JP4762984B2 - 被覆層を有するプラスチックレンズの製造方法およびレンズ保持台 - Google Patents

被覆層を有するプラスチックレンズの製造方法およびレンズ保持台 Download PDF

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Description

本発明は、コーティング層で被覆されたプラスチックレンズの製造方法に関する。より詳しくは、コーティング層を表面に有する眼鏡レンズ等のプラスチックレンズの簡便かつ確実な製造方法に関する。また、本発明は、かかる製法に好適に用いられるレンズ保持台に関する。
フォトクロミズムとは、ある化合物に太陽光あるいは水銀灯の光のような紫外線を含む光を照射すると速やかに色が変わり、光の照射をやめて暗所におくと元の色に戻る可逆作用のことであり、様々な用途に応用されている。
例えば、眼鏡レンズの分野においてもフォトクロミズムが応用されており、上記のような性質を有する各種フォトクロミック化合物を添加した重合性単量体を硬化させることにより、フォトクロミック性を有するプラスチックレンズが得られている。フォトクロミック化合物としてもこのような用途に好適に使用できるフルギミド化合物、スピロオキサジン化合物、クロメン化合物等が見出されている。
フォトクロミック性を有するプラスチックレンズの製造方法としては、フォトクロミック性を有しないレンズの表面にフォトクロミック化合物を含浸させる方法(以下、含浸法という)、あるいはプラスチックレンズの表面にフォトクロミック性を有するコーティング層を設ける方法(以下、コーティング法という)、あるいはモノマーにフォトクロミック化合物を溶解させそれを重合させることにより直接フォトクロミックレンズを得る方法(以下、練り混み法という)が提案されている。
上記のコーティング法としては、例えば、ウレタンオリゴマー中にフォトクロミック化合物を溶解させたコーティング剤をレンズ上に塗布した後、赤外線を用いて40分間140℃で熱硬化する手法が提案されている(特許文献1参照)。
また、単官能、2官能および多官能の各ラジカル重合性単量体の混合物にフォトクロミック化合物を溶解したコーティング剤を調合し、それをガラスモールド内面にコーティングした後に光硬化し、その後、モールド内部へモノマーを注型し、熱硬化する手法が提案されている(特許文献2参照)。
さらに、N―アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、触媒(好ましくは酸性触媒)及びフォトクロミック化合物を混合したコーティング剤をレンズ上に塗布した後、40分間140℃で熱硬化する手法が提案されている(特許文献3参照)。
さらに、2種類以上の2官能(メタ)アクリルモノマーのみの組み合わせからなるモノマー組成物に、フォトクロミック化合物を溶解させたコーティング剤をレンズ上に塗布した後、500ワットのランプを用いて光硬化する手法が提案されている(特許文献4参照)。その際のレンズ表面温度は145−200℃となっている。
しかしながら、これらいずれの方法においても、プラスチックレンズ表面に塗布したコーティング剤を十分に硬化し、プラスチックレンズ自体が変形することなくコーティング層を有するプラスチックレンズを得るのは難しい。
即ち、本発明者らがプラスチックレンズ表面に塗布した光硬化性コーティング剤を硬化させる方法について研究を行った結果、光硬化性コーティング剤で被覆したプラスチックレンズのコーティング剤塗布面を上面に保持して強度の強い光を用いて光重合を行った場合、中心部分の厚さが薄いプラスチックレンズが変形するという問題があることが確認された。このような問題は、硬化に用いる光源に由来する熱によりプラスチックレンズが軟化するため、コーティング剤が硬化するときに発生する応力に耐えられずに変形してしまうことが原因であり、特に、中心部分の厚さが2mm未満であり周縁部分が中心部より厚いプラスチックレンズの場合に顕著である。
上記問題の発生を抑えるために、照射する光の強度を弱くした場合には、コーティング剤が十分に硬化せず、プラスチックレンズとフォトクロミック層との密着性が不十分になり、また表面硬度が低下するという別の問題が発生し、長時間の硬化を行った場合には、生産性の低下が問題となる。
このような問題を解決するための方法として、プラスチックレンズの表面に塗布した光硬化性コーティング剤を光硬化させる際に、プラスチックレンズの表面温度を100℃以下とする方法が提案されている(特許文献5参照)。
