JP2001198937A - 透明性に優れる高分子量ポリオレフィン積層フィルムの製造方法 - Google Patents

透明性に優れる高分子量ポリオレフィン積層フィルムの製造方法

Info

Publication number
JP2001198937A
JP2001198937A JP2000012614A JP2000012614A JP2001198937A JP 2001198937 A JP2001198937 A JP 2001198937A JP 2000012614 A JP2000012614 A JP 2000012614A JP 2000012614 A JP2000012614 A JP 2000012614A JP 2001198937 A JP2001198937 A JP 2001198937A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
weight polyolefin
molecular weight
high molecular
melting point
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000012614A
Other languages
English (en)
Inventor
Akinao Hashimoto
暁直 橋本
Kazuo Yagi
和雄 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2000012614A priority Critical patent/JP2001198937A/ja
Publication of JP2001198937A publication Critical patent/JP2001198937A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度とともに、透明性に優れ、機械軸
方向とその直交方向の物性バランスが良く、広幅で厚い
フィルムを、溶剤や可塑剤を使用せずに簡単なプロセス
で生産性良く製造できる高分子量ポリオレフィン積層フ
ィルムの製造方法を提供する。 【解決手段】 高分子量ポリオレフィン積層フィルムの
製造方法は、極限粘度[η]が4dl/g以上の高分子
量ポリオレフィンよりなり、かつ溶剤や可塑剤を実質的
に使用することなく得られた同種又は同一の高分子量ポ
リオレフィン処理前フィルムを2枚以上積層し、該処理
前フィルムの最も高い融点−15℃以上で該処理前フィ
ルムの最も低い分解温度未満の処理温度範囲において、
0.1MPa以上の圧力下に圧縮加熱処理することから
なる。処理前フィルムとしては、一軸延伸フィルム、二
軸延伸フィルム、インフレーションフィルムが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性に優れる高
分子量ポリオレフィン積層フィルムの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高分子量ポリオレフィンは、汎用のポリ
オレフィンに比べ、耐衝撃性、耐磨耗性、耐薬品性、引
張強度等に優れており、エンジニアリングプラスチック
としてその用途が拡がりつつある。しかしながら高分子
量ポリオレフィンは汎用のポリオレフィンに比較して溶
融粘度が極めて高く流動性が悪いため、従来のTダイ成
形、インフレーションフィルム成形等の押出成形や射出
成形によって成形することは非常に難しく、そのほとん
どは圧縮成形によって成形されており、一部ロッド等が
極く低速で押出成形されている状況にあった。
【0003】そこで本出願人により、この成形性に劣る
高分子量ポリオレフィンを使用したフィルムについて鋭
意検討された結果、以下の知見が得られている。特公平
6−55433号公報において、極限粘度[η]が5d
l/g以上の超高分子量ポリエチレンからなり、縦方向
の破断点抗張力が800kg/cm2以上、横方向の破
断点抗張力が700kg/cm2以上、厚さが10〜1
000μmであることを特徴とするインフレーションフ
ィルムが開示されている。
【0004】また、特開平2−30514号公報におい
て、極限粘度[η]が5dl/g以上の超高分子量ポリ
エチレンからなり、厚さが0.5〜500μm、破断点
抗張力が700kg/cm2以上である超高分子量ポリ
エチレン二軸延伸フィルムが開示されている。さらに、
特公平4−16330号公報において、高分子量ポリオ
レフィンに多量の可塑剤を混合して押出成形し、二軸延
伸フィルムを製造する方法が開示されている。
【0005】しかし、これらの高分子量ポリオレフィン
フィルム或いは成形方法で得られた高分子量ポリオレフ
ィンフィルムは、優れた機械的性質を有するものの、汎
用ポリオレフィンのフィルムに比し透明性に劣るという
欠点があった。また、多量の可塑剤を用いる方法では、
用途によっては得られたポリオレフィンフィルムから可
塑剤を抽出する必要があり、工程がさらに複雑になるば
かりか、可塑剤が存在した部分には空隙が形成され、透
明性を悪化させる原因となっていた。
【0006】一方、高分子量ポリオレフィンを使用した
高強度な透明フィルムに関しては、以下の文献に記載が
ある。特開昭60−255415号公報には、粘度平均
分子量が40万以上のポリエチレンからなり、いずれの
方向にも25kg/mm2以上の引張強度を示すポリエ
チレン樹脂フィルムが開示されており、実施例において
透明フィルムであることが記載されている。
【0007】また、特開昭61−84225号公報に
は、高分子量直鎖状ポリエチレンを基本とし、重量平均
分子量が少なくとも40万、引張強度が少なくとも1G
Pa、厚さが最大25μm、不透明度が最大15%のも
のが記載されている。さらには特開昭60−22812
2号公報に、重量平均分子量が5×105以上のポリエ
チレンからなり厚さが3μm以下、引張弾性率が200
0kg/cm2以上、破断強度が500kg/cm2
