JP6774625B2 - 熱間鍛造用金型及び熱間鍛造方法 - Google Patents

熱間鍛造用金型及び熱間鍛造方法 Download PDF

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本発明は、熱間鍛造用金型及び熱間鍛造方法に関するものである。
例えば、タービンブレードを製造するにあたっては、丸棒状の熱間鍛造素材を所望の直径まで鍛伸して、更に、続く型打ち鍛造でニアネットシェイプのタービンブレード素材となるように、タービンブレードの根部や翼部となる部分の体積を確保すべく、所望の丸棒形状の荒地を成形する。この荒地の形状については、例えば、特開昭63−238942号公報(特許文献1)の図2に、根部となる部分が太く(体積が大きく)、翼部先端に向けて次第に細くなる形状の荒地が示されている。
この荒地の具体的な製造方法としては、例えば、丸棒状の熱間鍛造素材を所望の直径までラジアル鍛造を行って長尺の丸棒材とし、所定の寸法に切断し、更に別な自由鍛造装置で所望の荒地形状に鍛造される。
タービンブレードを型打ち鍛造する場合、根部、翼部となる部分や、ボス部と呼ばれる突起がタービンブレードの翼部に設けられることもあり、タービンブレード用の荒地では、体積と寸法の調整が重要となる。もし、体積や寸法の調整が不十分であると、型打ち鍛造時の型彫り面内に十分に荒地が満肉せず、型打ち鍛造後のニアネットシェイプのタービンブレード素材の一部が欠寸する問題が生じる。また、タービンブレードの材質はNi基の超耐熱合金や、Ti合金等の高価な合金であるため、型打ち鍛造後のニアネットシェイプのタービンブレード素材の一部が欠寸するような不良が起きると、その損失は小さくはない。
そのため、荒地の製造時に「せぎり」と呼ばれる加工溝を設けて、型打ち鍛造時の型彫り面内に十分満肉するように荒地成形時に加工を行うことが好ましい。しかしながら例えば、特開昭60−250843号公報(特許文献2)に示されるように、せぎりの形成は特別な治具を用意してプレス装置で順次丸棒状の素材に加工溝を設けることになる。
特開昭63−238942号公報 特開昭60−250843号公報
特許文献2で示されるせぎりを行う治具の形状は、その押圧部は平坦、且つ同じ幅で形成されており、難加工性材に所望の溝を形成するには不向きである。更に、せぎりで成形される溝は、幅が細く垂直に深い溝となっている。材料の深さ方向に垂直な溝が形成されると、鍛造素材をタービンブレード長さまで伸長する熱間鍛造時に、かぶり疵の発生が問題となる。
本発明の目的は、タービンブレードに使用される難加工性材であっても、ラジアル鍛造機を用いて容易にせぎりを行うことが可能な熱間鍛造用金型と熱間鍛造方法を提供することである。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものである。
すなわち本発明は、棒状の鍛造素材をラジアル鍛造により熱間鍛造するための熱間鍛造用金型であって、
前記熱間鍛造用金型は、前記鍛造素材を鍛造する場合の前記鍛造素材の長手方向に相当する方向に沿った垂直な断面形状が凸形状である押圧部を有し、
前記押圧部は、粗加工部と仕上げ加工部とを有し、前記仕上げ加工部は前記粗加工部よりも曲率半径が大きい凸形状であり、
前記押圧部は、前記曲率半径を有する凸形状の頂点を連続的に結ぶ稜線部分が前記鍛造素材を鍛造する場合に前記鍛造素材の外周面を周方向に取り囲むように形成されている熱間鍛造用金型である。
好ましくは、前記押圧部は、粗加工部から仕上げ加工部に向かって、前記押圧部の曲率半径が徐々に大きくなる徐変部を有する熱間鍛造用金型である。
また好ましくは、前記仕上げ加工部の凸形状の曲率半径は、前記粗加工部の凸形状の曲率半径よりも10mm以上大きい熱間鍛造用金型である。
前記押圧部は、せぎり加工用である熱間鍛造用金型である。
前記せぎり加工用の押圧部が、前記鍛造素材を鍛造する場合の前記鍛造素材の長手方向に相当する方向に複数個形成されている熱間鍛造用金型である。
また、本発明は、棒状の鍛造素材をラジアル鍛造により熱間鍛造する熱間鍛造方法であって、
前記熱間鍛造に用いる金型は、前記鍛造素材を鍛造する場合の前記鍛造素材の長手方向に相当する方向に沿った垂直な断面形状が凸形状である押圧部を有し、
前記押圧部は、粗加工部と仕上げ加工部とを有し、前記仕上げ加工部は前記粗加工部よりも曲率半径が大きい凸形状であり、
前記凸形状の押圧部は、その曲率半径を有する凸形状の頂点を連続的に結ぶ稜線部分が前記鍛造素材を鍛造する場合に前記鍛造素材の外周面を周方向に取り囲むように形成されており、
前記鍛造素材を熱間鍛造温度に加熱する鍛造素材加熱工程と、
前記加熱された鍛造素材を間欠回転と押圧とを繰返して前記鍛造素材にせぎり加工を行う熱間鍛造工程を含み、
前記熱間鍛造は、対向配置された2つの前記熱間鍛造用金型の前記各押圧部で前記鍛造素材を押圧ことにより、鍛造素材にせぎり加工を行う熱間鍛造方法である。
