームレバー41およびバケットレバー42と、キャブ6に設けられたモニタ43に設けられたセミオートモード選択手段431およびアプローチ長設定手段432と、ブーム角度センサ44と、バケット角度センサ45と、ブームボトム圧センサ46と、エンジンコントローラ47と、トランスミッションコントローラ48とが接続されている。
ブームレバー41は、レバー角度を検出するレバー角度センサを内蔵する。オペレータがブームレバー41を操作すると、前記レバー角度センサは、操作量に応じたレバー角度を検出し、ブームレバー信号として作業機コントローラ10に出力する。
バケットレバー42は、レバー角度を検出するレバー角度センサを内蔵する。オペレータがバケットレバー42を操作すると、前記レバー角度センサは、操作量に応じたレバー角度を検出し、バケットレバー信号として作業機コントローラ10に出力する。
セミオートモード選択手段431は、モニタ43にモード選択ボタンを表示し、オペレータの操作によってセミオート積込みモードが選択された場合は、セミオートモード選択信号としてON信号を出力し、セミオート積込みモードが選択されなかった場合は、セミオートモード選択信号としてOFF信号を出力する。
アプローチ長設定手段432は、図4に示すように、Vシェイプ作業時において、土砂等の掘削が完了してバケット31に土砂等の荷が積まれた状態で後進する際の移動距離L1と、移動距離L1だけ後進して停止した後、ダンプトラック60に向かって移動する際の移動距離L2とを設定する。図4において、Lはホイールローダ1の全長である。また、L1,L2は、ホイールローダ1の車両全長Lに対する割合で設定され、デフォルト値はL1=1(車両全長と同じ長さ)、L2=0.8(車両全長の80%の長さ)である。アプローチ長設定手段432は、モニタ43にアプローチ長L1,L2の初期値である「1」、「0.8」を表示し、オペレータがこれらの数値を変更すると、入力された値を設定値として記憶し、作業機コントローラ10に出力する。
ブーム角度センサ44は、例えば、図2で示すブーム32の車体2に対する取付部(支持軸)に設けられたロータリーエンコーダーなどで構成され、ブーム32の中心線と水平線との間のブーム角度を検出し、検出信号を出力する。したがって、ブーム角度センサ44によってブーム位置検出手段が構成される。ここで、ブーム32の中心線とは、図2のY−Y線であり、ブーム32の車体2に対する取付部(支持軸の中心)とバケット31の取付部(バケット支持軸の中心)とを結ぶ線である。したがって、図2のY−Y線が水平線に沿っている場合、ブーム角度センサ44はブーム角度0度を出力する。また、ブーム角度0度の状態から、ブーム32の先端が上げられるとブーム角度センサ44はプラスの値を出力し、ブーム32の先端が下げられるとマイナスの値を出力する。
バケット角度センサ45は、例えば、ベルクランク33の回転軸に設けられたロータリーエンコーダーなどで構成され、バケット31を接地した状態でバケット31の刃先が地上において水平となる位置であれば0度を出力し、バケット31をチルト側(上向き)に移動するとプラスの値を出力し、バケット31を積込側(下向き)に移動するとマイナスの値を出力する。したがって、バケット角度センサ45によってバケット位置検出手段が構成される。
ブームボトム圧センサ46は、ブームシリンダ36のボトム側の圧力を検出する。ブームボトム圧は、バケット31に荷が積まれた場合に高くなり、空荷の場合に低くなる。
エンジンコントローラ47は、Controller Area Network(CAN)を介して作業機コントローラ10と通信し、エンジン11の回転数等のエンジン稼働情報を作業機コントローラ10に出力する。
トランスミッションコントローラ48は、CANを介して作業機コントローラ10と通信し、FRレバー49によるホイールローダ1の前後進の選択状態および速度段を示すFR情報と、車速センサ50から出力される車速情報とを作業機コントローラ10に出力する。なお、車速センサ50は、タイヤ7の駆動軸の回転数等から車速を検出するセンサであり、車速センサ50で検出した車速情報はトランスミッションコントローラ48を介して作業機コントローラ10に出力される。
[作業機コントローラの構成]
作業機コントローラ10は、作業状態検出手段110と、目標設定手段120と、移動距離検出手段130と、作業機制御手段140と、記憶手段150とを備えている。
作業状態検出手段110は、積荷判別手段111と、前後進判別手段112とを備える。積荷判別手段111は、前記ブームボトム圧センサ46の出力値に基づいて、バケット31内に荷が積まれているか否かを判別する。
前後進判別手段112は、前記FRレバー49の操作に応じてトランスミッションコントローラ48から出力されるFR情報に基づいて、ホイールローダ1が前進状態であるか後進状態であるかを判別する。
[作業状態検出手段]
作業状態検出手段110は、積荷判別手段111の判別結果および前後進判別手段112の判別結果から作業状態を検出する。本実施形態では、作業状態検出手段110は、少なくとも、掘削作業が完了してホイールローダ1を後進させた状態である積荷後進状態と、積荷をダンプトラック60等に運ぶために積荷状態でホイールローダ1を前進させる積荷前進状態と、積荷をダンプトラック60等に積込んだ後にホイールローダ1を後進させる空荷後進状態とを検出する。
[目標設定手段]
目標設定手段120は、作業状態検出手段110で検出した作業状態に応じて、ホイールローダ1の移動距離と、作業機3の目標位置との関係を設定する。本実施形態では、後述するように、現在の移動距離を代入することで、作業機3の目標位置、具体的にはブーム32のブーム角度と、バケット31のバケットシリンダ長とを算出する数式で前記関係を設定しているが、移動距離と目標位置との関係をテーブル構造で記憶してもよい。
[移動距離検出手段]
移動距離検出手段130は、車速センサ50で検出される車速情報をトランスミッションコントローラ48から受信し、ホイールローダ1の現在の移動距離を算出する。
[作業機制御手段]
作業機制御手段140は、入力される各種情報に基づいて、電磁比例制御弁24〜27に対する制御信号を出力し、バケット31やブーム32を作動する。
また、作業機コントローラ10は、モニタ43に対してインジケータ指令やブザー指令を出力する。モニタ43は、インジケータ指令を受信すると、モニタ43に設けられたインジケータ435の表示を制御してオペレータに情報を通知する。
また、モニタ43は、警告音を鳴らすブザー436を備え、ブザー指令を受信すると、前記ブザー436によって警告音を鳴らしてオペレータに警告する。
記憶手段150は、作業機コントローラ10に入力される各種データなどが記憶されるとともに、作業機3の制御に必要な各種パラメータなどが記憶される。
[Vシェイプ作業工程]
次に、ホイールローダ1によるVシェイプ作業について、図4,5を参照して説明する。Vシェイプ作業は、以下に説明するような複数の作業工程によって行われる。
[1.空荷停止→掘削]
バケット31に土砂等の荷が積まれていない空荷状態で、図4に示すように、ホイールローダ1の前輪のタイヤ7の前端がA点にある状態を空荷停止状態(スタート位置)とする。
次に、図5(A)に示すように、オペレータは、空荷状態のホイールローダ1を運転して盛土等に向かって前進させる。この際、オペレータは、タイヤ7の前端が図4のB点となる位置まで、つまり距離L1だけホイールローダ1を前進させることが好ましい。
すると、図5(B)に示すように、バケット31によって盛土が掘削され、バケット31内に土砂が積込まれる。
[2.掘削完了→積荷後進]
図5(C)に示すように、掘削作業の完了後、オペレータは、バケット31に土砂等の荷が積まれた積荷状態のホイールローダ1を、空荷停止位置(図4のA点の位置)まで後進させる。つまり、ホイールローダ1を距離L1だけ後進させる。
[3.積荷後進→積荷前進]
空荷停止位置に停止後、オペレータは、図5(D)に示すように、積荷状態のホイールローダ1をダンプトラック60に向かって前進させる。図4に示すように、停止位置にあるホイールローダ1の盛土に対する方向と、ダンプトラック60に向かう方向との角度差θは、通常45〜60度程度の範囲である。また、ダンプトラック60までの移動距離は前述のL2に設定される。オペレータは、ステアリングを操作して向きを変えて、ホイールローダ1を移動距離L2だけ前進させる。そして、オペレータは、ホイールローダ1がダンプトラック60の側方に到達すると、ブレーキ操作でホイールローダ1を停止させる。
[4.積荷停止→積込]
図5(E)に示すように、オペレータは、バケット31を積込位置に移動して、バケット31内の土砂をベッセル61に積込む積込作業を行う。
[5.空荷後進→空荷停止]
図5(F)に示すように、オペレータは、積込が完了すると、空荷状態のホイールローダ1を後進させる。オペレータは、後進とともにステアリング操作を行い、距離L2だけ後進させて空荷状態のホイールローダ1を停止する。この空荷状態での停止位置は、図5(G)に示すようにスタート位置(空荷停止位置)と同じである。
オペレータは、以上の工程を繰り返し、ホイールローダ1の移動軌跡が略V字状になるVシェイプ運転を繰り返すことができる。
[セミオート制御]
以上のようなVシェイプ作業において、図5(B)に示す掘削作業では、バケット31の移動をブーム32の移動に連動させる制御が導入されていた。すなわち、掘削作業時には、オペレータは、ブームレバー41およびバケットレバー42を操作する必要が無く、バケット31およびブーム32を移動させることができる。
掘削作業以外の作業は、従来、オペレータの手動操作で行われていた。これに対し、本実施形態では、セミオートモード選択手段431でセミオートモード選択信号がONに設定されると、作業機コントローラ10によって、掘削作業以外のホイールローダ1が移動する作業において作業機3を自動制御するように設定されている。本実施形態では、作業機3の自動制御時に、オペレータによるブームレバー41、バケットレバー42の手動操作を許容するセミオート制御がさらに設定されている。
具体的には、図5(C)積荷後進、(D)積荷前進、(F)空荷後進の各作業工程においてセミオート制御が行われる。
これらのセミオート制御時の作業機コントローラ10の処理について説明する。
作業機コントローラ10は、エンジンキーのオン操作などによって処理を開始すると、図6に示すように、まず、レバー操作指令(ブームレバー用の操作指令cmd_bm、バケットレバー用の操作指令cmd_bk)を「0」に初期化し、積荷前進制御および空荷後進制御において開始時距離を示す変数sLを「0」に初期化する(ステップS1)。
次に、作業機コントローラ10は、セミオートモード選択手段431から出力されるセミオートモード選択信号によって、セミオート積込みモードが「ON」であるか否かを判定する(ステップS2)。作業機コントローラ10は、セミオート積込みモードが「OFF」の場合、ステップS2で「NO」と判定する。そして、作業機コントローラ10はモニタ43にインジケータ指令を出力し、モニタ43にセミオート積込みモードが動作中のインジケータが表示されている場合にはインジケータを消去する(ステップS3)。作業機コントローラ10は、セミオート積込みモードが「ON」となるまで、ステップS1〜S3を繰り返す。
作業機コントローラ10は、セミオート積込みモードが「ON」の場合、ステップS2でYESと判定し、モニタ43にインジケータ指令を出力し、モニタ43にセミオート積込みモードが動作中であることを示すインジケータを表示する(ステップS4)。
[作業状態検出処理]
積荷判別手段111は、ブームボトム圧センサ46から出力されたブームボトム圧センサ信号によって、積荷状態であるか空荷状態であるかを判定する。前後進判別手段112は、トランスミッションコントローラ48から出力されたFR情報によって、前進状態であるか、後進状態であるかを判定する。作業状態検出手段110は、これらの情報から、ホイールローダ1が、積荷後進状態、積荷前進状態、空荷後進状態であるかを、それぞれ検出できる。
[積荷後進検出]
作業機コントローラ10の作業状態検出手段110は、積荷後進検出がOFFからONに変化したか否かを判定する(ステップS5)。作業機コントローラ10は、積荷後進検出がOFFからONに変化したことを検出した場合にステップS5で「YES」と判定する。この場合、作業ステージを示す変数STAGEを「2」に設定し、移動距離を示す変数Lを初期値「0」に設定し、作業機の開始位置を示す変数sp_bm(ブーム角度)、sp_bk(バケットシリンダ長)に現在位置の値を設定する(ステップS6)。ステップS6では、作業機コントローラ10は、sp_bmにブーム角度センサ44の検出値に基づいて現在のブーム角度を設定し、sp_bkにバケット角度センサ45の検出値に基づいて現在のバケットシリンダ長を設定する。
[積荷前進検出]
作業機コントローラ10の作業状態検出手段110は、ステップS5で「NO」と判定した場合、積荷前進検出がOFFからONに変化したことを検出したか否かを判定する(ステップS7)。作業機コントローラ10は、積荷前進検出がONに変化したことを検出してステップS7で「YES」と判定した場合、作業ステージを示す変数STAGEを「3」に設定し、移動距離を示す変数Lを初期値「0」に設定し、sp_bmに現在のブーム角度を設定し、sp_bkに現在のバケットシリンダ長を設定する(ステップS8)。
