JPH11181131A - 疎水性化合物の固定化方法 - Google Patents

疎水性化合物の固定化方法

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JPH11181131A
JPH11181131A JP35476997A JP35476997A JPH11181131A JP H11181131 A JPH11181131 A JP H11181131A JP 35476997 A JP35476997 A JP 35476997A JP 35476997 A JP35476997 A JP 35476997A JP H11181131 A JPH11181131 A JP H11181131A
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JP
Japan
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hydrophobic
compound
unsaturated double
polymerizable unsaturated
excipient
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Application number
JP35476997A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Takada
哲生 高田
Masayuki Kamei
政之 亀井
Takanori Anazawa
孝典 穴澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawamura Institute of Chemical Research
DIC Corp
Original Assignee
Kawamura Institute of Chemical Research
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形物の性能低下させないで、その表面に疎
水性化合物を高密度に固定化する製造方法であって、工
業的製造上安全で、かつ高い生産性で、安価に製造でき
る方法を提供すること。 【解決手段】 (1)1分子中に重合性ビニル基を2個以
上有する化合物(a)と光重合開始剤とを含有する光重合
性組成物(b)を任意形状に賦形した賦形物(c)を形成する
第1工程と、(2)賦形物(c)の表面に、重合性ビニル基を
有する疎水性化合物(d)を含有する疎水性層形成材料(e)
に接触させる第2工程と、(3)前記接触状態下の賦形物
(c)に活性光線を照射する第3工程とから成ること、(4)
前記第3工程において、(イ)賦形物(c)を硬化させるこ
と、(ロ)賦形物(c)と疎水性層形成材料(e)との接触界面
で、化合物(a)と疎水性化合物(d)とを共重合させて賦形
物(c)の表面に疎水性化合物(d)の分子を化学的に結合さ
せること、(ハ)疎水性層形成材料(e)の中では前記接触界
面を除き光重合反応を起こさせないこと、を特徴とす
る、表面に疎水性化合物が固定化された水接触角が65
度以上の成形物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物品の表面に疎水
性化合物の分子を固定化する方法に関し、更に詳しく
は、物品の表面にフッ素原子を有する疎水性化合物ある
いは疎水性アミノ酸の如き生体適合性分子を固定化する
方法に関する。本発明の製造方法は、撥水性の塗膜や成
形物、防眩(低反射率)性の塗膜や成形物、液晶配向
膜、人工臓器などの医療用具、生化学実験用具、生体関
連検査用具などを製造する方法として利用できる。
【0002】
【従来の技術】何らかの機能性を発現させる目的で、疎
水性化合物の分子を物品の表面に固定化する方法として
は、用途目的ごとに種々の方法が知られている。例え
ば、フルオロ基を表面に有する成形物の製造方法として
は、フルオロ基を有するポリマーを主成分とする塗膜を
成形物の表面に形成する方法、フルオロ基を有する化合
物を練り混んだ成形物形成材料を成形した後、成形物の
表面にフルオロ基を有する化合物を偏析させる方法など
が知られている。
【0003】また、表面に疎水性アミノ酸などの生体適
合性分子を共有結合で固定化する方法としては、基材と
なる成形物に、アジド基、酸クロライド基、シリコンク
ロライド基、イソシアナト基、エポキシ基などの反応性
官能基を導入し、疎水性アミノ酸などの生体適合性分子
と反応させる方法などが知られている。例えば、「バイ
オ・インダストリ−(Bio Industry)」第8巻第12
号、第830〜834頁(1991年)及びジャーナル
・オブ・クロマトグラフィー(Journal of Chromatogra
phy)第585号第45〜51頁(1991年)には、
ポリエチレン製の精密ろ過膜の表面に放射線(γ線)グ
ラフト重合法によりエポキシ基を導入した後、更に、エ
ポキシ基とアミノ酸をカップリングさせて、アミノ酸を
導入する方法が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フルオ
ロ基を有するポリマーを主成分とする塗膜は、表面の疎
水性に寄与しない塗膜内部までフルオロ基を有するポリ
マーで構成されているため、硬度の高い塗膜が得られ
ず、また、塗装物品への接着強度が弱く、得られる成形
物も高価なものとなっていた。更に、防眩効果を与える
ためには、10〜200nmの膜厚の低屈折率層を形成
する必要があるが、フルオロ基を有するポリマーを塗装
する方法では、塗装物品やプライマー層などの下地によ
って塗膜が弾かれるため、このように薄く塗布すること
は極めて困難であった。
【0005】また、フルオロ基を有する化合物を成形物
形成材料に練り混む方法では、高い撥水性を得ることは
困難であった。また、フルオロ基を有する化合物を偏析
させた塗膜は、極く薄い表面層にのみフルオロ基を有す
る化合物が高密度に存在するため、耐久性に劣ったもの
となっていた。
【0006】一方、基材となる成形物に反応性官能基を
導入した後、生体適合性分子と反応させる方法では、生
体適合性分子を高密度に導入することが困難である上、
生体適合性において安全性が必ずしも保証されていない
反応性官能基を有する化合物を使用しなければならな
い、生産性が低い、等の欠点を有していた。また、この
ような方法では、工業的製造には危険が伴なう上、材料
に対するダメージが大きい、反応工程が多く、生産性が
悪い、不均一系の反応のため官能基導入量が少ないうえ
導入量の制御が困難であるという欠点を有していた。
【0007】本発明が解決しようとする課題は、物品の
表面に疎水性化合物を高密度に固定化した疎水性層を形
成することにより、該疎水性化合物に由来する機能、例
えば強撥水性、防眩性、生体適合性などの機能を充分に
発揮する表面を有し、且つ疎水性化合物の導入に伴う成
形物の性能低下を呈しない製造方法であって、工業的製
