JPH0586636A - 作業車両の転倒防止装置 - Google Patents

作業車両の転倒防止装置

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Publication number
JPH0586636A
JPH0586636A JP3252132A JP25213291A JPH0586636A JP H0586636 A JPH0586636 A JP H0586636A JP 3252132 A JP3252132 A JP 3252132A JP 25213291 A JP25213291 A JP 25213291A JP H0586636 A JPH0586636 A JP H0586636A
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JP
Japan
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vehicle
work
vehicle body
rotation moment
working machine
Prior art date
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Application number
JP3252132A
Other languages
English (en)
Inventor
Toyoichi Ono
豊一 小野
Shinichi Hitomi
伸一 人見
Masaki Nakayama
誠己 中山
Katsuhiro Kamikawa
勝洋 上川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0586636A publication Critical patent/JPH0586636A/ja
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  • Forklifts And Lifting Vehicles (AREA)
  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)
  • Component Parts Of Construction Machinery (AREA)
  • Jib Cranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】作業車両が傾斜地を走行する場合の転倒を未然
に防止する。 【構成】車両搭載の車体前後傾斜計12の出力に基づき
CPU23にて車体の回転モーメントが演算されるとと
もに、車両搭載の圧力センサ8、車体前後傾斜計12、
リフトアーム回転位置センサ9、バケット回転位置セン
サ10の各出力に基づき作業機の回転モーメントが演算
され、これら両回転モーメントを合成して得られた車両
を接地させる方向の回転モーメントがしきい値以下にな
ると転倒すると判定して、作業機を転倒しない姿勢に調
整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、荷の積込作業を行う作
業機を車体に具えた作業車両が傾斜地を走行する場合に
車両の転倒を未然に防止する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】土砂の堀削、積込作業を行うホイールロ
ーダ等の作業車両では、積荷の土砂をバケット内に積み
込み、積荷がバケットからこぼれ落ちないような作業機
姿勢にして傾斜地を走行する場合がある。
【0003】この場合、積荷の重量、作業機の姿勢の変
化によって作業機の重心が移動したり、傾斜地の傾斜度
合いが変化したりして作業車両のバランスが崩れ、転倒
してしまうことがある。また、転倒しないまでも、車両
の安定性が損なわれ運転に支障を来す虞がある。従来、
このような事態が招来するにもかかわらず、転倒を未然
に防止し安全を確保する技術は特になく、専らオペレー
タの勘などによる対応に頼らざるを得ないことになって
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ホイールローダがオペ
レータの操縦によって走行されている場合には、確実と
はいわないまでも傾斜地の傾斜度合い等状況の変化に応
じて転倒する虞があることを事前に察知して転倒を防止
する措置を幾分でも採ることが可能である。しかし、近
年、ホイールローダを無人車両にして、走行、作業を自
動化する試みがなされている。この場合には、オペレー
タ不在のため状況の変化を察知することができない。し