国際公開第98/37115号パンフレット 米国特許第5914174号公報 国際公開第00/36047号パンフレット 国際公開第01/02449号パンフレット 特開2004−012857号公報
前記特許文献5に記載された方法では、プラスチックレンズの表面温度を100℃以下とする具体的方法として、プラスチックレンズに照射するレンズ表面の光強度及び照射時間を制御する方法が示されている。
しかしながら、このような方法を採用した場合には、断続的に光照射する等の必要があることから、コーティング材の光硬化時間が長くなるため生産性の点で問題があるばかりでなく、レンズの中心厚に応じて光強度と光照射時間を制御する必要がある為、操作が煩雑となっていた。また、プラスチックレンズの裏面、さらには側面に冷水を循環させたチューブなどを接触させて、該プラスチックレンズを冷却する方法を併用することにより、光硬化時間をある程度短縮することが可能であったが、装置の構造が複雑になる上、チューブとプラスチックレンズの接触部と非接触部とで冷却効果に斑が発生する問題があった。
そこで、本発明は、中心部分の厚さが2mm未満と薄く、且つ中心部分の厚さが周縁部に比べて薄いプラスチックレンズの表面に光硬化性のコーティング剤を塗布し、これを硬化させて被覆層を有するプラスチックレンズを製造するに際し、特殊な冷却装置を用いずに、高い生産性でレンズの変形を起こすことなく目的物を製造することができる方法を提供することを目的とする。また、本発明は、かかる製法に好適に用いられるレンズ保持台を提供することを目的としている。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行なった。その結果、光照射時にレンズが熱により軟化し、コーティング剤層の硬化に伴う応力が加わってもレンズが変形しないようにしてレンズを保持しておけば上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、中心部分の厚さが2mm未満であり、周縁部分が中心部より厚いプラスチックレンズの表面上に光硬化性組成物からなる未硬化被覆層を形成する第一工程、及び該工程で得られた未硬化被覆層を有するレンズを該未硬化被覆層が上方を向くようにしてレンズ保持台上に保持して、上方から光照射することにより該未硬化被覆層を硬化させる第二工程を含む、被覆層を有するレンズの製造方法において、
前記第二工程におけるレンズの保持を下記条件(1)及び(2)を満足するようにして行うことを特徴とする方法である。
(1) レンズ保持台として、厚さが2mm未満である部分のプラスチックレンズの裏面と実質的に合致する表面形状を有する弾性体、又は塑性変形することにより該レンズの裏面と合致する表面形状に変形し得る材料で構成されたレンズ接触部を有するレンズ保持台を使用する。
(2) 前記レンズ接触部にプラスチックレンズの厚さが2mm未満である部分の裏面全体が密接するようにして保持する。
本発明に係るレンズ保持台は、レンズ保持台本体と、該レンズ保持台本体に取り外し可能に固定されたレンズ接触部とを備えてなるレンズ保持台であって、前記レンズ接触部は弾性体又は塑性変形性材料により形成されてなると共に、該レンズ接触部表面の少なくとも中央部分を含む領域の形状が、保持されるレンズの少なくとも中央部を含む領域の裏面の形状と実質的に合致するような形状であることを特徴とするレンズ保持台である。
本発明の製造方法によれば、中心部分の厚さが2mm未満と薄く、且つ中心部分の厚さが周縁部に比べて薄いプラスチックレンズの表面に光硬化性のコーティング剤を塗布し、これを硬化させて被覆層を有するプラスチックレンズを製造するに際し、レンズの変形を起こすことなく目的物を製造することができる。しかも、光照射に使用する光源として出力の高い光源を、光照射条件に特に注意を払うことなく使用することができるので高い生産性を確保することができる。また、レンズを冷却するための特殊な冷却装置も特に必要としないので、製造装置の低コスト化、コンパクト化がはかれる。
本図は本発明の製造方法で好適に使用できる代表的な保持台の断面図である。 本図は、本発明の製造方法で好適に使用できる別の代表的な保持台の断面図である。 本図は、図2の保持台にレンズを保持した状態を示す。
符号の説明
1:原料レンズ基材
1a:表面(未硬化被覆層が形成されている面)
1b:裏面
2:レンズ保持台
3:レンズ接触部
3a:レンズ接触面
4:レンズ保持台本体
5a:塑性変形性材料
5b:塑性変形性材料(レンズと密着した状態)
