JP2016186507A - 保護フィルム付きレンズ、保護フィルム付きレンズの製造方法及びコーティング層付きレンズの製造方法 - Google Patents

保護フィルム付きレンズ、保護フィルム付きレンズの製造方法及びコーティング層付きレンズの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コーティング法に用いても裏面の洗浄を必要としない保護フィルム付きレンズ、および保護フィルム付きレンズの製造方法を提供する。【解決手段】保護フィルム付きレンズは、表面及び裏面が光学面に仕上げられたフィニッシュレンズ12と、裏面全体を覆うように裏面に貼付された保護フィルム14と、を有する。保護フィルム14は、熱可塑性樹脂フィルムであり、厚みは、50〜200μmであり、伸びは、100〜300%であることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、保護フィルム付きレンズおよびその製造方法と、保護フィルム付きレンズを用いて行うコーティング層付きレンズの製造方法に関する。
フォトクロミックコーティング層を有するレンズは、光の照射によって色調及び濃度が変化する性質を有し、高機能の眼鏡用又はサングラス用レンズとして利用されている。たとえば、フォトクロミック層を有するレンズを用いることにより、太陽光のような紫外線を含む光が照射される屋外等では着色してサングラスとして機能し、太陽光が照射されない屋内等では退色して通常の眼鏡として機能する眼鏡を提供できる。
フォトクロミック層を有するレンズの製造方法としては、光重合性のフォトクロミックコーティング剤を用いて、プラスチック製等のレンズ基材に対してフォトクロミックコーティング層を形成する方法(以下、コーティング法という)が知られている。フォトクロミック層のような表面層をコーティング法によって形成するコーティング層付きレンズの製造方法では、レンズ表面にプライマ液やコーティング液を塗布する工程を有するが、このような工程において、プライマ液やコーティング液がレンズの裏面に付着してしまうという問題がある。特に、コーティング層を形成する前のレンズが、表面及び裏面が光学面に仕上げられたフィニッシュレンズである場合には、コーティング層形成後に裏面を研磨する工程を有しない。そのため、裏面にプライマ液やコーティング液が付着したまま工程を進めると、汚染による不良品を発生させてしまうことになり、従来では、これを防止するために、裏面洗浄用ノズルを設ける必要があった(特許文献1等参照)。
特開2007−175697号公報
しかし、裏面洗浄ノズルを設ける従来技術では、裏面洗浄ノズルを設置したり、洗浄後の洗浄液を回収するための回収経路を形成したりする必要があるため、プライマ液塗布装置やコーティング液塗布装置が複雑になり、メンテナンスに手間がかかるという問題がある。また洗浄や洗浄後の乾燥などに時間を要するため、生産効率の面でも課題を有していた。
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、コーティング法に用いても裏面の洗浄を必要としない保護フィルム付きレンズ及びその製造方法を提供することと、そのような保護フィルム付きレンズを用いたコーティング層付きレンズの製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る保護フィルム付きレンズは、
表面及び裏面が光学面に仕上げられたフィニッシュレンズと、
前記裏面全体を覆うように前記裏面に貼付された保護フィルムと、を有する。
また、例えば、前記保護フィルムは、熱可塑性樹脂フィルムであっても良く、
前記保護フィルムの厚みは、50〜200μmであっても良く、
前記保護フィルムの伸びは、100〜300%であっても良い。
また、例えば、前記保護フィルムは、溶断によって形成された周縁部を有しても良い。
本発明に係る保護フィルム付きレンズの製造方法は、
表面及び裏面が光学面に仕上げられたフィニッシュレンズを準備する工程と、
貫通孔が形成された底部と、前記底部から上方に向けて階段状に内径が大きくなる複数のリング状設置面及び当該リング状設置面の一部を外径方向に切り取って形成される空気抜き溝が形成された内周面と、当該内周面の上方縁部によって規定される上方開口が形成された上面と、を有するレンズホルダにおける前記リング状設置面の一つに、前記裏面が上方を向くように前記フィニッシュレンズを設置する工程と、
前記レンズホルダの前記上方開口を保護フィルムで封止する工程と、
前記貫通孔から前記レンズホルダ内の気体を吸引して前記レンズホルダ内に負圧を形成することにより、前記保護フィルムを前記裏面に貼付する工程と、
貼付された前記保護フィルムを前記フィニッシュレンズの外周縁近傍で切断する切断工程と、を有する。
また、前記保護フィルムは熱可塑性樹脂フィルムであっても良く、
前記切断工程において、前記保護フィルムは溶断によって切断されても良い。
本発明に係るコーティング層付きレンズの製造方法は、
表面及び裏面が光学面に仕上げられたフィニッシュレンズを準備する工程と、
前記裏面全体を覆うように、前記フィニッシュレンズの前記裏面に保護フィルムを貼付する工程と、