[空荷後進検出]
作業機コントローラ10の作業状態検出手段110は、ステップS7で「NO」と判定した場合、空荷後進検出がOFFからONに変化したことを検出したか否かを判定する(ステップS9)。作業機コントローラ10は、空荷後進検出がONに変化したことを検出してステップS9で「YES」と判定した場合、作業ステージを示す変数STAGEを「4」に設定し、移動距離を示す変数Lを初期値「0」に設定し、sp_bmに現在のブーム角度を設定し、sp_bkに現在のバケットシリンダ長を設定する(ステップS10)。
[終了条件判定]
作業機コントローラ10は、ステップS6、S8、S10で初期設定を行った後、あるいはステップS9でNOと判定された場合は、終了条件が成立したかを判定する(ステップS11)。
ここで、終了条件が成立したとは、以下の6条件のいずれかが成立した場合である。
終了条件1は、モニタ43のセミオートモード選択手段431の出力で、セミオートモードが無効とされている場合である。
終了条件2は、作業状態検出手段110において、空荷前進、掘削状態のいずれかを検出した場合である。ここで、空荷前進状態は、ブームボトム圧センサ信号およびFR情報で判別でき、掘削状態はブームボトム圧センサ信号、ブーム角度、バケットシリンダ長などで判別できる。
終了条件3は、レバー速度段がF3(前進3速)以上の場合である。ホイールローダ1がVシェイプ作業中は、レバー速度段はF2までしか選択されず、F3とされるのは、ホイールローダ1が作業を行っておらず、走行中であることを示すためである。
終了条件4は、作業機3がロック状態となっている場合である。ホイールローダ1には、走行中に作業機3が作動しないようにロックボタンが設けられており、オペレータによってロックボタンが操作された場合は、作業中ではなく、走行中であると判断できるためである。
終了条件5は、FMEA(Failure Mode and Effect Analysis)を参照し、センサや電磁比例制御弁(EPCバルブ)24〜27に、セミオートモードを終了させるべき故障がある場合である。
終了条件6は、エンジンコントローラ47から入力されるエンジン稼働状態で、エンジンが停止状態となっている場合である。
これらの終了条件1〜6のいずれかに該当する場合、作業機コントローラ10はステップS11でYESと判定する。この場合、作業機コントローラ10は、STAGEの値を、待機中を示す「1」に設定し、さらに終了条件2以外に該当した場合は、モニタ43にブザー指令を出力し、異常終了ブザーを鳴動する(ステップS13)。そして、作業機コントローラ10は、ステップS1の処理に戻り、処理を継続する。
[セミオート制御での設定情報]
作業機コントローラ10は、ステップS11で終了条件に該当せず、「NO」と判定された場合、作業ステージSTAGEの値を確認し、後述するように、STAGE=2であれば積荷後進制御を実行し、STAGE=3であれば積荷前進制御を実行し、STAGE=4であれば空荷後進制御を実行する(ステップS12)。
なお、これらの各制御では、各作業状態に応じて、ホイールローダ1の移動距離と、作業機3の目標位置との関係を設定している。具体的には、ホイールローダ1が予め設定した距離移動した時点での作業機3の目標位置を設定している。この作業機3の目標位置の例を表1、2に示し、これらの表1,2で設定される移動距離と目標位置との関係を図7〜9に示す。なお、これらの表1,2で設定されるパラメータは、作業機コントローラ10の記憶手段150に記憶されている。
表1において、ブーム角度の上げポジショナ位置、下げポジショナ位置は、オペレータが設定するブーム角度である。バケットシリンダ長のポジショナ位置は、ブーム32を下げてバケット31を接地させた際に、バケット角度が0度になる位置に設定される。
Figure 0006619799
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[積荷後進状態における移動距離と作業機の目標位置との関係]
積荷後進制御では、図7に示すように、ホイールローダ1が掘削完了時点から距離L1だけ後進する間に、作業機3を掘削完了時点の現在位置から積荷後進の目標位置TP1まで移動する。すなわち、ブーム角度は移動距離に比例して変化し、移動距離がL1になった時点で、表1に示すように、ブーム角度が0度(TP1)となるように設定されている。また、バケットシリンダ長は、ブーム角度が変化した際に、バケット31をリフト位置に維持してバケット31内の積荷がこぼれないように設定されている。
たとえば、表2の例では、ブーム角度が0度になった場合、バケット角度がβ2になるようにバケットシリンダ長が設定される。表2の例では、バケットシリンダ長は、ハイリフトのブーム32が装着されている場合はA2であり、スタンダードのブーム32が装着されている場合はB2である。
積荷後進制御では、オペレータは、ステアリングを切ることなく、ホイールローダ1を直線的に後進させるため、作業機3も移動距離に比例して移動し続けるように設定できる。
[積荷前進状態における移動距離と作業機の目標位置との関係]
積荷前進制御では、図8に示すように、ホイールローダ1が第1中間距離である距離K1×L2に移動するまで、作業機3をTP1の位置に維持し、距離K1×L2から第2中間距離である距離K2×L2に移動するまで、作業機3をTP1からTP2の位置まで移動距離に比例して移動する。
また、ホイールローダ1が距離K2×L2からL2に移動するまで、作業機3をTP2の位置に維持している。ここで、K1のデフォルト値は例えば0.5であり、K2は0.8であるが、これらの距離係数はオペレータなどが変更可能である。
また、TP2は、表1、2に示すように、ブーム角度が上げポジショナ位置となるように設定される。上げポジショナ位置は、ホイールローダ1が土砂等の積荷を積込むダンプトラック60のベッセル61の高さに合わせてオペレータが設定する。また、バケットシリンダ長はブーム角度が変化した際に、バケット31をリフト位置に維持してバケット31内の積荷がこぼれないように設定されている。
積荷前進制御では、距離K1×L2だけ移動するまでは、オペレータはホイールローダ1がダンプトラック60に向かう方向にステアリングを操作するため、作業機3の位置を維持することが望ましい。一方、距離K1×L2から距離K2×L2に移動するまでに作業機3を上げポジショナ位置まで移動し、距離K2×L2からL2に移動するまでは作業機3を上げポジショナ位置に維持することで、バケット31がベッセル61と干渉すること防止できる。
[空荷後進状態における移動距離と作業機の目標位置との関係]
空荷後進制御では、図9に示すように、ホイールローダ1が第3中間距離である距離K3×L2に移動するまで、作業機3をTP3の位置に維持し、距離K3×L2から第4中間距離である距離K4×L2に移動するまで、作業機3をTP3からTP4の位置まで移動距離に比例して移動する。
また、ホイールローダ1が距離K4×L2からL2に移動するまでは、作業機3をTP4からTP5の位置まで移動距離に比例して移動する。ここで、K3のデフォルト値は例えば0.2であり、K4は0.5であるが、これらの距離係数はオペレータなどが変更可能である。
TP3は、表1に示すように、ブーム角度は操作無しである。ここで、積荷前進終了時から積込完了時まではブーム角度は上げポジショナ位置に維持されているので、空荷後進制御時のTP3も同じ上げポジショナ位置となる。バケットシリンダ長は、バケット31がポジショナ位置つまりブーム32を下げてバケット31を接地させた際に、バケット角度が0度になる位置に設定される。
表1に示すように、TP4では、ブーム角度は0度であり、バケットシリンダ長はポジショナ位置である。TP5では、ブーム角度は下げポジショナ位置であり、バケットシリンダ長はポジショナ位置である。
積込後の空荷後進制御では、ホイールローダ1が距離K3×L2だけ移動するまでは、作業機3を上げポジショナ位置に維持し、バケット31をポジショナ位置にすることで、バケット31がベッセル61と干渉すること防止する。そして、ホイールローダ1が距離K3×L2から距離K4×L2に移動するまでにブーム32を水平位置まで移動し、距離K4×L2からL2に移動するまではブーム32を徐々に下げポジショナ位置に移動し、この間にオペレータがステアリングを操作してホイールローダ1を元の空荷停止位置に移動する。
次に、図6のS12において選択された各制御に関して、図10〜12のフローチャートも参照して説明する。
[STAGE=2:積荷後進制御]
積荷後進制御では、図10に示すように、作業機コントローラ10は、移動距離検出手段130で求めた移動距離Lが設定値L1未満であるか否かを判定する(ステップS21)。
[現在の移動距離算出]
作業機コントローラ10は、ステップS21で「YES」と判定すると、移動距離検出手段130によって現在の移動距離Lを算出する(ステップS22)。現在の移動距離Lは、∫(abs(V)*1000/3600*Δt)で求められる。Vは車速(km/h)であり、1000/3600を乗算することで秒速(m/s)に変換している。Δtは、作業機コントローラ10におけるプログラムの実行周期(sec)であり例えば0.01secである。
作業機コントローラ10は、ステップS21で「NO」と判定した場合は、すでに距離L1の移動が完了しているため、ステップS22での現在の移動距離Lの算出は行わない。
[ブーム目標位置算出]
作業機コントローラ10の目標設定手段120は、ステップS22の処理後、あるいはステップS21で「NO」と判定した場合は、ブーム目標位置を算出する(ステップS23)。ここで、積荷後進作業では、図7に示すように、移動距離に比例してブーム32の角度を制御する。このため、移動距離Lにおけるブーム目標位置tp_bm(t)は、L/L1*(TP1_bm-sp_bm)+sp_bmで求められる。TP1_bmは、目標位置TP1におけるブーム角度であり、sp_bmはステップS6で設定されたブーム32の開始位置である。すなわち、ブーム目標位置tp_bm(t)は、設定距離L1に対する移動距離Lの割合と、ブーム32の目標位置および開始位置の差とを乗算した値に、初期値である開始位置を加算して求められる。
[バケット目標位置算出]
作業機コントローラ10の目標設定手段120は、ステップS23の処理後、バケット目標位置を算出する(ステップS24)。バケット目標位置はブーム目標位置と同様の考え方で求められる。すなわち、積荷後進作業では、前述の通り、移動距離に比例してブーム32の角度が制御される。具体的には、前記表2に記載したように、ブーム角度に対応してバケット角度が設定され、バケット角度に対応してバケットシリンダ長も設定されている。したがって、バケット31を動かすバケットシリンダ35のシリンダ長もブーム32の角度に連動して制御される。
このため、移動距離Lにおけるバケット目標位置tp_bk(t)は、L/L1*(TP1_bk-sp_bk)+sp_bkで求められる。TP1_bkは、目標位置TP1におけるバケットシリンダ長であり、sp_bkはステップS6で設定されたバケット31の開始位置である。すなわち、バケット目標位置tp_bk(t)は、設定距離L1に対する移動距離Lの割合と、バケット31の目標位置および開始位置の差とを乗算した値に、初期値である開始位置を加算して求められる。したがって、目標設定手段120は、移動距離Lにおけるバケット目標位置tp_bk(t)として、積荷後進状態の移動開始時のバケットシリンダ長から、前記ホイールローダが距離L1を移動した際に前記バケットがチルト位置となるバケットシリンダ長まで、移動距離に比例したバケットシリンダ長を設定している。すなわち、目標設定手段120は、前記ブーム角度に連動して前記バケット31をチルト位置に維持するバケットシリンダ長を設定している。
[偏差量算出]
次に、作業機コントローラ10の作業機制御手段140は、ブーム角度センサ44で検出される実際のブーム角と、バケット角度センサ45の検出値に基づいて検出される実際のバケットシリンダ長と、目標位置との偏差量を算出する(ステップS25)。すなわち、ブーム目標偏差角Δbmは、ブーム目標位置tp_bm(t)−実ブーム角BmAngleで求められ、バケット目標偏差長Δbkは、バケット目標位置tp_bk(t)−実バケットシリンダ長BkLengthで求められる。
[ブームレバー操作指令算出]
作業機コントローラ10の作業機制御手段140は、ステップS25の処理後、ブームレバー操作指令cmd_bmを算出する(ステップS26)。ブームレバー操作指令cmd_bmは、電磁比例制御弁26、27における作動油の流量を−100%〜+100%の範囲で指令するものであり、ステップS25で求めたブーム目標偏差角Δbmに基づくオートブーム指令と、オペレータがブームレバー41を操作している場合に入力されるブームレバー指令BmLeverとを加算して求められる。
ここで、オートブーム指令は、図14に示すブーム偏差角と目標流量との関係を定義したブーム流量テーブルBmCmdFlowから前記ブーム目標偏差角Δbmに対応する目標流量を求める関数interp(Δbm,BmCmdFlow,DeltaBmAngle)で算出される。ブームレバー41が手動操作された場合は、前記オートブーム指令(%)に、ブームレバー指令を加算する。
