JP2004143427A - 多孔質パターン形成用光重合性組成物およびそれを用いて成る多孔質パターンの形成方法ならびに多孔質パターン - Google Patents

多孔質パターン形成用光重合性組成物およびそれを用いて成る多孔質パターンの形成方法ならびに多孔質パターン Download PDF

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Abstract

【課題】構造の制御された多孔質パターンを容易なプロセスで、しかも、所望の場所のみに形成することができる多孔質パターン形成用組成物、多孔質パターンおよびその形成方法を提供する。
【解決手段】バインダー樹脂、感光性化合物および光重合開始剤の少なくとも3者からなる組成物であって、該感光性化合物は、該バインダー樹脂の貧溶媒に溶解可能で、かつ、該感光性化合物の全固形分中に占める割合が30〜80重量%であることを特徴とするものである。本多孔質パターンの形成方法は、かかる多孔質パターン形成用光重合性組成物を、基材上に塗設して塗膜を形成した後、該塗膜に所望のパターンに応じた電磁波照射を行い、次いで、バインダー樹脂に対する貧溶媒に浸漬した後、該塗膜内部に浸透した該貧溶媒を揮発させることにより、照射または未照射のいずれかの部位を多孔質化することを特徴とするものである。
【選択図】なし

Description

 本発明は、優れた空洞パターンを高度に制御された構造のもとに形成することができる多孔質パターン形成用光重合性組成物およびそれを用いて成る多孔質パターンの形成方法ならびに多孔質パターンに関するものである。
 内部に空洞を含有する構造体は、様々な分野で使用されている。例えば、クッション材、断熱材などに利用される発泡体や、超純水の製造、薬液の精製、水処理などに使用される分離膜、衣料、サニタリー用途に使用される防水透湿性フィルム、電池セパレータなどに利用される多孔質膜、また、液晶ディスプレイや各種照明器具の反射基材として利用される空洞含有シートなど、あらゆる産業分野で利用されている。
 これら構造体の製造方法は以下の方法に分類される。
(1)原料樹脂に熱発泡材を混練してシート化したのち、電子線で架橋後、加熱により発泡させる方法(例えば特許文献1参照)。
(2)原料樹脂に光分解性化合物を添加し、基材上に塗布後、全面に活性エネルギー線を照射して分解させ発泡させる方法(例えば特許文献2参照)。
(3)原料樹脂を良溶媒に溶解して、中空糸、フィルム等の任意の形状に成形し、得られた成形体を貧溶媒に浸漬させ、その際に生じる二相分離現象を利用する湿式相転換法で得る方法(例えば非特許文献1参照)。
(4)原料樹脂と高沸点の貧溶媒を低沸点の良溶媒に溶解して、基材上に塗布後、良溶媒のみを揮発させ、原料樹脂と貧溶媒との間の二相分離現象を起こした後、貧溶媒を揮発させる乾式相転換法で得る方法(例えば特許文献3参照)。
(5)原料樹脂に、シリカ、アルミナ、無機塩類などの無機充填剤または非相溶の樹脂からなる粒子を加えて成形した後、得られた成形体を延伸し、樹脂と無機充填剤等との界面を剥離させて多孔化する界面剥離法による方法(例えば特許文献4参照)。
(6)熱可塑性樹脂と、その熱可塑性樹脂に対し、室温付近では非溶剤だが高温では溶剤となる潜在的溶剤を加熱混合していったん相溶させた後、冷却固化することにより、樹脂相と溶剤相とに相分離させ、その後高温溶剤を抽出等により除去して多孔体を得る熱誘起相分離法を用いた方法(例えば非特許文献2参照)
等である。
特開平3−221542号公報(第2−3頁) 特開平5−72727号公報(第2−3頁) 特開平11−71476号公報(第6−18頁) 特開平5−194773号公報(第3−6頁) 川上浩良, "", 第26巻,第3号, p.110−115(2001) 松山秀人, "",第26巻,第3号, p.116−123(2001)
 しかしながら、これらの方法はシート全面に空洞を形成する方法を示すものであり、シート中の所望の場所のみに空洞を形成させる方法を導くものではない。
 ただし、(2)の方法を応用した空洞のパターニングは知られているのであるが、発泡径の制御が難しいことや、発泡を所望しない部位にも発泡体が混入しているためにコントラストをとるためのプロセスが複雑なこと、さらに該発泡体が着色しているものが大半であるため無彩色化することが難しいことなどの問題がった。
 本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、構造の制御された多孔質パターンを容易なプロセスで、しかも、所望の場所のみに形成することができる多孔質パターン形成用組成物、多孔質パターンおよびその形成方法を提供せんとするものである。
