JP2006116533A - 表面凹凸シートの製造方法、表面凹凸シート及び防眩性シート - Google Patents
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Abstract
無機又は有機微粒子を用いることなく、防眩用シートとして有用な微細表面凹凸構造を有する表面凹凸シートを簡便に製造できる方法を提供する。
【解決手段】
有機樹脂材料と該有機樹脂材料に対して非相溶性の材料とを混合し、塗工液を調製する第1工程と、前記塗工液を塗布し、前記有機樹脂材料と前記非相溶性の材料とが相分離した相分離構造を有する塗膜を形成する第2工程と、前記塗膜に硬化処理を施し、前記有機樹脂材料を硬化させて前記相分離構造を固定化した後、硬化処理を施した該塗膜中から前記非相溶性の材料を除去し、表面凹凸構造を有する硬化樹脂層を形成する第3工程とを含んでいることを特徴とする表面凹凸シートの製造方法を提供する。
【選択図】なし
Description
そのため、前記表示装置表面には、画面の視認性向上を目的として、表示装置表面の反射光を拡散し、入射光の正反射を抑制して、写り込みを防ぐための(防眩性を有する)微細表面凹凸構造を有する防眩層が形成されている。
この方法は、例えば、紫外線硬化型樹脂等の硬化型樹脂中に無機微粒子(例えば、炭酸カルシウム粒子、酸化チタン粒子、シリカ粒子等)や有機微粒子(アクリル系ポリマー粒子、シリコーン系ポリマー粒子等)を分散させた塗料を表示装置表面に塗布し、硬化させることにより表示装置表面に微細表面凹凸構造を有する防眩層を形成するものである。
更に、時間の経過に伴い硬化樹脂中に分散させていた微粒子が防眩層表面へ浮き出てしまい表示装置表面に形成された防眩層の防眩性能が低下したり、また、表面へ浮き出た微粒子自身が外観不良(例えば、表面の汚れ等)の原因となってしまう場合もある。
この方法は、表面に凹凸形状が形成されている賦型フィルムを用いて、該賦型フィルムに硬化樹脂を流し込み該硬化樹脂を硬化させて、凹凸形状を硬化させた樹脂に写し取ることにより防眩性フィルムを形成させるものである。
しかし、賦型フィルムに硬化させた樹脂が付着してしまい、凹凸形状を写し取ることができず所望の防眩性が得られなかったり、また、前記賦型フィルムを何回も使用することで該賦型フィルムの表面凹凸形状が変化してしまったり、更には、作業性が煩雑であるという問題がある。
かかる製造方法においては、有機樹脂材料と、該有機樹脂材料に対して非相溶性の材料とを含む塗工液を塗布して相分離構造を有する塗膜を形成し、硬化させ、硬化させた前記塗膜から前記非相溶性の材料を除去することで硬化樹脂層に微細な表面凹凸構造を形成できる。
かかる製造方法において、有機樹脂材料と、該有機樹脂材料に対して非相溶性の材料と溶媒とを含む塗工液を塗布し、溶媒を除去することで相分離構造を有する塗膜を形成し、硬化させ、硬化させた前記塗膜から前記非相溶性の材料を除去することで硬化樹脂層に微細な表面凹凸構造を形成できる。
また、本発明に係る表面凹凸シートの製造方法では、無機又は有機微粒子等の微粒子を用いていないため、該微粒子を起因とする散乱がなく、防眩性能等の特性設計が容易となる。
本発明の表面凹凸シートの製造方法は、有機樹脂材料と該有機樹脂材料に対して非相溶性の材料とを混合し、塗工液を調製する第1工程と、前記塗工液を塗布し、前記有機樹脂材料と前記非相溶性の材料とが相分離した相分離構造を有する塗膜を形成する第2工程と、前記塗膜に硬化処理を施し、前記有機樹脂材料を硬化させて前記相分離構造を固定化した後、硬化処理を施した該塗膜中から前記非相溶性の材料を除去し、表面凹凸構造を有する硬化樹脂層を形成する第3工程とを含んでいる。
前記有機樹脂材料としては、該有機樹脂材料を硬化させた場合、被膜としての十分な強度と透明性を有するものを特に制限なく用いることができる。
前記有機樹脂材料としては、熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂、二液混合型樹脂等を挙げることができ、好ましくは熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂が挙げられる。
