JPH0648226A - 作業車両の制御装置 - Google Patents

作業車両の制御装置

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Publication number
JPH0648226A
JPH0648226A JP3275684A JP27568491A JPH0648226A JP H0648226 A JPH0648226 A JP H0648226A JP 3275684 A JP3275684 A JP 3275684A JP 27568491 A JP27568491 A JP 27568491A JP H0648226 A JPH0648226 A JP H0648226A
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JP
Japan
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vehicle
load
working machine
work
work vehicle
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Pending
Application number
JP3275684A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiro Kamikawa
勝洋 上川
Shinichi Hitomi
伸一 人見
Toyoichi Ono
豊一 小野
Masayuki Mori
真幸 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Publication date
Application filed by Komatsu Ltd filed Critical Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】積込作業を行う作業車両を安定して走行制御す
る。 【構成】目標車速と現在の車速との偏差に応じた加速度
が得られるように速度の制御がなされる車両40におい
て、車両40搭載の各センサ19、20、32の出力に
基づきCPU15にて作業機に関する回転モーメントが
演算され、車両40が前進走行時に減速する場合に演算
された回転モーメントの大きさに応じて上記偏差に応じ
た加速度の絶対値が小さくなるように制御することで、
積荷のこぼれ等なく安定して減速する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、荷の積込作業を行う作
業機を車体前部に具えた作業車両の制御装置に関し、特
に作業機に積荷を搭載しての走行および操舵制御を行う
場合に車体の揺動、ショックが生じない安定した走行、
操舵を実現することができる制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】土砂の堀削、積込作業を行うホイールロ
ーダ等の作業車両では、積荷の土砂をバケット内に積み
込み、積荷がバケットからこぼれ落ちないような作業機
姿勢にして走行する場合がある。この場合、積荷の重
量、作業機の姿勢の変化によって作業機の重心が移動す
ることになり、これに応じて車輪の接地点を回転中心と
して他方の車輪を路面から離間させる方向に作用する作
業機の回転モーメントが変化する。この回転モーメント
が大きくなるほど、車両の安定が損なわれることを意味
する。一方、車体に関する回転モーメントは、上記接地
点を回転中心として他方の車輪を路面に接地させる方向
に作用するものであり、安定方向のモーメントである。
通常、静的状態では、車体に関する回転モーメントの方
が作業機に関する回転モーメントの方が十分に大きく、
つまり両者の偏差は十分に大きく車両は安定している。
しかし、上記車体に関する回転モーメントは、車両の走
行状態および旋回状態の影響を受ける。すなわち、車両
の走行状態および旋回状態に応じて上記車体に関する回
転モーメントに前後進方向の加速度変化分が加味された
り、作業機に関する回転モーメントに旋回半径方向の加
速度変化分が加味されて、車体に関する回転モーメント
と作業機に関する回転モーメントとの偏差が減少するこ
ととなり、車両の安定が著しく損なわれることとなる。
そして、この偏差の減少の度合いは上記加速度の絶対値
の大きさに応じたものとなる。
【0003】したがって、かかる場合には、車体の揺
動、ショックを招き、積荷がこぼれたりする等の不都合
が招来する。従来、このような事態が招来するにもかか
わらず、車両の安定性を向上させ、安全を確保する技術
は特になく、専らオペレータの勘などによる対応に頼ら
ざるを得ないことになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ホイールローダがオペ
レータの操縦によって走行されている場合には、確実と
はいわないまでも、積荷の重量、作業機の姿勢、加速状
態等の状況の変化に応じて上記安定性が損なわれる事態
を事前に察知して、積荷のこぼれ等を未然に防止する措
置を幾分でも採ることが可能である。
【0005】しかし、近年、ホイールローダを無人にし
て走行、操舵を自動化する試みが本発明者等によりなさ
れている。この場合には、オペレータ不在のため状況の
変化を事前に察知することができない。
【0006】そこで、自動的に状況の変化を察知して積
荷のこぼれ等を未然に防止することができる装置の開発
が望まれている。
【0007】本発明は、こうした実状に鑑みてなされた
ものであり、積荷作業を行う作業車両が走行する場合
に、上記作業機の回転モーメントを求め、この回転モー
メントの大きさに応じて車両が安定して走行できるよう
に車両の速度、ブレーキ力、操舵角を制御することによ
り、積荷がこぼれる等の事態を未然に防止して、もって
作業車両の安定性を向上させ、安全を確保することをそ
の目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の第1発
明では、荷の積込作業を行う作業機を車体前部に具えた
作業車両が車体前後に設けられた前後車輪で路面に接地
しながら前後進する場合に、前記作業車両の目標車速と
現在の車速との偏差に応じた加速度が得られるように前
記作業車両の速度を制御する作業車両の制御装置におい
て、前記作業機の前記車体に対する姿勢角度を検出する
作業機姿勢角検出手段と、前記作業機の積荷の重量を検
出する荷重量検出手段と、前記作業機姿勢角検出手段の
検出値と前記荷重量検出手段の検出値と空荷の場合の前
記作業機の重心位置と前記荷の重心位置と空荷の場合の
前記作業機の重量とに基づいて前輪の接地点を回転中心
にして後輪を前記路面から離間させる方向へ前記作業機
を回転させる回転モーメントを演算する回転モーメント
演算手段と、前記作業車両が前進走行しており、かつ前
記加速度が負となっている場合、または前記作業車両が
後進走行しており、かつ前記加速度が正となっている場
合に、前記回転モーメントが大きくなるにつれて、前記
加速度の絶対値が小さくなるように前記加速度を可変す
る制御手段とを具えている。
【0009】また、本発明の第2発明では、荷の積込作
業を行う作業機を車体前部に具えた作業車両が車体前後
に設けられた前後車輪で路面に接地しながら前進する場
合に、前記作業車両の現在の車速に応じたブレーキ力が
得られるように前記作業車両のブレーキ力を制御して前
記作業車両を停止させる作業車両の制御装置において、
前記作業機の前記車体に対する姿勢角度を検出する作業
機姿勢角検出手段と、前記作業機の積荷の重量を検出す
る荷重量検出手段と、前記作業機姿勢角検出手段の検出
値と前記荷重量検出手段の検出値と前記荷の重心位置と
空荷の場合の前記作業機の重心位置と空荷の場合の前記
作業機の重量とに基づいて前輪の接地点を回転中心にし
て後輪を前記路面から離間させる方向へ前記作業機を回
転させる回転モーメントを演算する回転モーメント演算
手段と、前記演算された回転モーメントが大きくなるに
つれて前記ブレーキ力が小さくなるように前記ブレーキ
力を可変する制御手段とを具えている。
【0010】また、本発明の第3発明では、荷の積込作
業を行う作業機を車体前部に具えた作業車両が車体左右
に設けられた左右車輪で路面に接地しながら旋回走行す
る場合に、前記作業車両の目標操舵角と現在の操舵角と
の偏差に応じた操舵角速度が得られるように前記作業車
両の操舵角を制御する作業車両の制御装置において、前
記作業機の前記車体に対する姿勢角度を検出する作業機
姿勢角検出手段と、前記作業機の積荷の重量を検出する
荷重量検出手段と、前記作業機姿勢角検出手段の検出値
と前記荷重量検出手段の検出値と空荷の場合の前記作業
機の重心位置と前記荷の重心位置と空荷の場合の前記作
業機の重量とに基づいて前記左右車輪のうち前記作業車
両の旋回半径方向外側の車輪の接地点を回転中心にして
旋回半径方向内側の車輪を前記路面から離間させる方向
へ前記作業機を回転させる回転モーメントを演算する回
転モーメント演算手段と、前記演算された回転モーメン
トが小さくなるように前記操舵角速度加速度を前記回転
モーメントの大きさに応じて可変する制御手段とを具え
ている。
【0011】
【作用】すなわち、上記第1発明の構成によれば、作業
機姿勢角度、積荷の重量が検出され、これら検出値と作
業機に関する既知のデータたる荷の重心位置、空荷の場
合の作業機の重心位置、重量とに基づいて前輪接地点を
回転中心に後輪を路面から離間させる方向に作業機を回
