JPWO2012073437A1 - 光学フィルム、画像表示装置及びタッチパネルを含む画像表示装置 - Google Patents

光学フィルム、画像表示装置及びタッチパネルを含む画像表示装置 Download PDF

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Abstract

ブロッキング防止と可とう性に優れた光学フィルムを提供すること、また内部散乱に起因するヘイズが殆どない光学フィルムを提供すること、更に、該光学フィルムを用いた視認性に優れた画像表示装置、情報入力時のペン摺動性にも優れたタッチパネルを含む液晶表示装置を提供すること。フィルム基材上の一方の面にハードコート層、及びもう一方の面に機能性層を有する光学フィルムにおいて、該機能性層が長さ方向に周期を持たない不規則な突起形状を有し、かつ微粒子又は非反応性ポリマーを実質的に含有しないことを特徴とする光学フィルム。

Description

本発明は、光学フィルム、画像表示装置及びタッチパネルを含む画像表示装置に関する。
近年、画像表示素子として液晶表示装置が注目され、その用途の1つとして、携帯用電子手帳、携帯用マルチメディア機器等への応用が期待されている。これらの携帯用電子手帳、携帯用マルチメディア機器等の入力装置としては、液晶表示素子の上に透明なタッチパネルを載せたもの、なかでも抵抗膜方式のタッチパネルが主流となっている。この抵抗膜方式のタッチパネルとしては、一般にフィルム基材の一方の面にハードコート層を有し(以下、ハードコートフィルムという)、もう一方の面にインジウム−スズ酸化物(以下、「ITO」という)等の導電性膜を有した上部電極となるパネル板と、ガラス基板等の透明基材の一方の面にITO等の導電性膜を有した下部電極となるパネル板とをスペーサを介して対向配置したものが使用されている。このようなタッチパネルは、通常、フィルム基材にハードコート層を設けてハードコートフィルムを製造するメーカーと、ガラス基板にITO等の導電性膜を設けるメーカーと、これらを組み立てるメーカーとに分かれて製造されている。
一方、タッチパネルで使用されるハードコートフィルムは、ITOの接着性やカール防止という観点から、実際には、フィルム基材の両面にハードコート層を有するものが多く使用されている。
このようなハードコートフィルムは、ディスプレイ画像の視認性や輝度を保つために、高透明であることが要求されているので、ハードコートフィルムの両面は、非常に平滑な面となっている。このため、ハードコートフィルムの製造時にロール状で巻き取る際にブロッキング(フィルム同士の貼りつき)が生じる問題があった。ブロッキングが生じたハードコートフィルムをITO等の導電性膜を設けるメーカーで使用すると、貼りついたハードコートフィルムを剥がす際に大きな騒音が発生し、作業環境が著しく悪化してしまう問題がある。また、貼りついたハードコートフィルムを剥がす際に静電気が発生し、粉塵を引き付けてしまう問題がある。更に、このようなハードコートフィルムを用いてタッチパネルを製造すると、ハードコートフィルムにブロッキングパターンが生じているため、ディスプレイ画面の美観が著しく損なわれる問題がある。
このため、突起形状を有した表面凹凸を形成することで、フィルム同士の貼り付きを防止することによりブロッキングを防止する技術が、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1は、2つ以上の反応性官能基を有する樹脂とフッ素化合物が結合した微粒子とを含むハードコート層用硬化性樹脂組成物により、ハードコートフィルムに突起形状を有する表面凹凸を形成する技術に関する。また、例えば特許文献2には、樹脂の相分離によって、突起形状を有する表面凹凸を形成する技術がブロッキング防止に利用できることが開示されている。しかしながら、前記した技術では、ブロッキングは、突起形状によってある程度改善されるものの、耐久性試験後に可とう性(屈曲性)が劣化する問題がある。また、樹脂の相分離や更に微粒子を添加して、突起形状を有する表面凹凸を形成しているため、ハードコート層の内部ヘイズの影響によりディスプレイ画像の視認性の低下を招く問題がある。
また、ブロッキング防止の為の凹凸構造を形成するための方法としては、表面に凹凸構造が設けられた表面転写ロールでフィルムに凹凸構造を設ける方法が知られている。しかしながら、通常、表面転写ロールは5cm程度の直径を持つロール形状である為、長尺状のロールに凹凸構造を形成した場合には、15cm程度の周期を有する形状となる。そのため、非常に長い長尺状のフィルムに表面転写ロールで凹凸を形成した場合には、積層されたフィルム間で部分的に凹凸構造の周期が一致してしまい、一部ブロッキングを引き起こすことが明らかになっている。
特開2010−241937号公報 特開2007−182519号公報
従って本発明は、ブロッキングを防止し、可とう性に優れた光学フィルムを提供すること、また内部散乱に起因するヘイズが殆どない光学フィルムを提供することを目的とする。更に、該光学フィルムを用いた視認性に優れる画像表示装置、情報入力時のペン摺動による表面の傷つきや剥がれに優れるタッチパネルを含む液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は以下の構成により達成される。
本発明の一局面による光学フィルムは、基材フィルム上の一方の面にハードコート層、及びもう一方の面に機能性層を有する光学フィルムにおいて、該機能性層が長さ方向に周期を持たない不規則な突起形状を有し、かつ微粒子又は非反応性ポリマーを実質的に含有しないことを特徴とする。
本発明に係る機能性層の表面凹凸を形成する突起形状は、長さ方向に周期を持たない不規則な形状である。これによりハードコート層は非常に平滑な面をしているが、ハードコート層と機能性層が重なり有った場合(フィルム同士が重なり合った場合)でも、応力が分散しやすい。その結果、フィルムをロール状に巻いた状態でのブロッキング防止の効果に加え、機能性層は微粒子等を含まずに相溶性の高い樹脂成分だけで構成されているため、耐久性試験においても劣化等が生じず、屋外使用を想定した耐久性試験後も優れた可とう性を有する光学フィルムを提供することができる。
更に、前記した光学フィルムは内部散乱に起因するヘイズが殆どない為、画像表示装置に用いた際に視認性に優れ、長時間見ていても目の疲れることがない画像表示装置を提供することができる。また、タッチパネルを含む液晶表示装置の表面用フィルムは、情報入力時にペンや指等が押し込まれる動作環境を想定した耐ペン摺動性にも優れた光学フィルムを提供することができる。
図1は、本発明に係る突起の説明図である。 図2は、本発明の光学フィルムをタッチパネルに用いた場合の一例である。 図3は、タッチパネル付き液晶表示装置の模式図である。 図4は、実施例の光学フィルム1の機能性層1表面を光学干渉式表面粗さ計で観察したものである。 図5は、導電性光学フィルムの模式図である。 図6は、抵抗膜方式タッチパネルの概略図である。 図7は、インナータッチパネルの模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の光学フィルムは、フィルム基材上の一方の面にハードコート層、及びもう一方の面に機能性層を有する光学フィルムにおいて、該機能性層が長さ方向に周期を持たない不規則な突起形状を有し、かつ微粒子又は非反応性ポリマーを実質的に含有しないことを特徴とする。本発明の光学フィルムは、かかる構成の時に、フィルムをロール状に巻いた状態でのブロッキングが防止され、かつ、可とう性に優れた光学フィルム、及び内部散乱に起因するヘイズのない光学フィルムを提供するものである。