上、ヘイズが10%以下であるポリエチレン極薄フィル
ムが記載されている。
【0008】これらの公報に記載された方法を使用する
と、比較的透明性に優れたフィルムを得ることが可能で
あるが、透明性を得るために高倍率の二軸延伸を必要と
するためフィルムが薄くなり、厚いフィルムを得ること
ができないという欠点を有する。また、溶剤や可塑剤を
多量に使用して延伸処理前のシートやフィルムを成形し
なければならず、そして用いた溶剤や可塑剤を延伸後に
抽出する必要があり、工程が複雑になるばかりか、溶剤
や可塑剤が存在した部分には空隙が形成され透明性を悪
化させる原因となっていた。これらの空隙をプレスして
加圧状態でつぶす試みもなされているが、非常に薄いフ
ィルムにもかかわらず、良好な透明性を得るに至ってい
ない。これはフィルムに存在する空隙を圧縮して完全に
なくすことが困難なためと推測される。
【0009】また、特公平3−73452号公報には、
極限粘度が5.0dl/g以上の超高分子量ポリエチレ
ンシートを、融点以上、融点+15℃未満の温度でロー
ル圧延しながら張力をかけて引取ることを特徴とする超
高分子量ポリエチレンフィルムの製造方法が開示されて
いる。この方法は比較的透明なフィルムを、溶剤や可塑
剤を使用することなく得ることができる点で優れている
が、圧延を行うためにフィルムの機械軸方向(MD)と
機械軸方向に直交方向(TD)のフイルム物性のバラン
スが悪くなる、圧延前のシートの幅が比較的狭いため広
幅のフィルムを作製することが難しいなどの改良すべき
点を有していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、引張
強度等の機械的強度に優れるとともに、従来のものより
も透明性に優れ、機械軸方向(MD)とその直交方向
(TD)の物性バランスが良く、広幅で厚いフィルム
を、溶剤や可塑剤を使用せずに簡単なプロセスで生産性
良く製造できる高分子量ポリオレフィン積層フィルムの
製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の従
来技術の問題点を解決するために鋭意検討した結果、特
定の高分子量ポリオレフィン処理前フィルムを2枚以上
重ね、特定条件下で圧縮加熱処理すれば、透明性に優れ
るとともに機械的強度に優れ、広幅で厚い高分子量ポリ
オレフィン積層フィルムが、溶剤や可塑剤を実質的に使
用することなく簡単なプロセスで得られることを見出し
本発明を完成するに至った。
【0012】本発明に係る高分子量ポリオレフィン積層
フィルムの製造方法は、極限粘度[η]が4dl/g以
上の高分子量ポリオレフィンよりなり、かつ溶剤や可塑
剤を実質的に使用することなく得られた同種又は同一の
高分子量ポリオレフィン処理前フィルムを2枚以上積層
し、該処理前フィルムの最も高い融点−15℃以上で該
処理前フィルムの最も低い分解温度未満の処理温度範囲
において、0.1MPa以上の圧力下に圧縮加熱処理す
ることを特徴としている。
【0013】本発明の製造方法においては、得られる高
分子量ポリオレフィン積層フィルムの物性として、(a)
極限粘度[η]が4dl/g以上、(b)厚さが200μ
m以下となる高分子量ポリオレフィン積層フィルムの製
造方法が望ましい。
【0014】また、本発明の製造方法においては、得ら
れる高分子量ポリオレフィン積層フィルムの物性とし
て、ヘイズ(H[%])が厚さ(t[μm])と、厚さ
200μm以下において次式の関係にある高分子量ポリ
オレフィン積層フィルムの製造方法が望ましい。 (c) H≦15+(t/3)
【0015】本発明の製造方法では、高分子量ポリオレ
フィンからなる前記の処理前フィルムが、溶剤や可塑剤
を実質的に用いることなく得られる一軸延伸フィルム、
二軸延伸フィルム、インフレーションフィルムから選ば
れるいずれかのフィルムであることが好ましい。
【0016】また、本発明の製造方法では、高分子量ポ
リオレフィンからなる前記の処理前フィルムが、高配向
融点を有していることが好ましい。
【0017】本発明の高分子量ポリオレフィン積層フィ
ルム製造方法に係る別の態様は、極限粘度[η]が4d
l/g以上の高分子量ポリオレフィンよりなり、かつ溶
剤や可塑剤を実質的に使用することなく得られた同種又
は同一の高分子量ポリオレフィン処理前フィルムを2枚
以上積層し、該処理前フィルムの最も高い融点(Tm1
−15℃以上で該処理前フィルムの最も低い高配向融点
+5℃の処理温度範囲において、0.1MPa以上の圧
力下に圧縮加熱処理することを特徴としている。
【0018】本発明における上記別の態様の製造方法に
おいて、得られる高分子量ポリオレフィン積層フィルム
の物性として、(d)フィルムのMD及びTDの引張強度
が70MPa以上となる高分子量ポリオレフィン積層フ
ィルムの製造方法が望ましい。
【0019】本発明の製造方法では、前記高分子量ポリ
オレフィンが、高分子量ポリエチレンであることが好ま
しい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る透明性に優
れる高分子量ポリオレフィン積層フィルムの製造方法に
関し、成形原料、処理前フィルム、圧縮加熱処理、得ら
れた積層フィルムの特徴について詳述する。
【0021】成形原料本発明で用いられる高分子量ポリ
オレフィンは、エチレン、プロピレンおよび炭素数4〜
8のα−オレフィンを、例えばチーグラー系触媒を用い
たスラリー重合などにより、単独もしくは二つ以上を組
み合わせて重合して得られる。好ましい共重合体は、エ
チレンと少量のプロピレン、もしくは炭素数4〜8のα
−オレフィン単独ないし二つ以上の組み合わせによる共
重合体である。エチレン共重合体の場合、共単量体の含
有量は5モル%以下が好ましい。これらの中で特に好ま
しいものは、エチレンの単独重合体である。
【0022】本発明に係る処理前フィルム成形に用いら
れる高分子量ポリオレフィンの極限粘度[η]は、フィ
ルム成形に支障をきたさない限り特に限定されないが、
