JP6618527B2 - ターボマシン部材リング支持体の製造方法 - Google Patents

Description

開示される発明の主題は、ターボマシン部材リング支持体の製造方法である。

ここで検討されるターボマシン部材リング支持体は、ステータの長手軸線上の円錐台セクタに延在し、間隙を縮小するためマシンロータの円形可動輪ステージを囲繞する摩耗性ハニカム材料で製作されうる密封ライニングがその長手軸線に対する内面に装着されている。支持体は、隣接のステータ構造への組み付けのための部品、詳しくは、長手軸線に対する外面から突出する「レール」を有する。

これらを製造する周知の方法はいくつかある。第一のものは鍛造に基づくが、これは強力なマシンと、複雑な形状の鍛造ダイと、合金品質の保護、例えばミルスケール発生防止のための予防策を必要とする高温加工とを必要とする。

別の方法は、肉薄プレートによる溶接または蝋接アセンブリを使用して支持体を形成する。しかし、運転中にこれらの部品には大きな熱膨張が発生するため、アセンブリの強度には問題があり、製造は複雑である。

すべての作業が単純化されるタービンリング支持体を製造する新規の方法がここに開示される。

一般的に、本発明は、ターボマシン部材のためのリング支持体を製造する方法に関し、内面に密封ライニングが装着されて内面と反対の外面に取付レールが装着されている円錐セクタの周囲に支持体が延在し、支持体から径方向外向き方向に立ち上がるカラーにより限定される陥没部を取付レールが含む、製造方法において、内面と外面との間の距離とカラーの高さとの和に等しい厚さを持つ少なくとも一つの平面金属プレートから始めることと、単数または複数のプレートを一緒に曲げ溶接して閉環の円筒シュラウドを形成することと、工具で円筒シュラウドを曲げて円錐シュラウドを形成することと、円錐シュラウドの外面を機械加工してその上にレールを形成することと、円錐シュラウドシェルを切断して支持体に対応するセクタに当該円錐シュラウドシェルを分割することとで構成されることを特徴とする。

言い換えると、本発明の本質的な特徴は、レールのレリーフが切り抜かれた肉厚プレートから始めて、肉薄プレートによるアセンブリを回避しながら修正用の機械加工を最小にすることと、これらの要素を別々に製作する代わりに支持体円が同時に製作されることである。この結果、後で説明するように幾つかの利点が得られる。

幾つかの同心ジョーを持つマシンを利用する円錐形状へのプレス加工および成形のための次のステップのように、簡単な変形ツール（工具）を使用して、円筒形状への単数または複数のプレートの予備的な曲げが行われる。こうして半加工品が閉じた規則的な円形状であることで、プレス加工により、そして旋削加工で構成される機械加工により、簡単な機械加工作業でレールを成形することが可能になる。

大きな変形を伴わない曲げおよび成形作業が低温で行われ、これが方法を容易にして、部品の最終的な性質への加熱の影響を検討する必要を回避することに留意されたい。

多様な製造方法では、要求される製品の寸法を考慮しなければならない。だがこの場合に最後の重要な作業は機械加工であるので、この条件を考慮するのは容易である。しかし、可視ではなく密封ライニングが装着されている内面のように、幾つかの部分は機械加工されないままである。

本発明の１つの重要な実施形態である正中面について対称的な二重円錐の輪郭をジョーと静止リングとが有する形態を利用して、印加される軸力と工具の変形との均衡を取る傾向を持つ、正中面の各側で対称的な二重の円錐つまり二重円錐のシュラウドを成形するために、寸法を修正するように製造することも容易である。

本発明の純粋に例示的な一実施形態の多様な態様が、以下の図を参照して以降でより詳しく説明される。

周知の支持体を表す図である。 本発明の開始時に使用される平坦プレートを示す図である。 このプレートを円筒シュラウドに曲げることを示す図である。 二重円錐シュラウドを製作する打抜き加工プレスを示す図である。 二重円錐シュラウドを製作する打抜き加工プレスを示す図である。 ２回の通過時の打抜き加工の選択を示す図である。 機械加工が行われる様子を示す図である。 本発明による支持体を示す図である。 本発明による支持体を示す図である。 周知の支持体のそれぞれの側端部を示す図である。 本発明による製品支持体のそれぞれの側端部を示す図である。