図14に示すように、オートブーム指令では、ブーム偏差角が小さい場合(例えば、−2〜+2度)では、目標流量も−20〜+20%程度と小さくされ、ブーム32の移動速度も低速になる。このような場合に、オペレータがブームレバー41を操作すると、目標流量の値を増大できるため、ブーム32の移動速度を向上できる。
[バケットレバー操作指令算出]
作業機コントローラ10の作業機制御手段140は、ステップS26の処理後、バケットレバー操作指令cmd_bkを算出する(ステップS27)。バケットレバー操作指令cmd_bkは、電磁比例制御弁24、25における作動油の流量を−100%〜+100%の範囲で指令するものであり、ステップS25で求めたバケット目標偏差長Δbkに基づくオートバケット指令と、オペレータがバケットレバー42を操作している場合に入力されるバケットレバー指令BkLeverとを加算して求められる。
ここで、オートバケット指令は、図15に示すバケット偏差長と目標流量との関係を定義したバケット流量テーブルBkCmdFlowから前記バケット目標偏差長Δbkに対応する目標流量を求める関数interp(Δbk,BkCmdFlow,DeltaBmLength)で算出される。バケットレバー42が手動操作された場合は、前記オートバケット指令(%)に、バケットレバー指令を加算する。図15に示すように、オートバケット指令においても、バケット偏差長が小さい場合(例えば、−20〜+20mm)では、目標流量も−20〜+20%程度と小さくされ、バケット31の移動速度も低速になる。このような場合に、オペレータがバケットレバー42を操作すると、目標流量の値を増大できるため、バケット31の移動速度を向上できる。
ステップS26、S27で求められたブームレバー操作指令cmd_bm、バケットレバー操作指令cmd_bkは、作業機制御手段140から各電磁比例制御弁24〜27に入力され、これにより、バケット操作弁22、ブーム操作弁23の動作が制御されて、バケットシリンダ35、ブームシリンダ36が作動し、作業機3が移動する。
作業機コントローラ10は、ステップS27の処理後、図6に戻り、ステップS5以降を再度実行する。ここで、積荷後進作業が継続している場合は、積荷後進検出がすでにONになっているため、ステップS5でNOと判定され、他のステップS7,S9でもNOと判定され、ステップS11でNO、ステップS12で「2」と判定されるため、図10に示す積荷後進制御を繰り返し実行する。
なお、積荷後進作業では、図7に示すように、移動距離がL1になった時に作業機3が目標位置TP1に移動するように設定されているが、オペレータのレバー操作が加算された場合は、移動距離がL1になる前に作業機3が目標位置TP1に到達する場合もある。作業機3が目標位置TP1に移動した後は、ステップS25で求める偏差量が0になるため、作業機3は目標位置TP1に維持される。
一方、アクセル操作やステアリング操作はオペレータが行うため、アクセル操作によって通常よりも走行スピードを非常に速くした場合は、作業機への作動油の供給流量が追いつかず、作業機3が移動し終わる前に距離L1の移動が完了する可能性もある。この場合は、ホイールローダ1の移動が完了した後、作業機3のみが移動することになる。
[STAGE=3:積荷前進制御]
積荷前進制御の処理フローを図11に示す。図11において、図10の積荷後進制御の処理と同様の処理を行うものについては説明を簡略する。
作業機コントローラ10は、移動距離検出手段130で求めた移動距離Lが設定値L2未満であるか否かを判定する(ステップS31)。
作業機コントローラ10がステップS31で「YES」と判定すると、移動距離検出手段130は、前記ステップS22と同じ方法で現在の移動距離を算出する(ステップS32)。
作業機コントローラ10は、ステップS31で「NO」と判定した場合は、すでに距離L2の移動が完了しているため、ステップS32での現在の移動距離Lの算出は行わない。
作業機コントローラ10は、ステップS32の処理後、あるいはステップS31で「NO」と判定した場合は、移動距離LがK1×L2以上であり、かつ、K2×L2未満であるかを判定する(ステップS33)。ここで、移動距離LがK1×L2未満の場合、作業機コントローラ10はステップS33でNOと判定する。例えば、距離係数K1が0.5であれば、移動距離L1が設定距離L2の半分に到達する前であれば、作業機コントローラ10はステップS33でNOと判定する。
作業機コントローラ10の目標設定手段120は、ステップS33でNOと判定すると、ブーム目標位置tp_bm(t)に実ブーム角BmAngleを代入し(ステップS34)、バケット目標位置tp_bk(t)に実バケットシリンダ長BkLengthを代入する(ステップS35)。すなわち、目標設定手段120は、ブーム目標位置、バケット目標位置を、現在の位置に設定する。
このため、前述したステップS25と同じ処理である偏差量算出処理(ステップS39)で、ブーム目標偏差角Δbmをブーム目標位置tp_bm(t)−実ブーム角BmAngleで求め、バケット目標偏差長Δbkをバケット目標位置tp_bk(t)−実バケットシリンダ長BkLengthで求めた場合、各偏差量は「0」になる。
したがって、前述したステップS26、S27と同じ処理であるブームレバー操作指令算出処理(ステップS40)、バケットレバー操作指令算出処理(ステップS41)では、偏差量が0であるため、オートブーム指令およびオートバケット指令は流量0%となる。このため、ブームレバー41、バケットレバー42を手動操作している場合のみ、ブームレバー指令やバケットレバー指令に対応する流量が各操作指令として算出される。
このため、ホイールローダ1の移動距離LがK1×L2未満の場合、作業機コントローラ10による自動制御では作業機3はTP1に維持されるが、オペレータが手動で操作した場合は、その操作に応じて作業機3を移動することができる。
作業機コントローラ10は、ステップS33で「YES」、つまり、移動距離LがK1×L2以上、K2×L2未満になった場合は、開始時距離sLがK1×L2に設定されているかを判定する(ステップS36)。そして、作業機コントローラ10は、ステップS36で「NO」と判定した場合は、K1×L2(第1中間距離)を開始時距離sLに設定し、sp_bmに現在つまり第1中間距離移動時のブーム角度を設定し、sp_bkに現在つまり第1中間距離移動時のバケットシリンダ長を設定する(ステップS36A)。したがって、作業機コントローラ10は、図11の積荷前進制御の処理フローにおいて、初めてステップS36の判定処理を行った場合には、ステップS36Aで開始時距離sLをK1×L2に設定し、2回目以降は、すでにsLはK1×L2に設定済みであるため、ステップS36で「NO」と判定し、ステップS37の処理に進む。したがって、作業機コントローラ10は、ステップS36Aは1回のみ実行する。また、図8に示すように、移動距離L=K1×L2に到達した時点では、通常は作業機3がTP1の目標位置に維持されているが、オペレータが手動操作した場合には、TP1ではない可能性もある。このため、ステップS36Aでは、移動距離Lが第1中間距離(K1×L2)に到達した時点のブーム角度をsp_bmに設定し、バケットシリンダ長をsp_bkに設定している。
次に、作業機コントローラ10の目標設定手段120は、前記ステップS23と同様に、ブーム目標位置を算出する(ステップS37)。ここで、K1×L2の地点からK2×L2の地点までの積荷前進作業では、図8に示すように、移動距離に比例してブーム32の角度を制御する。このため、移動距離Lにおけるブーム目標位置tp_bm(t)は、(L-sL)/(L2*(K2-K1))*(TP2_bm-sp_bm)+sp_bmで求められる。TP2_bmは、目標位置TP2におけるブーム角度であり、sp_bmはステップS36Aで設定されたブーム32の上昇制御の開始位置である。L-sLは、K1×L2(第1中間距離)の地点からの移動距離であり、(L2*(K2-K1))はK1×L2の地点からK2×L2(第2中間距離)の地点までの距離である。すなわち、ブーム目標位置tp_bm(t)は、K1×L2の地点からK2×L2の地点までの距離(L2*(K2-K1))に対するK1×L2の地点からの移動距離の割合(L-sL)と、ブーム32の目標位置および開始位置の差(TP2_bm-sp_bm)とを乗算した値に、初期値である開始位置(sp_bm)を加算して求められる。これにより、移動距離L=K1×L2に到達した時点でのブーム角度sp_bmが目標値TP1よりも小さい場合には、移動距離に対するブーム角度の変化量は図8のグラフよりも大きくなる。一方、移動距離L=K1×L2に到達した時点でのブーム角度sp_bmが目標値TP1よりも大きい場合には、移動距離に対するブーム角度の変化量は図8のグラフよりも小さくなる。
次に、作業機コントローラ10の目標設定手段120は、前記ステップS24と同様に、バケット目標位置を算出する(ステップS38)。すなわち、移動距離Lにおけるバケット目標位置tp_bk(t)は、(L-sL)/(L2*(K2-K1))*(TP2_bk-sp_bk)+sp_bkで求められる。
したがって、目標設定手段120は、移動距離が前記第1中間距離以上、かつ、前記第2中間距離未満の場合は、前記積荷前進状態に応じたブームの目標位置として、前記第1中間距離移動した時点のブーム角度から、前記第2中間距離移動した時点で、前記ブーム32が予め設定された上げポジショナ位置となるブーム角度まで、移動距離に比例してブーム角度を設定している。また、目標設定手段120は、前記積荷前進状態に応じたバケットの目標位置として、前記第1中間距離移動した時点のバケットシリンダ長から、前記第2中間距離移動した時点で、前記バケット31がチルト位置となるバケットシリンダ長まで、移動距離に比例してバケットシリンダ長を設定する。すなわち、目標設定手段120は、前記ブーム角度に連動して前記バケット31をチルト位置に維持するバケットシリンダ長を設定している。
作業機コントローラ10の作業機制御手段140は、ステップS35またはステップS38の処理後、前記ステップS25と同じく、実際のブーム角、バケットシリンダ長と、目標位置との偏差量を算出する(ステップS39)。
次に、作業機コントローラ10の作業機制御手段140は、ステップS39の処理後、ブームレバー操作指令cmd_bmの算出(ステップS40)と、バケットレバー操作指令cmd_bkの算出(ステップS41)とを行う。ステップS40の処理は、前記ステップS26と同一であり、ステップS41の処理は、前記ステップS27と同一であるため、説明を省略する。
ステップS40、S41で求められたブームレバー操作指令cmd_bm、バケットレバー操作指令cmd_bkは、作業機制御手段140から各電磁比例制御弁24〜27に入力され、これにより、バケット操作弁22、ブーム操作弁23の動作が制御されて、バケットシリンダ35、ブームシリンダ36が作動し、作業機3が移動する。
作業機コントローラ10は、ステップS41の処理後、図6に戻り、ステップS5以降を再度実行する。ここで、積荷前進作業が継続している場合は、積荷前進検出がすでにONになっているため、ステップS7でNOと判定され、他のステップS5,S9でもNOと判定され、ステップS11でNO、ステップS12で「3」と判定されるため、図11に示す積荷前進制御を繰り返し実行する。
なお、図8に示すように、積荷前進制御では、ホイールローダ1の移動距離がK2×L2に達した時点で、作業機3が目標位置TP2に到達するように制御される。そして、作業機3が目標位置TP2に到達した後は、ステップS33でLがK2×L2以上に該当してNOと判定されるため、ステップS34,S35の処理が行われ、前述のとおり、ステップS39で偏差量が「0」となるため、作業機3は目標位置TP2に維持される。また、オペレータが手動で操作した場合は、その操作に応じて作業機3を移動し、その位置に維持することができる。
[STAGE=4:空荷後進制御]
空荷後進制御の処理フローを図12、図13に示す。図12、図13において、図10、図11の処理と同様の処理を行うものについては説明を簡略する。
作業機コントローラ10は、ブームボトム圧を設定値A(kg)と比較することにより「空荷」であるかを確認する(ステップS51)。作業機コントローラ10は、ブームボトム圧が設定値A未満ではないため、ステップS51でNO(積荷状態)であることを検出した場合は、空荷後進制御を終了して図6に戻る。これにより、積荷状態でブーム32を下げる制御を行うことを未然に防止している。
作業機コントローラ10は、ステップS51でYESと判定すると、移動距離検出手段130で求めた移動距離Lが設定値L2未満であるか否かを判定する(ステップS52)。
作業機コントローラ10がステップS52で「YES」と判定すると、移動距離検出手段130は、前記ステップS22、S32と同じ方法で、現在の移動距離Lを算出する(ステップS53)。
作業機コントローラ10は、ステップS52で「NO」と判定した場合は、すでに距離L2の移動が完了しているため、ステップS53での現在の移動距離Lの算出は行わない。
作業機コントローラ10は、ステップS52の処理後、あるいはステップS52で「NO」と判定した場合は、移動距離LがK3×L2(第3中間距離)未満であるか否かを判定する(ステップS54)。
ここで、K3が0.2であれば、移動距離Lが設定距離L2の20%の距離に到達する前であれば、作業機コントローラ10はステップS54でYESと判定する。