極限粘度[η]で4dl/g以上が好ましく、さらに好
ましくは4〜25dl/gである。特に高強度な透明フ
ィルムを得る目的では、極限粘度[η]で5〜20dl
/gが好ましく、特に7〜20dl/gが好ましい。極
限粘度[η]が20dl/gを超えると溶融成形性が悪
化し、広幅のフィルムやシートを連続的に作製すること
が困難となることがある。
【0023】処理前フィルム 本発明において処理前フィルムとは、後述する圧縮加熱
処理に供するフィルムのことを言う。処理前フィルムの
成形には、インフレーションフィルム成形やTダイ成形
等の押出成形、押出成形後の一軸延伸や二軸延伸等の公
知の方法を用いることができる。なかでも、インフレー
ションフィルム成形、押出成形後の一軸延伸、二軸延伸
から選ばれるいずれかのフィルム成形法が好ましい。本
発明では、これらの高分子量ポリオレフィン処理前フィ
ルムの成形において溶剤や可塑剤を実質的に使用しな
い。
【0024】溶剤や可塑剤を実質的に使用しないとは、
フィルム成形時に成形原料としての高分子量ポリオレフ
ィンが多量の溶剤や可塑剤を含まないことを意味する。
したがって、耐熱安定剤、耐候安定剤、滑剤、核剤、ア
ンチブロッキング剤、スリップ剤、顔料、染料、充填剤
等の通常ポリオレフィンに添加して使用される各種添加
剤は、本発明の目的を損なわない範囲で配合されていて
もよいが、その上限は総量で好ましくは10重量%以
下、より好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは3
重量%以下である。また、フィルム成形時や成形後に溶
剤や可塑剤に接触させないことが、使用できるフィルム
用途が限定されないという意味で好ましい。
【0025】高分子量ポリオレフィン処理前フィルムと
しては、一軸延伸フィルム(機械軸方向(MD)またはそ
の直交方向(TD)への延伸)、二軸延伸フィルム(MD
およびTDへの延伸)、インフレーションフィルムから
選ばれるいずれかのフィルムを使用するのが好ましい。
【0026】この理由としては次の様に推測できる。押
出後の高分子量ポリオレフィンのフィルムには、目視で
は観察されないポリオレフィン原料粉末の融着界面が残
存し、光の散乱を起こしてフィルムの透明性を悪化させ
る可能性があるが、フィルムを延伸することによってこ
の界面の影響を取り除くことができ、良好な透明性が得
られる。
【0027】高分子量ポリオレフィン処理前フィルムと
して上記のなかでは、圧縮加熱処理後のフィルムの引張
強度や伸び等の物性のMDとTDとのバランスの観点か
ら、二軸延伸フィルム、インフレーションフィルムが好
ましく、特にインフレーションフィルムが好ましい。高
分子量ポリオレフィン処理前フィルムの成形について、
インフレーションフィルムの成形方法を例にとりながら
以下に具体的に説明する。
【0028】高分子量ポリオレフィンのなかで、極限粘
度[η]が5dl/g未満のものは、通常のインフレー
ションフィルム成形法によって成形することができる。
通常のインフレーションフィルムの成形法について詳し
くは、「プラスチックの押出成形とその応用」(澤田慶
司著、誠文堂新光社発行(1966年))の第4編第2章に述
べられたポリエチレンやポリプロピレンで行われるよう
な一般的な方法が挙げられる。
【0029】Tダイ成形法の場合は、シート成形後さら
に延伸を行うことが望ましい。好ましい延伸倍率は、M
DおよびTDについて2〜25倍、より好ましくは3〜
15倍である。面積倍率では4〜625倍が好ましい。
それに対しインフレーションフィルム成形法では、成形
時に配向が行われるため、工程が簡単である。成形時の
ドラフト比と膨比は、特に限定されないが、高ドラフト
比、高膨比である方が望ましい。
【0030】高分子量ポリオレフィンのなかで、極限粘
度[η]が5dl/g以上、25dl/g以下のもので
は、例えば以下のようなインフレーションフィルム成形
法によって処理前フィルムを成形することができる。
【0031】すなわち高分子量ポリオレフィンをスクリ
ュー押出機で溶融し、次いでマンドレルがスクリューの
回転に伴って、または独立して回転するL/D(L:マ
ンドレルとアウターダイで構成されるチューブダイの長
さ、D:マンドレルとアウターダイのクリアランスすな
わちダイリップの厚さ)が5以上のチューブダイから押
し出した後、溶融状態のチューブ状フィルムの内部に気
体を吹き込んで、膨比1.1〜20に膨張させ、冷却し
てフィルムとするインフレーションフィルム成形法によ
って得られる。
【0032】ここで、好ましいドラフト比は、5以上で
あり、より好ましくは8以上である。また、好ましい膨
比は、5以上であり、より好ましくは8以上である。イ
ンフレーションフィルム成形装置に関する態様は、本出
願人により出願された特公平6−55433号公報に詳
述されている。また、特開平9−183156号公報に
記載されたような方法で成形することもできる。
【0033】上記の様にして得られる処理前フィルムを
形成する高分子量ポリオレフィンの極限粘度[η]は、
4dl/g以上であり、好ましくは5dl/g以上、よ
り好ましくは6dl/g以上、さらに好ましくは7dl
/g以上であり、その上限値は、成形原料の極限粘度
[η]によって決まり、通常25dl/g以下、好まし
くは20dl/g以下である。極限粘度[η]が4dl
/g未満では、融点以上の温度で溶融流動性が大きくな
りすぎ圧縮加熱処理が困難となるので好ましくない。ま
た、高分子量ポリオレフィンが有する優れた物性が得ら
れないため好ましくない。
【0034】また、処理前フィルムを形成する高分子量
ポリオレフィンの結晶化度(示差走査型熱量計(DSC)
により結晶融解熱から求められる)は、好ましくは40
%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは
60%以上、特に好ましくは60〜70%である。
【0035】さらに、優れた透明性を得るためには、処
理前フィルムを形成する高分子量ポリオレフィンが高配
