JP6617919B2 - 物品の解体方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ディスプレイ等の情報表示装置をはじめとする物品の解体方法に関するものである。
ディスプレイ等の情報表示装置、複写機や複合機をはじめとする様々な電子機器の製造場面では、部品の固定に粘着テープが広く使用されている。
前記電子機器を構成する部品としては、例えば情報表示装置であれば、ガラスタッチパネルのように薄型の板状剛体で、かつ、比較的高価なものが使用される場合がある。そのため、例えば情報表示装置の製造工程で、前記部品の貼り合せ位置を誤った場合に、前記部品を損傷することなく誤った貼付位置から容易に分離でき、再利用できることが、粘着テープに求められる場合がある。
前記粘着テープとしては、例えば不織布基材の両面に粘着剤層が形成された両面接着テープであって、該両面接着テープの層間破壊面積率が10%以下であり、かつ両面接着テープの引張り強度がMD方向(縦方向)及びTD方向(横方向)共に20N/10mm以上であることを特徴とする両面接着テープが知られている(例えば特許文献1参照。)。
しかし、従来の粘着テープとしては、経時的な粘着力の低下に伴う情報表示装置等の故障(例えば部品の脱落)を防止するために比較的高い接着力を備えたものが使用されることが多い。そのため、例えばガラスタッチパネルを他の部品から分離する際に大きな力が必要となるため、前記分離の際にガラスタッチパネルのひび割れなどを引き起こしやすく、その結果、部品の再利用効率の低下を引き起こす場合があった。
特開2001−152111号公報
本発明が解決しようとする課題は、例えば情報表示装置等の物品を解体する際に、板状剛体からなる部材のひび割れや変形等を引き起こすことがなく、容易に2以上の部材を分離することが可能な物品の解体方法を提供することである。
本発明者は、板状剛体(a1)及びその他の部材(a2)が熱剥離性粘着テープによって接着された構成を有する物品の解体方法であって、前記熱剥離性粘着テープを加熱する工程[1]、前記板状剛体(a1)の片側表面積に対し15%以上の範囲に吸着パッドを吸着させる工程[2]、前記吸着パッドによって吸着された前記板状剛体(a1)を前記部材(a2)から分離する工程[3]を有することを特徴とする物品の解体方法であれば、上記課題を解決できることを見出した。
本発明は、液晶ディスプレイ等の情報表示装置、複写機や複写機能及びスキャン機能を備えた複合機をはじめとする様々な電子機器の解体場面において、好適に使用することが可能である。
面接着強度の測定方法を示す概念図である。 解体性の評価方法で使用する試験片を上面(吸着パッドが吸着した側の面)からみた図である。 解体性の評価方法で使用する試験片の側面図である。 吸着パッドの斜視図である。 吸着パッドを吸着部側から見た際の図(下面図)である。
本発明は、板状剛体(a1)及びその他の部材(a2)が熱剥離性粘着テープによって接着された構成を有する物品の解体方法であって、前記熱剥離性粘着テープを加熱する工程[1]、前記板状剛体(a1)の片側表面積に対し15%以上の範囲に吸着パッドを吸着させる工程[2]、前記吸着パッドによって吸着された前記板状剛体(a1)を前記部材(a2)から分離する工程[3]を有することを特徴とする。
本発明の解体方法であれば、例えば液晶ディスプレイ等の情報表示装置、複写機や複合機をはじめとする様々な電子機器の解体場面において、板状剛体からなる部材のひび割れや変形等を引き起こすことがなく、容易に2以上の部材を分離することが可能となる。
本発明の解体方法では、板状剛体(a1)及びその他の部材(a2)が熱剥離性粘着テープによって接着された構成を有する物品の前記熱剥離性粘着テープからなる部位を、直接または間接的に加熱し、前記加熱後または前記加熱とともに、前記板状剛体(a1)の片側表面積に対して15%以上の範囲に吸着パッドを吸着させる。その際、前記吸着パッドは、前記板状剛体(a1)の表面に吸着し保持された状態となる。
前記加熱後または前記加熱された状態で、前記吸着パッドを、前記板状剛体(a1)の表面に対しておよそ垂直方向に上げると、前記板状剛体(a1)が前記吸着パッドとともに引き上げられ、前記部材(a2)から分離する。その際、前記板状剛体(a1)は、前記吸着パッドの影響により撓みにくい(歪みにくい)。そのため、前記板状剛体(a1)は、前記吸着パッドを引き上げる際に、ひび割れや変形等を引き起こしにくい。
はじめに、前記工程[1]について説明する。
前記工程[1]は、板状剛体(a1)及びその他の部材(a2)が熱剥離性粘着テープによって接着された構成を有する物品の、前記熱剥離性粘着テープからなる部位を加熱する工程である。
前記加熱方法としては、例えば前記熱剥離性粘着テープを直接加熱する方法、前記板状剛体(a1)や前記部材(a2)を介して間接的に加熱する方法が挙げられる。