転させる回転モーメントが演算される。
【0012】さて、前述するように、この作業機に関す
る回転モーメントが大きくなるほど、車両の安定が損な
われる。一方、車体に関する回転モーメントは前輪接地
点を回転中心として他方の車輪を路面に接地させる方向
に作用するものであり、安定方向のモーメントである。
通常、静的状態では、車体に関する回転モーメントの方
が作業機に関する回転モーメントよりも十分に大きく、
つまり両モーメントの偏差は十分に大きく車両は安定し
ている。
【0013】しかし、上記車体に関する回転モーメント
は、車両の走行状態の影響を受ける。すなわち、車両の
走行状態によっては、たとえば前進走行減速時の場合に
は、上記車体に関する回転モーメントに前後進方向の加
速度分が加味されて、安定側の車体に関する回転モーメ
ントが減少することとなる。そして、この減少の度合い
は加速度の絶対値が大きくなるほど大きくなり、それに
応じて車両の安定が損なわれることとなる。このため、
非安定側の作業機に関する回転モーメントが大きくなる
ほど、逆に加速度の絶対値を減少させてやり、上記安定
側の車体に関する回転モーメントの減少を抑えること
で、結果として車体に関する回転モーメントと作業機に
関する回転モーメントとの偏差が十分に確保され、車両
を安定させることができる。すなわち、上記演算された
作業機に関する回転モーメントが大きくなるにつれて、
逆に加速度の絶対値が小さくなるよう加速度を可変制御
してやることで、非安定側の作業機に関する回転モーメ
ントが大きい場合には、加速度の変化に伴なう安定側の
車体に関する回転モーメントの減少の度合いを小さくす
ることができ、結果として上記偏差が十分な大きさに確
保され、車両を安定して走行させることができるように
なる。
【0014】また、上記第2発明の構成によれば、同様
にして作業機の回転モーメントが演算される。そして、
車両が前進走行時に制動されている場合に、演算された
回転モーメントが大きくなるにつれて、ブレーキ力を低
減させるよう制動制御される。このため、ブレーキに伴
う車体に関する回転モーメントの減少が抑えられ、車体
に関する回転モーメントと作業機に関する回転モーメン
トとの偏差が十分な大きさに確保され、車両を安定して
制動させることができるようになる。
【0015】また、上記第3発明の構成によれば、作業
機姿勢角度、積荷の重量が検出され、これら検出値と作
業機に関する既知のデータたる荷の重心位置、空荷の場
合の作業機の重心位置、重量とに基づいて左右車輪のう
ち旋回半径方向外側の車輪接地点を回転中心に他方の旋
回半径方向内側の車輪を路面から離間させる方向に作業
機を回転させる回転モーメントが演算される。
【0016】この作業機に関する回転モーメントが大き
くなるほど、車両の安定が損なわれる。一方、車体に関
する回転モーメントは車輪接地点を回転中心として他方
の車輪を路面に接地させる方向に作用するものであり、
安定方向のモーメントである。通常、静的状態では、車
体に関する回転モーメントの方が作業機に関する回転モ
ーメントよりも十分に大きく、車両は安定している。し
かし、上記作業機に関する回転モーメントは、車両の旋
回状態の影響を受ける。すなわち、ステアリング操作に
よって作業機の旋回半径が変化する。そして、この旋回
半径の変化に応じて上記作業機に関する回転モーメント
に旋回方向の加速度分、つまり遠心力分が加味されて、
非安定側の作業機に関する回転モーメントが変化する。
すなわち、車両の旋回半径が小さくなるほど、作業機に
作用する遠心力が増大して回転モーメントが増大する。
ここで、舵角が大きくなるほど旋回半径は小さくなる。
このため、操舵角を変化させるための操舵角速度指令を
小さくすれば、旋回半径が小さくなることを抑えること
ができ、作業機に関する回転モーメントの増大が抑えら
れる。
【0017】そこで、上記演算された作業機に関する回
転モーメントが大きくなるほど、逆に操舵角速度指令が
小さくなるよう操舵角を可変制御することで、非安定側
の作業機に関する回転モーメントの増大が抑えられ、車
体に関する回転モーメントと作業機に関する回転モーメ
ントの偏差が十分に確保され、車両を安定させることが
できるようになる。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して本発明に係る作業車両
の制御装置の実施例について説明する。
【0019】図1は実施例の装置構成をブロック図にて
示したものであり、同図(a)は作業車両、たとえばホ
イールローダに搭載されるとする制御装置の構成を概念
的に示したものであり、同図(b)はホイールローダの
パワートレインの構成を概念的に示したものである。図
2は実施例のホイールローダ40(以下、単に車両40
という)の左側面を示したものである。
【0020】なお、車両40は作業機として、ブーム
(リフトアーム)42とバケット43とを具えている。
図3は、かかる作業機の幾何学的関係を右側面で示した
ものである。
【0021】図1に示すように実施例の車両40は、エ
ンジン1を駆動源として、走行、操舵、作業機の駆動等
が行われるものであり、エンジン1にはこのエンジン1
の回転数をアクセルペダル30で設定された回転数に調
整するガバナ2が付設されている。そしてガバナ2を介
して図示せぬ燃料噴射ポンプの燃料噴射量が調整され、
エンジン1の回転数が上記設定回転数にされる。アクセ
ルペダル30は、オペレータの踏込操作によりエンジン
回転数を設定することができるが、この実施例では後述
するようにコントローラ14からアクセルペダル30に
対して回転数設定指令電圧Vaが加えられることにより
この指令電圧Vaの大きさに応じてアクセルペダル30
の操作量が調整され、この調整された操作量に応じてガ
バナ2が駆動され、エンジン回転数が上記指令値Vaに
応じた回転数に自動設定されるようになっている。
【0022】エンジン1の駆動力は、それぞれトルクコ
ンバータ3および油圧ポンプ4にそれぞれ伝達される。
【0023】トルクコンバータ3には、エンジン1の出
力軸の回転力が入力され、この回転力を後段のトランス
ミッション5に伝達する。トランスミッション5は、そ
れぞれ異なる速度段を選択する変速クラッチ1st、2
nd、3rdと、前進走行または後進走行を選択する前
・後進クラッチF、Rとを中心に構成されており、トラ
ンスミッション5に対して後述するコントラーラ14か
らクラッチ選択信号C1 、C2 が加えられることにより
対応するクラッチに圧油が供給されてクラッチが係合し
て、最適速度段が選択される。すなわち、上記前進クラ
ッチFを係合する内容のクラッチ選択信号C1 が入力さ
れると、前進走行状態になるとともに、各変速クラッチ
1st、2nd、3rdのいずれかを係合させる内容の
クラッチ選択信号C2 が入力されると、選択されたクラ
ッチに対応する減速比でトランスミッション5の出力軸
が回転する。逆に、クラッチ選択信号C1 の内容が後進
クラッチRを係合させる内容であるならば、後進クラッ
チRが係合することにより車両40は後進走行状態にな
る。
【0024】なお、クラッチ選択信号C1 の内容が前・
後進クラッチF、Rのいずれも選択しない内容である場
合は、ニュートラル位置にシフトポジションが選択され
た場合であり、トランスミッション5から後段へ動力が
伝達されず、車両40は停止する。
【0025】トランスミッション5の出力は、差動装
置、終減速機6を介して駆動輪たる後輪45(45R
(右)、45L(左))に伝達される。そして、この駆
動輪45R、45Lおよび前輪44(44R(右)、4
4L(左):(図2参照))には図示せぬ油圧のブレー
キ機構で発生するブレーキ力が付与され、制動される。
このブレーキ機構はブレーキペダル31がオペレータに
より踏み込み操作されることにより駆動され、踏込操作
量に対応するブレーキ力を発生するが、この実施例では
ブレーキペダル31の操作量がコントローラ14から出
力されるブレーキ力設定指令電圧Vbに応じて設定さ
れ、指令電圧Vbに応じた油圧BPがブレーキ機構で発
生し、該油圧BPに応じたブレーキ力で車輪44、45
が制動されるようになっている。
【0026】さて、一方、エンジン1により駆動される
油圧ポンプ4の吐出圧油は、それぞれステアリング用操
作弁8、ブーム用操作弁9、バケット用操作弁10に加
えられる。各操作弁8、9、10は後述するようにコン
トローラ14から出力されるステアリング移動速度指令
電圧Vs、ブーム移動速度指令電圧Vbm、バケット移
動速度指令電圧Vbkの大きさに応じた操作量だけスプ
ールが操作されるものであり、操作弁8、9、10が駆
動すると、その操作量に応じた流量の圧油がそれぞれス
テアリング用油圧シリンダ11、ブーム用油圧シリンダ
12、バケット用油圧シリンダ13の各油室に供給さ
れ、供給される圧油の流量に応じた速度でシリンダのロ
ッドが移動する。
【0027】このため、指令電圧Vs、Vbm、Vbk
が操作弁中立位置に対応する操作量を示すものであるな
らば、ステアリングは現在の舵角が保持され、この保持
した舵角の方向に車両が走行するとともに、ブーム4
2、バケット43の作業機は現在の姿勢角度を保持する
ことになる。一方、指令電圧Vsが中立位置に対応する
電圧よりも大きい電圧であるならば、ステアリングが右
方向に指令電圧Vsに応じた移動速度で操舵され、逆に
指令電圧Vsが中立位置に対応する電圧よりも小さい電
圧であるならば、ステアリングが左方向に指令電圧Vs
に応じた移動速度で操舵される。ブーム42、バケット