また、本発明の前記熱間鍛造工程は、前記粗加工部を用いた粗加工鍛造を行った後、仕上げ加工部を用いた仕上げ鍛造を行う熱間鍛造方法であり、前記鍛造素材の押圧場所が前記粗加工部から徐々に仕上げ加工部に移動する熱間鍛造方法である。
前記棒状の鍛造素材としてNi基超耐熱合金またはTi合金を用いることができる。
本発明の熱間鍛造方法は、タービンブレード用の荒地製造に好適である。
本発明によれば、タービンブレードに使用される難加工性材であっても、ラジアル鍛造機を用いて容易にせぎり加工を行うことができる。
本発明の熱間鍛造用金型の一例を示す模式図である。 本発明の熱間鍛造用金型の一例を示す模式図である。 伸長部の一例を示す模式図である。 ラジアル鍛造機の模式図である。 荒地の形状の一例を示す模式図である。 本発明の熱間鍛造用金型を用いて熱間鍛造を行ったときの鍛造素材を押圧する場所の一例を示す模式図である。 本発明の熱間鍛造用金型を用いて熱間鍛造を行ったときの鍛造素材を押圧する場所の一例を示す模式図である。 伸長部の一例を示す模式図である。
前述の特許文献2では、せぎりを行う対象物は連接棒と言う小さな製品である。一方で、タービンブレードは今後益々大型化が進み、その材質も難加工性材として知られるNi基超耐熱合金やTi合金である。特にこれらの合金の中には、熱間鍛造可能な温度の幅が僅かしかないものもあり、せぎり用の治具を用いて自由鍛造していては、鍛造素材の温度が低下してしまう。そのため、素材の重量にもよるが、例えば、40〜60インチのタービンブレード用の場合では7〜10回の再加熱を行わないといけなくなる。タービンブレードの大型化が進むと、再加熱の回数は更に増加してしまう。
この課題に対しては、ラジアル鍛造機を用いてせぎりを行うことができれば、非常に有効となるが、通常、ラジアル鍛造機は金敷と呼ばれる、押圧部が平坦な金型を使用しているため、従来の金敷を用いたラジアル鍛造機ではせぎりを行うことは不可能であった。
本発明は、これを可能とするもので、最大の特徴は、ラジアル鍛造機を用いて大型のタービンブレード用の荒地成形にも適用な、従来にない形状にある。以下に本発明で用いる熱間鍛造用金型について説明する。
本発明は、対向する2方向から押圧するラジアル鍛造機を用いて鍛造素材を熱間鍛造する熱間鍛造方法に適用できるものである。その最大の特徴は、一つの金型に粗加工部と仕上げ加工部を有するものであること、また、別な特徴は、粗加工部と仕上げ加工部を鍛造素材の周方向に並べて配置したことである。以下に本発明の熱間鍛造用金型について説明する。
図1は本発明の熱間鍛造用金型1の正面図とその断面図である。「正面」とは、鍛造素材を鍛造する場合に鍛造素材が伸長する方向(長手方向)から見たときのものである。「断面」とは正面図に示す位置にて、上記の長手方向(鍛造素材が伸長する方向)に垂直な方向から見たときのものであり、「前記鍛造素材を鍛造する場合の前記鍛造素材の長手方向に相当する方向に沿った」断面である。また、本発明で言う「垂直な断面」とは、鍛造素材の外周面を周方向に取り囲むように形成された凸部を「正面」から見た時の凸部の輪郭線(該輪郭線が曲線の場合はその接線)に垂直な方向の断面である。なお、以下に説明する「せぎり用」及び「鍛伸用」の熱間鍛造用金型においても「正面」、「断面」は前記と同じ方向から見たときの形態を示すものである。
本発明の熱間鍛造用金型1は、図1の正面図及び図4右図(鍛造素材が伸長する方向から見たときの図)に示すように、鍛造素材を押圧してせぎり加工する押圧部2(せぎり部5)が鍛造素材を鍛造する場合に鍛造素材の外周面を周方向に取り囲むように形成されている。せぎり加工する押圧部2は、図1の正面図のように、円弧状に窪んだ底部からその両側の押圧部同士の間隔が広がっていくような形状となっている。このような形状も本発明で規定する「鍛造素材の外周面を周方向に取り囲むように」の範疇である。
また、押圧部2は、粗加工部3と仕上げ加工部4とを有し、粗加工部と仕上げ加工部とは連続して形成されている。図1には、熱間鍛造用金型1の仕上げ加工部断面図(A−A断面図)、粗加工面断面図(C−C断面図)及び前記仕上げ加工部と粗加工部の間に位置する断面図(B−B断面図)を示している。図1の断面図に示すように、押圧部2の断面形状は略半円状の凸形状を有しており、C−C断面図で示す位置からB−B断面図で示す位置までは、押圧部の曲率半径が徐々に大きくなって行き、B−B断面図からA−A断面図で示す位置(底部)までの曲率半径はほぼ同じとなるようにしている。なお、本発明で言う「仕上げ加工部」とは、前記のA−A断面図で示す位置(底部)を含んで、同じ曲率半径とするようにした場所を仕上げ加工部とする。そして、前述の粗加工部3及び仕上げ加工部4の稜線部分9が連続的に形成され、鍛造素材の外周面の周方向を取り囲むように形成されている。この稜線とは、押圧部の略半円状の凸状部の頂点を連続的に結んだ線のことである。この仕上げ加工部、粗加工部は鍛造素材を押圧することができるように凸形状となっている。