前記保護フィルムが貼り付けられた前記フィニッシュレンズを、前記保護フィルムを介して前記裏面側から保持する工程と、
前記保護フィルムが貼り付けられた状態で前記裏面側から保持された前記フィニッシュレンズの前記表面に、コーティング液を塗布する工程と、を有する。
本発明に係る保護フィルム付きレンズは、裏面を覆うように貼付された保護フィルムを有するために、コーティング液がレンズの裏面に付着してしまうことを防止して裏面の汚染を防止できる。また、製造後に保護フィルムを剥離して除去できるため、コーティング液塗布装置に裏面洗浄ノズルを設けて裏面洗浄を行う必要もない。
また、保護フィルムを熱可塑性樹脂フィルムとすることにより、好適な柔軟性を有するとともに、裏面への密着性を高めることができる。また、保護フィルムの厚みを50〜200μmとすることにより、裏面保護のために好適な強度と柔軟性を保護フィルムに持たせることができる。また、保護フィルムの伸びを100〜300%とすることにより、裏面に対する密着性と好適な形状追随性を保護フィルムに持たせることができる。
また、溶断によって形成された保護フィルムの周縁部は、フィニッシュレンズの裏面に対する密着性が高いため、溶断によって保護フィルムを切断して周縁部を形成することにより、レンズの裏面へのコーティング液の浸入を、より確実に防止できる。
本発明に係る保護フィルム付きレンズの製造方法によれば、レンズに対して局所的な外力を加えることなくレンズ裏面に保護フィルムを貼付することができるため、製造中にフィニッシュレンズが損傷する問題を防止できる。また、裏面に対して保護フィルムを確実に密着させ、レンズ裏面に保護フィルムを確実に貼付できる。
また、切断工程において、熱可塑性樹脂フィルムである保護フィルムを溶断することにより、保護フィルムにフィニッシュレンズとの密着性の高い周縁部が形成され、このようにして製造された保護フィルム付きレンズは、保護フィルムが裏面から脱落する問題を防止できる。
本発明に係るコーティング層付きレンズの製造方法によれば、プライマコーティング液やフォトクロミックコーティング液がレンズの裏面に付着してしまうことを防止でき、プライマ液塗布装置やコーティング液塗布装置に裏面洗浄ノズルを設けて裏面洗浄を行う必要がないため、生産効率が高い。
図1は、本発明の一実施形態に係る保護フィルム付きレンズの平面図(図1(a))及び断面図(図1(b))である。 図2は、保護フィルム付きレンズの製造方法に用いるフィルム貼付装置の概略図である。 図3は、図2に示すフィルム貼付装置に含まれるレンズホルダを表す平面図(図3(a))及び断面図(図3(b))である。 図4は、フィルム貼付装置の動作説明図である。 図5は、コーティング層付きレンズの製造方法に含まれる保持工程におけるレンズの保持方法を表す断面図である。 図6は、コーティング層付きレンズの製造工程の一例を表すフローチャートである。 図7は、変形例に係る吸着パッドの平面図(図7(a))及び断面図(図7(b))である。
以下、本発明の実施形態に係る保護フィルム付きレンズ、保護フィルム付きレンズの製造方法及びコーティング層付きレンズの製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る保護フィルム付きレンズ10の平面図であり、図1(b)は、保護フィルム付きレンズ10の断面図である。保護フィルム付きレンズ10は、表面12a及び裏面12bが光学面に仕上げられたフィニッシュレンズ12と、裏面12b全体を覆うように裏面12bに貼付された保護フィルム14とを有する。この表面とは、フィニッシュレンズにおいてコーティング液が塗布される側を指し、裏面は、その反対の面を指す。
本発明において対象となるレンズは、フィニッシュレンズである。すなわち、表面、および裏面が研磨された光学面に仕上げられたフィニッシュレンズが対象となる。そのため、このフィニッシュレンズは、通常であれば、それ以上研磨することがないため、レンズ裏面に付着したコーティング液は、洗浄等により除去することしかできなかった。洗浄を行う場合には、それ相応の装置が必要となり、どうしても煩雑な操作が必要であったが、本発明によれば、この問題を容易に解決することができる。その結果、表面をコーティングしたレンズの歩留まりをより一層高めることができる。
なお、セミフィニッシュレンズ(フィニッシュレンズ以外のレンズ)の裏面に保護フィルムを貼付してもよいが、セミフィニッシュレンズの場合には、裏面のコーティング液を研磨により除去できるため、保護フィルムを貼付したとしても、あまり効果的ではない。
図1に示したフィニッシュレンズ12は、略円形の外周形状を有し、表面12aが凸面であり、裏面12bが凹面であるレンズとなっているが、フィニッシュレンズ12の形状は特に限定されない。例えば、中央部分の厚みが厚いプラスレンズであってもよいし、中央部分の厚みが薄いマイナスレンズであってもよい。
フィニッシュレンズ12の材質は特に限定されず、フィニッシュレンズ12はガラスレンズでもよく、プラスチックレンズでも良い。プラスチックレンズは、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アリル系樹脂、チオウレタン系樹脂、ウレタン系樹脂およびチオエポキシ系樹脂等を用いて作製される。