43の作業機も同様に指令電圧Vbm、Vbkが中立位
置に対応する電圧よりも大きい電圧となっているなら
ば、油圧シリンダ12、13が伸長して作業機を指令電
圧Vbm、Vbkに応じた移動速度で上昇させるととも
に、逆に指令電圧Vbm、Vbkが中立位置に対応する
電圧よりも小さい電圧となっているならば、油圧シリン
ダ12、13が縮退して作業機を指令電圧Vbm、Vb
kに応じた移動速度で下降させる。なお、各操作弁8、
9、10は対応する操作レバーによる手動操作が可能と
なっている。
【0028】さて、同図(a)の制御装置は、上述した
各指令Vs、Vbm、Vbk、Va、Vb、C1 、C2
を出力するものであり、コントローラ14を中心に構成
されている。
【0029】ブーム42には、車体41に対する当該ブ
ーム42の姿勢角度θを検出する回転位置センサ19が
配設されており、たとえば回動支点42aに付設された
ポテンションメータで上記角度θを検出する(図3参
照)。
【0030】バケット43にも同様にブーム42に対す
るバケット43の姿勢角度φを検出する回転位置センサ
20が配設されている(図3参照)。
【0031】車輪44、45には、当該車輪44、45
の回転速度を検出することにより車速vを検出する実車
速センサ21(たとえば、電磁ピックアップが使用され
る)が付設されている。
【0032】ところで、車両40は、アーティキュレー
ト(関節)型の車両であり、ステアリンク機構がセンタ
ピボットステアリング式となっている。このため、車両
40を上面からみた図10に示すように、車両40の前
部40a、後部40bを連結するピボットピン47に
は、前部40aの後部40bに対する屈曲角を検出する
ことによりステアリング角度Φを検出するステアリング
角センサ22(たとえば、ポテンショメータが使用され
る)が付設されている。
【0033】そしてまた、上記ブーム用油圧シリンダ1
2には、その油室内の圧力Pbmを検出するシリンダ圧
力センサ32が付設されており、この圧力Pbmを検出
することで、作業機にかかっている負荷を検出する。
【0034】車両40は積込作業を行う車両であるた
め、バケット43内には土砂等の積荷46が積み込まれ
る(図2参照)。この場合、積荷46の重量が大きいほ
ど作業機にかかっている負荷が大きいことから、シリン
ダ圧力センサ32の検出値Pbmを検出することで、積
荷46の重量が後述するようにして検出される。
【0035】上記ブレーキ機構には上記ブレーキ圧BP
を検出するブレーキ圧力センサ33が配設されており、
また後輪45には該後輪45の回転方向を検出すること
により、車両40が前進走行しているか後進走行してい
るかを検出する前後進センサ34が配設されている。な
お、上記前進クラッチF、後進クラッチRを選択するた
めのクラッチ選択信号C1 の内容に基づき車両40が前
進走行しているか後進走行しているかを検出するように
してもよい。
【0036】上記ブーム回転位置センサ19、バケット
回転位置センサ20、実車速センサ21、ステアリング
角センサ22、シリンダ圧力センサ32、ブレーキ圧力
センサ33、前後進センサ34の出力は、入力部17で
アンプ、A/Dコンバータ等により所要のディジタル信
号に変換されて、CPU15に入力される。
【0037】メモリ16には、CPU15を動作させる
ためのプログラム等が格納されており、CPU15はメ
モリ16の記憶プログラムに応じて後述する処理を実行
する。
【0038】すなわち、CPU15の処理実行によって
ステアリングを駆動するステアリング移動速度指令信号
Vs、ブーム42を移動させるブーム移動速度指令信号
Vbm、バケット43を移動させるバケット移動速度指
令信号Vbk、エンジン1の回転数を設定する回転数設
定指令信号Va、ブレーキ機構を駆動するブレーキ力設
定指令信号Vb、車両40の前進または後進を選択する
クラッチ選択信号C1、速度段を選択するクラッチ選択
信号C2 が生成され、これら各信号がD/Aコンバー
タ、アンプ等からなる出力部18を介して所要レベルの
電圧に変換され、対応する比例電磁弁23、24、2
5、26、26、27、28、29に出力される。しか
して、これら電磁弁が加えられた電圧に応じて各電磁弁
23〜29が付勢されて上記操作弁8、9、10が動作
され、アクセルペダル30、ブレーキペダル31の操作
量が調整され、そしてトランスミッション5の各クラッ
チに係合用の圧油が供給される。
【0039】なお、車両40は、地面に敷設された図示
せぬ誘導ケーブルから発生する磁界を車体41下方にお
いて左右に配設された1対のピックアップコイルで検出
し、この検出結果に基づき誘導ケーブルに対する車体4
1のずれが補正されるようステアリングが操舵され誘導
走行される。しかし、この種の無人誘導走行方式は、本
出願人の特許出願等によりすでに公知であり、本発明の
主旨とは直接関係してこないので詳しい説明は省略す
る。
【0040】以下、かかる構成に基づく第1の制御につ
いて説明する。
【0041】1)第1の制御ーエンジン回転数制御 ・積荷46の重量の検出 図2、3に示すように各要素を以下のように定義する。
すなわち、前輪44と路面GDとの接地点をA、ブーム
42と車体41の接続点、つまり回動支点42aをB、
ブーム42とバケット43の接続点、つまり回動支点4
3aをC、ブーム42の重心をS、バケット43と積荷
43の重心をD、車体41の重心をG、ブーム用油圧シ
リンダ12のシリンダ力をFbm、ブーム用油圧シリン
ダ12の受圧面積をAbm(一定値)、バケット43と
積荷46とを合計した重量をWd、ブーム42の重量を
Ws、車体41の重量をWg、B点からブーム用油圧シ
リンダ12までの距離、つまりB点を回転中心とするシ
リンダ力Fbmに関する回転モーメントのモーメントア
ームの長さをl1(一定値)、B点とS点を結ぶ線分の長
さをl2 (一定値)、B点とC点を結ぶ線分の長さをl
3 (一定値)、C点とD点を結ぶ線分の長さをl4 (一
定値)、A点とB点を結ぶ線分の長さをl5 (一定値)
とそれぞれ定義する。そして、A点を原点、X軸を路面
GD、Y軸を路面GDに対する垂線とするX−Y座標と
定義し、B点を原点、X´軸を路面GDに平行な線分、
Y´軸を路面GDに対する垂線とするX´ーY´ 座標
を定義し、C点を原点、X´´軸をB点とC点を結ぶ線
分、Y´´軸を線分BCに対する垂線とするX´´ーY
´´座標を定義し、G点を原点、XG 軸を路面GDに平
行な線、YG 軸を路面GDに対する垂線とするXG ーY
G 座標を定義する。このとき、X−Y座標の座標位置を
(x、y)、X´ーY´座標位置を(x´、y´)、X
´´ーY´´座標位置を(x´´、y´´)とする。そ
して、X軸と線分ABとがなす角度をψ(一定値)、S
点からX´軸へ下ろした垂線とX´軸との交点をE、D
点からX´軸へ下ろした垂線とX´軸との交点をF、B
点とE点とを結ぶ線分の距離、つまりB点を回転中心と
するブーム42に関する回転モーメント(図3において
右回り)のモーメントアームの長さをl6 、B点とF点
を結ぶ線分の距離、つまりB点を回転中心とするバケッ
ト43と積荷46に関する回転モーメント(図3におい
て左回り)のモーメントアームの長さをl7とそれぞれ
定義する。
【0042】なお、上記ブーム回転位置センサ19で検
出されるブーム姿勢角θは、X´軸に対して線分BCが
なす角度であり、また、上記バケット回転位置センサ2
0で検出されるバケット姿勢角φは、X´´軸に対して
線分CDがなす角度である。すると、XーY座標からX
´ーY´座標への座標変換式は、 x´=x−l5 cosψ y´=yーl5 cosψ …(1) となり、X´ーY´座標からXーY座標への座標変換式
は、 x=x´+l5 cosψ y=y´+l5 cosψ …(2) となる。さらに、X´ーY´座標からX´´ーY´´座
標への座標変換式は、 x´´=x´cosθーy´sinθーl3 cosθ y´´=x´(ーsinθ)+y´cosθーl3 sinθ …(3) となり、X´´ーY´´座標からX´ーY´座標への座
標変換式は、 x´=(x´´+l3 cosθ)cosθー(y´´+l3 sinθ)sin θ y´=(x´´+l3 cosθ)sinθ+(y´´+l3 sinθ)co sθ …(4) となる。ここで、X´´ーY´座標におけるD点の座標
位置を(d´´x、d´´y)とすると、 d´´x=l4 cosφ d´´y=l4 sinφ …(5) となる。
【0043】一方、X´ーY´座標におけるD点の成分
を(d´x、d´y)とすると、上記(4)、(5)式
から、 d´x=(l4 cosφ+l3 cosθ)cosθー(l4 sinφ+l3 s in θ)sinθ d´y=(l4 cosφ+l3 cosθ)sinθ+(l4 sinφ+l3 s in θ)cosθ …(6) となる。ここで、 l6 =d´x であるから、これを(6)式に代入することにより、 l6 =(l4 cosφ+l3 cosθ)cosθー(l4 sinφ+l3 si n θ)sinθ …(7) が得られる。
【0044】さて、X´ーY´座標におけるS点の座標
位置を(s´x、s´y)とすると、 s´x=l2 cosθ s´y=l2 sinθ …(8) となる。ここで、 l7 =s´x であるから、これを(8)式に代入することにより、 l7 =l2 cosθ …(9) が得られる。
【0045】ここに、B点を回転中心とするブーム42
に関する回転モーメントとバケット43と積荷46に関
する回転モーメントとを加算、合成したものと、ブーム
用油圧シリンダ12に関する回転モーメントとは釣りあ
