JP5004561B2 - コーティング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、眼鏡などのレンズに、例えばフォトクロミックコーティングを高品質で行うことができるコーティング装置に関する。
光により色が変化する材料にフォトクロミック物質がある。フォトクロミック物質は、紫外線の有無によって構造が可逆的に変化し、吸収スペクトルが変わる性質を持っている。これは、一つの異性体に特定波長の光を照射すると、光の作用により単一の化学物質が吸収スペクトルの異なる異性体を可逆的に生成する物質の性質である。生成した他の異性体は、熱又は別の波長の光により元の異性体の色へ戻る。
このフォトクロミック材料の性質をレンズに利用したフォトクロミック眼鏡がある。フォトクロミック眼鏡は、太陽光のような紫外線を含む光が照射される屋外ではレンズが速やかに着色してサングラスとして機能し、光の照射のない屋内では、退色して透明な通常の眼鏡として機能する。
フォトクロミック性を有するレンズの製造方法としては、フォトクロミック性を有しないレンズの表面にフォトクロミック化合物を染み込ませる方法、モノマーにフォトクロミックコーティング液を溶解させ、それを重合させることにより直接フォトクロミックレンズを得る方法、及びフォトクロミック化合物を含有するコーティング剤を用いてレンズの表面にフォトクロミック性を有する層を設ける方法が知られている。
上述のレンズの製造方法のうち、フォトクロミックコーティング液をコーティングするコーティング法は、レンズを回転させながら、フォトクロミック液を入れた容器のノズルからフォトクロミックコーティング液をレンズの表面に吐出させてスピンコートすることにより、レンズの表面にコーティング層を形成している。たとえば、複数のレンズを連続してコーティングできる装置として、下記の特許文献1の技術があり、可撓性フィルムを用いレンズ上のコーティング液を延展する補助機構を付設した装置として、特許文献2の技術がある。
特開2000−334369号公報 特開2005−013873号公報
フォトクロミックコーティング液のスピンコーティングに際し、レンズの大きさ、勾配が同じで同種のレンズをコーティングする場合は、装置の設定を変える必要はない。しかしながら、大きさ、勾配の異なるレンズにコーティング液を塗布する場合、レンズの形状に装置を適合させる必要がある。このような場合、予め、レンズの高さや勾配が分かっていれば、装置の設定をそのパターンに合わせることができる。一方、レンズの高さ勾配が不明な場合は、あらためてそのレンズの高さ、勾配を調べてから、そのレンズにあった位置に応じて、レンズの高さ若しくはノズルの高さを合わすようにしていた。また、粘性の高いフォトクロミックコーティング液をレンズにスピンコートする場合には、回転時の遠心力があってもコーティング液がレンズの周縁部に溜まり、レンズの側面に滴下する問題もある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、レンズの高さ、勾配を自動的にかつ容易に検知することができ、安定したフォトクロミックのコーティング被膜を形成できるコーティング装置を提供することを目的とする。
本発明の第1のコーティング装置は、上記目的を達成するために、レンズの中心を求めるセンタリング装置と、レンズの表面側中心からレンズの表面側縁部までのレンズの勾配を測定するレンズ高さ計測装置と、レンズ表面側に吐出ノズルによってプライマコーティング液を塗布するプライマ液塗布装置と、レンズの勾配に応じた回転数によりプライマコーティング液を塗布されたレンズを回転させるプライマスピン装置と、レンズに塗布されたプライマコーティング液を乾燥させる乾燥装置と、レンズにコーティングされたプライマ被膜の上にフォトクロミックコーティング液を塗布するフォトクロミック液塗布装置と、レンズの勾配に応じた回転数によりフォトクロミックコーティング液を塗布されたレンズを回転させるフォトクロミックスピン装置と、窒素雰囲気によりフォトクロミックコーティング液を塗布されたレンズにUV光を照射させてコーティング層を硬化させるUV装置とを備え、前記センタリング装置、前記レンズ高さ計測装置、前記プライマスピン装置、前記乾燥装置、前記フォトクロミックスピン装置及び前記UV装置の各々が、レンズを支持するレンズ支持部を設け、これらのレンズの受け渡しが可能なレンズ移送手段を備え、該レンズ移送手段が軸を中心に回動するアーム状部材を有する一対のハンドリング装置を含んでなり、前記レンズを支持するレンズ支持部が、レンズのコーティング作業順別に前段のグループと後段のグループの2つのグループに分けられており、前記前段のグループに属する装置の各レンズ支持部が前記一対のハンドリング装置のうち一方のハンドリング装置の軌道内に配設されていると共に、前記後段のグループに属する装置の各レンズ支持部が他方のハンドリング装置の軌道内に配設されており、前記前段のグループに属する装置の各レンズ支持部のうち前記前段の作業順に最後に使用されるレンズ支持部が前記一方のハンドリング装置とともに他方のハンドリング装置の軌道内に配設されてなる。
上記発明は、前記前段のグループが、前記センタリング装置、前記レンズ高さ計測装置、前記プライマスピン装置、前記乾燥装置、及び前記フォトクロミックスピン装置を含んでなり、前記後段のグループが前記UV装置を含んでなり、前記フォトクロミックスピン装置のレンズ支持部が前記一方のハンドリング装置の軌道と他方のハンドリング装置の軌道との両方の軌道内に配置された態様を含む。
また、本発明の第2のコーティング装置は、上記目的を達成するために、レンズの表面側中心からレンズの表面側縁部までのレンズの勾配を測定するレンズ高さ計測装置と、レンズ表面側に吐出ノズルによってプライマコーティング液を塗布するプライマ液塗布装置と、レンズの勾配に応じた回転数によりプライマコーティング液を塗布されたレンズを回転させるプライマスピン装置と、レンズに塗布されたプライマコーティング液を乾燥させる乾燥装置と、レンズにコーティングされたプライマ被膜の上にフォトクロミックコーティング液を塗布するフォトクロミック液塗布装置と、レンズの勾配に応じた回転数によりフォトクロミックコーティング液を塗布されたレンズを回転させるフォトクロミックスピン装置と、窒素雰囲気によりフォトクロミックコーティング液を塗布されたレンズにUV光を照射させてコーティング層を硬化させるUV装置とを備え、前記センタリング装置、前記レンズ高さ計測装置、前記プライマスピン装置、前記乾燥装置、前記フォトクロミックスピン装置及び前記UV装置の各々が、レンズを支持するレンズ支持部を設け、これらのレンズの受け渡しが可能なレンズ移送手段を備え、
前記レンズ乾燥装置のレンズ支持部を複数配設するとともに前記UV装置を複数配設した
また、本発明の第3のコーティング装置は、上記目的を達成するために、レンズの中心を求めるセンタリング装置と、レンズの表面側中心からレンズの表面側縁部までのレンズの勾配を測定するレンズ高さ計測装置と、レンズ表面側に吐出ノズルによってプライマコーティング液を塗布するプライマ液塗布装置と、レンズの勾配に応じた回転数によりプライマコーティング液を塗布されたレンズを回転させるプライマスピン装置と、レンズに塗布されたプライマコーティング液を乾燥させる乾燥装置と、レンズにコーティングされたプライマ被膜の上にフォトクロミックコーティング液を塗布するフォトクロミック液塗布装置と、レンズの勾配に応じた回転数によりフォトクロミックコーティング液を塗布されたレンズを回転させるフォトクロミックスピン装置と、窒素雰囲気によりフォトクロミックコーティング液を塗布されたレンズにUV光を照射させてコーティング層を硬化させるUV装置とを備え、前記センタリング装置、前記レンズ高さ計測装置、前記プライマスピン装置、前記乾燥装置、前記フォトクロミックスピン装置及び前記UV装置の各々が、レンズを支持するレンズ支持部を設け、これらのレンズの受け渡しが可能なレンズ移送手段を備え、
前記センタリング冶具に支持されたレンズのレンズ面の中心と該中心から離れたレンズ面の他の箇所との2点間のレンズ高差を、前記レンズ高さ計測センサーに備えたセンサーによって検知するようにした