フィニッシュレンズ12の形状も特に限定されないが、特に中央部分の厚みが2mm未満であるマイナスのフィニッシュレンズ12は、コーティング層形成中に変形する危険性が高いため、後述するレンズ保持部60(図5参照)のように、レンズの変形を防止できる保持方法を採用することが変形防止の観点から効果的である。このマイナスのフィニッシュレンズを対象とする場合、中央部分の厚みの下限値は、材質等により異なるが、例えば0.5mmとすることが好ましい。また、マイナスのフィニッシュレンズのコバ部の厚みは2mm以上15mm以下であるものを対象とすることが好ましい。このマイナスのフィニッシュレンズは、変形し易いため、なるべく簡易的な操作でコート液の除去を行うことが望まれていた。
一方、プラスのフィニッシュレンズを対象とする場合には、中央部分の厚みが2mm以上8mm以下、コバ部の厚みが0.2〜2.0mm以下のものを対象とすることができる。
なお、マイナス、およびプラスのフィニッシュレンズの直径は、特に制限されるものではなく、通常、50mm以上100mm以下である。
保護フィルム14は、フィニッシュレンズ12の裏面12bに密着しており、裏面12b全体を被覆している。保護フィルム14は、裏面12bに対向する側に粘着層を有するものであってもよいが、基材層単層のものであっても良い。なお、粘着層を有する場合、レンズ基材の材質にもよるが、レンズ裏面への接着性を高め、しかも、保護フィルムの貼付、剥離等の操作性を向上させるためには、以下の粘着力を有する保護フィルムが好ましい。具体的には、ステンレス板へ張り付けた際の粘着力(JIS Z 0237に準じて測定した値:被着体はステンレス板)が、0.01〜2.0N/20mmである保護フィルム14が好ましく、0.05〜2.0N/20mmである保護フィルムがより好ましく、0.10〜2.0N/20mmである保護フィルムがさらに好ましく、0.70〜1.8N/20mmである保護フィルムが特に好ましい。
保護フィルム14は、裏面12bに貼付された後に溶断によって形成された周縁部14aを有してもよく、周縁部14aの近傍は、裏面12bに対する付着力が高められている。粘着層を有する場合には、単なる切断でもよいが、裏面にコート液が付着するのをより確実に防止するためには、粘着層を有する保護フィルムであっても、溶断によって周縁部14aを形成することが好ましい。
このように、保護フィルム14は、裏面12bに対して均一な付着力を有している必要はなく、例えば周縁部14a近傍のみが裏面12bに対して強く付着されていることにより、周縁部14aより内径側の保護フィルム14と裏面12bのすき間に空気が入らないようにシールされていても良い。
保護フィルム14の材質は特に限定されないが、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体もしくはこれらの複数を混合した樹脂のような熱可塑性樹脂であることが好ましい。中でも、柔軟な樹脂であることが好ましく、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、非結晶のポリプロピレン、可塑剤を含有するポリ塩化ビニルから選ばれる樹脂であることが好ましい。この中でも、マイナスレンズ、プラスレンズの裏面に貼付する保護フィルム14としては、形状追随性に優れたポリ塩化ビニルからなるフィルムを使用することが好ましい。また、保護フィルム14の厚みや伸び(伸度)は特に限定されないが、例えば、厚みを50〜200μmとし、伸びを100〜300%とすることが、強度、柔軟性、および形状追随性を満足する点で好ましい。特に、コート層を有するレンズの生産性を高めるために、下記に詳述する負圧を利用して保護フィルムをフィニッシュレンズの裏面に貼付する場合には、厚み50〜150μm、伸びが150〜250%のフィルムであって、特に、ポリ塩化ビニルフィルムであることが好ましい。厚み50〜150μm、伸びが150〜250%のポリ塩化ビニルフィルムを使用することにより、コバ部の厚みが2mm以上15mm以下、中央部の厚みが0.5mm以上2mm未満のマイナスレンズ、およびコバ部の厚みが0.2mm以上2.0mm以下、中央部の厚みが2mm以上8mm以下のプラスレンズのようなコバ部と中央部との厚みに差があるレンズ裏面への貼付が容易となる。
図2は、フィニッシュレンズ12に保護フィルム14を貼付するためのフィルム貼付装置20の側面図である。フィルム貼付装置20は、フィニッシュレンズ12を設置するレンズホルダ40と、レンズホルダ40に対して保護フィルム14を供給するフィルム供給部32と、レンズホルダ40の上方開口46a(図3参照)を保護フィルム14で封止するためのフィルム押さえ38と、レンズホルダ40へ負圧を伝達する負圧伝達手段としての昇降テーブル52と、フィニッシュレンズ12に貼付された保護フィルム14を切断するフィルムカッター22とを有する。さらに、フィルム貼付装置20は、昇降テーブル52及びレンズホルダ40を上下方向に移動させるホルダ昇降手段54と、昇降テーブル52及びレンズホルダ40を前後方向に移動させるホルダ搬送手段56とを有する。なお、フィルム貼付装置20に関しては、図2におけるZ軸正方向を上方向、Z軸負方向を下方向として説明を行う。
