JP5891091B2 - フォトクロミックレンズの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フォトクロミックレンズの製造方法に関し、特に、実質的にレンズ変形が無いフォトクロミックレンズの製造方法に関する。
近年、有機フォトクロミック染料を応用したプラスチック製フォトクロミックレンズが眼鏡用として市販されている。これらは明るい屋外で発色して高濃度のカラーレンズと同様な防眩効果を有し、室内に移ると高い透過率を回復するものである。
フォトクロミックレンズとしては、レンズ基材上にフォトクロミック色素を含むコーティング(フォトクロミック膜)を設けたレンズが広く用いられている。一般に、上記構成のフォトクロミックレンズを製造する方法としては、レンズ基材上にフォトクロミック液を塗布した後、塗布面に対して紫外線等の光を照射することにより、フォトクロミック液に含まれる硬化性成分を重合硬化させる方法が用いられている(例えば特許文献1)。
フォトクロミック液をレンズ表面に塗布後、この表面側からひとつのスペクトルを有する硬化光を照射するが、この際硬化とレンズ面への固着が同時に起こるため、硬化時に生じる重合収縮のため、応力が発生し、レンズの歪み、変形が発生することがあった。
前記で述べたレンズの歪みや変形は、特にレンズの肉厚が薄い場合に、顕著に現れる。
硬化性成分を均一に硬化させるため、吸収波長の異なる2種類の光重合開始剤を用いることも提案されている(例えば特許文献2)が、上記課題を解決するためのより効果的な解決手段が望まれていた。
特開2005−246268号公報 国際公開第2003/099550号
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、フォトクロミックレンズを製造する際に、実質的にレンズ変形が発生しないフォトクロミックレンズの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、フォトクロミック液を硬化する際に、光の照射方向及び波長を特定することにより、硬化性成分を重合収縮に伴う応力発生が緩和されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、フォトクロミック色素及び光硬化性成分を含むフォトクロミック液をレンズ基材の少なくとも一方の面上に塗布し、レンズ基材に光を照射し、前記フォトクロミック液を硬化して、レンズ基材上にフォトクロミック膜を形成するフォトクロミックレンズの製造方法であって、レンズ基材を介して波長380nmを超えかつ410nm以下の光を照射するフォトクロミックレンズの製造方法を提供するものである。
本発明のフォトクロミックレンズの製造方法によれば、実質的にレンズ変形が発生しないフォトクロミックレンズを製造することができる。
本発明のフォトクロミックレンズの製造方法は、フォトクロミック色素及び光硬化性成分を含むフォトクロミック液をレンズ基材の少なくとも一方の面上に塗布し、レンズ基材に光を照射し、前記フォトクロミック液を硬化して、レンズ基材上にフォトクロミック膜を形成するフォトクロミックレンズの製造方法であって、レンズ基材を介して波長380nmを超えかつ410nm以下の光を照射することを特徴とする。本明細書では、レンズ基材を介して行う、前記光照射を「第1の光照射」という。
さらに、本発明方法では、第1の光照射ののち、必要に応じて、フォトクロミック液塗布面に対して波長150〜380nmの光を照射することが好ましい。本明細書では、第1の光照射ののちに行う、前記光照射を「第2の光照射」という。
本発明方法では、フォトクロミック液は、レンズ基材の凸面に塗布することが好ましく、レンズ基材の凹面側から第1の光照射をしたのち、レンズ基材の凸面側からフォトクロミック液塗布面に対して第2の光照射をすることが好ましい。
レンズ基材表面へのフォトクロミック液の塗布は、スピンコート法、スプレー法等の公知の方法によって行うことができる。塗布液の粘性、面精度の点からは、スピンコート法を使用することが好ましい。塗布量は、所望のフォトクロミック膜の厚さに応じて適宜調整すればよい。また、フォトクロミック液をレンズ基材上へ塗布する前に、酸、アルカリ、各種有機溶媒による化学的処理、プラズマ、紫外線、オゾン等による物理的処理、各種洗剤を用いる洗剤処理を行うことによってレンズ基材とフォトクロミック膜の接着性等を向上させることができる。
(第1の光照射)
本発明における第1の光照射は、レンズ基材を介して波長380nmを超えかつ410nm以下の光を照射する。
本発明における第1の光照射は、従来のフォトクロミック液塗布面のみに対して光照射する方法と異なり、レンズ基材を介して行われるため、フォトクロミック液の硬化はレンズ基材/フォトクロミック膜の界面側から開始する。このとき、フォトクロミック膜の表面側は相対的に流動性が高い状態となるため、フォトクロミック液の重合収縮により発生する応力は従来法に比べ緩和される。
また、レンズ基材は、紫外線吸収剤が添加されていることなどにより、紫外線を吸収する性質を有する。そのため、例えば、照射光として紫外線を使用する場合、紫外線吸収剤を含むレンズ基材を介して紫外線を照射すると、照射した紫外線の大部分はレンズ基材に吸収されてしまうため、レンズ基材と対向するフォトクロミック膜表面を接着性が確保できる程度に硬化させることが困難となる。
そのため、本発明における第1の光照射では、レンズ基材の紫外吸収を避ける波長域であり、かつフォトクロミック液に含有する光重合開始剤が吸収を有する波長を利用する。
以上の観点から、第1の光照射の波長は、380nmを超えかつ410nm以下であることを要し、390〜410nmが好ましく、400〜410nmがより好ましい。
こうして、第1の光照射により、フォトクロミック膜のレンズ基材と対向する面近傍は適度に硬化し、一方の面(フォトクロミック膜の最表面)に適度な柔軟性が付与されたフォトクロミック膜を得ることができるため、フォトクロミック液の重合収縮に由来する応力の発生を抑制することができ、肉厚が薄いレンズであっても、変形や歪みのないレンズを製造することができる。なお、硬化効率を上げるために、光照射を不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
前記第1の光照射による硬化に用いる光源としては公知の光源を何ら制限無く用いることができ、具体例としては、発光ダイオード(LED)光、半導体レーザー、水銀ランプの輝線(波長約405nm)、メタルハライドランプの輝線(波長約405nm)等が挙げられる。
また、光照射時間は光重合開始剤の種類、吸収波長、感度、さらには所望のフォトクロミック膜の膜厚等によって適宜決めることができる。
また、レンズ基材と光源までの距離は、通常100〜500mmである。
(第2の光照射)
本発明では、第1の光照射ののちに、フォトクロミック液塗布面(フォトクロミック膜表面)に対して、第2の光照射を行い、フォトクロミック層を充分に硬化させることが好ましい。
第2の光照射は、フォトクロミック液塗布面に対して、好ましくは、波長150〜380nmの光を照射する。
本発明において、フォトクロミック液塗布面に対して照射する光は、フォトクロミック液に含まれる光重合開始剤に応じて選択すればよいが、フォトクロミック色素が応答する波長の光を使用することができる。第2の光照射の波長は、150〜380nmの光であり、好ましくは紫外線(波長200〜380nm)である。
第2の光照射により、フォトクロミック液の重合収縮に由来する応力の発生を抑制しつつ、フォトクロミック層の表面側を充分に硬化させることができる。
前記紫外線による硬化に用いる光源としては公知の光源を何ら制限無く用いることができ、具体例としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンランプ、カーボンアーク、殺菌灯、無電極ランプ等が挙げられる。
また、光照射時間は紫外線重合開始剤の種類、吸収波長、感度、さらには所望のフォトクロミック被膜層の膜厚等によって適宜決めることができる。
本発明においては、形成されたフォトクロミック膜の膜厚は、発色時の濃度、耐久性及び耐熱性、及び膜の均一性を考慮すると、10〜100μmであると好ましく、20〜50μmであるとさらに好ましい。
以下、本発明で用いるフォトクロミック液の組成について説明する。
(1)フォトクロミック液
(i)光硬化性成分
本発明において、フォトクロミック膜形成のために使用可能な光硬化性成分は、特に限定されず、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基、アリル基、スチリル基等のラジカル重合性基を有する公知の化合物(ラジカル重合性単量体)がなんら制限なく使用できる。これらのなかでも、入手のし易さ、硬化性の良さから(メタ)アクリロイル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基をラジカル重合性基として有する化合物が好ましい。