上記第3のコーティング装置は、前記レンズ高さ計測装置が、少なくとも1組の光を放射する発光器と、該発光器から放射された光を検出する受光器との組合せを備え、受光器における光の検出のレンズによる遮断によってもたらされる情報に基づいてレンズの高さを求めるようにした態様を含む。
上記第1のコーティング装置は、前記レンズの表面の中心から該レンズの表面の端縁部を結んだ直線に対して間隔を開けて且つ該直線に沿って前記プライマ液塗布装置の吐出ノズルを移動させながらレンズ表面に前記プライマコーティング液を塗布するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のコーティング装置。
上記第1のコーティング装置は、可撓性フィルムを具備する、前記レンズ表面上のフォトクロミックコーティング液を延展するための塗膜均一化装置を更に含んでなり、前記可撓性フィルムを、前記レンズ上面の中心部からレンズ上面の端縁部を結ぶ直線軌道に沿って移動させると共に、当該移動の間に前記可撓性フィルムの端縁部をフォトクロミックコーティング液と接触させることによってレンズ表面のフォトクロミックコート液を延展させるようにした態様を含む。
また、本発明の第4のコーティング装置は、上記目的を達成するために、レンズの中心を求めるセンタリング装置と、レンズの表面側中心からレンズの表面側縁部までのレンズの勾配を測定するレンズ高さ計測装置と、レンズ表面側に吐出ノズルによってプライマコーティング液を塗布するプライマ液塗布装置と、レンズの勾配に応じた回転数によりプライマコーティング液を塗布されたレンズを回転させるプライマスピン装置と、レンズに塗布されたプライマコーティング液を乾燥させる乾燥装置と、レンズにコーティングされたプライマ被膜の上にフォトクロミックコーティング液を塗布するフォトクロミック液塗布装置と、レンズの勾配に応じた回転数によりフォトクロミックコーティング液を塗布されたレンズを回転させるフォトクロミックスピン装置と、窒素雰囲気によりフォトクロミックコーティング液を塗布されたレンズにUV光を照射させてコーティング層を硬化させるUV装置とを備え、前記センタリング装置、前記レンズ高さ計測装置、前記プライマスピン装置、前記乾燥装置、前記フォトクロミックスピン装置及び前記UV装置の各々が、レンズを支持するレンズ支持部を設け、これらのレンズの受け渡しが可能なレンズ移送手段を備え、前記各レンズ支持部のうち、1つのレンズ支持部を移動できるように形成し、前記各レンズ支持部のうち2つのレンズ支持部を1つのレンズ支持部で共通化することができる。
上記第1のコーティング装置は、前記プライマスピン装置に支持されたレンズ裏面に向けて溶媒を噴射することにより、該レンズの裏面を洗浄するための洗浄用ノズルを更に含んでなることが好ましい。
上記第1のコーティング装置は、前記プライマコーティング装置の前記吐出ノズルの移動範囲内に設けられた待機槽であって、内部に溶剤を貯留し、前記吐出ノズルの非稼働時に吐出ノズルの先端部を該溶剤に漬けることによりプライマコーティング液の固化を防止するための待機槽を更に含んでなることが好ましい。
上記第1のコーティング装置は、前記フォトクロミックスピン装置の周辺に配設されたへらであって、フォトクロミックコーティング液のコーティング時に、前記フォトクロミックスピン装置に保持されたレンズの側面に当接可能なフィルム状のへらを更に含んでなることが好ましい。
本発明のコーティング装置は、プライマコーティング処理とフォトクロミックコーティング処理を1つのコーティング装置で実施することができる。
上記発明は、前記レンズ移送手段が軸を中心に回動するアーム状部材を有する一対のハンドリング装置であって、前記レンズ高さ計測センサー、前記プライマスピン装置、前記レンズ乾燥装置、前記フォトクロミックスピン装置及び前記UV装置の各レンズ支持部を、レンズのコーティング作業順別に前者と後者の2組に分け、前記一対のハンドリング装置のうち一方のハンドリング装置を前者の軌道内に配設し、他方のハンドリング装置を後者の軌道内に配設し、前者の各レンズ支持部のうち作業順に最後に使用されるレンズ支持部が前記一方のハンドリング装置ともに他方のハンドリング装置の軌道内に配設するようにしたので、ハンドリング装置が円形軌道をとるので動きが複雑にならない。また、1つのレンズ支持部を一方のハンドリング装置と他方のハンドリング装置の軌道内に配置したので、ハンドリング装置の数量を減らすとともに、効率よく次作業を行うことができる。
上記発明は、前記レンズ乾燥装置のレンズ支持部を複数配設するとともに前記UV装置を複数配設したので、比較的時間のかかるプライマコーティング液の乾燥と、UV作業によるフォクロミックコーティング液の硬化を同時進行することにより、1台の装置によってたくさんのレンズのコーティング処理を行うことができる。
上記発明は、前記センタリング冶具に支持されたレンズのレンズ面の中心と該中心から離れたレンズ面の他の箇所との2点間のレンズ高差を、前記レンズ高さ計測センサーに備えたセンサーによって検知するようにしたので、レンズの形状にこだわることなく、コーティング作業を行うことができる。
上記発明は、前記レンズ高さ計測センサーが、2組の発光器と受光器とを備え、発光器から受光器へ到達する光をレンズが遮断することによってレンズの高さを求めるようにしたので、レンズの特性を利用して精確な計測が可能になる。
上記発明は、前記レンズの表面の中心から該レンズの表面の端縁部を結んだ直線に対して間隔を開けて且つ該直線に沿って前記吐出ノズルを移動させながらレンズ表面に前記プライマコーティング液を塗布するようにしたので、レンズの中心部から外側までコーティング液を塗布することができる。
上記発明は、前記レンズのフォトクロミックコーティング液の塗布時にレンズ表面のフォトクロミックコーティング液をフィルムの端縁部で延展する塗膜均一化装置を備え、前記レンズを回転させながら前記塗膜均一化装置によって前記レンズ上面の中心部からレンズ上面の端縁部を結ぶ直線軌道に沿って、前記フィルムを移動させながらフォトクロミックコーティング液を延展させたので、粘性の大きなフォトクロミックコーティング液を効果的にレンズの外側に延展させることができる。
上記発明は、前記各レンズ支持部のうち、1つのレンズ支持部を移動できるように形成し、前記各レンズ支持部のうち2つのレンズ支持部を1つのレンズ支持部で共通化したので、レンズ支持軸の数を減らすことができる。
上記発明は、前記プライマスピン装置に支持されたレンズの下方に先端部をレンズの裏面に向けた洗浄用ノズルを配設し、該洗浄用ノズルによって溶剤をレンズの裏面に噴出するようにしたので、レンズの裏面に回り込んだプライマコーティング液を溶剤で洗浄することができる。
上記発明は、前記プライマコーティング装置の前記吐出ノズルの移動範囲内にプライマコーティング液の固化を防止するための溶剤を溜めた待機槽を設け、前記吐出ノズルの非稼働時に吐出ノズルの先端部を溶剤に漬けるようにしたので、プライマコーティング液の固化等を防止し、長時間のコーティング間隔をおいても、直ちにコーティング作業が可能となる。
上記発明は、前記フォトクロミックスピン装置の周辺に、レンズの側面上部に当接可能なフィルム状のへらを配設し、フォトクロミックコーティング液のコーティング時に前記へらをレンズ側面に当接するようにしたので、該へらによってレンズ上面からレンズ側面に滴下しようとするフォトクロミックコーティング液を除去し、レンズ側面へのコーティング液の付着を防止できる。
以下、本発明の実施の形態のコーティング装置について、図面を参照しながら説明する。
本明細書では、図1のコーティング装置のX軸方向の向きをコーティング装置の幅方向とし、Y軸方向の向きを前後方向とし、Z軸方向の向きを上下方向として説明する。
図1に示すコーティング装置1は、レンズにコーティング被膜を形成するための装置である。コーティング処理は、図2のフロー図に示すレンズ前処理洗浄から、アニールまでのフォトクロミックコーティング作業工程のうち、プライマコーティング処理(以下、プライマーコートとも呼ぶ)とフォトクロミックコーティング処理(以下フォトクロコートとも呼ぶ)とを行う装置である。