 本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の多孔質パターン形成用光重合性組成物は、バインダー樹脂、感光性化合物および光重合開始剤の少なくとも3者からなる組成物であって、該感光性化合物は、該バインダー樹脂の貧溶媒に溶解可能で、かつ、該感光性化合物の全固形分中に占める割合が30〜80重量%であることを特徴とするものである。
 また、本発明の多孔質パターンの形成方法は、かかる多孔質パターン形成用光重合性組成物を、基材上に塗設して塗膜を形成した後、該塗膜に所望のパターンに応じた電磁波照射を行い、次いで、バインダー樹脂に対する貧溶媒に浸漬した後、該塗膜内部に浸透した該貧溶媒を揮発させることにより、照射または未照射のいずれかの部位を多孔質化することを特徴とするものである。
 また、かかる多孔質パターンの形成方法によって得られる本発明の多孔質パターンは、連続孔からなる多孔質相と、実質的に内部に空隙を含まない透明相とが交互に配列している構造からなることを特徴とするものである。
 本発明によれば、構造の制御された多孔質パターンを容易なプロセスで形成することができ、さらに、得られたパターンは、各種分野、とりわけ光学機能素子分野に好適に使用することができる。
 本発明は、前記課題、つまり構造の制御された多孔質パターンを容易なプロセスで、しかも、所望の場所のみに形成することができる多孔質パターン形成用組成物について、鋭意検討し、バインダー樹脂、感光性化合物および光重合開始剤の少なくとも3者からなる組成物における、感光性化合物の全固形分中に占める割合を特定な範囲内に制御してみたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
 本発明の多孔質パターン形成用光重合性組成物は、バインダー樹脂、感光性化合物および光重合開始剤の少なくとも3者からなる組成物であることが必須である。
 かかるバインダー樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルアルコールおよびこれらを主たる成分とする共重合体、またはこれらの混合物等の熱可塑性樹脂が好ましく使用される。ここで、樹脂は透明であることが好ましい。
 なお、ここでいう透明とは、その樹脂素材内において光が実質的にまっすぐに透過することを示す。また、バインダー樹脂の分子量には特別制限はなく、高分子量体、オリゴマー、低分子量のバインダーも用いることができる。
 本発明に用いられる感光性化合物は、電磁波の作用により分解する感光性化合物、もしくは、電磁波の作用により分子内または分子間で反応し架橋重合する感光性化合物等が使用される。電磁波の作用により分解する化合物とは、電磁波照射により、その化合物自身が電磁波を吸収し、その吸収したエネルギーにより主鎖が分解されるもの、光酸/塩基発生剤の共存化で電磁波照射することで、発生する酸/塩基が存在すると溶剤可溶性になるもの、電磁波の作用により、側鎖の官能基が分解するものなどを使用することができる。
 電磁波照射によりその化合物自身が電磁波を吸収し、その吸収したエネルギーにより主鎖が分解されるものとしては、ポリジメチルシラン、ポリメチルフェニルシラン等の主鎖がケイ素−ケイ素共有結合からなるポリシラン類及びPMMA等のポリアクリルメタクリレート類が使用される。
 光酸/塩基発生剤の共存化で電磁波照射することで、発生する酸/塩基が存在すると溶剤可溶性になるものとしては、ヘキサアンモニアコバルト過塩素酸塩、ヘキサプロピルアミンコバルト過塩素酸塩、ヘキサメチルアミンコバルト過塩素酸塩、、ブロモペンタアンモニアコバルト過塩素酸塩、[[(2-ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]メチルアミン、[[(2-ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]エチルアミン、[[(2-ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]プロピルアミン等の光塩基発生剤とポリアクリル酸等の塩基水溶性樹脂の組み合わせなどを使用することができる。
 また、電磁波の作用により側鎖の官能基が分解するものとしては、側鎖にジアゾ基を持つジアゾ樹脂、アジド基等を持つ樹脂等が使用されるが、これらに限定されるものではない。
 また、電磁波の作用により分子内または分子間で反応し架橋重合する架橋性化合物とは、該化合物自体が電磁波を吸収し、その吸収したエネルギーにより分子間、及び分子内で架橋するもの、または、光重合開始剤の存在下で電磁波を照射することにより架橋するものどちらでも使用することができる。
