JP6618719B2 - 平板瓦 - Google Patents

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Description

本発明は、強い風雨下でも漏水しにくく緩勾配にも対応できる平板瓦に関するものである。なお、本明細書において一貫して、「流れ方向」とは、平板瓦の尻側から頭側へ向かう方向をいう。また、流れ方向の上流側を棟側(瓦本体では尻側)といい、流れ方向の下流側を軒側(頭側)ということがある。
屋根勾配は、水平距離10寸あたりの高さで表され、3寸5分勾配(19.3度)以下が緩勾配、5寸5分勾配(28.8度)以上が急勾配、その間が普通勾配と言われている。緩勾配には、屋根面積が小さく施工費用を抑えられる、屋根が低く強風の影響を受けにくい、屋根足場が不要になる等の利点がある。
但し、瓦を用いた屋根の場合、緩勾配にするほど、吹き上がる風が、降雨と共に、また、緩勾配で流れが遅くなった瓦上の雨水を押し上げながら、下段の瓦と上段の瓦との間に侵入し、さらに下段の瓦の尻部の水返しを超えて漏水し、野地板等の屋根下地及びその他の建築用材の腐食を促進し、建築物の寿命を短くするおそれがある。そのため、緩勾配としては3寸勾配(16.7度)が事実上の下限であった。
しかし、最近は、瓦屋根にも2.5寸勾配(14.0度)あるいはそれより緩い勾配が要望されることがある。このような緩勾配に対応するには、従来の瓦では困難であり、吹き上がる風雨が侵入しにくく、風雨が侵入しても漏水しにくい工夫がされた、新たな瓦が要求される。
このような工夫がされた瓦としては、尻水返しの手前の瓦上面又は尻水返しの上に、アンダーラップへ向かう溝を設けたもの(特許文献1〜3)、尻部の前垂れ当接部位を高くして、前垂れの高さを低くしたもの(特許文献4)、オーバーラップの裏面に、突条が尻頭方向に延びているもの(特許文献5)、差込受部の頭部側寄りに抑止覆部を形成したもの(特許文献6)、瓦本体の下方重合部の側部の頭側部分に垂下壁部を形成したもの(特許文献7)等が知られている。
実用新案登録第3177446号公報 特開平1−182444号公報 特開平10−61112号公報 特開2007−154553号公報 特開2012−107394号公報 特開平3−293454号公報 特開2003−239460号公報
平板瓦は千鳥葺きされ、オーバーラップは同段の隣瓦のアンダーラップの上方に重なり、頭見付けの下端は下段瓦の基準平面部に当接する。但し、粘土瓦は、焼成時に不可避的な変形を起こすため、葺設時に、頭見付けの下端と下段の瓦の基準平面部との間には、全幅にわたって完全には当接せず、所々に隙間(以下「頭見付け下隙間」ということがある。)が不可避的に生じる。さらに、葺設時に、同段の相隣の頭見付けと頭見付けとの間にも、前記変形又は施工精度により、2mm以下程度の隙間(以下「目地隙間」ということがある。)が不可避的に生じる。瓦上を吹き上がる風が、これらの隙間から尻側に侵入すると、アンダーラップの軒側端から排水される水をアンダーラップの裏面側に回り込ませ、尻端から漏水させやすい。また、瓦上を吹き上がる風が、緩勾配で流れが遅くなった瓦上の雨水を押し上げながら、これらの隙間から尻側に侵入しても、同様に尻端から漏水させやすい。
そのため、平板瓦を2.5寸勾配あるいはそれより緩い勾配で葺設すると、漏水しやすく、たとえ上記特許文献1〜7の工夫をした瓦であっても、漏水を防止することは難しいと考えられる。
そこで、本発明の目的は、吹き上がる風雨が瓦間の隙間から侵入しても、漏水しにくく、もって緩勾配に対応できる平板瓦を提供することにある。
本発明は、四角板状の瓦本体(2)と、瓦本体(2)の幅方向の一方の側端面(3)の瓦厚方向上部から幅方向に延びる略板状のオーバーラップ(4)と、瓦本体(2)の幅方向の他方の側端面(5)の瓦厚方向下部から幅方向に延びる略板状のアンダーラップ(6)を有し、瓦本体(2)の頭端に下方へ突出した頭見付け(17)が設けられた平板瓦(1)において、次の手段[15]を採ったことを特徴とする。また、この手段に加えて、次の手段[1]〜[14]のいずれか一又は複数を採ることができる。
[1]アンダーラップの軒側端を瓦本体の頭端よりも尻側にずらし、アンダーラップの軒側端部の裏面から下方へ突出して下端が葺設時に下段の瓦本体の表面に近接する垂れを設ける。下段の瓦本体の表面は、瓦本体の基準平面部でもよいし、後述する[2]の逃がし凹部を設ける場合には逃がし凹部の表面でもよい。
この構成がないと、瓦上を吹き上がる風が、頭見付けと下段の瓦本体の表面との間の隙間(頭見付け下隙間)から吹き込み、アンダーラップを流下してきてアンダーラップの軒側端から排水された水をアンダーラップの裏面側へ回り込ませ、また、緩勾配で流れが遅くなっていた瓦上の水を押し上げて頭見付け下隙間から侵入させ、下段瓦の尻端から漏水させる。
この構成があると、頭見付け下隙間から吹き込んだ風が、瓦本体の頭端よりも尻側にずれた垂れに到達するまでに拡散してやや弱まり、その風を垂れがせき止めるので、アンダーラップの裏面側への水の回り込みを防ぎ、もって下段瓦の尻端からの漏水を防ぐことができる。
アンダーラップの軒側端を瓦本体の頭端よりも尻側にずらす距離は、特に限定されないが、15〜35mmが好ましく、20〜30mmがより好ましい。15mm未満だと、前述した風の弱まりが少なくなる。35mmを超えるとアンダーラップと下段瓦の尻部との重なり長さが短くなる。
垂れの下端が葺設時に下段の瓦本体の表面に近接する距離は、0〜3mmが好ましく、0〜1.5mmがより好ましい。3mmを超えると、風をせき止めてアンダーラップの裏側への水の回り込みを防止する作用が弱くなる。0mmとは、垂れの下端が下段瓦に力をかけずに部分的に接触する状態である。垂れの突出量が過大で、凸壁が頭見付よりも先に下段瓦に力をかけて当接するようだと、頭見付けを持ち上げて頭見付け下隙間を大きくするので、また施工後の美観が損なわれるので、好ましくない。
垂れの幅は、特に限定されないが、表面側から見たアンダーラップの幅の1/2以上が好ましく、表面側から見たアンダーラップの略全幅がより好ましく、裏面側から見たアンダーラップの略全幅がより好ましい。表面側からアンダーラップの幅の1/2未満では、アンダーラップの裏側への水の回り込みを防止する作用が弱くなる。裏面側から見たアンダーラップの幅を超えると、製造が困難であり、梱包時に干渉するおそれがある。肉厚の関係で、アンダーラップの幅は表面側から見たよりも裏面側から見た方が大きい。