コーティング装置1は、主としてレンズの中心位置を決めるセンタリング装置2、レンズの高さや勾配を計測するレンズ高さ計測装置3、プライマコーティング時にレンズを支持して回転させるプライマスピン装置4、レンズの表面にプライマコーティング液を塗布するプライマ液塗布装置5、レンズに塗布されたコーティング液を乾燥させるレンズ乾燥装置6、フォトクロミックコーティング時にレンズを支持して回転させるフォトクロミックスピン装置7、レンズの表面にフォトクロミックコーティング液を塗布するフォトクロミック液塗布装置8、レンズのコーティング液の膜厚を一定にする塗膜均一化装置9、コーティング液を硬化させるUV装置10,11、レンズを移送させる一対のハンドリング装置12,13を備えている。
図3及び図4は、レンズのセンタリング装置2を示し、センタリング装置2は、コーティング装置1の基台16の左側部に配設されている。センタリング装置2は、水平方向における外周形状がほぼ矩形であり、上方からの平面視において中心部に円弧形状の湾曲面を有する一対のブロックプレート21が、間隔を開けて設けられ、このブロックプレート21の各々には、レンズ15をセンタリングする階段状で同心円上に配置されている段部dを形成している。段部dは、各レンズ15のサイズの外周形状に合わせて形成され、一番下側の段部d1からd2、d3、d4、d5の順に、小径のレンズから大径のレンズに対してセンタリングをすることができる。
センタリング作業は、各レンズ15のサイズに応じた段部d1〜d5に、レンズ15の下側縁部(レンズの裏側縁部)を当接させることによってレンズ15の中心に対する位置出しを行う。このセンタリング装置2による位置出しは、後続の作業におけるレンズ15のセンタリングの基準となる。センタリング装置2の段部dには、人手によってレンズ15を載置する。
一対のブロックプレート21の段部dの中心には、横断面が円形のセンタリングロッド22が設けられている。センタリングロッド22は、先端部を上方に向けて立設され、センタリングロッド22の中心位置が段部d1〜d5の中心と一致するように配置されている。センタリングロッド22は、段部dに載置されて位置出しされたレンズ15をセンタリングロッド22を上昇させることによって、センタリングロット22の先端部に支持できるように構成されている。したがって、センタリングロッド22はセンタリング装置2のレンズ支持部として機能する。
センタリングロッド22は、基台16の側面に設けられている図示しない昇降装置によって上下動することができ、基台16に形成された16aを介して、センタリング装置2とレンズ高さ計測装置3との間を、横方向に移動が可能である。したがって、センタリングロッド22はレンズ高さ計測装置3のレンズ支持部として機能する。
図5のA〜Cは、レンズ高さ計測センサー3を示す。
レンズ高さ計測装置3は、基台16上に配設されている一対の支持ブラケット23が間隔を開けてかつ対向して設けられている。支持ブラケット23の上面には、2組のセンサーユニット24,25が配設されている。センサーユニット24,25のセンサー24a,25aは、発光部(発光器)と受光部(受光器)とを有し発光部によってレーザ光を照射し、ミラー(フォトリフレクター)24b,25bはそのレーザ光を反射してセンサー24a,25aの受光部で受光することができる。
各センサーユニット24,25は、センサー24a,25aとミラー24b,25bとが互い違いにかつ向かい合って配設され、一方のセンサー24a及びミラー24bを結ぶ線に対し、他方のセンサー25a及びミラー25bを結ぶ線が、同じ水平高さ位置でかつ平行に配置されている。センサー24a,25aとミラー24b,25bとの間に、センタリング装置2からセンタリングロッド22で移送されたレンズ15が配置される。センサーユニット24,25は、レンズ15がセンサー24a,25a及びミラー24b,25b間に配置されると、レーザ光がレンズ15により屈曲されることによって遮断されてレンズ15の有無とレンズ面の基台16からの基準高さを検知する。
図6は、プライマスピン装置4と、プライマ液塗布装置5を示す。
基台16の内部には、プライマスピン装置4の昇降ユニット27が配設されている。昇降ユニット27は、基台16側に固定された基台側支持板28を設け、基台側支持板28にはガイドレール29が垂直方向に設けられ、ガイドレール29には昇降ブロック30が嵌合している。昇降ブロック30は、図示しないロッドレスシリンダによる空圧手段により、ガイドレール29に沿って上下動することができる。なお、エア方式の空圧手段に代えて、ボールネジ方式、チェン方式、マグネット方式、スリット方式、ワイヤ方式が適用できる(以下で説明するシリンダについても同様である)。
昇降ブロック30には、サーボモータ(パルスモータでもよい)31が設けられ、サーボモータ31には上方側に回転軸が設けられ、先端部を上方に向けたスピン軸32に接続されている。スピン軸32の上端部には、図7に示すように、O−リング33が装着されている。スピン軸32の中心部には吸着孔34が設けられ、吸着孔34は図示しない空気吸引手段と接続され、レンズ15を吸着できるように構成している。
スピン軸32の周囲には、台座35が基台16上に配設され台座35の上部には、コーティング液の回収トレイ36が設けられている。スピン軸32は、回収トレイ36と台座35を貫通し、回収トレイ36の底面から上方に突出している。したがって、スピン軸32はプライマスピン装置4のレンズ支持部として機能する。
図6にプライマ液塗布装置5を示す。
図に示すように、基台16にはX軸ガイドユニット39がX軸方向に延在している。X軸ガイドユニット39は、サーボモータ40に接続されたX軸ボールネジ41に螺着され、X軸ボールネジ41にはスライドユニット42が螺着されている。サーボモータ40を駆動させると、スライドユニット42がX軸方向に進退移動することができる。
スライドユニット42には、サーボモータ43の回転軸に接続された上下方向に延びるZ軸ボールネジ44が取付けられている。Z軸ボールネジ44には、このネジ部に螺着する昇降ブロック45が取付けられ、サーボモータ43が駆動すると、昇降ブロック45が上下動するように構成されている。昇降ブロック45には、クランク形状の支持部材46が取付けられている。支持部材46の先端部にはディスペンスバルブ47を取付け、ディスペンスバルブ47の下端部には、コーティング液を吐出するノズル48が、その先端部を直下に向けて配設されている。支持部材46には、Y軸方向にノズル48位置を調整するための調整スライダ50が取付けられている。ノズル48の中心位置、及びプライマ側レンズ支持装置4のスピン軸32の中心位置合わせは、スライドユニット42及びスライダ50によって調整ができる。
図8は、レンズ15の裏面洗浄用ノズル85を示す。裏面洗浄用ノズル85は、スピン軸32の側部に設けられ、スピン軸32に支持されたレンズ15の直下に位置するように配置されている。裏面洗浄用ノズル85には、図示しない溶剤の供給源に接続され、図示しないノズルの遮蔽手段の開閉により、任意に溶剤を噴出するようにしている。裏面洗浄用ノズル85は、基台16に設けられた貫通孔から基台6から上方に突出し、噴射ノズル85aを垂直方向(傾斜させてもよい)へ向け、レンズ15がスピン軸32に支持されているときには、レンズ15の裏面に溶媒を噴出することができる。
コーティング装置1の基台16には、図9に示すディスペンスバルブ47のノズル48を浸漬するためのノズル待機槽72が設けられ、ノズル待機槽72の内部には溶媒が溜められている。ノズル待機槽72の位置は、プライマ側レンズ支持装置4の側部に位置させている。プライマ液塗布装置5の非稼動時では、ディスペンスバルブ47のノズル48の先端が、ノズル待機槽72の溶媒中に浸けられ、サーボモータ43を駆動させると、昇降ブロック45がスライドユニット42を上方移動する。これによって、ディスペンスバルブ47が上方に移動し、X軸ガイドユニット39のサーボモータ40を駆動させると、ディスペンスバルブ47をX軸方向へ移動させて、ノズル48をスピン軸32の中心の直上方に位置させる。そして、再度サーボモータ43を駆動させてノズル48の高さをレンズ15に対応させ、コーティング液の塗布時の高さに調整できる。
ノズル待機槽72は、内部が溶媒槽72aとオーバフロー槽72bの2つの区画に仕切られている。溶媒槽72aに溶媒が供給され、余剰となったものがオーバフロー槽72bへ流れることにより溶媒槽72aの溶媒の液面の高さを一定に保つ構造となっている。ノズル待機槽72は、溶媒液の減少を検知する液面センサーや、少なくなった溶媒を自動で溶媒槽72へ供給する機構を有してもよい。