っているので、 Fbm・l1 =Ws・l7 +Wd・l6 という関係が成立する。よって、バケット43と積荷4
6とを合計した未知の重量Wdは、 Wd=(Fbm・l1 ーWs・l7 )/l6 …(10) のごとく求められる。ここで、シリンダ力Fbmについ
ては、Fbm=Abm・Pbmという関係があるので、
これを上記(10)式に代入するとともに、(7)、
(9)式を上記(10)式に代入すると、 Wd=(Abm・Pbm・l1 ーWs・l2 cosθ)/((l4 cosφ+ l3 cosθ)cosθー(l4 sinφ+l3 sinθ)sinθ ) …(11) となり、積荷46の重量に応じて変化するバケット43
と積荷46の合計重量Wdが、ブーム回転位置センサ1
9の検出値θ、バケット回転位置センサ20の検出値
φ、シリンダ圧力センサ32の検出値Pbm、ブーム重
量Ws、ブーム42の重心位置Sおよび積荷46(バケ
ット43)の重心位置D等に基づく位置データl1 、l
2 、l3 、l4 並びに受圧面積Abmから求められるこ
ととなる。
【0046】以上のような演算は、CPU15におい
て、メモリ16に予め記憶しておいた既知のデータとセ
ンサ19、20、32の各出力とに基づき実行される。
【0047】なお、油圧シリンダ12にかかる負荷Pb
mを検出して、これに基づく作業機の回動支点42a回
りの回転モーメントの釣合の式(10)からバケット4
3と積荷46の合計重量Wdを演算するようにしている
が、これに限定されることなく、バケット43に設けた
重量センサのようなもので積荷46の重量を直接検出す
ることができるのであれば、そのような実施もまた可能
である。
【0048】・車両40が加速している場合の考察 つぎに車両40に加速度aが作用したときの力学的関係
について考察する。
【0049】いま、車両40が正の加速度aをもって発
進したとすると、図2に示すようにD点においてバケッ
ト43および積荷46に対してベクトル(a・Wd、ー
Wd)の力Fdが作用する。なお、ここで、逆に車両4
0が負の加速度aをもって減速している場合にはx成分
a・Wdは逆向きに作用する。
【0050】そこで、XーY座標におけるD点の座標位
置を(dx、dy)として、前輪44の接地点Aを回転
中心とする力Fdによる回転モーメントFd・L1 を求
める。そのために、まず、上記回転モーメントのモーメ
ントアームL1 を求める。いま、ベクトル(a・Wd、
ーWd)に対して垂直なベクトルを(α、β)とする
と、これら2つのベクトルの内積は零であるから、 (a・Wd、ーWd)・(α、β)=0 という関係が成立し、これは、 a・αーβ=0 となる。よって、α=1とすれば、β=aとなる。
【0051】したがって、X−Y座標において、原点A
を通り、ベクトル(α、β)と向きが同じである直線の
方程式は、 y=a・x …(12) となる。
【0052】また、XーY座標において、D点(dx、
dy)を通り、ベクトル(a・Wd、ーWd)と向きが
同じである直線の方程式は、 y=ー(1/a)・x+((1/a)dx+dy) …(13) となる。そこで、(12)、(13)式の交点の座標位
置(x、y)を求めるべく、(12)式を(13)式に
代入してyを消去すると、 x=(dx+a・dy)/(1+a2 ) …(14) が得られる。この(14)式を(12)式に代入してx
を消去すると、 y=a・(dx+a・dy)/(1+a2 ) …(15) が得られる。
【0053】すると、モーメントアームL1 は、RT
(X)をXの平方根であると定義して、 L1 =RT(x2 +y2 ) …(16) により求められる。この(16)式に(14)、(1
5)式を代入すると、 L1 =(dx+a・dy)/RT(1+a2 ) …(17) となる。
【0054】ここで、ベクトル(a・Wd、ーWd)の
スカラ値たる力Fdは、 Wd・RT(a2 +1) であるから、接地点A回りの力Fdの回転モーメントF
d・L1 は、(17)式から、 Wd・RT(1+a2 )・L1 =Wd・(dx+a・dy) …(18) のごとくなる。
【0055】つぎに、接地点Aを回転中心とするブーム
42に関する回転モーメントFs・L2 を同様にして求
める。
【0056】ブーム42の重心位置Sには、加速度aに
応じてベクトル(a・Ws、ーWs)の力Fsが作用す
る。よって、ベクトル(a・Ws、ーWs)のスカラ値
たる力Fsは、 Ws・RT(a2 +1) となる。一方、モーメントアームの長さL2 は、X−Y
座標におけるS点の座標位置を(sx、sy)として、
上記(17)式と同様にして求めると、 L2 =(sx+a・sy)/RT(1+a2 ) となる。よって、ブーム42に関する回転モーメントF
s・L2 が、 Ws・RT(1+a2 )・L2 =Ws・(sx+a・sy) …(19) のごとく求められる。
【0057】つぎに、接地点Aを回転中心とする車体4
1に関する回転モーメントFg・L3 を同様にして求め
る。
【0058】車体41の重心位置Gには、加速度aに応
じてベクトル(a・Wg、ーWg)の力Fgが作用す
る。よって、ベクトル(a・Wg、ーWg)のスカラ値
たる力Fgは、 Wg・RT(a2 +1) となる。一方、モーメントアームの長さL3 は、XーY
座標におけるG点の座標位置を(gx、gy)として、
上記(17)式と同様にして求めると、 L3 =(gxーa・gy)/RT(1+a2 ) となる。よって、車体41に関する回転モーメントFg
・L3 が、 Wg・RT(1+a2 )・L3 =Wg・(gx+gy) …(20) のごとく求められる。
【0059】さて、(18)、(19)式で得られた回
転モーメントFd・L1 、Fs・L2 は作業機に関する
ものであり、前輪44の接地点Aを回転中心にして後輪
45を路面GDから離間させ車両40を転倒させる方向
(図2においては左回り)に作用するモーメントであ
る。一方、(20)式で得られた回転モーメントFg・
L3 は、車体41に関するものであり、前輪44の接地
点Aを回転中心にして後輪45を路面に接地させて車両
40を安定させる方向(図2においては右回り)に作用
するモーメントである。よって、車両40が加速時にお
いて転倒する虞がなく安全に走行するためには、下式
(21)に示すように安定方向の車体41に関する回転
モーメントが、転倒方向の作業機に関する回転モーメン
トよりも大きくなければならない。なお、こうした加速
度分が加味された作業機に関する回転モーメントを以
下、動的作業機回転モーメントと称するとともに、加速
度分が加味された車体に関する回転モーメントを以下、
動的車体回転モーメントと称することにする。
【0060】 Wd・(dx+a・dy)+Ws・(sx+a・sy)<Wg・(gx+a・ gy) …(21) 通常は、上記(21)式の関係が成立するよう車両40
が設計されており、転倒することはないのであるが、上
記(21)式があるマージンをもって成立していない
と、加速時において車体41が揺動したりショックが発
生して積荷46のこぼれ等を招来することから、上記
(21)式の右辺が左辺よりも十分に大きいことが望ま
しい。そこで、上記不等式(21)について検討を加え
る。
【0061】まず、積荷46の重量が変化した場合につ
いて検討する。
【0062】動的車体回転モーメントと動的作業機回転
モーメントとの偏差M- =(21)式の右辺ー(21)
式の左辺をとると、偏差M- の値が大きければ大きいほ
ど、より安定した走行ができるということがいえる。
【0063】いま、積荷46の重量が大きく変化した場
合、つまりWd´>>Wd´´である場合を仮定する。
そして、Wd=W´dのときの(21)式の左辺と、W
d=W´´dのときの(21)式の左辺とを比較する
と、明らかに W´´d・(dx+a・dy)+Ws・(sx+a・sy)<W´d・(d x+a・dy)+Ws・(sx+a・sy) が成立する。ここで、両者の場合とも、(21)式の右
辺は変わらないので、偏差M- ´をWd=W´dのとき
の偏差、偏差M- ´´をWd=W´´dのときの偏差と
すれば、 M- ´´>M- ´ となる。すなわち、積荷46の重量が大きいWd=W´
dのときの方が、車両40の安定性は悪化することがわ
かり、一般的に積荷46の重量が大きければ大きいほど
車両40の走行の安定性が悪化することがわかる。
【0064】つぎに、加速度aが変化した場合について
検討する。
【0065】いま、車両40が前進走行しており、現在
時間Tの時点で車両40の加速度aが正、つまり車速が
上昇している場合を想定する(たとえば、発進時)。す
ると、時刻Tにおける動的車体回転モーメントは、 Wg・(gx+a・gy) となる。ここで、微小時間Δt間に加速度がΔa(>
0)だけ変化したとすると、時刻T+Δtにおける動的
車体回転モーメントは、 Wg・(gx+(a+Δa)・gy) となる。そして、時刻Tのときの(21)式の右辺と時
刻T+Δtのときの(21)式の右辺とを比較すると、 Wg・(gx+(a+Δa)・gy)>Wg・(gx+a・gy) となる。一方、車体41の加速度が、作業機に伝達され
るのに時間Δtだけの時間遅れがあるものと仮定するこ
とができるので、(21)式の左辺は時刻Tと時刻T+
Δtとで変わらないので、偏差M- ´を時刻Tのときの
偏差、偏差M- ´´を時刻T+Δtのときの偏差とする
と、 M- ´´>M- ´ となる。
【0066】したがって、車両40が前進走行してお
り、加速度aが正の場合には、時間が経過した時刻T+
Δtのときの方が、車両40の安定性が良くなることが