[2]瓦本体の表面に、上段瓦の頭見付けの幅方向中間部の下端が当接する基準平面部と、上段瓦の頭見付けの幅方向中間部の下端よりも下方へはみ出した幅方向端部の下端を逃がすための、基準平面部よりも低い逃がし凹部とを設ける。
この構成がないと、頭見付けの(下方へはみ出した)幅方向端部の下端が下段瓦の基準平面部に当接してしまうため、頭見付けの幅方向中間部が持ち上がって基準平面部との間の広い範囲に頭見付け下隙間が生じる。その頭見付け下隙間から吹き込んだ風は、上記[1]で述べた漏水を起こす。
この構成があると、頭見付けの(下方へはみ出した)幅方向端部の下端は、下段瓦の逃がし凹部で逃がされ、下段瓦の基準平面部に干渉しないか又は干渉しても僅かとなるため、頭見付けの幅方向中間部が持ち上がることはない。よって、頭見付けの幅方向中間部の下端と下段の瓦の基準平面部とは、基本的には当接し、部分的な頭見付け下隙間が不可避的に生じるだけとなる。
逃がし凹部を基準平面部よりも低くする量は、頭見付けの幅方向端部の下端の前記はみ出しの量に応じて決めることができ、特に限定されないが、同はみ出しの量の−0.5mm〜+0.5mmが好ましい。同はみ出しの量は通常1.5mm以下なので、低くする絶対値としては通常は0.5〜2mmとすればよい。0.5mm未満だと、前記逃がしの作用が小さくなるケースが多くなる。2mmを超えると、頭見付けの幅方向端部の下端と逃がし凹部との間に隙間が生じ、見栄えも悪くなる。
逃がし凹部の幅は、特に限定されないが、30〜100mmが好ましく、50〜90mmがより好ましい。30mm未満だと、頭見付けの下方へ湾曲した幅方向端部の下端の全体を逃がすことが難しくなる。100mmを超えると、幅方向端部の下端の全体を逃がすだけでなく、幅方向中間部の下端と下段の瓦の基準平面部との間に頭見付け下隙間を生じさせる。
[3]アンダーラップの軒側端を瓦本体の頭端よりも尻側にずらし、瓦本体のアンダーラップ側の側端面からアンダーラップ側へ突出し、前面がアンダーラップの軒側端よりも軒側にあり、上面がアンダーラップの水路の表面より高く、下面がアンダーラップの水路の表面より低い遮風突起を設ける。
この構成がないと、同段の相隣の頭見付けと頭見付けとの間の隙間(目地隙間)から吹き込んだ風が、アンダーラップを流下してきてアンダーラップの軒側端から排水された水に直接当たり、その水をアンダーラップの裏面側へ回り込ませ、下段瓦の尻端から漏水させる。
この構成があると、目地隙間から吹き込んだ風は、遮風突起の前面に当たって横にそらされ、アンダーラップの軒側端から排水された水に直接当たらないため、アンダーラップの裏面側への水の回り込みを防ぎ、もって下段瓦の尻端からの漏水を防ぐことができる。
遮風突起の、瓦本体のアンダーラップ側の側端面からの突出量(幅寸法)は、目地隙間に応じて決めることができ、特に限定されないが、目地隙間の1倍以上が好ましく、目地隙間の1.5〜3倍がより好ましい。目地隙間は通常2.5mm以下なので、突出量の絶対値としては通常は3〜7.5mmとすればよい。3mm未満だと、前記風を横にそらす作用が小さくなるケースが多くなる。7.5mmを超えると、アンダーラップの軒側端からの排水を妨げる。
遮風突起の前面は、頭見付けと接触しない程度にアンダーラップの軒側端よりも軒側にあればよいが(よって、頭見付けの厚みの違いにより、遮風突起の前面の位置も変わる。)、アンダーラップの軒側端よりも5mm以上軒側にあることが好ましい。5mm未満だと、横にそらした風がなおアンダーラップの軒側端から排水された水に当たりやすい。
遮風突起の上面は、アンダーラップの水路の表面より2〜8mm高いことが好ましい。2mm未満だと、目地隙間から吹き込んだ風がアンダーラップの軒側端から排水された水に当たりやすくなる。8mmを超えると、オーバーラップの裏面に接触しやすくなる。
遮風突起の下面は、アンダーラップの水路の表面より6〜15mm低いことが好ましい。6mm未満だと、目地隙間から吹き込んだ風がアンダーラップの軒側端から排水された水に当たりやすくなる。15mmを超えると、下段瓦の表面に接触しやすくなる。
遮風突起の後面は、特に限定されないが、アンダーラップの軒側端又はそれより棟側に10mmまでの範囲にあることが好ましい。10mmを超えると、アンダーラップの内側水路の面積を無駄に減らす。
[4]瓦本体とオーバーラップの表面における尻水返し面の手前に、尻水返し面と連続して凹むとともに瓦本体とオーバーラップの幅方向の中央部から端まで延びて突き抜け、該幅方向の端に向かって内底面の深さが増し且つ内底面の幅が頭側へ広がるスロープ溝を設ける。
この構成がないと、瓦上を吹き上がる風が、頭見付け下隙間や目地隙間から吹き込み、アンダーラップを流下してきてアンダーラップの軒側端から排水された水をアンダーラップの裏面側へ回り込ませ、また、緩勾配で流れが遅くなっていた瓦上の水を押し上げて頭見付け下隙間や目地隙間から侵入させたときに、尻水返し面だけがその水をせき止めることになる。そして、風が強いと、その勢いで水が尻水返し面を乗り越え、また、せき止めた水が多いと、水があふれて尻水返し面を乗り越え、尻端から漏水する。
この構成があると、尻水返し面と連続して凹んだスロープ溝が、尻水返し面の見掛けの高さを増加させるので、風が強くても、その勢いで水が尻水返し面を乗り越えることが防止される。また、スロープ溝は、瓦本体とオーバーラップの幅方向の端まで延びて突き抜け、幅方向の端に向かって、内底面が深さを増すスロープであり、且つ内底面の幅が頭側へ広がるので、尻水返し面がせき止めた水が多くても、その水を素早く幅方向に流し、瓦本体とオーバーラップの幅方向の端からアンダーラップに排水する。よって、尻端からの漏水を防ぐことができる。
スロープ溝の内底面の深さは、特に限定されないが、好ましくは次のとおりである。
・瓦本体の幅方向のアンダーラップ側の端においては、深さは2mm以上が好ましく、4mm以上がより好ましく、アンダーラップの水路と同一レベルまで深くすることが可能である。2mm未満では、水を素早く幅方向に流す作用が弱くなる。
・オーバーラップの幅方向の端においては、深さは2mm以上が好ましく、オーバーラップの裏面と同一レベルまで深くすることが可能である(但し、強度上は、オーバーラップの厚さが3mm以上残ることが好ましい)。2mm未満では、水を素早く幅方向に流す作用が弱くなる。