作業機コントローラ10の目標設定手段120は、ステップS54でYESと判定すると、実バケットシリンダ長BkLengthの絶対値と、バケット目標位置TP3_bkとの偏差長が設定値(例えば10mm)より大きいか否かを判定する(ステップS55)。ここで、空荷後進制御の作業機目標TP3は、表1に示すように、ブーム32は操作無しであり、バケット31のみをポジショナ位置に移動するものである。積込直後のバケット31は、積込位置にあってポジショナ位置とは異なるため、作業機コントローラ10は、ステップS55でYESと判定する。
作業機コントローラ10の目標設定手段120は、ステップS55でYESと判定すると、ブーム目標位置の算出(ステップS56)と、バケット目標位置の算出(ステップS57)とを実行する。
ここで、ブーム32は操作無しのため、目標設定手段120は、ステップS56ではブーム目標位置tp_bm(t)に実ブーム角BmAngleを代入する(ステップS56)。
一方、ホイールローダ1がK3×L2の位置まで移動する間に、バケット31が積込位置からポジショナ位置に移動するように、ステップS24と同様に、バケット目標位置はtp_bk(t)=L/(K3*L2)*(TP3_bk-sp_bk)+sp_bkで求められる(ステップS57)。すなわち、目標設定手段120は、前記空荷後進状態の移動開始時のバケットシリンダ長から、前記ホイールローダ1が前記第3中間距離移動した時点で前記バケット31が予め設定された初期位置(本実施形態ではポジショナ位置)となるバケットシリンダ長まで、移動距離に比例してバケットシリンダ長を設定する。
また、作業機コントローラ10の目標設定手段120は、実バケットシリンダ長BkLengthの絶対値と、バケット目標位置TP3_bkとの偏差長が10mmより小さくなると、ステップS55でNOと判定する。この場合、バケット31は略ポジショナ位置に移動していることになるため、作業機コントローラ10はそれ以上バケット31を移動する必要がなくなる。このため、目標設定手段120は、ステップS34、S35と同じく、ブーム目標位置tp_bm(t)に実ブーム角BmAngleを代入し(ステップS58)、バケット目標位置tp_bk(t)に実バケットシリンダ長BkLengthを代入する(ステップS59)。
そして、移動距離LがK3×L2に到達していない状態では、作業機コントローラ10は、後述するステップS60およびステップS64でNOと判定し、前記ステップS25〜S27やステップS39〜S41と同じく、偏差量算出処理(ステップS68)、ブームレバー操作指令算出処理(ステップS69)、バケットレバー操作指令算出処理(ステップS70)を実行する。
これにより、移動距離LがK3×L2に到達するまでに、ブーム32は上げポジショナ位置で維持され、バケット31がポジショナ位置に移動し、ポジショナ位置に移動後は、その状態が維持される。
ホイールローダ1の移動距離LがK3×L2(第3中間距離)以上、K4×L2(第4中間距離)未満になると、作業機コントローラ10は、ステップS54、S64でNOと判定し、ステップS60でYESと判定する。
作業機コントローラ10は、ステップS60で「YES」になった場合は、開始時距離sLがK3×L2に設定されているかを判定する(ステップS61)。そして、作業機コントローラ10は、ステップS61で「NO」と判定した場合は、K3×L2を開始時距離sLに設定し、sp_bmに現在のブーム角度を設定し、sp_bkに現在のバケットシリンダ長を設定する(ステップS61A)。このため、作業機コントローラ10は、ステップS36Aと同じく、ステップS61Aも1回のみ実行する。
次に、作業機コントローラ10は、前記ステップS37と同様に、ブーム目標位置を算出する(ステップS62)。ここで、K3×L2の地点からK4×L2の地点までの空荷後進作業では、図9に示すように、移動距離に比例してブーム32の角度を下げる制御を行う。このため、移動距離Lにおけるブーム目標位置tp_bm(t)は、(L-sL)/(L2*(K4-K3))*(TP4_bm-sp_bm)+sp_bmで求められる。TP4_bmは、目標位置TP4におけるブーム角度であり、ブーム角度が水平つまり0度に設定されている。sp_bmはステップS61Aで設定されたブーム32の角度を下げる制御の開始位置である。LがK3×L2となる地点までにオペレータの手動操作が無ければ、ブーム角度は上げポジショナ位置に維持されているので、sp_bmも上げポジショナ位置となる。L-sLは、K3×L2の地点からの移動距離であり、(L2*(K4-K3))はK3×L2の地点からK4×L2の地点までの距離である。すなわち、ブーム目標位置tp_bm(t)は、K3×L2の地点からK4×L2の地点までの距離に対するK3×L2の地点からの移動距離の割合と、ブーム32の目標位置および制御開始位置の差とを乗算した値に、初期値である開始位置を加算して求められる。これにより、目標設定手段120は、前記空荷後進状態に応じた前記ブーム32の目標位置として、前記第3中間距離移動した時点のブーム角度から、前記第4中間距離移動した時点の前記ブーム32が水平となるブーム角度まで、移動距離に比例してブーム角度を設定する。
次に、作業機コントローラ10は、前記ステップS38と同様に、バケット目標位置を算出する(ステップS63)。すなわち、移動距離Lにおけるバケット目標位置tp_bk(t)は、(L-sL)/(L2*(K4-K3))*(TP4_bk-sp_bk)+sp_bkで求められる。これにより、目標設定手段120は、前記空荷後進状態に応じた前記バケット31の目標位置として、前記バケット31を予め設定された初期位置(本実施形態ではポジショナ位置)に維持するバケットシリンダ長を設定する。
作業機コントローラ10は、ステップS63の処理後は、前記ステップS68〜S70の処理を行う。
ホイールローダ1の移動距離LがK4×L2以上(第4中間距離)になると、作業機コントローラ10は、ステップS54、S60でNOと判定し、ステップS64でYESと判定する。
作業機コントローラ10は、ステップS64で「YES」になった場合は、前記ステップS61と同様に、開始時距離sLがK4×L2に設定されているを判定する(ステップS65)。そして、作業機コントローラ10は、ステップS65で「NO」と判定した場合は、K4×L2を開始時距離sLに設定し、sp_bmに現在のブーム角度を設定し、sp_bkに現在のバケットシリンダ長を設定する(ステップS65A)。このため、作業機コントローラ10は、ステップS36A、S61Aと同じく、ステップS65Aも1回のみ実行する。
次に、作業機コントローラ10は、前記ステップS62と同様に、ブーム目標位置を算出する(ステップS66)。ここで、K4×L2の地点からL2の地点までの空荷後進作業では、図9に示すように、移動距離に比例してブーム32の角度を緩やかに下げる制御を行う。このため、移動距離Lにおけるブーム目標位置tp_bm(t)は、(L-sL)/(L2*(1-K4))*(TP5_bm-sp_bm)+sp_bmで求められる。TP5_bmは、目標位置TP5におけるブーム角度であり、オペレータが設定可能な下げポジショナ位置に設定されている。sp_bmはステップS65Aで設定されたブーム32の制御開始位置であり、自動制御が行われていれば目標値TP4の位置である。L-sLは、K4×L2の地点からの移動距離であり、(L2*(1-K4))はK4×L2の地点からL2の地点までの距離である。すなわち、ブーム目標位置tp_bm(t)は、K4×L2の地点からL2の地点までの距離に対するK4×L2の地点からの移動距離の割合と、ブーム32の目標位置および制御開始位置の差とを乗算した値に、初期値である制御開始位置を加算して求められる。これにより、目標設定手段120は、前記空荷後進状態に応じた前記ブーム32の目標位置として、前記第4中間距離移動した時点のブーム角度から、前記距離L2移動した時点の前記ブーム32が水平となるブーム角度まで、移動距離に比例してブーム角度を設定する。
次に、作業機コントローラ10は、前記ステップS63と同様に、バケット目標位置を算出する(ステップS67)。すなわち、移動距離Lにおけるバケット目標位置tp_bk(t)は、(L-sL)/(L2*(1-K4))*(TP5_bk-sp_bk)+sp_bkで求められる。これにより、目標設定手段120は、前記空荷後進状態に応じた前記バケット31の目標位置として、前記バケット31を予め設定された初期位置(本実施形態ではポジショナ位置)に維持するバケットシリンダ長を設定する。
作業機コントローラ10は、ステップS67の処理後は、前記ステップS68〜S70の処理を行う。
以上の制御を繰り返すことで、Vシェイプ運転を繰り返すことができる。
[第1実施形態の効果]
以上の本実施形態によれば、積荷後進作業、積荷前進作業、空荷後進作業においては、作業機コントローラ10の制御によって、ホイールローダ1の移動距離に応じて、作業機3のバケット31、ブーム32が自動的に目標位置に移動する。このため、オペレータは、主にステアリング、アクセル、ブレーキ操作を行えば良く、ブームレバー41やバケットレバー42をステアリングやアクセル操作と同時に行う必要が無い。したがって、経験の浅いオペレータであってもホイールローダ1を容易に操作することができる。
さらに、ホイールローダ1の移動中に、作業機3が適切な位置に自動的に移動するため、ホイールローダ1の移動後に作業機3を移動する場合に比べて、作業効率を向上でき、省燃費運転も実現できる。
作業機コントローラ10は、積荷後進作業、積荷前進作業、空荷後進作業において、セミオート制御を実現しているので、オペレータは作業機3の自動制御中に、ブームレバー41、バケットレバー42を手動操作することで介入することができる。このため、作業機3の移動にオペレータの意思を反映できる。例えば、作業機3をより高速で移動することなども可能となり、操作性を向上できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態のホイールローダ1は、オペレータの手動操作による介入時の制御方法が変更された点と、作業機3の制御に加えて走行装置の制御が追加されている点と、Vシェイプ作業時のホイールローダ1の移動経路が変更された点とが相違する。このため、第1実施形態と同様の構成や制御ステップに関しては同一符合を付し、説明を省略または簡略する。
第2実施形態の作業機3の駆動機構は、図16に示すように、ホイールローダ1を走行させるための機構(走行装置)において、PTO12の出力を、モジュレーションクラッチ(Mod/C:以下、単に「クラッチ」という場合がある)13を介してトルクコンバータ(T/C)15に伝達できるように構成し、走行装置の制御つまりホイールローダ1の移動速度を制御可能に構成している。
本実施形態に係るモジュレーションクラッチ13は、単なる直結(係合度100%)と切り離し(係合度0%)だけでなく、滑らせることも考慮されたクラッチ(即ち、その係合度を100%から0%の間の中間的な値に調整することができ、それによりエンジン出力の伝達量を調整することができるクラッチ)である。モジュレーションクラッチ13の係合度が低下するほど、エンジン出力のトランスミッションへ伝達されるトルクの最大値が低下する。つまり、同じエンジン出力の場合、ホイールから出力される走行駆動力(以下、単に「駆動力」という)が低下するようになっている。クラッチ13の係合度を制御する方法には、いくつかのやり方があり、例えば、クラッチ13に加えられる制御油圧によってクラッチ13の係合度を決定する方法などが採用できる。
第2実施形態における作業機コントローラ10の構成や、作業機コントローラ10に接続される機器は、図3に示す第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
[Vシェイプ作業工程]
第2実施形態におけるホイールローダ1によるVシェイプ作業は、第1実施形態の図5に示す(A)空荷前進、(B)掘削、(C)積荷後進、(D)積荷前進、(E)積込、(F)空荷後進、(G)スタート位置の各工程を繰り返す。
この際、図17に示すように、ホイールローダ1の移動経路は、前記第1実施形態と相違する。このため、第2実施形態のアプローチ長設定手段432(図3)は、積荷後進時の移動距離L1と、積荷前進時の移動距離L2と、空荷後進時の移動距離L3とを設定している。
第2実施形態のVシェイプ作業では、図17に示すように、空荷停止位置(スタート位置)から盛土等に向かってホイールローダ1を直進させる空荷前進の工程は、第1実施形態と同一である。土砂等の掘削が完了して、バケット31に土砂等の荷が積まれた状態で後進する積荷後進時は、第2実施形態では、オペレータはステアリングを操作してホイールローダ1の向きを変更しながら距離L1だけ後進させる。これにより、オペレータは、ホイールローダ1の正面がダンプトラック60の側面に向くように操作する。
次に、オペレータは、積荷状態のホイールローダ1をダンプトラック60に向かって移動距離L2だけ直進させて、ダンプトラック60にアプローチする。
その後、バケット31内の土砂をベッセル61に積み込む積込作業を行った後、オペレータは、空荷状態のホイールローダ1を、ステアリングを操作してホイールローダ1の向きを変更しながら距離L3だけ後進させ、ホイールローダ1の正面が盛土に向くスタート位置に戻す。