本発明に係る機能性層は微粒子又は非反応性ポリマーを含まずに、相溶性の高い樹脂成分だけで構成されているため、耐久性試験においても劣化等が生じ難く、屋外使用を想定した耐久性試験後も優れた可とう性を有した光学フィルムを提供できる。また、機能性層の表面凹凸を形成する突起形状は、微粒子を含有させたり、型付け等によって形成されたものではないため、不規則な状態を有しており、ハードコート層と機能性層が重なりあった場合でも、応力が分散しやすく、優れたブロッキング防止の効果が得られるものである。
また、微粒子又は非反応性ポリマーを含まないため、内部散乱に起因するヘイズが殆どなく、視認性に優れた画像表示装置を提供することができる。更に、タッチパネルを含む液晶表示装置として耐ペン摺動性に優れた光学フィルムを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<光学フィルム>
(微粒子、非反応性ポリマー)
先ずは、本発明の光学フィルムの一つの特徴である機能性層について説明する。機能性層は、表面凹凸を形成する長さ方向に周期を持たない不規則な突起形状を有し、微粒子又は非反応性ポリマーを実質的に含有しないことを特徴とする。なお、長さ方向とは、光学フィルムの製造時、その組成物塗布液が流延された製膜方向をいう。なお、「実質的に含有しない」とは、当該微粒子や非相溶性である樹脂の含有量が、機能性層の固形分に対して、0.01質量%以下であることを表す。但し、機能性層と基材との界面においては、機能性層を形成する際に基材表面付近の構成成分が機能性層側に抽出される場合があるが、基材から抽出された成分が機能性層と基材との界面付近に局在する場合は、この部分を除くものとする。非反応性ポリマーとしては、不飽和二重結合等の官能基(重合性基)を有さない化合物であり、具体的には(メタ)アクリル系やアクリル系の単量体、共重合性単量体、基材フィルムで後述する熱可塑性アクリル樹脂、セルロースエステル樹脂等が挙げられる。微粒子としては、無機微粒子や有機微粒子といった微粒子が挙げられる。具体的には無機微粒子としては、酸化珪素、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等を挙げることができる。また、有機粒子としては、ポリメタアクリル酸メチルアクリレート樹脂粉末、アクリルスチレン系樹脂粉末、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末、ポリスチレン系樹脂粉末、又はメラミン系樹脂粉末等を挙げることができる。次に突起形状について説明する。
(表面形状)
本発明の突起形状は、長さ方向に周期を持たない不規則な形状の突起をしている。本発明の「長さ方向に周期を持たない不規則な形状の突起」とは、表面凹凸がフィルムの幅手方向にも形や大きさが定まらない不規則な形状であり、表面転写ロールにより形成された表面凹凸のようなフィルムの長さ方向に周期を持たない形状の突起をさす。本発明の突起形状としては、例えば、図1に示す(a)や(b)といった幅や高さの異なる突起が、不規則な形状の突起として例示されるが、これらには限定されない。また、「不規則な配置」とは、前記不規則な傾向の突起が規則的に(例えば、等間隔等で)配置されているのではなく、ランダムな間隔で不規則に配置されており、等方的であっても、異方的であってもよい。なお、突起は基材フィルムと接していない機能性層の表面上に現れる。
長さ方向に周期を持たない不規則な突起形状を有することで、ロール状にフィルムを巻き取り、フィルム同士が重なりあった場合でも突起形状が重なり合うことなく、ブロッキング防止の効果が得られると推定される。このため、例えば表面転写ロールを押し当てて表面に突起を形成させる方法では、幅方向には、不規則な突起形状を形成できるが、長さ方向には一定の周期を有する突起形状しか得られない為、本発明の目的効果は得られない。
機能性層の算術平均粗さRa(JIS B0601:1994)は、130nm以下が好ましく、特に好ましくは10〜130nmである。前記範囲の算術平均粗さRaとすることで、より過酷な耐久性試験において、本発明の目的効果が好適に得られるばかりか、密着性にも優れる点で好ましい。
この算術平均粗さRaとするための突起形状の高さは2nm〜4μm、が好ましい。また、突起形状の幅は50nm〜300μm、好ましくは、50nm〜100μmである。上記突起形状の高さ、及び幅は断面観察から求めることができる。よりわかりやすくするために、図1に突起の説明図を示す。図1に示されているように、上記突起形状の高さ、及び幅は、断面観察の画像に中心線aを引き、山の麓を形成する線b、cと中心線aとの2つの交点の距離を、突起サイズの幅tとし、山頂と中心線aまでの距離を突起サイズの高さhとして求めることができる。
機能性層の10点平均粗さRzは、中心線平均粗さRaの10倍以下が好ましい。平均山谷距離Smは、5〜150μmが好ましく、より好ましくは20〜100μmである。凹凸最深部からの凸部高さの標準偏差は、0.5μm以下が好ましい。中心線を基準とした平均山谷距離Smの標準偏差は、20μm以下が好ましく、傾斜角0〜5度の面は、10%以上が好ましい。前記した算術平均粗さRa、平均山谷距離Sm、10点平均粗さRzは、JIS B0601:1994に準じて光学干渉式表面粗さ計(例えば、RST/PLUS、WYKO社製)で測定した値である。
また、機能性層の尖度Rkuは3以下が好ましい。尖度Rkuとは、凹凸形状の凸状部分の形状を規定するパラメータであり、この尖度Rkuの値が大きい程、凹凸形状の凸状部分の形状は、針のように尖った形状であることとなる。尖度Rkuが3を超えるものは、白ボケが発生しやすい。機能性層の尖度Rkuは、更に好ましくは1.5〜2.8である。また、表面の歪度Rskの絶対値は1以下であることが好ましい。前記歪度Rskは、凹凸形状の平均面に対する凸状部分と凹状部分との割合を示すパラメータであり、平均面に対して凸状部分が多いとプラスに大きな値となり、平均面に対して凹状部分が多いとマイナスに大きな値となる。歪度Rskの絶対値が1を超えるものは、白ボケが発生しやすい。歪度Rskの絶対値は、好ましくは0.01〜0.5である。なお、尖度Rku及び歪度Rskは、上記光学干渉式表面粗さ計を用いて計測できる。
本発明の光学フィルムは、JIS−K7105に準じた像鮮明性(透過写像性)が、光学くし幅0.5mmで測定したときに5〜90%となることが好ましく、更に好ましくは5〜80%、特に好ましくは5〜60%であり、前記範囲とすることで、画像ボケ、暗室でのコントラスト低下の抑制効果が得られる。
なお、上述したような特徴を有する機能性層の詳細については後述するが、上記突起形状(表面凹凸)は、例えば、機能性層塗布組成物の乾燥工程における減率乾燥区間の処理温度を高温制御し、樹脂の塗膜対流を発生させ、機能性層表面に不均一な状態を作り、この不均一な表面状態で硬化し、塗膜を形成する方法等によって得ることができる。このような方法で塗膜を形成することで、機能性層の膜強度が向上する。また、機能性層塗布組成物の乾燥工程における減率乾燥区間の処理温度を高温条件に制御する方法は、生産性にも優れる点で好ましい。
(機能性層)
本発明に係る機能性層は活性線硬化樹脂を含有することが好ましい。すなわち、紫外線や電子線のような活性線(活性エネルギー線ともいう)照射により、架橋反応を経て硬化する樹脂を主たる成分とすることが好ましい。活性線硬化樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられる。これらの樹脂に対して、紫外線や電子線のような活性線を照射することにより硬化させて、活性線硬化樹脂層が形成される。活性線硬化樹脂としては、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、紫外線照射によって硬化する樹脂が機械的膜強度(耐擦傷性、鉛筆硬度)に優れる点から好ましい。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型アクリレート系樹脂、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、又は紫外線硬化型エポキシ樹脂等が好ましく用いられる。中でも紫外線硬化型アクリレート系樹脂が好ましい。