図10及び図11は、レンズ乾燥装置6を示す。
レンズ乾燥装置6は、本実施の形態では3つの箱からなり、1つのレンズ乾燥ボックスは、各ボックスが2枚の仕切り板51で上下に区画されることによって、各ボックスに収容室52が3室設けられ、全体として9室が形成されている。各収容室52は開口を一方のハンドリング装置12側に向け、各収容室52の底部には、レンズ支持軸53が垂直方向に立設され、レンズ支持軸53の上端部にはレンズ15が載置できるように形成されている。したがって、レンズ支持軸53は、乾燥装置6のレンズ支持部として機能する。
図12は、フォトクロミックスピン装置7、フォトクロミック液塗布装置8及びコーティング液の塗膜均一化装置9を示している。
フォトクロミックスピン装置7は、基台16のほぼ中央部に設けられ、基台16から上方側に突出する円形台座55を形成している。基台16の内部にはガイドレール56が設けられている。ガイドレール56には、図示しない空圧力で上下(垂直)方向にガイドレール56のレール56aを摺動するレンズ支持部材57が設けられている。レンズ支持部材57にはサーボモータ58が固定され、サーボモータ58には上方に延びるスピン軸59が取付けられ、スピン軸59には円形台座55に形成された孔55aを貫通している。なお、スピン軸59の上端部には、プライマ側レンズ支持装置4の図7に示すスピン軸32と同様に、O−リングが装着されている。スピン軸59の中心部には吸着孔が設けられ、吸着孔には図示しない空気吸引手段と接続され、レンズ15を吸着できるように構成し、レンズ15を支持できるようにしている。したがって、スピン軸59は、フォトクロミックスピン装置7のレンズ支持部として機能する。スピン軸59の周囲には、フォトクロコーティング液を回収するトレイ60が配設されている。
図12に示すように、フォトクロミック液塗布装置8には、基台16上にエアスライドテーブル61が設けられ、エアスライドテーブル61上にはスライドブロック62が、コーティング装置1の前後(Y軸)方向に摺動可能となるように嵌合している。スライドブロック62には、上下方向に延びるZ軸ボールネジ63が枢軸され、Z軸ボールネジ63の上端部には、サーボモータ64が取付けられている。サーボモータ64には、ボールナットを備えた容器支持部材65が取付けられ、容器支持部材65にはコーティング液を収容した容器66が支持されている。容器支持部材65は、図13に示すように、容器66に対して、回動軸68aを軸心にして支持角度が変異可能になるように取付けている。容器66は、スライドブロック62がエアスライドテーブル61上を前後方向に摺動することによって、レンズ15の中心の直上方から半径方向外側への移動が可能である。
容器66の内部には、コーティング液が入れられ、容器66の下部には、液ダレ防止弁67の上端が着脱自在に接続され、液ダレ防止弁67の下端にはノズル68が着脱自在に接続されている。
図14に示すように、液ダレ防止弁67には、球形の弁球69とスプリングバネ70を配設し、スプリングバネ70で弁球69を上方側に付勢している。容器66の上部にはチューブ71を接続し、チューブ71には図示しない空気供給手段と接続されている。容器66は、チューブ71から空気が圧送されると容器66内の図示しないプランジャーがコーティング液を押圧し、スプリングバネ70の押圧力に抗して弁球69が下方に押されて開弁し、コーティング液をノズル68から吐出するように構成されている。
図12に示すように、塗膜均一化装置9は、基台16の上にY軸スライドユニット73が設けられている。Y軸スライドユニット73には、Y軸サーボモータ74が取付けられ、Y軸サーボモータ74には軸受け75,76に軸支されたY軸ボールネジ77を回転可能に取付けられている。Y軸ボールネジ77には、これに螺着するボールナットを備えたZ軸スライドユニット78が螺着され、サーボモータ74の回転により、Z軸スライドユニット78は前後方向に移動が可能である。
Z軸スライドユニット78には、上部にサーボモータ79が取付けられ、軸受け80,81に軸支されたZ軸ボールネジ82には、これに螺着するボールナットを備えた昇降ステージ83が取付けられている。サーボモータ79が回転すると、昇降ステージ83は上下動することができる。昇降ステージ83の上部には、スピン軸59側に延びるアーム84を設け、アーム84の先端部にはフォトクロミックコーティング液の膜厚を均一化するためのPETフィルムなどのプラスティックフィルムからなる可撓性フィルム86を垂下させている。Y軸サーボモータ74を駆動させて、昇降ステージ83を横方向に移動させると、フィルム86はレンズ15の中心上の半径方向の軌道を通る。
スピン軸59の近傍には、図15に示すようなレンズ15の側面15aに、コーティング液の付着を防止するへら固定用冶具111を設けている。へら固定用冶具111は、取り付け板112によってアーム113に固定されている。アーム113は、基台16に固定された図示しない移動手段に取り付けられ、スピン軸59に向かって前進及び後退可能となっている。取付板112の上側には、取付板112に形成した孔115を摺動する摺動ロッド116を設け、下側に取付板112のレンズ15に対向した面に取付けられた固定ロッド117を設け、これらのロッド116,117の先端部にへら119の把持部118を取付けている。摺動ロッド116には、取付板112と把持部118との間にバネ120を圧縮状態で配設し、固定ロッド117に把持部118が摺動できるように構成されている。へら119は、へら119とレンズ15の当接部である側端縁121の上端部がレンズ15の中央側に傾斜するように配置し、へら119の当接縁121がレンズ15の外周面15aに当接するようにしている。
図16は、コーティング液を硬化させるUV装置10,11を示す。一対のUV10,11は同じものであり、一方のUV装置10について説明する。
UV装置10は、図示しない昇降手段によりメインブロック88が、上下方向に昇降することができる。メインブロック88には、レンズ15の直上方に配置される図17に示すUVランプ89が設けられている。
UVランプ89の下部には、レンズ15を囲みステンレスからなる筒体90が設けられている。筒体90の周囲には、コイル状に巻回する冷却パイプ91が配設され、冷却パイプ91の内部には冷却水が循環することができる。筒体90の上部には、ガス供給口92が設けられ、筒体90内に不活性ガスであるNを導入することができる。Nは筒体90の下部に設けたガス排出口93から筒体90外へ排出される。筒体90の上部には、UV光を透過させるためのホウケイ酸ガラス製の窓94が設けられている。
図1に示すUV装置10,11は、基台16の片側(図面、右側)に設けられ、図16に示すように、基台16から上方側に突出する円形台座95を形成している。基台16の内部には、ガイドレール96が設けられ、ガイドレール96には、図示しない空圧力でガイドレール96のレール96aを上下方向に摺動するレンズ支持部材97が設けられている。レンズ支持部材97にはサーボモータ98が固定され、サーボモータ98には上方に延びるスピン軸99が取付けられ、スピン軸99には円形台座95に形成された孔95aを貫通している。サーボモータ98が回転すると、スピン軸99を介してレンズ15が任意の回転数で回転する。
なお、スピン軸99の上端部には、プライマスピン装置4の図7に示すスピン軸32と同様に、O−リングが装着され、スピン軸99の中心部には吸着孔が設けられ、吸着孔には図示しない空気吸引手段と接続され、空気の吸引力によってレンズ15を吸着し、レンズ15が支持される。したがって、スピン軸99は、UV装置のレンズ支持部として機能する。
図18に示すように、コーティング装置1には、レンズ15を移送させる一対のハンドリング装置12,13を備えている。ハンドリング装置12,13は、円柱形状のベース101,102に昇降可能な回転軸103,104が設けられ、回転軸103,104には回動可能にアーム105,106が取付けられる。一方のアーム105には、関節部107a,107bを形成し、先端側の関節部107bにはレンズ15を支持するハンド108を接続している。他方のアーム106には、関節部109a,109bを形成し、先端側の関節部109bにはレンズ15を支持するハンド110を接続している。
