JPH0585230A - 建設車両の制御装置 - Google Patents

建設車両の制御装置

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Publication number
JPH0585230A
JPH0585230A JP3252133A JP25213391A JPH0585230A JP H0585230 A JPH0585230 A JP H0585230A JP 3252133 A JP3252133 A JP 3252133A JP 25213391 A JP25213391 A JP 25213391A JP H0585230 A JPH0585230 A JP H0585230A
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JP
Japan
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speed
working machine
boom
engine
operation amount
Prior art date
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Pending
Application number
JP3252133A
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English (en)
Inventor
Katsuhiro Kamikawa
勝洋 上川
Shinichi Hitomi
伸一 人見
Toyoichi Ono
豊一 小野
Kenji Tanabe
賢司 田辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Publication date
Application filed by Komatsu Ltd filed Critical Komatsu Ltd
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Publication of JPH0585230A publication Critical patent/JPH0585230A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】建設車両の作業効率向上とオペレータの負担軽
減を図る。 【構成】CPU15において実車速センサ21の出力に
基づきブームが移動していないことが検出されると、時
間経過とともにエンジン回転数を上昇させる指令がアク
セルペダル30に出力される。この結果、ブーム用油圧
シリンダに供給される圧油の流量が増加してやがてブー
ムは迅速に目標値に到達することになる。また、CPU
15においてアクセルペダル30に対する操作量が最大
値となっており、ブームがいまだ目標角度に到達してい
なことが検出されると、エンジン回転数を増大させる指
令がアクセルペダル30に出力される。この結果、ブー
ムは目標角度に迅速に到達することになるが、同時に車
速も増大することになる。しかし、増大した車速を目標
車速に修正するブレーキ制御が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建設車両の制御装置に
関し、特に作業機の位置を目標位置まで移動させる制御
を行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】作業機を具えた建設車両、たとえばブー
ム(リフトアーム)、バケットからなる作業機を具えた
ホイールローダでは、作業機の位置、つまり上記ブー
ム、バケットの姿勢角度を作業に適した目標位置まで移
動させる必要がある。
【0003】かかる作業機の位置制御の方式としては、
古くは、作業機に近接スイッチを設けるとともに、作業
機を駆動させる作業機用操作レバーを手動操作して、上
記近接スイッチで設定された目標位置に作業機に達した
とき同スイッチが動作し、上記操作レバーをニュートラ
ル位置に戻して作業機を目標位置に停止させるようにし
たものがある。
【0004】しかし、この方式では、作業機の目標位置
が近接スイッチの取り付け位置によって固定されてしま
い、目標位置の設定の柔軟性に乏しく、オペレータが望
む任意の位置に目標位置を設定したいという要求に応え
ることができない。
【0005】そこで、近年、建設車両において、作業機
の位置を検出する位置センサを設け、任意の値に目標位
置を可変設定し、この目標位置と位置センサで検出され
る現在位置との偏差に応じて作業機の位置を自動制御す
る試みが本出願人によってなされている。
【0006】ところで、建設車両はその性質上、エンジ
ンを駆動源として、油圧ポンプ、油圧シリンダ等の油圧
アクチュエータを介して作業機が駆動されるようになっ
ている。このため、油圧ポンプと油圧アクチュエータと
の間に設けられた操作弁の操作量の大きさによって油圧
アクチュエータに供給される圧油の流量が変化して作業
機の移動速度が変化してしまうばかりでなく、エンジン
の回転数の大きさによっても油圧ポンプから吐出される
流量が変化してしまい、結果として油圧アクチュエータ
に供給される圧油の流量が変化して作業機の移動速度が
変化してしまうことになる。したがって、上記作業位置
を自動制御する際、操作弁の操作量の制御と同時にエン
ジン回転数をも制御する必要がある。
【0007】また、エンジンは作業機を駆動するばかり
でなく、車両走行、あるいはステアリング駆動のための
駆動源としても用いられる。すなわち、エンジンの駆動
力はトルクコンバータを介してトランスミッションへ伝
達され、さらにデファレンシャルギヤ等を介して駆動輪
を駆動するとともに、油圧ポンプから吐出される圧油が
ステアリングを駆動する油圧アクチュエータに供給され
てステアリングを駆動する。
【0008】オペレータとしては建設車両を運転する
際、各種操作レバー、操作ペダルを駆使して車両走行、
作業機移動、ステアリングの同時操作を行なうことにな
るが、ここで、上記するように駆動源が共通のエンジン
となっているため、各系統のパワーの配分を感覚的、経
験的に覚え、各系統の動作が最適に行われる操作手法を
経験を積んで学習していくという試練を受けねばならな
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のように建設車両
は油圧駆動であるということから、油圧駆動の特性ゆえ
作業機の位置を自動制御する際、同じ操作量で操作弁の
スプールを駆動し、同じ回転数にエンジン回転数を設定
したとしても、作動油の温度、油圧駆動系の劣化度合い
等によって作業機の移動速度が異なることがあったり、
また全く作業機が動かないことさえある。そこで、これ
ら作動油の温度等の影響にかかわらず、作業機の位置制
御を迅速かつ確実に行うことができる装置の開発が望ま
れ、本発明はこれを実現することを第1の目的としてい
る。
【0010】また、建設車両では、駆動源が共通のもの
であるため、オペレータによる複合的な操作の際、作業
機の位置制御のスピードアップのためアクセルペダルを
踏み込んだとしてもこれが走行系に影響を与え、位置制
御のスピードアップと同時に車速も増大させてしまうこ
とになる。このため、オペレータとしては車速を目標車
速に修正すべく、再度アクセル操作量低減操作、あるい
はブレーキ操作を行う必要がある。このような複雑な操
作をオペレータに強いるのは酷であるとともに、熟練を
必要とし、操作の確実性にも欠けることになる。したが
って、オペレータに複雑な操作の負担を課すことなく、
位置制御のスピードアップの向上と同時に車速制御とが
自動的に確実になされる装置の開発が望まれる。本発明
はこれを実現することを第2の目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の第1発
明では、エンジンにより駆動される油圧ポンプと、この
油圧ポンプから吐出される圧油が加えられ、作業機を駆
動する油圧アクチュエータに対して操作量に応じた流量
の圧油を供給して前記作業機の移動速度を可変する操作
弁と、前記エンジンの回転数を操作量に応じた大きさに
設定するエンジン回転数設定手段とを有し、前記作業機
の目標位置と現在位置との偏差に応じた操作量を前記操
作弁に付与することにより前記作業機の位置を制御する