なお、前記(メタ)アクリロイルは、アクリロイルとメタクリロイルの両方を示す。
また、硬化後の耐溶剤性や硬度、耐熱性等の硬化体特性、あるいは発色濃度や退色速度等のフォトクロミック特性を良好なものとするため、ラジカル重合性単量体としては、単独重合体のLスケールロックウェル硬度が60以上を示すもの(以下、高硬度モノマーと称す場合がある)と、同じく単独重合体のLスケールロックウェル硬度が40以下を示すもの(以下、低硬度モノマーと称す場合がある)を併用することがより好ましい。
Lスケールロックウェル硬度とは、JIS-B7726に従って測定される硬度を意味する。各モノマーの単独重合体についてこの測定を行うことにより、前記硬度条件を満足するかどうかを簡単に判断することができる。具体的には、モノマーを重合させて厚さ2mmの硬化体を得、これを25℃の室内で1日保持した後にロックウェル硬度計を用いて、Lスケールロックウェル硬度を測定することにより容易に確認することができる。
また、前記Lスケールロックウェル硬度の測定に供する重合体は、仕込んだ単量体の有す重合性基の90%以上が重合する条件で注型重合して得たものである。このような条件で重合された硬化体のLスケールロックウェル硬度は、ほぼ一定の値として測定される。
前記高硬度モノマーは、硬化後の硬化体の耐溶剤性、硬度、耐熱性等を向上させる効果を有する。これらの効果をより効果的なものとするためには、単独重合体のLスケールロックウェル硬度が65〜130を示すラジカル重合性単量体が好ましい。
このような高硬度モノマーは、通常2〜15個、好ましくは2〜6個のラジカル重合性基を有する化合物であり、好ましい具体例としては、下記式(1)〜(5)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005891091
(式中、R13は水素原子又はメチル基であり、R14は水素原子、メチル基又はエチル基であり、R15は3〜6価の有機基であり、fは0〜3の整数、f'はO〜3の整数、gは3〜6の整数である。)
Figure 0005891091
(式中、R16は水素原子又はメチル基であり、Bは3価の有機基であり、Dは2価の有機基であり、hは1〜10の整数である。)
Figure 0005891091
(式中、R17は水素原子又はメチル基であり、R18は水素原子、メチル基、エチル基又はヒドロキシル基であり、Eは環状の基を含む2価の有機基であり、i及びjは、i+jの平均値が0〜6となる正の整数である。)
Figure 0005891091
(式中、R19は水素原子又はメチル基であり、Fは側鎖を有していてもよい主鎖炭素数2〜9のアルキレン基である。)
Figure 0005891091
(式中、R20は水素原子、メチル基又はエチル基であり、kは1〜6の整数である。)
前記式(1)〜(4)における、R13、R16〜R19は、いずれも水素原子又はメチル基であるため、式(1)〜(4)で示される化合物は2〜6個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物である。
前記式(1)におけるR14は水素原子又はメチル基、エチル基である。
式(1)におけるR15は3〜6価の有機基である。この有機基は特に限定されるものではなく、また、その主鎖中に、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、チオエーテル結合、スルホニル結合、ウレタン結合等の炭素一炭素結合以外の結合を含んでいてもよい。単独重合体のLスケールロックウェル硬度が60以上を示すためには、R15は、好ましくは炭素数1〜30の有機基であり、より好ましくはエーテル結合及び/又はウレタン結合を含んでいてもよい炭素数1〜15の有機基である。
また、f及びf'は、それぞれ独立に0〜3の整数である。また、Lスケールロックウェル硬度を60以上とするためには、f及びf'の合計が0〜3であることが好ましい。
前記式(1)で示される高硬度モノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレト、トリメチロールブロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリエチレングリコールトリメタクリレート、トリメチロールプロパントリエチレングリコールトリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ウレタンオリゴマーテトラアクリレート、ウレタンオリゴマーヘキサメタクリレート、ウレタンオリゴマーヘキサアクリレート、ポリエステルオリゴマーヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等が挙げられる。
前記式(2)におけるBは3価の有機基であり、Dは2価の有機基である。このB及びDは特に限定されるものではなく、その主鎖中に、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、チオエーテル結合、スルホニル結合、ウレタン結合等の炭素−炭素結合以外の結合を含んでいてもよい。単独重合体のLスケールロックウェル硬度が60以上であるためには、Bは炭素数3〜10の直鎖又は分枝状の炭化水素から誘導される有機基であると好ましく、Dは炭素数1〜10の直鎖又は分枝状の脂肪族炭化水素、又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素から誘導される有機基である。
また、単独重合体のLスケールロックウェル硬度を60以上とするために、hは1〜10の整数であり、好ましくは1〜6の整数である。
前記式(2)で示される高硬度モノマーの具体的としては、分子量2,500〜3,500の4官能ポリエステルオリゴマー(ダイセルユーシービー社、EB80等)、分子量6,000〜8,000の4官能ポリエステルオリゴマー(ダイセルユーシービー社、EB450等)、分子量45,000〜55,000の6官能ポリエステルオリゴマー(ダイセルユーシービー社、EB1830等)、分子量10,000の4官能ポリエステルオリゴマー(第一工業製薬社、GX8488B等)等が挙げられる。
前記式(3)におけるR18は水素原子、メチル基、エチル基又はヒドロキシル基である。また式(3)におけるEは環状の基を含む2価の有機基である。この有機基は環状の基を含むものであれば特に限定されるものではなく、また、その主鎖中に、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、チオエーテル結合、スルホニル結合、ウレタン結合等の炭素−炭素結合以外の結合を含んでいてもよい。Eに含まれる環状の基としては、ベンゼン環、シクロヘキサン環、アダマンタン環あるいは以下に示す環状の基等が挙げられる。
Figure 0005891091
Eに含まれる環状の基はベンゼン環であることが好ましく、さらにEは下記式、
Figure 0005891091
(Gは、酸素原子、硫黄原子、−S(O2)−、−C(O)−、−CH2−、−CH=CH−、−C(CH3)2−及びC(CH3)(C6H5)−から選ばれるいずれかの基であり、R21及びR22は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子であり、l及びl'は、それぞれ独立に0〜4の整数である。)
で示される基であるとより好ましく、最も好ましいEは下記式、
Figure 0005891091
で示される基である。
前記式(3)中、i及びjは、i+jの平均値が0〜6となる正の整数である。なお、式(3)で示される化合物は、i及びjの双方が0である場合を除き、通常i及びjの異なる複数の化合物の混合物として得られる。それらの単離は困難であるため、i及びjはi+jの平均値で示される。i+jの平均値は2〜6であることがより好ましい。
式(3)で示される高硬度モノマーの具体的としては、ビスフェノールAジメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
前記式(4)におけるR19は水素原子又はメチル基であり、Fは側鎖を有していてもよい主鎖炭素数2〜9のアルキレン基である。この主鎖炭素数2〜9のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基、ノニリレン基等が例示される。
式(4)で示される高硬度モノマーの具体的としては、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,9−ノニレングリコールジメタクリレート、ネオペンチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチレングリコールジアクリレート等が挙げられる。
前記式(5)におけるR20は水素原子、メチル基又はエチル基であり、kは2〜6の整数であり、好ましくはkは3又は4である。