わかる。
【0067】つぎに、同様に車両40が前進走行してお
り、現在時間Tの時に、車両40の加速度が負(加速度
ーa<0)、つまり減速している場合を想定する。する
と、時刻Tにおける動的車体回転モーメントは、 Wg・(gxーa・gy) となる。ここで、微小時間Δt間に加速度がーΔa(<
0)だけ変化したものとすると、時刻T+Δtにおける
動的車体回転モーメントは、 Wg・(gxー(a+Δa)・gy) となる。そして、時刻Tのときの(21)式の右辺と時
刻T+Δtのときの(21)式の右辺とを比較すると、 Wg・(gx−(a+Δa)・gy)<Wg・(gxーa・gy) となる。一方、車体41の加速度が、作業機に伝達され
るのに時間Δtだけの時間遅れがあるものと仮定するこ
とができるので、(21)式の左辺は時刻Tと時刻T+
Δtとで変わらなく、偏差M- ´を時刻Tのときの偏
差、偏差M- ´´を時刻T+Δtのときの偏差とする
と、 M- ´´<M- ´ となる。
【0068】したがって、車両40が前進走行してお
り、加速度−aが負の場合には、時間が経過した時刻T
+Δtのときの方が、車両40の安定性が悪くなること
がわかる。
【0069】以上の検討結果を総合すると、車両40の
加速度が負の場合には、加速度の絶対値が大きくなるに
つれて動的車体回転モーメントが減少することになり、
安定が損なわれるので、非安定側の動的作業機回転モー
メントが大きくなるにつれて安定側の動的車体回転モー
メントの減少を抑えることが必要となる。したがって、
動的作業機回転モーメントが大きくなるほど、加速度の
絶対値を小さくするよう速度制御すれば、偏差M- が十
分な値に確保され、車両40の安定性が確保されること
になる。
【0070】また、車両40が後進走行する場合は、前
進走行の場合と逆に考えて、車両40の加速度が負の場
合には、特に問題がなく、加速度が正の場合に、加速度
の絶対値が大きくなるにつれて動的作業機回転モーメン
トが大きくなるほど、加速度を小さくするよう速度制御
すれば、偏差M- が十分な値に確保され、車両40の安
定性が確保される。
【0071】以上のことは、前進停止時に車両前部が沈
みこみ、また後進発進時に車両前部が沈み込む現象を想
定してみれば、直感的に捕らえることができる。
【0072】・静的作業機回転モーメントMsdの演算
かかる速度制御に用いられる作業機に関する回転モーメ
ントは動的なものでなくて、静的(加速度成分がない意
味で使用する)な回転モーメントでよく、以下、この静
的作業機回転モーメントMsdを演算する。
【0073】さて、X−Y座標におけるバケット43お
よび積荷46の重心位置Dの座標位置を(dx、dy)
とすると、上記(2)、(6)式より、 dx=(l4 cosφ+l3 cosθ)cosθー(l4 sinφ+l3 si nθ )sinθ+l5 cosψ dy=(l4 cosφ+l3 cosθ)sinθ+(l4 sinφ+l3 si nθ )cosθ+l5 sinΦ …(22) となる。
【0074】XーY座標におけるブーム42の重心位置
Sの座標位置(sx、sy)は、上記(2)、(8)式
より、 sx=l2 cosθ+l5 cosψ sy=l2 sinθ+l5 sinψ …(23) となる。
【0075】そして、静的作業機回転モーメントMsd
は、明らかに、 Msd=Ws・sx+Wd・dx …(24) であり、(11)、(22)、(23)式を(24)式
に代入すると、 Msd=Ws・(l2 cosθ+l5 cosψ)+((l4 cosφ+l3 c os θ)cosθー(l4 sinφ+l3 sinθ)sinθ+l5 cos ψ)・(Pbm・Abm・l1 ーWs・l2 ・cosθ)/( (l4 c osφ+l3 cosθ)cosθー(l4 sinφ+l3 s inθ)s inθ) となり、静的作業機回転モーメントMsdが、上記演算
されたバケット43と積荷46の重量Wd、回転位置セ
ンサ19の検出値θ、回転位置センサ20の検出値φ、
既知のブーム42の重量Ws、ブーム42の重心位置
D、積荷46(バケット43)の重心位置Sに基づき演
算される。かかる演算はCPU15でメモリ16の記憶
データに基づき実行される。 ・制御処理手順 以下、図4のフローチャートおよび図5、図6のグラフ
を併せ参照して速度制御の態様について説明する。
【0076】図4に示すように制御処理がスタートする
と、まず、予めメモリ16に記憶された目標車速vgが
読み出され(ステップ101)、ついで現在の車速vが
実車速センサ21から入力される(ステップ102)。
そこで、目標車速vgを中心として上下に速度不感帯幅
vdが設定され、現在の車速vが、目標車速vgにほぼ
達しているか否か、つまり目標車速vgを中心として上
下に速度不感帯幅vdの範囲内、 vg−vd<vr<vg+vd …(25) にあるか否かが判断される(ステップ103)。
【0077】ここで、車速vが上記(25)式の範囲内
にあり、目標車速vgに達していると判断されたなら
ば、この速度制御処理自体が終了される。
【0078】一方、ステップ103において車速vが目
標車速vgに達していないと判断されたならば、つぎに
車速の偏差vε=vg−vが演算され、この偏差vεに
応じた電圧増減分値ΔVaが図5の関係に基づき求めら
れる。
【0079】図5は、車両40が前進走行している場合
における、車速偏差vεと静的作業機回転モーメントM
sdと現在のエンジン回転数設定指令電圧Vaに加算す
べき電圧増減分値ΔVaとの関係を3次元マップで示し
たものでる。
【0080】上記(25)式の関係が満たされている場
合には、増減分値ΔVaは零となっており、偏差vεの
絶対値の大きさに比例して増減分値ΔVaの絶対値が大
きくなる関係となっている。
【0081】ここで、電圧増減分値の絶対値|ΔVa|
は、加速度増減分値の絶対値|Δa|と比例関係にあ
る。そこで、前述するように車両40の安定を確保すべ
く、偏差vεが負、つまり加速度が負の場合には、Hに
示すように偏差vεが同一の値であっても、静的作業機
回転モーメントMsdがJに示すように大きくなるほ
ど、増減分値の絶対値|ΔVa|を小さくするようにし
て、加速度の絶対値の上昇を抑えるようにしている。一
方、偏差vεが正の場合、つまり加速度が正の場合に
は、加速度上昇は車両40の安定性に悪影響を与えない
ので、Iに示すように偏差vεが同一のときには、静的
作業機回転モーメントMsdの大きさにかかわりなく、
偏差vεに応じた同一の増減分値ΔVaを付与するよう
にしている。
【0082】一方、同様に後進走行の場合の3次元マッ
プを図6に示す。
【0083】この場合も、前述するように車両40の安
定を確保すべく、偏差vεが正、つまり加速度が正の場
合には、Hに示すように偏差vεが同一の値であって
も、静的作業機回転モーメントMsdがJに示すように
大きくなるほど、増減分値の絶対値|ΔVa|を小さく
するようにして、加速度の絶対値の上昇を抑えるように
している。一方、偏差vεが負の場合、つまり加速度が
負の場合には、加速度の絶対値上昇は車両40の安定性
に悪影響を与えないので、Iに示すように偏差vεが同
一のときには、静的作業機回転モーメントMsdの大き
さにかかわりなく、偏差vεに応じた同一の増減分値Δ
Vaを付与するようにしている。
【0084】以上のように車両40が前進走行している
か後進走行しているかに応じて図5または図6のマップ
を選択して最適な増減分値ΔVaを読み出すこととなる
が、前進走行しているか後進走行しているかの判断は、
前後進センサ34の出力に基づき行われる(ステップ1
04)。
【0085】このステップ104で求められた電圧増減
分値ΔVaが現在の指令電圧Vaに加算され、指令電圧
Vaがインクリメントされる(ステップ105)。以
下、この指令電圧Vaが零より小さくなく(ステップ1
06の判断NO)、かつ電圧のリミットである最大値V
amaxを超えてないときには(ステップ108の判断
NO)、ステップ105でインクリメントされた指令電
圧Vaがそのままアクセルペダル30に出力され、処理
が終了することになるが、増減分値ΔVaを加算した結
果の指令電圧Vaが零よりも小さくなってしまうと(ス
テップ106の判断YES)、指令電圧Vaを零にし
て、アクセルペダル30に出力するとともに(ステップ
107)、指令電圧Vaが最大値Vamaxが超えてし
まうときには(ステップ108の判断YES)、指令電
圧Vaを最大値Vamaxにして、アクセルペダル30
に出力する(ステップ109)。
【0086】以下、車速vが目標車速vgに到達しない
で(ステップ103の判断NO)、時間が経過すると、
この速度制御処理が実行される度に、ステップ105に
おいて指令電圧Vaが順次インクリメントされることに
なる。
【0087】したがって、たとえば車速vが目標車速v
gよりも低いままである限りは、指令電圧Vaが車速偏
差vεに応じた増分ΔVaづつ増加していくことにな
り、エンジン1の回転数が増大し続けることになる。こ
れをオペレータの操作に置き換えてみると車速が目標値
より低いと、アクセルペダルを踏み続け、加速度を上昇
させていく操作に相当する。そして、この場合、後進増
速時であれば、静的作業機回転モーメントMsdが大き
ければ大きいほど、アクセルペダルの操作量が抑えら
れ、車両姿勢の安定と速度制御の迅速とが両立して走行
される。実施例によれば、かかる微妙な操作がオペレー
タの勘に頼ることなく、自動的に行われることとなる。
【0088】以上が、第1の制御であるエンジン回転数
制御の内容である。