たがって、自動的に状況の変化を察知して転倒を未然に
防止することができる装置の開発が望まれている。
【0005】本発明は、こうした実状に鑑みてなされた
ものであり、積荷作業を行う作業車両が傾斜地を走行す
る場合に転倒する虞があることを自動的に判定すること
により転倒を未然に防止し、もって作業車両の安全を確
保することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、荷
の積込作業を行う作業機を車体に具えた作業車両が車体
前後に設けられた前後車輪で傾斜地に接地しながら前後
進する場合に前記作業車両の転倒を防止する作業車両の
転倒防止装置において、前記作業車両の車体前後の傾斜
角度を検出する前後傾斜角検出手段と、前記作業機の前
記車体に対する姿勢角度を検出する作業機姿勢角検出手
段と、前記作業機の積荷の重量を検出する荷重量検出手
段と、前記前後傾斜角検出手段の検出値と前記車体の重
心位置と前記車体の重量とに基づいて前記前後車輪のう
ちいずれか一方の車輪の接地点を回転中心に前記車体を
回転させる車体回転モーメントを演算するとともに、前
記前後傾斜角検出手段の検出値と前記作業機姿勢角検出
手段の検出値と前記荷重量検出手段の検出値と空荷の場
合の前記作業機の重心位置と空荷の場合の前記作業機の
重量とに基づいて前記一方の車輪の接地点を回転中心に
前記作業機を回転させる作業機回転モーメントを演算す
る回転モーメント演算手段と、前記回転モーメント演算
手段で演算された車体回転モーメントと作業機回転モー
メントとを合成して前記前後車輪のうち他方の車輪を前
記傾斜地に接地させる方向に前記作業車両を回転させる
回転モーメントを求め、この回転モーメントがしきい値
以下である場合に、前記作業車両は転倒すると判定する
転倒判定手段とを前記作業車両に具え、前記転倒判定手
段により前記作業車両が転倒すると判定された場合に所
定の異常処理を行うようにしている。
【0007】
【作用】かかる構成によれば、車体前後傾斜角度、作業
機姿勢角度、積荷の重量が検出され、これら検出値に基
づき車輪接地点を中心に他方の車輪を接地させる方向に
車両を回転させる回転モーメントが演算され、この回転
モーメントがしきい値以下である場合に、他方の車輪を
接地させるモーメントが十分でないので、作業車両は転
倒すると判定する。そして、転倒するという判定によっ
て転倒を防止するための異常処理が適宜実行される。
【0008】
【実施例】以下、図面を参照して本発明に係る作業車両
の転倒防止装置の実施例について説明する。
【0009】なお、実施例では適用作業車両としてホイ
ールローダを想定している。
【0010】図2はホイールローダの側面を示してい
る。
【0011】同図に示すようにホイールローダ1は、左
右前輪14L、14Rおよび左右後輪15L、15Rを
有した車輪式のローダであり、車体2の前部に堀削、積
込作業を行う作業機3が配設されている。
【0012】ホイールローダ1(以下、車両1という)
は、地面GDに敷設された図示せぬ誘導ケーブルから発
生する磁界を車体2下方に配設されたピックアップコイ
ル等からなる誘導線検出部17で検出し、この検出結果
に基づき誘導ケーブルに対する車体2のずれを補正しつ
つ無人で誘導走行される。この誘導走行の際、ステアリ
ングは操舵機構制御部16により駆動制御される。
【0013】なお、この種の無人誘導走行方式は、本出
願人等の特許出願等によりすでに公知であり、本発明の
主旨とは直接関係ないので詳しい説明は省略する。
【0014】車体2前部の作業機3は、車体2に対して
枢支点4aを回転中心に回動自在に配設されたリフトア
ーム4と、このリフトアーム4に対してリフトアーム4
先端部の枢支点5aを回転中心に回動自在に配設された
バケット5とから構成されている。リフトアーム4の支
点4aには車体2に対するリフトアーム4の回転角度γ
を検出するリフトアーム回転位置センサ9(たとえばポ
テンショメータが使用される)が付設されているととも
に、バケット5の支点5aにはリフトアーム4に対する
バケット5の回転角度δ´を検出するバケット回転位置
センサ10(たとえばポテンショメータが使用される)
が付設されている。つまり、上記各回転センサ9、10
の出力から車体2に対する作業機3の相対的な姿勢角度
が検出されることになる。
【0015】リフトアーム9はリフト用油圧シリンダ7
により駆動され、またバケット6は図示せぬバケット用
油圧リンダにより駆動される。リフト用油圧シリンダ7
にはその油室内の圧力Pを検出する圧力センサ8が付設
されており、この圧力Pを検出することで、作業機3に
かかっている負荷を検出する。なお、バケット用油圧シ
