JP4172771B2 - コーティング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチックレンズ等のレンズの表面を光重合性のコーティング剤を用いてコーティングするための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
フォトクロミック眼鏡とは、太陽光のような紫外線を含む光が照射される屋外ではレンズが速やかに着色してサングラスとして機能し、そのような光の照射がない屋内においては退色して透明な通常の眼鏡として機能する眼鏡であり、近年その需要は増大している。
【0003】
フォトクロミック性を有するプラスチックレンズの製造方法としては、フォトクロミック性を有しないレンズの表面にフォトクロミック化合物を含浸させる方法(以下、含浸法という)、モノマーにフォトクロミック化合物を溶解させそれを重合させることにより直接フォトクロミックレンズを得る方法(以下、練り混み法という)及びフォトクロミック化合物を含有するコーティング剤(以下、フォトクロミックコーティング剤ともいう)を用いてプラスチックレンズの表面にフォトクロミック性を有する層(以下、フォトクロミックコート層ともいう)を設ける方法(以下、コーティング法という)が知られている。これらの方法の中でもコーティング法は、他の2つの方法と比べて、原理的にはどのようなレンズ基材に対しても簡単にフォトクロミック性を付与できるという利点を有している。たとえば、含浸法においては基材レンズとしてフォトクロミック化合物が拡散し易い柔らかい基材を用いる必要があり、また練りこみ法においても良好なフォトクロミック性を発現させるためには特殊なモノマー組成物を使用する必要があるのに対し、コーティング法においては、このような基材に対する制約はない。
【0004】
上記コーティング法で使用されるフォトクロミックコーティング剤には、光重合性のものがあり(特許文献1)、本発明者等も基材に対する密着性に優れるフォトクロミックコート層を与える光硬化性のフォトクロミックコーティング剤を開発している(特願2001−227374号、特願2002−354291号及び特願2002−372835号)。
【0005】
このような光重合性のフォトクロミックコーティング剤を用いてフォトクロミックコート層を形成するには、レンズ基材の表面にコーティング剤を塗布してコーティング剤からなる塗膜を形成した後に紫外線等の光を照射して該塗膜層を硬化させればよいが、このようなコーティング法に関する技術は未だ確立されたとは言えず、上記のような硬化を行なう場合も、所謂ハードコート用の光硬化装置が使用されていた。
【0006】
このような装置としては、コーティング剤の塗布から光重合までの処理を自動的に行なうことができるコーティング装置が知られている。該コーティング装置は、少なくとも1つのレンズの表面をコーティングするコーティング装置であって、上記レンズは両側に一対の主表面を有しており、上記コーティング装置が、フレームと、上記フレームに取り付けられた少なくとも1つのレンズ支持部と、上記主表面の1つが露出するように、上記レンズ支持部に少なくとも1つのレンズを取り外し可能に保持する取り付け手段と、上記フレームに取り付けられ、上記レンズ支持部の近傍に位置する取り付けプレートと、上記取り付けプレートに設けられ、上記レンズの上記露出主表面に所定の作業を順次行う一連のワークステーションと、上記取り付けプレートと上記レンズ支持部との間に相対運動を生じさせることにより、上記露出レンズ表面を上記ワークステーションのそれぞれの近傍に位置させ、よって、上記露出レンズ表面に対する上記作業を容易に行えるようにする割り出し手段と、保存したレンズコーティングデータに基づいて上記作業を制御するコントローラと、からなることを特徴としている(特許文献2参照)。
【0007】
上記一連のワークステーションとは、上記露出レンズ表面にレンズコーティング溶液を供給して行き渡らせるコーティングステーション及び該コーティングステーションでレンズ表面に行き渡らされたコーティングを固化する硬化ステーションを含んでいる。また、上記レンズ支持部は回転可能であり、上記コーティングステーションにおいては、レンズを該レンズ支持部に保持したままスピンコートを行なうことが可能となっている。更に、上記硬化ステーションは、上記取り付けプレートに取り付けられたカバーを有し、該カバーが、上記レンズ支持部が上記硬化ステーションの近傍に位置するとき上記露出レンズ表面の近傍に位置される開口部を有し、該カバーを上記レンズ支持部に対して移動させることにより、硬化工程の間上記カバーを上記露出レンズ表面上に位置させる手段が設けられコントローラからのコマンドに応じて上記露出レンズ表面上の上記コーティング溶液を硬化する硬化手段が設けられている。そして、該記硬化手段は、例えば紫外線光源を有し、上記紫外線光源は上記カバー内に位置されると共に、上記露出レンズ表面の近傍に位置し、上記紫外線光源から上記レンズ表面に対して紫外線を照射することにより上記コーティング溶液を固化されるものであり、硬化工程中上記カバーに窒素ガス等の気体を導入する手段を有している。したがって、該装置ではカバー内部に窒素ガスを導入しながら紫外線照射ができる構造となっている(特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】
国際公開第01/02449号パンフレット