 前者の例としては、分子内に(アザ)スチルベン、ケイ皮酸、ナフタレン、アントラセン、クマリン、チミンといった光二量化反応性の構造を持つものなど、後者の例としては、分子内に、ビニル基、ビニリデン基、アクリロイル基、メタクリロイル基[以下、アクリロイル基とメタクリロイル基を併せて(メタ)アクリロイル基と称する。(メタ)アクリル、(メタ)アクリレート等についても同様の表現とする。]、マレイミド基等の構造を持つものなどを使用することができる。これらの中でも架橋速度が速いことから、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましく用いられる。
 かかる(メタ)アクリロイル基を有する架橋性化合物の例としては、以下のものがあげられる。
(1)単官能化合物;エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、メチルα−(ヒドロキシメチル)アクリレート、エチルα−(ヒドロキシメチル)アクリレート、n−ブチルα−(ヒドロキシメチル)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシ)イソシアヌレートジアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸グリセリンモノメタクリレート等のヒドロキシル基を有するアクリレート類、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−コハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−フタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸等、カルボン酸基を有するアクリレート類、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルセロソルブ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルキル基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、その他1分子中に(メタ)アクリル基を1個有する化合物。
 (2)二官能化合物;トリス(2−ヒドロキシ)イソシアヌレートジアクリレート、3−アクリロイロキシグリセリンモノメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイロキシポリエチレンオキシフェニル)プロパン2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリプロピレンオキシフェニル)プロパン、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテルアクリレートトリレンジイソシアネート、アジピン酸ジビニル等、その他1分子中に(メタ)アクリル基を2個有する化合物。
 (3)三官能化合物;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアネート、その他1分子中に(メタ)アクリル基を3個有する化合物。
 (4)四官能化合物;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート、その他1分子中に(メタ)アクリル基を4個有する化合物。
 (5)五官能化合物;ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、その他1分子中に(メタ)アクリル基を5個有する化合物。
 (6)六官能化合物;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートその他1分子中に(メタ)アクリル基を6個の有する化合物。
 また、その他に、ビスフェノールA−ジエポキシ−(メタ)アクリル酸付加物の如きエポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、ポリエーテル樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、ポリブタジエン樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、分子末端に(メタ)アクリル基を有するポリウレタン樹脂等、樹脂を変性して分子中に(メタ)アクリロイル基等の架橋性置換基を導入した化合物も用いることができる。これらは、単独で用いても、二種類以上の化合物を混合して用いても構わない。
 かかるバインダー樹脂と感光性化合物は、上記化合物の中でも、相溶する組み合わせが好ましく用いられる。しかし、相分離する場合においても、例えば、温度、電場、磁場のような外的刺激により、相溶して透明化するものも好ましく使用することができる。