前記加熱は、熱源を、前記熱剥離性粘着テープや板状剛体(a1)や部材(a2)に近接または接触させて行うことができる。例えば、前記熱剥離性粘着テープの端部が前記板状剛体(a1)や部材(a2)の端部よりも外側に出ている場合、前記熱剥離性粘着テープの端部にハロゲンランプを接近または接触させてもよい。
前記加熱工程[1]では、前記熱剥離性粘着テープの温度が80℃〜130℃になるまで加熱することが好ましく、85℃〜125℃になるまで加熱することがより好ましく、90℃〜120℃になるまで加熱することがさらに好ましい。また、前記加熱時間は20秒以内であることが好ましく、15秒以内であることがより好ましい。
前記加熱工程[1]は、20秒以内に前記熱剥離性粘着テープの温度を100℃にする工程であることが、物品の解体効率を向上でき、かつ板状剛体(a1)や部材(a2)の熱による変形などを防止できるため好ましい。
前記加熱方法としては、例えば活性エネルギー線やレーザー光線等を照射する方法、熱風をあてる方法、電磁誘導加熱法等が挙げられる。
前記活性エネルギー線としては、紫外線、赤外線、可視光線、マイクロ波、α線、β線、ガンマ線等が挙げられる。
前記工程[1]で用いる熱源としては、例えば赤外線であればハロゲンランプ等を使用することができる。
前記レーザー光線は、市販されるレーザー照射装置によって照射可能なものが挙げられる。
前記活性エネルギー線やレーザー光線は、前記部材の一部または全部が透明である場合には、前記部材を介して前記熱剥離性粘着テープに照射してもよい。
前記活性エネルギー線やレーザー光線が照射されると、前記熱剥離性粘着テープを構成する粘着剤層が、軟化、及び、架橋等することによって、その粘着力を著しく低下させる。
ハロゲンランプを備えた加熱装置としては、例えば一定面積を短時間で加熱可能な平行光型ハロゲンランプヒーター、局所的な加熱が可能な集光型ハロゲン型ランプ等を使用することができ、好ましくは平行光型ハロゲンランプヒーターを使用することが、広い範囲を一度に加熱することができるため、加熱時間を上記した時間にまで短縮することができる。
前記平行光型ハロゲンランプヒーターが一度に加熱可能な面積は、10cm〜500cm程度であることが好ましい。また、平行光型ハロゲンランプヒーター等の加熱装置は、携帯可能な大きさ及び重さであることが、上記物品の解体作業の効率化を向上させるうえで好ましい。前記重さは、3kg以下であることが好ましく、2kg以下であることが好ましく、0.1kg〜1kgであることがさらに好ましい。
次に、前記工程[2]について説明する。
前記工程[2]は、前記板状剛体(a1)の片側表面積に対し15%以上の範囲に吸着パッドを吸着させる工程である。この工程[2]は、前記工程[1]を完了した後、すなわち、前記熱剥離性粘着テープを加熱した後に行ってもよく、前記工程[1]とともに、すなわち、前記熱剥離性粘着テープの加熱を継続した状態で、前記工程[2]を行ってもよい。
前記工程[2]においては、前記板状剛体(a1)の片側表面積の全体に対して、15%〜60%の範囲に吸着パッドが吸着されることが、前記板状剛体(a1)に吸着しそれを保持しやすく、かつ、前記板状剛体(a1)へ吸着させ、それを引き上げた際に、板状剛体(a1)のひび割れ等を効果的に防止するうえで好ましく、20%〜60%の範囲であることが好ましく、25%〜45%の範囲であることがより好ましい。
なお、前記吸着パッドが吸着される範囲は、以下の方法によって算出された値を指す。
はじめに、吸着パッドを吸着する前の板状剛体(a1)の片側表面積(s1)を測定する。次に、前記板状剛体(a1)の片側表面に吸着パッドを吸着させる。次に、前記板状剛体(a1)の前記吸着パッドが吸着された側の面を観察し、吸着パッドが吸着及び接触した範囲の面積(s2)を測定する。次に、前記測定値と式[面積(s2)/面積(s1)]×100によって、前記範囲を算出する。
前記工程[2]においては、吸着パッドを1個用いてもよいが、必要に応じて2個〜20個使用してもよい。
また、吸着パッドを複数個用いる場合、吸着パッドの吸着部の大きさがすべて同じものを用いてもよく、異なる大きさのものを複数組み合わせ用いてもよい。
また、前記吸着パッドの内側空間を構成する内側表面の面積(表面積)は、1cm〜100cmであることが好ましく、5cm〜50cmであることがより好ましい。
また、前記吸着パッドの吸着部の内径の直径(図5の10)は、1cm〜20cmであることが好ましく、3cm〜15cmであることがより好ましい。
また、前記吸着パッドの吸着部の外径の直径(図5の11)は、1.5cm〜21cmであることが好ましく、3.0cm〜10.5cmであることがより好ましい。
また、前記吸着パッドの吸着部の形状は、およそ円形状であっても楕円形状であってもよいが、円形状であることが、板状剛体(a1)へ吸着させた際に板状剛体(a1)がひび割れ等することを好適に防止できるため好ましい。