図3に示すように、レンズホルダ40は、昇降テーブル52に設置されており中央に貫通孔42aが形成された底部42と、底部42から上方に向けて階段状に内径が大きくなる複数のリング状設置面44a及びリング状設置面44aの一部を外径方向に切り取るように設けられている空気抜き溝44bが形成された内周面44と、内周面44の上方縁部によって規定される上方開口46aが形成された上面46と、上面46の外周縁と底部42とを接続する外周面48とを有する。リング状設置面44aは、平面視略同心円状に配置されており、それぞれのリング状設置面44aが有する湾曲形状は、保護フィルム14の貼付対象となるフィニッシュレンズ12の外周形状に対応している。フィニッシュレンズ12は、その外径に対応するリング状設置面44aに設置されることにより、レンズホルダ40に対してセンタリングされる。リング状設置面44aは、周方向の2カ所で不連続となっており、リング状設置面44aの不連続部分が空気抜き溝44bとなっている。空気抜き溝44bは、リング状設置面44aにフィニッシュレンズ12が設置された状態において、レンズホルダ40内部におけるフィニッシュレンズ12の上方の空間と下方の空間とを、連通させる機能を有する。レンズホルダ40の上面46に形成された上方開口46aは、最も上方に形成されたリング状設置面44aより径が大きく、フィニッシュレンズ12は、上方開口46aからレンズホルダ40の内部に導入される。レンズホルダ40の外形状は略直方体状であるが、その他の多角柱又は円柱形状であっても良い。
フィルム供給部32は、不図示の回動モータによって駆動される巻出ローラ33及び巻取ローラ34を有している。フィルム供給部32は、巻出ローラ33にセットされた保護フィルム14の原反を繰り出してレンズホルダ40の上面46に搬送し、一部がフィニッシュレンズ12の裏面12bに貼付され、切り取られた原反の残部を、巻取ローラ34で回収する。フィルム押さえ38は、フィルム供給部32によって繰り出された保護フィルム14を挟んでレンズホルダ40の上方に配置されている。フィルム押さえ38は、レンズホルダ40の外周形状に対応する額縁状の形状を有しており、レンズホルダ40の上面46との間で保護フィルム14を挟持することにより、レンズホルダ40の上方開口46aを保護フィルム14で封止する。
フィルムカッター22はレンズホルダ40の上方に配置されており、フィルム供給部32によって繰り出された保護フィルム14が、フィルムカッター22とレンズホルダ40の間を通過する。フィルムカッター22は、保護フィルム14を切断するカッター26を支持するグリッパー25と、カッター26を回転させるカッター回転用アクチュエータ24と、カッター26を上下移動させるカッター昇降用アクチュエータ23とを有する。カッター26は、不図示の電源に接続されるニクロム線によって構成されており、切断時に発熱することにより、保護フィルム14を溶断する。グリッパー25は、下方に向かって突出するカッター26を上方から支持している。グリッパー25は、レンズホルダ40に設置されるフィニッシュレンズ12の外径に合わせて、カッター26の固定位置を変更することができる。カッター回転用アクチュエータ24は、ステッピンモータやDCモータのような回動モータによって構成されており、グリッパー25に接続された不図示の出力軸を介して、カッター26を回転させる。カッター昇降用アクチュエータ23は、エアシリンダーや直動モータ等によって構成されており、カッター昇降用アクチュエータ23に接続された出力軸23aを介して、カッター26を上下動させることができる。
以下に、保護フィルム付きレンズ10及びこれを用いたコーティング層付きレンズの製造方法と、保護フィルム付きレンズ10の製造に使用するフィルム貼付装置20の動作について説明する。図6は、コーティング層付きレンズの製造方法の一例を表すフローチャートである。図6に示すコーティング層付きレンズの製造は、図2に示すフィルム貼付装置20の他に、プライマ塗布装置、フォトクロミック液塗布装置、UV装置及びレンズを搬送する搬送手段などを含むコーティング装置によって実施される。コーティング装置に含まれる図示しない装置については、国際公開第2008/146687号公報に記載のような公知の装置を適用することができる。
図6のステップS001では、図2に示すフィルム貼付装置20を用いてフィニッシュレンズ12に保護フィルム14を貼付する。ステップS001では、まず、所定の外径を有する複数のフィニッシュレンズ12が準備される。保護フィルム14が貼付される前のフィニッシュレンズ12は、例えばコーティング装置における図示しないレンズ収容部等に保管されている。また、図4(a)に示すように、ステップS001の開始前後において、フィルム貼付装置20では、フィルム供給部32が巻出ローラ33及び巻取ローラ34を駆動し、貼付前の保護フィルム14をフィルム押さえ38の直下に供給する。