式(5)で示される高硬度モノマーの具体的としては、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
なお、前記式(1)〜(5)で示される化合物でも、置換基の組み合わせによっては単独重合体のLスケールロックウェル硬度が60未満のものがあるが、その場合には、これらの化合物は後述する低硬度モノマー又は中硬度モノマーに分類される。
また、前記式(1)〜(5)で示されない高硬度モノマーもあり、その代表的化合物としては、ビスフェノールAジグリシジルメタクリレート、エチレングリコールビスグリシジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。
また、前記低硬度モノマーは、硬化体を強靭なものとし、またフォトクロミック化合物の退色速度を向上させる効果を有する。
このような低硬度モノマーとしては、下記式(6)
Figure 0005891091
(式中、R23は水素原子又はメチル基であり、R24及びR25は、それぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基であり、Zは酸素原子又は硫黄原子であり、mはR23が水素原子の場合は1〜70の整数であり、R23がメチル基の場合は7〜70の整数でありそしてm'は0〜70の整数である。)又は下記式(7)、
Figure 0005891091
(式中、R26は水素原子又はメチル基であり、R27及びR28は、それぞれ独立に水素原子、メチル基、エチル基又はヒドロキシル基であり、Iは環状の基を含む2価の有機基であり、i'及びj'は、i'+j'の平均値が8〜40となる整数である。)
で示される2官能モノマーや、下記式(8)、
Figure 0005891091
(式中、R29は水素原子又はメチル基であり、R30及びR31は、それぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基であり、R32は水素原子、炭素数1〜25のアルキル基、アルケニル基、アルコキシアルキル基又はハロアルキル基、炭素数6〜25のアリール基、あるいは炭素数2〜25の(メタ)アクリロイル基以外のアシル基であり、Zは酸素原子又は硫黄原子であり、m''はR29が水素原子の場合は1〜70の整数であり、R29がメチル基の場合は4〜70の整数であり、m'''は0〜70の整数である。)
又は下記式(9)、
Figure 0005891091
(式中、R33は水素原子又はメチル基であり、R34はR33が水素原子の場合には炭素数1〜20のアルキル基であり、R33がメチル基の場合には炭素数8〜40のアルキル基である。)
で示される単官能のモノマーが例示される。
前記式(6)〜(9)において、R23、R26、R29及びR33は水素原子又はメチル基である。すなわち、低硬度モノマーは重合性基として、通常2個以下の(メタ)アクリロイルオキシ基又は(メタ)アクリロイルチオ基を有する。
前記式(6)におけるR24及びR25は、それぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基であり、Zは酸素原子又は硫黄原子である。
式(6)においては、R23が水素原子の場合、すなわち重合性基としてアクリロイルオキシ基又はアクリロイルチオ基を有する場合には、mは1〜70の整数であり、一方、R23がメチル基である場合、すなわち重合性基としてメタクリロイルオキシ基又はメタクリロイルチオ基を有する場合には、mは7〜70の整数である。また、m'は0〜70の整数である。
式(6)で示される低硬度モノマーの具体的としては、トリアルキレングリコールジアクリレート、テトラアルキレングリコールジアクリレート、ノニルアルキレングリコールジアクリレート、ノニルアルキレングリコールジメタクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アタリレート類が挙げられる。
前記式(7)におけるR26は水素原子、メチル基又はエチル基である。
また、Iは環状の基を含む2価の有機基である。このIとしては前記式(3)に含まれる環状の基であるEとして例示されたものと同様である。式(7)におけるi'及びj'は、i'+j'の平均値が8〜40となる整数、好ましくは9〜30となる整数である。このi'及びj'も前記した式(3)におけるi及びjと同様の理由で通常は平均値で示される。
式(7)で示される低硬度モノマーの具体的としては、平均分子量776の2,2−ビス(4−アクリロイルオキシポリエチレングリコールフェニル)プロパン等を挙げることができる。
前記式(8)におけるR29は水素原子又はメチル基であり、R30及びR31は、それぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基である。R32は水素原子、炭素数1〜25のアルキル基、アルケニル基、アルコキシアルキル基又はハロアルキル基、炭素数6〜25のアリール基、あるいは炭素数2〜25のアクリロイル基以外のアシル基である。
炭素数1〜25のアルキル基又はアルケニル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ノニル基等が挙げられる。また、これらアルキル基又はアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよく、さらには、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アリール基、エポキシ基等の置換基で置換されていてもよい。
炭素数1〜25のアルコキシアルキル基としては、メトキシブチル基、エトキシブチル基、ブトキシブチル基、メトキシノニル基等が挙げられる。
炭素数6〜25のアリール基としては、フェニル基、トルイル基、アントラニル基、オクチルフェニル基等が挙げられる。 (メタ)アクリロイル基以外のアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、オレイル基等が挙げられる。
式(8)におけるm''は、R29が水素原子の場合、すなわちアクリロイルオキシ基又はアクリロイルチオ基を重合性基として有する場合には1〜70の整数であり、R29がメチル基の場合、すなわちメタクリロイルオキシ基又はメタクリロイルチオ基を重合性基として有する場合にはm''は4〜70の整数であり、またm'''は0〜70の整数である。
式(8)で示される低硬度モノマーの具体的としては、平均分子量526のポリエチレングリコールメタアクリレート、平均分子量360のポリエチレングリコールメタアクリレート、平均分子量475のメチルエテルポリエチレングリコールメタアクリレート、平均分子量1,000のメチルエーテルポリエチレングリコールメタアクリレート、平均分子量375のポリプロピレングリコールメタアクリレート、平均分子量430のポリプロピレンメタアクリレート、平均分子量622のポリプロピレンメタアクリレート、平均分子星620のメチルエーテルポリプロピレングリコールメタアクリレート、平均分子量566のポリテトラメチレングリコールメタアクリレート、平均分子量2,034のオクチルフェニルエーテルポリエチレングリコールメタクリレート、平均分子量610のノニルエーテルポリエチレングリコールメタクリレート、平均分子量640のメチルエーテルポリエチレンチオグリコールメタクリレート、平均分子量498のパーフルオロヘブチルエチレングリコールメタクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アタリレート等が挙げられる。
前記式(9)におけるR33は水素原子又はメチル基であり、R33が水素原子の場合には、R34は炭素数1〜20のアルキル基であり、R33がメチル基の場合には、R34は炭素数8〜40のアルキル基である。これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよく、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシル基、アシル基、エポキシ基等の置換基で置換されていてもよい。
式(9)で示される低硬度モノマーの具体的としては、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタアクリレート、エチルヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアタリレート、ブチルアタリレート、ラウリルアクリレート等を挙げることができる。
これら式(6) 〜(9)で表される低硬度モノマーの中でも、平均分子量475のメチルエテルポリエチレングリコールメタアクリレート、平均分子量1,000のメチルエーテルポリエチレングリコールメタアクリレート、トリアルキレングリコールジアクリレート、テトラアルキレングリコールジアクリレート、ノニルアルキレングリコールジアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ラウリルアクリレートが特に好ましい。