特に、紫外線硬化型樹脂は、紫外線照射により硬化処理を行うことができるため、操作が容易であり、且つ効率よく硬化樹脂層を形成できる点において好適である。
これらは、紫外線の照射により重合可能な官能基を有するものであり、好ましくは、一分子中に前記官能基を2個以上、特に、一分子中に該官能基を3〜6個有するアクリル系のモノマー、オリゴマーが好ましい。
このような非相溶性の材料としては、前記有機樹脂材料と混合した場合、相分離し、且つ相分離構造を固定化した後、溶媒抽出等の方法により除去できるものであればよい。前記非相溶性の材料は、無機材料又は有機材料の何れも使用できるが、有機材料の方が好ましい。
また、(メタ)アクリレートで末端が封鎖されているものの他にメチル基或いはカルボキシル基で末端が封鎖されている化合物を用いることも可能である。
尚、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
尚、重量平均分子量は、実施例記載の方法により測定される。
具体的には、有機樹脂材料として、ウレタンアクリル系紫外線硬化型樹脂、ペンタエリスリトールトリアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート、並びにトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネレートトリアクリレートの1種又は2種以上と、非相溶性材料として、アルキル(メタ)アクリレートとの組み合わせが挙げられる。
有機樹脂材料100重量部に対して非相溶性の材料を10〜400重量部の範囲で混合することで、形成される表面凹凸シートのヘイズ値、平均山谷間隔(Sm)及び中心線平均表面粗さ(Ra)を所望の範囲に容易に調製できる。
尚、非相溶性の材料の混合量が400重量部を超える場合、相分離構造が大きくなりすぎて、平均山谷間隔(Sm)及び中心線平均表面粗さ(Ra)が大きくなりすぎる等の問題を有する。
また、非相溶性の材料の混合量が10重量部未満の場合、相分離構造が細かくなりすぎて所望の平均山谷間隔(Sm)及び中心線平均表面粗さ(Ra)が得られにくい等の問題を有する。
前記有機溶媒は、前記有機樹脂材料及び前記非相溶性の材料の少なくても一方を溶解しないものであってもよいし、双方を溶解するものであってもよく、使用する有機樹脂材料及び非相溶性の材料に応じて適宜選択される。
尚、双方を溶解する有機溶媒であっても、該有機溶媒を除去することにより有機樹脂材料と非相溶性の材料とが相分離する。
前記有機溶媒としては、例えば、キシレン,トルエン等の芳香族炭化水素、メタノール,エタノール,イソプロピルアルコール等のアルコール類、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル,酢酸エチル等のエステル類を挙げることができる。
尚、有機溶媒としては、キシレン,トルエン,酢酸エチル等が好ましい。
有機溶媒の混合量が、500重量部を超えると、塗工液の粘度が低くなるため塗膜が薄くなりすぎて、得られるシートの厚みが極端に薄くなる等の問題を有する。
また、有機溶媒の混合量が、10重量部未満であれば、塗工液の粘度が高くなり塗工ムラが生じやすくなる等の問題を有する。
熱硬化型樹脂に用いる重合開始剤の具体例としては、例えば、ジベンゾイルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の有機過酸化物や2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ系化合物を挙げることができる。
また、紫外線硬化型樹脂に用いる重合開始剤の具体例としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ジアセチル類、ベンジル類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール類、ベンゾイルベンゾエート類、ヒドロキシフェニルケトン類等の化合物を挙げることができる。
前記重合開始剤の混合量は、前記有機樹脂材料100重量部に対して該重合開始剤を0.01〜10重量部であり、好ましくは、重合開始剤を0.05〜10重量部である。
