JP4345901B2 - 高伸びを有する高分子量ポリオレフィン透明フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

高伸びを有する高分子量ポリオレフィン透明フィルムおよびその製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高伸びを有する高分子量ポリオレフィン透明フィルムとその製造方法に関する。より詳しくは、ヘイズ値が低く優れた透明性を有するとともに、機械軸方向(MD)およびその直交方向(TD)の伸長性に優れる高分子量ポリオレフィン透明フィルム、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高分子量ポリオレフィンは、汎用のポリオレフィンに比べ、耐衝撃性、耐磨耗性、耐薬品性、引張強度等に優れており、エンジニアリングプラスチックとしてその用途が拡がりつつある。しかしながら高分子量ポリオレフィンは汎用のポリオレフィンに比較して溶融粘度が極めて高く流動性が悪いため、従来のTダイ成形、インフレーションフィルム成形等の押出成形や射出成形によって成形することは非常に難しく、そのほとんどは圧縮成形によって成形されており、一部ロッド等が極く低速で押出成形されている状況にあった。
【0003】
そこで本出願人により、この成形性に劣る高分子量ポリオレフィンを使用したフィルムについて鋭意検討された結果、以下の知見が得られている。
特公平6−55433号公報において、極限粘度[η]が5dl/g以上の超高分子量ポリエチレンからなり、縦方向の破断点抗張力が800kg/cm2以上、横方向の破断点抗張力が700kg/cm2以上、厚さが10〜1000μmであることを特徴とするインフレーションフィルムが開示されている。
【0004】
また、特開平2−30514号公報において、極限粘度[η]が5dl/g以上の超高分子量ポリエチレンからなり、厚さが0.5〜500μm、破断点抗張力が700kg/cm2以上である超高分子量ポリエチレン二軸延伸フィルムが開示されている。さらに、特公平4−16330号公報において、高分子量ポリオレフィンに多量の可塑剤を混合して押出成形し、二軸延伸フィルムを製造する方法が開示されている。
【0005】
しかし、これらの高分子量ポリオレフィンフィルム、或いは成形方法で得られた高分子量ポリオレフィンフィルムは、優れた機械的性質を有するものの、汎用ポリオレフィンのフィルムに比し透明性に劣るという欠点があった。
また、多量の可塑剤を用いる方法では、用途によっては得られたポリオレフィンフィルムから可塑剤を抽出する必要があり、工程がさらに複雑になるばかりか、可塑剤が存在した部分には空隙が形成され、透明性を悪化させる原因となっていた。
【0006】
一方、高分子量ポリオレフィンを使用した高強度な透明フィルムに関しては、以下の文献に記載がある。
すなわち特開昭60−255415号公報には、粘度平均分子量が40万以上のポリエチレンからなり、いずれの方向にも25kg/mm2以上の引張強度を示すポリエチレン樹脂フィルムが開示されており、実施例において透明フィルムであることが記載されている。
【0007】
また、特開昭61−84225号公報には、高分子量直鎖状ポリエチレンを基本とし、重量平均分子量が少なくとも40万、引張強度が少なくとも1GPa、厚さが最大25μm、不透明度が最大15%のものが記載されている。さらには特開昭60−228122号公報に、重量平均分子量が5×105以上のポリエチレンからなり厚さが3μm以下、引張弾性率が2000kg/cm2以上、破断強度が500kg/cm2以上、ヘイズが10%以下であるポリエチレン極薄フィルムが記載されている。
【0008】
これらの公報に記載された方法を使用すると、比較的透明性に優れたフィルムを得ることが可能であるが、透明性を得るために高倍率の二軸延伸を必要とするためフィルムが薄くなり、厚いフィルムを得ることができないという欠点を有するとともに、高倍率の二軸延伸によって配向結晶化が起こり、高伸びを有するフィルムが得られないという問題点もあった。
【0009】
さらには、溶剤や可塑剤を多量に使用して延伸処理前のシートやフィルムを成形しなければならず、そして用いた溶剤や可塑剤を延伸後に抽出する必要があり、工程が複雑になるばかりか、溶剤や可塑剤が存在した部分には空隙が形成され透明性を悪化させる原因となっていた。これらの空隙をプレスして加圧状態でつぶす試みもなされているが、非常に薄いフィルムにもかかわらず、良好な透明性を得るに至っていない。これはフィルムに存在する空隙を圧縮して完全になくすことが困難なためと推測される。