リンダに上記圧力センサ8を設けるようにしてもよい。
【0016】ところで、バケット5内には土砂等の積荷
6が積み込まれる。したがって、積荷6の重量が大きい
ほど作業機3にかかっている負荷が大きいことから、圧
力センサ8の検出値Pを検出することで、積荷6の重量
が検出される。ここで、バケット5が空荷の場合は重量
は既知であることから、圧力センサ8の検出値Pからバ
ケット5と積荷6とを合わせた重量W3 が検出される。
【0017】上記各油圧シリンダへは作業機制御部11
から圧油が供給される。
【0018】一方、車体2の重心G1 近傍には、車体2
の前後方向の傾斜角度(ピッチング角)θを検出する車
体前後傾斜計12が配設されているとともに、車体2の
左右方向の傾斜角度(ローリング角)ηを検出する車体
左右傾斜計13が互いに直交して配設されている。これ
ら各傾斜計12、13の検出値θ、ηにより車両1が走
行する地面GDの水平線に対する傾斜の度合いが検出さ
れる。
【0019】車両1は、トランスミッション18の前進
用変速クラッチ、後進用変速クラッチを選択して前進走
行、または後進走行される。トランスミッション18に
は図示せぬエンジンで発生する駆動力が加えられてお
り、エンジンに付設されたガバナは走行機構制御部20
により駆動制御されてトランスミッション18の出力軸
に接続された駆動輪15L、15Rを回転駆動させる。
また走行機構制御部20はブレーキを駆動して車両1を
停止させる。トランスミッション18の出力軸には実車
速センサ19が付設されており、車両1の走行速度を検
出する。そして、後輪15L、15Rには、該後輪の回
転方向を検出することにより、車両1が前進走行してい
るか後進走行しているかを検出する前後進センサ21が
配設されている。なお、上記前後進クラッチを選択する
ためのクラッチ選択信号の内容に基づき車両1が前進走
行しているか後進走行しているかを検出するようにして
もよい。
【0020】車両1の適宜箇所には車両1の誘導走行、
作業機3による作業および後述する転倒防止処理を行う
コントローラ22が配設されている。
【0021】図1はかかるコントローラ22の構成をブ
ロック図にて概念的に示したものであり、入力部25の
アンプ、A/Dコンバータ等を介して上記車体前後傾斜
計12の検出値θ、車体左右傾斜計13の検出値η、リ
フトアーム回転位置センサ9の検出値γ、バケット回転
位置センサ10の検出値δ´、圧力センサ8の検出値
P、実車速センサ19の検出車速、誘導線検出部17の
検出信号、前後進センサ21の検出進行方向が所要のデ
ィジタル信号に変換されてCPU23に加えられる。
【0022】メモリ24にはCPU23を動作させるた
めのプログラム等が格納されており、CPU23はメモ
リ24の記憶プログラムに応じて車両1を誘導走行させ
るための処理、作業機3により作業を行なわせるための
処理、そして後述する図5に示す転倒防止処理を実行す
る、すなわち、CPU23の処理実行によって実車速検
出センサ19、誘導線検出部17の出力に基づきステア
リングを駆動するための駆動信号、ガバナ、ブレーキを
駆動するための駆動信号およびトランスミッション18
の変速クラッチを選択するための選択信号が作成され、
これら信号がD/ Aコンバータ、アンプ等からなる出力
部26を介して操舵機構制御部16、走行機構制御部2
0およびトランスミッション18に加えられて車両1が
誘導線に沿って誘導走行される。
【0023】また、同様にリフトアーム回転位置センサ
9、バケット回転位置センサ10の出力に基づきリフト
アーム4、バケット5を駆動するための駆動信号が生成
され、この駆動信号が出力部26を介して作業機制御部
11に加えられ、作業機3による堀削、積込作業が行わ
れる。
【0024】そして、車体前後傾斜計12、車体左右傾
斜計13、リフトアーム回転位置センサ9、バケット回
転位置センサ10、圧力センサ8、前後進センサ21の
出力に基づき図5に示す転倒防止処理がなされ、転倒す
る虞のある異常事態であると判定した場合には、出力部
26を介して作業機制御部11、走行機構制御部20に
転倒を回避するための駆動信号が出力されることにな
る。
【0025】以下、図5に示す処理について図3、図4
を併せ参照して説明する。なお、説明の便宜のため、車
両1が傾斜地を降坂走行(あるいは登坂走行)する場合
(図3)、車両2が傾斜地を横切るいわゆるキャンバ走
行する場合(図4)に分けて説明するが、実際には車両
1が傾斜地を降坂走行しつつキャンバ走行する場合もあ
るので、以下に分けて説明する処理は一緒になされるこ
とになる。
【0026】・車両1が降坂走行する場合。
【0027】まず、CPU23が起動されると、図5に