本発明の熱間鍛造用金型1において、仕上げ加工部4の略半円状の凸形状の曲率半径は、粗加工部3の略半円状の凸形状の曲率半径よりも10mm以上大きいことが好ましい。これは、本発明の鍛造素材が大型のタービンブレード用の荒地に加工するものであり、粗加工部よりも仕上げ加工部の接触面積を広げておく方が、大型(長尺)のタービンブレード用荒地形状に成形するのに好都合であるためである。また、別な理由として、仕上げ加工部の略半円状の凸形状の曲率半径が大きいと幅の広い加工溝の形成が容易となる。せぎりの鍛造後に行う鍛造素材の伸長を行う鍛造時にせぎりを行った場所のかぶり疵防止のために、せぎりで形成する加工溝の幅を広げておく方が望ましいためである。何れも、仕上げ加工部と粗加工部との曲率半径の差が10mm未満では、十分にその効果が得られない場合があるため、仕上げ加工部4の略半円状の凸形状の曲率半径は、粗加工部の略半円状の凸形状の曲率半径よりも10mm以上大きいことが好ましい。15mm以上の差をもって形成するのがより好ましい。
図1に示す熱間鍛造用金型1は2つで一対となり、例えば、図4に示すように熱間鍛造用金型1が鍛造素材21を挟み込むように前記鍛造素材の中心軸に向かって対向配置され、且つ、一対の熱間鍛造用金型1が協働してせぎり加工を行う。
具体的には、図1で示す熱間鍛造用金型が2つ1組(一対)となって、鍛造素材(図1では図示せず)を挟み込む凸形状の押圧部2を有しており、この押圧部で鍛造素材を挟み込むように押圧する。ラジアル鍛造機に備えられた把持機構により、鍛造素材は把持されると共に鍛造素材の間欠的な回転が行われることになる。せぎり加工開始段階では、C−C断面図からB−B断面図で示す凸形状の粗加工部先端の稜線部分から鍛造素材にせぎり加工が開始され、次第にB−B断面図からA−A断面図で示す凸形状の仕上げ加工部でせぎり加工が順次行えるよう、凸形状の押圧部が連続して形成されている。また、その稜線部分9が前記鍛造素材の外周面を周方向に取り囲むように連続的に形成されることで、協働する2つの熱間鍛造用金型の押圧部に鍛造素材を挟み込みつつせぎり加工が行えるものである。
前記のせぎり加工を詳細に説明すると、鍛造素材に粗加工部から鍛造を開始するときに、難加工性の鍛造素材であっても所定の深さの溝が形成可能なように、鍛造の初期段階では接触面積を少なくした粗加工部にて効率よく溝加工が行えるようにしたものである。そして、鍛造が進んで行くと、次第に仕上げ加工部に向かって順次押圧されて行き、溝の幅を広げると共に、せぎりの形状を整えていく。もっとも、仕上げ加工部での熱間鍛造であっても、せぎりの深さに到達しない場合も考えられるため、仕上げ加工部も断面が略半円状の押圧部を形成して、できる限り接触面積を小さくすることで効率よくせぎり形状を整えるものである。
つまり、本発明では、最初に曲率半径の小さな粗加工部3で効率よく溝加工を行い、その後、粗加工部3の曲率半径よりも大きい曲率半径を有する仕上げ加工部4でせぎりの最終形状に効率よく成形していくものである。そのため、粗加工部3では略半円状の押圧部から次第に曲率半径が大きくなる徐変部を形成しておき、仕上げ加工部4でせぎりの最終形状に成形することになる。
なお、実際の押圧部は、例えば肉盛溶接などで略半円状の凸部を形成したり、その後に手作業で形状を機械加工したりする場合もあるため、必ずしも同一曲率半径の凸部が形成されない場合がある。そのため、上記でいう「略半円状」とは、肉盛溶接や機械加工による誤差を含み、曲率を持った凸状のものであれば良く、その曲率半径はおおよその形状から求めれば良い。例えば、曲率半径は凸部を構成する曲面部分の、鍛造素材長手方向の幅と、鍛造長手方向に垂直な方向の曲面部分の高さから求めることができる。また、鍛造素材を押圧する部分が曲率を持った凸状であればよく、その押圧する部分の曲率を上述のように構成すればよい。
この形状を有するせぎり加工用の熱間鍛造用金型1で鍛造素材を熱間鍛造すると、熱間鍛造用金型に形成された凸形状の粗加工部から鍛造素材に接触していき、せぎりに必要な溝を順次形成することができる。なお、本発明で言う「仕上げ加工部は粗加工部よりも曲率半径が大きい凸形状」とは、上記の各断面図の形状を指す。つまり、鍛造素材を鍛造する場合に鍛造素材の長手方向に相当する方向に垂直な方向から見たときの断面である。
上述したように、本発明で用いる熱間鍛造用金型1はせぎり加工用に好適である。なお、図2(図1と同様の箇所には同じ符号を用いた)に示す本発明の別の実施形態の熱間鍛造用金型のようにせぎり加工用の押圧部2を鍛造素材を鍛造する場合に鍛造素材の長手方向に相当する方向に複数個形成しても良い。これは、例えば、2ヶ所同時にせぎり加工による加工溝を形成する場合、1つの金型に複数個のせぎり加工用の押圧部2を形成しておく方が、生産性向上に有利であるからである。特に、タービンブレードに用いられる合金の材質は難加工性材であることから、熱間鍛造が可能な温度域内でできるだけ短時間で鍛造を終了させることが好ましいためである。この複数個所への同時せぎり加工は、タービンブレードの翼部に設けられるボス部となる部分に対して用いるのが有効である。