これらは、単独或いは複数同時に使用してもよい。
好ましい架橋剤の種類としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のポリイソシアネート、ポリエポキシ、各種金属塩、キレート化合物等を挙げることができる。
前記架橋剤の混合量は、本発明の目的を損なわない範囲であれば特に規定はないが、好ましくは、有機樹脂材料100重量部に対して20重量部以下とし、この範囲内で適宜調製できる。尚、これらの架橋剤は、単独或いは2種以上を同時に使用しても何ら問題がない。
また、必要に応じて連鎖移動剤、可塑剤を添加してもよい。
また、不透明基材としては、ステンレス等の金属板等を挙げることができる。前記基材としては、前記透明基材が好ましい。
また、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状乃至ノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン−プロピレン共重合体等のオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマーフィルムも挙げられる。
更に、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマーや前記ポリマーのブレンド物等のポリマーフィルムを挙げることができる。
尚、本発明においては、前記フィルムの1種を単層で、又は同種或いは異種のフィルムを2枚以上積層して用いてもよい。
尚、前記フィルムは、できる限り無色透明であることがよく、400〜800nmの波長領域における透過率が80%以上が好ましく、透過率が90%以上がより好ましい。
延伸手段や延伸倍率は、特に制限されないが、幅方向(MD方向)、縦方向(TD方向)の何れの方向にも等倍するのが好ましい。
前記延伸倍率は、0.5〜3倍であり、好ましくは1〜2倍である。
尚、一般的にプラスチック材料フィルムは、延伸処理を施すことで複屈折性を発現するため、光学用途として用いる場合、既に設定されている液晶セルの偏光状態を乱さないような無延伸状態のフィルムを用いることが好ましい。
前記フィルムの表面に前記表面処理を行うことで、前記塗工液を塗布、硬化させて得られる硬化樹脂層と前記フィルムとの密着性を向上させることができる。
まず、第1工程では、有機樹脂材料と該有機樹脂材料に対して非相溶性の材料等とを無溶媒で混合するか、又は該有機樹脂材料と該有機樹脂材料に対して非相溶性の材料等とを有機溶媒を用いて混合して塗工液を調製する。
このようにして得られた塗工液は、目視で若干白濁している程度であるのが好ましい。
塗工液を調製するための混合方法としては、何ら特別な方法を採用する必要はなく、例えば、攪拌、超音波照射等の一般的な混合方法を用いることができる。
調製した塗工液は、混合し、十分に攪拌した後の液濁度が、目視にて若干白濁しているレベルのものが好ましい。
尚、前記塗工液が有機溶媒を含む場合には、前記の方法を用いて基材上に塗膜を形成した後、溶媒除去工程で前記有機溶媒を加熱除去、減圧除去等の一般的に行われている方法を用いて除去する。
前記凹凸構造の形成は、前記第1工程において、有機樹脂材料と非相溶性の材料とを混合し、十分に攪拌した後の液濁度が、目視にて若干白濁しているレベルであれば達成される。
即ち、前記有機樹脂材料が紫外線硬化型樹脂である場合には、前記塗膜に紫外線を照射して有機樹脂材料を硬化させればよく、また前記有機樹脂材料が熱硬化型樹脂であるときには加熱して硬化させればよい。
尚、前記有機樹脂材料を硬化させて得られる樹脂は、できる限り無色透明であることがよく、400〜800nmの波長領域における透過率が80%以上が好ましく、透過率が90%以上がより好ましい。
硬化処理を施した前記塗膜中から非相溶性の材料を除去することにより、塗膜中の相分離構造において、非相溶性の材料が占めていた部分が除かれて、表面凹凸構造を有する硬化樹脂層が形成される。
このような性質を有するものであれば、一般的な溶媒の中から適宜選択して用いることができ、特に限定されるものではないが、除去効率及び無害性の観点から、液化二酸化炭素や超臨界状態にある二酸化炭素(超臨界二酸化炭素)が用いられる。