本発明の製造方法では、中心部分の厚さが2mm未満であり、周縁部分が中心部より厚いプラスチックレンズ(以下、原料レンズ基材ともいう)の表面上に光硬化性樹脂の硬化体からなる被覆層を形成することにより被覆層を有するレンズを製造する。基材のプラスチックレンズとして中心部分の厚さが2mm未満であり、周縁部分が中心部より厚いプラスチックレンズ以外のレンズを使用する場合には、製造工程においてレンズが熱変形を起こす危険性が少ないので、本発明の方法を採用するメリットは少ない。
本発明で使用するプラスチックレンズは、中心部分の厚さが2mm未満であり、周縁部分が中心部より厚いものであれば特に限定されず、一般的に使用されているプラスチックレンズが使用できる。汎用の眼鏡用プラスチックレンズにおける近眼矯正用の凹メニスカスレンズは、マイナス度数が大きくなるにつれて中心部分に対する周縁部分の厚みが徐々に大きくなっていくので、このような条件を満たすものが多い。本発明の方法は、マイナス度数が大きなプラスッチックレンズの表面に光硬化性組成物の硬化体からなる被覆層が形成するのに特に効果的である。
本発明における原料レンズ基材の材質は特に限定されるものではなく、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アリル系樹脂、チオウレタン系樹脂、ウレタン系樹脂およびチオエポキシ系樹脂等、公知の樹脂をなんら制限なく使用できる。
本発明の製造方法は、上記のような特定のプラスチックレンズ(原料レンズ基材)を基材として使用するが、基本的な製造プロセスは、従来の「光硬化性樹脂の硬化体からなる被覆層を有するプラスチックレンズ」を製造する場合と同様であり、プラスチックレンズ基材の表面上に光硬化性組成物からなる未硬化被覆層を形成する第一工程、及び該工程で得られた未硬化被覆層を有するレンズを該未硬化被覆層が上方を向くようにしてレンズ保持台上に保持して、上方から光照射することにより該未硬化被覆層を硬化させる第二工程を含む。
第一工程で使用する光硬化性組成物は所謂光硬化性コーティング剤であり、必須成分として光重合性単量体及び光重合開始剤を含む。光重合性単量体としては、一般に、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基、アリル基、スチリル基等のラジカル重合性基を有すラジカル重合性単量体が用いられる。これらのなかでも、入手のし易さ、硬化性の良さから(メタ)アクリロイル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基を有するラジカル重合性単量体が好適に使用される。これらラジカル重合性単量体は、光硬化性コーティング剤の硬化後の耐溶剤性や硬度、耐熱性等の硬化体特性等を考慮して、2種類以上を適宜混合して用いることもできる。
光重合開始剤は、全ラジカル重合性単量体100質量部に対して0.001〜5質量部の範囲で用いるのが一般的であり、好適に使用される光重合性開始剤を具体的に例示すれば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾフェノール、アセトフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−イソプロピルチオキサントン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6―トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1等を挙げることができる。
上記光硬化性組成物としては、表面硬度の向上、フォトクロミック性の付与、耐衝撃性の向上、ハードコート層または反射防止層などとの密着性の向上などの目的に応じて、従来使用されている光硬化性コーティング剤が特に制限なく使用できる。例えば、表面硬度の向上を目的とする場合には、3個以上のラジカル重合性基を有するモノマーおよび/または有機−無機ハイブリッドモノマーなどを含む組成のものが好適に使用される。また、フォトクロミック性の付与を目的とする場合は、前記特許文献5に開示されているような「フォトクロミック化合物を含む光硬化性コーティング剤」、より具体的には、高硬度モノマー(主に3個以上のラジカル重合性基を有するモノマー)と低硬度モノマー(主に2個のラジカル重合性基を有するモノマーで、重合基間の構造が長鎖の炭化水素鎖、ポリエチレンオキサイド鎖などのモノマー)などを組み合わせた光重合性モノマー組成物100質量部に対してフルギミド化合物、スピロオキサジン化合物、クロメン化合物等のフォトクロミック化合物を0.1〜20質量部、特に0.5〜15質量部含有する組成物が好適に使用される。