造に当たって安全であり、かつ高い生産性で、安価に製
造できる方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、(I) (1)1分子中に重合性不飽和二
重結合を2個以上有する化合物(a)と光重合開始剤と
を含有する光重合性組成物(b)を薄膜状、糸状、ビー
ズ状、その他の任意形状に賦形した賦形物(c)を形成
する第1工程と、(2)賦形物(c)の表面に、重合性
不飽和二重結合を有する疎水性化合物(d)を含有する
疎水性層形成材料(e)に接触させる第2工程と、
(3)前記接触状態下の賦形物(c)に活性光線を照射
する第3工程とから成ること、(4)前記第3工程にお
いて、(イ)賦形物(c)を硬化させること、(ロ)賦
形物(c)と疎水性層形成材料(e)との接触界面で、
化合物(a)と疎水性化合物(d)とを共重合させて賦
形物(c)の表面に疎水性化合物(d)の分子を化学的
に結合させること、(ハ)疎水性層形成材料(e)の中
では前記接触界面を除き光重合反応を起こさせないこ
と、を特徴とする、表面に疎水性化合物が固定化された
水接触角が65度以上の成形物の製造方法、
【0009】(II) (1)1分子中に重合性不飽和二
重結合を2個以上有する化合物(a)と光重合開始剤と
を含有する光重合性組成物(b)を薄膜状、糸状、ビー
ズ状、その他の任意形状に賦形した賦形物(c)を形成
する第1工程と、(2)賦形物(c)に活性光線を照射
して賦形物(c)を予備硬化させるが、少なくとも賦形
物(c)の表面に重合性不飽和二重結合が残留した状態
に維持する第2工程と、(3)予備硬化した賦形物
(c)の表面に、重合性不飽和二重結合を有する疎水性
化合物(d)を含有する疎水性層形成材料(e)に接触
させる第3工程と、(4)前記接触状態下にある予備硬
化した賦形物(c)に活性光線を照射する第4工程とか
ら成ること、(5)前記第4工程において、(イ)予備
硬化した賦形物(c)を完全硬化させること、(ロ)賦
形物(c)と疎水性層形成材料(e)との接触界面で、
化合物(a)と疎水性化合物(d)とを共重合させて賦
形物(c)の表面に疎水性化合物(d)の分子を化学的
に結合させること、(ハ)疎水性層形成材料(e)の中
では前記接触界面を除き光重合反応を起こさせないこ
と、を特徴とする、表面に疎水性化合物が固定化された
水接触角が65度以上の成形物の製造方法、
【0010】(III) 賦形物(c)と疎水性層形成材料
(e)とを接触させる方法が、賦形物(c)を疎水性層
形成材料(e)中に浸漬させる方法である上記(I)又
は(II)記載の製造方法、
【0011】(IV) 疎水性層形成材料(e)が疎水性
化合物(d)と非重合性の疎水性溶剤の混合物である上
記(I)、(II)又は(III)記載の製造方法、
【0012】(V) 重合性不飽和二重結合を有する疎
水性化合物(d)が、分子内にフッ素含有基を有する化
合物である上記(I)、(II)、(III)又は(IV)記
載の製造方法、
【0013】(VI) 分子内にフッ素含有基を有する化
合物が、パーフルオロ基を有する(メタ)アクリル系モ
ノマー及び/又はパーフルオロ基を有する(メタ)アク
リル系オリゴマーである上記(V)記載の製造方法、
【0014】(VII) 重合性不飽和二重結合を有する疎
水性化合物(d)が、分子中にアミノ酸骨格を有する化
合物である上記(I)、(II)、(III)又は(IV)記
載の製造方法、
【0015】(VIII)重合性不飽和二重結合を有する疎
水性化合物(d)が、分子中に糖骨格を有する化合物で
ある上記(I)、(II)、(III)又は(IV)記載の製
造方法、
【0016】(IX) 賦形物(c)が塗膜である上記
(I)〜(VIII)のいずれかに記載の製造方法、及び
【0017】(X) 成形物が、疎水性化合物(d)を
固定しない成形物に比べて、水接触角が増加したもので
ある請求項上記(I)〜(IV)のいずれかに記載の製造
方法を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明で使用する光重合性組成物
(b)は、1分子中に重合性不飽和二重結合を2個以上
有する化合物(a)および光重合開始剤を必須成分とし
て含有する。
【0019】1分子中に重合性不飽和二重結合を2個以
上有する化合物(a)は、有機、無機を問わず、光重合
開始剤の存在下又は不存在下で、活性光線、例えば、紫
外線、可視光線、赤外線等の照射により重合し、架橋ポ
リマーとなるものであればよく、ラジカル重合性、アニ
オン重合性、カチオン重合性等、任意のものであってよ
い。そのような化合物(a)としては、例えば、分子内
にビニル基、ビニリデン基、アクリロイル基、メタクリ
ロイル基[以下、アクリロイル基とメタクリロイル基を
併せて(メタ)アクリロイル基と称する。(メタ)アク
リル、(メタ)アクリレート等についても同様であ
る。]等を2個以上有するモノマー及び/又はオリゴマ
ーが挙げられるが、これらの中でも活性光線照射による
重合速度が速いことから、(メタ)アクリロイル基を有
するモノマー及び/又はオリゴマーが好ましい。
【0020】本発明の製造方法で使用する1分子中に重
合性不飽和二重結合を2個以上有する化合物(a)とし
ては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、3−アクリロイルオキシグリセ
リンモノメタクリレート、2,2′−ビス(4−(メ
タ)アクリロイルオキシポリエチレンオキシフェニル)
プロパン、2,2′−ビス(4ー(メタ)アクリロイル
オキシポリプロピレンオキシフェニル)プロパン、ジシ
クロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ビス[(メ
タ)アクリロイルオキシエチル]ヒドロキシエチルイソ
シアネート、フェニルグリシジルエーテルアクリレート
トリレンジイソシアネート、アジピン酸ジビニル等の2
官能モノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリ
レート、トリス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]
イソシアネート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)ア
クリレート等の3官能モノマー;ペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)ア
クリレートヘキサメチレンジイソシアネート等の4官能
モノマー;ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペン
タ(メタ)アクリレート等の5官能モノマー;ジペンタ
エリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の6官能
モノマーなどが挙げられる。
【0021】本発明の製造方法で使用する、1分子中に
重合性不飽和二重結合を2個以上有する化合物(a)
は、オリゴマーであっても良く、分子量500〜50,
