JP2009120817A - 耐候性防眩性コーティング組成物、耐候性防眩フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

耐候性防眩性コーティング組成物、耐候性防眩フィルムおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた耐候性を有する耐候性防眩性コーティング組成物、及び耐候性防眩フィルムを提供すること。
【解決手段】透明基材上に塗布され耐候性防眩層を形成する耐候性防眩性コーティング組成物であって;この耐候性防眩性コーティング組成物は第1成分および第2成分を含み、この耐候性防眩性コーティング組成物を基材上に塗布した後に、この第1成分および第2成分のSP値の差に基づいて第1成分と第2成分とが相分離し、表面にランダムな凹凸を有する樹脂層が形成される、耐候性防眩性コーティング組成物であり、および;この第1成分は不飽和二重結合含有アクリル共重合体であり、この第2成分は、炭素数2〜4のアルキレンオキシド単位をモノマー一分子中に3〜6モル当量有する3官能以上の不飽和二重結合含有モノマーを含む、多官能性不飽和二重結合含有モノマーである;耐候性防眩性コーティング組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、各種透明プラスチックフィルム、透明プラスチック板およびガラスなどの透明基材に対して耐候性の防眩層を形成することができる耐候性防眩性コーティング組成物、およびこの耐候性防眩性コーティング組成物から形成される防眩層を有する耐候性防眩フィルムに関する。
近年、液晶表示装置(液晶ディスプレイ)、LED(発光ダイオードディスプレイ)、ELD(エレクトロルミネセンスディスプレイ)、VFD(蛍光ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイパネル)などといった、フラットパネルディスプレイの用途が拡大しつつある。例えば液晶表示装置などは、薄型、軽量、低消費電力などの利点を有しており、コンピュータ、ワードプロセッサ、テレビジョン、携帯電話、携帯情報端末機器等の様々な分野で使用されている。そしてこれらのフラットパネルディスプレイにおいて、屋外または半屋外に設置される事例もまた増加している。例えば、屋外または半屋外に設置された、広告などの情報掲示を目的としたフラットパネルディスプレイが増加している。また液晶表示装置において、画面上の表示を押さえることによって機器を操作する機構を有するいわゆるタッチパネルは、その優れた操作性により、例えば、銀行ATM、自動販売機、携帯情報端末(PDA)、複写機、ファクシミリ、ゲーム機、博物館およびデパートなどの施設に設置される案内表示装置、カーナビゲーション、マルチメディアステーション(コンビニエンスストアに設置される多機能端末機)、携帯電話、鉄道車両のモニタ装置などとして、屋内のみに限られず屋外または半屋外においても広く用いられている。
液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイにおいては、ディスプレイ表面上に、表面を粗面化する防眩(AG:Anti Glare)層またはフィルム、屈折率を調整する低反射(LR:Low Reflection)層またはフィルム、無反射フィルム(AR:Anti Reflection)などが設けられている。これらによって、外光の反射によるコントラスト低下、およびディスプレイ表面に背景が反射する映り込みなどといった不具合の解消が図られている。
液晶表示装置の表示性能を改善する防眩フィルムの製造方法として、一般に、フィルム製造時に、切削、型押し成型、貼り合わせなどの加工によってその表面を粗面化する方法、または、樹脂粒子を含む層をフィルム上に設けてフィルムの表面を粗面化する方法、などが挙げられる。現在、後者の樹脂粒子を含む層をフィルム上に設ける方法が広く用いられている。
特開2002−221610号公報(特許文献1)には、透光性樹脂と透光性微粒子とを含む防眩層が積層された防眩フィルムであって、透光性樹脂と透光性微粒子との屈折率の差が0.3以下であって、透光性樹脂が防眩層の表面より0.1〜0.3μm突出してなる防眩フィルムが記載されている。このような防眩フィルムの製造において、例えば使用する微粒子が均一に分散しないという問題が挙げられる。溶液中に樹脂を均一に分散させるためには、例えば溶液粘度を制御・調整するなどの注意が必要とされる。微粒子が均一に分散せずに凝集すると、表面上の凹凸形状が所望の範囲から外れてしまい、透過画像鮮明性が低下したり、いわゆるギラツキまたは白ぼけが起こるなどの不具合が生じることがある。
一方、フィルム製造時に、切削、型押し成型、貼り合わせなどの加工によって表面を粗面化する場合は、その粗面の凹凸をランダムに設けることが困難であり、凹凸がある規則に従ってしまうことがある。凹凸がある規則に従う場合は、凹凸面で反射される光が互いに干渉を起こすことがあり、反射光を強めあったりモアレ模様が生じたりなどディスプレイの表示に不具合を起こす原因となる。すなわち、モアレ模様の発生は、表示装置の画素の配列方向に対して、防眩層の微細凹凸構造の配列方向が重なることが原因である。画素が規則的に並んでいるのに対して、その規則に重なる様に微細凹凸構造が位置した場合に起きる傾向がある。また、型押し成型によって防眩層を形成する場合は、防眩層の型押し工程、そしてこの型押しに用いられる型の洗浄などの工程が必要となり、煩雑である。さらに、型押しに用いられる型の成型表面上に異物が付着しないように注意を払う必要もある。
特開2003−004917号公報(特許文献2)には、防眩フィルムと偏光子とを備える防眩層付偏光板であって、前記防眩層の微細凹凸構造の配列方向が前記偏光子の吸収軸方向又は透過軸方向に対して22.5°±12.5°であることを特徴とする防眩層付偏光板が記載されている。ここに記載されるように、加工によって微細凹凸構造を設ける場合は配列方向の角度などを細かく調節する必要があり、製造工程が煩雑となる。また、表示画面の高精細化、カラー化により表示素子の画素がより小さくなると、モアレ模様の発生の確率がより高くなると考えられる。そのため、この問題を解決する技術が必要とされている。
国際公開WO 2005/073763号明細書(特許文献3)には、第1成分および第2成分を含む防眩性コーティング組成物であって、基材上に塗布した後に、第1成分および第2成分の物性の差に基づいて第1成分と第2成分とが相分離し、表面にランダムな凹凸を有する樹脂層が形成される、防眩性コーティング組成物が記載されている。この防眩性コーティング組成物を用いることによって、不規則な凹凸形状を有し、モアレなどが発生しない防眩層を得ることができる。しかしながら、近年のフラットパネルディスプレイの用途の拡大により、優れた防眩性に加えて優れた耐候性を有することに対する要求が高まりつつある。そのため、耐候性に優れた防眩層を形成することができる耐候性防眩性コーティング組成物に関して研究する余地がでてきた。
特開2002−221610号公報 特開2003−004917号公報 国際公開WO 2005/073763号明細書
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、より優れた耐候性を有する防眩層を形成することができる耐候性防眩性コーティング組成物、およびこの耐候性防眩性コーティング組成物から形成される防眩層を有する耐候性防眩フィルムを提供することにある。
本発明は、
透明基材上に塗布され耐候性防眩層を形成する耐候性防眩性コーティング組成物であって、
この耐候性防眩性コーティング組成物は第1成分および第2成分を含み、この耐候性防眩性コーティング組成物を基材上に塗布した後に、この第1成分および第2成分のSP値の差に基づいて第1成分と第2成分とが相分離し、表面にランダムな凹凸を有する樹脂層が形成される、耐候性防眩性コーティング組成物であり、および