硬化処理が施された塗膜を圧力容器に入れて二酸化炭素を注入し、該塗膜に液化二酸化炭素又は超臨界二酸化炭素を浸透させる。
十分に前記二酸化炭素を浸透させた後、二酸化炭素の排気と注入を連続的或いは断続的に繰り返して、硬化処理が施された塗膜中の非相溶性の材料を液化二酸化炭素または超臨界状態にある二酸化炭素(超臨界二酸化炭素)に抽出(溶解)させて、前記塗膜中から前記非相溶性の材料を除去する。
超臨界状態では、硬化させた有機樹脂材料の膨潤の促進、非相溶性の材料の拡散係数の向上によって、効率よく塗膜内部から非相溶性の材料を除去できる。
尚、液化二酸化炭素による場合も、前記拡散係数は低下するが、硬化させた有機樹脂材料への浸透性が向上するため、前記超臨界二酸化炭素と同様に前記塗膜内部から非相溶性の材料を効率よく除去することができる。
前記有機溶媒を用いることで、大気圧下で前記非相溶性の材料を除去することができ、圧力下で除去する場合に比べて基板の変形等を抑えることができる。
また、有機溶媒を選択することで、抽出時間を短縮することもできる。
更に、有機溶媒中に順次前記硬化処理を施した塗膜を通すことで、該塗膜から前記非相溶性の材料を除去する工程を連続的に行うことも可能である。
これらの有機溶媒は、単独或いは2種類以上を混合して用いてもよいが、非相溶性の材料の除去効率の点から、トルエン、エタノールで抽出することが好ましい。
効率的な除去の観点からは、前記硬化処理を施した塗膜を有機溶媒に含浸させて非相溶性の材料を除去する方法が好ましい。
例えば、温度25℃、硬化処理を施した塗膜(縦10cm×横15cm×厚み4μm)に対して200mlの有機溶媒に10分間浸漬することで、前記非相溶性の材料を除去することができる。
また、数回に亘って有機溶媒を取替ながら抽出することや、有機溶媒を攪拌することで、効率的に前記非相溶性の材料を除去できる。
非相溶性の材料と有機樹脂材料との組み合わせ或いは配合量等を調製することにより、前記表面凹凸シートのヘイズ値を防眩性シートとして所望のものにすることができる。
平均山谷間隔(Sm)が80μm未満の場合には、光学特性が凹凸無しの場合と殆ど変わらないことがある等の問題を有する。
また、平均山谷間隔(Sm)が400μmを超える場合には、ギラツキやザラツキが大きくなる等の問題を有する。
尚、平均山谷間隔(Sm)は実施例記載の方法により測定される。
中心線平均表面粗さ(Ra)が上記範囲内であれば、防眩性が十分機能するものである。
尚、中心線平均表面粗さ(Ra)は実施例記載の方法により測定される。
尚、ヘイズ値は画像鮮明性の点から50%以下、更には40%以下であることが好ましい。
前記ヘイズ値は、実施例記載の方法により測定される。
表面凹凸シートの厚みが、上記範囲内であれば、ハンドリング性が良好となる。
尚、前記表面凹凸シートの厚みには、基材となるフィルムの厚みは含まれない。
尚、透明基材としては、前記で記載した透明プラスチック材料フィルムを適宜使用することができる。
前記光学素子としては、偏光板等を挙げることができる。尚、前記偏光板としては、特に制限されず、各種のものを使用できる。
重量平均分子量は、GPC法で標準ポリスチレンにより換算した値である。
GPC本体として、東ソー(株)社製の機種名:「HLC-8120GPC」を使用し、カラム温度40℃、ポンプ流量 0.5ml/min、検出器RIを用いた。データ処理は、予め分子量が既知の標準ポリスチレンの検量線(分子量2060万、842万、448万、111万、70.7万、35.4万、18.9万、9.89万、3.72万、1.71万、9830、5870、2500、1050、500の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成)を用い、換算分子量より分子量を求めた。
使用カラム:商品名「TSKgel GMH−H(S)」×2本 (東ソー(株)社製)
移動相:テトラヒドロフラン
注入量:100μl
サンプル濃度:1.0g/l(テトラヒドロフラン溶液 )
「スガ試験機(株)社製:ヘイズメーター、機種名:HGM-2DP」を用いて表面凹凸シートの表面凹凸面側から光線(400nm〜700nm)を透過させたときの全光線を測定した。