ようにした建設車両の制御装置において、前記作業機が
移動しているか否かを検出する作業機移動検出手段を具
え、前記作業機を駆動するための操作量が前記操作弁に
付与され、かつ前記作業機移動検出手段によって前記作
業機が移動していないことが検出された場合に、前記作
業機移動検出手段によって前記作業機が移動しているこ
とが検出されるまで前記エンジン回転数設定手段に付与
する操作量を漸増して前記エンジンの回転数を増大させ
るようにしている。
【0012】また、本発明の第2発明では、エンジンの
駆動力が入力され、選択された速度段に対応する減速比
で駆動輪を駆動するトランスミッションと、前記駆動輪
を制動するブレーキ手段と、前記エンジンにより駆動さ
れる油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出される圧油
が加えられ、作業機を駆動する油圧アクチュエータに対
して操作量に応じた流量の圧油を供給して前記作業機の
移動速度を可変する操作弁と、前記エンジンの回転数を
操作量に応じた大きさに設定するエンジン回転数設定手
段とを有し、前記作業機の目標位置と現在位置との偏差
に応じた操作量を前記操作弁に付与することにより前記
作業機の位置を制御するようにした建設車両の制御装置
において、前記操作弁に付与される操作量が所定の操作
量以上であり、かつ前記偏差が所定値以下に達していな
い場合に、前記偏差が前記所定値以下に達するまで前記
エンジン回転数設定手段に付与する操作量を漸増して前
記エンジンの回転数を増大させる回転数漸増手段と、前
記建設車両の車速を検出する車速検出手段と、前記回転
数漸増手段により前記エンジンの回転数が増大した場合
に、前記建設車両の車速が目標車速となるように該目標
車速と前記車速検出手段の検出車速との偏差に応じた制
動力が前記ブレーキ手段で得られるよう該ブレーキ手段
を駆動制御する手段とを具えるようにしている。
【0013】
【作用】かかる第1発明の構成によれば、作業機を駆動
させるために、作業機の目標位置と現在位置との偏差に
応じた操作量が操作弁に付与されており、エンジン回転
数設定手段において所定のエンジン回転数が設定されて
いたとしても、作動油の温度等に起因して作業機が全く
動かないことが作業機移動検出手段により検出される
と、この作業機移動検出手段によって作業機が移動して
いることが検出されるまでエンジン回転数設定手段に付
与する操作量を漸増させる。この結果、エンジン回転数
が上記所定のエンジン回転数から増大して作業機に供給
される圧油の流量が増加することになり、やがて作業機
が移動する。すなわち、作動油の温度等の影響にかかわ
らず作業機が確実に移動され、位置制御のスピードアッ
プが図られる。
【0014】また、第2発明の構成によれば、作業機を
駆動させるために、作業機の目標位置と現在位置との偏
差に応じた操作量が操作弁に付与されており、しかもこ
の操作量が所定の操作量以上になったとしても作業機の
目標位置と現在位置との偏差が所定値以下に達するまで
に収束していない場合には、エンジンのパワーが他の駆
動系(走行系あるいはステアリング系)にも配分されて
おり、もはや作業機に配分されたエンジンパワーだけで
は位置制御を行うに十分でないと判断する。そこで、作
業機に供給されるエンジンパワーを増大すべく、上記偏
差が所定値以下に収束するまでエンジン回転数設定手段
に付与する操作量を漸増する。この結果、エンジンの回
転数が増大し、作業機に供給される圧油の流量が増加し
て、やがて作業機が目標位置に達する(偏差が所定値以
内に収束する)ことになる。
【0015】しかし、ここでエンジン回転数が増大して
しまったので、車速も同時に増加してしまうことにな
る。そこで、建設車両の目標車速と車速検出手段で検出
された車速との偏差に応じた制動力が与えられて建設車
両の車速が目標車速に修正される。すなわち、位置制御
のスピードアップが達成されるとともに、位置および車
速の同時制御が達成される。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明に係る建設車両
の制御装置の実施例について説明する。
【0017】図1は実施例の装置構成をブロック図にて
示したものであり、同図(a)は建設車両、たとえばホ
イールローダに搭載されるとする制御装置の構成を概念
的に示したものであり、同図(b)はホイールローダの
パワートレインの構成を概念的に示したものである。な
お、ホイールローダは作業機として、ブーム(リフトア
ーム)とバケットとを具えている。
【0018】同図に示すように実施例のホイールローダ
(以下、単に車両という)は、エンジン1を駆動源とし
て、走行、操舵、作業機の駆動等が行われるものであ
り、エンジン1にはこのエンジン1の回転数をアクセル
ペダル30で設定された回転数に調整するガバナ2が付
設されている。そしてガバナ2を介して図示せぬ燃料噴
射ポンプの燃料噴射量が調整され、エンジン1の回転数
が上記設定回転数にされる。アクセルペダル30は、オ
ペレータの踏込操作によりエンジン回転数を設定するこ
とができるが、この実施例では後述するようにコントロ
ーラ14からアクセルペダル30に対して回転数設定指
令電圧Vaが加えられることによりこの指令電圧Vaの
大きさに応じてアクセルペダル30の操作量が調整さ
れ、この調整された操作量に応じてガバナ2が駆動さ
れ、エンジン回転数が上記指令値Vaに応じた回転数に
自動設定されるようになっている。
【0019】エンジン1で発生した出力(パワー)P
は、それぞれトルクコンバータ3および油圧ポンプ4に
パワーP1、P2に配分されて伝達される。
【0020】トルクコンバータ3には、エンジン1の出
力軸の回転力が入力され、この回転力を後段のトランス
ミッション5に伝達する。トランスミッション5は、そ
れぞれ異なる速度段を選択する変速クラッチ1st、2
nd、3rdと、前進走行または後進走行を選択する前
・後進クラッチF、Rとを中心に構成されており、トラ
ンスミッション5に対して後述するコントラーラ14か
らクラッチ選択信号C1 、C2 が加えられることにより
対応するクラッチに圧油が供給されてクラッチが係合し
て、最適速度段が選択される。すなわち、上記前進クラ
ッチFを係合する内容のクラッチ選択信号C1 が入力さ
れると、前進走行状態になるとともに、各変速クラッチ
1st、2nd、3rdのいずれかを係合させる内容の
クラッチ選択信号C2 が入力されると、選択されたクラ
ッチに対応する減速比でトランスミッション5の出力軸
が回転する。逆に、クラッチ選択信号C1 の内容が後進
クラッチRを係合させる内容であるならば、後進クラッ
チRが係合することにより車両は後進走行状態になる。
【0021】なお、クラッチ選択信号C1 の内容が前・
後進クラッチF、Rのいずれも選択しない内容である場
合は、ニュートラル位置にシフトポジションが選択され
た場合であり、トランスミッション5から後段へ動力が
伝達されず、車両は停止する。
【0022】トランスミッション5の出力は、差動装
置、終減速機6を介して駆動輪7に伝達される。そし
て、この駆動輪7には図示せぬ油圧のブレーキ機構で発
生するブレーキ力が付与され、制動される。このブレー
キ機構はブレーキペダル31がオペレータにより踏み込
み操作されることにより駆動され、踏込操作量に対応す
るブレーキ力を発生するが、この実施例ではブレーキペ
ダル31の操作量がコントローラ14から出力されるブ
レーキ力設定指令電圧Vbに応じて設定され、指令電圧
Vbに応じた油圧力で駆動輪7が制動されるようになっ
ている。
【0023】さて、一方、エンジン1により駆動される
油圧ポンプ4の吐出圧油は、それぞれステアリング用操
作弁8、ブーム用操作弁9、バケット用操作弁10に加
えられる。各操作弁8、9、10は後述するようにコン
トローラ14から出力されるステアリング移動速度指令
電圧Vs、ブーム移動速度指令電圧Vbm、バケット移
動速度指令電圧Vbkの大きさに応じた操作量だけスプ
ールが操作されるものであり、操作弁8、9、10が駆
動すると、その操作量に応じた流量の圧油がそれぞれス
テアリング用油圧シリンダ11、ブーム用油圧シリンダ
12、バケット用油圧シリンダ13の各油室に供給さ
れ、供給される圧油の流量に応じた速度でシリンダのロ
ッドが移動する。
【0024】このため、指令電圧Vs、Vbm、Vbk