なお、該「フォトクロミック化合物を含む光硬化性コーティング剤」には、コーティング層とプラスチックレンズとの密着性を向上させるために分子中に少なくとも一つのエポキシ基と少なくとも一つのラジカル重合性基を有するラジカル重合性単量体(以下、単にエポキシ系モノマーと称す場合がある)やトリエタノールアミン等のアミン化合物を配合するのが好ましい。また、コーティング層とプラスチックレンズとの密着性を向上させるためにシラノール基または加水分解によりシラノール基を生じる基を有するラジカル重合性単量体(以下、シリルモノマーと称す場合がある)、あるいはイソシアネート基を有するラジカル重合性単量体(以下、イソシアネートモノマーと称す場合がある)のいずれかが配合されていることが好ましい。さらに、前記した光重合開始剤に加えて熱重合開始剤を添加することも可能である。熱重合開始剤としては、好適に使用されるものを例示すれば、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、パーカーボネート類、アゾ化合物類等が挙げられる。
さらに、上記「フォトクロミック化合物を含む光硬化性コーティング剤」には、コーティング層の黄変防止や成形性の向上、さらにはフォトクロミック化合物を添加時のフォトクロミック化合物の耐久性の向上、発色速度の向上、退色速度の向上等のために、界面活性剤、酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色防止剤、帯電防止剤、蛍光染料、染料、顔料、香料、可塑剤等の添加剤を添加してもよい。
前記第一工程において、原料レンズ基材の表面上に光硬化性組成物からなる未硬化被覆層を形成するためには基材表面に光硬化性組成物を塗布すればよく、塗布方法としては、スピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、ディップ−スピンコーティング等の公知の塗布する方法が特に制限なく適用できる。なお、光硬化性組成物の塗布に先立ち、最終的に得られる被覆層と基材との密着性を向上させる目的でプラスチックレンズ基材に前処理を行うことが好ましい。前処理としては、塩基性水溶液又は酸性水溶液による化学的処理、研磨剤を用いた研磨処理、大気圧プラズマ及び低圧プラズマ等を用いたプラズマ処理、コロナ放電処理、またはUVオゾン処理等を挙げることができる。また、プラスチックレンズの前処理においては、異なる2種類以上の処理を併用しても構わない。また、形成される被覆層との密着性を向上させたり、プラスチックレンズの耐衝撃性を向上させたりする目的で、予め原料レンズ基材表面に別のコーティング層(以下、プライマー層ともいう)を形成してもよい。プライマー層に使用される材料は特に限定されないが、好適に使用されるものを例示すれば、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂またはポリアセタール樹脂等が挙げられる。特に、光硬化性コーティング剤がフォトクロミック性付与を目的とした場合には、密着性に優れる点で、ポリウレタン樹脂が好ましい。また、ポリウレタン樹脂からなるプライマー層を形成させる方法としては、特に限定されないが、湿気硬化性ポリウレタン樹脂からなるコーティング剤を塗布、硬化させる方法が特に優れた密着性を示す為、好ましい。
本発明の方法では、第二工程において、前記第一工程で得られた未硬化被覆層を有するレンズを該未硬化被覆層が上方を向くようにしてレンズ保持台上に保持して、上方から光照射することにより該未硬化被覆層を硬化させる。このとき、レンズの変形を防止するために、下記条件(1)及び(2)を満足するようにしてレンズを保持する必要がある。
条件:
(1) レンズ保持台として、厚さが2mm未満である部分のプラスチックレンズ(原料レンズ基材)の裏面と実質的に合致する表面形状を有する弾性体、又は塑性変形することにより原料レンズ基材の裏面と合致する表面形状に変形し得る材料で構成されたレンズ接触部を有するレンズ保持台を使用する。
(2) 前記レンズ接触部に原料レンズ基材の厚さが2mm未満である部分の裏面全体が密接するようにして保持する。
上記条件を満足するようにして原料レンズ基材を保持して光照射を行った場合には、基材の厚さが2mm未満である部分の裏面全体が前記レンズ接触部を構成する材料と密接しているので熱容量が大きくなり、厚さが2mm未満である基材部分の温度が上昇し難くなるばかりでなく、基材温度が100℃を越えることによって軟化し、未硬化被覆層の硬化に伴う応力が加わっても、原料レンズ基材はレンズ保持台のレンズ接触部と一体となってその形状を維持するように保持されているため変形を起こすことがない。なお、上記条件を満足しない場合には、原料レンズ基材の熱変形を防止するためには、例えば前記特許文献5に記載された方法を採用する必要があり、特殊な冷却装置を用いる必要が生じたり、光照射条件を制御するために生産性が低下したりする。