オペレータは、以上の工程を繰り返し、ホイールローダ1の積荷後進から積荷前進時の移動軌跡と、空荷後進から空荷前進時の移動軌跡とがそれぞれ略V字状になるVシェイプ運転を繰り返すことができる。
また、図3に示すアプローチ長設定手段432は、前記移動距離L1、L2、L3を予め設定する。前記第1実施形態と同じく、L1〜L3は、ホイールローダ1の車両全長に対する比率をオペレータがモニタ43から入力することで設定される。これらのデフォルト値はL1=0.8(車両全長の80%の長さ)、L2=0.6(車両全長の60%の長さ)、L3=0.7(車両全長の70%の長さ)であり、各値は0.5〜1.5の範囲で入力できるように構成されている。
アプローチ長設定手段432は、モニタ43にアプローチ長L1,L2,L3の初期値である「0.8」、「0.6」、「0.7」を表示し、オペレータがこれらの数値を変更すると、入力された値を設定値として記憶し、作業機コントローラ10に出力する。
[セミオート制御]
以上のようなVシェイプ作業において、第2実施形態においても、セミオートモード選択手段431でセミオートモード選択信号がONに設定されると、(C)積荷後進、(D)積荷前進、(F)空荷後進の各作業工程においてセミオート制御が行われる。
第2実施形態におけるセミオート制御時の作業機コントローラ10の処理について説明する。
作業機コントローラ10は、エンジンキーのオン操作などによって処理を開始すると、図18に示すステップS1〜S13の処理を実行する。図18のステップS1〜S13のうち、ステップS6A,S8A,S10A以外の各ステップは、図6に示す第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
[積荷後進検出時の初期設定]
作業機コントローラ10は、積荷後進検出がOFFからONに変化したことを検出してステップS5で「YES」と判定した場合、作業ステージを示す変数STAGEを「2」に設定し、移動距離を示す変数Lを初期値「0」に設定し、作業機の開始位置を示す変数sp_bm(ブーム角度)、sp_bk(バケットシリンダ長)に現在位置の値を設定する(ステップS6A)。ステップS6Aでは、作業機コントローラ10は、sp_bmにブーム角度センサ44の検出値に基づいて現在のブーム角度を設定し、sp_bkにバケット角度センサ45の検出値に基づいて現在のバケットシリンダ長を設定する。なお、図6では、「sp_bm=現在位置、sp_bk=現在位置」と表記していたが、図18では、「sp_bm、sp_bk」をまとめて、「sp_**」とし、「sp_**=現在位置」と表記している。
さらに、ステップS6Aでは、ブーム32の移動を指示するオートブーム指令のうち、ブーム32を下げるオートブーム指令の10ms毎の変化量の最大値gつまり下げ指令制限gを0.6%に設定している。
[積荷前進検出時の初期設定]
作業機コントローラ10は、積荷前進検出がONに変化したことを検出してステップS7で「YES」と判定した場合、作業ステージを示す変数STAGEを「3」に設定し、移動距離を示す変数Lを初期値「0」に設定し、sp_bmに現在のブーム角度を設定し、sp_bkに現在のバケットシリンダ長を設定し、下げ指令制限gを0.6%に設定する(ステップS8A)。
[空荷後進検出時の初期設定]
作業機コントローラ10は、空荷後進検出がONに変化したことを検出してステップS9で「YES」と判定した場合、作業ステージを示す変数STAGEを「4」に設定し、移動距離を示す変数Lを初期値「0」に設定し、sp_bmに現在のブーム角度を設定し、sp_bkに現在のバケットシリンダ長を設定し、下げ指令制限gを2.0%に設定する(ステップS10A)。
なお、積荷後進検出時と積荷前進検出時には下げ指令制御gが0.6%であり、空荷後進検出時の下げ指令制御g=2.0%に比べて小さい。積荷後進時や積荷前進時は、ブーム32を上げる制御を行う期間であり、オペレータがブーム32を下げる操作を行った場合には、誤って操作している可能性もあるため、前記変化量の最大値gを小さな値に設定し、ブーム32が下がる速度が小さくなるように制限している。
[終了条件判定]
作業機コントローラ10は、ステップS6A、S8A、S10Aで初期設定を行った後、あるいはステップS9でNOと判定された場合は、終了条件が成立したかを判定する(ステップS11)。終了条件は前記第1実施形態と同じである。
終了条件に該当する場合、作業機コントローラ10はステップS11でYESと判定する。この場合、作業機コントローラ10は、STAGEの値を、待機中を示す「1」に設定する(ステップS13)。この際、第1実施形態と同じく、終了条件2以外に該当した場合は、モニタ43にブザー指令を出力し、異常終了ブザーを鳴動する。そして、作業機コントローラ10は、ステップS1の処理に戻り、処理を継続する。
[セミオート制御での設定情報]
作業機コントローラ10は、ステップS11で終了条件に該当せず、「NO」と判定された場合、作業ステージSTAGEの値を確認し、後述するように、STAGE=2であれば積荷後進制御を実行し、STAGE=3であれば積荷前進制御を実行し、STAGE=4であれば空荷後進制御を実行する(ステップS12)。
なお、これらの各制御では、第1実施形態と同じく、各作業状態に応じて、ホイールローダ1の移動距離と、作業機3の目標位置との関係を設定している。この作業機3の目標位置の例を表3、4に示し、これらの表3,4で設定される移動距離と目標位置との関係を図19〜24に示す。なお、これらの表3,4で設定されるパラメータは、作業機コントローラ10の記憶手段150に記憶されている。
表3において、ブーム角度の上げポジショナ位置、下げポジショナ位置は、オペレータが設定するブーム角度である。バケットシリンダ長のポジショナ位置は、ブーム32を下げてバケット31を接地させた際に、バケット角度が0度になる位置に設定される。
Figure 0006619799
Figure 0006619799
[積荷後進状態における移動距離と作業機の目標位置との関係]
積荷後進制御では、作業機制御手段140は、ホイールローダ1が掘削完了時点から距離L1だけ後進する間に、作業機3がTP1の位置に移動するように制御する。作業機制御手段140は、図19に示すように、ブーム32を掘削時の下げポジショナ位置から徐々に上昇させ、ブーム角度が目標位置TP1(TP1_bm)に到達するように制御する。作業機制御手段140は、図20に示すように、バケット31を移動開始後の早い時点でバケットシリンダ長が目標値TP1(TP1_bk)に到達するように制御し、その後は、目標値TP1を維持するように制御する。バケットシリンダ長の目標値TP1(TP1_bk)は、表4に示すように、ブーム角度TP1(TP1_bm)に連動して設定され、ブーム角度が変化しても、バケット31をリフト位置に維持してバケット31内の積荷がこぼれないように設定されている。
なお、第2実施形態では、ブーム32が水平状態の場合に、ブーム角度センサ44は0degを出力するように設定されている。
積荷後進制御では、オペレータは、ステアリングを切りながら後進させるため、バケット31は早めにリフト位置に移動しておき、ブーム32は移動距離に比例して水平位置まで移動し続けるように設定している。
[積荷前進状態における移動距離と作業機の目標位置との関係]
積荷前進制御では、作業機制御手段140は、図21、22に示すように、ホイールローダ1が第1中間距離である距離K1×L2に移動するまでは、ブーム角度がTP1_bmとなる位置にブーム32を維持し、バケットシリンダ長がTP1_bkからTP2_bkとなるまで移動距離に比例してバケット31を移動する。したがって、ブーム32は一定の高さ位置に維持され、バケット31はチルト側に僅かに移動する。
作業機制御手段140は、ホイールローダ1が距離K1×L2から第2中間距離である距離K2×L2に移動するまでは、ブーム角度がTP1_bmからTP2_bmとなるまで移動距離に比例してブーム32を移動し、バケットシリンダ長がTP2_bkとなる位置でバケット31を維持する。したがって、バケット31はチルト位置に維持され、ブーム32は目標位置TP2_bmまで移動する。
ここで、K1のデフォルト値は例えば0であり、K2は0.9である。K2は固定値であるが、K1は0〜0.3の範囲でオペレータなどが変更可能である。
ホイールローダ1が距離K2×L2からL2に移動するまでは、ブーム角およびバケットシリンダ長は、それぞれTP2_bm, TP2_bkに維持される。
ここで、TP2(TP2_bm, TP2_bk)は、表3、4に示すように、ブーム角度の上げポジショナ位置に応じて設定される。上げポジショナ位置は、ホイールローダ1が土砂等の積荷を積込むダンプトラック60のベッセル61の高さに合わせてオペレータが設定する。
そして、上げポジショナ位置が設定されている場合、TP2_bmは上げポジショナ位置に対応するポジショナセット角度に設定される。また、上げポジショナ位置が設定されていない場合、TP2_bmは予め設定された所定値、例えば、ブーム32を最大に上げたときのブーム角であるTOP角に対して予め設定した設定角度だけ低い値(例えば、TOP角−3.5deg)に設定される。なお、TP2_bmをTOP角よりも低い角度に設定したのは、ブーム32を上げる制御を行っている場合、ブーム32の停止を指示しても慣性によってブーム32が多少移動するためである。したがって、前記設定角度は、ホイールローダ1において、停止を指示してからの移動角度を実験などで求めることで設定できる。
TP2_bkは、表4に基づき、設定されたブーム角度TP2_bmに対応して設定され、ブーム角度が変化した際に、バケット31をリフト位置に維持してバケット31内の積荷がこぼれないように設定されている。
本実施形態の積荷前進制御では、ホイールローダ1は、ダンプトラック60に対して直進し、オペレータはステアリングを操作してホイールローダ1の進行方向を変更する必要が無い。このため、距離係数K1を0に設定し、積荷前進制御の開始直後からブーム32を上昇させてもよい。一方で、距離係数K2を固定値0.9とし、距離K2×L2に移動するまでに作業機3を上げポジショナ位置まで移動し、距離K2×L2からL2に移動するまでは作業機3を上げポジショナ位置に維持することで、バケット31がベッセル61と干渉することを防止できる。
[空荷後進状態における移動距離と作業機の目標位置との関係]
空荷後進制御では、作業機制御手段140は、図23,24に示すように、ホイールローダ1が第3中間距離である距離K3×L3に移動するまでは、作業機3をTP3の位置に維持し、距離K3×L3から第4中間距離である距離K4×L3に移動するまでは、作業機3をTP3からTP4の位置まで移動距離に比例して移動する。
また、作業機制御手段140は、ホイールローダ1が距離K4×L3からL3に移動するまでは、作業機3をTP4からTP5の位置まで移動距離に比例して移動する。ここで、K3のデフォルト値は例えば0.4であり、K4は0.5である。距離係数K3は0.3〜0.5の範囲でオペレータなどが変更可能である。距離係数K4は、距離係数K3+0.1に固定されている。
TP3は、表3に示すように、ブーム角度(TP3_bm)は操作無しであり、バケットシリンダ長(TP3_bk)はバケット水平位置である。ここで、積荷前進終了時から積込完了時までは、手動操作が入らなければ、ブーム角度はTP2_bm(上げポジショナ位置)に維持されているので、空荷後進制御時のTP3_bmもTP2_bmと同じ位置となる。作業機制御手段140は、図24に示すように、ホイールローダ1が第3中間距離である距離K3×L3に移動するまでに、バケット31を積込完了時のダンプ位置からバケット水平位置に移動し、その後、ホイールローダ1が距離K3×L3に移動するまでは、バケット31をバケット水平位置に維持する。
表3に示すように、TP4では、ブーム角度(TP4_bm)は現在位置(TP3_bm)−3degであり、バケットシリンダ長(TP4_bk)はポジショナ位置である。TP5では、ブーム角度(TP5_bm)は、下げポジショナ設定時は設定されたポジショナセット角度であり、下げポジショナ未設定時は所定値(例えば−37deg)であり、バケットシリンダ長(TP5_bkはポジショナ位置である。
積込後の空荷後進制御では、ホイールローダ1が距離K3×L3だけ移動するまでは、作業機3を上げポジショナ位置に維持し、バケット31をダンプ位置から早期にポジショナ位置にすることで、バケット31がベッセル61と干渉すること防止する。そして、ホイールローダ1が距離K3×L3から距離K4×L3に移動するまでにブーム32を−3degと僅かに下降させ、オペレータに対してブーム32が下降し始めたことを認識させる。そして、距離K4×L3からL3に移動するまではブーム32を下げポジショナ位置に移動する。
また、オペレータは、空荷後進制御時に、ステアリングを操作してホイールローダ1の向きを変更しながら後進することで、ホイールローダ1を元の空荷停止位置(スタート位置)に移動する。
次に、図18のS12において選択された各制御に関して、図25〜29のフローチャートも参照して説明する。なお、図25〜29のフローチャートにおいて、前記第1実施形態の図10〜13と同様の処理(ステップ)に関しては、同一符合を付して説明を簡略する。
[STAGE=2:積荷後進制御]