紫外線硬化型アクリレート系樹脂としては、多官能アクリレートが好ましい。該多官能アクリレートとしては、ペンタエリスリトール多官能アクリレート、ジペンタエリスリトール多官能アクリレート、ペンタエリスリトール多官能メタクリレート、及びジペンタエリスリトール多官能メタクリレートよりなる群から選ばれることが好ましい。ここで、多官能アクリレートとは、分子中に2個以上のアクリロイルオキシ基又はメタクロイルオキシ基を有する化合物である。多官能アクリレートのモノマーとしては、例えばエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート(ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物)、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、グリセリントリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、活性エネルギー線硬化型のイソシアヌレート誘導体等が好ましく挙げられる。
活性エネルギー線硬化型のイソシアヌレート誘導体としては、イソシアヌル酸骨格に1個以上のエチレン性不飽和基が結合した構造を有する化合物であればよく、特に制限はないが、同一分子内に3個以上のエチレン性不飽和基及び1個以上のイソシアヌレート環を有する化合物が好ましい。
これらの市販品としては、アデカオプトマーKR・BYシリーズ:KR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B((株)ADEKA製);コーエイハードA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(広栄化学(株)製);セイカビームPHC2210(S)、PHC X−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(大日精化工業(株)製);KRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(ダイセル・ユーシービー(株)製);RC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(DIC(株)製);オーレックスNo.340クリヤ(中国塗料(株)製);サンラッドH−601、RC−750、RC−700、RC−600、R−500、RC−611、RC−612(三洋化成工業(株)製);SP−1509、SP−1507(昭和高分子(株)製);RCC−15C(グレース・ジャパン(株)製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060、アロニックスM−215、アロニックスM−315、アロニックスM−313、アロニックスM−327(東亞合成(株)製)、NK−エステルA−TMM−3L、NK−エステルAD−TMP、NK−エステルATM−35E、NKハードB−420、NKエステルA−DOG、NKエステルA−IBD−2E、A−9300、A−9300−1CL(新中村化学工業(株))、PE−3A(共栄社化学(株)製)等が挙げられる。
また、上記活性線硬化樹脂を単独又は2種以上混合しても良い。また活性線硬化型樹脂の25℃における粘度は、好ましくは20mPa・s以上、2000mPa・s以下である。このような低粘度の樹脂を用いることで、前述した突起形状が得られやすく、本発明の目的効果を好適に得られる。また、樹脂の粘度が30mPa・s以上の粘度であれば高官能数のモノマーを用いることができ、十分に優れた硬化性が得られ、2000mPa・s以下の粘度であれば、乾燥工程において樹脂組成物(活性線硬化型樹脂と溶剤以外の添加剤からなる組成物)の十分な流動性が得られやすい。
活性線硬化型樹脂の粘度は、樹脂をディスパーにて攪拌混合し25℃の条件にてB型粘度計を用いて粘度測定を行うことができる。
このような低粘度樹脂としては、グリセリントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等を挙げることが出来る。なお、上記粘度は、25℃の条件にてB型粘度計を用いて粘度測定を行うことができる。
また、機能性層は単官能アクリレートを更に含有しても良い。単官能アクリレートとしては、イソボロニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソオクチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベヘニルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート等が挙げられる。このような単官能アクリレートは、日本化成工業(株)、新中村化学工業(株)、大阪有機化学工業(株)等から入手できる。
単官能アクリレートを用いる場合には、多官能アクリレートと単官能アクリレートの含有質量比で、多官能アクリレート:単官能アクリレートが80:20〜99:1で含有することが好ましい。
また、機能性層には活性線硬化樹脂の硬化促進のため、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤量としては、質量比で、光重合開始剤:活性線硬化樹脂が20:100〜0.01:100で含有することが好ましい。光重合開始剤としては、具体的には、アルキルフェノン系、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等、及び、これらの誘導体を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
このような光重合開始剤は市販品を用いてもよく、例えば、BASFジャパン(株)製のイルガキュア184、イルガキュア907、イルガキュア651等が好ましく挙げられる。
機能性層には、帯電防止性を付与するために導電剤が含まれていても良い。好ましい導電剤としては、金属酸化物微粒子又はπ共役系導電性ポリマーが挙げられる。また、イオン液体も導電性化合物として好ましく用いられる。
機能性層には、塗布性の観点から、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アニオン界面活性剤、及びフッ素−シロキサングラフトポリマーを含有させても良い。また機能性層は HLB値が3〜18の化合物を含有しても良い。HLB値が3〜18の化合物について説明する。HLB値とは、Hydrophile−Lipophile−Balance、親水性−親油性−バランスのことであり、化合物の親水性又は親油性の程度を示す値である。HLB値が小さいほど親油性が高く、値が大きいほど親水性が高くなる。また、HLB値は以下のような計算式によって求めることができる。
HLB=7+11.7Log(Mwa/Mo)
(式中、Mwaは親水基の分子量、Moは親油基の分子量を表し、Mwa+Mo=M(化合物の分子量)である)。
或いはグリフィン法によれば、以下のような計算式によって求めることができる(J.Soc.Cosmetic Chem.,5(1954),294)。
HLB値=20×親水部の式量の総和/分子量