・瓦本体とオーバーラップの幅方向の中央部においては、深さは0mm(スロープ溝が左右に分かれることになる)でもよいが、水の滞留を減らすためには、0.5mm以上(スロープ溝が左右に一つに繋がることになる)が好ましい。
スロープ溝の内底面の幅は、特に限定されないが、瓦本体とオーバーラップの幅方向の端においては15〜30mmが好ましく、瓦本体とオーバーラップの幅方向の中央部においては5〜14mmが好ましい。この範囲未満であると、水を素早く幅方向に流す作用が弱くなる。この範囲を超えても、水を素早く幅方向に流す作用はあまり増えない。また、幅方向の端において30mmを超えると、施工後の見えがかり部に露出しやすくなり、露出すると美観が悪くなる。
スロープ溝の内底面の幅が頭側へ広がる態様としては、瓦本体とオーバーラップの幅方向の中央部から端まで、一直線状に広がる態様、折線状に広がる態様、曲線状に広がる態様等を例示できる。いずれの態様でも、スロープ溝の、瓦本体とオーバーラップの幅方向の中央部での内底面の頭側縁と、幅方向の端での内底面の頭側縁とを結んだ仮想線(L:図7(a)参照)が、幅方向に対して2〜15度をなすことが好ましく、3〜10度をなすことがより好ましい。2度未満だと、水を素早く幅方向に流す作用が弱くなる。15度を超えても、水を素早く幅方向に流す作用はあまり増えない。
スロープ溝の内底面は、流れ方向に見て、傾斜していなくもよいし(深さが変化しない)、尻側が深くなるように傾斜していてもよい。
[5]瓦本体とオーバーラップの表面における尻水返し面の上端から尻端にかけて設けられた嵩上げ部に、凹むとともに瓦本体とオーバーラップの幅方向の途中部から端まで延びて突き抜け、該幅方向の端に向かって内底面が深さを増すスロープである、第2スロープ溝を設ける。
この構成がないと、前記スロープ溝の作用にもかかわらず、特に強い風によって尻水返し面を乗り越えた水は、嵩上げ部を容易に流れて尻端から漏水する。
この構成があると、第2スロープ溝は、尻水返し面を乗り越えた水を入り込ませ、スロープ溝と同様に素早く幅方向に流し、瓦本体とオーバーラップの幅方向の端からアンダーラップに排水する。よって、尻端からの漏水を防ぐことができる。
第2スロープ溝の内底面の深さは、特に限定されないが、好ましくは前記スロープ溝の内底面の深さに準ずる。
[6]尻水返し面の幅方向の中央部に尻水返し面よりも尻端側へ奥まらせたシフト水返し面を設け、シフト水返し面の幅方向の両端部を尻水返し面に向かって広がる傾斜面とする。
この構成がないと、頭見付け下隙間や目地隙間から吹き込んだ風が、尻水返し面に当たって幅方向へ方向転換して流れるときの勢いが、さほど強くない。
この構成があると、頭見付け下隙間や目地隙間から吹き込んだ風が、尻端側へ奥まらせたシフト水返し面の手前に所定容量溜まってから、幅方向へ方向転換して流れるので、その流れの勢いが強くなる。この風の勢いが、前記スロープ溝を流れる水を横走りさせ、アンダーラップへの排水を促進する。
シフト水返し面を尻水返し面よりも尻端側へ奥まらせる量は、特に限定されないが、3〜10mmが好ましい。3mm未満だと、風がシフト水返し面の手前に溜まる容量が小さくなる。10mmを超えると、シフト水返し面を乗り越えた水は、短くなる嵩上げ部を流れて尻端から漏水しやすくなる。
シフト水返し面の幅方向の両端部の傾斜面が、幅方向に対してなす傾斜角度は、特に限定されないが、45度以下が好ましい。45度を超えると、風が幅方向へ方向転換しにくくなり、水がシフト水返し面を乗り越えやすくなる。傾斜面は、円弧状に湾曲していてもよい。
[7]瓦本体のアンダーラップ側の側端面に、尻水返し面の手前へ凹んだ流下凹部を設ける。
この構成がないと、瓦本体の尻水返し面に当たって返された水が、尻水返し面の手前をアンダーラップ側へ流れた後、アンダーラップへ流下しにくい。瓦本体のアンダーラップ側の側端面に、同段の隣瓦のオーバーラップの側端面が近接しているからである。
この構成があると、瓦本体の尻水返し面に当たって返された水が、尻水返し面の手前をアンダーラップ側へ流れた後、スムーズに流下凹部に流下してアンダーラップへ排出される。
流下凹部の凹み量(幅方向の深さ)は、特に限定されず、尻水返し面の手前全幅にわたってもよいが、3〜20mmが好ましい。3mm未満だと、水が流下しにくくなる。20mmを超えると、流下凹部の容量がアンダーラップの流路(後述する実施例では外側水路と内側水路の和)の容量より多くなり(下記の流下凹部の流れ方向の長さが20mmの場合)、排水効果はそれ以上向上しないだけでなく、その周囲の強度が低下しやすい。
流下凹部の流れ方向の長さは、特に限定されないが、5〜30mmが好ましい。5mm未満だと、水が流下しにくくなる。30mmを超えると、施工後の見えがかり部に露出しやすくなり、露出すると美観が悪くなる。また、流下凹部の流れ方向の長さは、前記スロープ溝の内底面のアンダーラップ側への排水幅と略同一であることが好ましい。
[8]アンダーラップの表面に、流下凹部からアンダーラップに排水された水を軒側へガイドするガイド水返しを設ける。
この構成がないと、流下凹部からアンダーラップに排水された水の一部が棟側へ逆流しやすい。
この構成があると、アンダーラップに排水された水が棟側へ逆流しにくい。
ガイド水返しは、基端が瓦本体のアンダーラップ側の側端面に接続され、基端から先端に向かって軒側へ傾斜する形状が好ましい。
ガイド水返し基端の位置は、流下凹部の直ぐ棟側からアンダーラップの棟側端までの範囲(図7(b)の矢印の範囲を参照)で決めればよく、第二スロープ溝の直ぐ棟側(図7(b)の2点鎖線の位置を参照)が好ましく、流下凹部の直ぐ棟側(図7(b)の実線の位置を参照)がより好ましい。
ガイド水返しの流れ方向に対する傾斜角度は、特に限定されないが、30〜60度が好ましく、40〜50度がより好ましい。30度未満だと、アンダーラップに排水された水が軒側へ流れるとき抵抗となりやすく、また、流下の勢いでガイド水返しを乗り越えてアンダーラップの幅方向端部からオーバーフローしやすい。60度を超えると、水を軒側へガイドする作用が弱くなる。
[9]アンダーラップの表面の流れ方向に延びる水路を横断面アール状に凹んだ形状とし、オーバーラップの裏面に横断面アーチ形に凹んで流れ方向に延びるアーチ部を設ける。
この構成がないと、アンダーラップの表面の水路の流水量が制約される。また、瓦本体のアンダーラップ側の側端面と同段の隣瓦のオーバーラップの側端面との間に不可避的に生じる隙間から入り込む水の一部が、アンダーラップへ流下せずに、オーバーラップの平らな裏面に伝う。