以下、図面を参照して本発明で使用するレンズ保持台及び原料レンズ基材の保持方法について説明する。
図1は、原料レンズ基材1及びレンズ保持台2の断面図である。レンズ保持台2はレンズ接触部3とレンズ保持台本体4とからなり、レンズ接触部3はレンズ保持台本体4に嵌合可能であると共に取り外し可能な構造となっている。原料レンズ基材の表面1aの上には光硬化性組成物からなる未硬化被覆層(図示せず)が形成されており、該表面1aが上方を向くように(裏面1bが下方を向くように)レンズ保持台に保持される。レンズ接触部3は、少なくとも原料レンズ基材1の厚さが2mm未満である部分の裏面1bと実質的に合致するような形状の表面(レンズ接触面3a)を有する弾性体で構成されている(図では、原料レンズ基材の裏面の全面が接合するものを示しているが、少なくとも原料レンズ基材1の厚さが2mm未満である部分の裏面の全面と接合すればよく、必ずしも裏面の全面と接合する必要はない)。ここで、実質的に合致する表面形状とは、レンズ接触部3の上に原料レンズ基材を載置したときにレンズの裏面1bと密接可能な表面形状をいい、例えば原料レンズ基材を載置したときにその自重ないしは、軽く押さえる程度の力によって弾性又は塑性変形し、レンズと密接できるような形状を意味する。
上記レンズ接触部3を構成する弾性体としては、公知のゴムや熱可塑性エラストマーが特に制限なく使用できるが、光照射時における原料レンズ基材の熱を効率よく逃がすという観点から、より熱伝導性が高く熱容量の大きい材料を使用するのが好ましい。好適に使用できる弾性体を具体的に例示すると、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、エピクロルヒドリンゴム等を挙げることができる。
このようなレンズ接触部3を有するレンズ保持台2に前記(2)の条件を満足して原料レンズ基材を保持するためには、例えば予め定めた原料レンズ基材の基準点(たとえば中心点)とそれに対応するレンズ接触部の基準点(たとえば中心点)が一致するように位置あわせをしてレンズ接触部上に原料レンズ基材を載せ、必要に応じて僅かに力を加えて原料レンズ基材の裏面とレンズ接触部の表面とを密着させればよい。なお、裏面形状の異なる原料レンズ基材を使用する場合には、予めその原料レンズ基材の裏面形状とフィットする表面形状を有するレンズ接触部を準備しておき、レンズ接触部を交換して使用すればよい。
以上、レンズ接触部が特定形状の弾性体で構成される場合を例に説明したが、本発明の方法では、弾性体からなるレンズ接触部に変えて「塑性変形することにより原料レンズ基材1の裏面1bと合致する表面形状に変形し得る材料」からなるレンズ接触部を用いることもできる。この場合には、図2に示すように、塑性変形性材料5aからなるレンズ接触部3に原料レンズ基材1を載せて上から押さえつけることにより、図3に示すようにレンズ接触部を形成する塑性変形性材料の表面形状は、原料レンズ基材の裏面と合致するように変形(5b)する。光硬化性組成物を塗布していない原料レンズ基材を用いてレンズ接触部の表面形状を、少なくとも原料レンズ基材1の厚さが2mm未満である部分の裏面と合致若しくは実質的に合致するような形状に予め成形しておけば、弾性体を用いた場合と同様に位置合せをして原料レンズ基材を載せ、必要に応じて僅かに力を加えることにより原料レンズ基材の裏面とレンズ接触部の表面とを密着させることができる。
このとき、レンズ接触部の材料として使用される材料としては、未硬化被覆層が硬化する際に発生する応力程度の弱い力では塑性変形せずに、例えば人の力により原料レンズ基材を押し付けることにより塑性変形するような材料であれば、公知の材料が特に制限なく使用できる。好適に使用できる材料を具体的に例示すれば、シリコーンゲル、間隙シール材として使用されるポリブテン樹脂、未加硫ゴム、油粘土などの塑性変形性材料を挙げることができる。このような材料を使用した場合には形状の異なる原料レンズ基材を用いる場合でもレンズ接触部を交換する必要はない。
第二工程で未硬化被覆層を硬化させる場合には、重合阻害を起こすことなく十分に硬化させるために、酸素濃度が10000ppm以下、特に1000ppm以下である雰囲気下で光照射するのが好適である。たとえば、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスで装置内(雰囲気)を十分に置換してから光照射するのが好適である。不活性ガスとしては、コストの観点から窒素を使用するのが最も好ましい。