【特許文献2】
特開2000−334369号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような装置を用いたコーティング法は、フォトクロミックプラスチックレンズの製法として利用可能な方法であると考えられるが、実際にフォトクロミックコーティング剤を用いてコーティングを行なったところ、高品質な硬化体を得ることが難しいという問題があることが判明した。これは、コーティング剤中に含まれるフォトクロミック化合物の光吸収により重合速度が低下し、重合雰囲気中の残存酸素による重合阻害を受け易くなっていることと合わせて、コーティング法により十分なフォトクロミック特性のレンズを得ようとする場合にはフォトクロミックコーティング剤中のフォトクロミック化合物の濃度には限界があるためコート層の厚さを例えば5μm以上、好ましくは30μm以上と、ハードコート膜厚さ(通常1μm程度)と比べ非常に厚くする必要があるが、このように層の厚さを厚くした場合には、表層部は酸素による重合阻害の影響を受け易いのに対して深部ではその影響が少ないため重合状態が厚さ方向に不均一になることが原因であると考えられる。したがって、上記の問題は重合速度を速くする、或いは実質的に酸素が存在しない雰囲気下で重合を行なうことにより解決できると考えられる。
しかしながら、上記重合速度が低下するのを防止するために光重合開始剤の添加量を増やすことは、フォトクロミック化合物の耐久性が低下するといった問題が生じるため好ましくない。また、酸素による重合阻害の問題を窒素ガスのような不活性ガスで雰囲気を十分に置換することにより回避しようとする場合、コーティング剤が塗布された基材を設置した後で置換を行なうと、酸素濃度を問題のないレベルまで低下させるのに長時間を要し、眼鏡レンズのように凸状或いは凹状の曲面を有するレンズを用いた場合には、基材を水平に静置してもコーティング剤が流動するために均一で所期の厚さを有する硬化膜が得られず、発色時の色むらの発生やレンズの光学特性の低下が避けられないという別の問題が発生することが判明した。
【0010】
そこで本発明は、眼鏡レンズのように凸状或いは凹状の曲面を有するレンズの表面に光硬化性のコーティング剤の硬化体からなるコート層を形成するためのコーティング装置であって、未硬化状態のコーティング剤層の厚さが厚くてもそれを均一且つ均質に硬化させ得る装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記問題を解決するために鋭意検討を行なった。その結果、光重合装置として、光重合を実施する光重合室に加えて、その光重合室の前室として重合予備室を設置し、両室を十分に不活性ガスで置換した上で光硬化性コーティング剤が塗布された基材を重合予備室に一旦保持した後に、光重合室に移動させて重合した場合には、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、第一の本発明は、レンズの表面に光重合硬化性のコーティング剤を塗布してコーティング剤層を形成した後に当該コーティング剤層を硬化することによりレンズのコーティングを行なうコーティング装置(1)であって、筐体(100)と、該筐体に移動可能に取り付けられた少なくとも一つのレンズ保持機構(200)と、前記筐体にそれぞれ固定されてまたは移動可能に取り付けられた、前記レンズ保持機構に保持されたレンズの表面に重合硬化性のコーティング剤をスピンコートにより塗布してコーティング剤層を形成するためのスピンコートステーション(300)及び前記レンズ保持機構に保持された表面にコーティング剤層が形成されたレンズに光照射を行なって当該コーティング剤層を硬化させる硬化ステーション(400)と、前記筐体に取り付けられた、上記レンズ保持機構を少なくとも前記スピンコートステーション(300)と前記硬化ステーション(400)のとの間を移動させるための移動手段(500)と、を具備するコーティング装置において、
前記レンズ保持機構(200)が回転駆動可能な軸を有し、レンズ(2)を、その一方の面が上方に向かって露出し、当該露出面の中心若しくはその近傍の任意の1点における法線と前記軸の延長線とが一致するようにして回転可能に保持する保持機構であり、
前記硬化ステーション(400)が、光源(410)と、光源(410)の下方に位置する部屋であって、室内の雰囲気を制御するための雰囲気制御機構(421)、光透過性窓(422)を有する天井(423)、前記レンズ保持機構(200)に保持されたレンズが入出可能な開口部(424)及び該開口部を開閉可能なシャッター(425)を有する床(426)並びに前記レンズ保持機構(200)に保持されたレンズを前記窓(422)の下方に収容するレンズ収容部(427)を有し、前記光源から当該光透過性窓を通して該収容部に収容されたレンズの露出面に光を照射するための光照射室(420)と、該光照射室(420)の下方に隣接し、前記光照射室の床(426)を天井とする部屋であって、内部の雰囲気を制御するための雰囲気制御機構(431)、前記レンズ保持機構(200)に保持されたレンズが入出可能な開口部であって前記光照射室(420)の開口部(424)の真下に位置する開口部(432)及び該開口部を開閉可能なシャッター(433)を有する床(434)並びに前記レンズ保持機構(200)に保持されたレンズを収容するレンズ収容部(435)を有し、前記レンズ保持機構(200)に保持されたレンズ基材を一時的に保持するための予備室(430)とからなり、