前記工程[2]で使用する吸着パッドとしては、前記板状剛体(a1)に接する部分がゴムであるものを使用することが好ましい。前記ゴムとしては、SRIS0101(日本ゴム協会標準 規格)に規定されるアスカーC硬度が50〜90であるものを使用することが好ましく、55〜80であるものを使用することがより好ましく、55〜70であるものを使用することが、前記板状剛体(a1)に吸着しやすく、かつ、前記板状剛体(a1)へ吸着させ、それを引き上げた際に、板状剛体(a1)のひび割れ等を効果的に防止することができる。
前記ゴムとしては、具体的にはニトリルゴム、シリコーンゴム、天然ゴムまたはポリウレタンゴム等からなるものを使用することができる。
次に、前記工程[3]について説明する。
前記工程[3]は、前記工程[2]の後に、前記吸着パッドによって吸着された前記板状剛体(a1)と前記部材(a2)とを分離する工程である。
前記工程[3]は、前記工程[1]の加熱後に行ってもよく、前記工程[1]の加熱が継続した状態で行ってもよい。前記工程[3]を前記工程[1]の加熱後に行う場合には、加熱終了後、直ちに行ってもよく、1分以内に行うことが好ましく、前記熱剥離性粘着テープの温度が80℃〜115℃程度であるうちに行うことがより好ましい。
前記工程[3]は、前記板状剛体(a1)に吸着した前記吸着パッドを、前記部材(a2)に対して任意の方向に移動させることによって行うことができるが、前記板状剛体(a1)に吸着した前記吸着パッドを、板状剛体(a1)の表面に対しておよそ垂直方向に引き上げる(持ち上げる)ことが、前記分離を効率よく行ううえで好ましい。
前記板状剛体(a1)と前記部材(a2)とを分離する際の速度は、例えば前記板状剛体(a1)に吸着した吸着パッドを、板状剛体(a1)の表面に対しておよそ垂直方向に引き上げる(持ち上げる)ことで行う場合であれば、物品の解体作業者が手作業で行う程度の速度、具体的には100mm/min〜1000mm/min程度の速度であることが好ましい。
本発明の解体方法で解体される物品としては、板状剛体(a1)及びその他の部材(a2)が熱剥離性粘着テープによって接着された構成を有するものが挙げられる。
前記板状剛体(a1)としては、例えばアルミニウム板、ステンレス板等の金属板、アクリル、ポリカーボネート等の樹脂板、ガラス板等によって構成される1層または2層以上の板状剛体が挙げられ、例えば情報表示装置等を構成する板状剛体としてはガラス板等によって構成されるタッチパネル等が挙げられる。
本発明の物品の解体方法であれば、前記板状剛体(a1)として薄型のものを使用した場合であっても、板状剛体(a1)であるガラス板のひび割れや、金属板の変形等を引き起こすことなく、容易に前記板状剛体(a1)と前記部材(a2)とを分離することができる。
前記板状剛体(a1)としては、その厚さが0.5mm〜3mmの範囲であるものを使用することができ、0.7mm〜1.5mmの範囲であるものを使用することができる。
前記板状剛体(a1)の表面は、平滑であっても微細な凹凸を有するものであってもよいが、前記吸着パッドが好適に吸着可能な表面状態であることが好ましく、平滑で清潔な表面であることがより好ましい。
また、前記物品を構成する部材(a2)としては、特に限定されず、アルミニウム板、ステンレス板等の金属板、アクリル、ポリカーボネート等の樹脂板、ガラス板等によって構成される1層または2層以上の板状剛体やそれ以外の任意の形状の部材を使用することができる。前記部材(a2)としては、例えば前記物品が情報表示装置である場合であれば、情報表示装置の情報表示部である液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイに相当するものであることが好ましい。
また、前記物品を構成する熱剥離性粘着テープとしては、例えば2以上の被着体を強固に接着でき、かつ、熱の影響で接着力を著しく低下する特性両立可能なゴム系のブロック共重合体を含有する粘着剤層を備えた粘着テープを使用することが好ましい。
前記熱剥離性粘着テープとしては、基材の片面または両面に、直接または他の層を介して、前記粘着剤層を有するものを使用することができる。また、前記熱剥離性粘着テープしは、単層または複層の前記粘着剤層からなる、いわゆる基材レスのものを使用することができる。
前記熱剥離性粘着テープとしては60μm〜300μmであるものを使用することが好ましく、100μm〜250μmの厚さを有するものを使用することが、通常の状態では接着力に優れる一方で、加熱後の剥離性に優れるためより好ましい。
前記粘着剤層に含まれていてもよいゴム系ブロック共重合体としては、いわゆるABAタイプのブロック共重合体(トリブロック共重合体)、ABタイプのブロック共重合体(ジブロック共重合体)、及び、それらの混合物を使用することができる。
前記ゴム系ブロック共重合体としては、前記トリブロック共重合体及びジブロック共重合体の混合物を使用することが、23℃における高い接着力と、120℃に加熱することによって容易に解体できるレベルにまで接着力を低下させるうえで好ましく、前記ジブロック共重合体を前記ゴム系ブロック共重合体全体に対して10質量%〜90質量%の範囲で含有するものを使用することがより好ましく、15質量%〜80質量%の範囲で使用することがさらに好ましく、20質量%〜75質量%の範囲で使用することが特に好ましい。