積荷後進制御では、図25に示すように、作業機コントローラ10は、第1実施形態の図10と同様に、移動距離Lが設定値L1未満であるか否かの判定処理(ステップS21)と、移動距離検出手段130による移動距離Lの算出処理(ステップS22)とを実行する。
[手動操作判定]
作業機コントローラ10は、ブームレバー41、バケットレバー42による手動操作があったか否かを判定する(ステップS121)。
手動操作が無い場合には、ステップS121で「NO」と判定されるため、作業機コントローラ10は、第1実施形態と同じく、ブーム目標位置算出ステップ(S23)、バケット目標位置算出ステップ(S24)、偏差量算出ステップ(S25)、ブームレバー操作指令算出ステップ(S26)、バケットレバー操作指令算出ステップ(S27)を実行する。手動操作が無い場合、ステップS26,S27では、BmLever=0,BkLever=0となり、ステップS25で算出された偏差量に基づくオートブーム指令、オートバケット指令で制御される。
一方、手動操作があった場合は、ステップS121で「YES」と判定されるため、作業機コントローラ10は、開始点修正ステップ(S122)を実行した後、各ステップS23〜S27を実行する。
[開始点修正]
作業機コントローラ10は、開始点修正ステップS122では以下の処理を行う。なお、開始点修正ステップS122は、手動操作によってブーム32、バケット31の位置が移動した場合に、目標設定手段120が、手動操作後の現在位置から新たな目標位置を推定し、その新たな目標位置に基づいて、作業機3の目標位置とホイールローダ1の移動距離との新たな関係(作業機3の新たな経路)を設定するものである。
なお、手動操作があった場合でも、ステップS23,S24で各目標位置を算出できるように、ステップS122では、新たな開始点を求めている。
以下、積荷後進制御時のブーム角度の制御例である図30を参照して、新たな開始点の算出方法を説明する。
図30において、SP1は前回開始位置(手動操作前の経路の開始位置)であり、SP2は手動操作で修正された修正開始位置である。A点は手動操作が開始された位置であり、B点は手動操作が完了した位置である。TPは最終目標位置であり、AP1はA点(手動操作直前)の現在位置、AP2はA点での制御目標位置、BP1はB点(手動操作直後)の現在位置、BP2はB点での制御目標位置、L1は移動目標距離、DはA点まで移動距離であり、LはB点までの移動距離である。したがって、手動操作後の残りの移動距離はL1-Lで求められる。
図30に示すように、手動操作前は、SP1とTPとを結ぶ経路S1に沿ってブーム角度が制御される。ただし、実際のブーム32の移動量(角度)は、ブーム32を作動する油圧回路の供給流量等における遅れにより、一点鎖線S2に記載するように経路S1から遅れる。この遅れ分は、A点でのAP2とAP1との偏差ΔPとして算出できる。
ホイールローダ1がA点からB点まで移動する間に、ブームレバー41が操作され、距離L移動したB点でブーム32はBP1まで移動したとする。この際、油圧回路の供給流量等の遅れは一定(偏差ΔP)であるため、B点での制御目標位置BP2は、BP1+ΔPで求められる。
図30から、修正開始位置SP2は、制御目標位置BP2と、最終目標位置TPとを結ぶ直線上であるため、(TP-BP2) /(L1-L)=(TP-SP2)/L1となり、この式を展開することで、SP2=(BP2×L1-TP×L)/(L1-L)が求められる。したがって、修正開始位置SP2と最終目標位置TPとを結ぶ新たな経路S3が設定される。
したがって、目標設定手段120は、ステップS122で開始点が修正された場合、ステップS23において、ブーム開始位置sp_bmに修正開始位置SP2を設定し、ブーム目標位置(経路S3)を算出する。
作業機制御手段140は、新たなブーム目標位置に基づいて偏差量算出(ステップS25)、ブームレバー操作指令算出(ステップS26)を実行する。
このため、ブーム32の目標経路R1は、A点までは経路S1上であり、A点からB点までは手動操作によって変化し、B点からは新たな経路S3上に設定される。また、ブーム32の実際の作動経路R2は、A点までは目標経路S1に対応する実作動経路R2上であり、A点からB点までは手動操作によって変化し、B点からは新たな目標経路S3に対応する実作動経路となる。
以上の処理は、手動操作が行われる毎に実行される。また、説明を省略したが、バケットレバー42による手動操作が行われた場合も、同様の処理が行われ、手動操作後のバケットシリンダ長の修正開始位置を求めて制御が行われる。
[ブームレバー操作指令算出&バケットレバー操作指令算出]
ブームレバー操作指令算出ステップ(S26)、バケットレバー操作指令算出ステップ(S27)は、前記第1実施形態と同様の処理を行うが、図31,32に示すように、ブーム流量テーブルBmCmdFlow、バケット流量テーブルBkCmdFlowの設定が変更されている。
すなわち、図31に示すように、オートブーム指令では、ブーム偏差角が0度を含む所定範囲(例えば、−1〜+1度)では、目標流量を0%としてハンチングが生じないように調整している。
また、ブーム偏差角が+1度から+4度の範囲では、目標流量を0%から100%まで変化させ、ブーム偏差角が+4度以上であれば目標流量を100%としてブーム32の上昇速度を向上させている。
一方、ブーム偏差角が−1度から−5度の範囲では、目標流量を−35%から−70%まで変化させ、ブーム偏差角が−5度以下であれば目標流量を−70%に維持している。このため、ブーム32の下降速度は上昇速度に比べて低速となるように調整されている。
また、図31に示すように、オートバケット指令においても、バケット偏差長が小さい場合(例えば、−5〜+5mm)では、目標流量を0%としてハンチングが生じないように調整している。
また、+5mmから+50mmの範囲では、目標流量を0%から100%まで変化させ、バケット偏差量が+50mm以上では、目標流量を+100%に維持し、バケット31のリフト方向の移動速度を向上できる。
一方、−5mmから−50mmの範囲では、目標流量を0%から100%まで変化させ、バケット偏差量が−50mm以下では、目標流量を+100%に維持し、バケット31のダンプ方向の移動速度を向上できる。
図25のステップS26、S27で求められたブームレバー操作指令cmd_bm、バケットレバー操作指令cmd_bkは、作業機制御手段140から各電磁比例制御弁24〜27に入力され、これにより、バケット操作弁22、ブーム操作弁23の動作が制御されて、バケットシリンダ35、ブームシリンダ36が作動し、作業機3が移動する。
[車速制限Mod/C指令算出]
ステップS26,S27の処理後、作業機コントローラ10は、車速制限を行うためのモジュレーションクラッチ13に対する伝達率指令の算出処理を実行する(ステップS28)。
作業効率や燃費などを考慮すると、ブーム32が最終目標値TP1に到達するタイミングと、ホイールローダ1が設定距離L1だけ移動するタイミングは同時であることが好ましい。このため、作業機コントローラ10は、ブーム32が最終目標値TP1に到達する前に、ホイールローダ1の移動が完了してしまうと判定した場合、トランスミッションコントローラ48を介してモジュレーションクラッチ13を制御し、ホイールローダ1の移動速度を抑制する制御を行う。
作業機コントローラ10は、ブーム移動量とポンプ吐出量とから最小移動可能時間を算出し、最高車速をモジュレーションクラッチ13を用いて抑制し、ブーム32の移動が完了する前に、ホイールローダ1の移動が完了しないように設定している。
例えば、積荷後進時のモジュレーションクラッチ13の伝達率指令Rateは以下のようにして求められる。
ここで、ブーム32の移動目標値をTP1bm、現在のブーム角をBmAngleとすると、残りの移動距離(角度)ΔTP1Bm(deg)は、abs(TP1bm- BmAngle)で求められる。
また、積荷後進時のホイールローダ1の移動距離の設定値をL1、現在の移動距離をLとすると、残りの移動距離ΔL1(m)は、L1-Lである。
そして、ブーム32がΔTP1Bmだけ移動する際の最小移動可能時間T1min(sec)は、 (ΔTP1Bm/DeltaAngle_TP1)×(TargetNe_TP1/Ne)×Tmax_TP1で求められる。
ここで、Neは現在のエンジン回転数であり、DeltaAngle_TP1は基準ブーム移動角、TargetNe_TP1は基準エンジン回転数、Tmax_TP1は基準最大時間である。基準ブーム移動角は、積荷後進時にブーム32を自動的に移動する場合の移動距離(角度)として予め設定されているものである。本実施形態では、積荷後進時は、ブーム32を掘削時の下げポジショナ位置(−40度)から水平位置(0度)まで上昇させるように設定されているため、基準ブーム移動角(DeltaAngle_TP1)は40度に設定されている。
基準エンジン回転数は、積荷後進時の標準的なエンジン回転数として設定されたものであり、例えば1330rpmである。基準最大時間は、エンジン11が基準エンジン回転数で稼働している場合に、ブーム32を基準ブーム移動角だけ移動させた場合の移動時間であり、実験等で求められる。これらの基準ブーム移動角(DeltaAngle_TP1)、基準エンジン回転数(TargetNe_TP1)、基準最大時間(Tmax_TP1)は予めテーブルに記憶される。
そして、ブーム32の移動時間は、作業機用の油圧ポンプ21を駆動するエンジン回転数によって変化するため、前述したように、現時点でのブーム残り距離(角度)ΔTP1Bmと、現在のエンジン回転数Neと、前記基準ブーム移動角(DeltaAngle_TP1)と、基準エンジン回転数(TargetNe_TP1)と、基準最大時間(Tmax_TP1)とから、前記最小移動可能時間T1min(sec)を算出できる。
作業機コントローラ10は、最小移動可能時間T1min(sec)が算出されると、残りの移動距離を時間T1min(sec)で移動するための最大車速V1max(km/h)をΔL1(m)/T1min(sec)×(3600/1000)で求めることができる。
そして、車速差分Δvel(km/h)を、現在の車速の絶対値abs(Vel)から最大車速V1maxを引いて求める。速度差分と、モジュレーションクラッチ13の伝達率指令(%)との関係を予めテーブルに設定しておき、前記車速差分Δvelからクラッチ13の伝達率指令(%)を求める。例えば、車速差分Δvelが0(km/h)の場合と、現在の車速が最大車速よりも小さいために車速差分Δvelが0(km/h)未満、つまりマイナス値である場合には、車速を制限する必要が無いため、伝達率指令は100%に設定される。以下、伝達率指令は、例えば、車速差分Δvelが1km/hでは70%、2km/hでは50%、5km/h以上では30%等に設定される。
なお、トランスミッションコントローラ48がクラッチ13を制御する最終的な伝達率指令は、トランスミッションコントローラ48によるクラッチ13を制御する際の指令値と、ステップS28で求めた指令値とを比較し、より小さい指令値でクラッチ13を制御すればよい。
作業機コントローラ10は、第1実施形態と同様に、ステップS28の処理後、図18に戻り、ステップS5以降を再度実行する。ここで、積荷後進作業が継続している場合は、積荷後進検出がすでにONになっているため、ステップS5でNOと判定され、他のステップS7,S9でもNOと判定され、ステップS11でNO、ステップS12で「2」と判定されるため、図25に示す積荷後進制御を繰り返し実行する。
[STAGE=3:積荷前進制御]
積荷前進制御の処理フローを図26、図27に示す。図26、図27において、第1実施形態の図11の処理や、第2実施形態の図25の積荷後進制御の処理と同様の処理を行うものについては説明を簡略する。
図26、図27の処理において、ステップS31〜S41までは前記第1実施形態と同じである。この際、ステップS40,S41では、積荷後進制御時のステップS26,S27と同じく図31、32の各テーブルを用いて操作指令を算出している。
また、ステップS33で「YES」と判定された場合、すなわち、図21において、移動距離Lが第1中間距離K1×L2以上、かつ、第2中間距離K2×L2未満の場合には、作業機コントローラ10は、手動操作があったかを判定し(ステップS131)、手動操作があった場合、目標設定手段120は開始点修正処理(ステップS132)を実行する。この開始点修正処理は、前述の積荷後進制御のステップS122と同じ手法であるため、説明を省略する。目標設定手段120は、ステップS37,S38において、新たな目標経路に基づく目標位置を算出する。
一方、ステップS33で「NO」と判定された場合、すなわち、図21において、移動距離Lが第1中間距離K1×L2未満、または、第2中間距離K2×L2以上の場合には、ブーム32、バケット31の目標位置は、実ブーム角BmAngle、実バケットシリンダ長BkLengthに設定されており、手動操作が行われた場合は操作後の現在位置が目標位置となるため、開始点修正の処理を行う必要が無い。
ブーム32およびバケット31の目標位置が算出された後は、図27に示すように、第1実施形態と同じステップS39〜S41が実行され、さらに積荷後進制御のステップS28と同様の車速制限Mod/C指令算出(ステップS42)が実行される。