【0010】
また、特公平3−73452号公報には、極限粘度が5.0dl/g以上の超高分子量ポリエチレンシートを、融点以上、融点+15℃未満の温度でロール圧延しながら張力をかけて引取ることを特徴とする超高分子量ポリエチレンフィルムの製造方法が開示されている。この方法は比較的透明なフィルムを、溶剤や可塑剤を使用することなく得ることができる点で優れているが、圧延を行うためにフィルムの機械軸方向(MD)と機械軸方向に直交方向(TD)のフイルム物性のバランスが悪くなる、圧延前のシートの幅が比較的狭いため広幅のフィルムを作製することが難しいなどの改良すべき点を有していた。
【0011】
高伸びのフィルムを得る方法としては、溶剤を使用する方法として、単結晶沈積マット法や、ゲルマット法などがあり、これらの方法で得られた高伸びのフィルムを圧縮処理すれば比較的透明性の良いフィルムを作製することは可能であるが、溶剤を使用するため工程が複雑となり、しかも良好な透明フィルムを得るまでには至っていない。また、溶剤を使用しない方法による高伸びフィルムとしては、プレスシートやスカイブシートなどが挙げられるが、これらは薄いフィルムとはなり難く、良好な透明フィルムは得られておらず、また連続的な作製には制限があるという問題点があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来得られなかった良好な透明性をもち、かつ高伸びを有し、機械軸方向(MD)とその直交方向(TD)との機械的物性バランスに優れる高分子量ポリオレフィン透明フィルムを提供することにある。さらに、そのようなフィルムを生産性良く製造可能な上記高分子量ポリオレフィンフィルムの製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の問題点を解決するために鋭意検討した結果、特定の高分子量ポリオレフィン処理前フィルムを、特定条件下で圧縮加熱処理すれば、高伸びを有する透明な高分子量ポリオレフィンフィルムを、生産性良く得られるという知見を見出し本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明に係る高分子量エチレンフィルムは、極限粘度[η]が4dl/g以上の高分子量ポリエチレンよりなり、かつ溶剤や可塑剤を実質的に使用することなく得られた高分子量ポリエチレンフィルムを、0.1MPa以上の圧力と、該フィルムの高配向融点から分解温度未満までの温度において圧縮加熱処理して得られる、以下の特徴を有する高分子量ポリエチレンフィルムである
(1)極限粘度[η]が4dl/g以上;
(2)厚さが5μm以上200μm以下;
(3)ヘイズ(H[%])が厚さ(t[μm])と次式の関係を満たす;
H≦20+(t/3)
(4)機械軸方向(MD)およびその直交方向(TD)の伸びが150%以上。
【0015】
本発明に係る高分子量ポリエチレンフィルムの好ましい態様においては、上記(1)〜(4)に加えて、さらに以下の特徴を有している。
(5)機械軸方向(MD)およびその直交方向(TD)の引張強度が70MPa未満。
【0016】
また、本発明によれば、極限粘度[η]が4dl/g以上の高分子量ポリエチレンよりなり、かつ溶剤や可塑剤を実質的に使用することなく得られた高分子量ポリエチレンフィルムを0.1MPa以上の圧力と、該フィルムの高配向融点から分解温度未満までの温度において圧縮加熱処理することからなる、前記(1)〜(4)の物性を有する高分子量ポリエチレンフィルムの製造方法が提供される。
【0017】
本発明の製造方法においては、前記の処理前フィルム(加熱圧縮処理前のフィルムを表す。以下同じ)が、溶剤や可塑剤を実質的に用いることなく得られる一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムまたはインフレーションフィルムであることが好ましい。
【0018】
本発明では、前記高分子量ポリオレフィンが、高分子量ポリエチレンであることが望ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る高伸びを有する高分子量ポリオレフィン透明フィルムに関し、成形原料、処理前フィルム、圧縮加熱処理、得られた高分子量ポリオレフィン透明フィルムの特徴について詳述する。
【0020】
成形原料