この構成があると、アンダーラップの表面の水路を横断面アール状に凹んだ形状としたことにより、流水量を増やすことができる。また、前記隙間から入り込む水の一部が、オーバーラップの裏面を伝おうとしても、アーチ部を上昇することができずにアンダーラップへ落下するため、オーバーラップの裏面を伝うのを防止することができる。
[10]オーバーラップの裏面の幅方向中間部に流れ方向に延びる突条である中間部水切りを設け、葺設時に、中間部水切りが、同段の隣瓦のアンダーラップの表面にその側縁から瓦本体側に向かう順に設けた流れ方向に延びる突条である外側水返し及び内側水返しのうちの内側水返しと、接触するか又は最短距離が5mm以下で近接するように、中間部水切りの幅方向位置を設定する。
この構成がないと、アンダーラップの表面の水路を流れる水が、非常に多いときに、内側水返しと外側水返しを超えて、アンダーラップの側縁からオーバーフローして漏水する。
この構成があると、アンダーラップの表面の水路を流れる水が、内側水返しを超えようとしても、内側水返しに接触又は近接するオーバーラップの中間部水切りが邪魔をするため、内側水返しを超えにくくなる。これにより、アンダーラップの側縁からのオーバーフローを防止することができる。
最短距離は、3mm以下が好ましく、1.5mm以下がより好ましい。最短距離が小さい方が、水が内側水返しを越えるのを邪魔する作用が強く、3mmを超えるとこの作用が弱くなり、5mmを超えるとこの作用がなくなる。
なお、アンダーラップの内側水返しとオーバーラップの中間部水切りは、それぞれの中心線を幅方向にずらして当接又は近接させてもよいし、それぞれの中心線を幅方向に合わせて当接又は近接させてもよい
[11]アンダーラップの側縁部に下段瓦の係合凸部を係合させるための係合差込部を設けるために、アンダーラップの側縁に設けた外側水返しの軒側寄り部位を、アンダーラップの側縁から軒側に向かって瓦本体側へ傾斜する傾斜部と、傾斜部の軒側端から流れ方向に延びる流れ方向部とを含む構成とし、流れ方向に対する傾斜部の傾斜角度を10〜30度にする。
傾斜部の流れ方向に対する傾斜角度が45度程度だと、アンダーラップの水路を棟側から流下してきた水が、傾斜部に当たって乗り越え、アンダーラップの側縁からオーバーフローしやすい。
傾斜部の流れ方向に対する傾斜角度を30度以下にすると、アンダーラップの水路を棟側から流下してきた水が、傾斜部に当たっても乗り越えることなく素直に傾斜部に沿って流れるため、アンダーラップの側縁からオーバーフローしにくい。傾斜部の流れ方向に対する傾斜角度を10度未満にすると、水路の面積が減少する。流れ方向に対する傾斜部の傾斜角度は、15〜30度が好ましい。
傾斜部と流れ方向部との境は、角状でもよいが、アール状に丸めた方がなおよい。水の流れ方向が境で滑らかに変化するからである。
[12]瓦本体のアンダーラップ側の側端面と同段の隣瓦のオーバーラップの側端面とを、断面鉤状の突き合わせ構造にする。
断面鉤状の突き合わせ構造は、瓦用金型の抜き勾配を考慮すると、瓦本体のアンダーラップ側の側端面の下部に突設した凸部をオーバーラップの側端面の下部に突き合わせ、オーバーラップの側端面の上部に突設した凸部を瓦本体のアンダーラップ側の側端面の部に突き合わせる構造が好ましい。
この構成により、瓦本体のアンダーラップ側の側端面と同段の隣瓦のオーバーラップの側端面との隙間が、上方から見たときに開きにくくなる。
上記2つの凸部の間は、葺設時に上下に1mm以上離間することが好ましい。これにより、近接する側端面と側端面との間は、上下に離間した2つの凸部が相手の側端面に接触する2点接触となるので、同面間の毛細管現象がこの離間で断ち切られ、水が下方へ伝わるの防止することができる。
上記の2つの凸部の突出量は、特に限定されないが、0.8〜1.5mmが好ましい。
[13]瓦本体の表面であって、葺設時に上段瓦の頭見付けが葺き縮めと葺き伸ばしとの間の中央の際に重なる箇所から、頭側へ突起最高部まで頭見付け高さの1〜3倍の距離を離れた箇所に、瓦本体の幅方向に延びる負圧発生用突起を設ける。後述するとおり、頭見付け高さは、平板瓦の正面視における頭見付けの下端から瓦本体の表面までの高さである。
この構成がないと、瓦上を吹き上がる風が、そのまま頭見付けに当たり、頭見付け下隙間や目地隙間から吹き込む。
この構成があると、瓦上を吹き上がる風が、負圧発生用突起によってより上向きに向きを変えられ、さらに上記距離があることによって頭見付けの上方へ流れるようになるため、頭見付けの手前に負圧が発生し、頭見付け下隙間や目地隙間から吹き込む風や水が減少する。
上記距離が1倍未満では、風が負圧発生用突起によって向きを変えられてもまだ頭見付けの上方へは流れにくいため、頭見付けの手前に負圧が発生しにくい。上記距離が3倍を超えると、頭見付けから軒側へかなり離れた所に負圧が発生するため、頭見付け下隙間や目地隙間から吹き込む風や水が減少させる作用が弱い。上記距離は、頭見付け高さの1.2〜2.5倍が好ましく、1.3〜2倍がより好ましい。
負圧発生用突起の突起最高部の高さ(瓦本体の基準平面部からの突出寸法)は、特に限定されないが、1.5〜4mmが好ましく、1.5〜3mmがより好ましく、2〜3mmが最も好ましい。1.5mm未満だと、十分な負圧を発生させにくくなる。4mmを超えると、局所的に肉厚が大きく変化するので製造が難しく、突起が瓦屋根全体で目立ち美観を損ねるおそれがある。
負圧発生用突起は、頭側から尻側に向かって高くなる傾斜面を有することが好ましい。瓦上を吹き上がる風の向きをより上向きにスムーズに変えられるからである。瓦本体の基準平面部に対する傾斜面の角度は、特に限定されないが、10〜30度が好ましく、15〜25度がより好ましい。10度未満では、風の向きを変える作用が弱く、頭見付けの手前に負圧が発生しにくい。30度を超えると、瓦上を吹き上がる風が傾斜面にぶつかることで抵抗となり、風速が落ちて負圧が発生しにくくなるおそれがある。
負圧発生用突起は、瓦本体の幅方向に連続的に延びる1本でもよいし、瓦本体の幅方向に間欠的に延びる複数本でもよい。
負圧発生用突起は、オーバーラップの表面にも瓦本体の表面と同様に設けることができる。
瓦本体の裏面であって、負圧発生用突起の裏側となる箇所を凹ませることが好ましい。上記肉厚の変化を緩和し、成形時の変形を防止するためである。
[14]瓦本体の表面であって、負圧発生用突起の直ぐ尻側に、凹んで瓦本体の幅方向に延びる負圧強化用溝を設ける。