000の範囲にあるオリゴマーが好ましい。そのような
オリゴマーとしては、例えば、ビスフェノールA−ジエ
ポキシ−(メタ)アクリル酸付加物等のエポキシ樹脂の
(メタ)アクリル酸エステル、ポリエーテル樹脂の(メ
タ)アクリル酸エステル、ポリブタジエン樹脂の(メ
タ)アクリル酸エステル、分子末端に(メタ)アクリル
基を有するポリウレタン樹脂などが挙げられる。
【0022】これらの1分子中に重合性不飽和二重結合
を2個以上有する化合物(a)は、単独で用いること
も、2種以上の材料を混合して用いることもできる。例
えば、モノマー同士或いはオリゴマー同士を混合して用
いることもでき、また、モノマーとオリゴマーを混合し
て用いることもできる。
【0023】1分子中に重合性不飽和二重結合を2個以
上有する化合物(a)の選択により、成形物支持体部
[即ち、賦形物(c)の硬化物]の架橋密度を任意に制
御することができる。例えば、耐スクラッチ性、耐熱
性、耐溶剤性、耐膨潤性、硬度、強度に優れた成形物を
得るためには、1分子中に2つ以上の重合性不飽和二重
結合を有する化合物(以下、これらを多官能のモノマー
及び/又はオリゴマーと称する場合がある)の中でも官
能基数の多いものを選択し、それから形成されるポリマ
ーの架橋密度を高める方法を採用すればよい。逆に、柔
軟性、伸びなどが要求される場合には、重合性不飽和二
重結合1つあたりの分子量が大きい多官能のモノマー及
び/又はオリゴマーの使用や、多官能のモノマー及び/
又はオリゴマーと、分子中に1つの重合性不飽和二重結
合を有する化合物(以下、これらを単官能のモノマー及
び/又はオリゴマーと称する場合がある)を併用して比
較的架橋密度の低いポリマーとする方法を採用すればよ
い。
【0024】本発明の製造方法において、1分子中に重
合性不飽和二重結合を2個以上有する化合物(a)を含
有する光重合性組成物(b)中には、賦形物(c)の表
面に固定する疎水性化合物(d)を含有する必要はな
い。例えば、重合性不飽和二重結合を有する疎水性化合
物(d)がフッ素原子を有する化合物である場合、光重
合性組成物(b)中には、フッ素原子及び重合性不飽和
二重結合を有する化合物を含有させる必要はない。化合
物(a)として、フッ素原子を有する化合物を使用する
ことも可能であるが、成形物の価格の上昇を招く傾向に
あるので、好ましくない。
【0025】本発明の製造方法において、光重合性組成
物(b)からなる賦形物(c)は、疎水性層形成材料
(e)と接触させた後、光重合硬化までの間、賦形され
た状態を実質的に保持できるものであることが必要であ
る。そのために、光重合性組成物(b)の主要な構成要
素である1分子中に重合性不飽和二重結合を2個以上有
する化合物(a)が疎水性層形成材料(e)に溶解しな
いもの、あるいは、光重合性組成物(b)が低粘度でな
いものが好ましい。しかしながら、後述するように、光
重合性組成物(b)からなる賦形物(c)を予備硬化さ
せる場合には、1分子中に重合性不飽和二重結合を2個
以上有する化合物(a)が疎水性層形成材料(e)に溶
解するものや低粘度の光重合性組成物(b)であっても
好ましく使用できる。
【0026】光重合開始剤は、本発明で使用する活性光
線に対して活性であり、1分子中に重合性不飽和二重結
合を2個以上有する化合物(a)、並びに重合性不飽和
二重結合を有する疎水性化合物(c)を重合させること
が可能なものであれば特に制限がなく、例えば、ラジカ
ル重合開始剤、アニオン重合開始剤、カチオン重合開始
剤であって良い。
【0027】そのような光重合開始剤としては、例え
ば、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,
2′−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2
−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のアセト
フェノン類;ベンゾフェノン、4、4′−ビスジメチル
アミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2
−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、
2−イソプロピルチオキサントン等のケトン類;ベンゾ
イン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロ
ピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベン
ゾインエーテル類;ベンジルジメチルケタール、ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン等のベンジルケター
ル類などが挙げられる。
【0028】本発明で使用する光重合開始剤は、光重合
性組成物(b)に溶解あるいは分散した状態で用いるこ
とができるが、光重合性組成物(b)に溶解するもので
あることが好ましい。光重合性組成物(b)中の光重合
開始剤濃度は、0.01〜20重量%の範囲が好まし
く、0.5〜10重量%の範囲が特に好ましい。
【0029】光重合性組成物(b)には、その他の成分
を溶解又は非溶解の状態で含有させることもできる。そ
の他の成分としては、例えば、光重合性組成物(b)の
増粘剤として機能するポリマーや最終成形物の物性改良
剤として機能するポリマーなどのポリマー、充填剤など
の無機物、アラミド繊維などの強化材、着色剤、防黴剤
などの薬剤、多孔質体を成形するための貧溶剤等が挙げ
られる。
【0030】本発明の製造方法においては、まず光重合
性組成物(b)を任意の形状に賦形し、賦形物(c)と
する。この賦形物(c)の形状(通常は本発明で得られ
る最終的な成形物の形状と同じである)は、光照射によ
って硬化可能な物であれば特に限定されないが、例え
ば、糸状、中空糸状、管状、円筒状、粒子状、カプセル
状、フィルム状、板状、塗膜状、その他任意の形状であ
って良い。成形しやすさの面および用途の広さの面か
ら、賦形物(c)は、フィルム状又は塗膜状であること
が好ましい。また、賦形物(c)がさらに別の基材と一
体化された形態であっても良い。更に、賦形物(c)
は、均質物、多孔質体、パターニング物、その他の構造
を有するものであっても良い。
【0031】光重合性組成物(b)を賦形する方法に
は、特に制限はない。例えば、コーターやスプレーなど
による塗布、ノズルからの押し出し、鋳型への注型、ま
た薄く均一に塗布する必要がある場合や形状の複雑な物
体、多孔質体(例えば、多孔質膜)、不織布や織物など
の表面(細孔や繊維表面を含む)に塗布する場合には、
光重合性組成物(b)を任意の溶剤に溶解して、塗布、
噴霧又は浸漬した後、必要に応じて余分な液を除いて、
該溶剤を揮発させる方法を用いても良い。この場合の溶
剤は、光重合性組成物(b)を溶解できるものであれ
ば、如何なるものであって良いが、塗布後において、成
形物を乾燥させる必要性があるから、揮発性の比較的高