アーム105,106は、関節部107a,107b及び関節109a,109bを曲げる(回動)ことによって、各々の回転軌道を半径方向に広げたり縮めたりすることができる。
すなわち、一方のアーム105のハンド108は、センタリング装置2のレンズ支持部及びレンズ高さ計測装置3のレンズ支持部として機能することができるセンタリングロッド22、プライマスピン装置4のスピン軸32、レンズ乾燥装置6のレンズ支持軸53、フォトクロミックスピン装置7のスピン軸59上を軌道内に入れて回動可能である。U字形状のハンド108は、それらの軸部を横方向から間に挟みこんだ状態からハンド108を上方移動させて、レンズ15をハンド108上に保持することができる。他方のアーム106のハンド110は、フォトクロミック装置7のスピン軸59とUV装置10,11の各スピン軸99上を軌道内に入れて回動可能である。このU字形状のハンド110もまた、これらの軸部を間に跨ぐように挟みこんだ状態からハンド110を上方に移動させて、レンズ15をハンド110上に保持することができる。
反対に、レンズ15を保持したハンド108,110は、それらの軸部を間に跨ぐように挟みこんでハンド108,110を下方移動させて、レンズ15を軸部の上に支持させることができる。
次に、本実施の形態のコーティング装置によるフォトクロコート作業の手順について説明する。
基材として、例えば、チオウレタン樹脂製のレンズ基材を用い、図2のフロー図に示すように前処理として、アルカリ水溶液や、超音波洗浄によるレンズ15の洗浄を行う。
次いで、コーティング装置1による作業が行われ、図3及び図4に示すセンタリング装置2に、レンズ15をセットする。レンズ15は、外径の大きさに応じた段部d1〜d5のいずれかに適合されることによって、センタリングがされる。レンズ15のセットは、人手によって行うが、機械的にハンドリング装置で行ってもよい。
センタリングが終了したレンズ15は、センタリング装置2の段部dの中心直下に配置していたセンタリングロッド22に載置される。センタリングロッド22は、レンズ15をコーティング装置1の幅方向へ搬送し、レンズ高さ計測センサー3まで移送させる。センタリングロッド22は、センタリング装置2におけるレンズ支持軸であり、レンズ高さ計測装置3のレンズ支持軸であってレンズ支持部の共通化を図っている。
レンズ15は、レンズ高さ計測装置3によって、レンズ15の高さ、及び図19のBに示すレンズ15の表面側のセンターcからレンズ15のコバ(レンズの上面側周端縁)bまでの高低差h’を検知する。レンズ15の高さを求めるのは、レンズ15を塗布装置5,8のノズル48,68の高さに合わせるためである。レンズ15の高低差h’を検知するのは、レンズ15の勾配を求め、レンズ15のスピン条件を決定するためである。
検知作業は、レンズ高さ計測装置3のセンサーユニット24,25のセンサー24a,25aと、ミラー24b,25bとの間にレンズ15を挟むようにして行われる。すなわち、センタリングロッド22をセンサーユニット24,25よりも低い位置に配置し、下方位置からセンタリングロッド22を上昇させると、レンズ15のセンター位置に設置された一方のセンサー24aのレーザ光24cが、レンズ15によって屈折される。レーザ光24cがミラー24bまで達せず又は達しても屈折されているので、センサー24aまで戻らないので、レンズ15の存在が検知される。このレンズ15のセンターを測ることで、基台16を基準としたレンズ15の高さが分かる。
図19のAに示すように、センサー24aのレーザ光が遮断された際に、他方のセンサー25aでは、センサー25aの発光部からのレーザ光25cがミラー25bを介してセンサー24bに戻っているので、レンズ15が存在しないことが分かる。さらに、レンズ15を上昇させると、レーザ光25cがレンズ15に当たり、レーザ光25cの屈折によりミラー25bではレーザ光25cが達しないか又は屈折されてセンサー25aに戻らず、レンズ15の存在が認識される。こうして、レンズ15のセンター位置(頂点)と、レンズ15のセンター以外の任意の位置の高低差hが検出される。
レンズ15の中心からコバbまでの上下方向における高差h’は、レンズ15のセンターの高さと、他方のセンサーユニット25で検出したレンズ15の高低差hを知ることによって導くことができる。
すなわち、2点間の距離が分かれば、図19のBを参照にして、次式から算出できる。
Figure 0005004561
ここで、Rは、レンズの上面の曲率半径である。
実用上は上式の代わりに、次式のような簡略化した近似式を用いて高差h’を算出することができる。
h’=H/4L
これらの式で算出した曲率半径Rの大きさ、即ちレンズ15の曲率や高差から導き出したレンズ15の勾配に応じて、次工程でのレンズ15の回転数、回転時間等が定められる。
レンズ15の高さ計測では、レンズ15を回転させ、一定角度ごとに別角度からの高さの計測を繰り返し行うことが可能である。多方面の角度からの測定を行うことにより、レンズ15が傾いて設置された場合や、累進多焦点レンズ等のレンズの曲率が一定でないレンズを高さ計測する際に、より正確に高さを計測することが可能である。例えば、レンズ15のセンター位置(レンズ表面の回転軸上の点)の高さ計測においては、多角度からの測定を行い、その最小値を採用することにより、より正確な高さを求めることができる。また、中心以外の点の測定では、多角度からの測定を行いその平均値を採用することにより、レンズ15が傾いて設置された場合の測定誤差を小さくでき、より正確なレンズ15の曲率を求めることができる。
さらに、レンズ高さ計測装置3は、帯状のレーザ光を発する投光部(発光部)と、CCDラインセンサー等の、微小な受光素子が直線状に配置された受光部からなるセンサーを採用することが出来る。このセンサーを使用すれば、センサーとレンズ15との位置を少しずつ変更しながら計測しなくても、投光部と受光部の間にレンズ15を設置するだけで瞬時に高さを計測でき、レンズ15の高さ計測時間を短縮することが可能である。
レンズ15の曲率又は勾配が求められたレンズ15は、ハンドリング装置12のハンド108に保持され、プライマスピン装置4のスピン軸32上に載置され、スピン軸32の先端中央にセンタリングされたレンズ15が吸着される。
次いで、レンズ15のプライマコーティング作業が行われる。
先ず、ノズル48のプライマコーティング作業の直前に、ノズル待機槽72にノズル48を浸漬させた状態で、少量のコーティング液を吐出させる(空うち作業)。空うち作業によって、ノズル48の浸漬時にノズル48内に僅かに拡散・混入した溶媒をノズル外に放出し、溶媒が混入して不均一となったコーティング液をレンズ15の表面に塗布するのを防止できる。空うち作業は、コーティング液がレンズ15の表面に塗布されない場所であれば、ノズル待機槽72の外でおこなってもよい。常時、適正なコーティング液の品質を得ることができる。
図19のCに示すように、プライマコーティング作業は、ディスペンスバルブ47のノズル48をレンズ15の中心にセットしておき、レンズ15の中心cからコバbまでの直線ラインに対して、上方に10mm以下の間隔hを開けて、かつその直線ラインに平行にノズル48をレンズ15の中心の直上方からレンズの上面端縁まで、レンズ15の半径方向へ直線移動させて行う。
この動作は、塗布装置5のサーボモータ40を駆動してスライドユニット42を移動させ、スライドユニット42のサーボモータ43を駆動して昇降ブロック45を下降させることによって、ノズル48の先端部をレンズ15の中心からコバbを結ぶ直線ラインに平行に移動することができる。コーティング液の塗布作業中は、昇降ブロック30のサーボモータ31を駆動してスピン軸32を回転させながら行なう。
プライマコーティング液は粘性が小さいので、回転させたレンズ15の遠心力によって、レンズ15の表面全体にコーティング液を均等に拡散する。具体的には、コーティング液の塗布時におけるレンズ15の回転数は約70rpmであり、コーティング液を塗布した後、1000rpmで5秒程度回転させて膜厚を調整している。コーティング層の厚さは7μmである。なお、これらの回転数は、レンズ15の勾配や、レンズ15周辺の温度に応じて変更し、適正膜厚になるように調整している。