全光線透過率(Tt)は、入射光量(T1)と試験片を通った全光量(T2)との比を下記式により求めた。(式):Tt=T2/T1(%)
尚、表2中の測定値は、550nmでの測定値である。
表面凹凸シートの表面凹凸構造の形状をJIS B 0601(1994年)に準じ、測定長さ8mmとし、触針式表面粗さ測定器(小坂研究所製、機種名:高精度微細形状測定器サーフコーダET4000)を用いて、触針速度500μm/sにて測定した。
表面凹凸シートの表面凹凸構造の形状をJIS B 0601(1994年)に準じ、測定長さ8mmとし、触針式表面粗さ測定器(小坂研究所製、機種名:高精度微細形状測定器サーフコーダET4000)を用いて、前記平均山谷間隔(Sm)の測定方法と同様にして測定した。
JIS K 7105-1981に準じて、「スガ試験機(株)製、機種名:デジタル変角光沢計UGV-5DP」を用いて、表面凹凸シートの表面凹凸構造の面が光源を向くようにして測定した。
60°光沢度をJIS K 7105-1981に準じて、「スガ試験機(株)製、機種名:デジタル変角光沢計UGV-5DP」を用いて測定した。
表面凹凸シートの表面凹凸構造が形成されていない基材面に黒色アクリル板を粘着剤で貼り合わせ裏面の反射をなくし、「村上色彩技術研究所製、機種名:変角光沢計GM-3D」を用いて60°の光沢を測定した。
ウレタンアクリル系紫外線硬化型樹脂(大日本インキ化学工業(株)社製、商品名:ユニディック)100重量部、ラウリルメタクリレート(日本油脂(株)社製)100重量部、ベンゾフェノン系光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名:イルガキュア907)4重量部、トルエン106重量部を混合して塗工液を調製した。
得られた塗工液は、ウレタンアクリル系紫外線硬化型樹脂とラウリルメタクリレートとが非相溶性であるため白濁していた。
前記塗工液をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚み50μm)に塗布し、25℃で2分間乾燥後、紫外線(365nm、紫外線強度300mJ/cm2)を照射して、前記PETフィルム上に硬化被膜(厚み約4.1μm)を形成した積層シートを作製した。
前記積層シートを短冊状に切断して、耐圧容器に入れ、40℃、25MPaに加圧し、該圧力を保ちながら、ガス量にして5リットル/minの流量で二酸化炭素を注入、排気する操作を2時間行い、ラウリルメタクリレートを抽出する操作を行った。
前記抽出操作を行った後の積層シートは、良好な防眩性を示す微細表面凹凸構造を有していた。
各試薬の配合量及び抽出条件を表1に示した。
また、抽出操作を行った後の積層シートの光学特性、表面粗さを測定し、その結果を表2に示した。
実施例1と同様の塗工液を調製し、該塗工液をトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(厚み50μm)に塗布した以外、実施例1と同様の操作を行い、TACフィルム上に硬化被膜(厚み約4μm)を形成した積層シートを得た。
抽出操作を行った後の積層シートは、良好な防眩性を示す微細表面凹凸構造を有していた。
各試薬の配合量及び抽出条件を表1に、抽出操作を行った後の積層シートの光学特性、表面粗さを測定し、その結果を表2に示した。
実施例1と同様の塗工液を調製し、該塗工液をトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(厚み50μm)に塗布し、TACフィルム上に硬化被膜(厚み約4μm)を形成した積層シートを作製した。
前記積層シートを100mm×150mmの短冊状に切断し、300ccのトルエンに雰囲気温度25℃で10分間浸漬し、ラウリルメタクリレートを抽出する操作を行った。
抽出操作を行った後の積層シートは、良好な防眩性を示す微細表面凹凸構造を有していた。
各試薬の配合量及び抽出条件を表1に、抽出操作を行った後の積層シートの光学特性、表面粗さを測定し、その結果を表2に示した。
ラウリルメタクリレートに代えてラウリルアクリレート(日本油脂(株)社製)100重量部を用いた以外、実施例2と同様の操作を行い、TACフィルム上に硬化被膜(厚み約4μm)を形成した積層シートを作製した。