前記ゴム系ブロック共重合体としては、スチレン系ブロック共重合体を使用することが好ましい。前記スチレン系ブロック共重合体は、ポリスチレン単位とポリオレフィン単位とを有するトリブロック共重合体、ジブロック共重合体、または、それらの混合物を指す。
前記ポリスチレン単位は、粘着剤層の弾性率を高め、優れた凝集力の発現に寄与するとともに、120℃下では急激に軟化し、接着力を低下させることに寄与する。
前記スチレン系のブロック共重合体としては、例えばポリスチレン−ポリ(イソプロピレン)ブロック共重合体、ポリスチレン−ポリ(イソプロピレン)ブロック−ポリスチレン共重合体、ポリスチレン−ポリ(ブタジエン)ブロック共重合体、ポリスチレン−ポリ(ブタジエン)ブロック−ポリスチレン共重合体、ポリスチレン−ポリ(ブタジエン/ブチレン)ブロック共重合体、ポリスチレン−ポリ(ブタジエン/ブチレン)ブロック−ポリスチレン共重合体、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック共重合体、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレン共重合体、ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック共重合体、ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック−ポリスチレン共重合体、ポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)ブロック共重合体、ポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレン共重合体等を使用することができる。なかでも、前記スチレン系のブロック共重合体としては、ポリスチレン単位(a1)とポリイソプレン単位(a2)とを有するブロック共重合体を使用することが好ましく、ポリスチレン−ポリ(イソプロピレン)ブロック共重合体、ポリスチレン−ポリ(ブタジエン)ブロック共重合体、ポリスチレン−ポリ(ブタジエン)ブロック−ポリスチレン共重合体、を使用することが、2以上の被着体を十分に固定できるレベルの接着力を備え、かつ、必要なときに加熱することによって前記物品を容易に解体できるレベルにまで接着力を低下させることのできる熱剥離性粘着テープを得るうえでより好ましい。
前記ゴム系ブロック共重合体としては、優れた接着力と、加熱による熱剥離性とをより一層向上させるうえで、1万〜80万の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することが好ましく、5万〜50万の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することがより好ましく、15万〜45万の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することがさらに好ましい。
前記粘着剤層としては、前記ゴム系ブロック共重合体の他に、必要に応じて粘着付与樹脂等を含有するものを使用することが好ましい。
前記粘着付与樹脂としては、例えばロジン系粘着付与樹脂、重合ロジン系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、水添ロジンエステル系粘着付与樹脂、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、テルペンフェノール系粘着付与樹脂、脂肪族(石油樹脂)系粘着付与樹脂、C5系石油系粘着付与樹脂を使用することができる。
なかでも、前記粘着付与樹脂としては、被着面への濡れ性を向上するうえで、C5系石油系粘着付与樹脂を使用することが好ましい。
上記C5系石油樹脂としては、一般にナフサの分解で得られるC5留分よりイソプレン及びシクロペンタジエンを抽出分離した残りを重合した樹脂を使用することができる。
粘着付与樹脂は、前記ゴム系ブロック共重合体100質量部に対して10質量部〜50質量部の範囲で使用することが好ましい。
また、粘着付与樹脂としては、前記したもののほかに、室温で液状の粘着付与樹脂を使用することもできる。前記液状の粘着付与樹脂としては、例えばプロセスオイル、ポリエステル系粘着付与樹脂、ポリブテン等の低分子量の液状ゴムが挙げられる。
前記液状の粘着付与樹脂は、前記粘着付与樹脂の全量に対して3質量%〜30質量%の範囲で使用することが、被着面への濡れ性をより一層向上させるうえで好ましい。