が操作弁中立位置に対応する操作量を示すものであるな
らば、ステアリングは現在の舵角が保持され、この保持
した舵角の方向に車両が走行するとともに、ブーム、バ
ケットの作業機は現在の姿勢角度を保持することにな
る。一方、指令電圧Vsが中立位置に対応する電圧より
も大きい電圧であるならば、ステアリングが右方向に指
令電圧Vsに応じた移動速度で操舵され、逆に指令電圧
Vsが中立位置に対応する電圧よりも小さい電圧である
ならば、ステアリングが左方向に指令電圧Vsに応じた
移動速度で操舵される。ブーム、バケットの作業機も同
様に指令電圧Vbm、Vbkが中立位置に対応する電圧
よりも大きい電圧となっているならば、油圧シリンダ1
2、13が伸長して作業機を指令電圧Vbm、Vbkに
応じた移動速度で上昇させるとともに、逆に指令電圧V
bm、Vbkが中立位置に対応する電圧よりも小さい電
圧となっているならば、油圧シリンダ12、13が縮退
して作業機を指令電圧Vbm、Vbkに応じた移動速度
で下降させる。なお、各操作弁8、9、10は対応する
操作レバーによる手動操作が可能となっている。
【0025】エンジンパワーの観点からみると油圧ポン
プ4に供給されたエンジンパワーP2は、さらにP2
1、P22、P23にそれぞれ配分されて油圧シリンダ
11、12、13にそれぞれ供給されることになる。
【0026】さて、同図(a)の制御装置は、上述した
各指令Vs、Vbm、Vbk、Va、Vb、C1 、C2
を出力するものであり、コントローラ14を中心に構成
されている。
【0027】ブームには、その移動位置、つまり車体に
対する姿勢角度θrを検出する回転位置センサ19(た
とえば、回動支点に設けられたポテンショメータ)が配
設されている。ここで、ブームの回転角速度ωrはセン
サ19の出力θrを微分することにより容易に求めるこ
とができる。
【0028】バケットにも同様にブームに対するバケッ
トの姿勢角度φrを検出する回転位置センサ20が配設
されており、バケットの回転角速度γrもセンサ20の
出力φrを微分することにより求められる。
【0029】駆動輪7には、車輪の回転速度を検出する
ことにより車速vrを検出する実車速センサ21(たと
えば、電磁ピックアップが使用される)が付設されてい
る。そして、車両は、アーティキュレート(関節)型の
車両であり、ステアリンク機構がセンタピボットステア
リング式であるため、車両の前後の車体を連結するピボ
ットピンには、前後車体の屈曲角を検出することにより
ステアリング角度Φrを検出するステアリング角センサ
22(たとえば、ポテンショメータが使用される)が付
設されている。
【0030】上記ブーム回転位置センサ19、バケット
回転位置センサ20、実車速センサ21、ステアリング
角センサ22の出力は、入力部17でアンプ、A/Dコ
ンバータ等により所要のディジタル信号に変換されて、
CPU15に入力される。
【0031】メモリ16には、CPU15を動作させる
ためのプログラム等が格納されており、CPU15はメ
モリ16の記憶プログラムに応じて後述する図2、図
6、図9、図11、図13に示す処理を実行する。
【0032】すなわち、CPU15の処理実行によって
ステアリングを駆動するステアリング移動速度指令信号
Vs、ブームを移動させるブーム移動速度指令信号Vb
m、バケットを移動させるバケット移動速度指令信号V
bk、エンジン1の回転数を設定する回転数設定指令信
号Va、ブレーキ機構を駆動するブレーキ力設定指令信
号Vb、車両の前進または後進を選択するクラッチ選択
信号C1、速度段を選択するクラッチ選択信号C2 が生
成され、これら各信号がD/Aコンバータ、アンプ等か
らなる出力部18を介して所要レベルの電圧に変換さ
れ、対応する比例電磁弁23、24、25、26、2
6、27、28、29に出力される。しかして、これら
電磁弁が加えられた電圧に応じて各電磁弁23〜29が
付勢されて上記操作弁8、9、10が動作され、アクセ
ルペダル30、ブレーキペダル31の操作量が調整さ
れ、そしてトランスミッション5の各クラッチに係合用
の圧油が供給される。
【0033】なお、車両は、地面に敷設された図示せぬ
誘導ケーブルから発生する磁界を車体下方において左右
に配設された1対のピックアップコイルで検出し、この
検出結果に基づき誘導ケーブルに対する車体のずれが補
正されるようステアリングが操舵され誘導走行される。
しかし、この種の無人誘導走行方式は、本出願人の特許
出願等によりすでに公知であり、本発明の主旨とは直接
関係してこないので詳しい説明は省略する。以下、かか
る構成に基づく第1の実施例および第2の実施例につい
て説明する。
【0034】・第1の実施例 以下、図2のフローチャートおよび図3〜図5のグラフ
を併せ参照して、第1の実施例について説明する。
【0035】図2に示すように、まず、コントローラ内
14のカウンタ、つまりクロックパルス信号をカウント
することにより時間Tを計測するカウンタのカウント値
が零にクリヤされる(ステップ101)。ここで、作業
機、たとえばブームの目標角度θgが所定の入力操作に
より設定される(ステップ102)。
【0036】つぎに、ブームの回転角度θrが目標角度
θgに達したか否かを判断するための上限不感帯幅θd
+、下限不感帯幅θd-が所定の入力操作により設定され
る。なお、これら不感帯幅θd-、θd+は自由に変更する
ことができ、ブームを目標角度θgに正確に停止させた
いときには、不感帯幅を小さい値に設定すればよく、目
標角度θg付近にラフに停止させたいときには、不感帯
幅を大きい値に設定すればよい(ステップ103)。つ
ぎに、ブーム回転位置センサ19の検出値θrを入力し
て、入力したブーム現在角度θrが、目標角度をθgを
中心とする上限不感帯θd+、下限不感帯θd-内の範囲に
入っているか否かが、つまり下記(1)式の関係が満た
されているか否かが判断される。
【0037】 θgーθd-<θr <θg+θd+ …(1) (ステップ104) 上記(1)式の関係が満たされたならば、ブームは目標
角度θgにほぼ達しており、もはやブームを移動させる
必要がないので、ブーム用操作弁9を中立位置にするた
めのブーム移動速度指令電圧VbmN がコントローラ1
4から出力され、ブームは現在位置に保持される(図3
のVbmN 参照)。
【0038】一方、エンジン回転数を設定するための指
令電圧Vaについてみてみると、ブーム移動速度指令電
圧Vbmが出力された状態でブームが移動している通常
の状態では、図4(a)に示すように、ブームの目標角
度θgと現在角度θrとの偏差θε=θgーθrが零よ
りも大きければ、一定電圧Va0 がアクセルペダル30
に付与されている。このため、アクセルペダル30は電
圧Va0 に応じた一定操作量に調整され、エンジン1の
回転数は一定電圧Va0 に応じた一定回転数に維持され
ている。つまり、エンジン1では、この電圧Va0 の大
きさに応じたエンジンパワーをPを出力しており、これ
は、作業機を駆動するに十分な大きさとなっている。ま
た、ブーム角度偏差θεが零以下マイナスになる場合
は、ブームを下降させる場合であり、下降するときはブ
ームは自重により自然に降下するので、エンジンパワー
は最低でもよく指令電圧Vaを零にしてエンジン回転数
をアイドリング状態に設定している(同4図(a)参
照)。
【0039】上記(1)式が満たされていないと判断さ
れたならば、以下のように(1)式が満たされるまで、
指令電圧Vbmおよび指令電圧Vaが下記のように生成
され、出力される。
【0040】すなわち、ブーム角度偏差θε=θgーθ
rが演算され(ステップ106)、この偏差θεに応じ
た指令電圧Vbmが図3の関係に基づき求められ、この
指令電圧Vbmがブーム用操作弁9に出力される。な
お、図3の関係を予めメモリ16に記憶させておき、こ
れを読み出すことにより指令電圧Vbmを求めてもよ
く、また図3の関係を演算により求めるようにしてもよ
い。図3に示す関係から明かなように偏差θεが上限不
感帯幅θd+よりも大きいプラス極性であるならば、その
偏差の大きさに比例して指令電圧Vbmは上昇すること
になり、電圧Vbmに応じた操作量でブーム用操作弁9
が駆動される。このため、偏差θεの大きさに比例した
速度でブーム用油圧シリンダ12が伸長して、ブームを
該偏差θεに比例した移動速度で上昇させる。
【0041】逆に、偏差θεの絶対値が下限不感帯幅θ
d-よりも大きくなり、マイナス極性であるならば、その