なお、この複数個所同時せぎり鍛造が可能となるのも、本発明の熱間鍛造用金型に形成する押圧部の接触面積が、小さな面積から次第に大きな面積となるようにして、それをラジアル鍛造機と組み合せて初めて実現できたものである。
この図2に示す構造の熱間鍛造用金型においても、E−E断面図で示す位置(底部)を含んで、同じ曲率半径を有する場所(F−F断面図の位置からE−E断面図の位置まで)を仕上げ加工部とする。
なお、せぎり鍛造終了後には鍛造素材を伸長して所定の荒地形状とする。その場合に用いる鍛伸用の熱間鍛造用金型の一例を図3に示す。この鍛伸用の熱間鍛造用金型11には鍛造素材を伸長する伸長部7を備えている。この伸長部7に設ける鍛伸用押圧部には、図3に示すように押圧部が平坦状(鍛造素材を鍛造する場合に鍛造素材2の長手方向に沿って平坦状であり、鍛造素材2を挟み込むように曲がっている)に形成されている。鍛伸用の熱間鍛造用金型11の押圧部は、粗加工部と仕上げ加工部とを有し、前記仕上げ加工部は、前記鍛造素材を鍛造する場合の鍛造素材の長手方向に相当する幅が、前記粗加工部における幅よりも広くなっている。
この鍛伸用の熱間鍛造用金型11においては、図3のD−D、E−E、F−F断面図に示すように、押圧部の断面形状が略台形状の凸形状であり、押圧部の作業面(押圧面)は、その断面形状において略平坦状となっている。また、押圧部の作業面(押圧面)は、全体として湾曲した形状となっている。そして、図3のF−F断面図(粗加工部断面図)で示す位置の面幅W1からE−E断面図で示す位置の面幅W2までは、押圧部の平坦部の幅(鍛造時の鍛造素材の長手方向に相当する幅)が徐々に広がって行き、E−E断面図の幅W2からD−D断面図(仕上げ加工部断面図)で示す位置(底部)までの押圧部の平坦部の幅W3はほぼ同じとなるようにしている。なお、鍛伸用の熱間鍛造用金型の「仕上げ加工部」とは、前記のD−D断面図で示す位置(底部)を含んで、同じ幅を有する場所を仕上げ加工部とする。そして、前述の粗加工部及び仕上げ加工部が連続的に形成され、鍛造素材の外周面を周方向に取り囲むように形成され、押圧部の断面(D−D、E−E、F−F断面図で示す断面)が略台形状の凸形状であり、押圧部の作業面(押圧面)はその断面形状において略平坦状となっている。
なお、実際の押圧部は、例えば肉盛溶接などで補修を行ったり、その後に手作業で形状を機械加工したりする場合もあるため、必ずしも凹凸が殆ど無い平坦形状とならない場合がある。そのため、本発明でいう「平坦」とは、肉盛溶接や機械加工による誤差を含み、過剰な凹凸がないものであれば良い。少なくとも長手方向には湾曲しておらず、長手方向に平行であり、その形状はおおよその形状から求めれば良い。
鍛伸用の熱間鍛造用金型の伸長部7は、鍛造素材を挟み込むための一対の押圧部12を有している。基本的な構成は前記のせぎり加工に適した熱間鍛造用金型と同じであり、図3に示す鍛伸用の熱間鍛造用金型11も2つで1組(一対)となる。鍛造素材の鍛伸は、1組の鍛伸用の熱間鍛造用金型11が協働して鍛造素材(図示せず)の直径を細くするように、ラジアル鍛造機に備えられた把持機構により鍛造素材は把持されると共に、鍛造素材の回転が行われることになる。また、この鍛造素材の間欠的な回転と、把持された鍛造素材はその長手方向に移動して行き、鍛造素材の長手方向に伸長させる。
なお、この鍛伸用の熱間鍛造用金型の平坦状の押圧部も、鍛造の初期段階では接触部の面積を少なくして効率よく鍛伸して行き、その後、所定の形状に整えることが容易なように、粗加工部13に形成された略平坦状の押圧部の幅を狭くしておき、前記仕上げ加工部14に形成された押圧部の面幅は前記粗加工部13よりも広くするのが好ましい。
前記のように、鍛伸用の熱間鍛造用金型11は、鍛造素材を長手方向に伸長しつつ、形状を整えるものであるため、その押圧部の作業面(押圧面)は平坦状となる。この平坦状の押圧部の幅(鍛造素材を鍛造する場合の鍛造素材の長手方向における幅)を過度に広げると鍛造に要する圧力が大きくなってしまうことがある。そのため、1度の打撃で効率よく鍛伸できるように平坦状の押圧部の幅は接触面積を考慮し、鍛造機に適した幅を選択することが好ましい。
次に、一例として、本発明の熱間鍛造用金型を用いて50インチのタービンブレード用の荒地の熱間鍛造方法について説明する。
図4はラジアル鍛造機の一例を示す模式図である。ラジアル鍛造機には図1で示す熱間鍛造用金型1が取り付けられている。熱間鍛造用金型1は、鍛造素材21を挟み込んで鍛造を行うため、鍛造素材の対面にそれぞれ1つずつ設けられている。図4では既に鍛造素材21がラジアル鍛造機に把持されているが、鍛造素材は加熱炉(図示せず)にて所定の熱間鍛造温度に加熱され、ラジアル鍛造機に取り付けられたものである。