前記移動手段(500)が、前記レンズ保持機構(200)を前記予備室(430)の開口部(432)の真下に移動させ、更に前記レンズ保持機構(200)を上方に又は前記硬化ステーション(400)を下方に移動せしめ、当該移動と連動してレンズが前記床(434)に接触しないように前記シャッター(433)を開き、開口部(432)を通ってレンズをレンズ収容部(435)に収容した後、当該移動を所定の時間停止した後再び或いは移動を停止せず引き続きレンズ保持機構に上方に又は前記硬化ステーションを下方に移動せしめ、当該移動と連動してレンズが前記床(426)に接触しないように前記シャッター(425)を開き、開口部(424)を通ってレンズをレンズ収容部(427)に収容させる移動及びシャッター開閉制御機構を有するものであることを特徴とするコーティング装置である。
【0013】
また、第二の本発明は、上記本発明のコーティング装置を用いてレンズの表面に光重合硬化性コーティング剤の硬化体なる層を形成することを特徴とするコーティングされたレンズの製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明のコーティング装置について説明する。
【0015】
代表的な本発明のコーティング装置1の斜視図を図1に示す。図1に示されるように、本発明のコーティング装置は、筐体100、該筐体に内に設置されるレンズ保持機構200、スピンコートステーション300、硬化ステーション400及び移動手段500を有する。該コーティング装置1においてはレンズがレンズ保持機構に保持された状態で移動手段500によって移送され、スピンコートステーション300においてレンズ表面にコーティング剤の塗布がなされ、硬化ステーション400においてレンズ表面に塗布されたコーティング剤の硬化が行なわれ、レンズ表面にコート膜が形成される。
【0016】
筐体100は、少なくとも1つのレンズ保持機構200、スピンコートステーション300、硬化ステーション400及び移動手段500を収容するのに十分な内部空間を有する金属、樹脂等の構造材料で構成されるフレームであり、レンズをレンズ保持機構にセットしたり装置を保守したりするための開口部を有している。なお、該開口部には開閉自在のカバーが設けられていてもよい。
【0017】
レンズ保持機構200は、被処理体であるレンズ2を保持するための部材であり、回転可能な軸を有しており、レンズ2を、その一方の面が上方に向かって露出し、当該露出面の中心若しくはその近傍の任意の1点における法線と前記軸の延長線とが一致するようにして回転可能に保持する保持機構である。このため、該保持機構にレンズを保持したままスピンコートを行なうことが可能となっている。レンズ保持機構200を具体的に示せば、上記機能を実現できるものであれば特に限定されないが、好適な態様としては、サーボモータと該サーボモータの回転軸と連結するレンズを保持するための取り付けアダプタとからなるものを挙げることができる。該取り付けアダプタは例えばその上部にレンズを載置したときにレンズ底面とアダプタ上面とで密閉された空間ができるような構造となっているとともに該空間は外部の排気装置と通路を通じて連通する構造となっており、該空間内を減圧とすることにより載置されたレンズを保持できるようになっている。前記サーボモータは筐体に固定された別の回転可能な軸510(該軸510は移動手段500の一部を構成する)に固定され、該軸510を回転させることによりレンズ保持手段200を図1に示すようにスピンコートステーションの真下から効果ステーションの真下に移動させることができるようになっている。なお、サーボモータと軸510の固定態様としては、前記軸510を中心とする回転可能な円盤の周縁部近傍にサーボモータを固定する態様を挙げることができるが、これに限定されず例えばアームを介して固定することもできる。また、軸510を回転させる駆動力は特に限定されず、軸510自体がモーターの回転軸であってもよいし、筐体内の別の場所に固定されたモーターから歯車やローラーを用いて回転力を伝達するものであってもよい。例えば前記特許文献2に記載されているような「割り出し手段」のような態様をとることも可能である。
【0018】
なお、前記サーボモータの胴部には、後述するスピンコートステーション300又は硬化ステーション400の光照射室420内にレンズを収容したときに液漏れを防止したり硬化ステーション400の機密を保ったりするためのシール部材としてその上面にo−リング等を有するフランジが固定されているのが好ましい。
【0019】