また、前記粘着剤層としては、前記したものの他に、必要に応じて赤外線吸収剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、ガラスやプラスチック製の繊維、バルーン、ビーズ、金属粉末等の充填剤、顔料、増粘剤等を含有するものを使用することができる。
特に、前記赤外線吸収剤は、本発明の熱剥離性粘着テープに活性エネルギー線やレーザー光線等を照射し前記熱剥離性粘着テープを局所的に加熱することで前記物品を解体する場合に、好適に使用することができる。
前記赤外線吸収剤としては、例えばカーボンブラックや複合酸化物顔料などの無機顔料;フタロシアニン系顔料、レーキ顔料、多環式系顔料などの有機顔料、各種染料など公知のもの適宜使用することができる。
前記赤外線吸収剤は、前記粘着剤層の全量に対して0.01質量%〜20質量%の範囲で含まれることが好ましい。
熱剥離性粘着テープを構成する粘着剤層としては、周波数1Hzで120℃における貯蔵弾性率G120が1.0×10〜2.0×10Paであるものを使用することが好ましい。前記範囲の貯蔵弾性率G120を有する粘着剤層を有する熱剥離性粘着テープを使用することによって、必要なときに前記物品を容易に解体できるレベルにまでその接着力を低下させることができる。
前記粘着剤層としては、前記貯蔵弾性率G120が1.0×10Pa以上1.0×10Pa以下であるものを使用することがより好ましく、5.0×10Pa以上8.0×10Pa以下であるものを使用することが、前記熱剥離性粘着テープを加熱することによって前記物品を容易に解体できるレベルにまで接着力をより効果的に低下させることができるためさらに好ましい。
一方、前記粘着剤層としては、周波数1Hzで23℃における貯蔵弾性率G’が1.0×10Pa以上であるものを使用することが好ましく5.0×10Pa以上2.0×10Pa以下であるものを使用することがより好ましく、4.5×10以上1.0×10以下であるものを使用することが、前記熱剥離性粘着テープを貼付する領域(貼付部位)がきわめて狭い範囲に限られる部材であり、細幅の粘着テープを使用せざるを得ない場合であっても、前記部材を十分に固定できるレベルの接着力を付与することができるためさらに好ましい。
また、前記粘着剤層の1Hz及び120℃での動的粘弾性スペクトルで測定される貯蔵弾性率G120が1.0×10〜2.0×10Paの範囲であり、かつ、前記貯蔵弾性率G120に対する1Hz及び23℃での動的粘弾性スペクトルで測定される貯蔵弾性率G23の割合〔G23/G120〕が1〜20であるものを使用することが好ましい。前記範囲の割合〔G23/G120〕を有する粘着剤層を有する熱剥離性粘着テープを使用することによって、2以上の被着体を十分に固定できるレベルの接着力を備え、かつ、必要なときに加熱することによって前記物品を容易に解体できるレベルにまで接着力を低下させることができる。
前記熱剥離性粘着テープとしては、例えば前記基材の片面側に設けられた前記粘着剤層の厚さが50μm以上であるものを使用することが好ましく、60μm〜120μmであるものを使用することが、凝集力に優れ、接着力と加熱した際における容易な解体性に優れた効果を付与するうえでより好ましい。
前記熱剥離性粘着テープとしては、例えば前記基材の両面側に設けられた前記粘着剤層の合計の厚さが90μm以上であるものを使用することが好ましく、90μm〜300μmの範囲であることがより好ましく、100μm〜250μmの範囲であることがさらに好ましく、100μm〜210μmの範囲であることが、凝集力に優れ、接着力と加熱した際における前記物品の解体性に優れた効果を付与するうえでより好ましい。
前記熱剥離性粘着テープとしては、前記したとおり、基材の片面または両面に、直接または他の層を介して前記粘着剤層を有するものを使用することができる。
前記基材としては、例えば不織布基材や樹脂フィルム基材等を使用することができる。なかでも、前記基材としては、赤外線の吸収性に優れる基材(赤外線吸収性基材)を使用することが好ましい。なかでも、前記赤外線吸収性基材としては、赤外線吸収性無機フィラー、有機色素、無機色素、染料、顔料を含有した樹脂フィルムや、樹脂フィルム上に赤外線吸収層を設けたものが挙げられる。なかでも、前記赤外線吸収性基材としては、黒色の基材を使用することが、前記粘着テープに好適な吸熱性や蓄熱性を与え、活性エネルギー線やレーザー光線等を照射した際に、前記粘着テープを局所的に昇温させることができるため、前記照射時間を短縮することができ、その結果、前記物品を解体する工程の作業効率を格段に向上させることができるため好ましい。
前記黒色基材としては、黒色であれば特に限定されるものではなく、例えば樹脂基材に黒インキ層を印刷したもの、樹脂と黒顔料とを練りこみフィルム状に成形したもの、不織布基材に黒顔料を分散させたものなどが挙げられる。
前記基材としては、4μm〜100μmの厚さのものを使用することが好ましく、10μm〜75μmの厚さのものを使用することが、熱剥離性粘着テープの良好な加工性と、板状剛体(a1)や部材(a2)への優れた追従性を付与する効果を奏するうえでより好ましい。