この第1成分は不飽和二重結合含有アクリル共重合体であり、
この第2成分は、炭素数2〜4のアルキレンオキシド単位をモノマー一分子中に3〜6モル当量有する3官能以上の不飽和二重結合含有モノマーを含む、多官能性不飽和二重結合含有モノマーである、
耐候性防眩性コーティング組成物、を提供するものであり、これにより上記目的が達成される。
上記炭素数2〜4のアルキレンオキシド単位をモノマー一分子中に3〜6モル当量有する3官能以上の不飽和二重結合含有モノマーは、耐候性防眩性コーティング組成物の樹脂固形分の重量に対して2〜50重量%含まれるのが好ましい。
また、上記第1成分のSP値(SP)および第2成分のSP値(SP)が下記数式の条件;
Figure 2009120817
を満たす関係にあるのが好ましい。
さらに有機溶媒を含む耐候性防眩性コーティング組成物であって、
第1成分のSP値(SP)、第2成分のSP値(SP)および有機溶媒のSP値(SPsol)が、下記条件;
SPとSPsolとの差が2以下である;
を満たす関係にあるのが好ましい。
また、上記炭素数2〜4のアルキレンオキシド単位をモノマー一分子中に3〜6モル当量有する3官能以上の不飽和二重結合含有モノマーは、3官能以上の多価アルコールに、炭素数2〜4のアルキレンオキシド骨格を導入し、次いで(メタ)アクリレートを反応させることによって得られた(メタ)アクリレートモノマーであるのがより好ましい。
また、上記炭素数2〜4のアルキレンオキシド単位をモノマー一分子中に3〜6モル当量有する3官能以上の不飽和二重結合含有モノマーは、下記式1
Figure 2009120817
[式1中、
n、mおよびpは、それぞれ独立して2〜4の整数であり、
x、yおよびzは、それぞれ独立して0〜3の整数であり、但し、x、yおよびzの和が3〜6であることを条件とし、および
は、水酸基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基であり、
、RおよびRは、それぞれ独立して水素またはメチル基である。]
で示されるモノマーであるのが好ましい。
上記耐候性防眩性コーティング組成物は、無機フィラーおよび樹脂粒子を含まないことを特徴とする。
上記耐候性防眩性コーティング組成物はまた、紫外線吸収剤を含まないことを特徴とする。
本発明はさらに、透明基材および防眩層を有する耐候性防眩フィルムであって、この防眩層が上記耐候性防眩性コーティング組成物から形成される、耐候性防眩フィルム、も提供する。
この耐候性防眩フィルムのヘイズは20%未満であるのが好ましい。
また、上記耐候性防眩フィルムのRa(粗さ曲線の算術平均粗さ)およびRz(粗さ曲線の最大高さ粗さ)が下記条件:
Figure 2009120817
Figure 2009120817
を満たす関係にあるのが好ましい。
さらに、上記耐候性防眩フィルムの防眩フィルムの表面の粗さ曲線要素の平均長さ(Sm)が200μm以下であるのが好ましい。
本発明はさらに、
透明基材に、上記耐候性防眩性コーティング組成物を塗布する塗布工程、および
得られた塗膜を硬化させる硬化工程、
を包含する、耐候性防眩フィルムの製造方法、も提供する。
本発明はさらに、
透明基材に、上記耐候性防眩性コーティング組成物を塗布する塗布工程、および
得られた塗膜に光を照射して、相分離および硬化させる光照射工程、
を包含する、耐候性防眩フィルムの製造方法、も提供する。
本発明はまた、上記防眩フィルムの製造方法により得られる耐候性防眩フィルムも提供する。
本発明の耐候性防眩性コーティング組成物は、基材上に塗布し必要に応じて乾燥させた後に、硬化させるのみで、表面に凹凸を有する樹脂層である防眩層を設けることができる。また、本発明により防眩層の表面に凹凸を形成した場合、自然発生的に凹凸配置が決まるので、防眩層の表面に不規則な凹凸形状を形成することができる。このため、凹凸配置の規則性に起因するモアレが発生しないという特長を有する。そして本発明の耐候性防眩性コーティング組成物から得られる防眩層は経時等による黄変が低減されており、耐候性に優れているという特徴を有している。本発明の耐候性防眩性コーティング組成物においては、第2成分として炭素数2〜4のアルキレンオキシド単位をモノマー一分子中に3〜6モル当量有する3官能以上の不飽和二重結合含有モノマーが含まれていることによって、紫外線吸収剤などの耐候性安定剤を用いなくても、優れた耐候性が得られるという特徴を有している。
本発明の耐候性防眩性コーティング組成物を用いることにより、表面に凹凸を有し耐候性に優れる防眩層を容易に形成することができ、そしてこれを用いて耐候性防眩フィルムを容易に製造することができる。そして得られる耐候性防眩フィルムは、映り込みがなく、そしてヘイズ(曇価)が低く全光線透過率が高いことに加えて、耐候性に優れており、かつ優れた表面硬度を有するという、優れた性能を有するものである。
耐候性防眩性コーティング組成物
本発明の耐候性防眩性コーティング組成物は、透明基材上に塗布されることによって、耐候性に優れる防眩層を形成するものである。この耐候性防眩性コーティング組成物には、第1成分および第2成分の2種類の成分が少なくとも含まれる。これら第1成分および第2成分は、防眩性コーティング組成物を基材上に塗布される場合において、第1成分および第2成分それぞれのSP値の差に基づいて、第1成分と第2成分とが相分離するという特徴を有する。
本発明の耐候性防眩性コーティング組成物は、第1成分として不飽和二重結合含有アクリル共重合体を含む。不飽和二重結合含有アクリル共重合体としては、例えば、(メタ)アクリルモノマーなどの酸基を有する重合性不飽和モノマーを重合または共重合した樹脂またはこの酸基を有する重合性不飽和モノマーと他のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとを共重合した樹脂に、エチレン性不飽和二重結合およびエポキシ基を有するモノマーを反応させた共重合体;この酸基を有する重合性不飽和モノマーと他のエチレン性不飽和二重結合およびエポキシ基を有するモノマーとを反応させた共重合体;この酸基を有する重合性不飽和モノマーと他のエチレン性不飽和二重結合およびイソシアネート基を有するモノマーとを反応させた共重合体;などが挙げられる。
不飽和二重結合含有アクリル共重合体の具体的な調製方法の一例として、例えば、酸基を有する重合性不飽和モノマーと、他の重合性不飽和モノマーとを共重合し、次いで得られた共重合体の酸基とエポキシ基含有エチレン性不飽和モノマーのエポキシ基とを反応させる方法が挙げられる。
酸基を有する重合性不飽和モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸および2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸のようなモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸およびイタコン酸のようなジカルボン酸;無水マレイン酸および無水イタコン酸のような酸無水物;およびマレイン酸モノエチル、フマル酸モノエチルおよびイタコン酸モノエチルのようなジカルボン酸のモノエステル;またはこれらのα−位のハロアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ニトロもしくはシアノにより置換された置換誘導体;o−、m−、p−ビニル安息香酸またはこれらのアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミドもしくはエステルにより置換された置換誘導体;などを挙げることができる。これらは1種のみを用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