本発明で用いられる高分子量ポリオレフィンとは、エチレン、プロピレンおよび炭素数4ないし8のα−オレフィンを、例えばチーグラー系触媒を用いたスラリー重合などにより、単独もしくは二つ以上を組み合わせて重合して得られる。好ましい共重合体は、エチレンと少量のプロピレン、もしくは炭素数4ないし8のα−オレフィン単独ないし二つ以上の組み合わせによる共重合体である。エチレン共重合体の場合、共単量体の含有量は5モル%以下が好ましい。これらの中で特に好ましいものは、エチレンの単独重合体である。
【0021】
本発明の高分子量ポリオレフィンの極限粘度[η]は、フィルム成形に支障をきたさない限り特に限定されないが、極限粘度[η]で4dl/g以上が好ましく、さらに好ましくは4ないし25dl/gである。特に高強度な透明フィルムを得る目的では、極限粘度[η]で5ないし20dl/gが好ましく、特に7ないし20dl/gが好ましい。極限粘度[η]がこの範囲であれば、溶融成形性が良好であり、広幅のフィルムやシートを連続的に作製すること容易であるため好ましい。
【0022】
処理前フィルム
処理前フィルムの成形には、インフレーションフィルム成形やTダイ成形等の押出成形、押出成形後の一軸延伸や二軸延伸等の公知の方法を用いることができる。本発明では、これらの高分子量ポリオレフィン処理前フィルムの成形において溶剤や可塑剤を実質的に使用しない。
【0023】
溶剤や可塑剤を実質的に使用しないとは、フィルム成形時に成形原料としての高分子量ポリオレフィンが多量の溶剤や可塑剤を含まないことを意味する。したがって、耐熱安定剤、耐候安定剤、滑剤、核剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、顔料、染料、充填剤等の通常ポリオレフィンに添加して使用される各種添加剤は、本発明の目的を損なわない範囲で配合されていてもよいが、その上限は総量で好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下である。また、フィルム成形時や成形後に溶剤や可塑剤に接触させないことが、使用できるフィルム用途が限定されない点で、より好ましい。
【0024】
高分子量ポリオレフィン処理前フィルムとしては、一軸延伸フィルム(機械軸方向(MD)またはその直交方向(TD)への延伸)、二軸延伸フィルム(MDおよびTDへの延伸)またはインフレーションフィルムを使用するのが好ましい。
【0025】
この理由としては次の様に推定される。押出後の高分子量ポリオレフィンのフィルムには、目視では観察されないポリオレフィン原料粉末の融着界面が残存し、光の散乱を起こしてフィルムの透明性を悪化させる可能性があるが、フィルムを延伸することによってこの界面の影響を取り除くことができ、良好な透明性が得られるためである。
【0026】
高分子量ポリオレフィン処理前フィルムとして上記のなかでは、圧縮加熱処理後のフィルムの引張強度や伸び等の物性バランス(MDとTD)の観点から、二軸延伸フィルム、インフレーションフィルムが好ましく、特にインフレーションフィルムが好ましい。高分子量ポリオレフィン処理前フィルムの成形について、インフレーションフィルムの成形方法を例にとり以下に具体的に説明する。
【0027】
高分子量ポリオレフィンのなかで、極限粘度[η]が5dl/g未満のものは、通常のインフレーションフィルム成形法によって成形することができる。通常のインフレーションフィルムの成形法について詳しくは、「プラスチックの押出成形とその応用」(澤田慶司著、誠文堂新光社発行(1966年))の第4編第2章に述べられたポリエチレンやポリプロピレンで行われるような一般的な方法が挙げられる。
【0028】
Tダイ成形法の場合、シート成形後さらに延伸した方が望ましい。インフレーションフィルム成形法でも、ドラフト比と膨比は、特に限定されないが、高ドラフト比、高膨比である方が好ましい。
【0029】
高分子量ポリオレフィンのなかで、極限粘度[η]が5dl/g以上、25dl/g以下のものでは、例えば以下のようなインフレーションフィルム成形法によって処理前フィルムを成形することができる。
【0030】
すなわち高分子量ポリオレフィンをスクリュー押出機で溶融し、次いでマンドレルがスクリューの回転に伴って、または独立して回転するL/D(L:マンドレルとアウターダイで構成されるチューブダイの長さ、D:マンドレルとアウターダイのクリアランスすなわちダイリップの厚さ)が5以上のチューブダイから押し出した後、溶融状態のチューブ状フィルムの内部に気体を吹き込んで、膨比1.1ないし20に膨張させ、冷却してフィルムとするインフレーションフィルム成形法によって得られる。