前記積層シートからラウリルアクリレートを抽出する操作は、実施例1と同様の操作で行った。
抽出操作を行った後の積層シートは、良好な防眩性を示す微細表面凹凸構造を有していた。
各試薬の配合量及び抽出条件を表1に、抽出操作を行った後の積層シートの光学特性、表面粗さを測定し、その結果を表2に示した。
尚、得られた塗工液は、ウレタンアクリル系紫外線硬化型樹脂とラウリルアクリレートとが非相溶性であるため白濁していた。
アクリル系紫外線硬化型樹脂(東亜合成(株)社製、ペンタエリスリトールトリアクリレート)100重量部、ラウリルメタクリレート(日本油脂(株)社製)100重量部、ベンゾフェノン系光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名:イルガキュア907)4重量部、トルエン106重量部を混合して塗工液を調製した以外、実施例1と同様の操作を行い、PETフィルム上に硬化被膜(厚み3.8μm)を形成した積層シートを作製した。
前記積層シートからラウリルメタクリレートを抽出する操作も実施例1と同様の操作で行った。
抽出操作を行った後の積層シートは、良好な防眩性を示す微細表面凹凸構造を有していた。
各試薬の配合量及び抽出条件を表1に、抽出操作を行った後の積層シートの光学特性、表面粗さを測定し、その結果を表2に示した。
アクリル系紫外線硬化型樹脂(東亜合成(株)社製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)100重量部、ラウリルメタクリレート(日本油脂(株)社製)100重量部、ベンゾフェノン系光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名:イルガキュア907)4重量部、トルエン106重量部を混合して塗工液を調製した以外、実施例1と同様の操作を行い、PETフィルム上に硬化被膜(厚み4.6μm)を形成した積層シートを作製した。
前記積層シートからラウリルメタクリレートを抽出する操作も実施例1と同様の操作で行った。
抽出操作を行った後の積層シートは、良好な防眩性を示す微細表面凹凸構造を有していた。
各試薬の配合量及び抽出条件を表1に、抽出操作を行った後の積層シートの光学特性、表面粗さを測定し、その結果を表2に示した。
アクリル系紫外線硬化型樹脂(アルドリッチ製、トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート)100重量部、ラウリルアクリレート(日本油脂(株)社製)100重量部、ベンゾフェノン系光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名:イルガキュア907)4重量部、トルエン106重量部を混合して塗工液を調製した以外、実施例1と同様の操作を行い、PETフィルム上に硬化被膜(厚み5.1μm)を形成した積層シートを作製した。
前記積層シートからラウリルメタクリレートを抽出する操作も実施例1と同様の操作で行った。
抽出操作を行った後の積層シートは、良好な防眩性を示す微細表面凹凸構造を有していた。
各試薬の配合量及び抽出条件を表1に、抽出操作を行った後の積層シートの光学特性、表面粗さを測定し、その結果を表2に示した。
前記実施例1で用いたラウリルメタクリレートに代えてポリエチレングリコールジメチルエーテル(日本油脂(株)社製、商品名:MM500)100重量部を用いた以外は前記実施例1と同様に行った。
尚、得られた塗工液は、ウレタンアクリル系紫外線硬化型樹脂とポリエチレングリコールジメチルエーテルとの相溶性が良好であったため、相分離が認められなかった。
その結果、積層シートの硬化被膜(厚み4.1μm)は、表面に凹凸が殆ど形成されておらず、防眩性が極めて不十分であった。
各試薬の配合量及び抽出条件を表1に、得られた積層シートの光学特性、表面粗さを測定し、その結果を表2に示した。
ラウリルメタクリレートを添加しない塗工液を用いた以外は、実施例5と同様の操作を行った。
尚、得られた塗工液は、相分離構造を形成しなかったため、白濁しておらず、また、紫外線硬化処理においても相分離は認められなかった。