次に、ロボットアーム等によって構成される図示しない搬送手段により、レンズ収容部に保管されているフィニッシュレンズ12の一つが搬送され、レンズホルダ40におけるリング状設置面44aの一つに設置される。フィニッシュレンズが設置される前に、フィルム貼付装置20は、ホルダ搬送手段56を駆動してレンズホルダ40をフィニッシュレンズ12の受け渡し位置に移動させる。そして、フィニッシュレンズ12がレンズホルダ40内に設置された後、フィルム貼付装置20は、ホルダ搬送手段56を再び駆動し、フィニッシュレンズ12が収容されたレンズホルダ40を、フィルム押さえ38及び保護フィルム14の直下に移動させる。フィニッシュレンズ12は、図4(b)に示すように、裏面12bが上方側(レンズホルダ40の上面46に形成された上方開口46a側)を向き、表面12aが底部42側を向くように、レンズホルダ40に対して設置される。
次に、フィルム貼付装置20は、ホルダ昇降手段54を駆動して昇降テーブル52及びレンズホルダ40を上昇させ、フィルム押さえ38と上面46とで保護フィルム14を上下から挟み込むことにより、レンズホルダ40の上方開口46aを保護フィルム14で封止する(図4(b))。さらに、フィルム貼付装置20は、昇降テーブル52を介してレンズホルダ40の貫通孔42aへ負圧を伝達させ、貫通孔42aからレンズホルダ40内の気体を吸引してレンズホルダ40内に負圧を形成する。この際、レンズホルダ40内では、空気抜き溝44bを介して流体が移動することにより、フィニッシュレンズ12の下方の空間だけでなく、上方の空間にも、負圧が形成される。したがって、図4(c)に示すように、上方開口46aを封止している保護フィルム14は圧力差によって下方へ変形し、フィニッシュレンズ12の裏面12bに貼付される。
最後に、フィルム貼付装置20がフィルムカッター22を駆動し、裏面12bに貼付された保護フィルム14をフィニッシュレンズ12の外周縁近傍で切断する。フィルムカッター22は、カッター昇降用アクチュエータ23を駆動し、カッター26の先端がフィルム押さえ38の内部を通過してレンズホルダ40内の保護フィルム14に接触するまで、カッター26及びグリッパー25を下降させる。その後フィルムカッター22は、発熱したカッター26の先端を保護フィルム14に押し当てた状態でカッター回転用アクチュエータ24を駆動してグリッパー25に固定されたカッター26をフィニッシュレンズ12の周方向に回転させ、保護フィルム14を溶断する。これにより、フィニッシュレンズ12に貼付された保護フィルム14が原反から切り離されて周縁部14a(図1(b))が形成される。以上のようにして、ステップS001では、フィルム貼付装置20を用いて、保護フィルム14がフィニッシュレンズ12の裏面12bに貼付された保護フィルム付きレンズ10を得る。
図6のステップS002では、コーティング装置における図示しないプライマ塗布装置が、保護フィルム付きレンズ10におけるフィニッシュレンズ12の表面12aに対してプライマ液を塗布し、表面12aにプライマコーティング層を形成する。ステップS002では、まず、フィルム貼付装置20で作製された保護フィルム付きレンズ10を、フィルム貼付装置20のレンズホルダ40からプライマ塗布装置のレンズ保持部60へ受け渡す。
図5(a)は、コーティング装置に備えられるレンズ保持部60の先端部分と、レンズ保持部60に保持された保護フィルム付きレンズ10を表す断面図である。レンズ保持部60は、上方に開口するノズル開口64aが形成された吸引ノズル64と、ノズル開口64aを取り囲むノズル先端縁64bに対してノズル開口64aを塞ぐように設けられ、中央にノズル開口64aに連通する吸引孔62aが形成された吸着パッド62とを有する。吸着パッド62は略円盤形状であり、厚みは特に限定されないが、吸着パッド径がφ25mm以上φ30mm以下程度であれば、1mm以上2mm以下、吸着パッド径がφ30mmを超えφ50mm以下程度であれば、2mm以上5mm以下とすることが好ましい。吸着パッド62の外径は、ノズル開口64aより大きくフィニッシュレンズ12の外径より小さければ特に限定されず、例えばφ25mm以上φ50mm以下とすることが好ましい。また、吸引孔62aの内径はノズル開口64aより小さければ特に限定されないが、例えばφ1mm以上φ3mm以下とすることができる。吸着パッド62の材質も特に限定されないが、例えばシリコンゴム、ウレタンゴム、スポンジのような柔軟性を有する樹脂材料によって構成される。
なお、図5(a)、(b)には、吸引孔62aが保護フィルム付きレンズ10の中心部に配置された吸着パッド62を示したが、吸着パッド62の形状はこれに限定されない。図7は、変形例に係る吸着パッド92の平面図(図7(a))及び断面図(図7(b))である。吸着パッド92は、吸引ノズル64のノズル開口64aに連通する貫通孔94aが中央部に形成された基部94と、保護フィルム付きレンズ10の中心部より外径側の位置に対向するように周方向に沿って吸引孔96aが複数形成されている上部96と、基部94と上部96における円盤状部分を外周方向に沿って上下方向に接着する接着部97と、接着部97の内径側で基部94と上部96に挟まれており貫通孔94aと吸引孔96aとを繋ぐ空間を吸着パッド92内部に形成するスペーサ98と、を有する。この場合、吸着パッド92は、保護フィルム付きレンズ10の周方向に配置された吸引孔96aを少なくとも2つ有し、該吸引孔96aがそれぞれ保護フィルム付きレンズ10の中心から等しい距離にあり、各吸引孔96aが同じ吸引力で吸引できる構造とすることが好ましい。吸引孔96aは、左右対称な位置に配置されれば2つ以上あってもよく、さらには、保護フィルム付きレンズ10の中心部に配置することもできる。また、スペーサ98は、周方向に1カ所の切り欠き部98aを有する平面視略C字状のものに限定されず、基部94と上部96との間に空間を形成できるものであれば、どのような形状であっても良い。