示すように車体前後傾斜角θ、車体左右傾斜角η、作業
機姿勢角γ、δ´、作業機負荷Pが入力される(ステッ
プ101)。
【0028】ここで図3(a)に示すように、G1 は車
体2の重心であり、傾斜地の地面GDに前輪14Lが接
地する接地点をO1 、リフトアーム4の重心をG2 、バ
ケット5と積荷6の重心(バケット5自体の重心と考え
ることができる)をG3 とすると、それぞれの重心G1
、G2、G3 には鉛直下方にそれぞれ車体2の重量W1
、リフトアーム4の重量W2 、バケット5と積荷6の
重量W3 に応じた力が働くことになる。よって、接地点
O1 点と重心G1 とを結ぶ線分の距離に対して、この線
分に垂直となる重量W1 の成分を掛け合わせることによ
り接地点O1 を回転中心とする車体2に関する回転モー
メントM1(右回り)を求めることができる。そして、
同様に接地点O1 と重心G2 とを結ぶ線分の距離に対し
て、この線分に垂直となる重量W2 の成分を掛け合わせ
ることで接地点O1 を回転中心とするリフトアーム4に
関する回転モーメント(左回り)を求めることができ
る。同様に接地点O1 と重心G3 とを結ぶ線分の距離に
対して、この線分に垂直となる重量W3 の成分を掛け合
わせることで接地点O1 を回転中心とするバケット5と
積荷6に関する回転モーメント(左回り)を求めること
ができる。
【0029】ここで、これら2つの左回りの回転モーメ
ントは作業機3に関するものであるので、両者を合成し
たものを作業機3に関する回転モーメントM2(左回
り)とする。
【0030】そして、上記車体2に関する回転モーメン
トM1は右回りであり、後輪15Lを接地させて車両1
を安定させる方向に作用するモーメントであることか
ら、以下、安定モーメントM1と称する。一方、上記作
業機3に関するモーメントM2は左回りであり、後輪1
5Lを地面GDから離間させ車両1を転倒させる方向に
作用するモーメントであることから、以下、転倒モーメ
ントM2と称する。
【0031】ここで、物理的な関係から明かなように、
バケット5の積荷6の重量が大きい程、そして傾斜地の
傾斜θが大きい程、そして接地点O1 から作業機3の各
重心G2 、G3 までの距離が遠くなるような姿勢角γ、
δ´を作業機3がとっていればいるほど、左回りの転倒
モーメントM2が大きくなり、右回りの安定モーメント
M1が小さくなるので車両1が転倒しやすくなる。そし
て車両1が転倒する虞がなく安全に走行するためには安
定モーメントM1が転倒モーメントM2よりもあるマー
ジンをもって大きくなければならない。
【0032】そこで、両モーメントM1、M2を合成し
た結果得られた右回りの回転モーメント、具体的には両
モーメントのスカラ量の偏差がしきい値以下であること
をもって転倒する虞があることを判定してやり、転倒を
未然に回避しようとするのが以下に説明する内容であ
る。
【0033】図3(b)は車両1の幾何学的関係を示し
たものであり、水平線HLに対して傾斜地の地面GDが
なす傾斜角はθであり、これは車体前後傾斜計12の出
力として得られる。距離L1 は接地点O1 と重心G1 と
の距離であり、既知の値である。接地点O1 と重心G1
とを結ぶ線分が地面GDに対してなす角度αも既知の値
である。同様にリフトアーム4の支点4aを示す位置を
Aとしたとき接地点O1 とA点とを結ぶ線分が地面GD
に対してなす角度β、この線分の距離L2 も既知であ
る。A点と重心G2 とを結ぶ線分の距離L3 も既知であ
り、地面GDを基準面GD´としたときこの基準面GD
´に対して上記線分がなす角度は、リフトアーム回転位
置センサ9の出力γとして得られる。
【0034】バケット5の支点5aを示す位置をBとす
ると、A点とB点を結ぶ線分の距離L4 も既知であり、
この線分が基準面GD´に対してなす角度もセンサ9の
出力γとして得られる。B点と重心G3 とを結ぶ線分の
距離L5 も既知であり、この線分が基準面GD´に対し
てなす角度δは、リフトアーム回転位置センサ9の出力
γ、バケット回転位置センサ10の出力δ´を合成する
ことで容易に得られる。 また、車体重量W1 、リフト
アーム重量W2 は既知であり、バケット5と積荷6の重
量W3 は、圧力センサ8の検出負荷Pと空荷の場合のバ
ケット重量から容易に得られる。
【0035】以上にような既知の値はメモリ24に予め
記憶されており、これら既知の値L1 、L2 、L3 、L
4 、L5 、α、β、W1 、W2 と検出値θ、γ、δ、W
3 とに基づき安定モーメントM1および転倒モーメント
M2が以下のようにして演算される。 なお、以下にR
T(X)とあるのはXの平方根であると定義する。