前記式(6)〜(9)で示される化合物でも、置換基の組み合わせによっては単独重合体のLスケールロックウェル硬度が40以上を示すものがあるが、その場合には、これらの化合物は前述した高硬度モノマー又は後述する中硬度モノマーに分類される。
前記高硬度モノマーでも低硬度モノマーでもないモノマー、すなわち、単独硬化体のLスケールロックウェル硬度が40を超え60未満を示すモノマー(中硬度モノマーと称す場合がある)として、例えば、平均分子量650のポリテトラメチレングリコールジメタアクリレート、平均分子量1,400のポリテトラメチレングリコールジメタアクリレート、ビス(2−メタクリロイルオキシエチルチオエチル)スルフィド等の2官能(メタ)アタリレート;ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、酒石酸ジアリル、エポキシこはく酸ジアリル、ジアリルフマレート、クロレンド酸ジアリル、ヘキサフタル酸ジアリル、アリルジグリコールカーボネート等の多価アリル化合物;1,2−ビス(メタクリロイルチオ)エタン、ビス(2−アクリロイルチオエチル)エーテル、1,4−ビス(メタクリロイルチオメチル)ベンゼン等の多価チオアクリル酸及び多価チオメタクリル酸エステル化合物;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メタクリル酸ビフェニル等のアクリル酸及びメタクリル酸エステル化合物;フマル酸ジエチル、フマル酸ジフェニル等のフマル酸エステル化合物;メチルチオアクリレート、ベンジルチオアクリレート、ベンジルチオメタクリレート等のチオアクリル酸及びチオメタクリル酸エステル化合物;スチレン、クロロスチレン、メチルスチレン、ビニルナフタレン、α−メチルスチレンダイマー、ブロモスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルピロリドン等のビニル化合物;オレイルメタクリレート、ネロールメタクリレート、ゲラニオールメタクリレート、リナロールメタクリレート、ファルネソールメタクリレート等の分子中に不飽和結合を有する炭化水素鎖の炭素数が6〜25の(メタ)アタリレートなどのラジカル重合性単官能単量体等が挙げられる。
これらの中硬度モノマーを使用することも可能であり、前記高硬度モノマー、低硬度モノマー及び中硬度モノマーは適宜混合して使用できる。硬化性組成物の硬化体の耐溶剤性や硬度、耐熱性等の硬化体特性、あるいは発色濃度や退色速度等のフォトクロミック特性のバランスを良好なものとするため、前記ラジカル重合性単量体中、低硬度モノマーは5〜70質量%、高硬度モノマーは5〜95質量%であることが好ましい。さらに、配合される高硬度モノマーとして、ラジカル重合性基を3つ以上有する単量体が、その他のラジカル重合性単量体中少なくとも5質量%以上配合されていることが特に好ましい。
前記フォトクロミック液に含まれる光硬化性成分には、前記成分に加えて、分子中にすくなくとも一つのエポキシ基と少なくとも一つのラジカル重合性基を有するラジカル重合性単量体(以下、単にエポキシ系モノマーと称す場合がある)が、さらに配合されていることが好ましい。このエポキシモノマーはその構造により、単独硬化体のLスケールロック硬度が60以上を示すものもあれば、40以下を示すものもある。単独重合体の硬度で分類すると、硬度に応じ高硬度モノマー、低硬度モノマー、中硬度モノマーのいずれかに分類されることになる。このエポキシ系モノマーを、光硬化性成分として使用することにより、フォトクロミック化合物の耐久性をより向上させることができ、さらにフォトクロミック被膜層の密着性が向上する。このようなエポキシ系モノマーとしては公知の化合物を使用できるが、ラジカル重合性基として(メタ)アクリロイルオキシ基を有す化合物が好ましい。
このようなエポキシ系モノマーの具体例としては、通常以下の式(10)で表されるモノマーが挙げられる。
Figure 0005891091
{式中、R35及びR38は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R36及びR37は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキレン基、又は、下記式
Figure 0005891091
(G'は、酸素原子、硫黄原子、−S(O2)−、−C(O)−、−CH2−、−CH=CH−、−C(CH3)2−及びC(CH3)(C6H5)−から選ばれるいずれかの基であり、R39及びR40は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子であり、l''及びl'''は、それぞれ独立に0〜4の整数である。)で示される基である。}
前記R36及びR37で示される炭素数1〜4のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン差等が挙げられる。またこれらアルキレン基は、ヒドロキシル基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。
また、R36及び/又はR37が下記式
Figure 0005891091
で表される基の場合、G'は、酸素原子、硫黄原子、−S(O2)−、−C(O)−、−CH2−、−CH=CH−、−C(CH3) 2−及びC(CH3)(C6H5)−から選ばれるいずれかの基であり、R39及びR40は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基又は塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子であり、l''及びl'''は、それぞれ独立に0〜4の整数である。上記式で表される基としては、下記式
Figure 0005891091
で示される基であることが最も好ましい。
式(10)で示されるエポキシ系モノマーの具体的としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、β−メチルグリシジルメタクリレート、ビスフェノールA−モノグリシジルエーテル−メタクリレート、4−グリシジルオキシメタクリレート、3−(グリシジル−2−オキシエトキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−(グリシジルオキシ−1−イソプロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−グリシジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、平均分子量540のグリシジルオキシポリエチレングリコールメタアクリレート等が挙げられる。これらの中でもグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート及び平均分子量40のグリシジルオキシポリエチレングリコールメタアクリレートが特に好ましい。
これらエポキシ系モノマーの配合割合は、ラジカル重合性単量体中、通常0.01〜30質量%であり、0.1〜20質量%であるのが好適である。
(ii)フォトクロミック色素
本発明において、フォトクロミック液に添加し得るフォトクロミック色素としては、公知のものを使用することができ、例えば、フルギミド化合物、スピロオキサジン化合物、クロメン化合物等のフォトクロミック化合物が挙げられ、本発明においては、これらのフォトクロミック化合物を特に制限なく使用することができる。
前記フルギミド化合物、スピロオキサジン化合物及びクロメン化合物としては、例えば、特開平2-28154号公報、特開昭62-288830号公報、国際公開第94/22850号、国際公開第96/14596号などに記載されている化合物が好適に使用できる。
また、優れたフォトクロミック性を有する化合物として、例えば、特開2001-114775号公報、特開2001-031670号公報、特開2001-011067号公報、特開2001-011066号公報、特開2000-347346号公報、特開2000-34476号公報、特開2000-3044761号公報、特開2000-327676号公報、特開2000-327675号公報、特開2000-256347号公報、特開2000-229976号公報、特開2000-229975号公報、特開2000-229974号公報、特開2000-229973号公報、特開2000-229972号公報、特開2000-219687号公報、特開2000-219686号公報、特開2000-219685号公報、特開平11-322739号公報、特開平11-286484号公報、特開平11-279171号公報、特開平10-298176号公報、特開平09-218301号公報、特開平09-124645号公報、特開平08-295690号公報、特開平08-176139号公報、特開平08-157467号公報等に開示された化合物も好適に使用することができる。