【0089】2)第2の制御ーブレーキ制御 このブレーキ制御は、結果として車速を変化させるとい
う点では上記第1の制御と共通しているが、制御対象が
エンジン回転数ではなく、ブレーキ圧であるという点が
上記第1の制御と異なっている。よって、ブレーキが負
の加速度を発生させることから、上記第1の制御で考察
した加速度と回転モーメントとの関係をそのまま適用で
きる。
【0090】以下、図7のフローチャートと図8に示す
グラフとを参照してブレーキ制御の態様について説明す
る。
【0091】図7に示すようにブレーキ制御処理がスタ
ートすると、まず、予めメモリ16に記憶された目標ブ
レーキ圧BPgが読み出され(ステップ201)、つい
で現在のブレーキ圧BPがブレーキ圧力センサ33から
入力される(ステップ202)。そこで、目標ブレーキ
圧BPgを中心として上下に不感帯幅BPdが設定さ
れ、現在のブレーキ圧BPが、目標ブレーキ圧BPgに
ほぼ達しているか否か、つまり目標ブレーキ圧BPgを
中心として上下に不感帯幅BPdの範囲内、 BPg−BPd<BP<BPg+BPd …(26) にあるか否かが判断される。
【0092】ここで、ブレーキ圧BPが上記(26)式
の範囲内にあり、目標ブレーキ圧BPgに達していると
判断されたならば(ステップ203の判断NO、ステッ
プ207の判断NO)、このブレーキ制御処理を終了す
る。
【0093】一方、ステップ203においてブレーキ圧
BPが目標ブレーキ圧BPgを超えたことが判断された
ならば、目標ブレーキ圧BPgにすべく現在のブレーキ
力指令電圧Vbから所定のブレーキ力指令電圧増分値Δ
Vbが減算され、指令電圧Vbを減少させる。また、ス
テップ207においてブレーキ圧BPが目標ブレーキ圧
BPgを下回っていることが判断されたならば、目標ブ
レーキ圧BPgにすべく現在のブレーキ力指令電圧Vb
に所定のブレーキ力指令電圧増分値ΔVbが加算され、
指令電圧Vbを増加させる。
【0094】図8(a)は、車両40が前進走行してい
る場合における、車速vと静的作業機回転モーメントM
sdと現在のブレーキ力指令電圧Vbに加算または減算
すべき電圧増分値ΔVbとの関係を3次元マップで示し
たものでる。
【0095】車速vが零にあるときには、増分値ΔVb
は零となっており、車速vの大きさに比例して増分値Δ
Vbが大きくなる関係となっている。
【0096】ここで、電圧増分値ΔVbは、負の加速度
増分の絶対値|Δa|と比例関係にある。そこで、前述
するように車両40の安定を確保すべく、Hに示すよう
車速vが同一の値であっても、静的作業機回転モーメン
トMsdがJに示すように大きくなるほど、増分値ΔV
bを小さくするようにして、負の加速度の絶対値の上昇
を抑えるようにしている。
【0097】一方、後進走行でブレーキをかける場合
は、加速度の絶対値上昇は車両40の安定性に悪影響を
与えないので、図8(b)に示すように、静的作業機回
転モーメントMsdの大きさによらない、車速vのみに
基づく増分値ΔVbを付与するようにしている(ステッ
プ204、208)。
【0098】以上のようにして指令電圧Vbがインクリ
メントされ、この指令電圧Vbが零より小さくなく(ス
テップ205の判断NO)、かつ電圧のリミットである
最大値Vbmaxを超えてないときには(ステップ20
9の判断NO)、ステップ204、208でインクリメ
ントされた指令電圧Vbがそのままブレーキペダル31
に出力され、処理が終了することになるが、増分値ΔV
bを減算した結果の指令電圧Vbが零よりも小さくなっ
てしまうと(ステップ205の判断YES)、指令電圧
Vbを零にして、ブレーキペダル31に出力するととも
に(ステップ206)、指令電圧Vbが最大値Vbma
xが超えてしまうときには(ステップ209の判断YE
S)、指令電圧Vbを最大値Vbmaxにして、ブレー
キペダル31に出力する(ステップ210)。
【0099】以下、ブレーキ圧BPが目標ブレーキ圧B
Pgに到達しないで(ステップ203、207の判断Y
ES)、時間が経過すると、このブレーキ制御処理が実
行される度に、ステップ204、またはステップ208
において指令電圧Vbが順次インクリメントされること
になる。
【0100】したがって、たとえばブレーキ圧BPが目
標ブレーキ圧BPgよりも低いままである限りは、指令
電圧Vbが車速vに応じた増分ΔVbづつ増加していく
ことになり、ブレーキ機構で発生するブレーキ力が増大
し続けることになる。これをオペレータの操作に置き換
えてみると、車両が停止しないと、ブレーキペダルを踏
み続け、ブレーキ力を上昇させていく操作に相当する。
そして、この場合、前進する車両を停止させる場合であ
れば、静的作業機回転モーメントMsdが大きければ大
きいほど、ブレーキペダルの操作量が抑えられ、車両姿
勢の安定とブレーキによる停止制御の迅速とが両立して
制動される。実施例によれば、かかる微妙な操作がオペ
レータの勘に頼ることなく、自動的に行われることとな
る。
【0101】以上が、第2の制御であるブレーキ制御の
内容である。
【0102】3)第3の制御ー操舵制御 以上の1)、2)は、車両40において前後方向に加速
度が発生する場合であるが、つぎに車両40に左右方
向、つまり旋回半径方向に加速度が発生する場合の操舵
制御について説明する。
【0103】・車両40が旋回している場合の考察 図10は車両40が点Pを旋回中心にして速度vをもっ
て右旋回している様子を示したものである。この場合、
作業機を有した車両前部40aの基準点Qと旋回中心P
との距離、つまり旋回半径(曲率半径)ρはステアリン
グを操舵することに伴い変化する。
【0104】そこで、このように車両40が右旋回して
いる場合の車体左右方向の力学的関係について、車両4
0を前方からみた図9を参照して考察する。
【0105】いま、同図に示すように旋回半径方向外側
である左前輪44Lと路面GDとの接地点をA点とし、
このA点を原点として路面GDに対して垂直な線分をZ
軸とし、YーZ座標を定義する。なお、その他の符号は
1)の第1の制御で定義したものと同一の符号をそのま
ま用いる。
【0106】すると、バケット43と積荷46の重心位
置D点には、ベクトル((v2 /ρ)・Wd、ーWd)
の力Fdが作用する。このベクトルのY成分はバケット
43と積荷46の重力であり、Z成分は、旋回に伴うバ
ケット43と積荷46の遠心力である。なお、重量Wd
は前述したようにして演算される。
【0107】ここで、ZーY座標におけるD点の座標位
置を(dz、dy)とし、接地点Aを回転中心として旋
回半径内側の右前輪44Rを路面GDから離間させる方
向(図9において右回り)に作用する力Fdによる回転
モーメントを求める。そのために、まず力Fdのモーメ
ントアームL1 を求める。なお、以下において式符号…
()に´を付したものは、第1の制御における式と同様
の式であるものとする。ベクトル((v2 /ρ)・W
d、ーWd)に対して垂直なベクトルを(α、β)とす
ると、この2つのベクトルの内積は零だから、 ((v2 /ρ)・Wd、ーWd)・(α、β)=0 となり、 (v2 /ρ)・αーβ=0 となる。よって、α=1とすれば、β=(v2 /ρ)と
なる。
【0108】Z−Y座標において、原点Aを通り、ベク
トル(α、β)と向きが同じである直線の方程式は、 y=(v2 /ρ)・z …(12)´ となる。
【0109】また、ZーY座標において、D(dz、d
y)点を通り、ベクトル((v2 /ρ)・Wd、ーW
d)と向きが同じである直線の方程式は、 y=ー(1/(v2 /ρ))・z+((1/(v2 /ρ))dz+dy) …(13)´ となる。(12)´式と(13)´式とからyを消去し
て交点の座標位置zを求めると、 z=(dz+(v2 /ρ)・dy)/(1+(v2 /ρ)2 ) …(14)´ となる。この(14)´式を(12)´式に代入してz
を消去すると、 y=(v2 /ρ)・(dz+(v2 /ρ)・dy)/(1+(v2 /ρ)2 ) …(15)´ となり、座標位置yが求められる。ここで、モーメント
アームL1 は、 L1 =RT(z2 +y2 ) …(16)´ であるから、この(16)´式に上記(14)´、(1
5)´式を代入すると、 L1 =(dz+(v2 /ρ)・dy)/RT(1+(v2 /ρ)2 ) …(17)´ が得られる。
【0110】ここで、ベクトル((v2 /ρ)・Wd、
ーWd)のスカラ値、つまり力Fdは、 Wd・RT((v2 /ρ)2 +1) であるから、力Fdの回転モーメントFd・L1 は、 Wd・RT(1+(v2 /ρ)2 )・L1 =Wd・(dz+(v2 /ρ)・d y) …(18)´ として得られる。なお、車両40が左旋回している場合
には、接地点を旋回半径外側となる右前輪44Rの接地
点A´として、この点A´を回転中心とする回転モーメ
ントを求めるようにすればよい。この場合、遠心力(v
2 /ρ)・Wdは図9の場合と逆向きに作用する。
【0111】また、同様にブーム42の重心位置S点に
はベクトル((v2 /ρ)・Ws、ーWs)の力Fsが
働く。そこで、S点の座標位置を(sz、sy)とし
て、接地点A点を回転中心として旋回半径内側の右前輪
44Rを路面GDから離間させる方向(図9において右
回り)に作用する力Fsの回転モーメントを求める。
【0112】ベクトル((v2 /ρ)・Ws、ーWs)
のスカラ値、つまり力Fsは、 Ws・RT((v2 /ρ)2 +1) となる。回転モーメントのモーメントアームの長さをL