前記樹脂フィルム基材としては、ポリエチレンテレフタレート基材等を使用することができる。また、前記樹脂フィルム基材としては、前記粘着剤層の投錨性を向上させるうえで、コロナ処理やアンカーコート処理が施されたものを使用することができる。
前記熱剥離性粘着テープは、例えば前記基材の片面または両面に、ロールコーターやダイコーター等を用いて、前記ゴム系ブロック共重合体等を含有する粘着剤を塗布及び乾燥し粘着剤層を形成することによって製造することができる。また、前記熱剥離性粘着テープは、予め、離型ライナーの表面に、ロールコーター等を用いて、前記ゴム系ブロック共重合体等を含有する粘着剤を塗布し、乾燥することによって粘着剤層を形成し、次いで、前記粘着剤層を、前記基材の片面または両面に貼り合せる転写法によって製造することができる。
本発明の解体方法で解体可能な物品としては、前記したとおり、少なくとも板状剛体(a1)とその他の部材(a2)とが熱剥離性粘着テープによって接着された構成を有する物品である。具体的には、前記物品としては、車載用ディスプレイ等の車載用情報表示装置、液晶ディスプレイ等の情報表示装置を備えたスマートフォンや電話機等の携帯電子端末、パーソナルコンピューター、複写機や複合機等の情報読取装置等の電子機器等が挙げられる。
なかでも、本発明の解体方法は、薄型でひび割れ等しやすく、かつ、高価なガラスタッチパネル部材を備えた前記情報表示装置、特に車載用情報表示装置を解体する場面で、好適に使用することができる。
前記熱剥離性粘着テープは、例えば常温(23℃)環境下において、ステンレス板からの180°引き剥がし接着力が15N/20mm〜40N/20mm程度の接着力を有するものであることが好ましく、20N/20mm〜40N/20mm程度の接着力を有するものであることが、被着体を強固に接着させ、経時的な剥がれ等を防止するうえでより好ましい。
本発明の熱剥離性粘着テープは、60℃以下の温度領域下において非常に優れた接着力を有するため、もっぱら情報表示パネルとタッチパネル部材との固定に使用することができる。
粘着テープには、通常、貼り直しやリサイクル推進の観点から、熱剥離できることが求められる場合がある。しかし、熱の影響による剥離を防止したい用途では、前記リサイクル性を犠牲にしても、耐熱性に優れたテープが使用される傾向にあった。例えば液晶ディスプレイパネルとタッチパネル部材との接着には、熱の影響による剥離を引き起こしにくい粘着テープを使用する場合が多い。本発明は、前記したような耐熱性の求められる液晶ディスプレイパネルとタッチパネル部材との接着場面において、当業者であっても想到しないであろう熱剥離性粘着テープを使用できることを見出した発明である。
前記熱剥離性粘着テープを用い、情報表示パネル及びタッチパネル部材を接着させることによって情報表示装置を製造する方法としては、例えば情報表示パネルの情報表示部表面及びタッチパネル部材の表面いずれか一方に、前記熱剥離性粘着テープを構成する一方の粘着剤層(A)を貼付した後、他方の粘着剤層の表面に他方の被着体を貼付し、必要に応じてそれらを圧着等させることによって製造することができる。
その際、前記熱剥離性粘着テープは、前記情報表示パネルの情報表示部及びタッチパネル部材の外形状に対応した形状に裁断されていることが好ましく、例えば前記情報表示部及びタッチパネル部材の形状が四角である場合には、それに対応した四角の窓枠形状であることが好ましい。
前記熱剥離性粘着テープとしては、幅3mm以下の窓枠形状を有するものを使用することが好ましく、幅1mm以下の窓枠形状を有するものを使用することがより好ましい。
以下に実施例により本発明を具体的に説明する。
[熱剥離性粘着テープの製造方法]
[熱剥離性粘着テープ(1)]
重量平均分子量30万のスチレン−ブタジエンブロック共重合体(トリブロック共重合体とジブロック共重合体との混合物。前記混合物の全量に対する前記ジブロック共重合体の占める割合は20質量%。前記スチレン−ブタジエンブロック共重合体の全体に占めるポリスチレン単位の質量割合は20質量%、ポリブタジエン単位の質量割合は80質量%)100質量部、C5石油系粘着付与樹脂(軟化点100℃、数平均分子量885)40質量部を混合したものを、トルエンに溶解することによって粘着剤を得た。
前記粘着剤を、アプリケーターを用いて乾燥後の厚さが100μmとなるように、離型ライナーの表面に塗布し、85℃で5分間乾燥させることによって粘着剤層を形成した。前記粘着剤層を、厚さ4μmの黒インキ層が表面に設けられた厚さ38μmの黒ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「黒PET」と省略。)の両面に貼り合せた後、4kgf/cmで加圧しラミネートすることによって、熱剥離性粘着テープ(1)を作製した。
[粘着剤層の動的粘弾性測定]