HLB値が3〜18の化合物の具体例を下記に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものでない。( )内はHLB値を示す。
花王(株)製:エマルゲン102KG(6.3)、エマルゲン103(8.1)、エマルゲン104P(9.6)、エマルゲン105(9.7)、エマルゲン106(10.5)、エマルゲン108(12.1)、エマルゲン109P(13.6)、エマルゲン120(15.3)、エマルゲン123P(16.9)、エマルゲン147(16.3)、エマルゲン210P(10.7)、エマルゲン220(14.2)、エマルゲン306P(9.4)、エマルゲン320P(13.9)、エマルゲン404(8.8)、エマルゲン408(10.0)、エマルゲン409PV(12.0)、エマルゲン420(13.6)、エマルゲン430(16.2)、エマルゲン705(10.5)、エマルゲン707(12.1)、エマルゲン709(13.3)、エマルゲン1108(13.5)、エマルゲン1118S−70(16.4)、エマルゲン1135S−70(17.9)、エマルゲン2020G−HA(13.0)、エマルゲン2025G(15.7)、エマルゲンLS−106(12.5)、エマルゲンLS−110(13.4)、エマルゲンLS−114(14.0)、日信化学工業(株)製:サーフィノール104E(4)、サーフィノール104H(4)、サーフィノール104A(4)、サーフィノール104BC(4)、サーフィノール104DPM(4)、サーフィノール104PA(4)、サーフィノール104PG−50(4)、サーフィノール104S(4)、サーフィノール420(4)、サーフィノール440(8)、サーフィノール465(13)、サーフィノール485(17)、サーフィノールSE(6)、信越化学工業(株)製:X−22−4272(7)、X−22−6266(8)、KF−351(12)、KF−352(7)、KF−353(10)、KF−354L(16)、KF−355A(12)、KF−615A(10)、KF−945(4)、KF−618(11)、KF−6011(12)、KF−6015(4)、KF−6004(5)。シリコーン系界面活性剤としては、ポリエーテル変性シリコーンなどを挙げる事ができ、上記信越化学工業社製のKFシリーズなどを挙げる事が出来る。アクリル共重合物としては、ビックケミー・ジャパン社製のBYK−350、BYK−352などの市販品化合物を挙げる事が出来る。フッ素系界面活性剤としては、DIC株式会社製のメガファック RSシリーズ、メガファックF−444メガファックF−556などを挙げる事が出来る。
フッ素−シロキサングラフトポリマーとは、少なくともフッ素系樹脂に、シロキサン及び/又はオルガノシロキサン単体を含むポリシロキサン及び/又はオルガノポリシロキサンをグラフト化させて得られる共重合体のポリマーをいう。このようなフッ素−シロキサングラフトポリマーは、後述の実施例に記載されているような方法で調製することができる。あるいは、市販品としては、富士化成工業(株)製のZX−022H、ZX−007C、ZX−049、ZX−047−D等を挙げることができる。また、これら成分は、塗布液中の固形分成分に対し、0.005質量%以上、5質量%以下の範囲で添加することが好ましい。また、機能性層は、後述する基材フィルムで説明する紫外線吸収剤を更に含有しても良い。紫外線吸収剤を含有する場合のフィルムの構成としては、機能性層が2層以上で構成され、かつ基材フィルムと接する機能性層に紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
紫外線吸収剤の含有量としては、質量比で、紫外線吸収剤:機能性層構成樹脂が0.01:100〜10:100で含有することが好ましい。2層以上設ける場合、基材フィルムと接する機能性層の膜厚は、0.05〜2μmの範囲であることが好ましい。2層以上の積層は、逐次重層で形成するか、同時重層で形成しても良い。同時重層とは、乾燥工程を経ずに基材フィルム上に2層以上の機能性層をwet on wetで塗布して、機能性層を形成する方法である。第一機能性層の上に乾燥工程を経ずに、第二機能性層をwet on wetで積層するには、押し出しコーターにより逐次重層するか、若しくは複数のスリットを有するスロットダイにて同時重層を行えばよい。
機能性層は、上記した機能性層を形成する成分を、基材フィルムを膨潤又は一部溶解する溶剤で希釈して機能性層組成物とし、この機能性層組成物を以下の方法でフィルム基材上に塗布、乾燥、硬化して設けることが好ましい。溶剤としては、ケトン(メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等)、酢酸エステル(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、アルコール(メタノール、エタノール等)、グリコールエーテル(プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等)等が好ましく、これら溶剤の中でもケトン、エステル、グリコールエーテルが好ましい。これら好ましい溶剤の少なくとも1種を活性線硬化樹脂100質量部に対して、20〜200質量部の範囲で用いることで、機能性層組成物を基材フィルムに塗布後、機能性層組成物の溶剤が蒸発しながら、機能性層を形成していく過程で、樹脂の対流が生じやすく、その結果、長手方向に不規則で、かつ基材フィルム上にも不規則な突起形状を有する表面粗れが発現しやすく、算術平均粗さRaも制御しやすいため好ましい。
機能性層を形成する機能性層組成物の塗布量は、ウェット膜厚として0.1〜40μmが適当であり、好ましくは、0.5〜30μmである。また、平均膜厚がドライ膜厚として0.05〜20μmが適当であり、好ましくは1〜10μmである。機能性層を形成する機能性層組成物の塗布方法としては、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、インクジェット法等の公知の方法を用いることが出来る。機能性層は、これら塗布方法を用いて機能性層を形成する機能性層組成物を塗布し、塗布後、乾燥し、活性線を照射(UV硬化処理とも言う)し、更に必要に応じて、UV硬化後に加熱処理することにより形成できる。UV硬化後の加熱処理温度としては80℃以上が好ましく、更に好ましくは100℃以上であり、特に好ましくは120℃以上である。このような高温でUV硬化後の加熱処理を行うことで、膜強度に優れた機能性層を得ることができる。
乾燥は、減率乾燥区間の温度を90℃以上の高温処理で行うことが好ましい。更に好ましくは、減率乾燥区間の温度は90℃以上、140℃以下である。減率乾燥区間の温度を高温処理とすることにより、機能性層の形成時に塗膜樹脂中において対流が生じるため、機能性層表面に不規則な表面粗れが発現しやすく、前記した算術平均粗さRaに制御しやすいため好ましい。
一般に乾燥プロセスは、乾燥が始まると、乾燥速度が一定の状態から徐々に減少する状態へと変化していくことが知られており、乾燥速度が一定の区間を恒率乾燥区間、乾燥速度が減少していく区間を減率乾燥区間と呼ぶ。恒率乾燥区間においては流入する熱量はすべて塗膜表面の溶媒蒸発に費やされており、塗膜表面の溶媒が少なくなると蒸発面が表面から内部に移動して減率乾燥区間に入る。これ以降は塗膜表面の温度が上昇し熱風温度に近づいていくため、活性線硬化型樹脂組成物の温度が上昇し、樹脂粘度が低下して流動性が増すと考えられる。
UV硬化処理の光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常50〜1000mJ/cm、好ましくは50〜300mJ/cmである。