偏差の絶対値の大きさに比例して指令電圧Vbmは減少
することになり、電圧Vbmに応じた操作量でブーム用
操作弁9が駆動される。このため、偏差θεの絶対値の
大きさに比例した速度でブーム用油圧シリンダ12が縮
退して、ブームを該偏差θεの絶対値に比例した移動速
度で下降させる。
【0042】ここで、作業機たるブームは油圧駆動であ
るため、油温による油の粘性の変化、油圧駆動系の劣化
等の影響を受ける。このため、油温の大きさ等によって
はアクセルペダル30に上記一定電圧Va0 を付与し
て、エンジン1に所定のパワーPを発生させたとしても
ブームが全く動かないことがある。そこで、ブームに移
動指令が出力された時点からの時間を計測すべく上記カ
ウンタによるカウントが開始される(ステップ10
7)。
【0043】つぎにカウンタのカウント値Tが零より大
きいか否かが判断される(ステップ108)が、最初は
カウント値Tは零であるので、図4(a)に示すように
一定指令値Va0 が出力されることになる(ステップ1
09)。
【0044】つぎに、ブーム回転位置センサ19から現
在角度θrが入力され(ステップ111)、微小時間Δ
Tだけ待って、再度角度θrが入力される(ステップ1
12)。
【0045】つぎにステップ111、112で入力され
た角度θrを比較して、ブームが移動したか否かが判断
される(ステップ113)。ここでブームが移動したと
判断されたばらば、再びステップ105に移行され、ブ
ームが移動していると判断されている限りにおいて、ス
テップ105〜108、109、111〜113の処理
が繰り返し実行され、やがてステップ105においてブ
ームは目標角度θgに達したと判断され、処理が終了す
る。このように指令電圧Va0 に応じた回転数でブーム
が確実に移動していれば、特に問題ないのであるが、上
述するように油温等の影響によりステップ113におい
てブームが移動していないと判断されることがある。
【0046】この場合は、つぎのステップ114におい
てカウンタのカウント値に上記微小時間ΔTが加算さ
れ、カウント値Tがインクリメントされる(ステップ1
14)。そしてカウント値Tが予設定された最大値Tm
axよりも小さいか否かが判断さ(ステップ115)、
最大値Tmaxよりも小さければ、ステップ105に再
び移行される。
【0047】すると、今度はステップ108においてカ
ウント値Tが零よりも大きいと判断されるので、手順は
ステップ110に移行され、図4(b)に示すような関
係に基づきカウント値Tの大きさに応じた指令電圧Va
が求められ、これがアクセルペダル30に出力される。
【0048】同図(b)に示すようにカウント値Tと指
令電圧Vaとの関係は、カウント値Tに比例して指令電
圧Vaが初期値Va0 から大きくなり、カウント値Tが
最大値Tmaxとなった時点以後は、指令電圧Vaが最
大値Vamaxとなるような関係となっている。
【0049】すなわち、この関係の意味するところは、
ブームがステップ113において移動してないと判断さ
れている限りは、つぎのステップ114においてカウン
ト値Tに微小時間ΔTが逐次加算されカウント値Tが徐
徐に大きくなり、指令電圧Vaが漸増していくというこ
とである。したがって、ブームが動かないでいると、時
間経過とともに、エンジン回転数が漸増して、ブーム用
油圧シリンダ12に供給される圧油の流量が増加してエ
ンジンパワーが増大していくので、やがてブームとして
はどんなに油温が低かろうが確実に移動することにな
る。
【0050】このように油温等の影響により最初は動か
なかったブームもパワー増大により迅速に移動する。
【0051】なお、エンジン回転数を漸増していっても
まったくブームが動かなく、カウンタのカウント値Tが
最大値Tmaxに達してしまうような場合には(ステッ
プ115の判断YES)、故障と判断して、処理を中止
するなど適宜な処理を実行する。図5は、上記図2に示
す処理が故障と判断されることなく実行された場合にお
けるブーム角度θrの時間変化の様子を示したのであ
る。
【0052】すなわち、この実施例では、偏差θεが大
きい場合には、ブームの移動速度を大きくする指令電圧
Vbmを出力するとともに(図3参照)、仮にブームが
動かなければ時間経過に応じてエンジンパワーを漸増さ
せる指令電圧Vaを出力するようにしているので(図4
(b)参照)、領域Aに示すように立ち上がり時間が速
く、また、目標値θgに近づき偏差θεが小さくなると
ブームの移動速度を小さくする指令電圧Vbmを出力す
るようにしているので(図3参照)、領域Bに示すよう
にブームはゆっくりと滑らかに動いて目標値θgにオー
バーシュートなく達することになる。
【0053】このようにこの実施例によれば、油温等の
影響にかかわりなく、作業機が迅速に立ち上がるととも
に、迅速かつオーバーシュートなく滑らかに目標値に達
することができ、作業機による作業効率の向上が図られ
る。なお、この実施例では、作業機としてブームの一方
のみについて説明したが、バケットについても同様の処
理が実行される。そして同様に油温等の影響のかかわり
なくバケット位置を迅速かつ精度よく制御することがで
きる。
【0054】・第2の実施例 まず、この第2の実施例に適用される原理について説明
する。
【0055】いま、前述したようにエンジン1のパワー
をP、車両の走行に使われるパワーをP1、油圧モータ
4に使われるパワーをP2とし、さらにP2のうちステ
アリングに使われるパワーをP21、ブームに使われる
パワーをP22、バケットに使われるパワーをP23と
すると、 P=P1+P2 …(2) P2=P21+P22+P23 …(3) P1=j1・P …(4) (ただし、0≦j1≦1) P2=j2・(PーP1)=j2・(1ーj1)・P …(5) (ただし、0≦j2≦1) P21=k1・P2 …(6) (P21=k1・j2・(1ーj1)・P) (ただし、0≦k1≦1) P22=k2・(P2ーP21)=k2・(1ーk1)・P2 …(7) (P22=k2・(1ーk1)・j2・(1ーj1)・P) (ただし、0≦k2≦1) P23=k3・(P2ーP21ーP22) =k3・(P2ーk1・P2ーk2・(1ーk1)・P2) =k3・(1ーk1ーk2・(1ーk1))・P2 …(8) (P23=k3・(1ーk1ーk2・(1ーk1))・j2・(1ーj1)・ P) (ただし、0≦k3≦1) という関係が成立する。
【0056】上記式において、j1、j2は、エンジン
パワーPをパワーP1、P2にどのように配分するかを
決定するゲインである。また、k1、k2、k3の値
は、パワーP2をステアリング駆動、ブーム駆動、バケ
ット駆動のぞれぞれにどのように配分するかを決定する
ゲインである。ゲインk1、k2、k3の値は、操作弁
8、9、10に付与される操作量、つまりステアリング
移動速度指令電圧Vsの値、ブーム移動速度指令電圧V
bmの値、バケット移動速度指令電圧Vbkの値により
決定されることになる。
【0057】すなわち、ゲインk1と指令電圧Vsとの
間には、指令電圧の最大値をVsmaxとして、 k1=(1/Vsmax)・Vs …(9) (ただし、ーVstmax≦Vs≦Vstmax) という関係がある。ここで説明の便宜のため指令電圧V
sがプラス、マイナスの極性をとるものとする。そし
て、指令電圧Vsがマイナス場合ーVstmax≦Vs
t≦0は、操作弁8が中立位置から左に舵角を切る方向
に操作される場合であり、逆に指令電圧Vsがプラスの
場合0≦Vst≦Vstmaxは、操作弁8が、中立位
置から右に舵角を切る方向に操作された場合とする。
【0058】同様にして、ゲインk2と指令電圧Vbm
との間にも、 k2=(1/Vbmmax)・Vbk …(10) (ただし、ーVbmmax≦Vbm≦Vbmmax) という関係があり、指令電圧Vbmがプラスの場合0≦
Vbm≦Vbmmaxは、ブームが上昇する方向に操作
された場合であり、逆に指令電圧Vbmがマイナスの場
合ーVbmmax≦Vbm≦0は、ブームが下降する方
向に操作された場合である。
【0059】同様に、ゲインk3と指令電圧Vbkとの
間にも、 k3=(1/Vbkmax)・Vbk …(11) (ただし、ーVbkmax≦Vbk≦Vbkmax) という関係があり、指令電圧Vbkがプラスの場合0≦
Vbk≦Vbkmaxは、バケットが上昇する(チル
ト)方向に操作された場合であり、逆に指令電圧Vbk