これらフォトクロミック化合物の中でも、クロメン系フォトクロミック化合物は、フォトクロミック特性の耐久性が他のフォトクロミック化合物に比べ高く、さらにフォトクロミック特性の発色濃度及び退色速度の向上が他のフォトクロミック化合物に比べて特に大きいため特に好適に使用することができる。さらに、これらクロメン系フォトクロミック化合物中でもその分子量が540以上の化合物は、本発明によるフォトクロミック特性の発色濃度及び退色速度の向上が他のクロメン系フォトクロミック化合物に比べて特に大きいため好適に使用することができる。
さらに、その発色濃度、退色速度、耐久性等の各種フォトクロミック特性が特に良好なクロメン化合物としては、下記式(12)で表されるものが好ましい。
Figure 0005891091
{式中、下記式(13)
Figure 0005891091
で示される基は、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基、又は置換もしくは非置換の不飽和複素環基であり、R43、R44及びR45は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシル基、アラルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、置換もしくは非置換のアリール基、ハロゲン原子、アラルキル基、ヒドロキシル基、置換もしくは非置換のアルキニル基、窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子とピラン環もしくは前記式(13)で示される基の環とが結合する置換もしくは非置換の複素環基、又は該複素原基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基であり、oは0〜6の整数であり、
R41及びR42は、それぞれ独立に、下記式(14)、
Figure 0005891091
(式中、R46は、置換もしくは非置換のアリール基、又は置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、R47は、水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子であり、pは1〜3の整数である。)で示される基、下記式(15)、
Figure 0005891091
(式中、R48は、置換もしくは非置換のアリール基、又は置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、p'は1〜3の整数である。)で示される基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロアリール基、又はアルキル基であるか、あるいはR41とR42とが一緒になって、脂肪族炭化水素環もしくは芳香族炭化水素環を構成していてもよい。]
なお、前記式(14)、(15)、前記R41及びR42にて説明した置換アリール基及び置換ヘテロアリール基における慣換基としては、前記R43〜R44と同様の基が挙げられる。
前記式(12)で示されるクロメン化合物のなかでも、発色濃度、退色速度等のフォトクロミック特性及び耐久性の点から、下記式(16)〜(21)で示される化合物が特に好適である。
Figure 0005891091
(式中、R49及びR50は、それぞれ前記式(12)のR41及びR42と同様であり、R51、R52は、それぞれ前記式(12)のR45と同様であり、q及びq'は、それぞれ1〜2の整数である。)
Figure 0005891091
{式中のR53及びR54は、それぞれ前記式(12)のR41及びR42と同様であり、R55及びR56は、それぞれ前記式(12)のR45と同様であり、Lは下記式、
Figure 0005891091
(上記式中、Pは、酸素原子又は硫黄原子であり、R57は、炭素数1〜6のアルキレン基であり、s、s'及びs''は、いずれも1〜4の整数である。)で示されるいずれかの基であり、r及びr'は、それぞれ独立に1又は2である。}
Figure 0005891091
(式中、R58及びR59は、それぞれ前記式(12)のR41及びR42と同様であり、R60、R61及びR62は、それぞれ前記式(12)のR45と同様であり、vは1又は2である。)
Figure 0005891091
(式中、R63及びR64は、それぞれ前記式(12)のR41及びR42と同様であり、R65及びR66は、それぞれ前記式(12)のR45と同様であり、w及びw'は、それぞれ独立に1又は2である。)
Figure 0005891091
(式中、R67及びR68は、それぞれ前記式(12)のR41及びR42と同様であり、R69 、R70 、R71及びR72は、それぞれ前記式(12)のR45と同様であり、x及びx'は、それぞれ独立に1又は2である。)
Figure 0005891091
(式中、R73及びR74は、それぞれ前記式(12)のR41及びR42と同様であり、R75 、R76 及びR77は、それぞれ前記式(12)のR45と同様であり、
Figure 0005891091
は、少なくとも1つの置換基を有してもよい脂肪族炭化水素環であり、y、y'及びy''は、それぞれ独立に1又は2である。]
上記式(16)〜(21)で示されるクロメン化合物の中でも、下記構造のクロメン化合物が特に好ましい。
Figure 0005891091
これらフォトクロミック化合物は適切な発色色調を発現させるため、複数の種類のものを適宜混合して使用することができ、前記光硬化性成分(ラジカル重合性単量体等)100質量部に対して、通常0.01〜20質量部であり、0.1〜10質量部であると好ましい。
(iii)重合開始剤
フォトクロミック液に添加する重合開始剤は、公知の光重合開始剤から適宜選択することができる。
光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾフェノール、アセトフェノン、4,4'−ジクロロベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−イソプロピルチオオキサントン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォシフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1等が挙げられる。これらの中で、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−イソプロピルチオオキサントン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォシフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイドが好ましい。
これら光重合開始剤は、複数の種類のものを適宜混合して使用することができ、光重合開始剤の硬化性組成物全量に対する配合量としては、前記光硬化性成分100質量部に対して、通常0.01〜5質量部であり、0.1〜1質量部であると好ましい。
(iv)各種添加剤
前記フォトクロミック液に、片末端にエポキシ基を有する有機ケイ素化合物を配合することにより、フォトクロミック膜とレンズ基材の密着性を高めることができる。
前記有機ケイ素化合物としては、シラノール基を有する化合物、又は加水分解によりシラノール基を生成する基を有する化合物であって、例えば、下記式(I)で表される有機ケイ素化合物又はその加水分解物が挙げられる。
(R81)a(R83)bSi(OR82)4-(a+b) ・・・(I)
(式中、R81はエポキシ基を有する有機基、R82は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアシル基又は炭素数6〜10のアリール基、R83は炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基、aは1の整数、bは0又は1の整数を示す。)
前記R81のエポキシ基を有する有機基としては、例えば、エポキシ基、グリシドキシ基(α−グリシドキシ基、β−グリシドキシ基、γ−グリシドキシ基、δ−グリシドキシ基等)、3、4−エポキシシクロヘキシル基等が挙げられる。
前記R82の炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、直鎖又は分岐のメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
前記R82の炭素数1〜4のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、オレイル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