向融点を有するものであることが好ましい。高配向融点
を持つ様にするには、処理前フィルム成形時に、延伸を
高倍率で行うか、高ドラフト比、高膨比でインフレーシ
ョンフィルム成形する。
【0036】高配向融点を有するポリオレフィンフィル
ム内には、分子鎖が伸張された状態のポリオレフィン配
向結晶が存在し、それが網目状のマトリックス構造を形
成していると考えられる。このことは、高配向融点を有
するポリオレフィンフィルムで高引張強度が観測できる
ことから推定できる。この網目状マトリックス構造が存
在することにより、圧縮加熱処理後においても、上記ポ
リオレフィン原料粉末の融着界面等の影響を受けにく
く、高透明性を達成しやすい。
【0037】ここで、本発明における高配向融点とは、
ASTM D3417に準拠して、固定端にて示差走査
型熱量計(DSC)により昇温速度10℃/minで融
点測定したとき、ピークが二つ以上に分離して現れる場
合の高温側のピーク(ピークが三つ以上現れる場合は最
も高い温度のピーク)温度をいう。一方低温側のピーク
(ピークが三つ以上現れる場合は最も低い温度のピー
ク)温度を単に融点(Tm1)とした。
【0038】本発明の高分子量ポリオレフィン処理前フ
ィルムの厚さは、特に制限はないが、通常200μm以
下、好ましくは180μm未満であり、下限は通常1μ
m以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm
以上である。特に好ましいフィルム厚さは、5μm〜1
50μm、最も好ましくは5μm〜100μmである。
フィルムの厚さが200μm以下の範囲であれば、網目
状のマトリックス構造が形成され易く、圧縮加熱処理に
よって優れた透明性を得ることができる。
【0039】圧縮加熱処理 本発明における圧縮加熱処理は、前記の様にして得られ
た同種又は同一の高分子量ポリオレフィン処理前フィル
ムを2枚以上、好ましくは2枚を積層して、プレス成形
機や一対のロール等の、既知の圧縮装置を用いて特定の
処理温度と圧力条件下で行われる。圧縮加熱処理は、処
理後のフィルムのヘイズ値をできるだけ低減できるよう
な、好ましくは後述する範囲内に収まるような温度、圧
力、処理時間の選ばれた条件下で行われる。
【0040】ここで、同種の高分子量ポリオレフィン処
理前フィルムとは、前記の様にして得られる処理前フィ
ルムのうち、圧縮加熱処理の望ましい処理温度範囲を少
なくとも部分的に共有するフィルムを指す。具体的に
は、エチレン系重合体に含まれる各種の高分子量ポリオ
レフィン、例えばポリエチレン、エチレン・α−オレフ
ィン共重合体などからなるフィルム、プロピレン系重合
体に含まれる各種の高分子量ポリオレフィン、例えばポ
リプロピレン、プロピレン・α−オレフィン共重合体な
どからなるフィルムが挙げられる。これらのなかでは、
エチレン系重合体に含まれるものが好ましく、特に極限
粘度を異にするエチレンの単独重合体が好ましい。ま
た、フィルム成形条件や厚さの異なる同一の高分子量ポ
リオレフィンからなるフィルム、例えば同一の高分子量
ポリオレフィンをインフレーションフィルム成形したも
のと一軸延伸したものとは、同種の処理前フィルムであ
る。
【0041】同一の高分子量ポリオレフィン処理前フィ
ルムとは、同じ成形原料と成形条件により前記の様にし
て得られる処理前フィルムを言い、従って圧縮加熱処理
の望ましい処理温度範囲も同一である。この場合の好適
な例としてインフレーションフィルムが挙げられる。イ
ンフレーションフィルムは一つの筒状フィルムが二つ折
りにされて成形されるので、この状態で同一の処理前フ
ィルムを二枚積層したものとなる。圧縮加熱処理はその
まま続けて行うことができ、プロセスが簡単となるため
好ましい。
【0042】圧縮加熱処理を行う温度範囲は、処理時間
や圧力にもよるが、通常、積層した高分子量ポリオレフ
ィン処理前フィルムのうちの最も高い融点から15℃低
い温度以上であって該処理前フィルムのうちの最も低い
分解温度未満までである。より好ましくは、該処理前フ
ィルムの最も高い融点から10℃低い温度以上であって
処理前フィルムの空気雰囲気で測定した分解温度のうち
最も低い温度未満までである。処理温度がこの様な範囲
にあれば、高分子量ポリオレフィンが有する優れた物性
の特徴が保たれたまま透明性が改良され、処理後に積層
したフィルム間の剥離が起こることもない。
【0043】特に高強度が必要な場合、圧縮加熱処理
は、好ましくは、積層した高分子量ポリオレフィン処理
前フィルムのうちの最も高い融点から15℃低い温度以
上であって該処理前フィルムのうちの最も低い高配向融
点よりも5℃高い温度以下、より好ましくは、積層した
高分子量ポリオレフィン処理前フィルムのうちの最も高
い融点から10℃低い温度以上であって該処理前フィル
ムのうちの最も低い高配向融点よりも5℃高い温度以
下、特に好ましくは、積層した高分子量ポリオレフィン
処理前フィルムのうちの最も高い融点から5℃低い温度
以上であって該処理前フィルムのうちの最も低い高配向
融点以下の温度範囲で行われる。
【0044】高分子量ポリオレフィンフィルムは、それ
が高配向させたフィルムであれば、通常、融点を越えて
加熱すると、熱収縮が起こり加熱処理の操作がしにくく
なる。しかし、本発明においては、高分子量ポリオレフ
ィンフィルムを圧力下で加熱するので、融点以上であっ
ても熱収縮を起こさせることなく圧縮加熱処理を行うこ
とができる。
【0045】高分子量ポリオレフィンの融点は、示差走
査型熱量計(DSC)による融点測定によりもとめら
れ、分解温度は、熱重量測定(TG)による重量変化開
始温度から求められる。高分子量ポリエチレンの場合、
融点は、概ね125℃〜160℃の範囲にあり、高配向
融点を有する場合には、高配向融点は通常135℃〜1
60℃の範囲に観察され、分解温度は、雰囲気にもよる
が、220℃〜500℃の範囲にある。
【0046】圧縮加熱処理の圧力は、圧縮時にプレス板
やロールがフィルムに接触して加える圧力であり、0.