図１は、周知の技術を利用して肉薄プレートの溶接または蝋接により製作されるタービンのようなターボマシンの部材のためのリング支持体を図示している。メインプレート１は、角度セクタの周囲にほぼ規則的な円錐形状を有し、摩耗性ハニカム密封ライニング２が固定される内面を包含する。その外面に設けられた外側取付レール３は、径方向外向きに立ち上がる二つの突出カラー４，５を有して中間陥没部６を備えるように湾曲した第２の肉薄プレートから構成されている。また、Ｕ字断面を備え、軸端部においてマシンの軸方向に対向する中央陥凹部を持つ別の取付レール７が設けられている。レール３，７は両方ともメインプレート１に蝋接されている。上述のように、支持体の製造は複雑であり、印加される多くの熱サイクルにより、その強度は長期的には予測不能である。図１０は、角度端部の各々での支持体の特定形状を図示している。他の２枚のプレート２５，２６は、支持体の断面を厚くして側面にスリット２７が形成されうるようにメインプレート１の外面に溶接されるため、支持体が類似の支持体に隣接して取り付けられる時には、密封プレートの一部分がスリット２７に装着されて二つの支持体の間の間隙を被覆する。これらのプレート２５，２６は支持体の製造をより複雑にする。図１および他の図は、マシンの長手Ｘ軸線を示しており、このＸ軸線を中心とする円状に支持体が取り付けられる。

以下、図２等を参照し、本発明の説明を行う。原材料は、平坦プレート８または少数のこのようなプレート８で構成される。単数のプレート８または複数のプレート８は曲げ設備を通過し、ここで円筒シュラウド９（図３）が得られるようにプレートが曲げられ、端部エッジをトリミングした後に溶接で円を閉じることにより、このシュラウドは連続的となる。可能な最小数のプレート８を使用することが好ましく、そのため３枚のプレートを使用することで十分な折衷案となり、その各々が円の半分または円の三分の一となるように湾曲している。しかし、厚さに関係なく単一のプレートが全円となるように湾曲されてもよい。

図４および５に表されている次のステップは、タービンでの半径の変化に対応するように、円錐シュラウド、より好都合には二重円錐シュラウド１０に円筒シェル９を成形することで構成される。中央円錐ブローチ２３により押圧され、付随して径方向変位を伴うジョー（顎部）１１の円形列と、ジョーと対向してジョーと同心である静止リング１２とを含むプレスのような打抜き加工ツール（工具）を含む装置へ、円筒シュラウド９が載置される。陥凹している静止リングと中央で突出しているジョー１１とにより、二重円錐形状が得られる。ジョー１１をリング１２の方へ移動させると、円筒形シュラウドが必要な二重円錐形状に変形される。打抜き加工は、二重円錐シュラウド１０の半径を増大させる拡張部を包含しうる。リング１２は二つの重複ステージ１２ａ，１２ｂから形成され、これらのステージは、挿入のため上方ステージ１２ａを持ち上げてからシュラウド９または１０を取り出すことにより分離されうる。

この作業中に発生しうる過度の力不均衡を回避することが有用であり、これは製造寸法が考慮されないことの理由となりうる。プレスの円形状は、角度方向に力を均衡させることを可能にする。ジョー１１とリング１２との二重円錐輪郭のため、この場合のように正中面の両側で加工ツールが対称的である場合には、シュラウド９または１０の軸方向における不均衡な力が相殺されうる。

しかし、曲げステップ（変形は大きな長さにわたって分散している）と二重円錐形状への成形ステップの両方で材料に印加される変形を小さくするため、すべての方法ステップが低温で行われることに留意されたい。

打抜き加工ステップによるこの成形は通常、円形列上でのジョー１１の間の不連続性のため２回の通過で行われる。各通過の後にジョー１１の一つの前方で周囲の各部分を移動させる（図６）ことで二重円錐シュラウドを均一な円形にするために、最初の通過の後で数度（数°）に対応するジョー１１の間での１回の角度ステップにより二重円錐シェル１０が移動されて、この最初の通過後にはジョー１１の間に残っている平坦部分を解消する。

図７は、得られる一対の支持体１９に重複されている二重円錐シュラウド１０の形状を図示している。製造作業は、機械加工、詳しくは、旋盤のような従来の数値制御マシンでの旋削加工で構成される。上述のように、打抜き加工プレスの軸方向の力を均衡させるように設計されているシュラウド１０の対称的な二重円錐形状は、半体の各々で支持体１９の円を形成するように設計されている。二重円錐シェル１０は、内面１３と外面１４とを包含している。従来の設計から未変更のレール７が装着される凹部１５が各支持体１９の一端部に掘削されることを除いて、内面１３はその表面の少なくとも大部分にわたって本質的に機械加工されないままである。他方、支持体寸法１９が正確でなければならず、この箇所で表面状態が良好でなければならないため、外面１４は完全に機械加工されるが、密封ライニング２が装着されそのため可視ではない内面１３の大部分については、これは当てはまらない。すなわち、従来の設計でのレール３の陥凹形状に対応する溝部１６が掘削され、カラー５に類似したカラー１７が支持体１９の各々の端部に形成される。最後の作業は、中央部２１を完全に除去することにより支持体１９の二つの円を分離するように二重円錐シュラウド１０を分割する最初のステップにおいて、二重円錐シュラウド１０の端部２０を切除することと、支持体１９を互いに分離するように支持体１９の二つの円を角度セクタに切断することとで構成される。プレートの厚さ中央において、側端部にはスリット２７が最後のステップで直接設けられる（図１１）。