活性線を照射する際には、フィルムの搬送方向に張力を付与しながら行うことが好ましく、更に好ましくは幅方向にも張力を付与しながら行う。付与する張力は、30〜300N/mが好ましい。張力を付与する方法は特に限定されず、バックロール上で搬送方向に張力を付与してもよく、テンターにて幅方向、又は2軸方向に張力を付与してもよい。これによって更に平面性の優れたフィルムを得ることができる。
(ハードコート層)
次にハードコート層について説明する。ハードコート層を形成する成分としては、機能性層の説明で記載した成分を用いることが出来る。また、膜厚も機能性層で前述した範囲が好ましい。ハードコート層は機能性層を設けるフィルム基材上に塗布、乾燥、硬化、更に必要に応じて熱処理する方法で、ハードコート層を形成することが出来る。ハードコート層は算術平均粗さRaが、10nm未満が好ましく、2nm未満がより好ましい。Raが前記範囲であれば、非常に平滑な面が得られ、画像表示装置に用いた際の視認性が好適に得られる。
<光学フィルムの物性>
(ヘイズ)
光学フィルムの内部散乱に起因するヘイズ(以後、内部ヘイズとも記載する)は、0〜1%であることが好ましい。内部散乱を良好に抑性することで、本発明に係る光学フィルムを画像表示装置に用いた場合、優れた視認性が得られる。内部ヘイズは以下の手順で測定することができる。光学フィルムの表面及び裏面にシリコーンオイルを数滴滴下し、厚さ1mmのガラス板(ミクロスライドガラス、品番S 9111、松浪硝子工業(株)製)2枚で、裏表より光学的に密着するよう挟み、この状態でヘイズ(Ha)をJIS K7136に準じて測定する。次に、同様のガラス板2枚を準備し、これらガラス板2枚の間にシリコーンオイルのみ数滴滴下して挟みこんでガラスヘイズ(Hb)を測定する。ヘイズ(Ha)から、ガラスヘイズ(Hb)を引くことで、内部ヘイズ(Hi)を算出する。また、光学フィルムの内部ヘイズは0.2〜20%であることが好ましい。
(硬度)
本発明での光学フィルムは、硬度の指標で有る鉛筆硬度がH以上、より好ましくは3H以上である。3H以上であれば、屋外用途で用いられることが多い、大型の画像表示装置や、デジタルサイネージ用画像表示装置の表面保護フィルムとして用いた際も優れた機械特性を示す。鉛筆硬度は、作製した光学性フィルムを温度23℃、相対湿度55%の条件で2時間以上調湿した後、加重500g条件でJIS S 6006が規定する試験用鉛筆を用いて、ハードコート層及び/又は機能性層をJIS K5400が規定する鉛筆硬度評価方法に従い測定した値である。
次いで、基材フィルムについて説明する。
<基材フィルム>
基材フィルムは製造が容易であること、機能性層やハードコート層と接着し易いこと、光学的に等方性を有することが好ましい。
上記性質を有する基材フィルムであれば何れでもよく、例えば、トリアセチルセルロースフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム等のセルロースエステル系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム又はアクリルフィルム等を使用することができる。
これらの内、セルロースエステルフィルム(例えば、コニカミノルタタックKC8UX、KC4UX、KC5UX、KC8UCR3、KC8UCR4、KC8UCR5、KC8UY、KC4UY、KC4UE、及びKC12UR(以上、コニカミノルタオプト(株)製))、ポリカーボネートフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリエステルフィルムが好ましく、本発明においては、セルロースエステルフィルムが機能性層で上記した突起形状が得られやすいこと、製造性、コスト面から好ましい。
基材フィルムの屈折率は、1.30〜1.70であることが好ましく、1.40〜1.65であることがより好ましい。屈折率は、(株)アタゴ製 アッベ屈折率計2Tを用いてJIS K7142の方法で測定する。
(セルロースエステルフィルム)
次に、基材フィルムとして好ましいセルロースエステルフィルムについて、より詳細に説明する。
セルロースエステルフィルムは、上記特性を有するものであれば特に限定はされないが、セルロースエステル樹脂(以下、セルロースエステルともいう)は、セルロースの低級脂肪酸エステルであることが好ましい。セルロースの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味し、例えば、セルロースアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等や、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステルを用いることができる。
これらの中でも、特に好ましく用いられるセルロースの低級脂肪酸エステルはセルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートである。これらのセルロースエステルは単独或いは混合して用いることができる。
セルロースジアセテートは、平均酢化度(結合酢酸量)51.0〜56.0%が好ましく用いられる。また、市販品としては、(株)ダイセル製のL20、L30、L40、L50、イーストマンケミカルジャパン(株)製のCa398−3、Ca398−6、Ca398−10、Ca398−30、Ca394−60Sが挙げられる。
セルローストリアセテートは、平均酢化度(結合酢酸量)54.0〜62.5%のものが好ましく用いられ、更に好ましいのは、平均酢化度が58.0〜62.5%のセルローストリアセテートである。
セルローストリアセテートとしては、アセチル基置換度が2.80〜2.95であり、数平均分子量(Mn)が125000以上、155000未満であり、重量平均分子量(Mw)が265000以上310000未満であり、Mw/Mnが1.9〜2.1であるセルローストリアセテートA、アセチル基置換度が2.75〜2.90であり、Mnが155000以上、180000未満であり、Mwが290000以上、360000未満であり、Mw/Mnが1.8〜2.0であるセルローストリアセテートBを含有することが好ましい。
セルロースアセテートプロピオネートは、炭素原子数2〜4のアシル基を置換基として有し、アセチル基の置換度をXとし、プロピオニル基又はブチリル基の置換度をYとした時、下記式(I)及び(II)を同時に満たすものが好ましい。
式(I) 2.6≦X+Y≦3.0
式(II) 0≦X≦2.5
中でも1.9≦X≦2.5、0.1≦Y≦0.9であることが好ましい。セルロースエステルのMn及びMwは、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定できる。測定条件は以下の通りである。
溶媒:メチレンクロライド
カラム:Shodex K806、K805、K803G
(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ:L6000(日立製作所(株)製)
流量:1.0ml/min
校正曲線:標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mwが1000000〜500の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
(セルロースエステル樹脂・熱可塑性アクリル樹脂含有フィルム)
基材フィルムは、熱可塑性アクリル樹脂とセルロースエステル樹脂とを含有し、熱可塑性アクリル樹脂とセルロースエステル樹脂の含有質量比が、熱可塑性アクリル樹脂:セルロースエステル樹脂が95:5〜50:50であるセルロースエステル樹脂・熱可塑性アクリル樹脂含有フィルムを用いても良い。