がマイナスの場合ーVbkmax≦Vbk≦0は、バケ
ットが下降する(ダンプ)方向に操作された場合であ
る。
【0060】上記(2)〜(8)式を検討すると、以下
の場合に分類される。
【0061】・トランスミッション5のシフト位置がニ
ュートラルとなっており、かつステアリング、ブーム、
バケットのいずれも動作しない場合。
【0062】この場合は、j1=0、j2=0、P=0
となっており、トルクコンバータ3、油圧ポンプ4のい
ずれにもエンジンパワーPが伝達されていないアイドリ
ング状態となっている。
【0063】・トランスミッション5が前進または後進
にシフトされており、かつステアリング、ブーム、バケ
ットいずれも動作しない場合。
【0064】この場合は、j1=1、j2=0で、P=
P1となっており、エンジン1のパワーPはすべて車両
が走行するために使用される。
【0065】・トランスミッション5のシフト位置がニ
ュートラルとなっており、ステアリング、バケット、ブ
ームのいずれかが動作する場合。
【0066】この場合は、j1=0、j2=1で、P=
P2となっており、エンジン1のパワーPはすべて油圧
ポンプ4を駆動するために使用される。
【0067】・j1=1かつj2=1である状態は物理
的に存在しない。
【0068】・トランスミッション5が前進または後進
にシフトされており、ステアリング、バケット、ブーム
のいずれかが作動する場合。
【0069】この場合は、0<j1<1かつ0<j2<
1となっており、エンジン1のパワーPが車両を走行さ
せるためのパワーP1と油圧モータ4を駆動させるため
のパワーP2に配分されて使用される。なお、以下のP
´だけのパワーがロスすることになる。
【0070】P´=P−P1ーP2 =Pーj1・Pーj2・(1ーj1)・P =(1ーj1ーj2・(1ーj1))・P …(12) 以下に述べる実施例は、この最後の場合に適用されるも
のである。
【0071】さて、エンジン1で発生するパワーPの配
分の優先順序は、上記(2)〜(8)式から明かなよう
に走行、ステアリング、ブーム、バケットの順となって
いる。そして、(9)〜(11)式に示したようにステ
アリング、ブーム、バケットに対する各指令電圧の大き
さによって各ゲインk1、k2、k3が決定されること
になる。
【0072】このため、作業機たるブーム、バケットを
より速く駆動させようとした場合、走行用に供給された
パワーP1を任意に必要なだけブーム用油圧シリンダ1
2、バケット用油圧シリンダ13に供給することができ
なく、エンジンパワーPが一定ならば上記優先順序で従
いブーム、バケットに供給されたパワーの範囲内でかつ
ゲインk2、k3に応じたパワー分しか使うことができ
ない。
【0073】また、適用車両は油圧駆動であるため油温
等の影響によってもブーム、バケットに配分されてくる
パワーが異なる。
【0074】そこで、従来オペレータとしては、ブー
ム、バケットを速く移動させようした場合、アクセルペ
ダルを操作して元となるエンジンパワーを増大させるし
かなく、この場合にエンジン回転数増大により上昇した
車速の修正もブレーキ操作により同時に行う必要があっ
た。
【0075】かかる複合操作はパワーの配分を経験的に
捕らえ操作する必要があり、熟練を要するとともに煩に
耐えない。そこで、この第2の実施例では以上の複合動
作を自動的に行おうとするものである。
【0076】CPU15で行われるプログラム構成は、
メインルーチンと、タイマ割り込みルーチンの2段構成
となっており、メインルーチンでは、作業機による自動
堀削、すくい込みの動作を実現するためのアルゴリズム
がプログラム化されている。よってメインルーチンで
は、ブームの目標角度θg、バケットの目標角度φg、
目標車速vg、目標ステアリング角Φg、クラッチの選
択内容C1、C2 をメモリ16に書き込む処理がなされ
る。一方、タイマ割り込みルーチンは、一定の周期で割
り込みがかかり実行されるプログラムであり、速度制御
ルーチン(図6)、ステアリング制御ルーチン、クラッ
チ切り換え制御ルーチン、ブーム位置制御ルーチン(図
9)、バケット位置制御ルーチン(図11)、ブレーキ
制御ルーチン(図13)とからなっている。
【0077】各割り込みルーチンでは、各センサ19〜
22の検出値θr〜Φrを入力してこれをメモリ16に
書き込むとともに、メモリ16に格納された各目標値θ
g…および各検出値θrを読みだし、速度制御、ステア
リング制御、ブーム位置制御、バケット位置制御、ブレ
ーキ制御、クラッチ切り換え制御が行われる。すなわ
ち、これら各種制御の同時並列処理が可能となってい
る。
【0078】以下、各割り込みルーチンで実行される内
容について説明する。
【0079】なお、クラッチ切り換え制御については説
明を省略する。
【0080】・速度制御ルーチン 図6に示すように速度制御の割り込みがかかると、ま
ず、メモリ16から目標車速vgが読み出され(ステッ
プ201)、ついで現在の車速vgが入力される(ステ
ップ202)。そこで、目標車速vgを中心として上下
に速度不感帯幅vdが設定され、現在の車速vrが、目
標車速vgにほぼ達しているか否か、つまり目標車速v
gを中心として上下に速度不感帯幅vdの範囲内、 vg−vd<vr<vg+vd …(13) にあるか否かが判断される(ステップ203)。
【0081】ここで、車速vrが上記(13)式の範囲
内にあり、目標車速vgに達していると判断されたなら
ば、この割り込みルーチンの処理を終了してメインルー
チンに移行して、つぎのステアリング制御ルーチンの割
り込みがかかる。
【0082】一方、ステップ203において車速vrが
目標車速vgに達していないと判断されたならば、つぎ
に車速の偏差vε=vg−vdが演算され、この偏差v
εに応じた電圧増減分値Δvaが図7の関係に基づき求
められる。図7は、車速偏差vεと現在のエンジン回転
数設定指令電圧Vaに加算すべき電圧増減分値ΔVaと
の関係を示したものであり、上記(13)式の関係が満
たされている場合には、増減分値ΔVaは零となり、偏
差vεの大きさに比例して増減分値ΔVaが大きくなる
関係となっている(ステップ204)。
【0083】これをエンジンパワーの点でみると、エン
ジン回転数設定指令電圧VaがΔVaだけ変化してエン
ジンパワーPがΔPだけ増加すると、上記(4)式より
走行系へのパワーP1は、j1・ΔPだけ変化すること
になる。そして上記(5)式より油圧ポンプ4へのパワ
ーP2はj2・(1ーj1)・ΔPだけ変化することに
なる。
【0084】ステップ204で求められた電圧増減分値
ΔVaが現在の指令電圧Vaに加算され、指令電圧Va
がインクリメントされる(ステップ205)。以下、こ
の指令電圧Vaが零より小さくなく(ステップ206の
判断NO)、かつ最大値Vamaxを超えてないときに
は(ステップ208の判断NO)、ステップ205でイ
ンクリメントされた指令電圧Vaがそのままアクセルペ
ダル30に出力され、処理が終了することになるが、増
減分値ΔVaを加算した結果の指令電圧Vaが零よりも
小さくなってしまうと(ステップ206の判断YE
S)、指令電圧Vaを零にして、アクセルペダル30に
出力するとともに(ステップ207)、指令電圧Vaが
最大値Vamaxが超えてしまうときには(ステップ2
08の判断YES)、指令電圧Vaを最大値Vamax
にして、アクセルペダル30に出力する(ステップ20
9)。
【0085】以下、車速vrが目標車速vgに到達しな
いで(ステップ203の判断NO)、時間が経過する
と、この速度制御ルーチンの割り込みがかかかる度に、
ステップ205において指令電圧Vaが順次インクリメ
ントされることになる。
【0086】したがって、たとえば車速vrが目標車速
vgよりも低いままである限りは、指令電圧Vaが車速
偏差vεに応じた増分ΔVaづつ増加していくことにな
り、エンジン1の回転数が増大し続けることになる。こ
れをオペレータの操作に置き換えてみると車速が目標値
より低いと、アクセルペダルを踏み続け、加速度を上昇
させていく操作に相当する。一方、車速vrが目標車速
vg近くになったり、目標車速vgを超えてしまうと、
電圧増分ΔVaが小さくなったり、また、マイナスのΔ
Vaが加わることになり、指令電圧Vaの増加の度合い
を小さくしたり、指令電圧Vaを減少させたりすること
ができるので、車速vrを目標車速vgに滑らかに到達
させることができる。
【0087】・ステアリング制御ルーチン このルーチンは上記速度制御ルーチンのつぎに割り込み