上述したように、プライマコーティング液は粘性が小さいので、コーティング液がレンズ15の側面15aから裏面に回り込むおそれがある。コーティング液を塗布又はスピンコートする際(あるいは直後)に、レンズ15を回転した状態で、レンズ15の裏面に、裏面洗浄用ノズル85の噴射ノズル85aによって、レンズ15の裏面に向けて溶剤を噴射させる。噴射液によって、レンズ15の裏面のコーティング液は、レンズ15から洗い流すことができる。
レンズ15の裏面からコーティング液を除去する理由は、以下の通りである。
レンズには、製造工程でモールドからの転写時にレンズの両面が所定の光学面に仕上げられるフィニッシュレンズと、裏面が研磨加工によって光学面に削られるセミフィニッシュレンズがある。フィニッシュレンズの場合は、コーティング液が裏面に付着、硬化されると、汚染によって不良品となる。セミフィニッシュレンズは、コーティング後に度数出しのために、レンズの裏面を研磨するため、影響は少ない。コーティング液をレンズの裏面に付着させたまま作業を続行すると、下流側の搬送アーム等の装置にコーティング液が付着するのを防止できる効果もある。
コーティング作業が終了した後は、ディスペンスバルブ47のノズル48の乾燥を防止するため、ノズル48の先端をレンズ待機槽72の溶媒中に浸ける。プライマコーティング液の固化等を防止し、長時間のコーティング間隔をおいても、直ちにコーティング作業が可能となる。
レンズ15の表面にプライマコーティング液を塗布した後は、ハンドリング装置12によって、レンズ15がスピン軸32からレンズ乾燥装置6に搬送される。
レンズ乾燥装置6では、レンズ支持軸53の上部にレンズ15を支持させて乾燥処理が行われ、常温でコーティング液を15分間乾燥(固化)させる。ウレタンプライマーからなるコーティング液は、湿気により固化する性質を有する。そして、レンズ乾燥装置6では、レンズ15のコーティング液が固化した後に、レンズ乾燥装置6から取り出される。ここまでの作業がプライマコート作業であり、乾燥処理されたレンズ15は、次工程でフォトクロミックコーティング作業がされる。
コーティング装置1では、プライマ液塗布装置5でレンズ15にコーティング作業をしている間に、レンズ高さ計測センサー3によってレンズ15の形状を検知し、センタリング装置2にレンズ15が搬送される。こうして、順次レンズ15のコーティング作業が円滑に行われる。比較的時間がかかるレンズ15の乾燥作業では、多数のレンズ支持軸53を配設することにより、複数のレンズ15の乾燥が随時なされている。したがって、レンズ15のプライマコーティング作業が効率よく行われ、短時間でたくさんのレンズ15にプライマコーティングが行える。
次に、レンズのフォトクロミックコーティング作業について説明する。
このコーティング作業では、ハンドリング装置12によって、プライマコーティング層を固化させたレンズ15を、レンズ乾燥装置6からフォトクロミックスピン装置7のスピン軸59に移動させる。
図12に示すように、レンズ15はスピン軸59によって支持され、塗布装置8のエアスライドテーブル61上をスライドブロック62が移送されることによって、容器66のノズル68がレンズ15の直上方に配置される。レンズ15は、スピン軸59の上で回転可能なように支持され、容器66は想像線で示すように傾斜させた状態でノズル68からレンズ15表面にフォトクロコーティング液を吐出させる。本実施の形態では、ノズル68の先端をレンズ15の中心位置(レンズ15の回転軸上で、レンズ15の表面から1mm程度上方の位置)に固定した状態で、レンズ15の表面へコーティング液を吐出する。ノズル68を傾斜させた理由は、次に説明するフィルム86とノズル68が干渉するのを防止するためである。ノズル68は、先端形状をL字形などに曲げて可撓性フィルム86との干渉を避けてもよい。また、スピン軸59は全体として同一径とし、軸径は細いほうがよい。軸径が太かったり、大径部分を形成すると軸が回転したときにコーティング液が飛び散り、レンズ15に再付着して不良の原因となるからである。
図19のDに示すように、レンズ15上に吐出されたコーティング液は、延展補助手段であるフィルム86の下縁部との接触によって、レンズ全体に押し広げられる。レンズ15の回転数とフィルム86の移動は、レンズの高さ計測により求めたレンズの勾配を考慮して、レンズ15の中央部に供給されるコーティング液を最も効率よくレンズ15上面全体に延展する条件で行われる。
塗膜均一化装置9によりレンズ15上に移送されたフィルム86が、レンズ15上で撓んだ状態でレンズ15を回転させると、フィルム86によって一部堰止められたコーティング液がレンズ15上に一時的に溜まる。溜まったコーティング液は、フィルム86の復元力によってほぼ均一の厚さに押し延ばされる。この状態を保ちながら、フィルム86をレンズ15のセンターからコバb(図19参照)までの直線軌道に沿って徐々に移動させる。フィルム86の移動中は、レンズ15の曲面にしたがってフィルム86の撓み具合は変化するが、その復元力はあまり変化しない。
フィルム86の撓みを利用することによって、フィルム86の上下方向の位置制御をレンズ曲面に応じて厳密に行わなくても、コーティング液を基材表面全面に渡ってきれい(濡れムラ無くほぼ均一な厚さで)に覆うように延展させることができる。また、厚みムラを発生しないようにコーティング液を延展することができるので、コーティング液の利用率を高くし、高粘度の液を少量でレンズ15の全体に塗布することが可能である。
この段階では、レンズ15上のフォトクロミックコーティング液量は、目的とするフォトクロミック被膜の膜厚よりも多くなり、レンズ15上の余分なコーティング液を目的とする液量まで取り除く必要がある。コーティング液の適量化は、レンズ15を回転させて、レンズ15上のコーティング液を振り落とす作業を行う。レンズ15の回転数は、装置内温度とレンズ15の勾配に応じた条件で決定され、例えば600rpmでレンズ15をスピンさせる。
図15に示すように、コーティング作業では、レンズ15の外周面15aの上(角)部に、へら固定用冶具111のへら119の縁部を当接させる。この際、図示しない移動手段によりアーム113をスピン軸59の方向へ前進させ、コーティングするレンズの直径に応じて自動的にへら119の位置を調整する。へら119の当接縁121は、上端部がレンズ15の中心側に傾斜させているので、レンズ15の表面の外周縁側に溜まったコーティング液を取り除くことができる。へら119の当接縁121の下側では、当接縁121とレンズ15の外周面15aとの間に隙間を形成しているので、レンズ15の回転時の遠心力で、コーティング液がへら119側に案内され、レンズ15の外周面15a側に付着することを防止できる。この結果、レンズ15の端縁から外周面15aにコーティング液が滴下するのを防止できる。
へら固定用冶具111のバネ120は、へら119を支持する把持部118をレンズ15側にほぼ一定の力で押圧する役割を果たす。へら119により除去されたコーティング液は、トレイ60に滴下して回収される。
へら119を当接せずにコーティングを行った場合には、レンズ15の側面にコーティング液が付着し、後述するUV装置10によって、UV硬化される場合がある。UV硬化後のアニール処理では、レンズ15の側面に不均一に付着したコーティング液により、レンズ15に光学的な歪が生じる場合がある。レンズ15は、側面に付着したコーティング液の分だけレンズ径が大きくなり、ハードコート処理や反射防止膜コート処理等の後工程における専用治具とのサイズが合わなくなる不具合が生じることもある。
これらの問題を回避する為には、UV硬化後、研磨装置等でレンズ15の側面を研磨し付着したコーティング液を除去する必要があり製造工程が煩雑となる。本実施形態では、コーティングの際、へら119を当接させて、レンズ15の外周面15aへコーティング液が付着するのを防ぐことが可能とし、研磨処理を省略することができる。