1MPa以上が好ましい。上限値は特に限定されない
が、高圧を得るための装置が煩雑になるため、おおむね
30MPa以下であり、20MPa程度までであれば十
分な効果が得られる。上記の範囲を超えて圧力が低くな
り過ぎると、フィルムの透明性にむらの現れる可能性が
生じてくるので好ましくない。高分子量ポリオレフィン
処理前フィルムの融点未満の温度で加熱を行う場合に
は、圧力は通常10MPa以上であることが好ましい。
【0047】圧縮加熱処理の時間は、通常10分以下、
好ましくは5分以下、より好ましくは1分以下の時間
で、圧力と温度に応じて適宜調節される。圧縮加熱処理
の雰囲気は、窒素等の不活性ガス中でも良いし、空気中
でも良いが、通常は空気中で行われる。この場合、処理
温度は高分子量ポリオレフィン処理前フィルムの空気雰
囲気で測定した分解温度未満であることが好ましい。
【0048】本発明における圧縮加熱処理は、膜厚を薄
くしたり、高配向させて高強度化したりすることを目的
とするものではないので、圧延処理とは本質的に異な
る。フィルム厚さは圧縮加熱処理前後で大きくは変化せ
ず、仮に薄くなったとしても、その差は処理前フィルム
の厚さの20%未満、好ましくは10%未満であり、通
常は5%未満である。本発明の圧縮加熱処理では、膜厚
が処理前後で大きく変化しないことが望ましい。そのた
め圧延処理などに比べ広幅のフィルムを処理することが
できる。
【0049】高分子量ポリオレフィン積層フィルム 本発明の圧縮加熱処理で得られる、透明性に優れる高分
子量ポリオレフィン積層フィルムは、以下の好適な物性
を有する。
【0050】極限粘度[η]は、4dl/g以上である
ことが好ましく、より好ましくは5dl/g以上、さら
に好ましくは6dl/g以上、特に7dl/g以上であ
ることが好ましい。極限粘度[η]の上限値は高分子量
ポリオレフィン処理前フィルムの極限粘度[η]によっ
て決まり、通常25dl/g以下、好ましくは20dl
/g以下である。
【0051】フィルム厚さは、200μm以下であるこ
とが好ましく、より好ましくは5μm以上200μm以
下、さらに好ましくは10〜200μm、最も好ましく
は20〜200μmである。
【0052】フィルムのヘイズ(H[%])は、フィル
ム厚さ(t[μm])と、厚さ200μm以下におい
て、好ましくはH≦15+(t/3)、より好ましくは
H≦10+(t/3)の関係を有し、特にt≦120に
おいてH≦10+(t/3)で120<t≦200にお
いてH≦50の関係にあることが好ましい。
【0053】引張強度は、特に限定されないが、通常3
0〜500MPaの範囲内にあり、好ましくは40〜5
00MPaである。特に高強度を必要とする条件で圧縮
加熱処理を行った場合、好ましい引張強度はフィルムの
MD方向及びTD方向で70MPa以上、より好ましく
はMD方向及びTD方向で100MPa以上、さらに好
ましくはMD方向及びTD方向で150MPa以上であ
る。好適な積層フィルムのMD引張強度とTD引張強度
の比(MD/TD)は、0.25〜4、好ましくは0.
33〜3、より好ましくは0.5〜2の範囲内にある。
【0054】引張弾性率は、特に限定されず、通常30
0MPa〜2GPaの範囲内にあり、好ましくは400
MPa〜2GPaである。好適な積層フィルムのMD引
張弾性率とTD引張弾性率の比(MD/TD)は、0.
25〜4、好ましくは0.33〜3、より好ましくは
0.5〜2の範囲内にある。
【0055】また、引張伸びは、特に限定されず、通常
50〜1500%の範囲内にある。好適なフィルムのM
D引張伸びとTD引張伸びの比(MD/TD)は、0.