がかかって実行される。フローチャートは省略するが、
概ね以下のような処理が実行される。
【0088】まず、目標ステアリング角Φgがメモリ1
6から読み出される。なお、この目標ステアリング角Φ
gは、前述するように車両は誘導ケーブルに沿って誘導
されるよう操舵制御されているため、時時刻刻変化して
おり一定していない。
【0089】ステアリング角不感帯幅Φdが設定され、
ステアリング角センサ22で検出された現在のステアリ
ング角Φrが、 ΦgーΦd<Φr<Φg+Φd …(14) の関係を満足するまで、ステアリングが操舵される。
【0090】すなわち、図8(a)は、ステアリング角
偏差Φε=ΦgーΦrと、ステアリング指令電圧Vsと
の関係を示しており、また同図(b)は車速vrとオフ
セット電圧Vsoとの関係を示している。ステアリング
移動速度指令電圧Vsがプラス極性の場合は、ステアリ
ングを右に切る指令に対応しており、ステアリング移動
速度指令電圧Vsがマイナス極性の場合は、ステアリン
グを左に切る指令に対応している。
【0091】最終的にステアリング移動速度指令電圧V
sは、図8(a)の指令電圧Vsに図8(b)のオフセ
ット電圧Vsoを加算または減算したものとして以下の
ように求められる。
【0092】 Φg−Φr>Φdならば、Vs=Vs+Vso ーΦd≦Φg−Φr≦Φdならば、Vs=0 ΦgーΦr<ーΦdならば、Vs=VsーVso …(15) このようにしてステアリング移動速度指令電圧Vstが
決定され、(9)式よりゲインk1が決定される。な
お、オフセット電圧Vsoは、ステアリングを切るパワ
ーを増幅させるため電圧増分であり、ゲインk1の値を
大きくするためのものである。すなわち、車速vrが小
さくなるほど、操舵輪と路面との摩擦が大きくなりステ
アリングを切るのにパワーを必要とするために、同図
(b)に示すように車速vrが小さくなるほどオフセッ
ト電圧Vsoを大きくしてステアリング移動速度指令電
圧Vsの絶対値を大きくするようにしている。
【0093】なお、目標ステアリング角Φgは、上述し
たように一定していないものであるから、ステアリング
移動速度指令電圧Vs、つまりゲインk1の値も一定し
ていないので、常にブーム、バケットにはある一定以上
のパワーP22、P23が供給されるようにしておかね
ばならない。そのため(15)式で得られるステアリン
グ移動速度指令電圧Vsは、上記一定以上のパワーを供
給できる最大指令電圧Vsmaxより小さい関係、 |Vst|<Vsmax …(16) となるように図8(a)、(b)の関係を決定しておく
必要がある。
【0094】・ブーム位置制御 上記ステアリング制御ルーチンが終了すると、つぎに図
9に示すブーム位置制御ルーチンの割り込みがかかる。
【0095】まず、メモリ16からブームの目標角度θ
gが読み出され(ステップ301)、ブーム回転位置セ
ンサ19からブームの現在角度θrが入力される(ステ
ップ302)。
【0096】図10(a)は、ブーム角度偏差θε=θ
g−θrとブーム目標角速度ωgとの関係を示したもの
であり、この図10(a)の関係より現在の偏差θεに
比例した大きさの目標角速度ωgが求められる(ステッ
プ303)。
【0097】そして、前述したようにブーム回転位置セ
ンサ19の出力を微分することにより、ブームの現在の
角速度ωrが演算される(ステップ304)。
【0098】そして、ブーム角度不感帯幅θdが設定さ
れ、ブームの現在角度θrが、目標値θgになったか否
か、すなわち、 θgーθd<θr<θg+θd …(17) の関係が満足されたか否かが判断される(ステップ30
5)。上記(17)式の関係が満足されたならば、もは
やブームを移動させる必要がないので、現在位置にブー
ムを保持すべくブーム用操作弁9を中立位置にするため
のブーム移動速度指令電圧VbmN が出力されて処理が
終了する(ステップ307)。
【0099】一方、上記(17)式の関係が満足されて
いなくて、ブームを移動させる必要がある場合には、つ
ぎに、ステップ303、304で得られた目標角速度ω
g、現在角速度ωgに基づきブーム角速度偏差ωε=ω
gーωrが演算され、この偏差ωεに応じたブーム指令
電圧増減分値ΔVbmが求められる。図10(b)はブ
ーム角速度ωεとブーム指令電圧増減分値ΔVbmとの
関係を示したものであり、比例関係となっている(ステ
ップ306)。
【0100】そして、つぎにステップ306で得られた
増減分値ΔVbmを現在のブーム移動速度指令電圧Vb
mに加算することで、指令電圧Vbmがインクリメント
され、これがブーム用操作弁9に出力される(ステップ
308)。
【0101】ここで、図10の関係より明かようにブー
ムの角度の偏差θεが大きいほど、ブーム目標角速度ω
gが大きくなり、これにしたがいブームの指令電圧の増
減分値が大きくなっている。よって、これをオペレータ
による操作に置き換えてみると、ブームの現在角度と目
標角度との隔たりが大きいほど、操作レバーの操作量を
大きくしてブームの移動速度を速くするよう操作するこ
とに相当している。このような位置(角度)制御が行わ
れることにより、ブームが目標角度に迅速に到達するこ
とになる。また、ブームの現在角度が目標角度に近傍に
到達したり、また目標角度を超えてしまうような場合に
は、増減分値ΔVbmが小さくなったり、マイナスのΔ
Vbmとなるので、指令電圧Vbmの増加の度合いを小
さくしたり、指令電圧Vbmを減少させたりすることが
でき、目標角度θgに滑らかに到達させることができ
る。
【0102】以上のようにしてブーム指令電圧Vbmが
決定され(10)式よりゲインk2が決定される。ステ
ップ308において演算されたブーム指令電圧Vbmの
絶対値が、ブーム指令電圧の最大値Vbmmax以下、 |Vbm|≦Vbmmax …(18) に収まっている場合(ステップ309、310の判断N
O)には、ステップ306で演算されたブーム移動速度
指令電圧Vbmがそのままブーム用操作弁9に出力され
ることになるが、ステップ308で演算されたブーム指
令電圧Vbmの絶対値が、ブーム指令電圧の最大値Vb
mmaxよりも大きくなった場合、 |Vbm|>Vbmmax …(19) には(ステップ309、310の判断YES)にはつぎ
のステップ311、312に移行される。すなわち、操
作弁9を操作する方向が上昇方向の場合にはブーム指令
電圧Vbmを最大値Vbmmaxにしてブーム用操作弁
9に出力するとともに、操作弁9を操作する方向が下降
方向の場合には絶対値を最大にする指令電圧ーVbmm
axをブーム用操作弁9に出力する(ステップ311、
312)。このようにブーム用操作弁9が最大操作量と
なっているにもかかわらずブームが目標角度に達しない
場合は、ブームに供給されているパワーP22はブーム
の角度を目標角度にするに十分なパワーではないと判断
する。すなわち、現在ゲインk2が1となっており、
(7)式より、 P22=(1ーk1)・P2=(1ーk1)・j2・(1ーj1)・P …(20) となるが、このパワーP22では、ブームの角度を目標
角度にするに(角速度を目標角速度にするに)十分なパ
ワーではないと判断する。そこで、パワーP22の元と
なるエンジン1のパワーPを増大させることによりパワ
ーP22を増大させるべくエンジン回転数を上昇させる
処理が実行される。
【0103】すなわち、現在のエンジン回転数設定指令
電圧Vaに対して微小増加分ΔVaが加算され、指令電
圧Vaがインクリメントされる。この微小増加分ΔVa
は、ステップ309、310において最大値Vbmma
xを超えた分(絶対値)に相当する(ステップ31
3)。
【0104】つぎにエンジン回転数指令電圧Vaが最大
値Vamaxよりも大きくなったか否かが判断され(ス
テップ314)、指令電圧Vaが最大値Vamax以内
である場合には、ステップ313で演算された指令電圧
Vaがそのままアクセルペダル30に出力されて処理が
終了するが、指令電圧Vaが最大値Vamaxを超えて
しまうような場合には、指令電圧Vaを最大値Vama
xにしてアクセルペダル30に出力されて(ステップ3
15)、処理が終了する。
【0105】ブームのパワーP22を上昇させるための
かかるエンジン回転数増加処理を行うことにより、パワ
ーP22は、(5)、(7)式より、 ΔP22=(1ーk1)・ΔP2=(1ーk1)・j2・(1ーj1)・ΔP …(21) だけ増加させることができる。