フォトクロミックコーティング液は、プライマコーティング液に比較して液の粘性が大きいため、比較的レンズ裏面への回りこみの程度は小さいが、レンズ裏面の曲率が小さい場合には、フォトクロミックコーティング液おいても裏面に回り込む場合がある。このような場合にでも、へら119を当接してコーティングをおこなった場合には、レンズ15の側面だけでなく、裏面へコーティング液が回りこむのも防止することができるため、レンズの裏面がコーティング液によって汚染されるのを防止することができる。
このように、へら119を用いて、余分なフォトクロミックコーティング液を除去すると、上述したように、レンズ15の裏面を研磨しないフィニッシュレンズの場合に、特に効果がある。
レンズ15にフォトクロミックコーティング液の塗布が終了した後は、他方のハンドリング装置13によって、レンズ15を塗布装置8のスピン軸59からUV装置10(又はUV装置11)に設けられているスピン軸99に支持させる。スピン軸59は、一方のハンドリング装置12と他方のハンドリング装置13の両方の軌道内に組み入れられている。
図16に示すように、UV装置10の筒体90でレンズ15を囲み、筒体90内を窒素置換する。窒素雰囲気にするのは、酸素があるとコーティング液の重合反応を阻害するため硬化しにくいからである。筒体90内の窒素置換が開始してから、UV光によるコーティング塗膜の硬化が完了するまでは、筒体90内の酸素濃度の上昇を防ぐため、常に筒体90内にはNが供給される。この際、UVランプ89点灯後、図示しない2つに分岐されたN供給ラインの一方に設置された電磁弁を閉じることにより、ガス供給口92より供給されるNの流量を必要最少量に抑えることができる。UVランプ89点灯前は、大流量のNで急速に筒体90内の雰囲気の置換を行い、UVランプ89の点灯後はNの流量を最小限として、Nの消費量を節約できる。
UV装置10は、UVランプ89の高さ位置が合わせられると、レンズ15を回転させながらUVランプ89を照射させてコーティング塗膜を硬化させる。レンズ15を回転させるのは、レンズ15の周縁部の液溜まり領域を減少させ、UV光の均一化を図るためである。UVランプ89の照射時のレンズ15の回転数は、150rpm程度である。
UVランプ89点灯時には、スピン軸99に作用させている図示しない空気吸引手段の吸引力を必要最小限に低下させる。これにより、UV照射時に加熱され変形しやすくなったレンズ15が吸引力により変形するのを抑制することができる。
UVランプ89とレンズ15との間に設置された窓94は、UV光を筒体90内へ透過させるのと同時に、300nm付近以下の波長の光をカットするためのフィルターの役割も果たしている。
300nm付近以下の波長をカットする理由は、フォトクロミックコーティング液の種類によっては、コーティング塗膜に皺が生じ、均一な膜が得られないからである。材質をホウケイ酸ガラスとしたのは、耐熱性があり、UVランプの熱で割れないからである。
フォトクロミックコーティングが終了した後、図2に示すように、フォトクロミックコーティング層の付着状態を検査し、不良状態のものを排除し、良品についてアニール処理が行われる。この処理は、110℃で1時間の熱処理がされる。
こうして、レンズ15にフォトクロミックコーティング被膜が形成され、濃淡のない均一なコーティング液によってコーティング処理ができ、高品質のフォトクロミックレンズの製造ができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的思想に基づいて、勿論、本発明は種々の変形又は変更が可能である。
例えば、レンズ15を支持させる場合、レンズ15裏面側の凹部の一部又は全部を埋めるようにシリコーンゴムやシリコーンガム等からなるパッドを装着し、レンズ15とパッドを一体のものとして支持させることもできる。パッドを用いることにより、UV照射時に発生する熱をレンズ15からパッドへ逃がすことにより、レンズ15の温度上昇を抑えることができる。このため、中心の厚みが薄いレンズにコート層を形成する場合でもパッドを用いることによりレンズの熱変形を防止することができる。
各センサーユニット24,25について、センサー24a及びミラー24bを結ぶ線に対して他方のセンサー25a及びミラー25bを結ぶ線を、同じ水平高さに配置したが、高さ位置については一方のセンサーの高低差を変えてもよい。この場合は、センサーの高低差を踏まえて、レンズ15のコバ位置を求めるようにする。
本実施形態では、フォトクロミックコーティングを例としたが、他のコーティング技術にも適用が可能である。
センサーユニット24,25については、2組のセンサーを用いたが1つのセンサーでセンサー位置を変化させて、レンズの中央部と他点の高さ位置を検出して行うことも可能である。但し、時間がかかる。
フォトクロコーティング作業では、レンズ15の側面にへらを当接させて、レンズ15の遠心力でレンズ15の外周縁に到達したコーティング液がレンズ15側面に付着するのを防止できる。
本発明の実施の形態によるコーティング装置の全体を示す斜視図である。 本発明の実施の形態によるコーティング装置を用いたコーティング作業のフロー図である。 図1のコーティング装置に配設されているセンタリング装置の斜視図である。 図1のコーティング装置に配設されているセンタリング装置の断面図である 図5のAは、図1に示すレンズ高さ計測センサーにレンズがセットされている状態の斜視図、Bは一方のセンサーユニットでレンズのセンターを検知した状態の斜視図、Cは他方のセンサーユニットでレンズのセンター以外の箇所を検知した状態の斜視図である。 図1のプライマ側レンズ支持装置のスピン軸で支持されているレンズをプライマ塗布装置でコーティング処理している状態を示す断面図である。 図6のプライマ側レンズ支持装置のスピン軸の先端部の断面図である。 プライマコーティング液を洗浄する洗浄用ノズル部周辺の断面図である。 図1のコーティング装置に設けられているノズルの先端部のコーティング液の乾燥を防ぐ待機槽の断面図である。 図1のコーティング装置に設けられているレンズ乾燥ボックスの斜視図である。 図1のコーティング装置に設けられているレンズ乾燥ボックスの正面図である。 図1のフォトクロミック側レンズ支持装置のスピン軸で支持されているレンズをフォトクロミック液塗布装置でコーティング処理している状態を示す断面図である。 図12のフォトクロミック液塗布装置の部分拡大図である。 図12のフォトクロミック液塗布装置に設けられている容器の拡大図である。 レンズのフォトクロミック液をレンズ側面に付着しないようにするへら固定用治具の拡大側面図である。 図1のコーティング装置に設けられているUV装置の断面図である。 図16のUV装置のUVランプの拡大断面図である。 図1のコーティング装置に対応する図であって、ハンドリング装置の動きを説明するための斜視図である。 図19のAは、図5に示すレンズ高さ計測センサーのレーザ光でレンズの高さを測定している状態の断面図、Bはレンズのコバ位置の導き方を説明するための断面図、Cはレンズにクライマコートをしている状態の断面図、Dはレンズにフォトクロコートをしている状態の断面図である。
符号の説明
1 コーティング装置
2 レンズセンタリング装置
3 レンズ高さ計測装置
4 プライマスピン装置
5 プライマ液塗布装置
6 レンズ乾燥装置
7 フォトクロミックスピン装置
8 フォトクロミック液塗布装置
9 塗膜均一化装置
12,13 ハンドリング装置
15 レンズ
22 センタリングロッド(レンズ支持部)
24,25 センサーユニット
32,59,99 スピン軸(レンズ支持部)
47,ディスペンスバルブ
48,68 ノズル
53 レンズ支持軸(レンズ支持部)
66 容器

Claims (11)

  1. レンズの中心を求めるセンタリング装置と、
    レンズの表面側中心からレンズの表面側縁部までのレンズの勾配を測定するレンズ高さ計測装置と、
    レンズ表面側に吐出ノズルによってプライマコーティング液を塗布するプライマ液塗布装置と、
    レンズの勾配に応じた回転数によりプライマコーティング液を塗布されたレンズを回転させるプライマスピン装置と、
    レンズに塗布されたプライマコーティング液を乾燥させる乾燥装置と、
    レンズにコーティングされたプライマ被膜の上にフォトクロミックコーティング液を塗布するフォトクロミック液塗布装置と、