い溶剤がより好ましい。
【0032】次いで、賦形物(c)と、重合性不飽和二
重結合を有する疎水性化合物(d)を含有する疎水性層
形成材料(e)とを接触させた状態で活性光線を照射す
る。
【0033】重合性不飽和二重結合を有する疎水性化合
物(d)は、光重合開始剤の存在下で、活性光線、例え
ば紫外線、可視光線、赤外線等の照射により重合してポ
リマーとなるものであって、かつ光重合開始剤の不存在
下では用いる活性光線の照射によって重合しないもので
あればよく、ラジカル重合性、アニオン重合性、カチオ
ン重合性等、任意のものであってよい。例えば、分子内
に、ビニル基、ビニリデン基、アクリロイル基、メタク
リロイル基およびこれらのフルオロ基で置換された基等
を有するモノマー及び/又はオリゴマーが挙げられる
が、中でも活性光線照射による重合速度が速いことか
ら、(メタ)アクリロイル基およびそのフルオロ基で置
換された基を有するモノマー及び/又はオリゴマーが好
ましい。重合性不飽和二重結合を有する疎水性化合物
(d)が光重合開始剤の不存在下で本発明で使用する活
性光線によって重合するものであると、成形物の表面に
結合せずに、疎水性化合物(d)から成る重合体の生成
量が増加するために、疎水性化合物(d)の利用効率が
悪くなる。重合性不飽和二重結合を有する疎水性化合物
(d)が光重合開始剤の不存在下で重合するかしないか
は、使用する活性光線にも依存する。重合性不飽和二重
結合を有する疎水性化合物(d)が光重合開始剤の不存
在下で重合しないように、活性光線の波長や強度を選定
することも可能である。
【0034】重合性不飽和二重結合を有する疎水性化合
物(d)としては、重合性不飽和二重結合を有する疎水
性の化合物であれば任意のものが使用できる。ここで言
う疎水性の化合物とは、20℃の水に対する溶解度が1
重量%以下であって、この化合物単独で硬化させた硬化
物の水との接触角(以下、単に水接触角と称する)が6
5°以上となるものを言う。疎水性化合物(d)が有す
る重合性不飽和二重結合の種類は任意であるが、例え
ば、ビニル基、ビニリデン基、(メタ)アクリロイル基
等を挙げられる。これらの中で、反応性が高い(メタ)
アクリロイル基が好ましい。
【0035】重合性不飽和二重結合を有する疎水性化合
物(d)は、目的とする機能により適当な化合物を選択
できる。
【0036】撥水性や防眩性を目的とする場合には、疎
水性化合物(d)として、例えば、フルオロ基を有する
化合物が好適である。この場合、疎水性化合物(d)に
含まれるフルオロ基は、任意であるが、例えば、パーフ
ルオロアルキル基、パーフルオロアリル基、パーフルオ
ロアルコキシ基、パーフルオロアミノ基等を挙げること
ができる。用途目的にもよるが、疎水性化合物(d)
は、分子中の全ての水素原子がフッ素原子に置換された
パーフルオロ化合物であることが好ましい。
【0037】疎水性化合物(d)として用いられるフル
オロ基を有する化合物としては、例えば、2,2,2−
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,
3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレー
ト、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メ
タ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデ
カフルオロデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。
【0038】重合性不飽和二重結合を有する疎水性化合
物(d)が有するフルオロ基は、用途目的に応じて選択
できる。例えば、強撥水性を目的とする場合には、パー
フルオロ−t−ブチル基を有するもののように強撥水性
重合体を与えるものが好ましく用いられ、防眩性を目的
とする場合には、低屈折率の重合体を与えるものが好ま
しく用いられる。
【0039】また、生体適合性やタンパク質選択吸着性
などを目的とする場合に用いる疎水性化合物(d)とし
ては、糖骨格を有し、かつ重合性不飽和二重結合を有す
る疎水性化合物が挙げられる。糖骨格を有する疎水性化
合物(d)としては、親水性の糖部分と疎水性基の両者
を有していて疎水性を示すものであっても良いし、疎水
性の糖部分を有するものであっても良い。
【0040】疎水性の糖部分を有する化合物の例として
は、例えば、エステル化された糖骨格を例示できる。糖
部分の疎水性の度合は、置換基の種類やエステル化度に
よって調節できる。疎水性化合物(d)に含有される糖
骨格の例としては、例えば、グルコースなどの単糖類;
セロビオースなどの二糖類;ヘパリン、澱粉、セルロー
スなどの多糖類が挙げられる。疎水性化合物(d)とし
て用いることができる糖骨格を有する化合物としては、
例えば、グルコーストリアセテートモノ(メタ)アクリ
レート、繰り返し単位10個当たり1〜10個の(メ
タ)アクリル基を有するセルロースアセテート、繰り返
し単位1個当たり2個以上の(メタ)アクリル基を有す
るヘパリン及びデンプンなどが挙げられる。
【0041】また、生体適合性やタンパク質選択吸着性
などを目的とする場合に好ましく用いることのできる他
の疎水性化合物(d)としては、アミノ酸骨格を有し、
かつ、重合性不飽和二重結合を有する疎水性化合物が挙
げられる。このような化合物としては、例えば、ロイシ
ン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニン、
バリン、プロリン、イソロイシン、アラニンなどの疎水
性アミノ酸部分を有する化合物であっても良いし、親水
性アミノ酸または疎水性アミノ酸の置換体であり、か
つ、疎水性を示すものが挙げられる。これらの化合物に
おける置換部位は任意であり、N−置換体であっても良
い。
【0042】本発明に好ましく用いられるアミノ酸骨格
を有する疎水性化合物(d)としては、例えば、N−
(メタクリロイルエチルアミノカルボニル)アラニン、
N−(メタクリロイルチルアミノカルボニル)イソロイ
シン、N−(メタクリロイルエチルアミノカルボニル)
ロイシン、N−(メタクリロイルエチルアミノカルボニ
ルフェニル)アラニン、N−(メタクリロイルエチルア
ミノカルボニル)トリプトファン、N−(メタクリロイ
ルエチルアミノカルボニル)メチオニン、N−(メタク
リロイルヒドロキシブチル)アラニン、N−(メタクリ
ロイルヒドロキシブチルフェニル)アラニン、N−(メ
タクリロイルヒドロキシブチル)トリプトファン、N−
(メタクリロイルヒドロキシブチル)バリンなどが挙げ
られる。
【0043】重合性不飽和二重結合を有する疎水性化合
物(d)は、単官能のモノマー及び/又はオリゴマーで
あっても良く、多官能のモノマー及び/又はオリゴマー
であっても良い。疎水性化合物(d)から成る薄い層を
賦形物(c)の表面に形成するためには、単官能モノマ
ー及び/又は単官能オリゴマーを用いることが好まし
く、比較的厚い層を形成するためには、多官能モノマー