【0106】しかし、(4)式より明かなように走行系
へのパワーP1も、 ΔP1=j1・ΔP …(22) だけ増分することになる。これにより車速vrが増加し
てしまうことになる。そこで、増加した車速vrを目標
車速vgに修正すべく、図13に示すブレーキ制御処理
が実行される。これについては後述する。
【0107】・バケット位置制御 上記ブーム位置制御ルーチンが終了すると、つぎに図1
1に示すバケット位置制御ルーチンの割り込みがかか
る。
【0108】まず、メモリ16からバケットの目標角度
φgが読み出され(ステップ401)、バケット回転位
置センサ20からバケットの現在角度φrが入力される
(ステップ402)。
【0109】図12(a)は、バケット角度偏差φε=
φg−φrとバケット目標角速度νgとの関係を示した
ものであり、この図12(a)の関係より現在の偏差φ
εに比例した大きさの目標角速度νgが求められる(ス
テップ403)。
【0110】そして、前述したようにバケット回転位置
センサ20の出力を微分することにより、バケットの現
在の角速度νrが演算される(ステップ404)。
【0111】そして、バケット角度不感帯幅φdが設定
され、バケットの現在角度φrが、目標値φgになった
か否か、すなわち、 φgーφd<φr<φg+φd …(23) の関係が満足されたか否かが判断される(ステップ40
5)。上記(23)式の関係が満足されたならば、もは
やバケットを移動させる必要がないので、現在位置にバ
ケットを保持すべくバケット用操作弁10を中立位置に
するためのバケット移動速度指令電圧VbkN が出力さ
れて処理が終了する(ステップ407)。
【0112】一方、上記(23)式の関係が満足されて
いなくて、バケットを移動させる必要がある場合には、
つぎに、ステップ403、404で得られた目標角速度
νg、現在角速度νgに基づきバケット角速度偏差νε
=νgーνrが演算され、この偏差νεに応じたバケッ
ト指令電圧増減分値ΔVbkが求められる。図12
(b)はバケット角速度νεとバケット指令電圧増減分
値ΔVbkとの関係を示したものであり、比例関係とな
っている(ステップ406)。
【0113】そして、つぎにステップ406で得られた
増減分値ΔVbkを現在のバケット指令電圧Vbkに加
算することで、指令電圧Vbkがインクリメントされ、
これがバケット用操作弁10に出力される(ステップ4
08)。
【0114】ここで、図12の関係より明かなようにバ
ケットの角度の偏差φεが大きいほど、バケット目標角
速度νgが大きくなり、これにしたがいバケットの指令
電圧の増減分値が大きくなっている。よって、これをオ
ペレータによる操作に置き換えてみると、バケットの現
在角度と目標角度との隔たりが大きいほど、操作レバー
の操作量を大きくしてバケットの移動速度を速くするよ
う操作することに相当している。このような位置(角
度)制御が行われることにより、バケットが目標角度に
迅速に到達することになる。また、バケットの現在角度
が目標角度に近傍に到達したり、また目標角度を超えて
しまうような場合には、増減分値ΔVbkが小さくなっ
たり、マイナスのΔVbkとなるので、指令電圧Vbk
の増加の度合いを小さくしたり、指令電圧Vbkを減少
させたりすることができ、目標角度φgに滑らかに到達
させることができる。
【0115】以上のようにしバケット指令電圧Vbkが
決定され(11)式よりゲインk3が決定される。ステ
ップ408において演算されたバケット指令電圧Vbk
の絶対値が、バケット指令電圧の最大値Vbkmax以
下、 |Vbk|≦Vbkmax …(24) に収まっている場合(ステップ409、410の判断N
O)には、ステップ406で演算されたバケット移動速
度指令電圧Vbkがそのままバケット用操作弁10に出
力されることになるが、ステップ408で演算されたバ
ケット指令電圧Vbkの絶対値が、バケット指令電圧の
最大値Vbkmaxよりも大きくなった場合、 |Vbk|>Vbkmax …(25) には(ステップ409、410の判断YES)、つぎの
ステップ411、412に移行される。ここで、操作弁
10を操作する方向が上昇方向の場合には、バケット指
令電圧Vbkを最大値Vbkmaxにしてバケット用操
作弁10に出力するとともに、操作弁10を操作する方
向が下降方向の場合には絶対値を最大にする指令電圧ー
Vbkmaxをバケット用操作弁10に出力する(ステ
ップ411、412)。
【0116】このようにバケット用操作弁10が最大操
作量となっているにもかかわらずバケットが目標角度に
達しない場合は、バケットに供給されているパワーP2
3バケットの角度を目標角度にするに十分なパワーでは
ないと判断する。すなわち、現在ゲインk3が1となっ
ており、(8)式より、 P23=(1ーk1ーk2・(1ーk1))・P2 =(1ーk1ーk2・(1ーk1))・j2・(1ーj1)・P …(26) となるが、このパワーP23では、バケットの角度を目
標角度にするに(角速度を目標角速度にするに)十分な
パワーではないと判断する。そこで、パワーP22の元
となるエンジン1のパワーPを増大させることによりパ
ワーP23を増大させるべくエンジン回転数を上昇させ
る処理が実行される。
【0117】すなわち、現在のエンジン回転数設定指令
電圧Vaに対して微小増加分ΔVaが加算され、指令電
圧Vaがインクリメントされる。この微小増加分ΔVa
は、ステップ409、410において最大値Vbkma
xを超えた分(絶対値)に相当する(ステップ41
3)。
【0118】つぎにエンジン回転数指令電圧Vaが最大
値Vamaxよりも大きくなったか否かが判断され(ス
テップ414)、指令電圧Vaが最大値Vamax以内
である場合には、ステップ413で演算された指令電圧
Vaがそのままアクセルペダル30に出力されて処理が
終了するが、指令電圧Vaが最大値Vamaxを超えた
しまうような場合には、指令電圧Vaを最大値Vama
xにしてアクセルペダル30に出力されて(ステップ4
15)、処理が終了する。
【0119】バケットのパワーP23を上昇させるため
のかかるエンジン回転数増加処理が行なわれることによ
り、パワーP23は、(5)、(8)式より、 ΔP23=(1ーk1ーk2・(1ーk1))・j2・(1ーj1)・ΔP …(27) だけ増分させることができる。
【0120】しかし、(5)式より明かなように走行系
へのパワーP1も、 ΔP1=j1・ΔP …(28) だけ増分することになる。これにより車速vrが増加し
てしまうことになる。そこで車速vrを目標車速vgに
修正すべく図13に示すブレーキ制御処理が実行され
る。
【0121】・ブレーキ制御ルーチン 上記バケット制御ルーチンが終了すると、図13に示す
ブレーキ制御の割り込みがかかる。まず、メモリ16か
ら目標車速vbが読み出され(ステップ501)、つい
で実車速センサ21の車速vrが入力される(ステップ
502)。ついで速度不感帯幅vdが設定され、車速v
rが、式、 vr<vg+vd …(29) を満足するまで、ブレーキペダル31へブレーキ力指令
電圧Vbが出力される(ステップ503)。
【0122】すなわち、ブレーキ力指令電圧Vbは、現
在の指令電圧をVbとし、指令電圧増分値をΔVbとす
ると、 vr<vg+vdならば、Vb=Vb+ΔVb vr≧vg+vdならば、Vb=VbーΔVb …(30) となる。ここで、車速vrが目標値vgに達しない場合
には、偏差vgーvrに応じたブレーキ力ΔVbだけブ
レーキ力を増大させる指令がブレーキペダル31へ出力
されるとともに(ステップ507)、車速vrが目標値
vgを超えた場合には、偏差vg−vrに応じたブレー
キ力ΔVbだけブレーキ力を減少させる指令がブレーキ
ペダル31に出力される(ステップ504)。
【0123】ただし、ステップ504でインクリメント
された指令電圧Vbが零よりも小さくなる場合には(ス
テップ505の判断YES)、指令電圧Vbを零にして
ブレーキペダル31に出力されるとともに(ステップ5
06)、ステップ507でインクリメントされた指令電
圧Vbが最大値Vbmaxよりも大きくなる場合には
(ステップ508の判断YES)、指令電圧Vbを最大
値Vbmaxにしてブレーキペダル31に出力される。
【0124】このように、ブーム、バケットの角速度を
目標値まで迅速へ移動させるために、エンジンパワーP
を増大させた結果、走行系へのパワーP1も増大して車