他の重合性不飽和モノマーとして、例えば、スチレンまたはスチレンのα−、o−、m−、p−アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アミド、エステルにより置換された置換誘導体;ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等のオレフィン類;o−、m−、p−ヒドロキシスチレンまたはこれらのアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アミド、エステルもしくはカルボキシにより置換された置換誘導体;ビニルヒドロキノン、5−ビニルピロガロール、6−ビニルピロガロール、1−ビニルフロログリシノール等のポリヒドロキシビニルフェノール類;メタクリル酸またはアクリル酸のメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、ter−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、イソアミルヘキシル、シクロヘキシル、アダマンチル、アリル、プロパギル、フェニル、ナフチル、アントラセニル、アントラキノニル、ピペロニル、サリチル、シクロヘキシル、ベンジル、フェネシル、クレシル、グリシジル、イソボロニル、トリフェニルメチル、ジシクロペンタニル、クミル、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、3−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、フリルもしくはフルフリルエステル;メタクリル酸またはアクリル酸のアニリドもしくはアミド、またはN,N−ジメチル、N,N−ジエチル、N,N−ジプロピル、N,N−ジイソプロピルもしくはアントラニルアミド;アクリロニトリル、アクロレイン、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニル、N−フェニルマレインイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレインイミド、N−メタクリロイルフタルイミド、N−アクリロイルフタルイミド等を用いることができる。
エポキシ基含有エチレン性不飽和モノマーとして、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレートおよび3,4−エポキシシクロヘキサニル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル等が挙げられる。バランスのとれた硬化性と貯蔵安定性を示す塗料組成物を調製するためには、グリシジル(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
不飽和二重結合含有アクリル共重合体は、上記の通り、酸基を有する重合性不飽和モノマーおよび他の重合性不飽和モノマーを溶媒に溶解して必要に応じて加熱し、重合開始剤を加えて共重合させ、次いで得られた共重合の酸基とエポキシ基含有エチレン性不飽和モノマーのエポキシ基とを反応させる方法によって得ることができる。共重合反応において、必要に応じて連鎖移動剤を存在させるのが好ましい。モノマー成分、重合開始剤、溶媒および連鎖移動剤は連続して添加してもよい。
不飽和二重結合含有アクリル共重合体の共重合において用いることができる溶媒として、例えばエタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、エチレングリコール等のアルコール類、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール等のセルソルブ類、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール等のカルビトール類、メチルアセテート、エチルアセテート、n−ブチルアセテート、エチルラクテート、n−ブチルラクテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、グリセリントリアセテート等のエステル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等が挙げられる。これらの溶媒の使用量は、反応原料であるモノマー総量100重量部当たり、好ましくは20〜1000重量部である。
不飽和二重結合含有アクリル共重合体の共重合において用いることができる重合開始剤としては、一般的にラジカル重合開始剤として知られているものが使用でき、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、ターシャルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの有機過酸化物;および過酸化水素が挙げられる。ラジカル重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、過酸化物を還元剤とともに用いてレドックス型開始剤として用いてもよい。
共重合において用いることができる連鎖移動剤としては、n−ブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、チオグリコール酸エチル、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、2−メルカプトエタノール等のメルカプタン類、クロロホルム、四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化アルキル類等を挙げることができる。
共重合は、例えば60〜150℃で3〜48時間撹拌することによって行うことができる。
次いで得られた共重合体の酸基と、エポキシ基含有エチレン性不飽和モノマーとを反応させる。この反応により、共重合体の酸基と、エポキシ基含有エチレン性不飽和モノマーが有するエポキシ基とが反応し、そしてこれにより共重合体に不飽和二重結合(エチレン性不飽和二重結合)が導入されることとなる。こうして不飽和二重結合含有アクリル共重合体を得ることができる。この導入反応方法として、例えば60〜150℃で3〜48時間撹拌することによって行うことができる。
また、不飽和二重結合含有アクリル共重合体の具体的な調製方法の他の一例として、例えば、エポキシ基含有エチレン性不飽和モノマーと、他の重合性不飽和モノマーとを共重合し、次いで得られた共重合体のエポキシ基と、酸基を有する重合性不飽和モノマーの酸基とを反応させる方法が挙げられる。この方法における重合方法などの反応方法は、上記と同様である。
本発明において第1成分として使用される不飽和二重結合含有アクリル共重合体の重量平均分子量は、500〜100000であるのが好ましく、1000〜50000であるのがより好ましい。本明細書における重量平均分子量は、ポリスチレン換算による重量平均分子量を意味する。また、不飽和二重結合含有アクリル共重合体は1種を単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の耐候性防眩性コーティング組成物は、第2成分として多官能性不飽和二重結合含有モノマーを含む。そして本発明においては、第2成分である多官能性不飽和二重結合含有モノマーが、炭素数2〜4のアルキレンオキシド単位をモノマー一分子中に3〜6モル当量有する3官能以上の不飽和二重結合含有モノマーを含むことを特徴とする。