また、レンズ保持部60は、吸引ノズル64の基端側に接続されており、吸引ノズル64を回転させるステッピングモータ等で構成される不図示のノズル回転手段や、ノズル開口64aに伝える負圧を形成する負圧形成手段を有する。図5(a)、(b)では、特にマイナスレンズを保持する場合に好適に使用できるレンズ保持部60の例を示したものである。マイナスレンズは、変形し易いため、図5に示すレンズ保持部60を有することが好ましい。なお、当然のことであるが、このレンズ保持部60は、保護フィルムが付いていない、単なるマイナスレンズを保持する部材として好適に適用できる。
図5(a)に示すように、保護フィルム付きレンズ10は、図示しない搬送手段を用いて、フィニッシュレンズ12の表面12aが上方を向き保護フィルム14が貼付された裏面12bが下方を向く姿勢で、吸着パッド62の上に設置される。レンズ保持部60は、ノズル開口64a及び吸引孔62aを介して負圧を伝達することにより、保護フィルム14と吸着パッド62の上面の隙間及びノズル開口64a近傍に負圧を形成し、フィニッシュレンズ12を、保護フィルム14を介して裏面12b側から吸引保持する(図5(b))。図5(b)に示すように、吸着パッド62は、特にその外周縁側から保護フィルム14が貼付された裏面12bに沿うように変形し、保護フィルム付きレンズ10を保持する。次に、プライマ塗布装置は、レンズ保持部60のノズル回転手段を駆動することにより、先端部に保持された保護フィルム付きレンズ10を回転させながら、保護フィルム付きレンズ10におけるフィニッシュレンズ12の表面12aに、図示しないディスペンサ等によりプライマコーティング液を塗布する。プライマコーティング液は、保護フィルム付きレンズ10の回転による遠心力により、表面12a全体に広がる。なお、プライマコーティング液に含まれる材料は特に限定されないが、例えばポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂又はポリアセタール樹脂等が挙げられる。
図6のステップS003では、コーティング装置における図示しないフォトクロミック乾燥部において、プライマ液が塗布された保護フィルム付きレンズ10を乾燥させる。プライマ塗布装置から乾燥部までの保護フィルム付きレンズ10の搬送は、その他の搬送と同様に、コーティング装置の搬送手段によって行われる。
図6のステップS004では、コーティング装置における図示しないフォトクロミック液塗布装置が、プライマコーティング液によるプライマ層が形成された表面12aに対してフォトクロミックコーティング液を塗布し、プライマ層の上に未硬化のフォトクロミック液層を形成する。ステップS004では、まず、表面12aにプライマ層が形成された保護フィルム付きレンズ10を、乾燥部からフォトクロミック液塗布装置のレンズ保持部へ受け渡す。乾燥部からフォトクロミック液塗布装置までの保護フィルム付きレンズ10の搬送は、その他の搬送と同様に、コーティング装置の搬送手段によって行われる。また、フォトクロミック液塗布装置のレンズ保持部は、図5に示すプライマ液塗布装置のレンズ保持部60と同様の構成であるため、詳細については省略する。
フォトクロミック液塗布装置において、保護フィルム付きレンズ10は、プライマ層が形成された表面12aが上方を向き、保護フィルム14が貼付された裏面12bが下方を向く姿勢で、レンズ保持部の吸着パッドの上に設置される(図5(a)参照)。また、フォトクロミック液塗布装置のレンズ保持部は、図5(b)に示すレンズ保持部60と同様に、保護フィルム14と吸着パッドの上面の隙間及びノズル開口近傍に負圧を形成し、フィニッシュレンズ12を、保護フィルム14を介して裏面12b側から吸引保持する。次に、フォトクロミック液塗布装置は、レンズ保持部60の先端部に保持された保護フィルム付きレンズ10を回転させながら、プライマ層が形成されたフィニッシュレンズ12の表面12aに、図示しないディスペンサ等によりフォトクロミックコーティング液を塗布する。フォトクロミックコーティング液は、プライマコーティング液と同様に、保護フィルム付きレンズ10の回転による遠心力により、表面12a全体に広がる。フォトクロミックコーティング液の粘性が高い場合には、フォトクロミックコーティング液を塗布した後の表面12aに、へら状の延展補助手段を接触させることにより、表面12aに均一なフォトクロミック液層を形成する。なお、フォトクロミックコーティング液は、公知のフォトクロミック化合物を含む光硬化性コーティング液を、目的に応じて選択して用いることができる。