スピンコートステーション300は、前記レンズ保持機構に保持されたレンズの表面に重合硬化性のコーティング剤をスピンコートにより塗布してコーティング剤層を形成するためのワークステーションである。該スピンコートステーション300は例えばエアーシリンダ520(該エアーシリンダは移動手段500の一部を構成する)を用いて鉛直方向上下に移動可能に筐体100に取り付けられている。図2にスピンコートステーション300の模式図を示す。スピンコートステーション300は、エアーシリンダによりガイド支柱に沿って上下に移動可能に取り付けられたアームを介して取り付けられたトレイ310、エアーシリンダに取り付けられたアーム321に沿って移動可能に取り付けられたノズル320、エアーシリンダによりガイド支柱に沿って上下に移動可能に取り付けられたアーム331に沿って移動可能に取り付けられたヘラ状の溜り液除去部材330を有している。上記トレイ310は、レンズの口径よりも大きな口径を有する開口部311を有しており、レンズを保持したレンズ保持機構200が該開口部の直下に位置するように移動させられた後にエアーシリンダを駆動させてトレイ310を下降せしめることによりレンズをトレイに接触させることなく図2に示されるような所定の位置にレンズを保持したレンズ保持機構200を収容できるようになっている。なお、図2ではスピンコートステーションを下降又は上昇せしめることによりレンズをスピンコートステーション300に入れたり該ステーションから出したりする態様を示したが、例えば前記軸510をエアーシリンダ等に連結することによりレンズの入出はスピンコートステーションを固定したままレンズ保持機構を上昇又は下降せしめることによって行うこともできる。
【0020】
前記トレイ310の底部には廃液孔312が設けられており、スピンコート時にレンズ表面から飛ばされたコート液が該廃液孔を通じて外部に廃棄されるようになっている。
【0021】
また、前記ノズル320はディスペンサー機構の一部であり、図示しないコーティング剤タンクから所定量のコーティング剤をレンズの露出面に供給できるようになっている。該ノズルは前記アーム321に沿って移動可能であり、レンズ中心部からアームの根元側に移動させながらコーティング剤を供給できるようになっている。レンズ表面にコーティング剤を供給しながら或いは供給した後にレンズ保持機構のサーボモータを作動させてレンズを回転させることによりスピンコートを行なうことができる。なお、アーム321自体を上下に移動可能とすることにより、上記移動の際にノズルの吐出口とレンズ表面との距離を一定に保つように制御できるようにすることも可能である。上記移動をレンズ保持機構におけるサーボモータの回転と連動させることによりレンズ表面に螺旋状にコーティング剤を供給することができ、特に高粘度のコーティング剤を用いる場合にはこのように螺旋状にコーティング剤を供給した後に高速でレンズを回転させスピンコートすることにより均一な膜厚の塗膜を得ることができる。
【0022】
高粘度のコーティング剤を用いてスピンコートを行なう場合、レンズの周縁部にコート液が溜まる傾向があるが、上記ノズルと同様な機構で位置制御可能な溜り液除去部材330をもちいてレンズ周縁部に溜まったコーティング剤を除去することにより周縁部の塗膜の厚さをレンズ中央部の塗膜の厚さとほぼ同等とすることができ、全体の塗膜の厚さの均一性をより高くすることができる様になっている。溜り液除去部材330は、レンズを傷つけないという観点からゴムのような柔軟な材質で構成されるヘラ状のものであるのが好適である。またヘラにはレンズの縁の形状に対応したノッチが設けられているのが好ましい。また、コーティング剤の粘度が高く、レンズ表面に螺旋状にコーティング剤を供給した後に回転数を上げていっても、きれいにコーティング剤が延展し難い場合には、上記位置制御可能な溜り液除去部材330を用いてレンズ表面に供給されたコーティング剤を強制的に延展せしめることも可能である。
【0023】
該スピンコートステーション300でコーティング処理が行なわれた後は、レンズ保持手段のサーボモータの回転を停止し若しくは回転を遅くしてからスピンコートステーション300を元の位置まで上昇せしめ、その後軸510を回転させて塗膜が形成されたレンズを保持したレンズ保持手段200は硬化ステーション400の真下に移動させられる。
【0024】
前記硬化ステーション400は、前記スピンコートステーション300でレンズの表面に形成されたコーティング剤層を硬化させるためのワークステーションである。該硬化ステーション400は、例えばエアーシリンダ530(該エアーシリンダは移動手段500の一部を構成する)を用いて鉛直方向上下に移動可能に筐体100に取り付けられている。
【0025】
硬化ステーション400は、図3に示されるように、光源410と、光源410の下方に位置する部屋であって、室内の雰囲気を制御するための雰囲気制御機構421、光透過性窓422を有する天井423、前記レンズ保持機構200に保持されたレンズが入出可能な開口部424及び該開口部を開閉可能なシャッター425を有する床426並びに前記レンズ保持機構200に保持されたレンズを前記窓422の下方に収容するレンズ収容部427を有し、前記光源から当該光透過性窓を通して該収容部に収容されたレンズの露出面に光を照射するための光照射室420と、該光照射室420の下方に隣接し、前記光照射室の床426を天井とする部屋であって、内部の雰囲気を制御するための雰囲気制御機構431、前記レンズ保持機構200に保持されたレンズが入出可能な開口部であって前記光照射室420の開口部424の真下に位置する開口部432及び該開口部を開閉可能なシャッター433を有する床434並びに前記レンズ保持機構200に保持されたレンズを収容するレンズ収容部435を有し、前記レンズ保持機構200に保持されたレンズ基材を一時的に保持するための予備室430とからなっている。
【0026】