 また、本発明に用いられる感光性化合物は、バインダー樹脂の貧溶媒に溶解することが必須である。すなわち、かかる感光性化合物としては、バインダー樹脂の貧溶媒に対して以下のような特性を持つものを使用することが重要である。つまり、感光性化合物が電磁波により分解する場合には、分解生成物との溶解性に優れるもの、また、感光性化合物が電磁波により架橋する場合には、未反応感光性化合物の溶解性に優れるものを使用する。
 ここでいうバインダー樹脂に対する貧溶媒とは、バインダー樹脂が完全には溶解せず、若干膨潤する程度の溶媒のことを指し、例えば、バインダー樹脂としてポリエステル系樹脂を用いた場合の貧溶媒としては、水、メタノール、エタノール等のアルコール系、アセトン、酢酸ブチル、トルエン、キシレン等を使用することができる。これらは単独で用いても、2種類以上混合させて用いてもよい。かかる貧溶媒の選択には、バインダー樹脂と感光性化合物との相性を考慮して選択することが必要となる。また、この貧溶媒は、最終的に塗膜から除去するものであるから、できるだけ容易に蒸発するものが好ましく使用される。ただし、これに関しても、塗布性などのプロセス面を含めて考慮する必要がある。
 本発明に好ましく用いられる光重合開始剤としては、照射する電磁波の波長に合致するものであれば、特に制約はないが、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のアセトフェノン類、ベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のケトン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のベンジルケタール類、などが使用される。
 また、これら組成物を混合しやすくするために溶媒を用いてもよい。この場合、この溶媒には、その他成分は良く溶解することが好ましい。好ましく用いられる溶媒としては、上記組成物を均一に溶解させるものであれば特に制限はないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶媒、メタノール、エタノール、エチレングリコール等のアルコール系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、シクロヘキサン、トルエン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素系溶媒、その他、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、及び水などが用いられる。これらは単独で用いても、2種類以上混合させて用いてもよく、組成物の溶解性、塗膜の塗工性等を考慮して適宜選択することができる。しかしながら、できれば無溶剤のほうが、乾燥工程を省けるなどの点において好ましい。
 また、本発明の多孔質パターン形成用光重合性組成物は、本発明の効果が失われない範囲内で、各種の添加剤を加えることができる。添加配合する添加剤の例としては、例えば、無機微粒子などのフィラー、顔料、染料、蛍光増白剤、酸化防止剤、耐熱剤、耐光剤、耐候剤、帯電防止剤、重合禁止剤、離型剤、増粘剤、pH調整剤、塩などが使用される。
 本発明の多孔質パターン形成用光重合性組成物においては、感光性化合物の全固形分中に占める割合は、30〜80重量%であることが必須である。
 かかる範囲とすることで、製造工程の抽出過程において、効率のよい抽出性と、良好な塗剤特性、塗膜の平坦性を確保することができる。つまり、30%より少ない場合は、抽出が困難となる結果、多孔質化できなかったり、多孔質化ができたとしてても、非常に長時間を要するなど効率が悪くなる傾向がある。また、80%を越えるような場合には、硬化しても、完全には硬化できずに残る感光性化合物が多くなり、硬化部にも貧溶媒が浸透して多孔化する上、多孔質膜としての形態保持性に劣る傾向がある。
 本発明の多孔質パターンの形成方法は、少なくとも、バインダー樹脂、感光性化合物、光重合開始剤からなる組成物を基材上に塗設し、所望のパターンに応じた電磁波照射を行い、バインダー樹脂に対する貧溶媒に浸漬した後、内部に浸透した該貧溶媒を揮発させることにより、照射または未照射いずれかの部位を多孔質化することを特徴とする。
 組成物の塗布方法としては、マルチロールコーティング、ブレードコーティング、ワイヤーバーコーティング、スリットダイコーティング、グラビアコーティング、ナイフコーティング、リバースロールコーティング、スプレコーティング、オフセットグラビアコーティング、スピンコーティング等の方法で行うことができる。塗布膜厚によって適宜選択できる。
 また、露光工程に関して、本発明でいう電磁波としては、例えば、電子線、γ線、X線、紫外線、可視光線などが挙げられ、中では装置及び取扱いの簡便さから紫外線を用いるのが好ましい。また、パターン露光の方法としては、フォトマスクを介した照射や、レーザー走査による書き込み等が挙げられる。生産性の面でフォトマスクを介した一括露光のほうが好ましい。ここで、酸素存在下では表面の重合阻害が懸念されるため、露光には例えば窒素のような不活性気体雰囲気下で行うか、または塗膜表面にカバーフィルムをラミネートした後に露光するかなど、阻害の影響を排除することが好ましい。