速vrが目標車速vgを超えることとなってしまったと
しても、ブレーキ制御が行われ、自動的に車速を再び目
標値に修正する処理が実行される。
【0125】なお、実施例では、ブーム、バケットかな
らなる作業機を有した建設車両に適用する場合を想定し
たが、これに限定されることなく、ブーム、アーム、バ
ケットを有したパワーショベルなどの建設車両に適用す
る実施である。要は作業機の位置制御が行われる建設車
両に任意に適用可能である。
【0126】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、油
圧駆動系における油温の変化等の影響にかかわりなく作
業機を確実に、かつ迅速に目標位置まで移動させること
ができる。また、作業機の位置制御を迅速を行うべくエ
ンジンパワーを増大させた場合に増大する車速が目標値
になるようブレーキ制御を行うようにしたので、作業機
の迅速な位置制御と、車速制御とが同時に自動的に行わ
れる。この結果、建設車両の作業効率が大幅に向上する
とともに、オペレータにかかる負担が大幅に低減され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明にかかる建設車両の実施例の構成
を示すブロック図であり、同図(a)は実施例の制御装
置の構成を示し、同図(b)は実施例の建設車両のパワ
ートレインの構成を示す図である。
【図2】図2は、図1に示すCPUで実行される第1の
実施例の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】図3は図2に示す処理で使用される、ブームの
角度偏差とブーム指令電圧との関係を示すグラフであ
る。
【図4】図4は図2に示す処理で使用される、ブーム角
度偏差とエンジン回転数設定指令電圧との関係を示すグ
ラフで、同図(a)はブームが移動する通常の場合の指
令電圧を示し、同図(b)はブームが移動しない場合の
経過時間と指令電圧との関係を示すグラフである。
【図5】図5は第1の実施例におけるブームの角度の時
間変化の様子を示すグラフである。
【図6】図6は第2の実施例の車速制御ルーチンの処理
を示すフローチャートである。
【図7】図7は図6に示す車速制御処理で使用される、
車速の偏差とエンジン回転数増減分値との関係を示すグ
ラフである。
【図8】図8(a)は第2の実施例のステアリング制御
処理で使用される、ステアリング角偏差とステアリング
指令電圧との関係を示すグラフであり、同図(b)はス
テアリング指令電圧に加算されるべきオフセット電圧を
車速との関係で示すグラフである。
【図9】図9は第2の実施例のブーム位置制御ルーチン
の処理を示すフローチャートである。
【図10】図10(a)は図9に示すブーム位置制御で
使用される、ブーム角度偏差とブーム目標角速度との関
係を示すグラフであり、同図(b)はブーム角速度偏差
とブーム指令電圧増減分値との関係を示すグラフであ
る。
【図11】図11は第2の実施例のバケット位置制御ル
ーチンの処理を示すフローチャートである。
【図12】図12(a)は図11に示すバケット位置制
御で使用される、バケット角度偏差とバケット目標角速
度との関係を示すグラフであり、同図(b)はブバケッ
ト角速度偏差とバケット指令電圧増減分値との関係を示
すグラフである。
【図13】図13は第2の実施例にブレーキ制御ルーチ
ンの処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン 4 油圧ポンプ 5 トランスミッション 8 ステアリング用操作弁 9 ブーム用操作弁 10 バケット用操作弁 11 ステアリング用油圧シリンダ 12 ブーム用油圧シリンダ 13 バケット用油圧シリンダ 14 コントローラ 15 CPU 19 ブーム回転位置センサ 20 バケット回転位置センサ 21 実車速センサ 30 アクセルペダル 31 ブレーキペダル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田辺 賢司 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンにより駆動される油圧ポン
    プと、この油圧ポンプから吐出される圧油が加えられ、
    作業機を駆動する油圧アクチュエータに対して操作量に
    応じた流量の圧油を供給して前記作業機の移動速度を可
    変する操作弁と、前記エンジンの回転数を操作量に応じ
    た大きさに設定するエンジン回転数設定手段とを有し、
    前記作業機の目標位置と現在位置との偏差に応じた操作
    量を前記操作弁に付与することにより前記作業機の位置
    を制御するようにした建設車両の制御装置において、 前記作業機が移動しているか否かを検出する作業機移動
    検出手段を具え、 前記作業機を駆動するための操作量が前記操作弁に付与
    され、かつ前記作業機移動検出手段によって前記作業機
    が移動していないことが検出された場合に、前記作業機
    移動検出手段によって前記作業機が移動していることが
    検出されるまで前記エンジン回転数設定手段に付与する
    操作量を漸増して前記エンジンの回転数を増大させるよ
    うにした建設車両の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記作業機を駆動するための操作量
    を前記操作弁に付与し始めた時点でスタートし、前記作
    業機移動検出手段によって前記作業機が移動していない
    ことが継続して検出されている時間を計測するととも
    に、前記偏差が所定値以下になった時点でリセットされ
    るタイマが設けられ、該タイマの計測時間に応じた回転
    数を設定する操作量を前記エンジン回転数設定手段に付
    与するようにした請求項1記載の建設車両の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記操作弁に付与される操作量は、
    前記偏差が大きくなるにつれて前記油圧アクチュエータ
    に供給される圧油の流量が増加する操作量である請求項
    1記載の建設車両の制御装置。
  4. 【請求項4】 エンジンの駆動力が入力され、選択
    された速度段に対応する減速比で駆動輪を駆動するトラ
    ンスミッションと、前記駆動輪を制動するブレーキ手段
    と、前記エンジンにより駆動される油圧ポンプと、この
    油圧ポンプから吐出される圧油が加えられ、作業機を駆
    動する油圧アクチュエータに対して操作量に応じた流量
    の圧油を供給して前記作業機の移動速度を可変する操作
    弁と、前記エンジンの回転数を操作量に応じた大きさに
    設定するエンジン回転数設定手段とを有し、前記作業機
    の目標位置と現在位置との偏差に応じた操作量を前記操
    作弁に付与することにより前記作業機の位置を制御する
    ようにした建設車両の制御装置において、 前記操作弁に付与される操作量が所定の操作量以上であ
    り、かつ前記偏差が所定値以下に達していない場合に、
    前記偏差が前記所定値以下に達するまで前記エンジン回
    転数設定手段に付与する操作量を漸増して前記エンジン
    の回転数を増大させる回転数漸増手段と、 前記建設車両の車速を検出する車速検出手段と、 前記回転数漸増手段により前記エンジンの回転数が増大
    した場合に、前記建設車両の車速が目標車速となるよう
    に該目標車速と前記車速検出手段の検出車速との偏差に
    応じた制動力が前記ブレーキ手段で得られるよう該ブレ
    ーキ手段を駆動制御する手段とを具えた建設車両の制御
    装置。
  5. 【請求項5】 前記操作弁に付与される操作量は、
    前記作業機の目標位置と現在位置との偏差の大きさに応
    じた大きさの目標移動速度を設定し、この目標移動速度
    と現在の移動速度との偏差の大きさに応じた流量の圧油
    を前記油圧アクチュエータに供給する操作量である請求
    項4記載の建設車両の制御装置。
JP3252133A 1991-09-30 1991-09-30 建設車両の制御装置 Pending JPH0585230A (ja)

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