前記R82の炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基、キシリル基、トリル基等が挙げられる。
前記R83の炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、直鎖又は分岐のメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
前記R83の炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基、キシリル基、トリル基等が挙げられる。
前記式(I)で表される化合物の具体例としては、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3、4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3、4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3、4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3、4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3、4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3、4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジエトキシシラン等が挙げられ、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシランが好ましい。
前記有機ケイ素化合物のフォトクロミック液全量に対する配合量としては、光硬化性成分100質量部に対して、通常0.1〜15質量部であり、1.0〜10質量部であると好ましい。
前記フォトクロミック液に、片末端にラジカル重合性官能基を有する有機ケイ素化合物を配合することにより、フォトクロミック膜の膜強度を向上することができる。
前記有機ケイ素化合物は、シラノール基を有する化合物、又は加水分解によりシラノール基を生成する基を有する化合物であって、例えば、下記式(II)で表される有機ケイ素化合物又はその加水分解物が挙げられる。
(R84)c(R86)dSi(OR85)4-(c+d) ・・・(II)
(式中、R84はラジカル重合性官能基を有する有機基、R85は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアシル基又は炭素数6〜10のアリール基、R86は炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基、cは1、dは0又は1を示す。)
前記R84のラジカル重合性官能基を有する有機基としては、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基、アリル基、スチリル基等が挙げられ、入手のし易さ、硬化性の良さから(メタ)アクリロイル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基が好ましい。
前記R85の炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、直鎖又は分岐のメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
前記R85の炭素数1〜4のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、オレイル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
前記R85の炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基、キシリル基トリル基等が挙げられる。
前記R86の炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、直鎖又は分岐のメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
前記R86の炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基、キシリル基トリル基等が挙げられる。
前記式(II)で表される化合物の具体例としては、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、(3-アクリロキシプロピル)ジメチルメトキシシラン、(3-アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3-アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタクリロキシメチル)ジメチルエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン等が好ましい。
前記有機ケイ素化合物のフォトクロミック液全量に対する配合量としては、光硬化性成分100質量部に対して、通常0.1〜15質量部であり、1.0〜10質量部であると好ましい。
前記フォトクロミック液には、アミン化合物を配合することもできる。アミン化合物を配合することにより、フォトクロミック膜とレンズ基材の密着性を大きく向上させることができる。
前記アミン化合物としては、前記光硬化性成分の縮合、又は付加触媒として機能する塩基性の化合物であれば、公知のアミン化合物が何ら制限なく使用できる。
前記アミン化合物としては、前記ラジカル重合性単量体の縮合、又は付加触媒として機能する塩基性の化合物であれば、公知のアミン化合物が何ら制限なく使用できる。
アミン化合物としては、例えば下記基
Figure 0005891091
(上記基中、R01は水素原子及びアルキル基であり、R02、R03、R04及びR05は、それぞれ同一もしくは異なるアルキル基である)
で表されるアミノ基のみをアミノ基として有するヒンダードアミン化合物が挙げられる。
密着性向上のために使用できるアミン化合物の具体例としては、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4−ジメチルアミノベンゾフェノン、ジアザピシクロオクタン等の非重合性低分子系アミン化合物、N,N−ジメチルアミノエチルメタアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタアクリレート等の重合性基を有するアミン化合物、n−(ヒドロキシエチル)−N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジメトキシフェニル−2−ピペリジノエトキシシラン、N,N−ジエチルアミノメチルトリメチルシラン、(N,N−ジエチル−3−アミノプロピル)トリメトキシシラン等のシリル基を有するアミン化合物が挙げられる。
これらのアミノ化合物の中でも、密着性向上の観点より、水酸基を有するもの、ラジカル重合性基として(メタ)アクリロイルオキシ基を有するもの、あるいは加水分解によりシラノール基を生成可能な基を有するアミン化合物が好ましい。
例えば、下記式(11)
Figure 0005891091
{式中、R06は水素原子あるいは炭素数1〜4の直鎖状のアルキル基であり、R07は水酸基、(メタ)アクリロイルオキシ基又は加水分解によりシラノール基を生成可能な基であり、R08は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、(メタ)アクリロイルオキシ基又は加水分解によりシラノール基を生成可能な基であり、A'は炭素数2〜6のアルキレン基、A''はR08が水素原子又はアルキル基の場合には炭素数1〜6のアルキレン基、R08が水酸基、(メタ)アクリロイルオキシ基又は加水分解によりシラノール基を生成可能な基である場合には炭素数2〜6のアルキレン基を示す。}
で示されるアミン化合物が、塩基性が強く、密着性向上効果の高いアミン化合物としてより好適である。
式(11)中のR07及びR08における、加水分解によりシラノール基を生成可能な基とは、前記有機ケイ素化合物で定義した基と同義である。
これらアミン化合物は単独もしくは数種混合して使用することができ、アミン化合物の配合量としては、光硬化性成分100質量部に対して0.01〜20質量部であり、0.1〜10質量部であると好ましい。
前記フォトクロミック液には、フォトクロミック色素の耐久性の向上、発色速度の向上、退色速度の向上や成形性の向上のために、さらに界面活性剤、酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、着色防止剤、帯電防止剤、蛍光染料、染料、顔料、香料、可塑剤等の添加剤を添加してもよい。これら添加剤としては、公知の化合物が何ら制限なく使用される。