 また、抽出工程に関しては、抽出性は貧溶媒の浸透速度(拡散速度)に依存するが、生産性を高めるため抽出時間を短縮することが求められる。このため、例えば、抽出温度つまり貧溶媒の温度を高めたり、超音波処理したり、また、貧溶媒との親和性が高く塗膜への浸透を促進する抽出助剤を添加するなどの処置が好ましく用いられる。
 貧溶媒の乾燥工程に関しては、加熱や減圧乾燥、凍結乾燥といった工程により行われ、これにより多孔質層が形成される。加熱乾燥の場合には、バインダー樹脂単体またはその架橋体のガラス転移温度以下で処理することにより、多孔質構造を崩すことなく貧溶媒を除去することができる。
 ここで、本発明における多孔質化の原理は以下の通りである。バインダー樹脂と感光性化合物、光重合性化合物からなる塗膜を、バインダー樹脂の貧溶媒に浸漬する。ここで、バインダー樹脂はその形態を保持したまま、該溶媒に溶解可能な感光性化合物のみが溶出する。このように感光性化合物と該溶媒とが置換され、内部に入り込んだ溶媒は、バインダー樹脂に対しては貧溶媒であるため相分離を起こす。この後、該溶媒を蒸発させることで、貧溶媒が存在していた部分が多孔質化するというプロセスである。
 本発明では、多孔質化する部位は電磁波照射部、未照射部のいずれかを選択することができる。これは、電磁波照射により貧溶媒の膜内への浸透性を変化させることが可能であるからである。つまり、感光性化合物として電磁波の作用により分解する化合物を用いた場合は照射部位に発生した分解生成物が貧溶媒により抽出されやすくなり、未照射部位は貧溶媒の浸透を排除するので、透明性は保持される。また、電磁波により分子内または分子間で反応し架橋重合する化合物を用いた場合には未照射部位に残存する感光性化合物又はオリゴマーが抽出され、照射部は貧溶媒の浸透を排除するので透明性は保持される。どちらも、貧溶媒が浸透した部位ではバインダー樹脂と貧溶媒の間で相分離を起こし、続いて溶媒を揮発させることで、パターン照射部位、もしくは未照射部位のどちらかを選択的に多孔質化することが可能となる。
 好ましくは、感光性化合物として電磁波により分子内または分子間で反応し架橋重合する化合物を用い、所望のパターンに応じた電磁波照射を行って照射部を硬化し、その後、バインダー樹脂に対する貧溶媒に浸漬して未硬化部の感光性化合物を抽出するとともに、内部にしみ込んだ該貧溶媒を揮発させることにより、未照射部位を選択的に多孔質化する形成方法である。
 また、貧溶媒に浸漬した後、膜が該溶媒を含んだ状態のまま全面に電磁波照射する工程を含むことが好ましい。このように後露光することにより、抽出部の多孔質構造が固定化され、多孔質構造の経時変化を抑制できるようになり好ましい。これは、貧溶媒に浸漬時に感光性化合物を完全に抽出することが困難であるが、後露光によりその抽出されずに残った感光性化合物が硬化することにより、抽出部の多孔質構造が固定化されるためである。
 多孔質構造は、組成物比率、浸漬貧溶媒の種類、各種プロセス条件などによって制御することが可能である。
 例えば、使用するバインダー樹脂がポリエステル系の樹脂の場合、貧溶媒がメタノール等の鎖長の短いアルコールの場合では、孔径が小さく密に充填した多孔構造をとり、また鎖長の長いアルコールを使用した場合では、孔径を大きくすることができる。
 本発明の多孔質パターンは、上記のような組成物、製法を用いて作製されるものであり、その構造は、連続孔からなる多孔質相と、実質的に内部に空隙を含まない透明相が、交互に配列している多孔質パターンである。ここで、連続孔とは各孔が二次元的あるいは三次元的に相互に連結しているもののことをいい、連続孔からなる多孔質相とは、この連続孔が少なくとも含まれることをいう。
 図1(a)〜(g)は、本発明の多孔質パターンの横断面における多孔質相1の形状を例示するための横断面図である。横断面にて観察される多孔質相1の形状としては、矩形(図1(a),(f),(g))、台形(図1(b))、三角形(図1(c))、これらが変形したもの(図1(d),(e))、およびこれらが混ざったもの等が好ましく用いられるが、これら以外の形状も用いることができる。つまり、横断面が矩形の多孔質相1が、ほぼシート面に対して垂直な図1(a)等の他にも、図1(b)〜(e)のような形態も含まれる。また、図1(f)や(g)に示すように、機能層の上面近傍部分及び/又は下面近傍部分には、多孔質1が存在せず、機能層の上面及び/又は下面は透明相2で覆われる場合も好ましく用いられる。