【0036】 安定モーメントM1=W1 ・L1 ・cos(α+θ) …(1) 転倒モーメントM2=W2 ・RT((L6 )2 ー(L7 )2 )+ W3 ・RT((L8 )2 +(L9 )2 ) …(2) ただし、 L6 =( L2)2 +(L3 )2 ー2・L2 ・L3 ・cos(β+γ) …(3) L7 =L3 ・sin(γーθ)+L2 ・sin(β+θ) …(4) L8 =( L10)2+(L5 )2 ー2・L10・L5 ・cos(δ+ζ) …(5) (L10)2 =(L2 )2 +(L4 )2 ー2・L2 ・L4 ・cos(β+γ) …(6) ζ=cos-1(((L2 )2 +(L10)2 ー( L4 )2 )/ (2・L2 ・L 10)) +β …(7) L9 =L5 ・sin(δーθ)+L4 ・sin(γーθ) +L2 ・sin(β+θ) …(8) となる(ステップ102)。以上のようにして演算され
た安定モーメントM1と転倒モーメントM2を比較し
て、 M1ーM2>d …(9) ならば、前述するように、車両1は転倒する虞がなく安
定であり、また、この関係が満たされなければ車両1は
転倒する虞があると判定する。なお、理論的には、安定
モーメントM1が転倒モーメントM2よりも少しでもま
さり、後輪15Lを接地させる方向の回転モーメントが
発生しているようなM1>M2の関係があれば、車両1
は転倒しないと言えるが、それではまったく余裕がない
ことになるので、安定した不安のない走行ができるため
のしきい値としてdを設定している(ステップ10
3)。
【0037】よって、上記(9)式の関係が満たされる
と判定されたならば、通常の誘導走行制御が行われると
ともに、作業機3の姿勢角γ、δ´をそのままの状態に
して走行する(ステップ104)。
【0038】一方、上記(9)式の関係が満たされない
こととなり、車両1が転倒する虞があると判定される
と、その度合いがどれ位であるか否かが、dよりも小さ
いしきい値eを設定することにより、下記(10)式に
より判定される。
【0039】M1ーd<M2<M1ーe …(10) 上記(10)式の関係が満たされている場合は、転倒す
る虞の度合いが低い場合であり、この場合は、作業機3
が転倒モーメントM2を小さくする姿勢に駆動される。
すなわち、CPU23から作業機制御部11に対して転
倒モーメントM2を小さくする方向へ作業機3の姿勢角
γ、δ´を変化させる駆動信号が出力され、この結果、
作業機3が上記(9)式の関係が満たされる安定した姿
勢に調整される(ステップ106)。
【0040】一方、上記(10)式の関係が満たされて
いない場合は、転倒する虞の度合いが高い場合であり、
作業機3の姿勢を変えるだけで対処できない。そこで、
注意を喚起すべく警報信号を発生させるとともに、積荷
6の重量を低減させるための処置が採られる。たとえ
ば、即座に車両1を停止させ、積荷を卸すよう作業機3
が駆動される(ステップ107)。
【0041】なお、車両1が作業機3を下方して降坂走
行している場合を想定したが、車両1がこの姿勢のまま
で登板走行する場合にも同様に上記処理を適用すること
ができる。ただし、車両1の転倒する虞の度合いは降坂
と登板とで異なるので、車両1が前進走行している場
合、後進走行している場合に応じて上記しきい値d、e
を異なる値に設定して、前後進センサ21の検出結果に
応じてしきい値を選択するようにしてもよい。
【0042】また、車両1が作業機3を上方にして走行
する場合が考えられるが、この場合にも上記処理を適用
することができる。
【0043】・車両1がキャンバ走行する場合。
【0044】この場合は、ステップ102において以下
のような処理がなされる。
【0045】いま、図4(a)に示すようにG1 を車体
2の重心、傾斜地の地面GDに右車輪14Rが接地する
接地点をO2 、リフトアーム4の重心をG2 、バケット
5と積荷6の重心をG3 とすると、それぞれの重心G1
、G2 、G3 には鉛直下方にそれぞれ車体2の重量W1
、リフトアーム4の重量W2 、バケット5と積荷6の
重量W3 に応じた力が働くことになる。よって、接地点
O2 点と重心G1とを結ぶ線分の距離に対して、この線
分に垂直となる重量W1 の成分を掛け合わせることによ
り接地点O2 を回転中心とする車体2に関する回転モー
メントM1(右回り)、つまり左車輪14Lを接地させ
る方向の安定モーメントM1を求めることができる。そ
して、同様に接地点O2 と重心G2とを結ぶ線分の距離
に対して、この線分に垂直となる重量W2 の成分を掛け
合わせることで接地点O2 を回転中心とするリフトアー
ム4に関する回転モーメント(左回り)を求めることが
できる。同様に接地点O2 と重心G3 とを結ぶ線分の距