図6のステップS005では、コーティング装置における図示しないUV装置が、フォトクロミック液層が形成されたフィニッシュレンズ12の表面12aに対してUV光を照射し、フォトクロミック液層を硬化させることにより、表面12aにフォトクロミックコーティング層を形成する。ステップS005では、まず、搬送手段が、表面12aにフォトクロミック液層が形成された保護フィルム付きレンズ10をフォトクロミック液塗布装置からUV装置のレンズ保持部へ受け渡す。UV液塗布装置のレンズ保持部も、図5に示すプライマ液塗布装置のレンズ保持部60と同様の構成とすることができる。
UV装置は、保護フィルム付きレンズ10を、窒素雰囲気とした照射室内で回転させながら、フォトクロミック液層が形成された表面12aにUV光を照射することにより、フォトクロミック液層を硬化させる。以上のような製造方法により、フォトクロミックコーティング層付きレンズを得る。なお、裏面12bに貼付された保護フィルム14は、ステップS006の後において、コーティング装置に備えられる不図示の剥離装置によって、フィニッシュレンズ12の裏面12bから剥離されても良く、フォトクロミックコーティング層付きレンズをコーティング装置の外に搬送した後に除去されても良い。また、保護フィルム14の除去方法は、粘着テープ等を用いて物理的に剥離する方法であっても良く、化学的に剥離又は除去する方法であっても良い。
このような実施形態によれば、コーティング層が形成される表面12aの反対面である裏面12bが、保護フィルム14によって保護されることにより、塗布工程等において飛散したコーティング液や塵埃等がレンズの裏面12bに付着してしまうことを防止できる。したがって、プライマ液塗布装置やコーティング液塗布装置に裏面洗浄ノズルを設けて裏面洗浄を行う必要がなく、効率的にコーティング層付きレンズを製造できる。また、このようなコーティング装置は、プライマ液塗布装置等に裏面洗浄装置及び使用された洗浄液の回収部を設ける必要がないため、装置がシンプルであり、メンテナンスが容易である。
また、フィルム貼付装置20は、レンズホルダ40内に負圧を形成して保護フィルム14を貼付するため、貼付する際に保護フィルム14と裏面12bの間に気泡が巻き込まれることを防止でき、また、貼付の際の押圧力によりフィニッシュレンズが変形又は損傷する問題を防止できる。また、凹面であるレンズの裏面12bに対して、保護フィルム14を確実に貼付できる。さらに、レンズホルダ40が、複数のリング状設置面44a及び空気抜き溝44bが形成された内周面44を備えるため、フィルム貼付装置20は、外周径の異なるフィニッシュレンズに対して、レンズホルダ40のサイズを変更することなく保護フィルム14の貼付を行うことができる。
また、レンズ保持部60は、中央に小径の吸引孔62aが形成された円盤状の吸着パッド62を用いることにより、保護フィルム付きレンズ10を確実に吸着保持することができる。また、吸着パッド62が変形することにより、保護フィルム14と吸着パッド62の上面の隙間が小さくなるため、圧力差によって保護フィルム付きレンズ10が受ける変形力を抑制することができ、フィニッシュレンズ12の変形を防止できる。また、レンズ保持部60は、裏面が非球面に加工されている場合があるフィニッシュレンズ12等であっても、吸着パッド62が変形することにより確実に保持できる。なお、レンズ保持部60は、保護フィルム14を貼付する前や保護フィルム14を剥離した後のフィニッシュレンズ12のように、保護フィルム14が貼付されていないレンズの保持にも、好適に使用することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に何ら限定されるものではなく、種々の変更を加えた実施形態が存在することは言うまでもない。
例えば、表面12aに塗布されるコーティング層は、フォトクロミックコーティング層に限定されず、ハードコーティング層、着色層など、フォトクロミックコーティング層以外のコーティング層であっても良い。
また、コーティング層付きレンズの製造工程には、フィニッシュレンズ12の形状を測定する計測工程や、コーティング層を加熱して均質化させる均質化工程など、図6に示す工程以外の工程が含まれても良い。
また、フィルム貼付装置20は、レンズホルダ40が上下に移動する図2に示す態様に限定されず、フィルム押さえ38が移動する態様であっても良い。また、フィルム貼付装置20において保護フィルム14を切断するカッター26は、保護フィルム14を溶断するものに限定されず、物理的に保護フィルム14を切断するカッターであっても良い。さらに、フィルム貼付装置20は、搬送装置に対してフィニッシュレンズ12又は保護フィルム付きレンズ10のみを受け渡す態様であっても良いが、フィニッシュレンズ12又は保護フィルム付きレンズが収納されたレンズホルダ40自体を、搬送装置に対して受け渡す態様であっても良い。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。
実施例1