 図2(a)、(b)は、多孔質パターンの一部分を模式的に示す斜視図であり、図の上面が多孔質パターンの表面に相当し、図の上下方向が機能層の厚み方向に相当する。機能層中における多孔質相1の配置構造としては、例えば、図2(a)に示すように、多孔質相1が面方向にストライプ状に延びる構造、図2(b)に示すように多孔質相1が面方向に格子状に広がる構造等が用いられるが、これらに制限されるものではない。図3(a)〜(d)のように透明相2の形状が、略三角形、略四角形、略六角形、円、楕円から選ばれる形状を有していてもよい。この透明相2は、図示した場合のように整列していてもよいし、ランダムに配列していてもよい。
 また、本発明の多孔質パターンにおいて、シート厚み方向における透明相の長さLと、面方向任意断面における透明相の短軸長さpとの比率(L/p)は任意にとることができる。
 ここで、透明相2の短軸長さpは、図1(a)や図2に図示したように、透明相の単位長さである。なお、図2のストライプ状パターンの場合は単位長さの短い方向で測定する。また、透明相が円形の場合はその直径、楕円の場合はその短径、三角形・四角形などの多角形の場合はその内接円の直径を、透明相2の短軸長さpとすればよい。また、シート厚み方向における透明相の長さLは図2に示すように、透明相2の厚みを指す。
 また、この配列層は、この配列層内のシート面方向断面において、透明相2の面積と多孔質相1の面積比率は任意である。
 ここで、透明相の長さ単位、多孔質相の長さ単位は、図1(a)の場合、p、tの長さでもって表される。なお、図1(b)等のようにその長さ単位が位置により異なる場合はその平均値でもって表す。
 本発明の多孔質パターンは、上述のように単層シートであってもよいが、シート自体の機械的強度、耐熱性、取り扱いやすさ等の点から基材フィルム上に形成されていてもよい。基材フィルム上に形成される場合、基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル系樹脂を二軸延伸したフィルムなどが好ましく用いられる。
 また、本発明の多孔質パターンは、表面が平滑であるため、その表面に帯電防止層、ハードコート層などを形成したり、他の塗膜、フィルム等を積層させたり、高次加工することも可能である。
 このようにして得られた多孔質相と透明相からなるパターンの用途としては、従来から利用されている、クッション材、断熱材、分離膜、防水透湿性フィルム、多孔質膜、液晶ディスプレイや光学回路部材、各種照明器具などの分野において、所望の部分だけに多孔質相がパターニングされたフィルムとして利用できる。その他、任意の形状に多孔質相を配置できるので、意匠部材として利用することも可能である。また、図示したようにルーバー状に多孔質相をパターニングすることによって利用できる用途の一例としては、液晶ディスプレイのバックライトユニットに組み込んだときに、輝度向上効果を示す光学シートや、視野角制御シートなど、特に光学機能素子分野に好適に使用される。
 以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。なお、諸特性は以下のように測定し、評価した。
 (評価方法)
 積層比、アスペクト比
 フィルム断面を切り出し、白金−パラジウムを蒸着した後、日立製作所(株)製走査型電子顕微鏡S−2100Aを用い400倍で写真を撮影し、断面観察を行ない、その積層比、アスペクト比、を測定した。
 (実施例1)
 ポリエステル樹脂(”エリーテル”UE3600:ユニチカ(株)製)100重量部と感光性モノマー(”ライトエステル”EG:共栄社化学(株)製)100重量部、感光性モノマー(”ライトエステル”DE:共栄社化学(株)製)25重量部、光重合開始剤(”イルガキュア”651:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)1.7重量部、及び光重合開始剤(”イルガキュア”819:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)0.8重量部をメチルエチルケトン/シクロヘキサノン混合溶媒(1/1,重量比)100重量部に溶解させた。この溶液を厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(“ルミラー” 100 T60:東レ(株)製)上にスピンコーターを用いて塗布し、80℃で15分乾燥させた後、冷却して、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(“ルミラー” 100 QT10:東レ(株)製)をカバーフィルムとして貼り合わせて、塗膜厚100μmの樹脂シートを得た。