及び/又は多官能オリゴマーを用いることが好ましい。
勿論、これらの重合性不飽和二重結合を有する疎水性化
合物(d)は単独又は2種類以上の混合物であってよ
い。
【0044】疎水性層形成材料(e)中には、その他の
成分、例えば、溶剤、重合禁止剤、連鎖移動剤などを含
んでいても良いが、本発明で使用する活性光線に活性な
光重合開始剤を実質的に含まないことが必要である。疎
水性層形成材料(e)中に、そのような光重合開始剤を
含むと、重合性不飽和二重結合を有する疎水性化合物
(d)が、成形物の表面に結合せずに、疎水性化合物
(d)から成る重合体の生成量が増加するために、疎水
性化合物(d)の利用効率が悪くなるので好ましくな
い。
【0045】本発明の製造方法において、疎水性層形成
材料(e)を長時間使用することによって、光重合性組
成物(b)から光重合開始剤が疎水性層形成材料(e)
中に溶出してくる場合がある。このように疎水性層形成
材料(e)中に若干量の光重合開始剤が存在する場合で
あっても、本発明の製造方法においては許容されるが、
このような状態は好ましくないため、重合禁止剤や連鎖
移動剤を疎水性層形成材料(e)に含有させることによ
り、このような不都合を減じることもできる。
【0046】疎水性層形成材料(e)は、重合性不飽和
二重結合を有する疎水性化合物(d)それ自体であって
もよいが、成形物の表面を平滑にできる点で、また成形
物表面への疎水性化合物(d)の結合量の制御し易さか
ら、疎水性層形成材料(e)に溶剤を添加し、疎水性化
合物(d)の溶液及び/又は分散液とすることが好まし
い。疎水性層形成材料(e)に添加できる溶剤は、重合
性不飽和二重結合を有する疎水性化合物(d)を溶解し
ないものであっても、該疎水性化合物(d)を分散させ
た状態で使用することができるが、成形物表面の平滑性
を高く保つためには、疎水性化合物(d)を溶解するも
のであることが好ましい。疎水性溶剤は、重合性不飽和
二重結合を有する疎水性化合物(d)や1分子中に重合
性不飽和二重結合を2個以上有する化合物(a)の種類
によって適宜選択することができる。疎水性層形成材料
中に添加できる溶剤としては、例えば、パーフルオロア
ルカン、パーフルオロアルキルエーテル、パーフルオロ
アミンなどのフッ素系溶剤、ヘキサンなどの炭化水素
類、塩素系溶剤、フッ素塩素系溶剤、エーテル系溶剤、
エステル系溶剤等を挙げることができる。
【0047】疎水性層形成材料中に添加する溶剤は、光
重合性組成物(b)の構成成分、即ち、1分子中に重合
性不飽和二重結合を2個以上有する化合物(a)や光重
合開始剤に対して貧溶剤または非溶剤であることが、成
形物表面の平滑性の向上や賦形物と疎水性層形成材料
(e)との接触法法の制約を減少させる点などの点で好
ましい。このような特性を有する溶剤も適宜選択できる
が、例えば、重合性不飽和二重結合を有する疎水性化合
物(d)がフッ素含有化合物の場合、パーフルオロ系溶
剤やフッ素塩素系溶剤が挙げられる。
【0048】疎水性層形成材料(e)中の重合性不飽和
二重結合を有する疎水性化合物(d)の濃度は、0.5
〜90重量%の範囲が好ましく、3〜70重量%の範囲
がさらに好ましい。この範囲よりも低い濃度では、成形
物表面に固定される疎水性化合物(d)の量が減少し、
所定の機能が発揮されにくくなる傾向にあり、この範囲
よりも高い濃度では、成形物表面に荒れが生じ、透明性
が減少する傾向にあるので好ましくない。
【0049】光重合性組成物(b)から成る未硬化の賦
形物(c)と疎水性層形成材料(e)との接触方法は任
意であり、例えば、賦形物(c)を疎水性層形成材料
(e)中に浸漬させる方法、賦形物(c)表面に疎水性
層形成材料(e)を流延又はスプレーする方法、賦形物
(c)に疎水性層形成材料(e)の泡を接触させる方
法、光重合性組成物(b)と疎水性層形成材料(e)と
を共押し出しする方法などが挙げられる。これらの中で
も、賦形物(c)を疎水性層形成材料(e)中に浸漬さ
せる方法が好ましい。光重合性組成物(b)から成る賦
形物(c)に接触させる疎水性層形成材料(e)は、気
相(蒸気)であってもよいが、表面に固定される疎水性
化合物層の厚みを厚くするためには液体であることが好
ましい。なお、疎水性層形成材料(e)を気相で接触さ
せる方法は、実質的に、重合性不飽和二重結合を有する
疎水性化合物(d)がフッ素含有化合物の場合にのみ効
果的である。
【0050】光重合性組成物(b)から成る未硬化の賦
形物(c)を、疎水性層形成材料(e)と接触させた状
態で活性光線を照射すると、賦形物(c)の内部又は表
面で発生したラジカル、アニオン、カチオンなどの活性
種によって、1分子中に重合性不飽和二重結合を2個以
上有する化合物(a)が重合するとともに、発生したこ
れらの活性種あるいは化合物(a)の重合連鎖における
これらの活性種によって、賦形物(c)の表面で疎水性
層形成材料(e)に含まれる重合性不飽和二重結合を有
する疎水性化合物(d)の重合も誘発される。即ち、重
合反応は賦形物(c)内部において化合物(a)同士、
賦形物(c)と疎水性層形成材料(e)との接触面にお
いて化合物(a)と疎水性化合物(d)の間、及び該接
触面近傍の疎水性層形成材料(e)相中において疎水性
化合物(d)同士で起こり、化合物(a)と疎水性化合
物(d)とのブロック共重合体が形成される。従って、
重合性不飽和二重結合を有する疎水性化合物(d)ある
いはその重合体は、成形物の表面のみに結合し、賦形物
(c)が硬化することにより形成された成形物支持体部
の内部には、疎水性化合物(d)あるいはその重合体は
存在しない。しかし、本発明では、1分子中に重合性不
飽和二重都合を2個以上有する化合物(a)として重合
性不飽和二重結合を有する疎水性化合物(d)の使用を
排除するものではないから、化合物(a)として疎水性
化合物(d)を使用した場合には、成形物支持体部の内
部に疎水性化合物(d)が含有されることになるが、疎
水性層形成材料(e)由来の疎水性化合物(d)は存在
しない。
【0051】成形物表面の疎水性層の厚み、即ち、成形
物の表面に結合される疎水性化合物(d)の量は、疎水
性層形成材料(e)中の重合性不飽和二重結合を有する
疎水性化合物(d)の濃度、疎水性層形成材料(e)中
の重合防止剤や連鎖移動剤濃度、光重合性組成物(b)
中の光重合開始剤濃度、光強度、反応温度、等によって
調節することができる。成形物の表面に固定される疎水
性化合物(d)は、重合体となって固定される場合の
他、疎水性化合物(d)の単分子で固定される場合もあ
り得る。
【0052】なお、本発明の製造方法では、重合性不飽
和二重結合を有する疎水性化合物(d)は、使用された
量の一部分が賦形物(c)の表面に結合し、残余の疎水
性化合物(d)は、未硬化のまま疎水性層形成材料
(e)中に残留する。従って、疎水性層形成材料(e)
は繰り返し使用することができる。
【0053】本発明の製造方法で使用する活性光線とし
ては、紫外線、可視光、赤外光を挙げられる。これらの
活性光線の中でも、重合硬化速度の点から紫外線及び可