炭素数2〜4のアルキレンオキシド単位をモノマー一分子中に3〜6モル当量有する3官能以上の不飽和二重結合含有モノマーは、例えば、3官能以上の多価アルコールに、炭素数2〜4のアルキレンオキシド骨格を導入し、これに(メタ)アクリレートを反応させることによって調製することができる。
炭素数2〜4のアルキレンオキシド単位をモノマー一分子中に3〜6モル当量有する3官能以上の不飽和二重結合含有モノマーとして、例えば下記式1で示されるモノマーが挙げられる。
Figure 2009120817
上記式1中、
n、mおよびpは、それぞれ独立して2〜4の整数であり、
x、yおよびzは、それぞれ独立して0〜3の整数であり、但し、x、yおよびzの和が3〜6であることを条件とし、および
は、水酸基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基であり、
、RおよびRは、それぞれ独立して水素またはメチル基である。
炭素数2〜4のアルキレンオキシド単位をモノマー一分子中に3〜6モル当量有する3官能以上の不飽和二重結合含有モノマーとして、例えば、トリエチレングリコール−トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコール−トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコール−トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサプロピレングリコール−トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
本発明において、炭素数2〜4のアルキレンオキシド単位をモノマー一分子中に3〜6モル当量有する3官能以上の不飽和二重結合含有モノマーを含有する多官能性不飽和二重結合含有モノマーを第2成分として用いて耐候性防眩性コーティング組成物を調製することによって、コーティング組成物によって形成される防眩層の耐候性が向上するという効果を得ることができる。
この炭素数2〜4のアルキレンオキシド単位をモノマー一分子中に3〜6モル当量有する3官能以上の不飽和二重結合含有モノマーは、耐候性防眩性コーティング組成物の樹脂固形分の重量に対して2〜50重量%含まれるのが好ましい。この3官能以上の不飽和二重結合含有モノマーの量が50重量%を超える場合は、得られる耐候性防眩性コーティング組成物の基材に対する初期密着性の低下が生じることがある。さらに、得られる防眩層の鉛筆硬度の低下および耐スチールウール性の低下が生じるおそれがある。一方3官能以上の不飽和二重結合含有モノマーの量が2重量%未満である場合は、得られる防眩層の耐候性向上の効果が得られないおそれがある。
本発明の耐候性防眩性コーティング組成物を用いることによって、紫外線吸収剤などの耐候性安定剤を用いることなく、得られる防眩層の耐候性を向上させることができる。紫外線吸収剤として、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤などが、樹脂分野などにおいて一般的に用いられている。しかしながらこれらの紫外線吸収剤は、特にヒンダードアミン系紫外線吸収剤などのように、紫外線を吸収することによって着色が生じるものが多い。そのため、高い視認性が求められる、液晶表示装置の防眩層の形成に用いられる防眩性コーティング組成物においては、これらの紫外線吸収剤の使用は非常に制限されることとなる。そして本発明によって、このような紫外線吸収剤などの耐候性安定剤を用いることなく、防眩層の耐候性を向上させることが可能となった。
本発明においては、多官能性不飽和二重結合含有モノマーとして、炭素数2〜4のアルキレンオキシド単位をモノマー一分子中に3〜6モル当量有する3官能以上の不飽和二重結合含有モノマーを含有する多官能性不飽和二重結合含有モノマーと、その他の多官能性不飽和二重結合含有モノマーとを併用するのが好ましい。その他の多官能性不飽和二重結合含有モノマーを併用することによって、得られる防眩層の表面硬度を確保することができる。
上記炭素数2〜4のアルキレンオキシド単位をモノマー一分子中に3〜6モル当量有する3官能以上の不飽和二重結合含有モノマー以外の多官能性不飽和二重結合含有モノマーとして、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリレートとの脱アルコール反応物である、2官能またはそれ以上の多官能性不飽和二重結合含有モノマーが挙げられ、より好ましくは3官能またはそれ以上の多官能性不飽和二重結合含有モノマーが挙げられる。具体的には、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
多官能性不飽和二重結合含有モノマーにおける、炭素数2〜4のアルキレンオキシド単位をモノマー一分子中に3〜6モル当量有する3官能以上の不飽和二重結合含有モノマーを含有する多官能性不飽和二重結合含有モノマー(a)と、その他の多官能性不飽和二重結合含有モノマー(b)との割合は、(a):(b)=3:97〜50:50であるのが好ましい。(a)の割合が3より低い場合は、十分な耐候性向上効果が得られないおそれがある。また(a)の割合が50を超える場合は、得られる防眩層の表面硬度が低くなるおそれがある。
本発明の耐候性防眩性コーティング組成物においては、組成物を塗装した際に、組成物中に含まれる第1成分および第2成分のSP値の差に基づいて第1成分と第2成分とが相分離し、表面にランダムな凹凸を有する樹脂層が形成される。本発明の耐候性防眩性コーティング組成物においては、不飽和二重結合含有アクリル共重合体である第1成分のSP値(SP)は、多官能性不飽和二重結合含有モノマーである第2成分のSP値(SP)より低い値であることが好ましい。
SP値とは、solubility parameter(溶解性パラメーター)の略であり、溶解性の尺度となるものである。SP値は数値が大きいほど極性が高く、数値が小さいほど極性が低いことを示す。
例えば、SP値は次の方法によって実測することができる[参考文献:SUH、CLARKE、J.P.S.A−1、5、1671〜1681(1967)]。
測定温度:20℃
サンプル:樹脂0.5gを100mlビーカーに秤量し、良溶媒10mlをホールピペットを用いて加え、マグネティックスターラーにより溶解する。
溶媒:
良溶媒…ジオキサン、アセトンなど
貧溶媒…n−ヘキサン、イオン交換水など
濁点測定:50mlビュレットを用いて貧溶媒を滴下し、濁りが生じた点を滴下量とする。
樹脂のSP値δは次式によって与えられる。
Figure 2009120817
Figure 2009120817
Figure 2009120817
Vi:溶媒の分子容(ml/mol)
φi:濁点における各溶媒の体積分率
δi:溶媒のSP値
ml:低SP貧溶媒混合系
mh:高SP貧溶媒混合系
本発明の耐候性防眩性コーティング組成物は、第1成分のSP値(SP)および第2成分のSP値(SP)が下記数式の条件;
Figure 2009120817
を満たす関係にあるのが好ましい。この第1成分のSP値と第2成分のSP値の差(SP−SP)は0.5以上であるのが好ましく、0.8以上であるのがさらに好ましい。このSP値の差の上限は特に限定されないが、一般には15以下であり、好ましくは5以下である。第1成分のSP値と第2成分のSP値との差が0.5以上である場合は、互いの樹脂の相溶性が低く、それによりコーティング組成物の塗装後に第1成分と第2成分との相分離がもたらされると考えられる。なお第1成分または第2成分が2種以上の混合物である場合のSPおよびSPは、各樹脂または化合物のSP値の平均値をSP、SPとする。
本発明の耐候性防眩性コーティング組成物は、さらに有機溶媒を含んでもよい。この場合は、耐候性防眩性コーティング組成物に含まれる有機溶媒のSP値(SPsol)が、下記条件;