前記界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の何れも使用できるが、重合性単量体への溶解性からノニオン系界面活性剤を用いるのが好ましい。好適に使用できるノニオン系界面活性剤を具体的に挙げると、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール・ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール・フィトスタノール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、単一鎖ポリオキシエチレンアルキルエーテル等である。界面活性剤の使用に当たっては、2種以上を混合して使用してもよい。界面活性剤の添加量は、前記光硬化性成分100質量部に対し、0.1〜20質量部の範囲が好ましい。
また、酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤としては、ヒンダードアミン光安定剤、ヒンダードフェノール酸化防止剤、フェノール系ラジカル補足剤、イオウ系酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物等を好適に使用できる。これら酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤は、2種以上を混合して使用してもよい。さらにこれらの非重合性化合物の使用に当たっては、界面活性剤と酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤を併用して使用してもよい。これら酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤の添加量は、前記光硬化性成分100質量部に対し、0.001〜20質量部の範囲が好ましい。
前記安定剤の中でも、硬化させる際のフォトクロミック色素の劣化防止、又は得られたフォトクロミック膜の耐久性向上の観点から好ましい安定剤としては、ヒンダードアミン光安定剤が挙げられる。ヒンダードアミン光安定剤としては、前述したアミン化合物から除かれる化合物として記載したヒンダードアミン化合物として定義した化合物であれば、公知の化合物を何ら制限なく用いることができる。その中でも、塗布用に用いる場合、特に、フォトクロミック色素の劣化防止効果を発現する化合物としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、(株)ADEKA製アデカスタブLA−52、LA−62、LA−77、LA−82等を挙げることができる。その添加量は、前記光硬化性成分100質量部に対し、例えば0.001〜20質量部の範囲であり、0.1〜10質量部の範囲が好ましく、より好適には、1〜10質量部の範囲である。
また、フォトクロミック液においては、成膜時の均一性を向上させるために、界面活性剤、レベリング剤等を含有させることが好ましく、特にレベリング性を有するシリコーン系・フッ素系レベリング剤を添加することが好ましい。その添加量としては、特に限定されないが、フォトクロミック液全量に対し、通常0.01〜1.0質量%であり、0.05〜0.5質量%の範囲が好ましい。
本発明において、フォトクロミック液の調製方法は特に限定されず、所定量の各成分を秤取り混合することにより行うことができる。なお、各成分の添加順序は特に限定されず全ての成分を同時に添加してもよいし、モノマー成分のみを予め混合し、重合させる直前にフォトクロミック色素や他の添加剤を添加・混合してもよい。
前記フォトクロミック液は、25℃での粘度が20〜500mPa・sであることが好ましく、50〜300mPa・sであることがより好ましく、60〜250mPa・sであることが特に好ましい。この粘度範囲とすることにより、フォトクロミック液の塗布が容易となり、所望の厚さのフォトクロミック膜を容易に得ることができる。
(2)レンズ基材
本発明で用いるレンズ基材は、通常プラスチックレンズとして使用される種々の基材を用いることができる。前記レンズ基材としては、例えば、メチルメタクリレートと一種以上の他のモノマーとの共重合体、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートと一種以上の他のモノマーとの共重合体、ポリウレタンとポリウレアの共重合体、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、不飽和ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリチオウレタン、エン−チオール反応を利用したスルフィド樹脂、硫黄を含むビニル重合体等が挙げられる。上記中、ウレタン系が好適であるが、これらに限定されるものではない。また、前記レンズ基材は、プラスチックレンズ基材であることが好ましく、眼鏡用プラスチックレンズ基材であることが更に好ましい。
レンズ基材の中心部分の肉厚は、特に限定されないが、1〜30mm程度のものが好ましい。
従来のフォトクロミックレンズは、レンズ基材の中心部分の肉厚が薄いと、フォトクロミック液の硬化時に生じる重合収縮由来の応力の発生によるレンズの変形をもたらす。また、レンズ肉厚が厚い場合であっても、紫外線照射によるフォトクロミック膜形成工程に続く後工程で、所望の度数に凹面を切削・研磨加工(薄肉化)後、ハードコート塗工に伴う熱硬化工程でレンズを昇温する際、レンズの加重たわみ温度が低い場合は、レンズ変形が発生するという問題があった。
一方、本発明方法で製造された、フォトクロミックレンズは、レンズの肉厚が薄い場合でも、レンズの変形が実質的に生じない。また、レンズの加重たわみ温度が低い場合でも、後工程でレンズが加熱されてもレンズの変形が実質的に生じない。
(3)ハードコート層、反射防止膜、プライマー層
本発明において、フォトクロミックレンズに、フォトクロミック膜上に、ハードコート層を形成することができる。更に、このハードコート層上に、反射防止膜を形成こともできる。
このハードコート層の材料としては、特に限定されず、公知の有機ケイ素化合物及び金属酸化物コロイド粒子よりなるコーティング組成物を使用することができる。
前記有機ケイ素化合物としては、例えば下記式(III)で表される有機ケイ素化合物又はその加水分解物が挙げられる。
(R91)a'(R93)b'Si(OR92)4-(a'+b') ・・・(III)
(式中、R91は、グリシドキシ基、エポキシ基、ビニル基、メタアクリルオキシ基、アクリルオキシ基、メルカプト基、アミノ基、フェニル基等を有する有機基、R92は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアシル基又は炭素数6〜10のアリール基、R93は炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基、a'及びb'はそれぞれ0又は1の整数を示す。)
前記R92の炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、直鎖又は分岐のメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
前記R92の炭素数1〜4のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、オレイル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
前記R92の炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基、キシリル基、トリル基等が挙げられる。
前記R93の炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、直鎖又は分岐のメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
前記R93の炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基、キシリル基、トリル基等が挙げられる。