25〜4、好ましくは0.33〜3、より好ましくは
0.5〜2の範囲内にある。
【0056】さらに、透明性に優れた積層フィルムを形
成する高分子量ポリオレフィンの結晶化度は、特に限定
されることなく、通常10〜80%の範囲内にあり、好
ましくは50〜80%である。
【0057】本発明の製造方法によれば、一枚の高分子
量ポリオレフィン処理前フィルムを圧縮加熱処理する場
合に比べ、高引張強度で厚いフィルムを得ることができ
る。一般に高引張強度のフィルムを得るためには、フィ
ルムを高度に延伸する必要があり、厚いフィルムを得る
ことは困難である。フィルムを厚くするためには、通
常、延伸倍率(インフレーションフィルムの場合には膨
比やドラフト比)を下げることが必要であるが、その場
合フィルムの強度が低下する。本発明では、延伸等によ
り高度に配向させたフィルムを2枚以上積層し、圧縮加
熱処理して積層フィルムを得ているので、強度を低下さ
せずに厚いフィルムを得ることができる。
【0058】本発明の高分子量ポリオレフィン積層フィ
ルムの製造方法によれば、高強度で透明性に優れるとと
もに、高分子量であることによりもたらされる耐衝撃
性、耐摩耗性、自己潤滑性、耐薬品性等の物性を兼ね備
えた積層フィルムを得ることができる。
【0059】上記により得られる透明性に優れた高分子
量ポリオレフィン積層フィルムは、これらの特性をいか
し、スライディングテープ、スラストワッシャー、すべ
りシート、ガイド、スキー,スノーボード等の裏張り、
ホッパーおよびシュート等のライニング材、ドクターナ
イフ、カセットテープ用ライナー、カセットテープ用ス
リットシート、ロール,パイプ,鋼管等の被覆用フィル
ム、食品包装用フィルムや耐低温保存用袋等の包装用フ
ィルム、血液保存バック等の医療用滅菌・殺菌材料、電
気絶縁材料、コンデンサーフィルム、農業用ハウス,マ
ルチフィルム等の農業用フィルム、エレクトレットフィ
ルム、ハウスラップ等の建築用資材、包装用テープ、回
路基板用フィルム、スピーカー振動板、航空便用封筒、
ガラス飛散防止フィルム等に好適に使用することができ
る。
【0060】本明細書中において用いた特性は、下記の
方法により測定されたものである。極限粘度 [η] ASTM D4020に基づき、デカリン溶媒にて13
5℃で測定した。厚さ JIS Z1702に従い、デジシックネステスター
(東洋精機(株)製、検出能力1μm)を用いて、圧子5
mmφ、荷重125g、測定圧637Kg/cm 2で測
定した。
【0061】ヘイズおよび全光線透過率 全自動ヘイズメーター(東京電色技術センター社製、T
C−H III DPK)を用いて、JIS K6714に
準じて測定した。引張強度、引張弾性率、引張伸び オリエンテック社製引張試験機テンシロン(型式RTM
100型)を使用し、室温(23℃)で測定した。測定
方法はJIS K6781に準拠した。
【0062】融点 ASTM D3417に準拠し、示差走査型熱量計(D
SC)により測定した。測定は固定端で、昇温速度10
℃/minで行い、ピーク値を融点とした。また、ピー
クが二つ以上に分離する場合は、低温側で最も低い温度
のピークを融点(Tm1)とし、高温側の最も高温のピー
クを高配向融点とした。分解温度 熱重量測定(TG)により、重量変化開始温度を熱分解
温度とした。測定は、昇温速度20℃/minで、窒素
雰囲気下で行い、重量の増加または減少が全重量の1%
に達した温度を分解温度とした。また、同様な方法で空
気中でも測定した。(この場合特に「空気雰囲気で測定
した分解温度」と記した。)
【0063】結晶化度 結晶化度の測定は、示差走査熱量計(DSC)によりA
STM D3417に示された条件で融点測定した際、
同時に測定される融解熱量を用い、その理論融解熱量の
値(ポリエチレンの場合286.186J/g を使用)に対する
比率(%)として計算で求めた。
【0064】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はその趣旨を越えない限りこれらの実
施例に何ら制約されるものではない。
【0065】(実験例1) 〔処理前フィルムの作製〕高分子量ポリエチレン処理前
フィルムの作製を、図1に示すインフレーションフィル
ム製造装置を使用して行った。インフレーションフィル
ム製造装置の仕様は以下の通りである。 押出機の第1スクリュー外径 50mmφ スクリューの有効長さ 1100mm フライトピッチ 30mm一定 スクリュー圧縮比 1.8 スクリューダイ有効長さ 1490mm(L/D=28) ダイ出口アウターダイ内径 66mmφ ダイ出口マンドレル外径 58mmφ スクリューダイの第2スクリュー外径 70mmφ 第2スクリュー有効長さ 238mm フライトピッチ 25mm一定 第2スクリュー圧縮比 1.0 安定棒の外径 39mmφ 安定棒の長さ 600mm 気体流路の内径 8mmφ
【0066】極限粘度[η]:8.9dl/g、融点:
約135℃、分解温度:495℃(空気雰囲気255
℃)である高分子量ポリエチレンの粉末樹脂を用い、図
1に示す装置において押出機、ジョイント部(J)、ダ
イ基部(D1)及びダイ先端部(D2)の設定温度をそ
れぞれ200℃、180℃、170℃、170℃として
成形した。第2スクリュー内部、マンドレル及び安定棒
シャフトの内部に延在する気体流路から圧搾空気を吹き
込んで、パリソンをアウターダイ内径(66mmφ)の
約8.5倍(膨比)に膨らませ、約11.2のドラフト
比で引き取って、高分子量ポリエチレン処理前フィルム
No.1を作製した。
【0067】(実験例2) 〔処理前フィルムの作製〕膨比を8.5、ドラフト比を
5.4にした以外は、実験例1と同様にして、高分子量
ポリエチレン処理前フィルムNo.2を作製した。表
1、2に各実験例のフィルム物性を示す。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】(実施例1〜3、参考例)実験例1〜2で
作製した高分子量ポリエチレン処理前フィルムを使用し
て、圧縮加熱処理を行った。圧縮加熱処理は、東洋精機
(株)製 MINI TEST PRESS-10を使用し、表3に記載した
各条件により以下の方法で行った。インフレーションフ
ィルムは一つの筒状フィルムが二つ折りにされて成形さ
れるので、この状態で同一の処理前フィルムを二枚積層
したものとなる。実験例1〜2で作製した高分子量ポリ
エチレンインフレーションフィルムの筒状フィルムを二
つ折りして、同一の処理前フィルムが二枚積層された状
態で用いた。この積層体の両面に、離型フィルムとして
東レ(株)製ルミラーTMT60(25μm)を重ね、それを一
対のステンレス板間に挟み、処理前フィルムが収縮しな
いように、まず115℃、20MPaでプレス板圧縮し
た。その後表3に記載した圧縮処理温度まで昇温(昇温
速度約6〜7℃/min)して5分間保持し圧縮状態の
まま室温(23℃)で徐冷した。115℃まで降温後、
フィルムをとりだしてフィルム物性を測定した。結果を
表3に示す。なお、剥離の有無は、目視観察によった。
【0071】
【表3】
【0072】
【発明の効果】本発明の高分子量ポリオレフィン積層フ
ィルムの製造方法によれば、広い厚み範囲において良好
な透明性を有し、しかも引張強度などの優れた機械物性
が機械軸方向(MD)とその直交方向(TD)でバラン
スのとれた広幅の高分子量ポリオレフィンフィルムを簡
単なプロセスで生産性良く得ることができる。また、本
発明の製造方法は、溶剤や可塑剤等の接触が一切不要で