前記粘着剤を、アプリケーターを用いて乾燥後の厚さが100μmとなるように、離型ライナーの表面に塗布し、85℃で5分間乾燥させることによって、厚さ100μmの粘着剤層を、それぞれ複数枚形成した。
次に、同一の粘着剤を用いて得た粘着剤層を重ねあわせることによって、厚さ2mmの粘着剤層からなる試験片を作成した。
ティ・エイ・インスツルメントジャパン社製の粘弾性試験機(アレス2kSTD)に、直径7.9mmのパラレルプレートを装着した。前記試験片を、前記パラレルプレートで圧縮荷重40〜60gで挟み込み、周波数1Hz、温度領域−60〜150℃、及び、昇温速度2℃/minの条件で、23℃下での貯蔵弾性率(G23)及び120℃下での貯蔵弾性率(G120)を測定した。
〔23℃下での貯蔵弾性率(G23)及び120℃下での貯蔵弾性率(G120)の割合〕
前記方法で測定した120℃下での貯蔵弾性率(G120)に対する、23℃下での貯蔵弾性率(G23)の割合を算出した。
[物品の製造方法]
[実施例1]
熱剥離性粘着テープ(1)を巾1.5mmに裁断して得た熱剥離性粘着テープ(1−1)を、長辺150mm、短辺70mm(片側表面積105cm)及び厚さ1.0mmの透明ガラス板(板状剛体(a1)に相当)の四辺に額縁状に貼付したものを試験片とした。
次に、長さ160mm、巾80mm及び厚さ0.5mmのアルミニウム板(部材a2に相当)に、前記試験片を、前記アルミニウム板からはみださないように貼合わせ、23℃の環境下で24時間静置することによって、前記透明ガラス板と前記アルミニウム板とが前記熱剥離性粘着テープ(1−1)によって貼り合わされた物品(1)を製造した。
次に、23℃環境下、ヒートテック社製の平行光型ハロゲンヒーター(100V電源出力)を、前記物品(1)を構成する熱剥離性粘着テープ(1−1)までの距離が15mmとなる位置に設置し、前記透明ガラス板(板状剛体(a1)相当)側から、15秒間、赤外線波長域の光を照射した。
前記照射後、ただちに、前記物品(1)を構成するアルミニウム板を、水平台の上に固定した状態で、前記物品(1)を構成する透明ガラス板の表面のおよそ中心に、下記に示す吸着パッドAを1個吸着させた。前記照射終了から5秒以内に、前記吸着パッドAを掴み、前記透明ガラス板の表面に対しておよそ垂直方向へ、約300mm/minの引張り速度で引きあげた。なお、上記透明ガラス板の片側表面積(片側表面積105cm)に対し、前記吸着パッドAが吸着した範囲の面積を測定したところ28cmであった。よって、前記透明ガラス板の片側表面積に対して前記吸着パッドAが吸着した範囲の割合は、27%であった。
[実施例2]
前記吸着パッドAを1個使用する代わりに、下記に示す吸着パッドBを2個使用し、前記物品(1)を構成する透明ガラス板の表面のおよそ中心に1cm程度の間隔を空けて吸着パッドBを2個吸着させたこと以外は、実施例1と同様の方法で物品を解体した。
なお、上記透明ガラス板の片側表面積(片側表面積105cm)に対し、前記吸着パッドBが2個吸着した範囲の面積の和を測定したところ26cmであった。よって、前記透明ガラス板の片側表面積に対して前記吸着パッドBが吸着した範囲の割合は、25%であった。
[実施例3]
前記吸着パッドAを1個使用する代わりに、下記に示す吸着パッドCを1個使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で物品を解体した。
なお、上記透明ガラス板の片側表面積(片側表面積105cm)に対し、前記吸着パッドCが吸着した範囲の面積を測定したところ28cmであった。よって、前記透明ガラス板の片側表面積に対して前記吸着パッドCが吸着した範囲の割合は、27%であった。
[比較例1]
前記吸着パッドAを1個使用する代わりに、下記に示す吸着パッドDを1個使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で物品を解体した。
なお、上記透明ガラス板の片側表面積(片側表面積105cm)に対し、前記吸着パッドDが吸着した範囲の面積を測定したところ7cmであった。よって、前記透明ガラス板の片側表面積に対して前記吸着パッドDが吸着した範囲の割合は、7%であった。
吸着パッドA:吸着部(透明ガラス板に接する面)の形状は円形状、その内径(直径、図5の11)5.5cm、外径(直径、図5の10)5.7cm、吸着部の内側表面の面積28cm、吸着部としてアスカーC硬度計で測定される硬度が60のニトリルゴムからなる部位を有する吸着パッド
吸着パッドB:吸着部(透明ガラス板に接する面)の形状は円形状、その内径(直径、図5の11)3.8cm、外径(直径、図5の10)3.9cm、吸着部の内側表面の面積13cm、吸着部としてアスカーC硬度計で測定される硬度が60のニトリルゴムからなる部位を有する吸着パッド
吸着パッドC:吸着部(透明ガラス板に接する面)の形状は円形状、その内径(直径、図5の11)5.5cm、外径(直径、図5の10)5.7cm、吸着部の内側表面の面積28cm、吸着部としてアスカーC硬度計で測定される硬度が40のニトリルゴムからなる部位を有する吸着パッド