本発明の方法では、光照射条件を厳しく制御する必要はなく、光源としても従来の光重合装置で使用されているものが何ら制限なく使用できる。例えば、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、殺菌ランプ、キセノンランプ、カーボンアーク、タングステンランプ等の有電極ランプ、または無電極ランプ等を用いることができる。
前記したように本発明の方法では、原料レンズ基材の温度が100℃を越えても変形を起こさずに未硬化被覆層の硬化を行うことができるが、基材温度はできるだけ低くしておくことが好ましい。このため、光源の上部に公知のコールドリフレクターを採用するのが好ましい。コールドリフレクターを採用することにより赤外線が減少した光を前駆体レンズに照射することができ、前駆体レンズ表面の温度上昇を低減できる。また、同様の理由から、光源と原料レンズ基材との間に赤外線を吸収もしくは反射することのできるフィルターを介在させるのも好ましい。
本発明の製造方法により得られる被覆層(コーティング層)を有するプラスチックレンズは、そのまま光学材料として使用することが可能であるが、得られた被覆層の上に更にハードコート層を形成するのが好ましい。ハードコート層を形成することにより、プラスチックレンズの耐擦傷性を向上させることができる。
ハードコート層の形成は、一般的に採用されている方法に従い、ハードコート材を塗布しこれを硬化させればよい。ハードコート剤としては、シランカップリング剤やケイ素、ジルコニウム、アンチモン、アルミニウム等の酸化物のゾルを主成分とするハードコート剤、有機高分子体を主成分とするハードコート剤など、公知のハードコート剤が制限無く使用できる。
また、第二工程で得られた被覆層を有するレンズの当該被覆層上(或いは必要に応じてその上に形成されるハードコート層上)に反射防止処理、帯電防止処理等の加工及び2次処理を施すことも可能である。これら2次処理は、SiO2、TiO2、ZrO2等の金属酸化物の薄膜層を蒸着法により形成したり有機高分子体の薄膜層を形成したりすることにより行うことができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
歯科の義歯床用シリコーン系軟質裏装材(トクヤマデンタル製、製品名:ソフリライナー ミディアムソフト)をチオウレタン樹脂製のプラスチックレンズ1の裏面と図1に示した、アセタール樹脂製のレンズ保持台本体4との隙間に充填し、室温で1時間静置し硬化させた。静置後、レンズ保持台本体から硬化した上記軟質裏装材(シリコーンゴム成型体)を取り外し、周縁部にはみ出した部分を切除することにより、シリコーンゴム製のレンズ接触部3を製造し、該レンズ接触部3をレンズ保持台本体4に固定してレンズ保持台2を作製した。
レンズ接触部3を製造するときに使用したレンズ基材と裏面形状が同形状であるチオウレタン樹脂製のレンズ基材(中心厚1mm、周縁厚7mm)を60℃の10%アルカリ水溶液へ5分間浸漬することにより、前処理を行なった。前処理後、純水にて洗浄し、引き続き乾燥処理を施したレンズ基材に下記組成の光硬化性コーティング剤をコーティングし、未硬化被覆層を形成した。なお、コーティングは、MIKASA製スピンコーター1HDX2を用いて行い(回転数600rpm)、未硬化被覆層の膜厚が40μmとなるようにした。
〔光硬化性コーティング剤組成〕
・γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン 7質量部
・トリメチロールプロパントリメタクリレート 15質量部
・ポリエステルオリゴマーヘキサアクリレート(ダイセルユーシービー社、EB−1830) 10質量部
・グリシジルメタクリレート 10質量部
・平均分子量532のポリエチレングリコールジアクリレート 15質量部
・平均分子量776の2,2−ビス(4−アクリロイルオキシポリエチレングリコールフェニル)プロパン 50質量部
・N−メチルジエタノールアミン 3質量部
・ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート 5質量部
・IRUGACURE1800:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドの3対1の比の混合物 0.5質量部
・下記式で示されるフォトクロミック化合物 2.5質量部
Figure 0004762984