SPとSPsolとの差が2以下である;
を満たす関係にあるのがより好ましい。SPとSPsolとの差が2以下であることによって、低ヘイズでありかつ防眩性能に優れた防眩層を調製することができることとなる。SPとSPsolとの差は1以下、つまり0〜1の範囲内であるのがさらに好ましい。なお、SPおよびSPsolは、これらの差が2以下であればよい。SP<SPsolであってもよく、SP>SPsolであってもよい。
本発明の耐候性防眩性コーティング組成物には、上記の第1成分および第2成分のほかに、通常使用される樹脂が含まれてもよい。本発明の耐候性防眩性コーティング組成物は、上記のような第1成分および第2成分を用いることによって、樹脂粒子などを含ませなくても、凹凸を有する樹脂層を形成することができることに特徴がある。
本発明の耐候性防眩性コーティング組成物は、第1成分と第2成分を、必要に応じた溶媒、重合開始剤、添加剤などと併せて混合することにより調製される。本発明の耐候性防眩性コーティング組成物中における第1成分と第2成分との比率は、1:99〜99:1が好ましく、1:99〜50:50がより好ましく、1:99〜20:80がさらに好ましい。
本発明の耐候性防眩性コーティング組成物は光重合開始剤を含むのが好ましい。光重合開始剤が存在することによって、第1成分および第2成分が光照射により重合することとなる。光重合開始剤の例として、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤、オキシムエステル系重合開始剤などが挙げられる。アルキルフェノン系光重合開始剤として、例えば2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノンなどが挙げられる。アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤として、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。チタノセン系光重合開始剤として、例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムなどが挙げられる。オキシムエステル系重合開始剤として、例えば、1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルなどが挙げられる。これらの光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
上記光重合開始剤のうち、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1および2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどがより好ましく用いられる。
光重合開始剤の好ましい量は、第1成分および第2成分そして必要に応じた他の樹脂(これらを合わせて「樹脂成分」という。)100重量部に対して、0.01〜20重量部であり、より好ましくは1〜10重量部である。
本発明で用いられるコーティング組成物中の溶媒は、特に限定されるものではなく、第1成分および第2成分、塗装の下地となる部分の材質および組成物の塗装方法などを考慮して適時選択される。用いられる溶媒の具体例としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、アニソール、フェネトールなどのエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールジアセテートなどのエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒;などが挙げられる。これらの溶媒を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。これらの溶媒のうち、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒およびケトン系溶媒が好ましく使用される。
本発明の耐候性防眩性コーティング組成物は、必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。このような添加剤として、帯電防止剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤などの常用の添加剤が挙げられる。
本発明の耐候性防眩性コーティング組成物は、樹脂粒子を用いることなく、表面に凹凸を有し耐候性に優れる防眩層を容易に形成することができる。そして本発明の耐候性防眩性コーティング組成物は、屋外または半屋外に設置される、液晶表示装置、発光ダイオードディスプレイ、エレクトロルミネセンスディスプレイ、蛍光ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル、CRTディスプレイなどといったフラットパネルディスプレイのフィルムの表面上に防眩層を設ける場合において好適に用いることができる。
本発明の耐候性防眩性コーティング組成物は、このような屋外または半屋外に設置されるフラットパネルディスプレイの上部フィルムの両表面上に防眩層を設けるのに、特に好適に用いることができる。本発明の耐候性防眩性コーティング組成物は樹脂粒子を含んでいない。そのため、本発明の耐候性防眩性コーティング組成物を用いて、フィルム上に防眩層を設けることによって、樹脂粒子の凝集に起因する防眩層のギラツキの光学的問題を解消することができる。また本発明の耐候性防眩性コーティング組成物は樹脂粒子を含んでいないため、フィルムへの接触またはフィルムの拭き取りの際の圧力およびフィルム変形によって樹脂粒子が剥がれ落ちるなどといった不具合が生じることはないという利点もある。さらに本発明の耐候性防眩性コーティング組成物によって形成される防眩層は良好な表面硬度を有するという利点もある。
そして本発明の耐候性防眩性コーティング組成物は、紫外線吸収剤などの耐候性安定剤を用いることなく防眩層の耐候性が改善されている。そのため、耐候性安定剤を配合することに起因する耐擦傷性の低下またはハードコート性の低下などの不具合を伴うことなく、優れた防眩性、視認性および耐候性が達成されている。従って本発明の耐候性防眩性コーティング組成物は、屋外または半屋外に設置されるフラットパネルディスプレイに対して好適に用いることができる。
防眩フィルム
本発明の耐候性防眩性コーティング組成物を用いて、優れた防眩性、視認性および耐候性を有する耐候性防眩フィルムを形成することができる。このような耐候性防眩フィルムは、透明基材と耐候性に優れた防眩層とを有する。
透明基材としては、各種透明プラスチックフィルム、透明プラスチック板およびガラスなどを使用することができる。透明プラスチックフィルムとして、例えばトリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ジアセチレンセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム等が使用できる。透明基材として、PETフィルムを使用するのが強度などの点から好ましい。なお、透明基材の厚さは、用途に応じて適時選択することができるが、一般に25〜1000μm程で用いられる。
防眩層は、透明基材上に、上記の耐候性防眩性コーティング組成物を塗布することにより形成される。コーティング組成物の塗布方法は、コーティング組成物および塗装工程の状況に応じて適時選択することができ、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書)などにより塗布することができる。