【0031】
ここで、好ましいドラフト比は、5以上であり、より好ましくは8以上である。また、好ましい膨比は、5以上であり、より好ましくは8以上である。
インフレーションフィルム成形装置に関する態様は、本出願人により出願された特公平6−55433号公報に詳述されている。また、特開平9−183156号公報に記載されたような方法で成形することもできる。
【0032】
上記の様にして得られる処理前フィルムの極限粘度[η]は、4dl/g以上であり、好ましくは5dl/g以上、より好ましくは6dl/g以上、さらに好ましくは7dl/g以上であり、その上限値は、成形原料の極限粘度[η]によって決まり、通常25dl/g以下、好ましくは20dl/g以下である。極限粘度[η]が4dl/g未満では、融点以上の温度で溶融流動性が大きくなりすぎ圧縮加熱処理が困難となるので好ましくない。また、高分子量ポリオレフィン原料が有する優れた物性が得られなくなるため好ましくない。
【0033】
また、処理前フィルムの結晶化度(示差走査型熱量計(DSC)により結晶融解熱から求められる)は、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上、特に好ましくは60ないし70%である。
【0034】
さらに、優れた透明性を得るためには、高分子量ポリオレフィン処理前フィルムが高配向融点を有するものであることが好ましい。高配向融点を有するポリオレフィンフィルム内には、分子鎖が伸張された状態のポリオレフィン配向結晶が存在し、それが明確な網目状のマトリックス構造を形成していると考えられる。このことにより、前記ポリオレフィン原料粉末の融着界面等の影響を受けにくくなると推定される。加えて、圧縮加熱処理後においても、網目状マトリックス構造は融解しない状態でその一部が残存することにより、この網目状マトリックスを形成する配向結晶間の微細な領域にしか結晶成長が起こらないと考えられ、高透明性を達成することが可能となる。
【0035】
ここで、本発明における高配向融点とは、ASTM D3417に準拠して、固定端にて示差走査型熱量計(DSC)により昇温速度10℃/minで融点測定したとき、ピークが二つ以上に分離して現れるときの、高温側のピーク(三つ以上のピークが現れる場合は最も高い温度のピーク)をいう。一方低温側で最も低い温度のピークを単に融点とした。
【0036】
上記の様な処理前フィルムの成形方法によれば、従来の高分子量ポリオレフィンフィルムの成形方法に比べて比較的厚いものまで成形でき特に制限はないが、本発明の高分子量ポリオレフィン処理前フィルムの厚さは、通常200μm以下、好ましくは180μm未満である。また、前フィルム厚さの下限値は1μm以上、通常3μm以上、好ましくは5μm以上である。さらに好ましいフィルム厚さは、5μmないし150μm、特に好ましくは5μmないし100μmである。フィルムの厚さが200μm以下の範囲であれば、網目状のマトリックス構造が形成され易く、圧縮加熱処理によって優れた透明性を得ることができる。
【0037】
圧縮加熱処理
本発明のフィルムは、処理前フィルムを、例えば以下に述べるような圧縮加熱処理することにより得られる。
圧縮加熱処理は、プレス成形機や一対のロール等の、既知の圧縮装置を用いて行われる。圧縮加熱処理は、処理後のフィルムのヘイズ値、引張伸びが、後述する範囲内に収まるような温度、圧力、処理時間の、選ばれた条件のもとで行われる。
【0038】
圧縮加熱処理の温度は、処理時間や圧力にもよるが、通常、高分子量ポリオレフィン処理前フィルムの高配向融点から高分子量ポリオレフィン処理前フィルムの分解温度未満までの温度である。より好ましい温度範囲としては、該高分子量ポリオレフィン処理前フィルムの高配向融点+5℃から空気中での分解温度未満までの温度範囲、さらに好ましくは、該高分子量ポリオレフィン処理前フィルムの高配向融点+5℃から空気中での分解温度−30℃までの温度範囲である。
【0039】
温度が上記の範囲を超えて低くなりすぎると十分な伸びが得られず、一方、温度が上記の範囲を超えて高くなりすぎると網目状マトリックスの消失により、若干青みをおびてきてヘイズが悪化する虞があるとともに、フィルムの軟化が起こり圧縮加熱処理前後の操作が困難となる可能性がある。
【0040】