2 とすると、(17)´式と同様にして演算すると、 L2 =(sz+(v2 /ρ)・sy)/RT(1+(v2 /ρ)2 ) が得られる。よって、力Fsによる回転モーメントFs
・L2 は、 Ws・RT(1+(v2 /ρ))・L2 =Ws・(sz+(v2 /ρ)・sy ) …(19) として得られる。
【0113】今度は、車体41に関する回転モーメント
を求める。すなわち、車体41の重心G点にはベクトル
((v2 /ρ)・Wg、ーWg)の力Fgが働くので、
ZーY座標におけるG点の座標位置を(gz、gy)と
して接地点Aを回転中心として、旋回半径内側の右前輪
44Rを路面GDに接地させる方向(図9において左回
り)に作用する力Fgによる回転モーメントを求める。
【0114】ベクトル((v2 /ρ)・Wg、ーWg)
のスカラ値、つまり力Fgは、 Wg・RT((v2 /ρ)2 +1) となる。回転モーメントのモーメントアームの長さをL
3 とすると、(17)´式と同様にして、 L3 =(gzー(v2 /ρ)・gy)/RT(1+(v2 /ρ)2 ) が得られる。よって、力Fgによる回転モーメントFg
・L3 は、 Wg・RT(1+(v2 /ρ)2 )・L3 =Wg・(gz+gy) …(20)´ として得られる。
【0115】上記(18)´、(19)´、(20)´
式より、第1の制御の場合と同様にして、 Wd・(dz+(v2 /ρ)・dy)+Ws・(sz+(v2 /ρ)・sy) < Wg・(gz+(v2 /ρ)・gy) …(21)´ という具合に、左辺の車両40を転倒させる方向に作用
する合成回転モーメントよりも右辺の車両40を安定さ
せる方向に作用する回転モーメントの方が大きいという
関係が成立していれば、車両40は転倒する虞がなく、
積荷46のこぼれ等もなく安定して旋回走行が行なわれ
るということができる。この場合、左辺の合成回転モー
メントは、旋回に伴う遠心力分が加味された、作業機に
関する回転モーメントであることから、以下、動的作業
機回転モーメントと称する。また、右辺の回転モーメン
トは、旋回に伴う遠心力分が加味された、車体に関する
回転モーメントであることから、以下、動的車体回転モ
ーメントと称する。
【0116】(21)´式において、動的車体回転モー
メントと動的作業機回転モーメントとの偏差M- =(2
1)´式の右辺ー(21)´式の左辺をとると、偏差M
- の値が大きければ大きいほど、より安定した旋回走行
ができるということがいえる。 いま、重量Wdが、W
d´>>Wd´´と大きく変化した場合について検討す
る。重量が大きい場合Wd=W´dの(21)´の左辺
と、小さい場合Wd=W´´dの(21)´式の左辺と
を比較すると、 W´´d・(dz+(v2 /ρ)・dy)+Ws・(sz+(v2 /ρ)・s y )<W´d・(dz+(v2 /ρ)・dy)+Ws・(sz+(v2 /ρ )・ sy) となる。ここで、(21)´式の右辺は変化しないの
で、偏差M- ´をWd=W´dのときの偏差、偏差M-
´´をWd=W´´dのときの偏差とすると、 M- ´´>M- ´ となり、重量が大きいWd=W´dのときの方が、車両
40の安定性は悪くなる。つまり、作業機の積荷46の
重量が大きければ大きいほど車両40の旋回走行の安定
性が悪化する。
【0117】つぎに車速vが変化した場合について検討
する。車速vが、v´>>v´´のごとく大きく変化す
ると、(21)´式の左辺同士は、 Wd・(dz+(v´´2 /ρ)・dy)+Ws・(sz+(v´´2 /ρ) ・sy)<Wd・(dz+(v´2 /ρ)・dy)+Ws・(sz+(v´2 / ρ)・ sy) という関係になる。ここで、(21)´式の右辺は変化
しないので、M- ´をv=v´のときの偏差、M- ´´
をv=v´´のときの偏差とすると、 M- ´´>M- ´ となり、車速が大きいv=v´のときの方が安定性が悪
くなる。すなわち、車両40の車速vが大きければ大き
いほど車両40の安定性が悪化する。
【0118】つぎに、旋回半径ρが変化した場合につい
て検討を加える。旋回半径ρが、ρ´>>ρ´´のごと
く大きく変化すると、(21)´式の左辺同士は、 Wd・(dz+(v2 /ρ´´)・dy)+Ws・(sz+(v2 /ρ´´) ・sy)>Wd・(dz+(v2 /ρ´)・dy)+Ws・(sz+(v2 /ρ ´)・sy) という関係になる。ここで、(21)´式の右辺は変化
しないので、M- ´をρ=ρ´のときの偏差、M- ´´
をρ=ρ´´ときの偏差とすると、 M- ´´<M- ´ となり、旋回半径が小さいρ=ρ´´のときの方が安定
性が悪くなる。すなわち、車両40の旋回半径が小さけ
れば小さいほど車両40の安定性が悪化する。
【0119】ここで、旋回半径ρは、ステアリングの操
舵角Φが大きいほど小さくなり、逆に操舵角Φが小さい
ほど大きくなる。
【0120】以上の検討を総合すると、積荷46の重量
が大きかったり、車速vが大きい場合には、非安定側の
動的作業機回転モーメントが大きくなり、偏差M- が小
さくなる傾向にあるので、車両40の安定を著しく損な
う。一方において、操舵角Φを大きくすればするほど
(旋回半径ρが小さくなり)、非安定側の動的作業機回
転モーメントが大きくなり、偏差M- が小さくする傾向
にあるので、車両40の安定を著しく損なう。このこと
は、逆にいえば、ステアリングを緩やかに切り、旋回半
径ρを大きめにすることで、動的作業機回転モーメント
の増大を抑えることができ、車両40の安定性が確保さ
れることを意味する。そこで、作業機に関する回転モー
メントが大きくなるほど、ステアリングの操舵を緩やか
に、つまり目標操舵角と現在の操舵角との偏差に応じた
本来の操舵角速度指令から減少させるよう舵角制御すれ
ば、車両40の旋回走行時の安定が確保される。
【0121】・舵角制御処理 以下、図11、図12に示すグラフを参照して、かかる
舵角制御処理の手順について説明する(フローチャート
は省略する)。
【0122】なお、作業機に関する回転モーメントは、
第1の制御の場合と同様に、遠心力の成分を含まない静
的作業機回転モーメントMsd((24)式)が使用さ
れる。まず、目標ステアリング角Φgがメモリ16から
読み出される。なお、この目標ステアリング角Φgは、
前述するように車両40は誘導ケーブルに沿って誘導さ
れるよう操舵制御されているため、時時刻刻変化してお
り一定していない。
【0123】そして、ステアリング角不感帯幅Φdが設
定され、ステアリング角センサ22で検出された現在の
ステアリング角Φが、 ΦgーΦd<Φ<Φg+Φd …(27) の関係を満足するまで、ステアリング移動速度指令電圧
Vsが出力され、ステアリングが操舵される。
【0124】すなわち、図11は、ステアリング角偏差
Φε=ΦgーΦと静的作業機回転モーメントMsdとス
テアリング移動速度指令電圧Vsとの関係を示してい
る。この場合、指令電圧Vsとステアリングの角速度と
は対応している。そして、ステアリング移動速度指令電
圧Vsがプラス極性の場合は、ステアリングを右に切る
指令に対応しており、ステアリング移動速度指令電圧V
sがマイナス極性の場合は、ステアリングを左に切る指
令に対応している。
【0125】同図からも明かなように、ステアリング角
偏差Φεの絶対値の大きさに比例してステアリング移動
速度指令電圧Vsの絶対値が大きくなっているのがわか
る。また、図12は、車速vとオフセット電圧Vsoと
の関係を示している。最終的にステアリング移動速度指
令電圧Vsは、図11の指令電圧Vsに図12のオフセ
ット電圧Vsoを加算または減算したものとして以下の
ように求められる。
【0126】 ΦgーΦr>Φdならば、Vs=Vs+Vso ーΦd≦Φg−Φr≦Φdならば、Vs=0 Φg−Φr<ーΦdならば、Vs=VsーVso ここで、図12に示すように車速vが増大するほど、オ
フセット電圧Vsoを小さくしてステアリング移動速度
指令電圧Vsの絶対値を小さくしているのはつぎのよう
な理由による。
【0127】まず、第1の理由として、オフセット電圧
Vsoは、ステアリングを切るパワーを増幅させるため
電圧増分であり、車速vが小さくなるほど、操舵輪と路
面との摩擦が大きくなりステアリングを切るのにパワー
を必要とする。このために車速vが小さくなるほどオフ
セット電圧Vsoを大きくしてステアリング移動速度指
令電圧Vsの絶対値を大きくするようにしている。ま
た、第2の理由として前述するように車速vが増大する
ほど、動的作業機回転モーメントが増大して車両40が
不安定になる。そこで、車速vが大きくなるほどオフセ
ット電圧Vsoを小さくして、指令電圧Vsの絶対値を
小さくすることにより、ステアリングをより緩やかに切
るようにして動的作業機回転モーメントの増大を抑え、
車両40の安定を確保するようにしている。
【0128】一方、図11のHに示すように左旋回のた
めのステアリング角偏差Φεが同一の値の場合には、静
的作業機回転モーメントMsdがJに示すように大きく
なるにつれて、指令電圧Vsの絶対値を小さくしている
とともに、Iに示すように右旋回のためのステアリング
角偏差Φεが同一の値の場合には、同様にJ方向へ向け
て静的作業機回転モーメントMsdが大きくなるほど、
指令電圧Vsの絶対値を小さくしている。これは、前述
するように、作業機に関する回転モーメントが増大する
ほど、偏差M- が小さくなり車両40が不安定になるの
で、ステアリングを緩やかに切ることにより、旋回半径
ρを小さくして、作業機回転モーメントの増大を抑えて
車両40の安定を確保するためという理由による。
【0129】以上が、第3の制御である舵角制御の内容
である。