加熱温度は鍛造素材の材質によって異なり、例えば、Ni基超耐熱合金であれば950〜1150℃であり、Ti合金であれば800〜1000℃である。この他、析出強化型ステンレス鋼では900〜1200℃である。また、鍛造素材の形状は棒状である。棒状の鍛造素材は、鍛造装置やプレス装置で所定の形状に整えたものであれば良く、もし、丸棒状であれば、その直径はせぎりが行える熱間鍛造用金型1の粗加工部同士の間隔と同等程度であることが好ましい。
そして、前述の鍛造素材のうち、所定の丸棒状鍛造素材をラジアル鍛造機に取り付けを行う。
熱間鍛造は、加熱された鍛造素材21を回転させつつ、対向配置された2つの熱間鍛造用金型1を1組(一対)とし、前記各押圧部で鍛造素材を押圧することにより、鍛造素材にせぎり加工を行う。なお、以下の説明において、粗加工部を用いた鍛造は粗加工鍛造であり、仕上げ加工部を用いた鍛造は仕上げ鍛造である。
せぎり加工を行う熱間鍛造用金型の形状は図1に示すものである。このせぎり加工時は、先ず熱間鍛造用金型1の粗加工部3の稜線部分9が鍛造素材に接触して行き、熱間鍛造が開始される。本発明の熱間鍛造用金型は、仕上げ加工部の両側には、かかる仕上げ加工部の底部に向かって傾斜した粗加工部を有し、仕上げ加工部4から粗加工部3に向かって粗加工部同士の間隔が広がって行き、2つの熱間鍛造用金型が鍛造素材の外周面を押圧したときに、連続して形成された略半円状の凸形状の押圧部によって所定の形状に成形できるようにするものである。また、最初に行うせぎり加工は、鍛造素材はその場で間欠回転する(鍛造素材の長手方向の移動は行わない)。
このせぎり加工時の加工方法としては2通りの方法がある。1つ目の方法として、せぎり加工終了後の形状重視の方法から説明する。
一対の熱間鍛造金型を用いて、対向する2方向からの熱間鍛造が開始されると、図6(A)に示すように、先ず、粗加工部3から鍛造素材の所定の位置の押圧が開始される。粗加工時の鍛造素材21と熱間鍛造用金型の接触(鍛造)位置を矢印で示している。そうすると、対向する2方向からの熱間鍛造でありながら、鍛造初期は協働して鍛造する2つ熱間鍛造用金型に形成された粗加工部が押圧を開始することから、鍛造開始時に鍛造素材を押圧している箇所は一対の熱間鍛造金型を合わせて4ヶ所である。この4ヶ所が同時にせぎり加工を開始すると、接触面積が小さいため効率よく溝加工を行っていく。そして、押圧箇所は順次仕上げ加工部に向かい、一対の熱間鍛造用金型に形成された仕上げ加工部で所定の形状に整えられていくことになる。仕上げ加工の最終段階では、図6(B)で示すように、鍛造素材21を仕上げ加工部の底部で熱間鍛造を行うときは押圧箇所は一対の熱間鍛造金型を合わせて2ヶ所である。つまり、せぎり加工の初期段階では一対の熱間鍛造用金型を用いて4ヶ所の鍛造(せぎり加工)を行い、最後の形状調整時は一対の熱間鍛造用金型を用いて2ヶ所の鍛造により、形状を整えることができる。また、粗加工部よりも曲率半径が大きい凸形状の仕上げ加工部4で最終形状に効率よく成形することができる。しかも、矢印で示した仕上げ加工部の底部の形状で最終的な形状に整えることが可能であるため、最終仕上げ形状を重視する場合には好都合である。
もう一つの方法は、加工時間を短時間とする場合に適用する方法である。
一対の熱間鍛造金型を用いて、対向する2方向からの熱間鍛造が開始されると、図7(A)に示すように、先ず、粗加工部3から鍛造素材の所定の位置の押圧が開始される。粗加工時の鍛造素材21と熱間鍛造用金型の接触(鍛造)位置を矢印で示している。そうすると、対向する2方向からの熱間鍛造でありながら、鍛造初期は協働して鍛造する2つ熱間鍛造用金型に形成された粗加工部が押圧を開始することから、鍛造開始時に鍛造素材を押圧している箇所は一対の熱間鍛造金型を合わせて4ヶ所である。この4ヶ所が同時にせぎり加工を開始すると、接触面積が小さいため効率よく溝加工を行っていく。そして、順次仕上げ加工部に向かって熱間鍛造を行い、一対の熱間鍛造用金型に形成された仕上げ加工部4で所定の形状に整えられていくことになる。
前述のように、B−B断面図からA−A断面図で示す位置(底部)までの曲率半径はほぼ同じとしていることから、仕上げ加工部の底部まで使用する仕上げ加工は行わず、図7(B)に示すように、仕上げ加工時も押圧する箇所を4ヶ所として仕上げ加工を終了させる。この場合であっても、粗加工部よりも曲率半径が大きい凸形状の仕上げ加工部4で最終形状に効率よく成形することができ、且つ、押圧箇所を4ヶ所とすることで短時間でせぎり加工が行える。そのため、鍛造時間を短時間としたい場合には好都合である。
なお、この鍛造時間重視の方法を用いる場合、仕上げ加工部の底部(A−A断面図で示す位置)の曲率半径(図7で示す鍛造素材の長手方向に垂直方向から見たときの曲率半径)をせぎり加工した後の鍛造素材の直径の曲率半径よりも小さくすることが重要である。但し、仕上げ加工部の底部は曲面形状としておき、熱間鍛造時に過度な応力集中を避けるようにすると良い。