作業機コントローラ10は、第1実施形態と同様に、ステップS42の処理後、図18に戻り、ステップS5以降を再度実行する。ここで、積荷前進作業が継続している場合は、積荷前進検出がすでにONになっているため、ステップS7でNOと判定され、他のステップS5,S9でもNOと判定され、ステップS11でNO、ステップS12で「3」と判定されるため、図26,27に示す積荷前進制御を繰り返し実行する。
[STAGE=4:空荷後進制御]
空荷後進制御の処理フローを図28、図29に示す。図28、図29において、図25〜図27の処理や、図12、図13の処理と同様の処理を行うものについては説明を簡略する。
作業機コントローラ10は、移動距離検出手段130で求めた移動距離Lが設定値L3未満であるか否かを判定する(ステップS151)。
作業機コントローラ10がステップS151で「YES」と判定すると、移動距離検出手段130は、前記ステップS53と同じ方法で、現在の移動距離Lを算出する(ステップS152)。
作業機コントローラ10は、ステップS151で「NO」と判定した場合は、すでに距離L3の移動が完了しているため、ステップS152での現在の移動距離Lの算出は行わない。
作業機コントローラ10は、ステップS152の処理後、あるいはステップS151で「NO」と判定した場合は、移動距離LがK3×L3(第3中間距離)未満であるか否かを判定する(ステップS153)。
ここで、K3が0.4の場合、移動距離Lが設定距離L3の40%の距離に到達する前であれば、作業機コントローラ10はステップS153で「YES」と判定する。
作業機コントローラ10の目標設定手段120は、ステップS153で「YES」と判定すると、ブーム目標位置tp_bm(t)に実ブーム角BmAngleを代入する(ステップS154)。このため、ブーム32は、手動操作がなければ、同じ位置に維持される。
作業機コントローラ10は、バケット31の角度が水平未満であるかを判定する(ステップS155)。バケット31は、空荷後進制御の開始時には、積荷をベッセル61に排出した直後であり、ダンプ位置にあるため、ステップS154で「YES」と判定される。この場合、作業機コントローラ10は、バケット目標位置tp_bk(t)に30mmを加算して新たなバケット目標位置tp_bk(t)を設定する(ステップS156)。このため、後述するバケットレバー操作指令算出により、バケット31を定速でチルト側に移動する処理が行われる。
一方、バケット31の角度が水平になると、ステップS155で「NO」と判定され、作業機コントローラ10は、バケット目標位置tp_bk(t)に実バケットシリンダ長BkLengthを設定する(ステップS157)。このバケット31の角度が水平な状態が、バケット31のバケット水平位置であり、K3×L3(第3中間距離)でのバケット目標位置TP3_bkである。このため、バケット31は、手動操作が無ければ、同じ位置(バケット水平位置)に維持される。
ステップS153で「NO」と判定された場合は、移動距離LがK3×L3以上となっているので、ステップS154〜S157の処理は実行されない。
次に、作業機コントローラ10は、移動距離Lが、K3×L3(第3中間距離)以上、K4×L3(第4中間距離)未満であるか否かを判定する(ステップS158)。
作業機コントローラ10の目標設定手段120は、ステップS158でYESと判定すると、開始時距離sLがK3×L3(第3中間距離)であるかを判定する(ステップS159)。移動距離LがK3×L3(第3中間距離)になった時点では、開始時距離sLはK3×L3に設定されていないので、目標設定手段120は、ステップS159では「NO」と判定する。
この場合、目標設定手段120は、開始時距離sLを現在の移動距離L(=K3×L3)に設定し、ブーム開始位置sp_bmを実ブーム角BmAngleとし、ブーム目標位置TP4_bmをブーム開始位置sp_bmよりも3deg低い位置に設定する(ステップS160)。
一方、ステップS160の処理が行われた後で、再度、ステップS159の判定が行われた場合、つまりホイールローダ1がK3×L3(第3中間距離)以上移動している場合は、ステップS158で「YES」と判定されても、ステップS159で「NO」と判定される。
次に、作業機コントローラ10は、ブームレバー41、バケットレバー42による手動操作があったかを判定する(ステップS161)。
手動操作があった場合は、ステップS160で「YES」と判定されるため、作業機コントローラ10は、図25のステップS122と同様の開始点修正処理(ステップS162)を実行する。
手動操作がない場合は、ステップS161で「NO」と判定されるため、開始点修正処理(ステップS162)は実行されない。
次に、作業機コントローラ10は、ブーム目標位置算出ステップ(S163)を実行する。このブーム目標位置算出ステップ(S163)は、前記第1実施形態の図12に示すステップS62と同様の処理である。
また、作業機コントローラ10は、バケット目標位置算出ステップ(S164)を実行する。S164では、バケット目標位置tp_bk(t)は、TP4_bkに設定される。TP4_bkは、表3のとおり、ポジショナ位置である。
ステップS158で「NO」と判定された場合は、移動距離LがK3×L3未満か、K4×L3以上となっているので、ステップS159〜S164の処理は実行されない。
次に、作業機コントローラ10は、図29に示すように、移動距離Lが、K4×L3(第4中間距離)以上であるか否かを判定する(ステップS165)。
作業機コントローラ10の目標設定手段120は、ステップS165で「YES」と判定すると、移動距離LがK4×L3(第4中間距離)の場合のみ、つまり初めてステップS165で「YES」と判定された場合のみ、開始時距離sLを現在の移動距離L(=K4×L3)に設定し、ブーム開始位置sp_bmを実ブーム角BmAngleとする(ステップS166)。
次に、作業機コントローラ10は、ブームレバー41、バケットレバー42による手動操作があったか否かを判定する(ステップS167)。
手動操作があった場合は、ステップS167で「YES」と判定されるため、作業機コントローラ10は、前記ステップS162と同様に開始点修正処理(ステップS168)を実行する。
手動操作がない場合は、ステップS167で「NO」と判定されるため、開始点修正処理(ステップS168)は実行されない。
次に、作業機コントローラ10は、ブーム目標位置算出ステップ(S169)を実行する。このブーム目標位置算出ステップ(S169)は、前記第1実施形態の図13に示すステップS66と同様の処理である。
また、作業機コントローラ10は、バケット目標位置算出ステップ(S170)を実行する。ステップS170では、バケット目標位置tp_bk(t)は、TP5_bkに設定される。TP5_bkは、表3のとおり、TP4_bkと同じくポジショナ位置である。
ステップS165で「NO」と判定された場合は、移動距離LがK4×L3未満となっているので、ステップS166〜S170の処理は実行されない。
作業機コントローラ10は、図25のステップS25〜S28と同じく、偏差量算出ステップ(S171)、ブームレバー操作指令算出ステップ(S172)、バケットレバー操作指令算出ステップ(S173)、車速制限Mod/C指令算出ステップ(S174)を実行する。
作業機コントローラ10は、第1実施形態と同様に、ステップS174の処理後、図18に戻り、ステップS5以降を再度実行する。ここで、空荷後進作業が継続している場合は、空荷後進検出がすでにONになっているため、ステップS9でNOと判定され、他のステップS5,S7でもNOと判定され、ステップS11でNO、ステップS12で「4」と判定されるため、図28,29に示す空荷後進制御を繰り返し実行する。
以上の各制御を繰り返すことで、Vシェイプ運転を繰り返すことができる。
[第2実施形態の効果]
以上の第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、積荷後進作業、積荷前進作業、空荷後進作業においては、作業機コントローラ10の制御によって、ホイールローダ1の移動距離に応じて、作業機3のバケット31、ブーム32が自動的に目標位置に移動する。このため、オペレータは、主にステアリング、アクセル、ブレーキ操作を行えば良く、ブームレバー41やバケットレバー42をステアリングやアクセル操作と同時に行う必要が無い。したがって、経験の浅いオペレータであってもホイールローダ1を容易に操作することができる。
さらに、ホイールローダ1の移動中に、作業機3が適切な位置に自動的に移動するため、ホイールローダ1の移動後に作業機3を移動する場合に比べて、作業効率を向上でき、省燃費運転も実現できる。
作業機コントローラ10は、積荷後進作業、積荷前進作業、空荷後進作業において、セミオート制御を実現しているので、オペレータは作業機3の自動制御中に、ブームレバー41、バケットレバー42を手動操作することで介入することができる。このため、作業機3の移動にオペレータの意思を反映できる。例えば、作業機3をより高速で移動することなども可能となり、操作性を向上できる。
さらに、作業機3が自動制御で移動中に手動操作が行われた場合には、目標設定手段120は、手動操作後の作業機3の現在位置から新たな目標位置を算出し、新たな目標位置および最終目標位置から新たな目標経路を設定して自動制御を継続するため、手動操作後の位置から最短距離で作業機3を移動でき、オペレータの手動操作を反映させながら、最も効率的な作業機3の移動制御を実行できる。
その上、目標設定手段120は、手動操作前の作業機3の現在位置と目標位置との偏差を求め、手動操作後の作業機3の現在位置に前記偏差を加算して新たな目標位置を設定しているので、作業機3を作動させる際の制御目標に対する実際の移動の遅れ分を考慮した目標位置を設定できる。このため、手動操作後の現在位置から最終目標位置まで最も移動距離が短い効率的な制御を行うことができる。
作業機コントローラ10は、作業機3の移動速度に応じて、モジュレーションクラッチ13の伝達率指令を制御することでホイールローダ1の車速を制限しているので、作業機3の移動完了と、ホイールローダ1の移動完了とのタイミングを自動的に調整することができる。このため、作業効率の向上と、省燃費運転とを両立できる。
第2実施形態では、積荷前進制御時にダンプトラック60に対してホイールローダ1が直進するように設定したので、積荷状態でブーム32を上昇させながらダンプトラック60にアプローチする制御を安定して行うことができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、積荷後進作業、積荷前進作業、空荷後進作業の場合に本発明のセミオート制御を実行していたが、これらの各作業のいずれか1つのみ、あるいは2つのみに本発明のセミオート制御を行うものでよい。
また、各作業におけるホイールローダ1の移動距離と、作業機3の目標位置との関係は、前記各実施形態に示すものに限定されない。例えば、積荷後進制御においては、移動距離L1未満の中間位置まで移動した時点で目標位置TP1に作業機3を移動するように設定してもよい。また、積荷前進制御においては、第1中間距離(K1×L2)移動する間に目標位置TP1に維持せずに、目標位置TP1およびTP2の間に設定した新たな目標位置までブーム32を緩やかに上昇させてもよい。さらに、空荷後進制御においては、第4中間距離(K4×L2)まで移動した際に下げポジショナ位置まで作業機3を移動し、その後は、作業機3をTP5の位置に維持してもよい。
さらに、各作業に応じたホイールローダ1の移動距離と、作業機3の目標位置との関係をオペレータが設定できるようにしてもよい。例えば、前記距離係数K1〜K4の数値をモニタ43に表示し、この数値をオペレータが変更して記憶手段150に記憶することで、各作業に応じたホイールローダ1の移動距離と、作業機3の目標位置との関係をオペレータが変更してもよい。
さらに、本発明は、ブームレバー41およびバケットレバー42の手動操作を許容したセミオート制御であるため、手動操作によって作業機3が目標位置に到達した距離を記憶手段150に記憶し、記憶手段150に記憶された距離によって前記距離係数K1〜K4の数値等を変更し、各作業に応じたホイールローダ1の移動距離と、作業機3の目標位置との関係をオペレータが変更してもよい。例えば、前記積荷前進制御では、K1が0.5であるため、ホイールローダ1がL2の中間地点に移動するまでは作業機3を目標位置TP1に維持していたが、オペレータが中間地点に移動する前、例えば、0.4×L2の地点でブームレバー41を操作して目標位置TP2に向かって作業機3を移動した場合には、前記距離係数K1を0.4に変更して設定すればよい。これにより、作業機3のセミオート制御時に、各オペレータの操作の好みを反映した制御を実現することができる。
なお、前記実施形態では、作業機3の制御中に、ブームレバー41やバケットレバー42による手動操作が介入できるセミオート制御であったが、作業機3の制御には手動操作を介入させない完全な自動制御としてもよいし、セミオート制御と自動制御とを選択できるようにしてもよい。特に、経験の浅いオペレータが操作する場合は、手動操作を介入させることで、作業効率が低下する可能性もある。このような場合は、手動操作を介入させないモードを選択すればよい。
さらに、セミオート制御時のモニタ43に、ホイールローダ1の目標移動距離、実際の移動距離、作業機3の目標位置、実際の位置などを表示して、オペレータをサポートしてもよい。