【0130】なお、実施例では、第1、第2および第3
の制御とも、静的作業機回転モーメントMsdに応じて
電圧ΔVa、ΔVb、Vsを決定するようにしたが、動
的作業機回転モーメントに基づきこれら電圧を決定する
ような実施も可能である。
【0131】また、実施例では、ブームおよびバケット
からなる作業機を有した作業車両に適用する場合を想定
したが、これに限定されることなく、ブーム、アーム、
バケットからなる作業機を有したパワーショベルなどの
作業車両に適用する実施も可能である。要は、荷の積込
作業を行い、走行する作業車両であれば、いかなる形態
の作業機を具えた作業車両にも本発明は適用可能であ
る。
【0132】また、実施例では、作業車両として車輪式
の車両たるホイールローダを想定しているが、これに限
定されることなく、履帯式の車両に適用する実施も可能
である。この場合、前後進走行する場合には、接地点A
を履帯の接地面先端に設定して、実施例をそのまま適用
することができる。
【0133】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、積
荷を含む作業機に関する回転モーメントを演算により求
め、この回転モーメントの大きさに応じて車速の制御、
ブレーキ力の制御、舵角の制御を行うようにしたので、
積荷の重量、作業機の姿勢、前後進状態、旋回状態にか
かわりなく、オペレータに負担を課すことなく自動的
に、安定して車両を走行させることができるようにな
る。このため、積荷のこぼれ、車体の揺動等がなくな
り、作業効率、車両の安全が飛躍的に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る作業車両の実施例の構成を
示すブロック図であり、同図(a)は実施例の制御装置
の構成を示し、同図(b)は実施例の車両のパワートレ
インの構成を概念的に示す図である。
【図2】図2は図1に示す装置が搭載される作業車両の
左側面を示す側面図である。
【図3】図3は図2に示す作業車両の作業機の右側面の
幾何学的関係を示す側面図である。
【図4】図4は図1に示すCPUで実行される第1の制
御であるエンジン回転数制御の処理手順を例示したフロ
ーチャートである。
【図5】図5は図4に示す処理で使用される、速度偏差
と作業機回転モーメントとエンジン回転数設定指令電圧
増減分値との関係を示すグラフであり、作業車両が前進
走行する場合に適用されるグラフである。
【図6】図6は図4に示す処理で使用される、速度偏差
と作業機回転モーメントとエンジン回転数設定指令電圧
増減分値との関係を示すグラフであり、作業車両が後進
走行する場合に適用されるグラフである。
【図7】図7は図1に示すCPUで実行される第2の制
御であるブレーキ制御の処理手順を例示したフローチャ
ートである。
【図8】図8(a)は図7に示す処理で使用される、車
速と作業機回転モーメントとブレーキ圧指令電圧増分値
との関係を示すグラフであり、作業車両が前進走行して
いる場合に適用されるグラフである。図8(b)は車速
とブレーキ圧指令電圧増分値との関係を示すグラフであ
り、作業車両が後進走行している場合に適用されるグラ
フである。
【図9】図9は実施例の作業車両の前面を示す前面図で
ある。
【図10】図10は作業車両が旋回走行している場合の
上面図である。
【図11】図11は図1に示すCPUで実行される第3
の制御である操舵制御を説明するために用いたグラフで
あり、ステアリング角偏差と作業機回転モーメントとス
テアリング移動速度指令電圧との関係を示すグラフであ
る。
【図12】図12は、図11に示すステアリング移動速
度指令電圧に加算または減算すべきオフセット電圧を車
速との関係で示すグラフである。
【符号の説明】
1 エンジン 14 コントローラ 15 CPU 19 ブーム回転位置センサ 20 バケット回転位置センサ 21 実車速センサ 22 ステアリング角センサ 30 アクセルペダル 31 ブレーキペダル 32 シリンダ圧力センサ 33 ブレーキ圧力センサ 34 前後進センサ 42 ブーム 43 バケット 44 前輪 45 後輪 46 積荷
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 真幸 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷の積込作業を行う作業機を車体前
    部に具えた作業車両が車体前後に設けられた前後車輪で
    路面に接地しながら前後進する場合に、前記作業車両の
    目標車速と現在の車速との偏差に応じた加速度が得られ
    るように前記作業車両の速度を制御する作業車両の制御
    装置において、 前記作業機の前記車体に対する姿勢角度を検出する作業
    機姿勢角検出手段と、 前記作業機の積荷の重量を検出する荷重量検出手段と、 前記作業機姿勢角検出手段の検出値と前記荷重量検出手
    段の検出値と前記荷の重心位置と空荷の場合の前記作業
    機の重心位置と空荷の場合の前記作業機の重量とに基づ
    いて前輪の接地点を回転中心にして後輪を前記路面から
    離間させる方向へ前記作業機を回転させる回転モーメン
    トを演算する回転モーメント演算手段と、 前記作業車両が前進走行しており、かつ前記加速度が負
    となっている場合、または前記作業車両が後進走行して
    おり、かつ前記加速度が正となっている場合に、前記演
    算された回転モーメントが大きくなるにつれて、前記加
    速度の絶対値が小さくなるように前記加速度を可変する
    制御手段とを具えた作業車両の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記荷重量検出手段は、前記作業機
    姿勢角検出手段の検出値と前記荷の重心位置と空荷の場
    合の前記作業機の重心位置と空荷の場合の前記作業機の
    重量とに基づいて前記積荷の重量を未知数とする前記作
    業機の回動支点回りの回転モーメントを演算するととも
    に、前記作業機を駆動するアクチュエータの負荷に基づ
    いて当該アクチュエータの前記回動支点回りの回転モー
    メントを演算して、これら両回転モーメントが釣り合っ
    たことを条件として前記未知数の積荷の重量を演算する
    ようにした請求項1記載の作業車両の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記作業車両の速度の制御は、エン
    ジンの回転数を操作量に応じた大きさに設定するエンジ
    ン回転数設定手段が設けられ、前記作業車両の目標車速
    と現在の車速との偏差に応じた操作量を当該エンジン回
    転数設定手段に付与することにより行う請求項1記載の
    作業車両の制御装置。
  4. 【請求項4】 荷の積込作業を行う作業機を車体前
    部に具えた作業車両が車体前後に設けられた前後車輪で
    路面に接地しながら前進する場合に、前記作業車両の現
    在の車速に応じたブレーキ力が得られるように前記作業
    車両のブレーキ力を制御して前記作業車両を停止させる
    作業車両の制御装置において、 前記作業機の前記車体に対する姿勢角度を検出する作業
    機姿勢角検出手段と、 前記作業機の積荷の重量を検出する荷重量検出手段と、 前記作業機姿勢角検出手段の検出値と前記荷重量検出手
    段の検出値と空荷の場合の前記作業機の重心位置と前記
    荷の重心位置と空荷の場合の前記作業機の重量とに基づ
    いて前輪の接地点を回転中心にして後輪を前記路面から
    離間させる方向へ前記作業機を回転させる回転モーメン
    トを演算する回転モーメント演算手段と、 前記演算された回転モーメントが大きくなるにつれて前
    記ブレーキ力が小さくなるように前記ブレーキ力を可変
    する制御手段とを具えた作業車両の制御装置。
  5. 【請求項5】 荷の積込作業を行う作業機を車体前
    部に具えた作業車両が車体左右に設けられた左右車輪で
    路面に接地しながら旋回走行する場合に、前記作業車両
    の目標操舵角と現在の操舵角との偏差に応じた操舵角速
    度が得られるように前記作業車両の操舵角を制御する作
    業車両の制御装置において、 前記作業機の前記車体に対する姿勢角度を検出する作業
    機姿勢角検出手段と、 前記作業機の積荷の重量を検出する荷重量検出手段と、 前記作業機姿勢角検出手段の検出値と前記荷重量検出手
    段の検出値と前記荷の重心位置と空荷の場合の前記作業
    機の重心位置と空荷の場合の前記作業機の重量とに基づ
    いて前記左右車輪のうち前記作業車両の旋回半径方向外
    側の車輪の接地点を回転中心にして旋回半径方向内側の
    車輪を前記路面から離間させる方向へ前記作業機を回転
    させる回転モーメントを演算する回転モーメント演算手
    段と、 前記演算された回転モーメントが小さくなるように前記
    操舵角速度を前記回転モーメントの大きさに応じて可変
    する制御手段とを具えた作業車両の制御装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、前記作業車両の現
    在の車速が小さくなるにつれて前記操舵角速度が大きく
    なるように前記操舵角を制御するものである請求項5記
    載の作業車両の制御装置。
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