あり、環境適応性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において高分子量ポリオレフィン処理前
フィルムを製造するための成形装置の一例を示す正面断
面図である。
【符号の説明】
1 押出機 2 溝付シリンダー 3 第1スクリュー 10 トーピド 11 圧力計 20 スクリューダイ 20A 第2スクリュー先端部 20B スクリューダイ中間部 20C スクリューダイ出口 21 第2スクリュー 22 アウターダイ 23 マンドレル 24 気体流路 25 エアリング 26 安定棒 27 防風筒 30 パリソン 31 インフレーションフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 23:00 B29K 23:00 B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00 Fターム(参考) 4F100 AK03A AK03B AK04 AK04A AK04B AK62A AK62B AK66A AK66B BA02 BA03 BA04 BA05 BA15 BA16 EH012 EJ172 EJ37 EJ38 EJ422 GB04 GB23 GB41 GB66 GB87 JA04A JA04B JA06A JA06B JA07A JA07B JA20 JA20A JA20B JK02 JK02A JK02B JK07 JK08 JK09 JK10 JL02 JN01 YY00 YY00A YY00B 4F204 AA03A AA03C AC03 AG01 AG03 FA01 FA15 FB02 FG02 FG08 FN15 4F210 AA03A AA03C AG01 QA01 QC07 QK12 QW50 4F211 AA03A AA03C AC03 AG01 AG03 TA13 TC05 TH06 TN81 TQ01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極限粘度[η]が4dl/g以上の高分
    子量ポリオレフィンよりなり、かつ溶剤や可塑剤を実質
    的に使用することなく得られた同種又は同一の高分子量
    ポリオレフィン処理前フィルムを2枚以上積層し、該処
    理前フィルムの最も高い融点−15℃以上で該処理前フ
    ィルムの最も低い分解温度未満の処理温度範囲におい
    て、0.1MPa以上の圧力下に圧縮加熱処理すること
    を特徴とする高分子量ポリオレフィン積層フィルムの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記高分子量ポリオレフィン積層フィル
    ムが、下記の物性を有することを特徴とする請求項1に
    記載の高分子量ポリオレフィン積層フィルムの製造方
    法; (a) 極限粘度[η]が4dl/g以上、 (b) 厚さが200μm以下。
  3. 【請求項3】 前記高分子量ポリオレフィン積層フィル
    ムのヘイズ(H[%])が、厚さ(t[μm])と次式
    の関係にあることを特徴とする請求項2に記載の高分子
    量ポリオレフィン積層フィルムの製造方法; (c) H≦15+(t/3)
  4. 【請求項4】 前記高分子量ポリオレフィン処理前フィ
    ルムが、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルム、インフ
    レーションフィルムから選ばれるいずれかのフィルムで
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    高分子量ポリオレフィン積層フィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記高分子量ポリオレフィン処理前フィ
    ルムが、高配向融点を有することを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の高分子量ポリオレフィン積層フ
    ィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 極限粘度[η]が4dl/g以上の高分
    子量ポリオレフィンよりなり、かつ溶剤や可塑剤を実質
    的に使用することなく得られた同種又は同一の高分子量
    ポリオレフィン処理前フィルムを2枚以上積層し、該処
    理前フィルムの最も高い融点(Tm1)−15℃以上で該
    処理前フィルムの最も低い高配向融点+5℃の処理温度
    範囲において、0.1MPa以上の圧力下に圧縮加熱処
    理することを特徴とする請求項5に記載の高分子量ポリ
    オレフィン積層フィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記高分子量ポリオレフィン積層フィル
    ムが、下記の物性を有することを特徴とする請求項6に
    記載の高分子量ポリオレフィン積層フィルムの製造方
    法; (d) フィルムのMD及びTDの引張強度が70MPa
    以上。
  8. 【請求項8】 前記高分子量ポリオレフィンが高分子量
    ポリエチレンである請求項1〜7のいずれかに記載の高
    分子量ポリオレフィン積層フィルムの製造方法。
JP2000012614A 2000-01-21 2000-01-21 透明性に優れる高分子量ポリオレフィン積層フィルムの製造方法 Pending JP2001198937A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000012614A JP2001198937A (ja) 2000-01-21 2000-01-21 透明性に優れる高分子量ポリオレフィン積層フィルムの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000012614A JP2001198937A (ja) 2000-01-21 2000-01-21 透明性に優れる高分子量ポリオレフィン積層フィルムの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001198937A true JP2001198937A (ja) 2001-07-24

Family

ID=18540313

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000012614A Pending JP2001198937A (ja) 2000-01-21 2000-01-21 透明性に優れる高分子量ポリオレフィン積層フィルムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001198937A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2004020195A1 (ja) * 2002-08-29 2005-12-15 旭化成ライフ&リビング株式会社 ポリプロピレン系ラップフィルム
JP2006056169A (ja) * 2004-08-20 2006-03-02 Mitsui Chemicals Inc 超高分子量ポリオレフィンインフレーションフィルムおよびフラットヤーン