高分子量ポリオレフィンフィルムは、それが高配向フィルムであれば、通常、融点を越えて加熱すると、熱収縮が起こり圧縮加熱処理の操作がしにくくなる。本発明においては、例えば、高分子量ポリオレフィンフィルムを圧力下で加熱するので、融点以上であっても熱収縮を起こさせることなく圧縮加熱処理を行うことが可能となる。圧縮加熱処理前後での熱収縮の許容限度は、通常、30%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満、さらに好ましくは5%未満である。
【0041】
高分子量ポリオレフィンの融点は、示差走査型熱量計(DSC)による融点測定により求められる。高分子量ポリエチレンの場合、融点は、概ね125℃ないし160℃の範囲にあり、高配向融点を有する場合には、融点は通常135℃ないし160℃の範囲に観察される。
【0042】
圧縮加熱処理の圧力は、圧縮時にプレス板やロールがフィルムに接触して加える圧力であり、0.1MPa以上が好ましい。上限値は特に限定されないが、高圧を得るための装置が煩雑になるため、おおむね30MPa以下であり、20MPa程度までであれば十分な効果が得られる。上記の範囲を超えて圧力が低くなりすぎると、フィルムの透明性にむらが生じる可能性があるので好ましくない。高分子量ポリオレフィンの分解温度未満の温度で加熱を行う場合は、圧力は通常1MPa以上であることが好ましい。
【0043】
圧縮加熱処理の時間は、通常10分以下、好ましくは5分以下、より好ましくは1分以下の時間で、圧力と温度に応じて適宜調節される。
圧縮加熱処理の雰囲気は、不活性ガス中でも良いし、空気中でも良いが、通常は空気中で行われる。
【0044】
本発明では、圧縮加熱処理は膜厚を薄くしたり、高配向させて高強度化したりすることを目的とするものではなく、圧延処理とは本質的に異なる。フィルム厚さは圧縮加熱処理前後で大きくは変化せず、仮に薄くなったとしても、その差は処理前フィルムの厚さの20%未満、好ましくは10%未満、通常は5%未満であり、膜厚が圧縮加熱処理前後で大きく変化しないことが望ましい。
【0045】
高分子量ポリオレフィンフィルム
本発明の圧縮加熱処理で得られる、高伸びを有する高分子量ポリオレフィン透明フィルムは、以下の物性を有する。
【0046】
極限粘度[η]は、4dl/g以上であることが好ましく、より好ましくは5dl/g以上、さらに好ましくは6dl/g以上、特に7dl/g以上であることが好ましい。極限粘度[η]の上限値は高分子量ポリオレフィン処理前フィルムの極限粘度[η]によって決まり、通常25dl/g以下、好ましくは20dl/g以下である。
【0047】
フィルム厚さは、200μm以下であることが好ましく、より好ましくは180μm未満、下限値は1μm以上、通常は3μm以上、好ましくは5μm以上である。特に好ましくは5μmないし150μm、最も好ましくは5μmないし100μmである。また、優れた透明性を特に必要とする場合は、5μm未満が好ましい。
【0048】
フィルムのヘイズは、厚さ(t[μm])200μm以下において、ヘイズ(H[%])が、通常、H≦20+(t/3)の関係を、好ましくはH≦15+(t/3)の関係を、より好ましくはH≦10+(t/3)の関係を満たす。
【0049】
引張強度は、特に限定されないが、通常はMDおよびTDについて70MPa未満、好ましくは60MPa未満、より好ましくは50MPa未満である。引張強度が上記範囲を超えて高くなりすぎると高伸びの効果が得られないことがあり、実用面で用途の制限がある。フィルムのMD引張強度とTD引張強度の比(MD/TD)は、特に限定されないが、通常0.25ないし4、好ましくは0.33ないし3、より好ましくは0.5ないし2の範囲内にあることが望ましい。
【0050】
引張弾性率は、特に限定されず、通常800MPa未満の範囲内である。好適なフィルムのMD引張弾性率とTD引張弾性率の比(MD/TD)は、0.25ないし4、好ましくは0.33ないし3、より好ましくは0.5ないし2の範囲内にある。
【0051】
また、引張伸びは、通常MDおよびTDについて150%以上であり、好ましくは、少なくとも一方向が200%以上かつ両方向が150%以上、好ましくは両方向が200%以上、より好ましくは少なくとも一方向が300%以上かつ両方向が200%以上、さらに好ましくは、両方向が300%以上、最も好ましくは両方向が400%以上である。好適なフィルムのMD引張伸びとTD引張伸びの比(MD/TD)は、0.25ないし4、好ましくは0.33ないし3、より好ましくは0.5ないし2、さらに好ましくは0.66ないし1.5の範囲内にある。
【0052】