視光が好ましく、紫外線が特に好ましい。紫外線の波長
が短すぎると、光重合開始剤の非存在下でも重合するオ
リゴマーが多くなり、重合性不飽和二重結合を有する疎
水性化合物(d)の選定範囲を狭めることになるため、
主たる波長が300nm以上であるが好ましく、350nm
以上であることが特に好ましい。活性光線の他に、電子
線、エックス線、γ線等のエネルギー線の使用も可能で
あるが、賦形物(c)に結合しない疎水性化合物(d)
の重合体の発生量を減じるためには、活性光線が最も好
ましい。照射する活性光線の強度は、1〜5000mW
/dm2の範囲が好ましく、10〜2000mW/dm
2 の範囲が特に好ましい。
【0054】また、重合硬化速度を速め、重合を完全に
行う目的で、光照射を不活性ガス雰囲気下で行なうこと
が好ましく、疎水性層形成材料(e)として重合性不飽
和二重結合を有する疎水性化合物(d)の溶液を用いる
場合は、これらに溶解している酸素を除去しておくこと
が好ましい。光重合性組成物(b)もまた溶存酸素を除
去しておくことが好ましい。
【0055】光重合時の温度は特に制約されないが、温
度は高い方が成形物への重合性不飽和二重結合を有する
疎水性化合物(d)の固定量が増加するので好ましい。
作業条件をも考慮すると、室温〜50℃程度の範囲が好
ましい。勿論、光照射による硬化は、回分式で行っても
良く、連続式で行っても良い。
【0056】また、光重合性組成物(b)を賦形した
後、賦形物(c)に光照射して賦形物(c)を予備的に
不完全硬化させておいても良い。光重合性組成物(b)
の粘度が低い場合や、疎水性層形成材料(e)に含有さ
れる溶剤が光重合性組成物(b)の成分を溶解する場合
には、賦形物(c)を疎水性層形成材料(e)と接触さ
せた時に、形状を維持しにくい場合がある。このような
場合は、賦形物(c)を予め活性光線で予備硬化(不完
全硬化)させて、粘度を増加させたり流動性を失わせて
から、疎水性層形成材料(e)と接触させた状態で光照
射を行なう方法が、上記の不都合を回避できるため好ま
しい。
【0057】予備硬化が過剰であると、成形物の表面に
導入される疎水性化合物(d)の量が減じるため、光重
合性組成物(b)の重合性官能基が残留している程度に
止める必要があるが、その最適条件は簡単な最適化実験
により求めることができる。光重合性組成物(b)の重
合性官能基が残留しているかどうかは、赤外吸収スペク
トル測定によっても確認することもできる。予備硬化は
窒素雰囲気中で短時間で行なうこともできるが、酸素の
重合阻害性を利用して、空気中で短時間不完全硬化させ
る方法が好ましい。
【0058】活性光線照射後に成形物表面に残留する剰
余の疎水性層形成材料(e)は、例えば、洗浄、乾燥、
圧縮気体の噴霧等の任意の方法によって除去することが
できる。これらの残存物の除去後に、更にエネルギー線
を照射(アフターキュア)することもできる。また、硬
化後や未反応物の除去後に熱処理することも可能であ
る。熱処理により、未反応モノマーや残存溶剤を完全に
除去することができる。
【0059】本発明の製造方法において、硬化した賦形
物の表面に疎水性層が形成されていることは、目的とす
る機能が発現しているかを確認することによって判定す
ることができる。例えば、撥水性の付与を目的としてフ
ッ素系化合物を固定する場合には、表面の水との接触角
が上昇することにより判定することができる。この場
合、本発明の製造方法により硬化させた賦形物は、その
水接触角が65度以上のものであり、90度以上である
ことが好ましく、100度以上であることがさらに好ま
しい。また、疎水性層形成材料(e)と接触させずに硬
化させた賦形物と比較して、水接触角が増加するもので
あり、10度以上増加するものが好ましい。
【0060】しかしながら、生体適合性などの機能を目
的とする場合には、表面に固定された疎水性化合物層の
水接触角が、疎水性層形成材料(e)と接触させずに硬
化させた賦形物の水接触角と比較してほとんど増加しな
い場合もあり得る。このような場合には、本発明の効果
は水接触角で判定することは適当でなく、血液凝固性、
溶血性、補体活性などにより判定することができる。
【0061】また、支持体成形物の表面に疎水性層が形
成されていることは、表面元素分析や電子顕微鏡によっ
ても判定することができる。
【0062】本発明の製造方法によって成形物表面に固
定される疎水性層は、乾燥状態で厚み300nm以下に
形成することができる。疎水性層の厚みの下限は、分子
寸法で規定されるため、特に限定する必要はない。疎水
性層の厚みは、用途目的に応じて設計することできる。
疎水性層は、成形物の全表面を覆っている必要はなく、
例えば、分子寸法程度の大きさの間隙があってもよい
し、また、フォトリソグラフなどの手法により、表面の
必要部位のみを覆う構造としてもよい。
【0063】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に
限定されるものではない。なお、以下において、「部」
及び「%」は、特に断りがない限り、夫々「重量部」及
び「重量%」を表わす。
【0064】[製造装置および測定方法]以下の例で使
用した活性光線の光源として、メタルハライドランプを
使用した。光強度はウシオ電機製ユニメーター「UIT
−101」と受光素子「UVe−365Pe」を用いて
測定した。
【0065】また、以下の例中の測定は、次の方法に従
って行った。 (1)水接触角の測定 協和科学株式会社製の液滴法CA−D型接触角計を用い
て測定した。
【0066】(2)光線反射率 白熱電球とフォトマルチプライアを用いて、入射角(法
線からの角度)30度の光線反射率を測定した。
【0067】[実施例1] <光重合性組成物(b)の調製>1分子中に重合性不飽
和二重結合を2個以上有する化合物(a)として「ユニ
ディック V−4263」(大日本インキ化学工業株式
会社製、3官能ウレタンアクリレートオリゴマー)50
部および「カヤラッド HDDA」(日本化薬製、ヘキ
サンジオールジアクリレート)50部、光重合開始剤と
して「イルガキュアー 184」(チバガイギー社製、
1−ヒドロキシ−シクエロヘキシル−フェニル−ケト
ン)5部を混合して均一な光重合性組成物(b−1)を
調製した。
【0068】<疎水性層形成材料(e)の調製>重合性
不飽和二重結合を有する疎水性化合物(c)として「フ
ルオウェットAC800」(ヘキストジャパン社製のヘ
プタデカフルオロデシルアクリレート)50部および溶
剤として「メガファック F−210」{大日本インキ
化学工業製、パーフルオロヘプタンC716とパーフル
オロ環状エーテルCn2nO(n=7〜8)の混合物}
50部を均一に混合して、疎水性層形成材料(e−1)
を得た。
【0069】<疎水性化合物固定化成形物の作製>黒色
紙上に、光重合性組成物(b−1)をコーティングバー
を用いて厚さ127μmの塗膜状に賦形した後、60m
W/dm2 の紫外線を空気中にて1秒間照射して予備硬
化させたところ、塗膜状の賦形物(c−1)は流動性を
失い、黒色紙と一体となって半硬化した。