負圧強化用溝は、負圧発生用突起に対して高低差を増やすため、負圧発生を強化する。
負圧強化用溝の凹み量は、特に限定されないが、0.5〜2mmが好ましく、1.2〜1.8mmがより好ましい。0.5mm未満では、負圧発生を強化する作用が弱くなる。2mmを超えると、製造が難しくなる。
負圧強化用溝は、瓦本体の幅方向に連続的に延びる1本でもよいし、前記負圧発生用突起に位置対応して瓦本体の幅方向に間欠的に延びる複数本でもよい。
負圧強化用溝は、オーバーラップの表面にも瓦本体の表面と同様に設けることができる。
[15]オーバーラップの裏面の幅方向の瓦本体に接続する側の付け根部に流れ方向に延びる突条である付け根部水切りを設け、葺設時に、付け根部水切りが、同段の隣瓦のアンダーラップの表面の側縁に設けた流れ方向に延びる突条である外側水返しと、アンダーラップの幅方向外側から接触するか又は最短距離が5mm以下で近接するように、付け根部水切りのオーバーラップ裏面における幅方向位置を設定する。
この構成がないと、アンダーラップの外側水返しを超えてオーバーフローした水は、下方へ漏水する。
この構成があると、アンダーラップの外側水返しを超えてオーバーフローした水は、アンダーラップの幅方向外側から外側水返しと接触又は近接する付け根部水切りに伝わって、オーバーラップの裏面に伝わり流れ、下段瓦の表面に流下するため、漏水を防止することができる。
最短距離は、3mm以下が好ましく、1.5mm以下がより好ましい。最短距離が小さい方が、オーバーフローした水が付け根部水切りに伝わりやすく、3mmを超えるとこの作用が弱くなり、5mmを超えるとこの作用がなくなる。
付け根部水切りの軒側は、葺設時に、下段瓦にかかる箇所まで延びていることが好ましく、頭見付けの裏側まで延びていることがより好ましい。付け根部水切りの軒側が、下段瓦にかからず切れていると、付け根部水切りを伝った水が屋根下地上に落下しやすい。
付け根部水切りの尻側は、オーバーラップの表面が見えがかりとなる範囲の棟側端部の裏側まで延びていることが好ましく、尻水返し面の側方まで延びていることがより好ましく、オーバーラップの棟側端まで延びていることが最も好ましい。
外側水返しと接触するか又は最短距離が5mm以下で近接するのは、付け根部水切りの全長が好ましいが、付け根部水切りの全長のうち棟側の一部でもよい。例えば、付け根部水切りの流れ方向の棟側部から中央部までは、外側水返しと接触するか又は最短距離が5mm以下で近接するようにし、付け根部水切りの流れ方向の軒側部は、下段瓦の係合凸部に干渉しないよう、外側水返しからさらに大きく離れるように湾曲させてもよい。
本発明の平板瓦によれば、吹き上がる風雨が瓦間の隙間から侵入しても、漏水しにくく、もって緩勾配に対応できる優れた効果を奏する。
実施例の平板瓦の斜視図である。 同平板瓦の(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は図4のIIc−IIc断面図である。 同平板瓦の(a)は背面図、(b)は底面図である。 同平板瓦の葺設時を示す平面図である。 同平板瓦の葺設時を示す側面図である。 同平板瓦の葺設時の要部を示す斜視図である。 同平板瓦の(a)はスロープ溝を説明する部分平面図、(b)はガイド水返しを説明する部分平面図、(c)はシフト水返し面を説明する部分平面図である。 同平板瓦のアンダーラップとオーバーラップの横重ね部を示す平面図である。 図8のIX−IX断面図である。
四角板状の瓦本体(2)と、瓦本体(2)の幅方向の一方の側端面(3)の瓦厚方向上部から幅方向に延びる略板状のオーバーラップ(4)と、瓦本体(2)の幅方向の他方の側端面(5)の瓦厚方向下部から幅方向に延びる略板状のアンダーラップ(6)を有し、瓦本体(2)の頭端に下方へ突出した頭見付け(17)が設けられた平板瓦(1)において、オーバーラップ(4)の裏面の幅方向の瓦本体(2)に接続する側の付け根部に流れ方向に延びる突条である付け根部水切り(43)を設け、葺設時に、付け根部水切り(43)が、同段の隣瓦のアンダーラップ(6)の表面の側縁に設けた流れ方向に延びる突条である外側水返し(19)と、アンダーラップ(6)の幅方向外側から接触するか又は最短距離が5mm以下で近接するように、付け根部水切り(43)のオーバーラップ裏面における幅方向位置を設定する。
最短距離は、3mm以下が好ましい。付け根部水切り(43)の軒側は、葺設時に、下段瓦にかかる箇所まで延びていることが好ましい。付け根部水切り(43)の尻側は、アンダーラップ(6)の表面が見えがかりとなる範囲の棟側端部の裏側まで延びていることが好ましい。付け根部水切り(43)の全長のうち棟側の一部が、外側水返し(19)と接触するか又は最短距離が5mm以下で近接すればよい。
図1〜図9に示す実施例の平板瓦1は、粘土を成形し焼成してなる粘土瓦であって、四角板状の瓦本体2と、瓦本体2の幅方向の一方の側端面3の瓦厚方向上部から幅方向に延びる略板状のオーバーラップ4と、瓦本体2の幅方向の他方の側端面5の瓦厚方向下部から幅方向に延びる略板状のアンダーラップ6を有している。7はオーバーラップ4の側端面である。オーバーラップ4は、葺設時に、同段の隣瓦のアンダーラップ6の上方に重なる。
瓦本体2とオーバーラップ4の表面は、後述する所定目的の凸又は凹の箇所を除き、ほとんどが平面部であり、葺設時に上段瓦の頭見付け17(後述)の幅方向中間部(幅方向端部を除く部位)の下端が当接する平面部を「基準平面部8」と定義する。瓦本体2の裏面も、生産工程で瓦の捩れを防止するためリブ9と後述する所定目的の凹箇所を除き、平面部10である。
瓦本体2とオーバーラップ4の表面の尻端付近には、風雨時に尻の後方へ漏水しないための起立した尻水返し面11が設けられている。尻水返し面11の上端から尻端にかけては、前記基準平面部8よりも一段高い嵩上げ部12が設けられている。嵩上げ部12の裏面には、桟木に引っ掛けるための尻剣13が設けられている。嵩上げ部12の表面には、複数の瓦を積み重ねる際に上位の瓦の尻剣13を嵌入させるための凹所14、後述する防災機能用の係合凸部15、野地面又は桟木へ釘打ちするための釘穴16等が設けられている。
瓦本体2の頭端にはその下方まで延びる頭見付け17が設けられており、頭見付け高さはその下端から瓦本体2の頭端までである。葺設時に、瓦本体2の頭部は2枚の下段瓦の尻部(嵩上げ部6を超えて平面の一部まで)の上方に重なり、頭見付け17の幅方向中間部の下端は下段瓦の基準平面部8に当接する(但し所々に隙間が生じる)。この当接により、アンダーラップ6の裏面は下段の嵩上げ部12の表面に当接しないようになっている。