防眩層の厚みは、特に制限されるものではなく、種々の要因を考慮して適時設定することができる。例えば、乾燥膜厚が0.01〜20μmとなるようにコーティング組成物を塗布することができる。
透明基材に塗布された塗膜をそのまま硬化させてもよく、また硬化させる前に塗膜を乾燥させて、硬化前に予め相分離させておいてもよい。塗膜を硬化させる前に乾燥させる場合は、30〜200℃、より好ましくは40〜150℃で、0.1〜60分間、より好ましくは1〜30分間乾燥させて、溶媒を除去し、予め相分離させることができる。硬化前に乾燥させて予め相分離させておくことは、防眩層中の溶媒を効果的に除去でき、かつ所望の大きさの凹凸を設けることができるという利点がある。
コーティング組成物の塗布により得られた塗膜を、または乾燥させた塗膜を、硬化させることによって、防眩層が形成される。この硬化は、必要に応じた波長の光を発する光源を用いて光を照射することによって行うことができる。照射する光として、例えば露光量0.1〜1.5J/cmの光、好ましくは0.3〜1.5J/cmの光を用いることができる。またこの照射光の波長は特に限定されるものではないが、例えば360nm以下の波長を有する照射光などを用いることができる。このような光は、高圧水銀灯、超高圧水銀灯などを用いて得ることができる。このように光を照射することによって防眩層を硬化させることができる。またこのような光の照射は、相分離も促進することができ、これによりコーティング組成物に含まれる溶媒の乾燥ムラに起因する表面形状のムラを回避できるという利点もある。
こうして形成される本発明の耐候性防眩フィルムは、自然発生的に凹凸配置が決まる、不規則な凹凸形状の防眩層を有することとなる。
本発明の耐候性防眩フィルムは、耐候性防眩フィルムのRa(粗さ曲線の算術平均粗さ)およびRz(粗さ曲線の最大高さ粗さ)が下記条件:
Figure 2009120817
Figure 2009120817
を満たす関係にあるのが好ましい。ここで、粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)および粗さ曲線の最大高さ粗さ(Rz)とは、JIS B 0601−2001において規定されるパラメーターである。
耐候性防眩フィルムのRa(粗さ曲線の算術平均粗さ)が0.05μm以上0.5μm以下であることによって、優れた防眩性、モアレの発生がないこと、耐擦傷性に優れるなどの利点がある。また、耐候性防眩フィルムのRz(粗さ曲線の最大高さ粗さ)が0.5μm以上2.0μm以下であることによって、優れた防眩性、モアレの発生がないこと、耐擦傷性に優れるなどの利点がある。
粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)は、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけを抜き取り、この抜取り部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、下記式によって求められる値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう。
Figure 2009120817
防眩層表面の粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)は、例えば(株)ミツトヨ社製、評価型表面粗さ測定機などを用いて、JIS B 0601−2001に準拠して測定することができる。
粗さ曲線の最大高さ粗さ(Rz)は、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけを抜き取り、この抜取り部分の山頂線と谷底線との間隔を粗さ曲線の縦倍率の方向に測定し、この値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう。防眩層表面の粗さ曲線の最大高さ粗さ(Rz)は、例えば(株)ミツトヨ社製、評価型表面粗さ測定機などを用いて、JIS B 0601−2001に準拠して測定することができる。
本発明の耐候性防眩フィルムは、Smが200μm以下であるのが好ましく、150μm以下であるのがさらに好ましい。下限は5μmであるのが好ましい。ここでSmとは、表面の粗さ曲線要素の平均長さであり、一般に粗さ曲線の山谷平均間隔または凹凸の平均間隔と言われるものである。Smは、例えば(株)キーエンス製、超深度形状測定顕微鏡などを用いて、JIS B0633に準拠して測定することができる。なお、JIS B0633は、ISO 4288を翻訳し、技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。
本発明の防眩フィルムは、全光線透過率が80%以上であるのが好ましく、85%以上であるのがより好ましい。特に本件発明においては、樹脂粒子を含有していないため、上記のように高い全光線透過率を達成することが可能となる。全光線透過率(T(%))は、防眩フィルムに対する入射光強度(T)と防眩フィルムを透過した全透過光強度(T)とを測定し、下記式により算出される。
Figure 2009120817
全光線透過率の測定は、例えばヘイズメーター(日本電色工業株式会社製)を用いて測定することができる。
本発明の防眩フィルムは、ヘイズが20%以下であるのが好ましく、10%以下であるのがより好ましい。本発明によって、上記の通りヘイズが低く、かつ防眩性に優れるという、優れた性能を有する防眩フィルムを調製することができる。ヘイズが低いことの利点として、防眩フィルムを液晶表示装置に設けた場合に、表示される画像の鮮明性を損なわないこと、白ぼけが発生しにくいことなどが挙げられる。このようなヘイズの低い防眩フィルムは、特に高詳細液晶表示装置に表示される画像の鮮明性を損なわないという利点がある。
ヘイズは、JIS K7105に準拠して、下記式より算出することができる。
Figure 2009120817
H:ヘイズ(曇価)(%)
:拡散透光率(%)
:全光線透過率(%)
ヘイズの測定は、例えばヘイズメーター(日本電色工業株式会社製)を用いて測定することができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「部」および「%」は、ことわりのない限り、重量基準による。
調製例1 不飽和二重結合含有アクリル共重合体の調製
イソボロニルメタクリレート 171.6g、メチルメタクリレート 2.6g、メタクリル酸 9.2gからなる混合物を混合した。この混合液を、攪拌羽根、窒素導入管、冷却管及び滴下漏斗を備えた1000ml反応容器中の、窒素雰囲気下で110℃に加温したメチルイソブチルケトン 330.0gに、ターシャルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート 1.8gを含むプロピレングリコールモノメチルエーテル 80.0g溶液と同時に3時間かけて等速で滴下し、その後、110℃で30分間反応させた。その後、ターシャルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート 0.2gをプロピレングリコールモノメチルエーテル 17.0gの溶液を滴下してテトラブチルアンモニウムブロマイド 1.4gとハイドロキノン0.1gを含む5.0gのプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を加え、空気バブリングしながら、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル 22.4gとプロピレングリコールモノメチルエーテル 5.0gの溶液を2時間かけて滴下し、その後5時間かけて更に反応させた。数平均分子量5,500、重量平均分子量18,000の不飽和二重結合含有アクリル共重合体を得た。この樹脂は、Sp値:10.0であった。