【0070】次に、該賦形物(c−1)を疎水性層形成
材料(e−1)の中に深さ10mmの位置に浸漬した状
態で、60mW/dm2 の紫外線を疎水性層形成材料
(e−1)の液面上から40秒間照射した後、該賦形物
(c−1)を取り出した。このようにして得た硬化した
賦形物(c−1)をn−ヘキサンを用いて洗浄した後、
乾燥させて、透明な塗膜状の表面疎水性成形物を得た。
【0071】<測定>このようにして得た透明な塗膜状
の表面疎水性成形物について、水接触角ならびに光反射
率の測定を行った結果を表1に示した。
【0072】<確認実験>光重合性組成物(b−1)
は、疎水性層形成材料(eー1)に溶解しなかった。
【0073】表面疎水性成形物の作製を行った後の残余
の疎水性層形成材料(e−1)中には、硬化物又はゲル
化物の析出は認められなかった。また、この疎水性層形
成材料(e−1)をゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)測定したところ、重合物の生成を示す
ピークは認められなかった。
【0074】[実施例2]実施例1において、疎水性層
形成材料(e−1)に代えて、「フルオウェットAC8
00」20部及び「メガファック F−210」80部
から成る疎水性層形成材料(e−2)を使用した以外
は、実施例1と同様にして、透明な塗膜状の表面疎水性
成形物を得た。
【0075】このようにして得た表面疎水性成形物につ
いて、実施例1と同様の測定を行った結果を表1に示し
た。
【0076】[実施例3]実施例1において、疎水性層
形成材料(e−1)に代えて、「フルオウェットAC8
00」5部及び「メガファック F−210」95部か
ら成る疎水性層形成材料(e−3)を使用した以外は、
実施例1と同様にして、透明な塗膜状の表面疎水性成形
物を得た。
【0077】このようにして得た表面疎水性成形物につ
いて、実施例1と同様の測定を行った結果を表1に示し
た。
【0078】[比較例1]実施例1において、疎水性層
形成材料(e−1)に代えて、溶剤である「メガファッ
ク F−210」のみを使用した以外は、実施例1と同
様にして透明な塗膜状の成形物を得た。
【0079】このようにして得た塗膜状の成形物につい
て、実施例1と同様の測定を行った結果を表1に示し
た。
【0080】[実施例4]実施例1において、予備硬化
を行わなかった以外は、実施例1と同様にして透明な塗
膜状の表面疎水性成形物を得た。
【0081】このようにして得た表面疎水性成形物につ
いて、実施例1と同様の測定を行った結果を表1に示し
た。
【0082】[実施例5]実施例1において、予備硬化
を行わなかったことと、疎水性層形成材料(e−1)に
代えて、「フルオウェット AC800」100%から
成る疎水性層形成材料(e−5)を使用した以外は、実
施例1と同様にして、塗膜状の表面疎水性成形物を得
た。
【0083】このようにして得た表面疎水性成形物につ
いて、実施例1と同様の測定を行った結果を表1に示し
た。なお、本実施例で得られた成形物の表面には、若干
の白濁が認められた。
【0084】
【表1】
【0085】[実施例6] <光重合性組成物(b)の調製>1分子中に重合性不飽
和二重結合を2個以上有する化合物(a)として「エポ
キシエステル3002A」(共栄社化学株式会社製、2
官能エポキシアクリレートオリゴマー)50部および
「ニューフロンティアBPE−4」(第一工業製薬株式
会社製、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジア
クリレート)50部、光重合開始剤として「イルガキュ
アー 184」(チバガイギー社製、1−ヒドロキシ−
シクエロヘキシル−フェニル−ケトン)5部を混合して
均一な光重合性組成物(b−6)を調製した。
【0086】<疎水性層形成材料(e)の調製>重合性
不飽和二重結合を有する疎水性化合物(d−6)して、
予めトリプトファン(和光純薬工業株式会社製;以下、
トリプトファンをTrpという。 )とカレンズMOI(昭
和電工株式会社製のイソシアネートエチルメタクリレー
ト)とを反応させて得た生成物(以下、Trp−MOIとい
う。)30部および溶剤としてジメチルスルホキシド
(和光純薬工業株式会社製)70部を均一に混合して、
疎水性層形成材料(e−6)を得た。
【0087】<疎水性化合物固定化成形物の作製>ガラ
ス板上に、光重合性組成物(b−6)をコーティングバ
ーを用いて厚さ250μmの塗膜状に賦形した後、60
mW/dm2 の紫外線を空気中にて1秒間照射して予備
硬化させたところ、塗膜状の賦形物(c−6)は流動性
を失い、半硬化した。
【0088】次に、該賦形物(c−6)を疎水性層形成
材料(e−6)の中に深さ10mmの位置に浸漬した状
態で、60mW/dm2 の紫外線を疎水性層形成材料
(e−6)の液面上から40秒間照射した後、該賦形物
(c−6)を取り出した。このようにして得た硬化した
賦形物(c−6)をジメチルスルホキシド50%の水溶
液を用いて洗浄した後、乾燥させて、透明な塗膜状の表
面疎水性成形物を得た。
【0089】<測定>このようにして得た透明な塗膜状
の表面疎水性成形物について、水接触角ならびに表面元
素分析(ESCA)を行った結果を表2に示した。
【0090】<確認実験>重合性不飽和二重結合を有す
る疎水性化合物(d−6)の20℃の水に対する溶解度
は1%未満であった。
【0091】表面疎水性成形物の作製を行った後の残余
の疎水性層形成材料(e−6)中には、硬化物又はゲル
化物の析出は認められなかった。また、この疎水性層形
成材料(e−6)をゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)測定したところ、重合物の生成を示す
ピークは認められなかった。
【0092】[比較例2]実施例6において、疎水性層
形成材料(e−6)に代えて、溶剤であるジメチルスル
ホキシドのみを使用した以外は、実施例6と同様にして
塗膜状の表面疎水性成形物を得た。
【0093】このようにして得た表面疎水性成形物につ
いて、実施例6と同様の測定を行った結果を表2に示し
た。
【0094】[実施例7] <疎水性層形成材料(e)の調製>重合性不飽和二重結
合を有する疎水性化合物(d−7)として、予めヘパリ
ン(シグマ社製のグレード1−A;以下、ヘパリンをHe
pという。) とカレンズMOIとを反応させて得た生成
物(以下、Hep−MOIという。)3部および溶剤として
N,N−ジメチルアセトアミド「和光純薬工業株式会社
製)97部を均一に混合して、疎水性層形成材料(e−
7)を得た。
【0095】<疎水性化合物固定化成形物の作製>実施
例6において、疎水性層形成材料(e−6)に代えて、
疎水性層形成材料(e−7)を用いた以外は実施例6と
同様にして塗膜状の表面疎水性成形物を得た。
【0096】<測定>このようにして得た塗膜状の表面
疎水性成形物について、水接触角ならびに表面元素分析
(ESCA)を行った結果を表2に示した。
【0097】<確認実験>重合性不飽和二重結合を有す