オーバーラップ4の裏面は瓦本体2の裏面の平面部10よりも高い。オーバーラップ4の裏面の幅方向中間部には、同裏面に表面張力で伝わってくる雨水を切るための、流れ方向に延びる突条である中間部水切り18が設けられている。
アンダーラップ6の表面は瓦本体2の表面の基準平面部8よりも低く、アンダーラップ6の裏面は瓦本体2の裏面の平面部10よりも低い(又は略同一レベル)。アンダーラップ6の表面には、その側縁から瓦本体2側に向かう順に、流れ方向に延びる突条である外側水返し19と、流れ方向に延びる外側水路20と、流れ方向に延びる突条である内側水返し21と、流れ方向に延びる内側水路22とが設けられている。
アンダーラップ6の側縁部に下段瓦の係合凸部15を係合させるための係合差込部23を設けるために、外側水返しの軒側寄り部位を、屈曲させ、アンダーラップの側縁から軒側に向かって瓦本体側へ傾斜する傾斜部24と、傾斜部の軒側端から流れ方向に延びる流れ方向部25とを含む構成としている。この係合により防災機能が果たされる。
また、図5に示すように、係合差込部23の流れ方向の長さが係合凸部15の流れ方向の長さよりも長いため、働き長さを葺き縮めと葺き伸ばしとの間で加減できる。すなわち、係合差込部23の棟側端部が係合凸部15に係合したときに、働き長さが最も短い葺き縮めの状態となり、係合差込部23の軒側端部が係合凸部15に係合したときに、働き長さが最も長い葺き伸ばしの状態となり、係合差込部23の流れ方向中央が係合凸部15に係合したときに、葺き縮めと葺き伸ばしとの間の中央となる。
以上は、本実施例のうち公知例と同様の構成を説明したものであり、以下に、漏水防止(緩勾配対応)のために設けた本実施例独自の構成を説明する。
[前提]
図4及び図5に示すように、本実施例の平板瓦1は、例えば2寸勾配(11.3度)という従来にない緩勾配で千鳥葺きされ、前述のとおり、オーバーラップ4は同段の隣の瓦のアンダーラップ6の上方に重なり、頭見付け17の下端は下段の2枚の瓦の基準平面部8に当接する。但し、粘土瓦は、焼成時に不可避的な変形を起こすため、頭見付け17の下端と下段の瓦の基準平面部8との間には、全幅にわたって完全には当接せず、所々に隙間(頭見付け下隙間A)が不可避的に生じる。さらに、同段の相隣の頭見付け17と頭見付け17との間にも、前記変形又は施工精度により、2mm以下程度の隙間(目地隙間B)が不可避的に生じる。
瓦上を吹き上がる風が、これらの隙間A,Bから尻側に侵入すると、アンダーラップ6の軒側端から排水される水をアンダーラップ6の裏面側に回り込ませ、尻端から漏水させやすい。また、瓦上を吹き上がる風が、緩勾配で流れが遅くなった瓦上の雨水を押し上げながら、これらの隙間から尻側に侵入しても、同様に尻端から漏水させやすい。しかし、本実施例では、漏水防止のために、次の構成[1]〜[15]を設けている。
[1]図1,2,4,6等に示すように、アンダーラップ6の軒側端を瓦本体2の頭端よりも20〜30mm尻側にずらし、アンダーラップ6の軒側部の裏面から下方へ4〜8mm突出してその下端が葺設時に下段の瓦本体2の表面(本実施例では後述する[2]の逃がし凹部27の表面)に0〜1.5mmの距離まで近接する垂れ26を設けている。垂れ26の幅は、裏面側から見たアンダーラップ6の略全幅である。
この構成により、頭見付け下隙間Aから吹き込んだ風が、瓦本体2の頭端よりも尻側にずれた垂れ26に到達するまでに拡散してやや弱まり、その風を垂れ26がせき止めるので、アンダーラップ6の裏面側への水の回り込みを防ぎ、もって下段瓦2の尻端からの漏水を防ぐことができる。
[2]図1,2(c)等に示すように、瓦本体2の表面の幅方向中央部の尻部寄りに、上段瓦の頭見付け17の幅方向中間部よりも下方へはみ出した幅方向端部の下端17aを逃がすための、基準平面部8よりも1.2〜1.8mm低い逃がし凹部27を設けている。この下方へのはみ出しは、前述したように焼成時の変形により、頭見付け17の幅方向端部が幅方向中間部に対し下方へ湾曲して生じる。逃がし凹部27の幅は、70〜90mmである。
この構成により、頭見付け17の(下方へはみ出した)幅方向端部の下端17aを逃がし凹部27が逃がすため、頭見付け17の幅方向中間部が持ち上がることはなく、頭見付け17の幅方向中間部の下端と下段瓦の基準平面部8とは、[前提]で説明したように基本的には当接し、所々に隙間が不可避的に生じるだけとなる。
[3]図1,2,4,6等に示すように、前記のとおりアンダーラップ6の軒側端を瓦本体2の頭端よりも尻側にずらすとともに、瓦本体2のアンダーラップ6側の側端面5からアンダーラップ6側へ4〜6mm突出し、前面がアンダーラップ6の軒側端よりも8〜12mm軒側にあり、後面がアンダーラップ6の軒側端よりも3〜7mm棟側にあり、上面がアンダーラップ6の内側水路20,22の表面より4〜6mm高く、下面が該水路20,22の表面より8〜12mm低い遮風突起29を設けている。
この構成により、目地隙間Bから吹き込んだ風は、遮風突起29の前面に当たって横にそらされ、アンダーラップ6の軒側端から排水された水に直接当たらないため、アンダーラップ6の裏面側への水の回り込みを防ぎ、もって下段瓦の尻端からの漏水を防ぐことができる。
[4]図1,2,6,7(a)等に示すように、瓦本体2とオーバーラップ4の表面における尻水返し面11の手前に、尻水返し面11と連続して凹むとともに瓦本体2とオーバーラップ4の幅方向の中央部から端まで延びて突き抜け、該幅方向の端に向かって内底面の深さが増し且つ内底面の溝幅が頭側へ広がるスロープ溝31を設けている。
スロープ溝31の内底面の深さは、瓦本体2の幅方向のアンダーラップ側の端において5〜7mm、オーバーラップ4の幅方向の端において2.5〜3.5mm、瓦本体2とオーバーラップ4の幅方向の中央部において0.7〜1.5mmである。スロープ溝31は、深さは変化するが、左右に一つに繋がっている。スロープ溝31の内底面の溝幅は、瓦本体2とオーバーラップ4の幅方向の端において17〜23mm、瓦本体2とオーバーラップ4の幅方向の中央部においては8〜11mmである。