離に対して、この線分に垂直となる重量W3 の成分を掛
け合わせることで接地点O2 を回転中心とするバケット
5と積荷6に関する回転モーメント(左回り)を求める
ことができる。
【0046】ここで、これら2つの左回りの回転モーメ
ントは作業機3に関するものであるので、両者を合成し
たものが作業機3に関する回転モーメントM2(左回
り)、つまり左車輪14Lを地面GDから離間させる方
向の転倒モーメントM2として求めることができる。
【0047】図4(b)は車両1の幾何学的関係を示し
たものであり、水平線HLに対して傾斜地の地面GDが
なす傾斜角はηであり、これは車体左右傾斜計13の出
力として得られる。距離M1 は接地点O2 と重心G1 と
の距離であり、既知の値である。接地点O2 と重心G1
とを結ぶ線分が地面GDに対してなす角度εも既知の値
である。重心G1 と重心G2 とを結ぶ線分の距離M2
は、リフトアーム回転位置センサ9の出力γから容易に
求めることができる。そしてこの線分が基準面GD´に
対してなす角度は90°で一定である。重心G2 と重心
G3 とを結ぶ線分の距離M3 は、リフトアーム回転位置
センサ9の出力γ、バケット回転位置センサ10の出力
δから容易に求めることができる。そしてこの線分が基
準面GD´に対してなす角度は90°で一定である。
【0048】よって、既知の値M1 、ε、W1 、W2 と
検出値η、M2 、M3 、W3 とに基づき安定モーメント
M1および転倒モーメントM2が以下のようにして演算
され る。 安定モーメントM1=W1 ・M1 ・cos(ε+η) …(11) 転倒モーメントM2=W2 ・(M2 ・sinθーM1 ・cos(ε+η)) +W3 ・(M3 ・sinθーM1 ・cos(ε+η)) …(12) 他の処理、ステップ101、103〜107の処理は前
述した降坂走行の場合と同様であり、同様にして転倒モ
ーメントM2が安定モーメントM1に近づいた場合に転
倒する虞があると判定して転倒防止のための適切な処理
が実行される。なお、車両1が前進走行しているか、後
進走行しているかに応じて転倒する虞の度合いが異なる
場合が多いので、前後進センサ21の出力に基づき前進
か後進かに応じて転倒する虞のあることを判定するしき
い値d、eを異なる値に設定することができる。以上説
明したように実施例によれば、たとえ車両が無人であろ
うと、自動的に転倒の虞があることが判定され、適切な
処理がなされるので、傾斜地を走行し積込作業を行う無
人車両の安全性が飛躍的に向上する。
【0049】なお、実施例では、積荷6の重量を油圧シ
リンダにかかる負荷から検出するようにしているが、こ
れに限定されることなく、重量を直接検出することがで
きるセンサを設けるような実施も可能である。
【0050】また、実施例では、作業車両として車輪式
の車両を想定しているが、これに限定されることなく、
履帯式の車両に適用する実施も可能である。この場合、
降坂走行(登板走行)の場合の接地点O1 を履帯の接地
面先端に設定して、上記実施例を適用することができ
る。
【0051】また、実施例では、リフトアーム、バケッ
トからなる作業機を有した作業車両に適用する場合を想
定したが、これに限定されることなく、ブーム、アー
ム、バケットを有したパワーショベルなどの作業車両に
適用する実施も可能である。要は積込作業を行う作業機
を具えた任意の作業車両に適用可能である。
【0052】また、実施例では、誘導線に沿って誘導走
行される無人走行システムに適用する場合を想定した
が、これに限定されることなく、いわゆる推測航法によ
る走行する自立走行車両に適用する実施も可能であり、
また、有人にて走行される車両に本発明を適用すること
ができる。この場合、転倒する虞があると判定された場
合に、自動的に作業機を駆動して転倒を防止するのでは
なく、転倒する虞があると判定された以後の処理をオペ
レータによる手動操作に委ねる実施も可能である。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、作
業車両が走行する傾斜地の勾配の変化、積荷の重量変
化、作業機姿勢角の変化による作業機の重心移動等によ
り車両の回転モーメントが変化して転倒する虞がある場
合でも、上記回転モーメントを正確に演算して作業車両
が転倒する虞があることを正確にかつ自動的に判定する
ようにしたので、転倒が未然に防止され作業車両の安全
性が飛躍的に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る作業車両の転倒防止装置の
実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は図1に示す装置が搭載される作業車両の