JP2017177673A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 栃木県 高強度超高分子量ポリエチレン成形体及びその製造方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60228122A (ja) * 1984-04-27 1985-11-13 Toa Nenryo Kogyo Kk ポリエチレン極薄フイルムの製造方法
JPS62156928A (ja) * 1985-12-28 1987-07-11 Mitsui Petrochem Ind Ltd ポリエチレンフイルムの製造方法
JPS62255122A (ja) * 1986-03-26 1987-11-06 ブリティッシュ・テクノロジー・グループ・リミテッド 延伸ポリマ−フイルム
JPH09183156A (ja) * 1995-11-01 1997-07-15 Mitsui Petrochem Ind Ltd インフレーションフィルムの製造方法、装置および成 形体
JPH1110729A (ja) * 1997-04-30 1999-01-19 Mitsui Chem Inc インフレーションフィルムの製造方法および成形体
JPH11268060A (ja) * 1998-03-24 1999-10-05 Nippon Mitsubishi Oil Corp ポリエチレン材料の製造方法
JPH11300826A (ja) * 1998-04-20 1999-11-02 Mitsui Chem Inc インフレーションフィルム

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60228122A (ja) * 1984-04-27 1985-11-13 Toa Nenryo Kogyo Kk ポリエチレン極薄フイルムの製造方法
JPS62156928A (ja) * 1985-12-28 1987-07-11 Mitsui Petrochem Ind Ltd ポリエチレンフイルムの製造方法
JPS62255122A (ja) * 1986-03-26 1987-11-06 ブリティッシュ・テクノロジー・グループ・リミテッド 延伸ポリマ−フイルム
JPH09183156A (ja) * 1995-11-01 1997-07-15 Mitsui Petrochem Ind Ltd インフレーションフィルムの製造方法、装置および成 形体
JPH1110729A (ja) * 1997-04-30 1999-01-19 Mitsui Chem Inc インフレーションフィルムの製造方法および成形体
JPH11268060A (ja) * 1998-03-24 1999-10-05 Nippon Mitsubishi Oil Corp ポリエチレン材料の製造方法
JPH11300826A (ja) * 1998-04-20 1999-11-02 Mitsui Chem Inc インフレーションフィルム

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2004020195A1 (ja) * 2002-08-29 2005-12-15 旭化成ライフ&リビング株式会社 ポリプロピレン系ラップフィルム
JP4480578B2 (ja) * 2002-08-29 2010-06-16 旭化成ケミカルズ株式会社 ポリプロピレン系ラップフィルム
JP2006056169A (ja) * 2004-08-20 2006-03-02 Mitsui Chemicals Inc 超高分子量ポリオレフィンインフレーションフィルムおよびフラットヤーン
JP2017177673A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 栃木県 高強度超高分子量ポリエチレン成形体及びその製造方法
JP7005867B2 (ja) 2016-03-31 2022-02-10 栃木県 高強度超高分子量ポリエチレン成形体及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4987025A (en) Inflation film of ultrahigh molecular weight polyethylene
EP0405916A1 (en) Bioriented film
US6168826B1 (en) Biaxially oriented polyethylene film with improved optics and sealability properties
JPH0416330B2 (ja)
US6540949B2 (en) Bioriented polyethylene film with a high water vapor transmission rate
CN110303747B (zh) 用于超高速、高热封性能、高收缩率包装的聚烯烃收缩膜
EP0438831B1 (en) Process for the mutual adhesion of layers of ultra-high molecular weight polyethylene
EP0204843B1 (en) Low temperature heat shrinkable film and process for producing the same
US4519969A (en) Stretched fluorine type film and method for manufacture thereof
JP4475699B2 (ja) 透明性に優れる高強度高分子量ポリオレフィンフィルムおよびその製造方法
JP2001198937A (ja) 透明性に優れる高分子量ポリオレフィン積層フィルムの製造方法
JPH06262679A (ja) 超高分子量ポリオレフィン二軸延伸フィルム及びその 製造方法
JP4345901B2 (ja) 高伸びを有する高分子量ポリオレフィン透明フィルムおよびその製造方法
JP4507031B2 (ja) 高透明部を有する高分子量ポリオレフィンフィルムおよびその製造方法
JP2000313070A (ja) 透明性の改善された高分子量ポリオレフィンフィルムの製造方法
US5536806A (en) Substantially crystalline poly(alkylene carbonates), laminate and methods of making
JP2022122963A (ja) 二軸配向ポリプロピレンフィルム
JPH0373452B2 (ja)
JPS59215833A (ja) 超高分子量ポリエチレン多孔質フイルムの製造方法
JP2580270B2 (ja) 超高分子量ポリエチレン二軸延伸フィルムおよびその製造方法
JP3866409B2 (ja) インフレーションフィルムの製造方法
JPH0424220B2 (ja)
JPH10237201A (ja) 高分子量ポリオレフィン多孔フィルムの製造方法
KR100203444B1 (ko) 선형 저밀도 폴리에틸렌 열수축성 필름 조성물 및 그 필름의 제조방법
JP3726225B2 (ja) インフレーションフィルムの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090721

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090909

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100421