前記のせぎり加工が終了すると、熱間鍛造用金型1を鍛伸用押圧部を有する熱間鍛造用金型11に交換する。この熱間鍛造用金型の交換時においては、鍛造素材を再度所定の鍛造温度に再加熱する。
交換した熱間鍛造用金型11は、前記鍛造素材を伸長する鍛伸用押圧部を有する伸長部7が設けられている。鍛伸用押圧部は、図3に示す形状を有するものである。この鍛伸用押圧部を有する熱間鍛造用金型11の、鍛造素材の長手方向から見た押圧部の形状も、図6(A)に示す前記せぎり加工を行った熱間鍛造用金型1と同様であるため、対向する2方向からの熱間鍛造が開始されると、先ず、粗加工部13から鍛造素材の所定の位置の押圧が開始される。そうすると、対向する2方向からの熱間鍛造でありながら、鍛伸(鍛造)初期は協働して鍛造する2つ(一対)の熱間鍛造用金型に形成された粗加工部が押圧を開始することから、鍛造開始時に鍛造素材を押圧している箇所は一対の熱間鍛造金型を合わせて4ヶ所である。この4ヶ所が同時に鍛伸を開始すると、接触面積が小さいため効率よく鍛造素材を伸長していく。そして、鍛造素材はラジアル鍛造機によって間欠回転しつつ鍛造素材の長手方向に順次移動されて、順次仕上げ加工部に向かって熱間鍛造を行い、一対の熱間鍛造用金型に形成された仕上げ加工部で所定の形状に整えられていくことになる。
つまり、仕上げ加工の最終段階では、図6(B)で示すように、仕上げ加工部14で熱間鍛造を行うときは押圧箇所は一対の熱間鍛造金型を合わせて2ヶ所である。この仕上げ加工部の底部の形状で最終的な形状に整える方法は、最終仕上げ形状を重視する場合には好都合である。
また、この鍛伸用押圧部による熱間鍛造においても、熱間鍛造時間を短時間にするには図7のように、熱間鍛造初期から熱間鍛造の最終段階まで押圧箇所を一対の熱間鍛造金型を合わせて4ヶ所とすることで短時間で鍛造素材を伸長することができる。
また、前記の鍛伸用押圧部を有する熱間鍛造用金型において、図8に示す形状とすることができる。図8(図3と同様の箇所には同じ符号を用いた)に示す熱間鍛造用金型11は、その仕上げ加工部14の幅(鍛造素材の長手方向における幅)内の底部から粗加工部に向かって凹部8が形成され、前記凹部8により、前記仕上げ加工部の押圧部が鍛造素材の長手方向で2ヶ所に分かれている。凹部は仕上げ加工部14の幅内に1つ以上形成し、仕上げ加工部の押圧部を2つ以上に分けることで鍛伸時の鍛造素材の曲りをより確実に防止することができる。図8に示す熱間鍛造用金型を用いて熱間鍛造していくと、A−A断面で示す仕上げ加工部の底部にて最終段階の鍛造が行える。鍛造用素材が押圧された瞬間においては、仕上げ加工部によって押圧されている部分と、その仕上げ加工部によって押圧されている部分に隣り合う押圧されていない部分が生じている。押圧された部分の肉が押圧されていない部分に流れ、その肉が流れることにより、僅かであるが鍛造用素材の断面が楕円となることがある。楕円となった鍛造素材は鍛造中に曲りを生じやすくなる。しかし、図8の熱間鍛造用金型の構造によれば、凹部によって押圧部(仕上げ加工部)が分けられていることから、最初に押圧した場所がラジアル鍛造によって鍛造素材が間欠的に回転して、次の押圧部によって仕上げ鍛造される。このとき、図8の構造では、合計4ヶ所で押圧されているため、上述のとおり次の押圧部によって楕円を矯正しつつ曲りも矯正できるものである。なお、凹部の形成箇所は仕上げ加工部の底部(図8のA−Aで示す直線が接している箇所)を含むように形成することで曲り防止の効果を最大限発揮できる。
このようにして、せぎりから鍛伸へと同じラジアル鍛造機を用いて連続して鍛造素材を所定の荒地形状に熱間鍛造が行えるため、従来のようにせぎり用の治具を用いた後に、別な鍛造機であらためて鍛伸を行うと言った、煩雑な工程を省略できる。そのため、再加熱回数を低減できるにもかかわらず、精度の高いタービンブレード用の荒地を製造することが可能となる。
本発明によれば、タービンブレードに使用される難加工性材であっても、ラジアル鍛造機を用いて容易にせぎりを行うことができる。また、前例のないラジアル鍛造機を用いた熱間鍛造方法によれば、鍛造材の再加熱の回数を飛躍的に低減させることができ、生産性を向上させ、省エネルギーにも極めて有効となる。
(実施例1)
図2に示す本発明の熱間鍛造用金型1を一対用意した。なお、粗加工部を用いた鍛造は粗加工鍛造であり、仕上げ加工部を用いた鍛造は仕上げ鍛造である。
用意したせぎり加工用の熱間鍛造用金型1のせぎり部5は、鍛造素材を挟み込むための一対の押圧部2を有し、前記各押圧部2は、その稜線部分で鍛造素材の外周面を周方向に取り囲むように連続して形成され、その断面形状が略半円状の凸形状をなし、前記各押圧部は、粗加工部と、該粗加工部よりも曲率半径が大きい凸形状の仕上げ加工部とを有するものである。粗加工部13の略半円状の凸形状の曲率半径は30mmとし、仕上げ加工部14の略半円状の凸形状の曲率半径は50mmとし、その間は徐変するものであった。