1…ホイールローダ、3…作業機、10…作業機コントローラ、13…モジュレーションクラッチ、21…油圧ポンプ、22…バケット操作弁、23…ブーム操作弁、24〜27…電磁比例制御弁、31…バケット、32…ブーム、35…バケットシリンダ、36…ブームシリンダ、41…ブームレバー、42…バケットレバー、43…モニタ、44…ブーム角度センサ、45…バケット角度センサ、46…ブームボトム圧センサ、47…エンジンコントローラ、48…トランスミッションコントローラ、49…FRレバー、50…車速センサ、60…ダンプトラック、61…ベッセル、110…作業状態検出手段、111…積荷判別手段、112…前後進判別手段、120…目標設定手段、130…移動距離検出手段、140…作業機制御手段、150…記憶手段、431…セミオートモード選択手段、432…アプローチ長設定手段、435…インジケータ、436…ブザー。

Claims (8)

  1. ブームと、前記ブームに取り付けられた掘削・積込用のバケットとを備えた作業機を有するホイールローダであって、
    前記ホイールローダの作業状態を検出する作業状態検出手段と、
    前記作業状態検出手段で検出される前記作業状態に応じて、前記作業機の目標位置および前記ホイールローダの移動距離との関係を設定する目標設定手段と、
    前記ホイールローダの移動距離を検出する移動距離検出手段と、
    前記移動距離検出手段で検出された移動距離に応じて求められた前記作業機の目標位置に前記ブームおよび前記バケットを移動させる作業機制御手段とを備え、
    前記作業状態検出手段は、
    前記バケットに荷が積込まれているか否かを判別する積荷判別手段と、
    前記ホイールローダの前進および後進を判別する前後進判別手段とを備え、
    前記積荷判別手段で積荷状態であると判別し、かつ、前記前後進判別手段で前進であると判別した場合に、前記作業状態は積荷前進状態であると検出し、
    前記目標設定手段は、前記積荷前進状態に応じて、前記作業機の目標位置および前記ホイールローダの移動距離との関係を設定し、
    前記作業機制御手段は、前記作業状態が前記積荷前進状態である場合に、前記移動距離検出手段で検出された移動距離に応じて求められた前記作業機の目標位置に前記ブームおよび前記バケットを移動させ、
    前記目標設定手段は、
    前記積荷前進状態での目標移動距離である距離L2と、前記距離L2未満の第1中間距離と、前記第1中間距離以上、かつ、前記距離L2未満の第2中間距離とを設定し、
    移動距離が前記第1中間距離未満の場合は、
    前記積荷前進状態に応じた前記ブームの目標位置として、前記ブームが水平となるブーム角度を設定し、
    前記積荷前進状態に応じた前記バケットの目標位置として、前記バケットをチルト位置に維持するバケットシリンダ長を設定し、
    移動距離が前記第1中間距離以上、かつ、前記第2中間距離未満の場合は、
    前記積荷前進状態に応じた前記ブームの目標位置として、前記第1中間距離移動した時点のブーム角度から、前記第2中間距離移動した時点で予め設定された上げポジショナ位置となるブーム角度まで、移動距離に比例してブーム角度を設定し、
    前記積荷前進状態に応じた前記バケットの目標位置として、前記ブーム角度に連動して前記バケットをチルト位置に維持するバケットシリンダ長を設定し、
    移動距離が前記第2中間距離以上、かつ、前記距離L2以下の場合は、
    前記積荷前進状態に応じた前記ブームの目標位置として、前記上げポジショナ位置のブーム角度を設定し、
    前記積荷前進状態に応じた前記バケットの目標位置として、前記バケットをチルト位置に維持するバケットシリンダ長を設定する
    ことを特徴とするホイールローダ。
  2. 請求項1に記載のホイールローダにおいて、
    前記作業状態検出手段は
    記積荷判別手段で積荷状態であると判別し、かつ、前記前後進判別手段で後進であると判別した場合に、前記作業状態は積荷後進状態であると検出し、
    前記目標設定手段は、前記積荷後進状態に応じて、前記作業機の目標位置および前記ホイールローダの移動距離との関係を設定し、
    前記作業機制御手段は、前記作業状態が前記積荷後進状態である場合に、前記移動距離検出手段で検出された移動距離に応じて求められた前記作業機の目標位置に前記ブームおよび前記バケットを移動させる
    ことを特徴とするホイールローダ。
  3. ブームと、前記ブームに取り付けられた掘削・積込用のバケットとを備えた作業機を有するホイールローダであって、
    前記ホイールローダの作業状態を検出する作業状態検出手段と、
    前記作業状態検出手段で検出される前記作業状態に応じて、前記作業機の目標位置および前記ホイールローダの移動距離との関係を設定する目標設定手段と、
    前記ホイールローダの移動距離を検出する移動距離検出手段と、
    前記移動距離検出手段で検出された移動距離に応じて求められた前記作業機の目標位置に前記ブームおよび前記バケットを移動させる作業機制御手段とを備え、
    前記作業状態検出手段は、
    前記バケットに荷が積込まれているか否かを判別する積荷判別手段と、
    前記ホイールローダの前進および後進を判別する前後進判別手段とを備え、
    前記積荷判別手段で空荷状態であると判別し、かつ、前記前後進判別手段で後進であると判別した場合に、前記作業状態は空荷後進状態であると検出し、
    前記目標設定手段は、前記空荷後進状態に応じて、前記作業機の目標位置および前記ホイールローダの移動距離との関係を設定し、
    前記作業機制御手段は、前記作業状態が前記空荷後進状態である場合に、前記移動距離検出手段で検出された移動距離に応じて求められた前記作業機の目標位置に前記ブームおよび前記バケットを移動させ、
    前記目標設定手段は、
    前記空荷後進状態での目標移動距離である距離L2と、前記距離L2未満の第3中間距離と、前記第3中間距離以上、かつ、前記距離L2未満の第4中間距離とを設定し、
    移動距離が前記第3中間距離未満の場合は、
    前記空荷後進状態に応じた前記ブームの目標位置として、前記ブームが予め設定された上げポジショナ位置となるブーム角度を設定し、
    前記空荷後進状態に応じた前記バケットの目標位置として、前記空荷後進状態の移動開始時のバケットシリンダ長から、前記ホイールローダが前記第3中間距離移動した時点で前記バケットが予め設定された初期位置となるバケットシリンダ長まで、移動距離に比例してバケットシリンダ長を設定し、
    移動距離が前記第3中間距離以上、かつ、前記第4中間距離未満の場合は、
    前記空荷後進状態に応じた前記ブームの目標位置として、前記第3中間距離移動した時点のブーム角度から、前記第4中間距離移動した時点の前記ブームが水平となるブーム角度まで、移動距離に比例してブーム角度を設定し、
    前記空荷後進状態に応じた前記バケットの目標位置として、前記バケットを予め設定された初期位置に維持するバケットシリンダ長を設定し、
    移動距離が前記第4中間距離以上、かつ、前記距離L2以下の場合は、
    前記空荷後進状態に応じた前記ブームの目標位置として、前記第4中間距離移動した時点のブーム角度から、前記距離L2移動した時点の前記ブームが予め設定された下げポジショナ位置となるブーム角度まで、移動距離に比例してブーム角度を設定し、
    前記空荷後進状態に応じた前記バケットの目標位置として、前記バケットを予め設定された初期位置に維持するバケットシリンダ長を設定する
    ことを特徴とするホイールローダ。
  4. 請求項2に記載のホイールローダにおいて、
    前記目標設定手段は、
    前記積荷後進状態に応じた前記ブームの目標位置として、前記積荷後進状態の移動開始時のブーム角度から、前記ホイールローダが距離L1を移動した際に前記ブームが水平となるブーム角度まで、移動距離に比例してブーム角度を設定し、
    前記積荷後進状態に応じた前記バケットの目標位置として、前記ブーム角度に連動して前記バケットをチルト位置に維持するバケットシリンダ長を設定する
    ことを特徴とするホイールローダ。
  5. 請求項1に記載のホイールローダにおいて、
    前記ブームの現在位置を検出するブーム位置検出手段と、
    前記バケットの現在位置を検出するバケット位置検出手段とを備え、
    前記目標設定手段は、
    前記移動距離検出手段で検出された現在の移動距離に応じて前記ブームおよび前記バケットの現在の目標位置を算出し、
    前記作業機制御手段は、
    前記ブームの現在の目標位置と前記ブーム位置検出手段で検出された現在位置との偏差量と、前記バケットの現在の目標位置と前記バケット位置検出手段で検出された現在位置との偏差量とを算出し、
    前記偏差量に基づいて前記ブームおよび前記バケットを移動させる
    ことを特徴とするホイールローダ。
  6. 請求項1に記載のホイールローダにおいて、
    前記ブームを操作するブームレバーと、
    前記バケットを操作するバケットレバーとを備え、
    前記作業機制御手段は、前記ブームレバーおよびバケットレバーの手動操作による操作量を加算して前記作業機を移動させる
    ことを特徴とするホイールローダ。
  7. 請求項1に記載のホイールローダにおいて、
    前記ブームを操作するブームレバーと、
    前記バケットを操作するバケットレバーとを備え、
    前記作業機制御手段は、前記ブームレバーおよびバケットレバーの手動操作による操作
    量が加算された場合は、前記作業機が目標位置に移動した移動距離を記憶し、
    前記目標設定手段は、前記作業機の位置および前記ホイールローダの移動距離との関係における前記ホイールローダの移動距離を、前記作業機が目標位置に移動したときに記憶した移動距離で補正する
    ことを特徴とするホイールローダ。
  8. ブームと、前記ブームに取り付けられたバケットとを備えた作業機を有するホイールローダであって、
    前記ブームを操作するブームレバーと、
    前記バケットを操作するバケットレバーと、
    前記ホイールローダの作業状態を検出する作業状態検出手段と、
    前記作業状態検出手段で検出される前記作業状態に応じて、前記作業機の目標位置および前記ホイールローダの移動距離との関係を設定する目標設定手段と、
    前記ホイールローダの移動距離を検出する移動距離検出手段と、
    前記移動距離検出手段で検出された移動距離に応じて求められた前記作業機の目標位置に前記ブームおよび前記バケットを移動させる作業機制御手段とを備え、
    前記作業状態検出手段は、
    前記バケットに荷が積込まれているか否かを判別する積荷判別手段と、
    前記ホイールローダの前進および後進を判別する前後進判別手段とを備え、
    前記積荷判別手段で積荷状態であると判別し、かつ、前記前後進判別手段で前進であると判別した場合に、前記作業状態は積荷前進状態であると検出し、
    前記目標設定手段は、前記積荷前進状態に応じて、前記作業機の目標位置および前記ホイールローダの移動距離との関係を設定し、
    前記作業機制御手段は、前記作業状態が前記積荷前進状態である場合に、前記移動距離検出手段で検出された移動距離に応じて求められた前記作業機の目標位置に前記ブームおよび前記バケットを移動させ、
    前記目標設定手段は、
    前記積荷前進状態での目標移動距離である距離L2と、前記距離L2未満の第1中間距離と、前記第1中間距離以上、かつ、前記距離L2未満の第2中間距離とを設定し、
    移動距離が前記第1中間距離未満の場合は、
    前記積荷前進状態に応じた前記ブームの目標位置として、前記ブームが水平となるブーム角度を設定し、
    前記積荷前進状態に応じた前記バケットの目標位置として、前記バケットをチルト位置に維持するバケットシリンダ長を設定し、
    移動距離が前記第1中間距離以上、かつ、前記第2中間距離未満の場合は、
    前記積荷前進状態に応じた前記ブームの目標位置として、前記第1中間距離移動した時点のブーム角度から、前記第2中間距離移動した時点で予め設定された上げポジショナ位置となるブーム角度まで、移動距離に比例してブーム角度を設定し、
    前記積荷前進状態に応じた前記バケットの目標位置として、前記ブーム角度に連動して前記バケットをチルト位置に維持するバケットシリンダ長を設定し、
    移動距離が前記第2中間距離以上、かつ、前記距離L2以下の場合は、
    前記積荷前進状態に応じた前記ブームの目標位置として、前記上げポジショナ位置のブーム角度を設定し、
    前記積荷前進状態に応じた前記バケットの目標位置として、前記バケットをチルト位置に維持するバケットシリンダ長を設定し、
    前記ブームレバーおよびバケットレバーの手動操作があった場合に、前記作業機の手動操作前の現在位置と目標位置との偏差を求め、前記作業機の手動操作後の現在位置に前記偏差を加算した新たな目標位置を設定し、この新たな目標位置を用いて前記作業機の目標位置および前記ホイールローダの移動距離との新たな関係を設定する
    ことを特徴とするホイールローダ。
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