る疎水性化合物(d−6)の20℃の水に対する溶解度
は1%未満であった。
【0098】表面疎水性成形物の作製を行った後の残余
の疎水性層形成材料(e−7)中には、硬化物又はゲル
化物の析出は認められなかった。また、この疎水性層形
成材料(e−7)をゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)測定したところ、重合物の生成を示す
ピークは認められなかった。
【0099】[比較例3]実施例7において、疎水性層
形成材料(e)に代えて、溶剤であるN,N−ジメチル
アセトアミドのみを使用した以外は、実施例7と同様に
して塗膜状の表面疎水性成形物を得た。
【0100】このようにして得た表面疎水性成形物につ
いて、実施例7と同様の測定を行った結果を表2に示し
た。
【0101】
【表2】
【0102】表2に示した結果から、重合性不飽和二重
結合を有する疎水性化合物Trp−MOI由来の元素Nあるい
はHep−MOI由来の元素Sが検出され、これらの疎水性化
合物が成形物の表面に結合していることが理解できる。
【0103】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、成形物表面
に高密度に疎水性化合物を固定化した表面疎水性成形物
であって、任意の化学構造の表面疎水性層と任意の化学
構造の支持体部からなる表面疎水性成形物を提供するこ
とができる。また、本発明の製造方法によって得られる
表面疎水性成形物は、表面の疎水性層と支持体部とが共
有結合で結合しているため、層間剥離が生じず、また、
表面疎水性層と支持体部との化学構造を自由に設計した
ものが得られる。
【0104】従って、本発明の製造方法によれば、高い
機能(撥水性、防眩性、生体適合性など)、優れた物性
を両立させた表面疎水性成形物であって、任意の形状の
表面疎水性成形物を効率良く製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 27/12 C08L 27/12

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)1分子中に重合性不飽和二重結合
    を2個以上有する化合物(a)と光重合開始剤とを含有
    する光重合性組成物(b)を薄膜状、糸状、ビーズ状、
    その他の任意形状に賦形した賦形物(c)を形成する第
    1工程と、(2)賦形物(c)の表面に、重合性不飽和
    二重結合を有する疎水性化合物(d)を含有する疎水性
    層形成材料(e)に接触させる第2工程と、(3)前記
    接触状態下の賦形物(c)に活性光線を照射する第3工
    程とから成ること、(4)前記第3工程において、
    (イ)賦形物(c)を硬化させること、(ロ)賦形物
    (c)と疎水性層形成材料(e)との接触界面で、化合
    物(a)と疎水性化合物(d)とを共重合させて賦形物
    (c)の表面に疎水性化合物(d)の分子を化学的に結
    合させること、(ハ)疎水性層形成材料(e)の中では
    前記接触界面を除き光重合反応を起こさせないこと、を
    特徴とする、表面に疎水性化合物が固定化された水接触
    角が65度以上の成形物の製造方法。
  2. 【請求項2】 (1)1分子中に重合性不飽和二重結合
    を2個以上有する化合物(a)と光重合開始剤とを含有
    する光重合性組成物(b)を薄膜状、糸状、ビーズ状、
    その他の任意形状に賦形した賦形物(c)を形成する第
    1工程と、(2)賦形物(c)に活性光線を照射して賦
    形物(c)を予備硬化させるが、少なくとも賦形物
    (c)の表面に重合性不飽和二重結合が残留した状態に
    維持する第2工程と、(3)予備硬化した賦形物(c)
    の表面に、重合性不飽和二重結合を有する疎水性化合物
    (d)を含有する疎水性層形成材料(e)に接触させる
    第3工程と、(4)前記接触状態下にある予備硬化した
    賦形物(c)に活性光線を照射する第4工程とから成る
    こと、(5)前記第4工程において、(イ)予備硬化し
    た賦形物(c)を完全硬化させること、(ロ)賦形物
    (c)と疎水性層形成材料(e)との接触界面で、化合
    物(a)と疎水性化合物(d)とを共重合させて賦形物
    (c)の表面に疎水性化合物(d)の分子を化学的に結
    合させること、(ハ)疎水性層形成材料(e)の中では
    前記接触界面を除き光重合反応を起こさせないこと、を
    特徴とする、表面に疎水性化合物が固定化された水接触
    角が65度以上の成形物の製造方法。
  3. 【請求項3】 賦形物(c)と疎水性層形成材料(e)
    とを接触させる方法が、賦形物(c)を疎水性層形成材
    料(e)中に浸漬させる方法である請求項1又は2記載
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 疎水性層形成材料(e)が疎水性化合物
    (d)と非重合性の疎水性溶剤の混合物である請求項
    1、2または3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 重合性不飽和二重結合を有する疎水性化
    合物(d)が、分子内にフッ素含有基を有する化合物で
    ある請求項1、2、3又は4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 分子内にフッ素含有基を有する化合物
    が、パーフルオロ基を有する(メタ)アクリル系モノマ
    ー及び/又はパーフルオロ基を有する(メタ)アクリル
    系オリゴマーである請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 重合性不飽和二重結合を有する疎水性化
    合物(d)が、分子中にアミノ酸骨格を有する化合物で
    ある請求項1、2、3又は4記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 重合性不飽和二重結合を有する疎水性化
    合物(d)が、分子中に糖骨格を有する化合物である請
    求項1、2、3又は4記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 賦形物(c)が塗膜である請求項1、
    2、3、4、5、6、7又は8記載の製造方法。
  10. 【請求項10】成形物が、疎水性化合物(d)を固定し
    ない成形物に比べて、水接触角が増加したものである請
    求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009051211A (ja) * 2007-08-01 2009-03-12 Gel-Design:Kk 高分子ゲル複合体、及びその製造方法

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