このようにして光硬化性コーティング剤が塗布されたレンズを、該レンズの未硬化被覆層が形成された面(凸面側)を上面にして、レンズ保持台上に前記条件(2)を満足するようにしてレンズを載置し、窒素ガス雰囲気中でコールドリフレクターを装備した照射強度が100mW/cm2程度のメタルハライドランプを用いて180秒照射し、光硬化性コーティング組成物を硬化させた。このレンズの光照射直後の表面温度は、80℃であった。その後、レンズ支持具を取り外し、レンズの凸面を下面にして保持し、さらに120℃で2時間加熱した。
得られたコーティング層を有するプラスチックレンズを試料とし、プラスチックレンズの熱変形の有無、及びコーティング層とプラスチックレンズとの密着性について調べた。その結果を表1に示した。なお、これらの評価基準は下記(A)及び(B)示すとおりである。
(A)レンズの熱変形:光重合後に、平行に並んだ2本の屋内蛍光灯の反射光を用いて、プラスチックレンズの変形を目視で確認した。評価基準としては、プラスチックレンズの凸面もしくは凹面に屋内蛍光灯を映し、重合前の2本の蛍光灯間の距離を1とした時に、重合後の蛍光灯間の距離が0.98以上1.02未満の範囲で蛍光灯が2本平行に並んでいるもの(熱変形していないもの)をA、重合後の蛍光灯間の距離が0.95以上0.98未満又は1.02以上1.05未満であり2本の蛍光灯の中央部が重合前に比べてほとんど歪んでいないもの(重合前後でほとんど熱変形していないもの)をB、重合後の蛍光灯間の距離が0.90以上0.95未満又は1.05以上1.10未満であり2本の蛍光灯の中央部がわずかに歪んでいるもの(わずかに熱変形しているもの)をC、重合後の蛍光灯間の距離が0.90未満又は1.10以上でありひどく歪んでいるもの(熱変形しているもの)をEとし、4段階評価とした。
(B)レンズとコーティング層との密着性:光硬化性コーティング剤で被覆されたプラスチックレンズのコーティング層側の表面に、先端が鋭利なカッターナイフで1mm×1mmのマス目を100個つけた。続いて、市販のセロハンテープを貼り付けて、次いでそのセロハンテープを素早く剥がした時のコーティング層の剥がれ状態を目視により確認した。評価(評価後の残存マス目/評価前のマス目で示す。)は、100/100をA、100/100未満95/100以上をB、95/100未満80/100以上をC、80/100未満50/100以上をD、50/100未満をEとする5段階評価とした。
(実施例2〜7)
表1に示されるレンズ形状(中心厚/周縁厚)のレンズを用い、表1に示される光照射条件を採用した他は実施例1と同様にして試料を作成、評価した。評価結果を表1に示した。
(比較例1及び2)
表1に示したレンズ形状(中心厚/周縁厚)のレンズに実施例1と同様にして光硬化性コーティング剤組成を塗布し、得られた未硬化被覆層を有するレンズを、表面が水平なガラス板上に、未硬化被覆層が上方を向くように載置し、表1に示すような光照射条件で光照射する以外は実施例1と同様にして試料を作成、評価した。評価結果を表1に示した。
(実施例8)
球状に成型したポリブテン系の不乾性パテ材5a(松村石油化成株式会社製、ネオシーラーMS−N12)を、図2に示すように、アセタール樹脂製のレンズ保持台本体4上に載置し、該プレートに軽く圧接させることにより、レンズ保持台2を作製した。
チオウレタン樹脂製のレンズ基材1(中心厚1mm、周縁厚7mm)を60℃の10%アルカリ水溶液へ5分間浸漬することにより、前処理を行なった。前処理後、純水にて洗浄し、引き続き乾燥処理を施したレンズ基材1に実施例1に示した光硬化性コーティング剤をコーティングし、未硬化被覆層を形成した。なお、コーティングは、MIKASA製スピンコーター1H−DX2を用いて行い(回転数600rpm)、未硬化被覆層の膜厚が40μmとなるようにした。
このようにして光硬化性コーティング剤が塗布されたレンズを、図3に示すように、該レンズの未硬化被覆層が形成された面(凸面側)を上面にして、レンズ保持台上の不乾性パテ材上に圧接させ、該不乾性パテ材を塑性変形させることにより、前記条件(2)を満足するようにしてレンズを載置した。
レンズ保持台7上に載置したレンズを窒素ガス雰囲気中でコールドリフレクターを装備した照射強度が100mW/cm2程度のメタルハライドランプを用いて180秒照射し、光硬化性コーティング組成物を硬化させた。このレンズの光照射直後の表面温度は、78℃であった。その後、レンズ保持台7を取り外し、レンズの凸面を下面にして保持し、さらに120℃で2時間加熱した。