スロープ溝31の内底面の溝幅が頭側へ広がる態様は、瓦本体2とオーバーラップ4の幅方向の中央から端まで折線状に広がる態様であり、瓦本体2とオーバーラップ4の幅方向の中央での内底面の頭側縁と、幅方向の端での内底面の頭側縁とを結んだ仮想線L(図7(a)参照)は、幅方向に対して3〜5度をなす。スロープ溝31の内底面は、流れ方向に見て、傾斜していない(深さが変化しない)。
この構成により、尻水返し面11と連続して凹んだスロープ溝31が、尻水返し面11の見掛けの高さを増加させるので、風が強くても、その勢いで水が尻水返し面11を乗り越えることが防止される。また、スロープ溝31は、瓦本体2とオーバーラップ4の幅方向の端まで延びて突き抜け、幅方向の端に向かうほど、内底面が深くなるよう傾斜し、且つ溝幅が頭側へ広がるので、尻水返し面11がせき止めた水が多くても、その水を素早く幅方向に流し、瓦本体2とオーバーラップ4の幅方向の端からアンダーラップ6に排水する。よって、尻端からの漏水を防ぐことができる。
[5]図1,2,6,7(b)等に示すように、瓦本体2とオーバーラップ4の表面における尻水返し面11の上端から尻端にかけて設けられた嵩上げ部12に、凹むとともに瓦本体2とオーバーラップ4の幅方向の途中部から端まで延びて突き抜け、該幅方向の端に向かって内底面が深さを増すスロープである、第2スロープ溝33を設ける。第2スロープ溝33の内底面の深さは、前記スロープ溝31の内底面の深さと同じである。
この構成により、第2スロープ溝33は、尻水返し面11を乗り越えた水を入り込ませ、スロープ溝31と同様に素早く幅方向に流し、瓦本体2とオーバーラップ4の幅方向の端からアンダーラップ6に排水する。よって、尻端からの漏水を防ぐことができる。
[6]図1,2,6,7(c)等に示すように、尻水返し面11の幅方向の中央部に尻水返し面11よりも尻端側へ5〜7mm奥まらせたシフト水返し面35を設け、シフト水返し面35の幅方向の両端部35aを尻水返し面11に向かって広がる傾斜面(幅方向に対して35〜45度をなす)としている。
この構成により、頭見付け下隙間Aや目地隙間Bから吹き込んだ風が、尻端側へ奥まらせたシフト水返し面35の手前に所定容量溜まってから(図7(c)参照)、幅方向へ方向転換して流れるので、その流れの勢いが強くなる。この風の勢いが、前記スロープ溝31を流れる水を横走りさせ、アンダーラップ6への排水を促進する。
[7]図1,2,6,7(b)等に示すように、瓦本体2のアンダーラップ6側の側端面5に、尻水返し面11の手前へ5〜10mm凹んだ流下凹部37を設けている。流下凹部37の流れ方向の長さは、前記スロープ溝31の内底面のアンダーラップ6側への排水幅と略同一の17〜23mmである。
この構成により、瓦本体2の尻水返し面11に当たって返された水が、尻水返し面11の手前をアンダーラップ6側へ流れた後、流下凹部37に流下してアンダーラップ6へ排出される。
[8]図1,2,6,7(b)等に示すように、アンダーラップ6の表面(内側水路22の棟側部)に、流下凹部37からアンダーラップ6に排水された水を軒側へガイドするガイド水返し39を設けている。図7(b)に実線で示すように、ガイド水返し39は、基端が流下凹部37の直ぐ棟側の側端面5に接続され、基端から先端に向かって軒側へ傾斜し、流れ方向に対する傾斜角度は40〜50度である。
この構成により、流下凹部37からアンダーラップ6に排水された水が棟側へ逆流しにくい。
[9]図3,8,9等に示すように、アンダーラップ6の表面の流れ方向に延びる内側水路22を横断面アール状に凹んだ形状とし、オーバーラップ4の裏面に横断面アーチ形に凹んで流れ方向に延びるアーチ部41を設けている。
アンダーラップ6の表面の内側水路22を横断面アール状に凹んだ形状としたことにより、流水量を増やすことができる。また、瓦本体2のアンダーラップ6側の側端面5と同段の隣瓦のオーバーラップ4の側端面7との間に不可避的に生じる隙間Cから入り込む水の一部が、オーバーラップ4の裏面を伝おうとしても、アーチ部41を上昇することができずにアンダーラップ6へ落下するため、オーバーラップ4の裏面を伝うのを防止することができる。
[10]図3,8,9等に示すように、オーバーラップ4の裏面の幅方向中間部に流れ方向に延びる突条である中間部水切り18を設け、葺設時に、中間部水切り18が、同段の隣瓦のアンダーラップ6の表面にその側縁から瓦本体2側に向かう順に設けた流れ方向に延びる突条である外側水返し19及び内側水返し21のうちの内側水返し21と、接触するか又は最短距離が3mm以下で近接するように、中間部水切り18の幅方向位置を設定している。中間部水切り18の中心線と内側水返し21の中心線とは幅方向にずらしている。
この構成により、アンダーラップ6の表面の内側水路22を流れる水が、内側水返し21を超えようとしても、内側水返し21に近接するオーバーラップ4の中間部水切り18が邪魔をするため、内側水返し21を超えにくくなる。これにより、アンダーラップ6の側縁からのオーバーフローを防止することができる。
[11]図1,2,6等に示すように、アンダーラップ6の側縁部に下段瓦の係合凸部15を係合させるための係合差込部23を設けるために、アンダーラップ6の側縁に設けた外側水返し19の軒側寄り部位を、アンダーラップ6の側縁から軒側に向かって瓦本体2側へ傾斜する傾斜部24と、傾斜部24の軒側端から流れ方向に延びる流れ方向部25とを含む構成とし、流れ方向に対する傾斜部24の傾斜角度を15〜25度にしている。
この構成より、アンダーラップ6の水路20,22を棟側から流下してきた水が、傾斜部24に当たっても乗り越えることなく素直に傾斜部24に沿って流れるため、アンダーラップ6の側縁からオーバーフローしにくい。また、傾斜部24と流れ方向部25との境をアール状にしているため、水の流れ方向が境で滑らかに変化する。
[12]図1,8,9等に示すように、瓦本体2のアンダーラップ6側の側端面5と同段の隣瓦のオーバーラップ4の側端面7とを、断面鉤状の突き合わせ構造にしている。断面鉤状の突き合わせ構造は、瓦用金型の抜き勾配を考慮し、瓦本体2のアンダーラップ6側の側端面5の下部に突設した凸部45をオーバーラップ4の側端面7の下部に突き合わせ、オーバーラップ4の側端面7の上部に突設した凸部47を瓦本体2のアンダーラップ6側の側端面5の部に突き合わせる構造としている。2つの凸部45,47の間は、葺設時に上下に1.5〜3mm離間する。2つの凸部45,47の突出量は約1mmである。