 室温で透明状態のこのシートにピッチ100μm幅50μmのストライプパターンのフォトマスクを重ね、超高圧水銀灯を用いて100mJ/cm2照射後、85℃で2分間加熱して室温まで放冷した。カバーフィルムを剥離して、メタノールに4時間浸漬後、メタノールから取り出し、そのまま超高圧水銀灯を用いて、塗膜表面側、基板フィルム側両面に1000mJ/cm2照射後、室温で一晩放置し、メタノールを揮発させた。
 得られた塗膜の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、パターン露光部は50μmの透明相、パターン未露光部は50μmの多孔質相が交互に配列し、かつ透明相のアスペクト比が2である光学パターンを形成できていることを確認した。
 (実施例2)
 組成をポリエステル樹脂(”エリーテル”UE3600:ユニチカ(株)製)100重量部と感光性モノマー(”ライトエステル”EG:共栄社化学(株)製)80重量部、感光性モノマー(”ライトエステル”DE:共栄社化学(株)製)25重量部、アクリルモノマー(”KAYARAD”DPCA−30:日本化薬(株)製)10重量部、光重合開始剤(”イルガキュア”651:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)1.7重量部、及び光重合開始剤(”イルガキュア”819:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)0.8重量部にした以外は実施例1と同様に樹脂シートを得た。この樹脂シートの塗膜厚は100μmで、実施例1と同様、室温で透明状態であった。
 実施例1と同様の操作でストライプパターンを形成し、得られた塗膜の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、パターン露光部は50μmの透明相、パターン未露光部は50μmの多孔質相が交互に配列し、かつ透明相のアスペクト比が2.0である光学パターンを形成できていることを確認した。
 (実施例3)
  組成をポリエステル樹脂(”エリーテル”UE3600:ユニチカ(株)製)100重量部と感光性モノマー(”ライトエステル”EG:共栄社化学(株)製)90重量部、感光性モノマー(”ライトエステル”HOB:共栄社化学(株)製)25重量部、感光性モノマー(”KAYARAD”DPCA−30:日本化薬(株)製)10重量部、感光性モノマー(”ネオマー”BA−641:三洋化成(株)製)10重量部、光重合開始剤(”イルガキュア”651:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)1.7重量部、及び光重合開始剤(”イルガキュア”819:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)0.8重量部にした以外は実施例1と同様に樹脂シートを得た。この樹脂シートの塗膜厚は100μmで、実施例1と同様、室温で透明状態であった。
 実施例1と同様の操作でストライプパターンを形成し、得られた塗膜の断面を薄くスライスし、光学顕微鏡で観察したところ、パターン露光部は50μmの透明相、パターン未露光部は50μmの多孔質相が交互に配列し、かつ透明相のアスペクト比が2.0である光学パターンを形成できていることを確認した。
 (実施例4)
 組成をポリエステル樹脂(”エリーテル”UE3600:ユニチカ(株)製)100重量部と感光性モノマー(”ライトエステル”EG:共栄社化学(株)製)50重量部、感光性モノマー(”ライトエステル”DE:共栄社化学(株)製)20重量部、光重合開始剤(”イルガキュア”651:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)0.09重量部、及び光重合開始剤(”イルガキュア”819:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)0.045重量部にした以外は実施例1と同様に樹脂シートを得た。この樹脂シートの塗膜厚は100μmで、実施例1と同様、室温で透明状態であった。
 実施例1と同様の操作でストライプパターンを形成し、得られた塗膜の断面を薄くスライスし、光学顕微鏡で観察したところ、パターン露光部は50μmの透明相、パターン未露光部は50μmの多孔質相が交互に配列し、かつ透明相のアスペクト比が2.0である光学パターンを形成できていることを確認した。
 (実施例5)
 組成をポリエステル樹脂(”エリーテル”UE3600:ユニチカ(株)製)100重量部と感光性モノマー(”ライトエステル”EG:共栄社化学(株)製)180重量部、感光性モノマー(”ライトエステル”DE:共栄社化学(株)製)45重量部、光重合開始剤(”イルガキュア”651:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)3.0重量部、及び光重合開始剤(”イルガキュア”819:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)1.5重量部にした以外は実施例1と同様に樹脂シートを得た。この樹脂シートの塗膜厚は100μmで、実施例1と同様、室温で透明状態であった。