前記軸510を回転さることによりコーティング処理されたレンズを保持したレンズ保持手段を硬化ステーション400の真下、より具体的には上記開口部432の真下に移動させられた(図3に示す状態)後、エアーシリンダ530を駆動させて硬化ステーション400を下降せしめることによりコーティング処理されたレンズは硬化ステーション400内部に導入される。このとき、硬化ステーション400の下降と連動してレンズが前記床434に接触しないように前記シャッター433を開き、開口部432を通ってレンズをレンズ収容部435に収容した後(図4に示す状態)、当該移動を所定の時間停止しした後再び或いは移動を停止せず引き続きレンズ保持機構に上方に又は前記硬化機構を下方に移動せしめ、当該移動と連動してレンズが前記床426に接触しないように前記シャッター425を開き、開口部424を通ってレンズをレンズ収容部427に収容され(図5に示す状態)、光源からの光を照射することによりレンズ表面のコーティング剤層が硬化される。レンズがレンズ収容部427に収容されたときには、レンズ保持機構200のサーボモータの胴部に固定されているフランジがo−リングを介して床434の裏側に当接することにより外気が硬化ステーション400の内部に流入しないようになっている。また、開口部432の口径を開口部424よりも大きくしておき、レンズ保持機構のサーボモータ胴部の上記フランジが固定されている部位よりも上部に開口部432は通過するが開口部424は通過しない大きさの別のシール用フランジを固定することにより光照射室と予備室の間がシールされる(図5参照)。硬化処理後レンズを硬化ステーション400から取り出すためには硬化ステーション400を上昇させればよい。なお、以上硬化ステーション400を下降又は上昇せしめることによりレンズを硬化ステーション400に入出させる態様を示したが、例えば前記軸510をエアーシリンダ等に連結することによりレンズの入出はスピンコートステーションを固定したままレンズ保持機構を上昇又は下降せしめることによって行うこともできる。
【0027】
本発明者等の検討によれば、レンズ表面に10〜60μm、特に30〜50μmの厚さのコーティング層を光重合によって形成する場合、均一で良好なコーティング層を得るためには、スピンコート法によりレンズ表面にコーティング剤を塗布してから少なくとも20秒以内、好ましくは10秒以内に酸素濃度が500ppm以下、好ましくは300ppm以下、最も好ましくは100ppm以下の雰囲気下で光重合を行なう必要があることが明らかとなっているが、光照射室と予備室が仕切られた状態で雰囲気制御機構421及び431を用いて予め両室内を窒素等の不活性ガスで置換し、酸素濃度を非常に低いレベル(例えば100ppm以下)にしておき、上記したようにして予備室に素早くレンズを導入した後に直ちに或いは必要に応じて雰囲気制御機構431により導入時に不可避的に室内に混入した酸素を問題のないレベルまで排除してからレンズを光照射室に移送すればこのような厳しい条件をクリアすることが可能となる。
以下、硬化ステーション400の構造について、更に詳しく説明する。
【0028】
上記光源410は図示しない保持手段により光照射室420の上部に光源からの光が光透過性窓422を通って光照射室420の内部に入射するような位置に保持されている。光源410を光照射室420の外部に配置することにより光源の保守を容易にすると共に光照射室内の容積を小さくすることができ、窒素ガス置換等の方法により内部の雰囲気制御をより短時間で行なうことが可能となる。光源410は、例えば無電極ランプ等の紫外線などの光(活性エネルギー線)の発生源であり、図示しない電源および制御装置に接続している。また、光源410の近傍には光源を冷却する目的でブロアーが配置されていてもよい。さらに、光照射時におけるレンズの温度上昇を防止する目的で光源と光照射室との間に赤外線吸収フィルター等を設置するのが好適である。
【0029】
光照射室420は、室内の雰囲気を制御するための雰囲気制御機構421を有しており、その内部の雰囲気、具体的には雰囲気ガスの組成を制御することが可能となっている。該雰囲気制御機構421は、例えば室内に不活性ガスを導入するためのガス導入手段及び室内のガスを排出するための排気手段であり、具体的には、導管を介して流量調節装置(図示しない)及び不活性ガスシリンダーまたは不活性ガスボンベ(図示しない)に接続するガス導入孔421aおよび室外にガスを排出するためのガス排出孔421bである。ガス導入孔及びガス排出孔には開閉バルブ又は逆止弁が連接されていてもよい。また、ガス排出孔は、必要に応じて導管を介して開放されていてもよいし、真空ポンプなどの強制排気手段と接続していてもよい。また、光照射室420には室内の酸素ガス濃度を検出するための検出器440aが設置されているのが好適である。上記雰囲気制御機構421により光照射室420内の酸素濃度を例えば100ppm以下という非常に低いレベルに保つことができる。
【0030】
光照射室420は、擦り加工が施してあっても構わない石英、硼珪酸ガラス、ソーダガラス等の光透過性の材質からなる窓422で少なくともその一部が構成される天井423を有する部屋である。該光照射室420は、内部に前記レンズ保持機構200に保持されたレンズを収納するための空間、即ちレンズ収容部427が確保されている。該収容部は、光源から光照射を行なった場合に、窓422を透過した光が、該収容部に収容されたレンズ2を照射できる位置に配置されている。また、光照射室420の床426には、前記レンズ保持機構200に保持されたレンズを出し入れすることができる開口部424が設けられており該開口部にはシャッター425が付設されており、該シャッター425に接続するロッド425aを引く又は押すことにより開口部を開閉することができるようになっている。