この構成により、瓦本体2のアンダーラップ6側の側端面5と同段の隣瓦のオーバーラップ4の側端面7との隙間Cが、上方から見たときに開きにくくなる。また、近接する側端面5と側端面7との間は、上下に離間した2つの凸部45,47が相手の側端面に接触する2点接触となるので、同面5,7間の毛細管現象がこの離間で断ち切られ、水が下方へ伝わるの防止することができる。
[13]図1,5等に示すように、瓦本体2とオーバーラップ4の表面であって、葺設時に上段瓦の頭見付け17が葺き縮めと葺き伸ばしとの間の中央の際に重なる箇所から、頭側へ突起最高部52まで頭見付け高さ(約32mm)の約1.4〜1.7倍の距離を離れた箇所に、瓦本体2の幅方向に間欠的に延びる3本の負圧発生用突起50を設けている。前述のとおり、「頭見付け高さ」は、平板瓦1の正面視における頭見付け17の下端から瓦本体2の表面までの高さである。
負圧発生用突起50の突起最高部52の高さ(瓦本体2の基準平面部8からの突出寸法)は2〜3mmである。負圧発生用突起50は、頭側から尻側に向かって高くなる傾斜面51を有し、傾斜面51の上端が突起最高部52である。瓦本体2の基準平面部8に対する傾斜面51の角度は15〜25度である。
この構成により、瓦上を吹き上がる風が、負圧発生用突起50によってより上向きに向きを変えられ、さらに上記距離があることによって頭見付け17の上方へ流れるようになるため、頭見付け17の手前に負圧が発生し、頭見付け下隙間や目地隙間から吹き込む風や水が減少する。
また、瓦本体2の裏面であって、負圧発生用突起50の丁度裏側となる箇所に凹み53を設けている。
[14]図1,2,5等に示すように、瓦本体2とオーバーラップ4の表面であって、負圧発生用突起50の直ぐ尻側に、基準平面部8よりも1.2〜1.8mm凹んで瓦本体2の幅方向に連続的に延びる1本の負圧強化用溝55を設けている。
負圧強化用溝55は、負圧発生用突起50に対して高低差を増やすため、負圧発生を強化する。
[15]図1,2,3,8,9等に示すように、オーバーラップ4の裏面の幅方向の瓦本体2に接続する側の付け根部に流れ方向に延びる突条である付け根部水切り43を設け、葺設時に、付け根部水切り43が、同段の隣瓦のアンダーラップ6の表面の側縁に設けた流れ方向に延びる突条である外側水返し19と、アンダーラップ6の幅方向外側から接触するか又は最短距離が3mm以下で近接するように、付け根部水切り43のオーバーラップ裏面における幅方向位置を設定している。
付け根部水切り43の軒側は、葺設時に、下段瓦にかかる箇所まで延びている。付け根部水切り43の尻側は、尻水返し面11の側方まで延びている。
外側水返し19と接触するか又は最短距離が3mm以下で近接する付け根部水切り43の範囲は、付け根部水切り43の全長の棟側の一部である。すなわち、付け根部水切り43の流れ方向の棟側部から中央部までは、外側水返し19と接触するか又は最短距離が5mm以下で近接し、付け根部水切り43の流れ方向の軒側部は、下段瓦の係合凸部に干渉しないよう、外側水返し19からさらに大きく離れるように湾曲している。
この構成により、アンダーラップ6の外側水返し19を超えてオーバーフローした水は、アンダーラップ6の幅方向外側から外側水返し19と接触又は近接する付け根部水切りに伝わって、オーバーラップ4の裏面に伝わり流れ、下段瓦の表面に流下するため、漏水を防止することができる。
本実施例の平板瓦1を、屋根下地を設けた約2m角の試験台に2寸勾配(11.3度)という従来にない緩勾配で千鳥葺きし、防水性能試験を行った。散水(降雨の代用)は、散水ノズルにより、前記約2m角内の複数箇所の瓦面直交方向から、散水量4L/m2 ・min(降雨量240mm/hに相当)、圧力550〜980Paで行った。送風はブロワーにより、前記約2m角の中央箇所の瓦面直交方向から、風速30〜40m/sで行った。加圧方法は脈動圧、試験時間は20分とした。
同試験の結果は「漏水を認めず」の判定であり、成績書以外の評価でも、数カ所から屋根下地への水滴付着があった程度であった。
なお、本発明は前記実施例の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
1 平板瓦
2 瓦本体
3 側端面
4 オーバーラップ
5 側端面
6 アンダーラップ
7 側端面
8 基準平面部
9 リブ
10 平面部
11 尻水返し面
12 嵩上げ部
13 尻剣
14 凹所
15 係合凸部
16 釘穴
17 頭見付け
17a 下端
18 中間部水切り
19 外側水返し
20 外側水路
21 内側水返し
22 内側水路
23 係合差込部
24 傾斜部
25 流れ方向部
27 逃がし凹部
29 遮風突起
31 スロープ溝
33 第2スロープ溝
35 シフト水返し面
35a 端部
37 流下凹部
39 ガイド水返し
41 アーチ部
43 付け根部水切り
45 凸部
47 凸部
50 負圧発生用突起
51 傾斜面
52 突起最高部
53 凹み
55 負圧強化用溝

Claims (5)

  1. 四角板状の瓦本体(2)と、瓦本体(2)の幅方向の一方の側端面(3)の瓦厚方向上部から幅方向に延びる略板状のオーバーラップ(4)と、瓦本体(2)の幅方向の他方の側端面(5)の瓦厚方向下部から幅方向に延びる略板状のアンダーラップ(6)を有し、瓦本体(2)の頭端に下方へ突出した頭見付け(17)が設けられた平板瓦(1)において、
    オーバーラップ(4)の裏面の幅方向の瓦本体(2)に接続する側の付け根部に流れ方向に延びる突条である付け根部水切り(43)を設け、葺設時に、付け根部水切り(43)が、同段の隣瓦のアンダーラップ(6)の表面の側縁に設けた流れ方向に延びる突条である外側水返し(19)と、アンダーラップ(6)の幅方向外側から接触するか又は最短距離が5mm以下で近接するように、付け根部水切り(43)のオーバーラップ(4)裏面における幅方向位置を設定したことを特徴とする平板瓦。
  2. 最短距離は、3mm以下である請求項1記載の平板瓦。
  3. 付け根部水切り(43)の軒側は、葺設時に、下段瓦にかかる箇所まで延びている請求項1又は2記載の平板瓦。
  4. 付け根部水切り(43)の尻側は、オーバーラップ(4)の表面が見えがかりとなる範囲の棟側端部の裏側まで延びている請求項1、2又は3記載の平板瓦。
  5. 付け根部水切り(43)の全長のうち棟側の一部が、外側水返し(19)と接触するか又は最短距離が5mm以下で近接する請求項1〜4のいずれか一項に記載の平板瓦。
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