    レンズの勾配に応じた回転数によりフォトクロミックコーティング液を塗布されたレンズを回転させるフォトクロミックスピン装置と、
    窒素雰囲気によりフォトクロミックコーティング液を塗布されたレンズにUV光を照射させてコーティング層を硬化させるUV装置とを備え、
    前記センタリング装置、前記レンズ高さ計測装置、前記プライマスピン装置、前記乾燥装置、前記フォトクロミックスピン装置及び前記UV装置の各々が、レンズを支持するレンズ支持部を設け、
    これらのレンズの受け渡しが可能なレンズ移送手段を備え
    該レンズ移送手段が軸を中心に回動するアーム状部材を有する一対のハンドリング装置を含んでなり、
    前記レンズを支持するレンズ支持部が、レンズのコーティング作業順別に前段のグループと後段のグループの2つのグループに分けられており、
    前記前段のグループに属する装置の各レンズ支持部が前記一対のハンドリング装置のうち一方のハンドリング装置の軌道内に配設されていると共に、前記後段のグループに属する装置の各レンズ支持部が他方のハンドリング装置の軌道内に配設されており、
    前記前段のグループに属する装置の各レンズ支持部のうち前記前段の作業順に最後に使用されるレンズ支持部が前記一方のハンドリング装置とともに他方のハンドリング装置の軌道内に配設されてなるコーティング装置。
  2. 前記前段のグループが、前記センタリング装置、前記レンズ高さ計測装置、前記プライマスピン装置、前記乾燥装置、及び前記フォトクロミックスピン装置を含んでなり、
    前記後段のグループが前記UV装置を含んでなり、
    前記フォトクロミックスピン装置のレンズ支持部が前記一方のハンドリング装置の軌道と他方のハンドリング装置の軌道との両方の軌道内に配置されたことを特徴とする請求項に記載のコーティング装置。
  3. レンズの中心を求めるセンタリング装置と、
    レンズの表面側中心からレンズの表面側縁部までのレンズの勾配を測定するレンズ高さ計測装置と、
    レンズ表面側に吐出ノズルによってプライマコーティング液を塗布するプライマ液塗布装置と、
    レンズの勾配に応じた回転数によりプライマコーティング液を塗布されたレンズを回転させるプライマスピン装置と、
    レンズに塗布されたプライマコーティング液を乾燥させる乾燥装置と、
    レンズにコーティングされたプライマ被膜の上にフォトクロミックコーティング液を塗布するフォトクロミック液塗布装置と、
    レンズの勾配に応じた回転数によりフォトクロミックコーティング液を塗布されたレンズを回転させるフォトクロミックスピン装置と、
    窒素雰囲気によりフォトクロミックコーティング液を塗布されたレンズにUV光を照射させてコーティング層を硬化させるUV装置とを備え、
    前記センタリング装置、前記レンズ高さ計測装置、前記プライマスピン装置、前記乾燥装置、前記フォトクロミックスピン装置及び前記UV装置の各々が、レンズを支持するレンズ支持部を設け、
    これらのレンズの受け渡しが可能なレンズ移送手段を備え、
    前記レンズ乾燥装置のレンズ支持部を複数配設するとともに前記UV装置を複数配設したコーティング装置。
  4. レンズの中心を求めるセンタリング装置と、
    レンズの表面側中心からレンズの表面側縁部までのレンズの勾配を測定するレンズ高さ計測装置と、
    レンズ表面側に吐出ノズルによってプライマコーティング液を塗布するプライマ液塗布装置と、
    レンズの勾配に応じた回転数によりプライマコーティング液を塗布されたレンズを回転させるプライマスピン装置と、
    レンズに塗布されたプライマコーティング液を乾燥させる乾燥装置と、
    レンズにコーティングされたプライマ被膜の上にフォトクロミックコーティング液を塗布するフォトクロミック液塗布装置と、
    レンズの勾配に応じた回転数によりフォトクロミックコーティング液を塗布されたレンズを回転させるフォトクロミックスピン装置と、
    窒素雰囲気によりフォトクロミックコーティング液を塗布されたレンズにUV光を照射させてコーティング層を硬化させるUV装置とを備え、
    前記センタリング装置、前記レンズ高さ計測装置、前記プライマスピン装置、前記乾燥装置、前記フォトクロミックスピン装置及び前記UV装置の各々が、レンズを支持するレンズ支持部を設け、
    これらのレンズの受け渡しが可能なレンズ移送手段を備え、
    前記センタリング冶具に支持されたレンズのレンズ面の中心と該中心から離れたレンズ面の他の箇所との2点間のレンズ高差を、前記レンズ高さ計測センサーに備えたセンサーによって検知するようにしたコーティング装置。
  5. 前記レンズ高さ計測装置が、少なくとも1組の光を放射する発光器と、該発光器から放射された光を検出する受光器との組合せを備え、
    受光器における光の検出のレンズによる遮断によってもたらされる情報に基づいてレンズの高さを求める請求項に記載のコーティング装置。
  6. 前記レンズの表面の中心から該レンズの表面の端縁部を結んだ直線に対して間隔を開けて且つ該直線に沿って前記プライマ液塗布装置の吐出ノズルを移動させながらレンズ表面に前記プライマコーティング液を塗布するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のコーティング装置。
  7. 可撓性フィルムを具備する、前記レンズ表面上のフォトクロミックコーティング液を延展するための塗膜均一化装置を更に含んでなり、
    前記可撓性フィルムを、前記レンズ上面の中心部からレンズ上面の端縁部を結ぶ直線軌道に沿って移動させると共に、当該移動の間に前記可撓性フィルムの端縁部をフォトクロミックコーティング液と接触させることによってレンズ表面のフォトクロミックコート液を延展させることを特徴とする請求項1に記載のコーティング装置。
  8. レンズの中心を求めるセンタリング装置と、
    レンズの表面側中心からレンズの表面側縁部までのレンズの勾配を測定するレンズ高さ計測装置と、
    レンズ表面側に吐出ノズルによってプライマコーティング液を塗布するプライマ液塗布装置と、
    レンズの勾配に応じた回転数によりプライマコーティング液を塗布されたレンズを回転させるプライマスピン装置と、
    レンズに塗布されたプライマコーティング液を乾燥させる乾燥装置と、
    レンズにコーティングされたプライマ被膜の上にフォトクロミックコーティング液を塗布するフォトクロミック液塗布装置と、
    レンズの勾配に応じた回転数によりフォトクロミックコーティング液を塗布されたレンズを回転させるフォトクロミックスピン装置と、
    窒素雰囲気によりフォトクロミックコーティング液を塗布されたレンズにUV光を照射させてコーティング層を硬化させるUV装置とを備え、
    前記センタリング装置、前記レンズ高さ計測装置、前記プライマスピン装置、前記乾燥装置、前記フォトクロミックスピン装置及び前記UV装置の各々が、レンズを支持するレンズ支持部を設け、
    これらのレンズの受け渡しが可能なレンズ移送手段を備え、
    前記各レンズ支持部のうち、1つのレンズ支持部を移動できるように形成し、前記各レンズ支持部のうち2つのレンズ支持部を1つのレンズ支持部で共通化したコーティング装置。
  9. 前記プライマスピン装置に支持されたレンズ裏面に向けて溶媒を噴射することにより、該レンズの裏面を洗浄するための洗浄用ノズルを更に含んでなることを特徴とする請求項1に記載のコーティング装置。
  10. 前記プライマコーティング装置の前記吐出ノズルの移動範囲内に設けられた待機槽であって、内部に溶剤を貯留し、前記吐出ノズルの非稼働時に吐出ノズルの先端部を該溶剤に漬けることによりプライマコーティング液の固化を防止するための待機槽を更に含んでなることを特徴とする請求項1に記載のコーティング装置。
  11. 前記フォトクロミックスピン装置の周辺に配設されたへらであって、フォトクロミックコーティング液のコーティング時に、前記フォトクロミックスピン装置に保持されたレンズの側面に当接可能なフィルム状のへらを更に含んでなることを特徴とする請求項1に記載のコーティング装置。
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