【0031】
予備室430は、光照射室420の下方に隣接する部屋であり、レンズを光照射室420に導入する前に一時的に保持するためのレンズ収容部435を有する。該予備室430は、レンズ表面に光重合性のコーティング剤からなる塗膜を形成後、速やかに該塗膜を酸素が実質的に存在しない雰囲気化で重合硬化させるために設けられたものであり、その目的を達成するために予備室430は内部の雰囲気を制御するための雰囲気制御機構431を有している必要がある。該雰囲気制御機構431は、内部の雰囲気ガスの組成を制御する機能を有するものであり、その具体例としては、光照射室における雰囲気制御機構421と同様なガス導入孔431aおよび室外にガスを排出するためのガス排出孔431bが挙げられる。
【0032】
該予備室430の天井は前記光照射室の床426(の裏側)となっており、レンズを外気に晒すことなくレンズを光照射室420に移送することが可能となっている。また、予備室430は、前記レンズ保持機構200に保持されたレンズが入出可能な開口部であって前記光照射室420の開口部424の真下に位置する開口部432及び該開口部を開閉可能なシャッター433を有する床434を有する。前記開口部432に付設されるシャッター433にはロッド433aが接続しており、該ロッド433a引く又は押すことにより開口部を開閉することができるようになっている。
【0033】
なお、予備室430には、室内の酸素ガス濃度を検出するための検出器440bが設置されているのが好適である。この検出器により、予備室内の酸素濃度が前記シャッター425を開いても、光照射室内の酸素濃度を問題となるレベルにまで変動させないようなレベルに達していることを確認する事ができ、操作の確実性延いては製品の品質バラツキを小さくすることが可能となる。
以上、図面に基づき本発明のコーティング装置および該装置を用いてコーティングされたレンズの製造方法について説明したが、本発明の装置は図に示したものに限定されず、例えばレンズ洗浄やレンズ表面前処理のためのワークステーションを有していてもよい。これらワークステーションとしては、溶媒洗浄或いはアルカリ性水溶液による前処理のように溶液を用いてレンズ表面を処理する場合には、基本的にはスピンコーティングステーション300と同様なワークステーションを採用することができる。場合によっては、スピンコーティングステーション300においてこれら処理液用のノズルを設置することで対応することも可能である。また、プラズマ処理やコロナ放電処理を行なう場合には、プラズマ発生装置或いはコロナ放電装置を筐体内に設置し、ワークステーションとすることもできる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるわけではない。
【0035】
実施例1
チオウレタン樹脂製のレンズ基材(プラノーレンズ:度数0.00)の表面に下記組成のフォトクロミックコーティング剤をスピンコート法により厚さ約40μmの塗膜を形成した後、図1に示す装置を用いて、下記(1)〜(5)に示す手順で上記塗膜の硬化を行ない、表面にフォトクロミックコート層を有するプラスチックレンズ(製品レンズ)を製造した。
なお、使用した光重合装置の具体的仕様は次のとおりである。
光源:Fusion UV Systems社製無電極UVランプ(F300SQ)
光照射室:
窓材;硬質ガラス(硼珪酸ガラス)
雰囲気制御手段;高純度窒素ガス(酸素濃度5ppm以下)を、流速を制御して導入可能なガス導入孔及び排気孔
酸素濃度センサー;大阪酸素工業株式会社製『MKI-50SU』
予備室:
雰囲気制御手段;高純度窒素ガスを、流速を制御して導入可能なガス導入孔及び排気孔
酸素濃度センサー;大阪酸素工業株式会社製『MKI-50SU』
〔フォトクロミックコーティング剤組成〕
・γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン 10重量部
・トリメチロールプロパントリメタクリレート 15重量部
・ポリエステルオリゴマーヘキサアクリレート 15重量部
・グリシジルメタクリレート 10重量部
・平均分子量532のポリエチレングリコールジアクリレート 10重量部
・平均分子量776の2,2−ビス(4−アクリロイルオキシポリエチレングリコールフェニル)プロパン 40重量部
・N−メチルジエタノールアミン5重量部
・ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート 5重量部
・IRUGACURE1800:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドの3対1の比の混合物 0.4重量部
・下記式で示されるフォトクロミック化合物 2.5重量部
【0036】
【化1】
Figure 0004172771
〔硬化手順〕
(1) 先ず、基材の前処理として、チオウレタン樹脂製のレンズ基材(プラノーレンズ:度数0.00、直径約70mm)の前処理をアルカリ水溶液にて行なった。
【0037】
(2) 予備室及び光照射室の窒素置換を実施し、酸素濃度が500ppm以下になったことを確認した後、上記前処理済みのレンズをレンズ保持機構に保持し、スピンコートステーションで上記フォトクロミックコーティング剤を膜厚が40μmになるようにコーティングした。