実施例1
官能性不飽和二重結合含有モノマーであるジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(SP値:12.1)48重量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(SP値:12.7)24重量部、トリエチレングリコール−トリメチロールプロパントリアクリレート(SP値:11.6)24重量部と、調製例1のアクリル共重合体(SP値:10.0)4重量部、光重合開始剤α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン5重量部を、イソプロピルアルコール(SP値:11.5)およびメチルイソブチルケトン(SP値:8.3)を溶媒として表中に記載の量を使用し、不揮発分が45%になるように調製した。
この溶液を、環境温度23℃で、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム基板に、バーコータ―(No.7)にてバーコート塗装し、膜厚が4μmとなるように80℃で1分で乾燥した。その後、この塗膜フィルムを80W高圧水銀ランプで紫外線を500mJ/cmのエネルギーとなるように照射して、耐候性の防眩層を形成し、耐候性防眩フィルムを得た。
実施例2
実施例1において、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが24重量部、トリエチレングリコールトリメチロールプロパントリアクリレートが48重量部であることを除いては、すべて同じ調製法で、耐候性の防眩層を形成し、耐候性防眩フィルムを得た。
実施例3
実施例1において、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが66重量部、トリエチレングリコールトリメチロールプロパントリアクリレートが6重量部であることを除いては、すべて同じ調製法で、耐候性の防眩層を形成し、耐候性防眩フィルムを得た。
実施例4
実施例1において、トリエチレングリコールトリメチロールプロパントリアクリレート24重量部の代わりに、トリプロピレングリコールトリメチロールプロパントリアクリレート(SP値:11.2)24重量部を用いたことを除いて、すべて同じ調製法で、耐候性の防眩層を形成し、耐候性防眩フィルムを得た。
実施例5
実施例1において、トリエチレングリコールトリメチロールプロパントリアクリレート24重量部の代わりに、ヘキサエチレングリコールトリメチロールプロパントリアクリレート(M−360)(SP値:12.3)24重量部を用いたことを除いてはすべて同じ調製法で、耐候性の防眩層を形成し、耐候性防眩フィルムを得た。
実施例6
実施例1において、トリエチレングリコールトリメチロールプロパントリアクリレート24重量部の代わりに、ヘキサプロピレングリコールトリメチロールプロパントリアクリレート(M−320)(SP値:11.6)24重量部を用いたことを除いてはすべて同じ調製法で、耐候性の防眩層を形成し、耐候性防眩フィルムを得た。
比較例1
実施例1において、トリエチレングリコールトリメチロールプロパントリアクリレートを用いず、そしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを72重量部用いたことを除いては、すべて同じ調製法で、防眩層を形成し、防眩フィルムを得た。
比較例2
実施例1において、トリエチレングリコールトリメチロールプロパントリアクリレートを用いず、そしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート48重量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート48重量部を用いたことを除いて、すべて同じ調製法で、防眩層を形成し、防眩フィルムを得た。
比較例3
実施例1において、トリエチレングリコールトリメチロールプロパントリアクリレート24重量部の代わりに、トリメチロールプロパントリアクリレート24重量部を用いたことを除いてはすべて同じ調製法で、防眩層を形成し、防眩フィルムを得た。
比較例4
実施例1において、トリエチレングリコールトリメチロールプロパントリアクリレート24重量部の代わりに、トリプロピレングリコールジアクリレート24重量部を用いたことを除いてはすべて同じ調製法で、防眩層を形成し、防眩フィルムを得た。
比較例5
実施例1において、トリエチレングリコールトリメチロールプロパントリアクリレート24重量部の代わりに、トリシクロデカンジメタノールアクリレート24重量部を用いたことを除いてはすべて同じ調製法で、防眩層を形成し、防眩フィルムを得た。
比較例6
実施例1において、トリエチレングリコールトリメチロールプロパントリアクリレート24重量部の代わりに、ナノエチレングリコールジアクリレート24重量部を用いたことを除いてはすべて同じ調製法で、防眩層を形成し、防眩フィルムを得た。
比較例7
比較例1において、紫外線吸収剤としてチヌビン384−2を3重量部および光安定剤としてチヌビン292を2重量部をさらに添加したことを除いてはすべて同じ調製法で、防眩層を形成し、防眩フィルムを得た。
上記実施例および比較例により得られた耐候性防眩層を有する耐候性防眩フィルムについて、以下の評価試験を行った。得られた結果を下記表に示す。
初期外観
上記実施例および比較例によって得られた耐候性防眩層について、下記ASTM G154準拠耐候試験を行う前の塗膜外観を、目視によって下記基準に基づいて評価した。
○:塗膜の剥がれまたは割れといった欠陥はみられない
×:塗膜の剥がれまたは割れといった欠陥がみられる
耐候試験後の塗膜状態
ASTM(American Standards Testing Material) G154に準拠した耐候試験(1サイクル:60℃において313nmの波長の光を4時間照射し次いで50℃暗室において4時間維持する、を25サイクル繰り返した。)を行った後の塗膜外観を、目視によって下記基準に基づいて評価した。
○:耐候試験の前後において塗膜外観に大きな変化はみられない
△:一部塗膜の剥がれまたは割れが生じている
×:塗膜の剥がれまたは割れが多く生じている
防眩性
得られた耐候性防眩フィルムの防眩層表面へ、蛍光灯を映り込ませ、その時の映り込んだ蛍光灯端部の見え方により、防眩性を目視評価した。
○:蛍光灯の端部がぼやけて見える
△:蛍光灯の端部がにじんで見える
×:蛍光灯の端部がはっきりと見える
全光線透過率
得られた耐候性防眩フィルムの全光線透過率(%)を、日本電色工業株式会社製、型式NDH−2000「ホウホウ3」に基づいて測定した。
密着性試験
得られた耐候性防眩フィルムの防眩層面にカッターナイフでlmm間隔のキズを縦11本、横11本入れ、計100個の升目を作製した。次いで、ニチバンセロテープ(登録商標)をその上から完全に密着させ、フィルムに対して45度方向に一気に引き剥がし、フィルムに完全に残存する升目数により評価した。
鉛筆硬度
得られた耐候性防眩フィルムの防眩層について、JIS K5600−5−4(1999)、ひっかき硬度(鉛筆法)に従って防眩層の鉛筆硬度を測定した。
耐スチールウール性
得られた耐候性防眩フィルムの防眩層面において、スチールウール#1000を、1000g/cmの荷重で10往復させた後に生じた表面の傷跡の度合いを目視により評価した。
○:傷跡は確認されない
△:幾つかの傷跡が確認される
×:多数の傷跡が確認される
粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)