アクリル樹脂には、メタクリル樹脂も含まれる。アクリル樹脂としては、特に制限されるものではないが、メチルメタクリレート単位50〜99質量%、及びこれと共重合可能な他の単量体単位1〜50質量%からなるものが好ましい。共重合可能な他の単量体としては、アルキル数の炭素数が2〜18のアルキルメタクリレート、アルキル数の炭素数が1〜18のアルキルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸等のα,β−不飽和酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和基含有二価カルボン酸、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のα,β−不飽和ニトリル、無水マレイン酸、マレイミド、N−置換マレイミド、グルタル酸無水物等が挙げられ、これらは単独で、あるいは2種以上の単量体を併用して用いることができる。
これらの中でも、共重合体の耐熱分解性や流動性の観点から、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、s−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が好ましく、メチルアクリレートやn−ブチルアクリレートが特に好ましく用いられる。また、Mwは80000〜500000であることが好ましく、更に好ましくは、110000〜500000の範囲内である。
アクリル樹脂のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定することができる。アクリル樹脂の重合方法としては、特に制限は無く、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、あるいは溶液重合等の公知の方法を採用しても良い。重合開始剤としては、通常のパーオキサイド系の重合開始剤及びアゾ系の重合開始剤を用いることができ、また、レドックス系の重合開始剤を用いることもできる。重合温度については、懸濁又は乳化重合では30〜100℃、塊状又は溶液重合では80〜160℃を採用することができる。得られた共重合体の還元粘度を制御するために、アルキルメルカプタン等の連鎖移動剤を用いて重合を実施することもできる。また、市販の連鎖移動剤も使用することができる。例えば、デルペット60N、80N(旭化成ケミカルズ(株)製)、ダイヤナールBR52、BR80,BR83,BR85,BR88(三菱レイヨン(株)製)、KT75(電気化学工業(株)製)等を使用することができる。アクリル樹脂は2種以上を併用することもできる。また、アクリル樹脂には、(メタ)アクリル系ゴムと芳香族ビニル化合物の共重合体に(メタ)アクリル系樹脂がグラフトされたグラフト共重合体を用いてもよい。前記グラフト共重合体は、(メタ)アクリル系ゴムと芳香族ビニル化合物の共重合体がコア(core)を構成し、その周辺に前記(メタ)アクリル系樹脂がシェル(shell)を構成するコア−シェルタイプのグラフト共重合体であることが好ましい。
基材フィルムにおけるアクリル樹脂とセルロースエステル樹脂の総質量は、基材フィルムの55質量%以上であることが好ましく、更に好ましくは60質量%以上であり、特に好ましくは、70質量%以上である。基材フィルムは、熱可塑性アクリル樹脂、セルロースエステル樹脂以外の樹脂や添加剤を含有して構成されていても良い。
(アクリル粒子)
基材フィルムは、脆性を改善する観点から、アクリル粒子を含有しても良い。アクリル粒子とは、前記熱可塑性アクリル樹脂及びセルロースエステル樹脂を相溶状態で含有する基材フィルム中に粒子の状態(非相溶状態ともいう)で存在するアクリル成分を表す。
アクリル粒子は特に限定されるものではないが、多層構造アクリル系粒状複合体であることが好ましい。多層構造アクリル系粒状複合体の市販品としては、例えば、三菱レイヨン(株)製“メタブレン”、鐘淵化学工業(株)製“カネエース”、呉羽化学工業(株)製“パラロイド”、ロームアンドハース社製“アクリロイド”、ガンツ化成工業(株)製“スタフィロイド”及びクラレ(株)製“パラペットSA”等が挙げられ、これらは、単独ないし2種以上を用いることができる。基材フィルムにアクリル粒子を添加する場合は、アクリル樹脂とセルロースエステル樹脂との混合物の屈折率とアクリル粒子の屈折率が近いことが、透明性が高いフィルムを得る点では好ましい。具体的には、アクリル粒子とアクリル樹脂との屈折率差が0.05以下であることが好ましく、より好ましくは0.02以下、さらに好ましくは0.01以下である。
アクリル微粒子は、該フィルムを構成するアクリル樹脂とセルロースエステル樹脂の総質量に対して、含有質量比でアクリル微粒子:アクリル樹脂とセルロースエステル樹脂総質量が0.5:100〜30:100の範囲で含有させることで、目的効果がより良く発揮される点から好ましく、更に好ましくは、アクリル微粒子:アクリル樹脂とセルロースエステル樹脂の総質量が1.0:100〜15:100の範囲である。
(微粒子)
本実施形態に係る基材フィルムには、取扱性を向上させる為、例えば二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子等のマット剤を含有させることが好ましい。中でも二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを小さくできるので好ましく用いられる。
微粒子の1次平均粒子径としては、20nm以下が好ましく、更に好ましくは、5〜16nmであり、特に好ましくは、5〜12nmである。
(その他の添加剤)
基材フィルムには、組成物の流動性や柔軟性を向上するために、可塑剤を併用することもできる。可塑剤としては、フタル酸エステル系、脂肪酸エステル系、トリメリット酸エステル系、リン酸エステル系、ポリエステル系、糖エステル系、アクリル系ポリマー等が挙げられる。この中では、ポリエステル系、糖エステル系及びアクリル系ポリマーの可塑剤が好ましく用いられる。ポリエステル系可塑剤は、フタル酸ジオクチル等のフタル酸エステル系の可塑剤に比べて非移行性や耐抽出性に優れる。用途に応じてこれらの可塑剤を選択、あるいは併用することによって、広範囲の用途に適用できる。アクリル系ポリマーとしては、アクリル酸又はメタクリル酸アルキルエステルのホモポリマー又はコポリマーが好ましい。アクリル酸エステルのモノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル(i−、n−)、アクリル酸ブチル(n−、i−、s−、t−)、アクリル酸ペンチル(n−、i−、s−)、アクリル酸ヘキシル(n−、i−)、アクリル酸ヘプチル(n−、i−)、アクリル酸オクチル(n−、i−)、アクリル酸ノニル(n−、i−)、アクリル酸ミリスチル(n−、i−)、アクリル酸(2−エチルヘキシル)、アクリル酸(ε−カプロラクトン)、アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(4−ヒドロキシブチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシブチル)、アクリル酸(2−メトキシエチル)、アクリル酸(2−エトキシエチル)等、又は上記アクリル酸エステルをメタクリル酸エステルに変えたものを挙げることが出来る。アクリル系ポリマーは上記モノマーのホモポリマー又はコポリマーであるが、アクリル酸メチルエステルモノマー単位が30質量%以上であることが好ましく、またメタクリル酸メチルエステルモノマー単位が40質量%以上であることが好ましい。特にアクリル酸メチル又はメタクリル酸メチルのホモポリマーが好ましい。