前記式(III)で表される化合物の具体例としては、メチルシリケート、エチルシリケート、n−プロピルシリケート、i−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、sec−ブチルシリケート、t−ブチルシリケーテトラアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアミロキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリベンジルオキシシラン、メチルトリフェネチルオキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3、4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3、4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3、4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3、4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3、4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3、4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、3、3、3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
前記金属酸化物コロイド粒子としては、例えば、酸化タングステン(WO3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化チタニウム(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化スズ(SnO2)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化アンチモン(Sb25)等が挙げられ、単独又は2種以上を併用することができる。
前記反射防止膜の材質及び形成方法は特には限定されず、公知の無機酸化物よりなる単層、多層膜を使用することができる。
この無機酸化物としては、例えば、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ニオブ(Nb25)酸化イットリウム(Y23)等が挙げられる
前記ハードコート層、反射防止膜は、レンズ基材上に形成されたフォトクロミック膜上に、公知の方法で形成することができる。前記レンズ基材、及び必要に応じて設けられるハードコート層、反射防止膜の厚さは特に限定されないが、レンズ基材の厚さは、例えば1〜30mm、ハードコート層の厚さは、例えば0.5〜10μm、反射防止膜の厚さは、例えば0.1〜5μmとすることができる。また、フォトクロミック膜の厚さについては、前述の通りである。
また、本発明において、フォトクロミックレンズのレンズ基材として、プライマー層が形成されたものを用いても良い。
このプライマー層の例としては、ポリイソシアネートとポリオールを原料として形成されるウレタン系の膜等が挙げられる。ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4'−シクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネートのそれぞれ数分子を種々の方法で結合させた付加物、イソシアヌレート、アロファネート、ビュウレット、カルボジイミドをアセト酢酸、マロン酸、メチルエチルケトオキシム等でブロックしたもの等が挙げられ、一方、ポリオールとしては、水酸基を1分子内に複数個有するポリエステル、ポリエーテル、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、ポリアクリレート等が挙げられる。また、プライマー層の屈折率向上のため、酸化チタン微粒子等の酸化金属微粒子をプライマー層に含有させることができる。プライマー層の厚さは特に限定されないが、通常0.05〜20μmである。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されない。
実施例1
レンズ基材には、レンズ中心部厚さが2.0mm、レンズ度数パワーが0.00D(ディオプター)、外形75mm、曲率半径300±5mmのプラスチックレンズ基材(CR39:HOYA(株)製)を使用した。歪み検査機(新東科学(株)製TYPE25W)による観察では歪みは確認されなかった。
(1)フォトクロミック液の調製
プラスチック製容器に、トリメチロールプロパントリメタクリレート20質量部、BPEオリゴマー(2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン)35質量部、EB6A(ポリエステルオリゴマーヘキサアクリレート)10質量部、平均分子量532のポリエチレングリコールジアクリレート10質量部、グリシジルメタクリレート10質量部からなるラジカル重合性単量体組成物を調製した。
次に、このラジカル重合性単量体組成物100質量部に対し、フォトクロミック色素として下記に示すクロメン1を3質量部、酸化防止剤としてLS765(ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート)を5質量部、光重合開始剤としてCGI−184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を0.4質量部、及びCGI−403(ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド)を0.1質量部添加した。
そして、これら酸化防止剤、光重合開始剤が添加された液を自転公転方式攪拌脱泡装置((株)シンキー製AR−250)にて2分間脱泡することで、フォトクロミック液を得た。得られた液の粘度は200mPa・sであった。
Figure 0005891091
(2)フォトクロミック膜の形成
得られたフォトクロミック液を約2g秤り取り、清浄に洗浄されるとともにあらかじめ前記プラスチックレンズ基材(CR39:HOYA(株)製)に膜厚5μmのプライマー層が形成されたレンズ基材の凸面に滴下した。600rpmで20秒間レンズ基材を回転させ、スピンコート法にてレンズ基材にコーティングを行った。なお、プライマー層は、プライマー液としてポリウレタン骨格にアクリル基を導入したポリウレタンの分散液(ポリカーボネートポリオール系ポリウレタンエマルジョン、粘度100mPa・s、固形分濃度38質量%)を塗布して形成した。
(3)第1の硬化光照射
窒素雰囲気中、フォトクロミック液をコーティングしたレンズ凹面側より405nmの光を10秒間照射し、フォトクロミック液を硬化した。光源には405nmに発光中心波長を有するLED光を用いた.照射光強度は80mW/cm2であった。
(4)第2の硬化光照射
第1の硬化光照射後,レンズ凸面側より,UVランプ(東芝ライテック(株)製)により紫外線を照射し、フォトクロミック液をさらに硬化した。紫外線照射は、照射距離330mmで165秒間行った。
なお、硬化によって形成されたフォトクロミック膜の膜厚を分光干渉膜厚測定法により測定したところ、30μmであった。
(5)形状および歪みの評価
得られたフォトクロミック膜コートプラスチックレンズの曲率半径を接触式球面計で測定したところ曲率半径は302mmであり変形は見られなかった。また、前記歪み検査機によっても歪みが発生していないことが観察された。
比較例1
第1の硬化光照射を行わない以外は実施例と同様にフォトクロミック膜コートプラスチックレンズを作製した.曲率半径は325mmであり,フォトクロミック膜の光重合時の収縮によりレンズに変形が生じていることが分かった.同レンズを歪み検査機で観察したところ,歪みが発生していることがわかった.
以上詳細に説明したように、本発明のフォトクロミックレンズの製造方法によれば、実質的にレンズ変形が発生しない。
このため、眼鏡用プラスチックレンズに適したフォトクロミックレンズの製造方法として好適である。

Claims (4)

  1. フォトクロミック色素及び光硬化性成分を含むフォトクロミック液をレンズ基材の少なくとも一方の面上に塗布し、レンズ基材に光を照射し、前記フォトクロミック液を硬化して、レンズ基材上にフォトクロミック膜を形成するフォトクロミックレンズの製造方法であって、
    レンズ基材が紫外線吸収剤を含有してなるものであり、レンズ基材を介して波長380nmを超えかつ410nm以下の光を照射することを特徴とするフォトクロミックレンズの製造方法。
  2. レンズ基材を介して波長380nmを超えかつ410nm以下の光を照射したのち、フォトクロミック液塗布面に対して波長150〜380nmの光を照射する請求項1に記載のフォトクロミックレンズの製造方法。
  3. レンズ基材の凸面側にフォトクロミック液を塗布する請求項1又は2に記載のフォトクロミックレンズの製造方法。
  4. レンズ基材の凹面側から波長380nmを超えかつ410nm以下の光を照射したのち、レンズ基材の凸面側から波長150〜380nmの光を照射する請求項2又は3に記載のフォトクロミックレンズの製造方法。
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