さらに、本発明の高伸びを有する高分子量ポリオレフィン透明フィルムの結晶化度は、特に限定されることなく、通常10%ないし80%の範囲内にあり、好ましくは50%ないし80%である。
【0053】
また、本発明の高分子量ポリオレフィンフィルムは、融点以上においても溶融流動しないうえに、熱収縮率が非常に小さい。そのため、透明性が不要な高温用途においても好適に使用することができる。
【0054】
本発明の高分子量ポリオレフィンフィルムの製造方法によれば、従来の方法に比べて広い厚み範囲で高伸びを有し、透明性に優れる高分子量ポリオレフィンフィルムが得られるだけでなく、高分子量であることによりもたらされる耐摩耗性、自己潤滑性、耐薬品性等の物性を兼ね備えたフィルムを得ることが可能となる。また、広幅の上記フィルムを生産性良く得られる。
【0055】
上記により得られる高伸びを有する高分子量ポリオレフィン透明フィルムは、これらの特性をいかし、スライディングテープ、スラストワッシャー、すべりシート、ガイド、スキー,スノーボード等の裏張り、ホッパーおよびシュート等のライニング材、ドクターナイフ、カセットテープ用ライナー、カセットテープ用スリットシート、ロール,パイプ,鋼管等の被覆用フィルム、食品包装用フィルムや耐低温保存用袋等の包装用フィルム、血液保存バック等の医療用滅菌・殺菌材料、電気絶縁材料、コンデンサーフィルム、農業用ハウス,マルチフィルム等の農業用フィルム、エレクトレットフィルム、ハウスラップ等の建築用資材、包装用テープ、回路基板用フィルム、スピーカー振動板、航空便用封筒等に好適に使用することができる。また、本発明のフィルムをスリット後、延伸することによって高強度糸・テープとして好適に使用できる。
【0056】
本明細書中において用いた特性は、下記の方法により測定されたものである。極限粘度[η]
ASTM D4020に基づいて、デカリン溶媒にて135℃で測定した。
厚さ
JIS Z1702に従い、デジシックネステスター(東洋精機(株)製、検出能力1μm)を用い、圧子5mmφ、荷重125g、測定圧637Kg/cm2で測定した。
ヘイズおよび全光線透過率
全自動ヘイズメーター(東京電色技術センター社製、TC−H III DPK)を用いて、JIS K6714に準じて測定した。
【0057】
引張強度、引張弾性率、引張伸び
オリエンテック社製引張試験機テンシロン(型式RTM100型)を使用し、室温(23℃)で測定した。測定方法はJIS K6781に準拠した。
融点
ASTM D3417に準拠し、示差走査型熱量計(DSC)により測定した。測定は固定端で、昇温速度10℃/minで行い、ピーク値を融点とした。また、ピークが二つ以上に分離する場合は、低温側で最も低い温度のピークを融点とし、高温側の最も高温のピークを高配向融点とした。
【0058】
分解温度
熱重量測定(TG)により、重量変化開始温度を熱分解温度とした。測定は、昇温速度20℃/minで、空気中および窒素中で行い、重量の増加または減少が全重量の1%に達した温度を分解温度とした。
結晶化度
結晶化度の測定は、示差走査熱量計(DSC)により、ASTM D3417に示された条件で融点測定した際に、同時に測定される融解熱量を用いて、理論融解熱量の値(ポリエチレンの場合286.186J/g を使用)に対する比率(%)として計算で求めた。
【0059】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はその趣旨を越えない限りこれらの実施例に何ら制約されるものではない。
(実験例1)
〔処理前フィルムの作製〕
高分子量ポリエチレン処理前フィルムの作製を、図1に示すインフレーションフィルム製造装置を使用して行った。
【0060】
インフレーションフィルム製造装置の仕様は以下の通りである。
押出機の第1スクリュー外径 50mmφ
スクリューの有効長さ 1100mm
フライトピッチ 30mm一定
スクリュー圧縮比 1.8
スクリューダイ有効長さ 1490mm(L/D=28)
ダイ出口アウターダイ内径 66mmφ
ダイ出口マンドレル外径 58mmφ
スクリューダイの第2スクリュー外径 70mmφ
第2スクリュー有効長さ 238mm
フライトピッチ 25mm一定
第2スクリュー圧縮比 1.0
安定棒の外径 39mmφ
安定棒の長さ 600mm
気体流路の内径 8mmφ
【0061】