その結果、積層シートの硬化被膜(厚み4μm)は表面に凹凸が殆ど形成されておらず、防眩性が極めて不十分であった。
各試薬の配合量及び抽出条件を表1に、得られた積層シートの光学特性、表面粗さを測定し、その結果を表2に示した。
ラウリルメタクリレートを添加しない塗工液を用いた以外は、実施例6と同様の操作を行った。
尚、得られた塗工液は、相分離構造を形成しなかったため、白濁しておらず、また、紫外線硬化処理においても相分離は認められなかった。
その結果、積層シートの硬化被膜(厚み4μm)は表面に凹凸が殆ど形成されておらず、防眩性が極めて不十分であった。
各試薬の配合量及び抽出条件を表1に、得られた積層シートの光学特性、表面粗さを測定し、その結果を表2に示した。
ラウリルメタクリレートを添加しない塗工液を用いた以外は、実施例7と同様の操作を行った。
尚、得られた塗工液は、相分離構造を形成しなかったため、白濁しておらず、また、紫外線硬化処理においても相分離は認められなかった。
その結果、積層シートの硬化被膜(厚み4μm)は表面に凹凸が殆ど形成されておらず、防眩性が極めて不十分であった。
各試薬の配合量及び抽出条件を表1に、得られた積層シートの光学特性、表面粗さを測定し、その結果を表2に示した。
TAC:トリアセチルセルロース
PEGジメチルエーテル:ポリエチレングリコールジメチルエーテル
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレート
DPEHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
THEIC:トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート
Claims (9)
- 有機樹脂材料と該有機樹脂材料に対して非相溶性の材料とを混合し、塗工液を調製する第1工程と、
前記塗工液を塗布し、前記有機樹脂材料と前記非相溶性の材料とが相分離した相分離構造を有する塗膜を形成する第2工程と、
前記塗膜に硬化処理を施し、前記有機樹脂材料を硬化させて前記相分離構造を固定化した後、硬化処理を施した該塗膜中から前記非相溶性の材料を除去し、表面凹凸構造を有する硬化樹脂層を形成する第3工程とを含んでいることを特徴とする表面凹凸シートの製造方法。 - 有機樹脂材料と該有機樹脂材料に対して非相溶性の材料と溶媒とを混合し、塗工液を調製する第1工程と、
前記塗工液を塗布し、前記有機樹脂材料と前記非相溶性の材料とが相分離した相分離構造を有する塗膜を形成する第2工程と、
前記第2工程後、前記塗膜から前記溶媒を除去する溶媒除去工程と、
前記溶媒除去工程により溶媒を除去させた塗膜に硬化処理を施し、前記有機樹脂材料を硬化させて前記相分離構造を固定化した後、硬化処理を施した該塗膜中から前記非相溶性の材料を除去し、表面凹凸構造を有する硬化樹脂層を形成する第3工程とを含んでいることを特徴とする表面凹凸シートの製造方法。 - 前記有機樹脂材料が熱硬化型樹脂又は紫外線硬化型樹脂であり、前記第3工程の硬化処理が加熱処理又は紫外線照射処理である請求項1又は2に記載の表面凹凸シートの製造方法。
- 前記第3工程における非相溶性の材料の除去を溶媒抽出により行う請求項1〜3の何れかに記載の表面凹凸シートの製造方法。
- 前記溶媒抽出に用いる溶媒が、液化二酸化炭素又は超臨界状態にある二酸化炭素である請求項4記載の表面凹凸シートの製造方法。
- 前記溶媒抽出に用いる溶媒が、非相溶性の材料を選択的に溶解する有機溶媒である請求項4記載の表面凹凸シートの製造方法。
- 表面凹凸シートの中心線平均表面粗さ(Ra)が50〜1500nm、平均山谷間隔(Sm)が80〜400μmである請求項1〜6の何れかに記載の表面凹凸シートの製造方法。
- 請求項1〜7の何れか1項に記載の表面凹凸シートの製造方法により製造された表面凹凸シート。
- 請求項1〜8の何れか1項に記載の表面凹凸シートの製造方法により製造された表面凹凸シートが透明基材の少なくとも片面に形成されてなる防眩性シート。
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