また、せぎり加工後に鍛造素材を伸長する一対の熱間鍛造用金型11の伸長部7に設けられた鍛伸用押圧部は、平坦状に形成されたものであり、その形状は図3に示すものである。鍛伸用の伸長部7は、鍛造素材を挟み込むための一対の押圧部12を有し、各押圧部12は鍛造素材の外周面を周方向に取り囲むように連続して形成され、その断面形状が略台形状の凸形状をなし、各押圧部12は、作業面が略平坦状の粗加工部13と、仕上げ加工部14とを有するものである。鍛伸用押圧部の幅は粗加工部13を50mmとし、仕上げ加工部14を100mmとし、その間は除変するものであり、最終形状を重視した形状を有する熱間鍛造用金型を用いた。
上記の熱間鍛造用金型を2つ1組で一対としてラジアル鍛造機に取り付けて熱間鍛造の準備を行った。
50インチタービンブレード用の鍛造素材を950℃に加熱された加熱炉で加熱を行った。鍛造素材はチタン合金であり、その寸法は直径がφ200mm、長さが1100mmであった。
鍛造素材を加熱炉から取り出して、ラジアル鍛造機で熱間鍛造を開始した。なお、鍛造素材は、マニプレータで把持して操作した。
熱間鍛造は、まず、加熱された鍛造素材21を間欠回転と、対向配置された2つの熱間鍛造用金型1の前記各押圧部で鍛造素材の外周面の押圧を繰り返すことにより、前記粗加工部を用いた粗加工鍛造に続いて仕上げ加工部を用いた仕上げ鍛造の順に鍛造素材にせぎり加工を行った。最初に行うせぎり加工は、鍛造素材はその場で回転(鍛造素材の長手方向の移動は行わない)しつつ、所定の形状に熱間鍛造した。図2に示すように1つの金型に複数個のせぎり加工用の押圧部2を形成された金型を使用し、2ヶ所同時にせぎりを行った。せぎり加工時は、鍛造素材の押圧場所を粗加工部から徐々に仕上げ加工部に移動するように行った。
前記のせぎり加工の終了後、鍛伸用押圧部を有する図3に示す熱間鍛造用金型11に交換した。このとき、鍛造素材はラジアル鍛造機から取り外して、再度所定の鍛造温度に再加熱行った。鍛伸用押圧部を有する熱間鍛造用金型11に交換終了後に再度鍛造素材をラジアル鍛造機に取り付けて鍛伸用押圧部による熱間鍛造を行った。鍛造素材はラジアル鍛造機によって間欠回転と長手方向への順次移動と押圧を繰返しながら所定の形状に整えて荒地形状に熱間鍛造した。この鍛伸加工は、鍛造素材の押圧場所を粗加工部から徐々に仕上げ加工部に移動するように行った。熱間鍛造後の荒地22は、根部、翼部、ボス部の成形に好適な図5に示すような形状であった。熱間鍛造後の荒地には、特にかぶり疵等の問題も発生しなかった。
本発明の製造方法により、タービンブレード等に使用される難加工性材であっても、ラジアル鍛造機を用いて容易に鍛伸することが可能であった。また、せぎり加工をラジアル鍛造機を用いて所定の荒地形状に熱間鍛造が行えるため、従来のようなせぎり用の治具を用いる煩雑な工程を省略できた。そのため、再加熱回数を低減できるにもかかわらず、精度の高いタービンブレード用の荒地を製造することが可能となった。
(実施例2)
実施例2として、図8の熱間鍛造用金型の効果を確認した。用いたせぎり用の熱間鍛造用金型は前記の実施例1と同じである。
実施例2として、図8の熱間鍛造用金型11の効果を確認した。図8に示す熱間鍛造用金型は、鍛伸用の伸長部7は、鍛造素材を挟み込むための一対の押圧部12を有し、各押圧部12は鍛造素材の外周面を周方向に取り囲むように連続した凸形状をなし、各押圧部12は、略平坦状の粗加工部13と、仕上げ加工部14とを有するものである。鍛伸用押圧部の幅は粗加工部13を50mmとし、仕上げ加工部14を120mmとし、その間は除変するものであり、その仕上げ加工部の中央に幅が50mmの凹部を形成し、仕上げ加工部の押圧部を2つに分けたものである。なお、2つに分けた押圧部の幅はそれぞれ35mmであった。また、用いたせぎり用の熱間鍛造用金型は前述の実施例1と同じである。
50インチタービンブレード用の鍛造素材を950℃に加熱された加熱炉で加熱を行った。鍛造素材はチタン合金であり、その寸法は直径がφ200mm、長さが1100mmであった。
鍛造素材を加熱炉から取り出して、ラジアル鍛造機で熱間鍛造を開始した。なお、鍛造素材は、マニプレータで把持して操作した。
熱間鍛造は、まず、加熱された鍛造素材21を間欠回転と、対向配置された2つの熱間鍛造用金型1(図2で示すもの)の前記各押圧部で鍛造素材の外周面の押圧を繰り返すことにより、前記粗加工部を用いた粗加工鍛造に続いて仕上げ加工部を用いた仕上げ鍛造の順に鍛造素材にせぎり加工を行った。最初に行うせぎり加工は、鍛造素材はその場で回転(鍛造素材の長手方向の移動は行わない)しつつ、所定の形状に熱間鍛造した。図2に示すように1つの金型に複数個のせぎり加工用の押圧部12を形成された金型を使用し、2ヶ所同時にせぎりを行った。せぎり加工時は、鍛造素材の押圧場所を粗加工部から徐々に仕上げ加工部に移動して行った。