【0038】
(3) スピンコート終了後フォトクロミックコート層を形成したレンズを、硬化ステーションの下方まで移動させ、更に予備室内に移送した。この際、スピンコート終了後からレンズを予備室内に移送するのに要した時間は7秒であった。また、シャッターを開くことにより予備室内の酸素濃度は、一時的に1〜3%程度まで上昇した。
【0039】
(4) その後、直ちにレンズ予備室から光照射室に移動させ、その後3秒間程度光照射室内の窒素置換を実施した後、光源のスイッチをオンにした。なお、この時の光重照射室内の酸素濃度は500ppm以下であり基材保持台を移動前の値とほぼ同じであった。また、スピンコーティング終了時から光照射までに要した時間は、合計で約10秒であった。
【0040】
(5) 光照射を3分間実施後、120℃で1時間アニールを行い、製品レンズを完成させた。
【0041】
得られた製品レンズについて、基材の中心部および周縁部のコーティング層の膜厚及びフォトクロミック特性を下記(I)〜(III)に示す方法で評価した。その結果を表1に示した。
【0042】
(I) フォトクロミック層の膜厚:レンズ中心部分の膜厚は、レンズの最中心の膜厚と比較して、110%以上の膜厚を有する部分(該部分は、レンズ加工の際に切削除去される周縁部近傍の部分である)を除いた部分のコーティング層についてフィルメトリクス社製薄膜測定装置を用いて測定を行った。レンズ周縁部分の膜厚は、(株)ハイロックス製パワースコープKH−2700を用いて直接観察することにより膜厚測定を行った。
【0043】
(II) 最大吸収波長(λmax):得られたフォトクロミック層を有するレンズに、浜松ホトニクス製のキセノンランプL−2480(300W)SHL−100を、エアロマスフィルター(コーニング社製)を介して20℃±1℃、重合体表面でのビーム強度365nm=2.4mW/cm,245nm=24μW/cmで120秒間照射して発色させ、このときの最大吸収波長を(株)大塚電子工業製の分光光度計(瞬間マルチチャンネルフォトディテクターMCPD1000)により求めた。なお、最大吸収波長は、発色時の色調に関係する。
【0044】
(III) 発色濃度:120秒間光照射した後の、最大吸収波長における吸光度{ε(120)}と、光照射していない状態の硬化体の該波長における吸光度{ε(0)}との差{ε(120)−ε(0)}を求めこれを発色濃度とした。この値が高いほどフォトクロミック性が優れているといえる。
【0045】
(IV)発色ムラ:屋外でレンズ表面の発色色調の色ムラを目視評価した。色ムラがないものを○、色ムラがあるものを×とした。
【0046】
【表1】
Figure 0004172771
【0047】
比較例1
硬化手順を以下のように実施したこと以外は、実施例1と同様にして試料を作成し、実施例1と同様にその評価を行った。評価結果を表1に示した。
【0048】
〔硬化手順〕
(1) 実施例1の(1)と同様
(2)’ スピンコーティングの間に予備室及び光照射室の窒素置換は行なわず、両室内は大気と同じ雰囲気にしておいた以外は実施例1の(2)と同様にしてスピンコーティングを行なった。
(3)’ フォトクロミックコート層を形成したレンズを実施例1(3)と同様にして予備室内に移送した。
(4)’ レンズを実施例1の(4)と同様用に光照射室に移送し、その後240秒間重合室内の窒素置換を実施した後、光源のスイッチをオンにした。この時の光重合室内の酸素濃度は、400ppmであった。
(5) 実施例1の(5)と同様にして製品レンズを完成させた。
【0049】
比較例2
酸素濃度が1000ppmである窒素ガスを用いたこと以外は、実施例1と同様にして試料を作成したが、酸素濃度が1000ppmと高かったためにフォトクロミック層の表層がアセトン等の溶媒で溶けるほどに重合が十分でないレンズができた。このレンズは、未重合であったため、評価しなかった。
【0050】
実施例1と比較例1及び2の結果から、光重合時の酸素濃度が高いとコーティング剤の硬化が十分に起こらず、また、スピンコート終了後光照射開始までの時間が長いとフォトクロミック層の膜厚にムラが生じ、十分なフォトクロミック特性を得ることができないことが分かる。
【0051】
【発明の効果】
本発明のコーティング装置を用いることにより、大気中で光重合性コーティング剤の塗布を行なってコーティング剤層を形成した基材の当該コーティング剤層を光重合するに際し、重合雰囲気を短時間で酸素濃度が非常に低いレベルに制御して重合を行なうことが可能となる。このため、眼鏡レンズのように凸状或いは凹状の曲面を有する基材の表面に例えば40μmといった厚さのコーティング剤層を形成した基材のコーティング剤層の硬化を行なう場合でも、コーティン剤の液垂れにより層の厚さが不均一に、しかも酸素による重合阻害の影響を受けることなく重合硬化を行なうことができ、均一で均質な良好なコート層を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本図は、代表的な本発明のコーティング装置の斜視図である。
【図2】 本図は、図1に示す装置のスピンコートステーションの概略図である。
【図3】 本図は、図1に示す装置の硬化ステーション及びその作動原理を説明するための概略図であり、レンズが硬化ステーションに導入される前の状態を示す。