ポリエステル系可塑剤は、一価ないし四価のカルボン酸と一価ないし六価のアルコールとの反応物であるが、主に二価カルボン酸とグリコールとを反応させて得られたものが用いられる。代表的な二価カルボン酸としては、グルタル酸、イタコン酸、アジピン酸、フタル酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられる。またポリエステル系可塑剤は、好ましくは、芳香族末端エステル系可塑剤である。芳香族末端エステル系可塑剤としては、フタル酸、アジピン酸、少なくとも一種のベンゼンモノカルボン酸及び少なくとも一種の炭素数2〜12のアルキレングリコールとを反応させた構造を有するエステル化合物が好ましく、最終的な化合物の構造としてアジピン酸残基及びフタル酸残基を有していればよい。エステル化合物を製造する際には、ジカルボン酸の酸無水物又はエステル化物として反応させてもよい。
ベンゼンモノカルボン酸成分としては、例えば、安息香酸、パラターシャリブチル安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、ノルマルプロピル安息香酸、アミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸等があり、安息香酸であることが最も好ましい。また、これらはそれぞれ1種又は2種以上の混合物として使用することができる。
炭素数2〜12のアルキレングリコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等が挙げられる。これらの中では特に1,2−プロピレングリコールが好ましい。これらのグリコールは、1種又は2種以上の混合物として使用してもよい。芳香族末端エステル系可塑剤は、オリゴエステル、ポリエステルの型のいずれでもよく、分子量は100〜10000の範囲が良いが、好ましくは350〜3000の範囲である。また酸価は1.5mgKOH/g以下、水酸基価は25mgKOH/g以下、より好ましくは酸価は0.5mgKOH/g以下、水酸基価は15mgKOH/g以下である。
具体的には以下に示す化合物等が挙げられるがこれらに限定されない。
Figure 2012073437
Figure 2012073437
糖エステル系化合物としては、下記単糖、二糖、三糖又はオリゴ糖等の糖のOH基のすべてもしくは一部をエステル化した化合物であり、より具体的な例示としては、一般式(1)で表される化合物等をあげることができる。
Figure 2012073437
(式中、R〜Rは、置換又は無置換の炭素数2〜22のアルキルカルボニル基、或いは、置換又は無置換の炭素数2〜22のアリールカルボニル基を表し、R〜Rは、同じであっても、異なっていてもよい。)
以下に一般式(1)で示される化合物をより具体的(化合物1−1〜化合物1−23)に示すが、これらに限定はされない。
Figure 2012073437
Figure 2012073437
Figure 2012073437
これら可塑剤は、基材フィルム100質量部に対して、0.5〜30質量部を添加するのが好ましい。基材フィルムは、紫外線吸収剤を含有することが好ましく、用いられる紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、2−ヒドロキシベンゾフェノン系又はサリチル酸フェニルエステル系等の紫外線吸収剤が挙げられる。例えば、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のトリアゾール類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類を挙げることができる。
なお、紫外線吸収剤のうちでも、分子量が400以上の紫外線吸収剤は、高沸点で揮発しにくく、高温成形時にも飛散しにくいため、比較的少量の添加で効果的に耐候性を改良することができる。
分子量が400以上の紫外線吸収剤としては、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2−ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等のベンゾトリアゾール系、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート等のヒンダードアミン系、更には2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の分子内にヒンダードフェノールとヒンダードアミンの構造を共に有するハイブリッド系の紫外線吸収剤が挙げられ、これらは単独で、あるいは2種以上を併用して使用することができる。これらのうちでも、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2−ベンゾトリアゾールや2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]が特に好ましい。これらは、市販品を用いてもよく、例えば、BASFジャパン(株)製のチヌビン109、チヌビン171、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン328、チヌビン928等のチヌビン類を好ましく使用できる。
更に、基材フィルムには、成形加工時の熱分解性や熱着色性を改良するために各種の酸化防止剤を添加することもできる。また帯電防止剤を加えて、基材フィルムに帯電防止性能を与えることも可能である。
基材フィルムには、リン系難燃剤を配合した難燃アクリル系樹脂組成物を用いても良い。ここで用いられるリン系難燃剤としては、赤リン、トリアリールリン酸エステル、ジアリールリン酸エステル、モノアリールリン酸エステル、アリールホスホン酸化合物、アリールホスフィンオキシド化合物、縮合アリールリン酸エステル、ハロゲン化アルキルリン酸エステル、含ハロゲン縮合リン酸エステル、含ハロゲン縮合ホスホン酸エステル、含ハロゲン亜リン酸エステル等から選ばれる1種、あるいは2種以上の混合物を挙げることができる。具体的な例としては、トリフェニルホスフェート、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキシド、フェニルホスホン酸、トリス(β−クロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート等が挙げられる。
基材フィルムは張力軟化点としては、近年、液晶表示装置に代表される画像表示装置が大型化され、バックライト光源の輝度が益々高くなっていることに加え、デジタルサイネージ等の屋外用途への利用により、基材フィルムはより高温の環境下での使用に耐えられることが求められている観点から、105〜145℃であれば、十分な耐熱性を示すと判断でき好ましく、特に110〜130℃であることが好ましい。張力軟化点の具体的な測定方法としては、例えば、テンシロン試験機(ORIENTEC社製、RTC−1225A)を用いて、光学フィルムを120mm(縦)×10mm(幅)で切り出し、10Nの張力で引っ張りながら30℃/minの昇温速度で昇温を続け、9Nになった時点での温度を3回測定し、その平均値により求めることができる。ガラス転移温度とは、示差走査熱量測定器(Perkin Elmer社製DSC−7型)を用いて、昇温速度20℃/分で測定し、JIS K7121(1987)に従い求めた中間点ガラス転移温度(Tmg)である。
基材フィルムは、直径5μm以上の欠点が1個/10cm四方以下であることが好ましい。更に好ましくは0.5個/10cm四方以下、一層好ましくは0.1個/10cm四方以下である。ここで欠点の直径とは、欠点が円形の場合はその直径を示し、円形でない場合は欠点の範囲を下記方法により顕微鏡で観察して決定し、その最大径(外接円の直径)とする。