直径φ70mm、コバ部の厚みが10mm、中央部の厚みが1.5mmである、マイナスレンズのフィニッシュレンズ(ポリカーボネート樹脂製)の表面に、プライマーコート層、フォトクロミックコート層を形成した例である。
図2、図3、図4に示す装置を用いて、上記フィニッシングレンズ10枚の裏面に保護フィルムを貼付した。
実施例1では、先ず、レンズホルダ40に上記フィニッシュレンズ12の裏面12bを上にして設置した。フィニッシュレンズ12が収容されたレンズホルダ40をフィルム押さえ38及び保護フィルム14の直下に移動させた(図4(b))。保護フィルム14は、厚み80μm、伸び200%、粘着層を有するポリ塩化ビニルフィルム(日東電工株式会社製、商品名・SPV−224、JIS Z 0237(ステンレス板)の粘着力1.1N/20mm)を使用した。
レンズホルダ40上を保護フィルム14で封止した後、レンズホルダ40の貫通孔42aからレンズホルダ40内の気体(空気)を吸引して負圧を生じさせて、フィニッシュレンズ12の裏面12bに保護フィルム14を貼付した(保護フィルム14の粘着層側がフィニッシュレンズ12の裏面12bと接するようにした。)。その後、保護フィルム14を溶断できるカッター26をフィニッシュレンズ12の周方向へ回転させることにより、裏面全体を保護フィルム14で覆った保護フィルム付きレンズ10を得た。この操作を10回繰り返し、10枚の保護フィルム付きレンズ10を製造した。保護フィルムとして上記軟質ポリ塩化ビニルフィルムを使用した場合には、裏面12bと保護フィルム14との間にしわ等が発生していない保護フィルム付きレンズ10が10枚得られた。得られた保護フィルム付きレンズ10は、レンズが変形等していないため、公知の方法、例えば、国際公開第2008/146687号公報に記載の方法により、コート層を形成することができる。
実施例2
実施例1において、厚み80μm、伸び230%、粘着層を有するポリ塩化ビニルフィルム(日東電工株式会社製、商品名・N−380、JIS Z 0237(ステンレス板)の粘着力1.0N/20mm)を使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。実施例1と同じく、裏面12bと保護フィルム14との間にしわ等が発生していない保護フィルム付きレンズ10が10枚得られた。得られた保護フィルム付きレンズ10は、レンズが変形等していないため、公知の方法、例えば、国際公開第2008/146687号公報に記載の方法により、コート層を形成することができる。
10…保護フィルム付きレンズ
12…フィニッシュレンズ
14…保護フィルム
20…フィルム貼付装置
40…レンズホルダ
44a…リング状設置面
44b…空気抜き溝
60…レンズ保持部
62…吸着パッド

Claims (6)

  1. 表面及び裏面が光学面に仕上げられたフィニッシュレンズと、
    前記裏面全体を覆うように前記裏面に貼付された保護フィルムと、
    を有する保護フィルム付きレンズ。
  2. 前記保護フィルムは、熱可塑性樹脂フィルムであり、
    前記保護フィルムの厚みは、50〜200μmであり、
    前記保護フィルムの伸びは、100〜300%である
    ことを特徴とする請求項1に記載の保護フィルム付きレンズ。
  3. 前記保護フィルムは、溶断によって形成された周縁部を有することを特徴とする請求項2に記載の保護フィルム付きレンズ。
  4. 表面及び裏面が光学面に仕上げられたフィニッシュレンズを準備する工程と、
    貫通孔が形成された底部と、前記底部から上方に向けて階段状に内径が大きくなる複数のリング状設置面及び当該リング状設置面の一部を外径方向に切り取って形成される空気抜き溝が形成された内周面と、当該内周面の上方縁部によって規定される上方開口が形成された上面と、を有するレンズホルダにおける前記リング状設置面の一つに、前記裏面が上方を向くように前記フィニッシュレンズを設置する工程と、
    前記レンズホルダの前記上方開口を保護フィルムで封止する工程と、
    前記貫通孔から前記レンズホルダ内の気体を吸引して前記レンズホルダ内に負圧を形成することにより、前記保護フィルムを前記裏面に貼付する工程と、
    貼付された前記保護フィルムを前記フィニッシュレンズの外周縁近傍で切断する切断工程と、
    を有する保護フィルム付きレンズの製造方法。
  5. 前記保護フィルムは熱可塑性樹脂フィルムであり、
    前記切断工程において、前記保護フィルムは溶断によって切断されることを特徴とする請求項4に記載の保護フィルム付きレンズの製造方法。
  6. 表面及び裏面が光学面に仕上げられたフィニッシュレンズを準備する工程と、
    前記裏面全体を覆うように、前記フィニッシュレンズの前記裏面に保護フィルムを貼付する工程と、
    前記保護フィルムが貼り付けられた前記フィニッシュレンズを、前記保護フィルムを介して前記裏面側から保持する工程と、
    前記保護フィルムが貼り付けられた状態で前記裏面側から保持された前記フィニッシュレンズの前記表面に、コーティング液を塗布する工程と、
    を有するコーティング層付きレンズの製造方法。
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