得られた耐候性防眩フィルムの防眩層表面上の凹凸の粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)を、キーエンス製、超深度形状測定顕微鏡を用いてJIS−B0601に準拠して測定し、Ra値を得た。
粗さ曲線の最大高さ粗さ(Rz)
得られた耐候性防眩フィルムの防眩層表面上の凹凸の粗さ曲線の最大高さ粗さ(Rz)を、キーエンス製、超深度形状測定顕微鏡を用いてJIS−B0601に準拠して測定し、Rz値を得た。
表面の粗さ曲線要素の平均長さ(Sm)
得られた耐候性防眩フィルムの防眩層表面の粗さ曲線要素の平均長さ(Sm)を、キーエンス製、超深度形状測定顕微鏡を用いてJIS−B0633に準拠して測定し、Sm値を得た。
Figure 2009120817
Figure 2009120817

*IR#184:長瀬産業社イルガキュア#184、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(光重合開始剤)
チヌビン#384−2:チバスペシャルティケミカル社、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
チヌビン#123:チバスペシャルティケミカル社、ヒンダードアミン系光安定剤
上記表に示されるように、実施例の耐候性防眩性コーティング組成物によって形成された防眩性フィルムは、耐候外観にも優れることから、耐候性に優れることが確認できた。実施例の防眩性フィルムはまた、初期密着性も高く、実用に十分な硬度(鉛筆硬度)を有していることが確認できた。実施例の防眩性フィルムはさらに、紫外線吸収剤および光安定剤の何れも含まないにもかかわらず、耐候試験後の目視評価において黄変が少ないという特徴も有していた。一方、比較例1〜3および5より得られた防眩性フィルムは、耐候試験後の塗膜状態が劣っており、十分な耐候性を有していないことが確認できた。また比較例1〜3および5より得られた防眩性フィルムは、実施例のものと比較して、耐候試験後のヘイズ値がいずれも高くなっており、経時により視認性が悪化することが確認できた。
比較例4より得られた防眩性フィルムは、防眩性、密着性および耐スチールウール性に劣るものであった。比較例6により得られた防眩性フィルムは密着性および耐スチールウール性に劣るものであることが確認できた。比較例7は、比較例1に紫外線吸収剤および光安定剤を添加剤として含めたものである。この比較例7においては、比較例1に対して耐候試験後の塗膜状態が改善されているものの、密着性および耐スチールウール性に劣るものであることが確認できた。
本発明の耐候性防眩性コーティング組成物は、基材上に塗布し必要に応じて乾燥させた後に、硬化させるのみで、表面に凹凸を有する耐候性に優れた防眩層を設けることができる。本発明の耐候性防眩性コーティング組成物から得られる防眩層は耐候性に優れており、経時等による黄変が低減されており、さらに優れた表面硬度を有するという特徴を有している。そして本発明の耐候性防眩性コーティング組成物は、紫外線吸収剤などの耐候性安定剤を用いることなく、優れた耐候性が得られるという特徴を有しているため、優れた光学特性が求められるフラットパネルディスプレイにおいて好適に用いることができる。

Claims (15)

  1. 透明基材上に塗布され耐候性防眩層を形成する耐候性防眩性コーティング組成物であって、
    該耐候性防眩性コーティング組成物は第1成分および第2成分を含み、該耐候性防眩性コーティング組成物を基材上に塗布した後に、該第1成分および第2成分のSP値の差に基づいて第1成分と第2成分とが相分離し、表面にランダムな凹凸を有する樹脂層が形成される、耐候性防眩性コーティング組成物であり、および
    該第1成分は不飽和二重結合含有アクリル共重合体であり、
    該第2成分は、炭素数2〜4のアルキレンオキシド単位をモノマー一分子中に3〜6モル当量有する3官能以上の不飽和二重結合含有モノマーを含む、多官能性不飽和二重結合含有モノマーである、
    耐候性防眩性コーティング組成物。
  2. 前記炭素数2〜4のアルキレンオキシド単位をモノマー一分子中に3〜6モル当量有する3官能以上の不飽和二重結合含有モノマーは、耐候性防眩性コーティング組成物の樹脂固形分の重量に対して2〜50重量%含まれる、請求項1記載の耐候性防眩性コーティング組成物。
  3. 前記第1成分のSP値(SP)および第2成分のSP値(SP)が下記数式の条件;
    Figure 2009120817
    を満たす関係にある、請求項1または2記載の耐候性防眩性コーティング組成物。
  4. さらに有機溶媒を含む耐候性防眩性コーティング組成物であって、
    第1成分のSP値(SP)、第2成分のSP値(SP)および有機溶媒のSP値(SPsol)が、下記条件;
    SPとSPsolとの差が2以下である;
    を満たす関係にある、請求項3記載の耐候性防眩性コーティング組成物。
  5. 前記炭素数2〜4のアルキレンオキシド単位をモノマー一分子中に3〜6モル当量有する3官能以上の不飽和二重結合含有モノマーは、3官能以上の多価アルコールに、炭素数2〜4のアルキレンオキシド骨格を導入し、次いで(メタ)アクリレートを反応させることによって得られた(メタ)アクリレートモノマーである、請求項1〜4いずれかに記載の耐候性防眩性コーティング組成物。
  6. 前記炭素数2〜4のアルキレンオキシド単位をモノマー一分子中に3〜6モル当量有する3官能以上の不飽和二重結合含有モノマーは、下記式1
    Figure 2009120817
    [式1中、
    n、mおよびpは、それぞれ独立して2〜4の整数であり、
    x、yおよびzは、それぞれ独立して0〜3の整数であり、但し、x、yおよびzの和が3〜6であることを条件とし、および
    は、水酸基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基であり、
    、RおよびRは、それぞれ独立して水素またはメチル基である。]
    で示されるモノマーである、請求項1〜5いずれかに記載の耐候性防眩性コーティング組成物。
  7. 無機フィラーおよび樹脂粒子を含まないことを特徴とする、請求項1〜6いずれか記載の耐候性防眩性コーティング組成物。
  8. 紫外線吸収剤を含まないことを特徴とする、請求項1〜7いずれかに記載の耐候性防眩性コーティング組成物。
  9. 透明基材および防眩層を有する耐候性防眩フィルムであって、該防眩層が請求項1〜8いずれかに記載の耐候性防眩性コーティング組成物から形成される、耐候性防眩フィルム。
  10. 耐候性防眩フィルムのヘイズが20%未満である、請求項9記載の耐候性防眩フィルム。
  11. 耐候性防眩フィルムのRa(粗さ曲線の算術平均粗さ)およびRz(粗さ曲線の最大高さ粗さ)が下記条件:
    Figure 2009120817
    Figure 2009120817
    を満たす関係にある、請求項9記載の耐候性防眩フィルム。
  12. 防眩フィルムの表面の粗さ曲線要素の平均長さ(Sm)が200μm以下である、請求項9記載の耐候性防眩フィルム。
  13. 透明基材に、請求項1〜8いずれかに記載の耐候性防眩性コーティング組成物を塗布する塗布工程、および
    得られた塗膜を硬化させる硬化工程、
    を包含する、耐候性防眩フィルムの製造方法。
  14. 透明基材に、請求項1〜8いずれかに記載の耐候性防眩性コーティング組成物を塗布する塗布工程、および
    得られた塗膜に光を照射して、相分離および硬化させる光照射工程、
    を包含する、耐候性防眩フィルムの製造方法。
  15. 請求項13または14記載の防眩フィルムの製造方法により得られる耐候性防眩フィルム。
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