極限粘度[η]:7.5dl/g、融点:約135℃、分解温度(窒素中):490℃(空気中250℃)である高分子量ポリエチレンの粉末樹脂を用い、図1に示す装置において押出機、ジョイント部(J)、ダイ基部(D1)及びダイ先端部(D2)の設定温度をそれぞれ200℃、180℃、170℃、162℃として成形した。第2スクリュー内部、マンドレル及び安定棒シャフトの内部に延在する気体流路から圧搾空気を吹き込んで、パリソンをアウターダイ内径(66mmφ)の約7.5倍(膨比)に膨らませ、約35.7倍のドラフト比で引き取って、高分子量ポリエチレン処理前フィルムNo.1を作製した。表1、2に作製した処理前フィルムの物性を示す。
【0062】
【表1】
Figure 0004345901
【0063】
【表2】
Figure 0004345901
【0064】
(実施例1〜4、比較例1)
実験例1で作製した高分子量ポリエチレン処理前フィルムを使用して、圧縮加熱処理を行った。圧縮加熱処理は、東洋精機(株)製 MINI TEST PRESS-10を使用し、表3に記載した各条件により以下の方法で行った。処理前フィルムの両面に、離型フィルムとして東レ(株)製ルミラーTMT60(25μm)を重ね、それを一対のステンレス板間に挟み、まず115℃にて表3記載の各圧力で圧縮した。その後所定の圧縮処理温度まで昇温(昇温速度:約6〜7℃/min)して各加圧時間保持し、圧縮状態のまま室温(23℃)で徐冷した。115℃まで降温後、フィルムをとりだしてフィルム物性を測定した。結果を表3に示す。
【0065】
【表3】
Figure 0004345901
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、広い厚み範囲において高伸びを有し、透明性に優れ、しかも機械物性が機械軸方向(MD)とその直交方向(TD)でバランスのとれた高分子量ポリオレフィン透明フィルムを提供することができる。また、本発明の製造方法によれば、上記の高分子量ポリオレフィンフィルムが、生産性良く得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において高分子量ポリオレフィン処理前フィルムを製造するための成形装置の一例を示す正面断面図である。
【符号の説明】
1 押出機
2 溝付シリンダー
3 第1スクリュー
10 トーピド
11 圧力計
20 スクリューダイ
20A 第2スクリュー先端部
20B スクリューダイ中間部
20C スクリューダイ出口
21 第2スクリュー
22 アウターダイ
23 マンドレル
24 気体流路
25 エアリング
26 安定棒
27 防風筒
30 パリソン
31 インフレーションフィルム

Claims (4)

  1. 極限粘度[η]が4dl/g以上の高分子量ポリエチレンよりなり、かつ溶剤や可塑剤を実質的に使用することなく得られた高分子量ポリエチレンフィルムを、0.1MPa以上の圧力と、該フィルムの高配向融点から分解温度未満までの温度において圧縮加熱処理して得られる、以下の特徴を有する高分子量ポリエチレンフィルム;
    (1)極限粘度[η]が4dl/g以上;
    (2)厚さが5μm以上200μm以下;
    (3)ヘイズ(H[%])が厚さ(t[μm])と次式の関係を満たす;
    H≦20+(t/3)
    (4)機械軸方向(MD)およびその直交方向(TD)の伸びが150%以上。
  2. 以下の特徴を有する請求項1に記載の高分子量ポリエチレンフィルム;
    (5)機械軸方向(MD)およびその直交方向(TD)の引張強度が70MPa未満。
  3. 極限粘度[η]が4dl/g以上の高分子量ポリエチレンよりなり、かつ溶剤や可塑剤を実質的に使用することなく得られた高分子量ポリエチレンフィルムを、0.1MPa以上の圧力と、該フィルムの高配向融点から分解温度未満までの温度において圧縮加熱処理することからなる、下記の物性を有する高分子量ポリエチレンフィルムの製造方法;
    (1)極限粘度[η]が4dl/g以上;
    (2)厚さが5μm以上200μm以下;
    (3)ヘイズ(H[%])が厚さ(t[μm])と次式の関係を満たす;
    H≦20+(t/3)
    (4)機械軸方向(MD)およびその直交方向(TD)の伸びが150%以上。
  4. 前記圧縮加熱処理前フィルムが、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムまたはインフレーションフィルムである請求項に記載の高分子量ポリエチレンフィルムの製造方法。
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