【図4】 本図は、図1に示す装置の硬化ステーションの作動原理を説明するための概略図であり、レンズが予備室に導入された状態を示す。
【図5】 本図は、図1に示す装置の硬化ステーションの作動原理を説明するための概略図であり、レンズが光照射室に導入された状態を示す。
【符号の説明】
1:コーティング装置
2:レンズ
100:筐体
200:レンズ保持機構
300:スピンコートステーション
310:トレイ
320:ノズル
321:アーム
330:溜り液除去部材
331:アーム
400:硬化ステーション
410:光源
420:光照射室
421:雰囲気制御機構
422:光透過性窓
423:天井
424:開口部
425:シャッター
425a:ロッド
426:床
427:レンズ収容部
430:予備室
431:雰囲気制御機構
432:開口部
433:シャッター
433a:ロッド
434:床
435:レンズ収容部
440a,b:検出器
500:移動手段
510:回転可能な軸
520、530:エアーシリンダ

Claims (5)

  1. レンズの表面に光重合硬化性のコーティング剤を塗布してコーティング剤層を形成した後に当該コーティング剤層を硬化することによりレンズのコーティングを行なうコーティング装置(1)であって、筐体(100)と、該筐体に移動可能に取り付けられた少なくとも一つのレンズ保持機構(200)と、前記筐体にそれぞれ固定されてまたは移動可能に取り付けられた、前記レンズ保持機構に保持されたレンズの表面に重合硬化性のコーティング剤をスピンコートにより塗布してコーティング剤層を形成するためのスピンコートステーション(300)及び前記レンズ保持機構に保持された表面にコーティング剤層が形成されたレンズに光照射を行なって当該コーティング剤層を硬化させる硬化ステーション(400)と、前記筐体に取り付けられた、上記レンズ保持機構を少なくとも前記スピンコートステーション(300)と前記硬化ステーション(400)のとの間を移動させるための移動手段(500)と、を具備するコーティング装置において、
    前記レンズ保持機構(200)が回転駆動可能な軸を有し、レンズ(2)を、その一方の面が上方に向かって露出し、当該露出面の中心若しくはその近傍の任意の1点における法線と前記軸の延長線とが一致するようにして回転可能に保持する保持機構であり、
    前記硬化ステーション(400)が、光源(410)と、光源(410)の下方に位置する部屋であって、室内の雰囲気を制御するための雰囲気制御機構(421)、光透過性窓(422)を有する天井(423)、前記レンズ保持機構(200)に保持されたレンズが入出可能な開口部(424)及び該開口部を開閉可能なシャッター(425)を有する床(426)並びに前記レンズ保持機構(200)に保持されたレンズを前記窓(422)の下方に収容するレンズ収容部(427)を有し、前記光源から当該光透過性窓を通して該収容部に収容されたレンズの露出面に光を照射するための光照射室(420)と、該光照射室(420)の下方に隣接し、前記光照射室の床(426)を天井とする部屋であって、内部の雰囲気を制御するための雰囲気制御機構(431)、前記レンズ保持機構(200)に保持されたレンズが入出可能な開口部であって前記光照射室(420)の開口部(424)の真下に位置する開口部(432)及び該開口部を開閉可能なシャッター(433)を有する床(434)並びに前記レンズ保持機構(200)に保持されたレンズを収容するレンズ収容部(435)を有し、前記レンズ保持機構(200)に保持されたレンズ基材を一時的に保持するための予備室(430)とからなり、
    前記移動手段(500)が、前記レンズ保持機構(200)を前記予備室(430)の開口部(432)の真下に移動させ、更に前記レンズ保持機構(200)を上方に又は前記硬化ステーション(400)を下方に移動せしめ、当該移動と連動してレンズが前記床(434)に接触しないように前記シャッター(433)を開き、開口部(432)を通ってレンズをレンズ収容部(435)に収容した後、当該移動を所定の時間停止した後再び或いは移動を停止せず引き続きレンズ保持機構に上方に又は前記硬化ステーションを下方に移動せしめ、当該移動と連動してレンズが前記床(426)に接触しないように前記シャッター(425)を開き、開口部(424)を通ってレンズをレンズ収容部(427)に収容させる移動及びシャッター開閉制御機構を有するものであることを特徴とするコーティング装置。
  2. 前記雰囲気制御機構(421)及び前記雰囲気制御機構(431)が、共に室内に不活性ガスを導入するためのガス導入手段及び室内のガスを排出するための排気手段からなることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記光照射室(420)及び/又は前記予備室(430)に室内の酸素ガス濃度を検出するための 検出器(440a,b)が設置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
  4. 請求項1乃至3の何れの装置を用いてレンズの表面に光重合硬化性コーティング剤の硬化体なる層を形成することを特徴とするコーティングされたレンズの製造方法。
  5. 前記コーティング剤の硬化体からなる層の厚さが5〜100μmである請求項4に記載の製造方法。
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