吸着パッドD:吸着部(透明ガラス板に接する面)の形状は円形状、その内径(直径、図5の11)2.4cm、外径(直径、図5の10)2.6cm、吸着部の内側表面の面積28cm、吸着部としてアスカーC硬度計で測定される硬度が60のニトリルゴムからなる部位を有する吸着パッド
[面接着強度の評価]
23℃の環境下、実施例及び比較例で使用した熱剥離性粘着テープを、4辺(外形)のそれぞれの長さが14mmで幅2mmの額縁形状に裁断した。
前記裁断した熱剥離性粘着テープを、長さ15mm、幅15mm及び厚さ2mmの直方体である透明ガラス板に貼付したものを試験片1とした。その際、前記裁断した粘着テープの1辺が、前記ガラス板1の1辺15mmに対応するように貼付した。
次に、中心部に直径10mmの穴を有する縦20mm、横50mm及び厚さ1mmのアルミニウム板と、前記試験片1の粘着テープ側の面とを、それらの中心が一致するように貼付し、プレス機を用いて80N/cmで10秒加圧した後、前記加圧した状態を解き、23℃の環境下で1時間静置することによって試験片2を作製した。
次に、直径8mmのステンレス製のプローブを備えた引張試験機(エイアンドディ社製テンシロンRTA−100、圧縮モード)を用意した。前記プローブが、前記試験片2を構成するアルミニウム板の丸穴をとおして、前記試験片2を構成する試験片1に力を加えた際に、前記試験片1がガラス板3からはがれた時の強度(N/cm)を23℃の温度環境下で測定した。なお、前記プローブが試験片1を押す速度は10mm/分に設定した。
[物品の解体性の評価]
実施例及び比較例に記載の方法で各物品を10回ずつ解体した際の、解体のしやすさを、下記基準に従って評価した。
評価基準
◎:10回中1回も板状剛体がひび割れることなく物品を解体することができた。
○:10回中8〜9回板状剛体がひび割れることなく物品を解体することができた。
○△:10回中5〜7回板状剛体がひび割れることなく物品を解体することができた。
△×:10回中3〜4回板状剛体がひび割れることなく物品を解体することができた。
×:10回中板状剛体がひび割れることなく物品を解体することができたのが3回未満であった。
Figure 0006617919
1 透明ガラス板
2 熱剥離性粘着テープ
3 アルミニウム板
4 プローブ
5 透明ガラス板
6 吸着パッド
7 熱剥離性粘着テープ
8 アルミニウム板
9 吸着パッドの内側表面
10 吸着パッドの吸着部の内径(直径)
11 吸着パッドの吸着部の外径(直径)

Claims (9)

  1. 板状剛体(a1)及びその他の部材(a2)が熱剥離性粘着テープによって接着された構成を有する物品の解体方法であって、前記熱剥離性粘着テープを加熱する工程[1]、前記板状剛体(a1)の片側表面積に対し15%以上の範囲に吸着パッドを吸着させる工程[2]、前記吸着パッドによって吸着された前記板状剛体(a1)を前記部材(a2)から分離する工程[3]を有し、
    前記熱剥離性粘着テープが、幅3mm以下の窓枠形状を有するものであることを特徴とする物品の解体方法。
  2. 前記板状剛体(a1)の厚さが0.5mm〜5mmの範囲である請求項1に記載の物品の解体方法。
  3. 前記板状剛体(a1)がガラス板であり、前記部材(a2)がアルミニウム板、ステンレス板または樹脂板であり、前記物品が情報表示装置である請求項1または2に記載の物品の解体方法。
  4. 前記板状剛体(a1)がガラス板であり、前記部材(a2)がアルミニウム板、ステンレス板または樹脂板であり、前記物品が車載用情報表示装置である請求項1または2に記載の物品の解体方法。
  5. 前記工程[1]が、前記熱剥離性粘着テープ、前記板状剛体(a1)もしくは前記部材(a2)にハロゲンランプを接近もしくは接触させることによって前記熱剥離性粘着テープを加熱する工程、または、レーザー加熱装置を用いレーザー照射することによって前記熱剥離性粘着テープを加熱する工程である請求項1〜4のいずれか1項に記載の物品の解体方法。
  6. 前記ハロゲンランプを用いて行う加熱が、平行光型ハロゲンランプヒーターを用いて行う加熱である請求項5に記載の物品の解体方法。
  7. 前記吸着パッドの前記板状剛体(a1)に接触する部位が、ニトリルゴム、シリコーンゴム、天然ゴムまたはポリウレタンゴムによって構成されるものである請求項1〜6のいずれか1項に記載の物品の解体方法。
  8. 前記吸着パッドの前記板状剛体(a1)に接触する部位が、アスカーC硬度50〜90のゴムによって構成される部位である請求項1または7に記載の物品の解体方法。
  9. 前記熱剥離性粘着テープが、アクリル系ブロック共重合体を含有する粘着剤層、または、ゴム系ブロック共重合体を含有する粘着剤層を有するものである請求項1〜8のいずれか1項に記載の物品の解体方法。
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