図８および９は、レール７と密封ライニング２とを設置した後で最終的に得られる支持体１９の一つを図示している。二重円錐シュラウド１０の塊体に彫塑される溝部１６およびカラー１７を含む部分は、先行設計による彫塑部６およびカラー５と同じ寸法を有しているため、支持体１９は支持体１に完全に置き換わりうる。支持体１のプレートより肉厚のプレート８から形成されているため支持体１９が重くなることに留意されたい。しかし、溝１６に達しないように中央部をフライス加工することで外面を掘削することにより、この短所が軽減される。フライス加工作業部２２は不連続であり、支持体１９のエッジには適用されない。

追加レール３の代わりに支持体１９の単体部分を使用することは、その結合力を高めること寄与し、正しい寸法を確実に作り出す。ゆえに、補正機械加工が最小となる。

１ メインプレート
２ 密封ライニング
３ 外側取付レール
４，５ 突出カラー
６ 中間陥没部
７ 取付レール
８ 平坦プレート
９ 円筒シュラウド
１０ 二重円錐シュラウド
１１ ジョー
１２ 静止リング
１２ａ，１２ｂ ステージ
１３ 内面
１４ 外面
１５ 凹部
１６ 溝部
１７ カラー
１９ 支持体
２０ 端部
２１ 中央部
２２ 作業部
２３ 中央円錐ブローチ
２５，２６ プレート
２７ スリット

Claims (8)

1. タービンのようなターボマシンの部材のためのリング支持体（１９）を製造する方法であって、
   密封ライニング（２）が内面に装着されて前記内面と反対の外面に取付レールが装着される角度セクタの周囲に前記リング支持体が延在し、前記リング支持体（１９）から径方向外向き方向に立ち上がるカラー（１７）により限定される陥没部（１６）を前記取付レールが含む、前記リング支持体の製造方法であって、
   前記内面と前記外面との間の距離に等しい厚さを持つ少なくとも１枚の平面金属プレート（８）から始めることと、
   単数または複数の前記平面金属プレートを一緒に曲げて溶接し閉環の円筒シュラウド（９）を形成することと、
   前記円筒シュラウドを工具で曲げて円錐シュラウド（１０）を形成することと、ここで、前記円錐シュラウド（１０）の軸が前記ターボマシンの長手軸方向に沿っており、
   前記円錐シュラウドの外面（１４）を機械加工して前記取付レールをその上に形成することと、
   前記円錐シュラウドを切断して前記リング支持体（１９）に対応するセクタに分割することと、
   を含むことを特徴とする、製造方法。
2. 曲げと成形とで構成されるステップが低温で行われることを特徴とする、請求項１に記載の製造方法。
3. 前記円筒シュラウドが成形される前記工具が、径方向拡張部を伴うジョー（１１）の円形列と、前記円形列を囲繞する外側静止リング（１２）とを包含することを特徴とする、請求項１または２に記載の製造方法。
4. 前記円筒シュラウド（９）が、２回のジョー拡張部通過の際に前記工具で成形され、２回の拡張部通過の間に前記ジョー（１１）の間の角度ステップにより成形加工されることを特徴とする、請求項３に記載の製造方法。
5. 前記ジョーと前記静止リングとが正中面について対称な二重円錐輪郭を有し、前記円錐シュラウド（１０）が二重円錐であることを特徴とする、請求項３または４に記載の製造方法。
6. 前記リング支持体の前記内面（１３）が表面エリアの大部分にわたって機械加工を受けないことを特徴とする、請求項１から５のいずれか一項に記載の製造方法。
7. 前記円錐シュラウドの前記外面の機械加工が、前記取付レールを成形する旋削加工と、前記リング支持体（１９）の中央部分での不連続なフライス加工作業部（２２）とを包含することを特徴とする、請求項１から６のいずれか一項に記載の製造方法。
8. ２枚または３枚の前記平面金属プレートが設けられることを特徴とする、請求項１から６のいずれか一項に記載の製造方法。

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