 実施例1と同様の操作でストライプパターンを形成し、得られた塗膜の断面を薄くスライスし、光学顕微鏡で観察したところ、パターン露光部は50μmの透明相、パターン未露光部は50μmの多孔質相が交互に配列し、かつ透明相のアスペクト比が2.0である光学パターンを形成できていることを確認した。
 (比較例1)
 組成をポリエステル樹脂(”エリーテル”UE3600:ユニチカ(株)製)100重量部と感光性モノマー(”ライトエステル”EG:共栄社化学(株)製)10重量部、感光性モノマー(”ライトエステル”DE:共栄社化学(株)製)2.5重量部、光重合開始剤(”イルガキュア”651:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)0.17重量部、及び光重合開始剤(”イルガキュア”819:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)0.08重量部にした以外は実施例1と同様に樹脂シートを得た。この樹脂シートの塗膜厚は100μmで、実施例1と同様、室温で透明状態であった。
 実施例1と同様の操作でストライプパターンを形成を試みたが、メタノールに浸漬しても浸透していかず、得られた塗膜の断面を走査型電子顕微鏡で観察しても多孔質相の形成は確認されなかった。
 (比較例2)
 組成をポリエステル樹脂(”エリーテル”UE3600:ユニチカ(株)製)100重量部と感光性モノマー(”ライトエステル”EG:共栄社化学(株)製)700重量部、感光性モノマー(”ライトエステル”DE:共栄社化学(株)製)175重量部、光重合開始剤(”イルガキュア”651:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)11.7重量部、及び光重合開始剤(”イルガキュア”819:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)5.8重量部にした以外は実施例1と同様に樹脂シートを得た。この樹脂シートの塗膜厚は100μmで、実施例1と同様、室温で透明状態であった。
 実施例1と同様の操作でストライプパターンを形成を試みた。得られた塗膜の断面を走査型電子顕微鏡で観察しても、パターン未露光部の多孔構造の形成を確認したものの、硬化部にも多孔構造が発生し、硬化部の透明性が悪かった。
(a)〜(g)はそれぞれ、本発明の多孔質パターンの横断面図であり、横断面における多孔質相1の形状を模式的に例示するものである。 (a),(b)はそれぞれ、本発明の多孔質パターンの一部分を模式的に示す斜視図である。 (a)〜(d)はそれぞれ、本発明の多孔質パターンのシート面と平行な断面における断面図であり、透明相2の形状を模式的に例示するものである。
符号の説明
 1 光拡散相
 2 透明相
 L 透明相の長さ
 p 透明相の短軸長さ
 t 多孔質相の長さ

Claims (5)

  1. バインダー樹脂、感光性化合物および光重合開始剤の少なくとも3者からなる組成物であって、該感光性化合物は、該バインダー樹脂の貧溶媒に溶解可能で、かつ、該感光性化合物の全固形分中に占める割合が30〜80重量%であることを特徴とする多孔質パターン形成用光重合性組成物。
  2. バインダー樹脂、感光性化合物および光重合開始剤の少なくとも3者からなる組成物を、基材上に塗設して塗膜を形成した後、該塗膜に所望のパターンに応じた電磁波照射を行い、次いで、バインダー樹脂に対する貧溶媒に浸漬した後、該塗膜内部に浸透した該貧溶媒を揮発させることにより、照射または未照射のいずれかの部位を多孔質化することを特徴とする多孔質パターンの形成方法。
  3. 該電磁波照射を行って、照射部を硬化した後、バインダー樹脂に対する貧溶媒に浸漬して、未硬化部の感光性化合物を抽出するとともに、該塗膜内部に浸透した該貧溶媒を揮発させることにより、未照射部位を多孔質化することを特徴とする請求項2記載の多孔質パターンの形成方法。
  4. 該貧溶媒に浸漬した後、該塗膜が該溶媒を含んだ状態のままの状態にある間に、全面に電磁波照射する工程を含むことを特徴とする請求項2または3記載の多孔質パターンの形成方法。
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載の多孔質パターンの形成方法によって得られる、連続孔からなる多孔質相と、実質的に内部に空隙を含まない透明相とが交互に配列している構造からなることを特徴とする多孔質パターン。
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