前記のせぎり加工の終了後、鍛伸用押圧部を有する図3の熱間鍛造用金型11に交換した。このとき、鍛造素材はラジアル鍛造機から取り外して、再度所定の鍛造温度に再加熱行った。鍛伸用押圧部を有する熱間鍛造用金型11に交換終了後に再度鍛造素材をラジアル鍛造機に取り付けて鍛伸用押圧部による熱間鍛造を行った。鍛造素材はラジアル鍛造機によって間欠回転と長手方向への順次移動と押圧を繰返しながら所定の形状に整えられ、荒地形状に熱間鍛造された。最後に、図8に示す熱間鍛造用金型11に交換して鍛造用素材に対して10パスのラジアル鍛造による仕上げ加工を行った。この鍛伸加工のとき、鍛造素材の押圧場所を粗加工部から徐々に仕上げ加工部に移動した。熱間鍛造後の荒地22は、根部、翼部、ボス部の成形に好適な図5に示すような形状であった。熱間鍛造後の荒地には、特にかぶり疵等の問題も発生しなかった。全長が約1500mmの荒地の曲りについては実施例1で得られた荒地と比較して、約5mm程度の曲りの抑制が確認された。
本発明の製造方法により、タービンブレード等に使用される難加工性材であっても、ラジアル鍛造機を用いて容易に鍛伸することが可能であった。また、せぎり加工をラジアル鍛造機を用いた熱間鍛造で行えるため、従来のようにせぎり用の治具を用いるといった、煩雑な工程を省略できた。そのため、再加熱回数を低減できるにもかかわらず、精度の高いタービンブレード用の荒地を製造することが可能となった。
1 熱間鍛造用金型
2 押圧部
3 粗加工部
4 仕上げ加工部
5 せぎり部
7 伸長部
8 凹部
9 稜線部分
11 熱間鍛造用金型(鍛伸用)
12 押圧部(鍛伸用)
13 粗加工部(鍛伸用)
14 仕上げ加工部(鍛伸用)
21 鍛造素材
22 荒地
31 熱間鍛造用金型

Claims (9)

  1. 棒状の鍛造素材をラジアル鍛造により熱間鍛造するための熱間鍛造用金型であって、
    前記熱間鍛造用金型は、前記鍛造素材を鍛造する場合の前記鍛造素材の長手方向に相当する方向に沿った垂直な断面形状が凸形状である押圧部を有し、
    前記押圧部は、粗加工部と仕上げ加工部とを有し、前記仕上げ加工部は前記粗加工部よりも曲率半径が大きい凸形状であり、
    前記押圧部は、前記曲率半径を有する凸形状の頂点を連続的に結ぶ稜線部分が前記鍛造素材を鍛造する場合に前記鍛造素材の外周面を周方向に取り囲むように形成されていることを特徴とする熱間鍛造用金型。
  2. 前記押圧部は、前記粗加工部から前記仕上げ加工部に向かって、前記押圧部の曲率半径が徐々に大きくなる徐変部を有することを特徴とする請求項1に記載の熱間鍛造用金型。
  3. 前記仕上げ加工部の凸形状の曲率半径は、前記粗加工部の凸形状の曲率半径よりも10mm以上大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の熱間鍛造用金型。
  4. 前記押圧部は、せぎり加工用であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の熱間鍛造用金型。
  5. 前記せぎり加工用の押圧部が、前記鍛造素材を鍛造する場合の前記鍛造素材の長手方向に相当する方向に複数個形成されていることを特徴とする請求項4に記載の熱間鍛造用金型。
  6. 棒状の鍛造素材をラジアル鍛造により熱間鍛造する熱間鍛造方法であって、
    前記熱間鍛造に用いる金型は、前記鍛造素材を鍛造する場合の前記鍛造素材の長手方向に相当する方向に沿った垂直な断面形状が凸形状である押圧部を有し、
    前記押圧部は、粗加工部と仕上げ加工部とを有し、前記仕上げ加工部は前記粗加工部よりも曲率半径が大きい凸形状であり、
    前記凸形状の押圧部は、その曲率半径を有する凸形状の頂点を連続的に結ぶ稜線部分が前記鍛造素材を鍛造する場合に前記鍛造素材の外周面を周方向に取り囲むように形成されており、
    前記鍛造素材を熱間鍛造温度に加熱する鍛造素材加熱工程と、
    前記加熱された鍛造素材を間欠回転と押圧とを繰返して前記鍛造素材にせぎり加工を行う熱間鍛造工程を含み、
    前記熱間鍛造は、対向配置された2つの前記熱間鍛造用金型の前記各押圧部で前記鍛造素材を押圧ことにより、鍛造素材にせぎり加工を行うことを特徴とする熱間鍛造方法。
  7. 前記熱間鍛造工程では、前記粗加工部を用いた粗加工鍛造を行った後、仕上げ加工部を用いた仕上げ鍛造を行うことを特徴とする請求項6に記載の熱間鍛造方法。
  8. 前記熱間鍛造工程は、前記鍛造素材の押圧場所が前記粗加工部から徐々に仕上げ加工部に移動することを特徴とする請求項6に記載の熱間鍛造方法。
  9. 前記棒状の鍛造素材がNi基超耐熱合金またはTi合金であることを特徴とする請求項6乃至8の何れかに記載の熱間鍛造方法。
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