得られたコーティング層を有するプラスチックレンズを試料とし、実施例1と同様にしてプラスチックレンズの熱変形の有無、及びコーティング層とプラスチックレンズとの密着性について調べた。その結果を表1に示した。
(実施例9〜12)
表1に示されるレンズ形状(中心厚/周縁厚)のレンズを用い、表1に示される光照射条件を採用した他は実施例8と同様にして試料を作製、評価した。評価結果を表1に示した。

Figure 0004762984
表1に示される結果から明らかなように、本発明の方法を採用した場合には、基材温度が100℃を越える場合でも熱変形を起こすことなく、中心部分の厚さが2mm未満であり、周縁部分が中心部より厚いプラスチックレンズの表面に光硬化性組成物の硬化体からなる被覆層を形成することができる。これに対し、比較例1及び2に示されるように、本発明で使用するようなレンズ保持台を使用せずに光照射を行った場合には、熱変形が起こってしまう。
本発明の製造方法によれば、中心部分の厚さが2mm未満と薄く、且つ中心部分の厚さが周縁部に比べて薄いプラスチックレンズの表面に光硬化性のコーティング剤を塗布し、これを硬化させて被覆層を有するプラスチックレンズを製造するに際し、レンズの変形を起こすことなく目的物を製造することができる。しかも、光照射に使用する光源として出力の高い光源を、光照射条件に特に注意を払うことなく使用することができるので高い生産性を確保することができる。また、レンズを冷却するための特殊な冷却装置も特に必要としないので、製造装置の低コスト化、コンパクト化がはかれる。

Claims (4)

  1. 厚さが2mm未満である中心部、厚さが中心部より厚い周縁部、凸面からなる表面、凹面からなる裏面を有するプラスチックレンズの当該表面上にフォトクロミック化合物を含む光硬化性組成物からなる未硬化被覆層を形成する第一工程、および該工程で得られた未硬化被覆層を有するレンズを該未硬化被覆層が上方を向くようにしてレンズ保持台に保持して、上方から光照射することにより該未硬化被覆層を硬化させる第二工程を含む、被覆層を有するレンズの製造方法において、
    前記第二工程におけるレンズの保持を下記条件(1)および(2)を満足するようにして行うことを特徴とする方法。
    (1)レンズ保持台として、レンズ保持台本体と、該レンズ保持台本体に取り外し可能に固定されたレンズ接触部とを備えてなるレンズ保持台であって、該レンズ接触部は弾性体又は塑性変形性材料により形成されてなり、該レンズ接触部の中央部は周縁部よりも厚く、該レンズ接触部の少なくとも中央部分を含んでなる領域の形状が、保持されるレンズの少なくとも中央部を含む領域の凹面からなる裏面の形状と実質的に合致するような形状であり、該レンズ接触部の少なくとも中央部分を含んでなる領域の形状が、保持されるレンズの少なくとも中央部を含む領域の凹面からなる裏面の形状と実質的に合致するような形状であるレンズ保持台を使用する
    (2)前記レンズ接触部にプラスチックレンズの厚さが2mm未満である部分の裏面の全体が接触するようにして保持する。
  2. レンズ保持台本体と、該レンズ保持台本体に取り外し可能に固定されたレンズ接触部とを備えてなるレンズ保持台であって、
    該レンズ保持台に保持されるレンズは、厚さが2mm未満である中心部、厚さが中心部より厚い周縁部、凸面からなる表面、凹面からなる裏面、前記凸面からなる表面上に形成された、フォトクロミック化合物を含む光硬化性コーティング剤からなる未硬化表面被覆層を有するプラスチックレンズであり、
    該レンズ接触部は弾性体又は塑性変形性材料により形成されてなり、
    該レンズ接触部の中央部は周縁部よりも厚く、
    該レンズ接触部の少なくとも中央部分を含んでなる領域の形状が、保持されるレンズの少なくとも中央部を含む領域の凹面からなる裏面の形状と実質的に合致するような形状であり、
    該プラスチックレンズが前記レンズ保持台に保持されているときに、前記プラスチックレンズの厚さが2mm未満である領域の裏面の全体が該レンズ接触部に接触することを特徴とするレンズ保持台。
  3. 前記レンズ接触部を形成する弾性体が、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴムおよびエピクロルヒドリンゴムからなる群から選択される少なくとも1種である請求項2に記載のレンズ保持台。
  4. 前記レンズ接触部を形成する塑性変形性材料がシリコーンゲル、ポリブテン樹脂、未加硫ゴムおよび油粘土からなる群から選択される少なくとも1種である請求項2に記載のレンズ保持台。
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