側面を示す側面図である。
【図3】図3(a)は図2に示す車両が傾斜地を降坂走
行または登板走行する様子を示す図で、同図(b)は車
両の回転モーメントを演算する処理を説明するために用
いた図である。
【図4】図4(a)は図2に示す車両が傾斜地をキャン
バ走行する様子を示す図で、同図(b)は車両の回転モ
ーメントを演算する処理を説明するために用いた図であ
る。
【図5】図5は図1に示すCPUで実行される転倒防止
処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車両(ホイールローダ) 2 車体 3 作業機 6 積荷 8 圧力センサ 9 リフトアーム回転位置センサ 10 バケット回転位置センサ 12 車体前後傾斜計 13 車体左右傾斜計 23 CPU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上川 勝洋 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷の積込作業を行う作業機を車体に
    具えた作業車両が車体前後に設けられた前後車輪で傾斜
    地に接地しながら前後進する場合に前記作業車両の転倒
    を防止する作業車両の転倒防止装置において、 前記作業車両の車体前後の傾斜角度を検出する前後傾斜
    角検出手段と、 前記作業機の前記車体に対する姿勢角度を検出する作業
    機姿勢角検出手段と、 前記作業機の積荷の重量を検出する荷重量検出手段と、 前記前後傾斜角検出手段の検出値と前記車体の重心位置
    と前記車体の重量とに基づいて前記前後車輪のうちいず
    れか一方の車輪の接地点を回転中心に前記車体を回転さ
    せる車体回転モーメントを演算するとともに、前記前後
    傾斜角検出手段の検出値と前記作業機姿勢角検出手段の
    検出値と前記荷重量検出手段の検出値と空荷の場合の前
    記作業機の重心位置と空荷の場合の前記作業機の重量と
    に基づいて前記一方の車輪の接地点を回転中心に前記作
    業機を回転させる作業機回転モーメントを演算する回転
    モーメント演算手段と、 前記回転モーメント演算手段で演算された車体回転モー
    メントと作業機回転モーメントとを合成して前記前後車
    輪のうち他方の車輪を前記傾斜地に接地させる方向に前
    記作業車両を回転させる回転モーメントを求め、この回
    転モーメントがしきい値以下である場合に、前記作業車
    両は転倒すると判定する転倒判定手段とを前記作業車両
    に具え、前記転倒判定手段により前記作業車両が転倒す
    ると判定された場合に所定の異常処理を行うようにした
    作業車両の転倒防止装置。
  2. 【請求項2】 荷の積込作業を行う作業機を車体に
    具えた作業車両が車体左右方向に傾斜した傾斜地を車体
    左右に設けられた左右車輪で接地しながら走行する場合
    に前記作業車両の転倒を防止する作業車両の転倒防止装
    置において、 前記作業車両の車体左右の傾斜角度を検出する左右傾斜
    角検出手段と、 前記作業機の前記車体に対する姿勢角度を検出する作業
    機姿勢角検出手段と、 前記作業機の積荷の重量を検出する荷重量検出手段と、 前記左右傾斜角検出手段の検出値と前記車体の重心位置
    と前記車体の重量とに基づいて前記左右車輪のうちいず
    れか一方の車輪の接地点を回転中心に前記車体を回転さ
    せる車体回転モーメントを演算するとともに、前記左右
    傾斜角検出手段の検出値と前記作業機姿勢角検出手段の
    検出値と前記荷重量検出手段の検出値と空荷の場合の前
    記作業機の重心位置と空荷の場合の前記作業機の重量と
    に基づいて前記一方の車輪の接地点を回転中心に前記作
    業機を回転させる作業機回転モーメントを演算する回転
    モーメント演算手段と、 前記回転モーメント演算手段で演算された車体回転モー
    メントと作業機回転モーメントとを合成して前記左右車
    輪のうち他方の車輪を前記傾斜地に接地させる方向に前
    記作業車両を回転させる回転モーメントを求め、この回
    転モーメントがしきい値以下である場合に、前記作業車
    両は転倒すると判定する転倒判定手段とを前記作業車両
    に具え、前記転倒判定手段により前記作業車両が転倒す
    ると判定された場合に所定の異常処理を行うようにした
    作業車両の転倒防止装置。
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