欠点の範囲は、欠点が気泡や異物の場合は、欠点を微分干渉顕微鏡の透過光で観察したときの影の大きさである。欠点が、ロール傷の転写や擦り傷等、表面形状の変化の場合は、欠点を微分干渉顕微鏡の反射光で観察して大きさを確認できる。
欠点の個数が1個/10cm四方より多いと、例えば後工程での加工時等でフィルムに張力がかかると、欠点を基点としてフィルムが破断して生産性が低下する場合がある。また、欠点の直径が5μm以上になると、偏光板観察等により目視で確認でき、光学部材として用いたとき輝点が生じる場合がある。
また、目視で確認できない場合でも、機能性層やハードコート層等を形成したときに、塗膜が均一に形成できず欠点(塗布抜け)となる場合がある。ここで、欠点とは、溶液製膜の乾燥工程において溶媒の急激な蒸発に起因して発生するフィルム中の空洞(発泡欠点)や、製膜原液中の異物や製膜中に混入する異物に起因するフィルム中の異物(異物欠点)を言う。また、基材フィルムは、JIS−K7127−1999に準拠した測定において、少なくとも一方向の破断伸度が、10%以上であることが好ましく、より好ましくは20%以上である。破断伸度の上限は特に限定されるものではないが、現実的には250%程度である。破断伸度を大きくするには異物や発泡に起因するフィルム中の欠点を抑制することが有効である。
(光学特性)
基材フィルムは、その全光線透過率が90%以上であることが好ましく、より好ましくは93%以上である。また、現実的な上限としては、99%程度である。ヘイズ値は2%以下が好ましく、より好ましくは1.5%以下である。全光線透過率、ヘイズ値はJIS K7361及びJIS K7136に準じて測定することが出来る。
かかる全光線透過率にて表される優れた透明性を達成するには、可視光を吸収する添加剤や共重合成分を導入しないようにすることや、ポリマー中の異物を高精度濾過により除去し、フィルム内部の光の拡散や吸収を低減させることが有効である。また、製膜時のフィルム接触部(冷却ロール、カレンダーロール、ドラム、ベルト、溶液製膜における塗布基材、搬送ロール等)の表面粗さを小さくしてフィルム表面の表面粗さを小さくすることや、アクリル樹脂の屈折率を小さくすることによりフィルム表面の光の拡散や反射を低減させることが有効である。
また、基材フィルムの波長590nmにおける、面内リターデーションRoが0〜5nm、厚み方向のリターデーションRthが−10〜10nmの範囲である基材フィルムが好ましい。更にRthは−5〜5nmの範囲であることがより好ましい。
Ro及びRthは下記式(III)及び(IV)で定義された値である。
式(III) Ro=(nx−ny)×d
式(IV) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
(式中、nxは基材フィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nyは基材フィルム面内で遅相軸に直交する方向の屈折率、nzは基材フィルムの厚み方向の屈折率、dは基材フィルムの厚み(nm)をそれぞれ表す)。
上記リターデーションは、例えばKOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、23℃、55%RH(相対湿度)の環境下で、波長が590nmで求めることができる。
上記リターデーションに制御した基材フィルムを用いることで、より過酷な耐久性試験において、本発明の目的効果が得られやすい事やインナータッチパネルなどに用いた際の視認性に優れる点から好ましい。リターデーションは、前述した可塑剤の種類や添加量、及び基材フィルムの膜厚や延伸条件等で、調整できる。
(基材フィルムの製膜)
次に、基材フィルムの製膜方法の例を説明するが、これに限定されるものではない。基材フィルムの製膜方法としては、インフレーション法、T−ダイ法、カレンダー法、切削法、流延法、エマルジョン法、ホットプレス法等の製造法が使用できる。
(有機溶媒)
基材フィルムを溶液流延製膜法で製造する場合の樹脂溶液(ドープ組成物)を形成するのに有用な有機溶媒は、アクリル樹脂、セルロースエステル樹脂などの樹脂、その他の添加剤を同時に溶解するものであれば制限なく用いることが出来る。例えば、塩素系有機溶媒としては、塩化メチレン、非塩素系有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等を挙げることが出来、塩化メチレン、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトンを好ましく使用し得る。前記溶媒は、アクリル樹脂やセルロースエステル樹脂などの樹脂、及びその他の添加剤を計15〜45質量%溶解させたドープ組成物であることが好ましい。
〔溶液流延製膜法〕
溶液流延製膜法では、樹脂及び添加剤を溶剤に溶解させてドープを調製する工程、ドープをベルト状もしくはドラム状の金属支持体上に流延する工程、流延したドープをウェブとして乾燥する工程、金属支持体から剥離する工程、延伸又は幅保持する工程、更に乾燥する工程、仕上がったフィルムを巻き取る工程により行われる。
金属支持体としては、ステンレススティールベルト若しくは鋳物で表面をメッキ仕上げしたドラムが好ましく用いられる。
キャストの幅は1〜4mとすることができる。流延工程の金属支持体の表面温度は−50℃〜溶剤が沸騰して発泡しない温度以下に設定される。温度が高い方がウェブの乾燥速度が速くできるので好ましいが、余り高すぎるとウェブが発泡したり、平面性が劣化する場合がある。
好ましい支持体温度としては0〜100℃で適宜決定され、5〜30℃が更に好ましい。又は、冷却することによってウェブをゲル化させて残留溶媒を多く含んだ状態でドラムから剥離することも好ましい方法である。金属支持体の温度を制御する方法は特に制限されないが、温風又は冷風を吹きかける方法や、温水を金属支持体の裏側に接触させる方法がある。温水を用いる方が熱の伝達が効率的に行われるため、金属支持体の温度が一定になるまでの時間が短く好ましい。
温風を用いる場合は溶媒の蒸発潜熱によるウェブの温度低下を考慮して、溶媒の沸点以上の温風を使用しつつ、発泡も防ぎながら目的の温度よりも高い温度の風を使う場合がある。
特に、流延から剥離するまでの間で支持体の温度及び乾燥風の温度を変更し、効率的に乾燥を行うことが好ましい。
基材フィルムが良好な平面性を示すためには、金属支持体からウェブを剥離する際の残留溶媒量が10〜150質量%であることが好ましく、更に好ましくは20〜40質量%又は60〜130質量%であり、特に好ましくは、20〜30質量%又は70〜120質量%である。
残留溶媒量は下記式で定義される。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
なお、Mはウェブ又はフィルムを製造中又は製造後の任意の時点で採取した試料の質量で、NはMを115℃で1時間の加熱後の質量である。
また、基材フィルムの乾燥工程においては、ウェブを金属支持体より剥離し、更に乾燥し、残留溶媒量を1質量%以下にすることが好ましく、更に好ましくは0.1質量%以下であり、特に好ましくは0〜0.01質量%以下である。
フィルム乾燥工程では一般にロール乾燥方式(上下に配置した多数のロールにウェブを交互に通し乾燥させる方式)やテンター方式でウェブを搬送させながら乾燥する方式が採られる。
延伸工程では、フィルムの長手方向(MD方向)、及び幅手方向(TD方向)に対して、逐次又は同時に延伸することができる。互いに直交する2軸方向の延伸倍率は、それぞれ最終的にはMD方向に1.0〜2.0倍、TD方向に1.05〜2.0倍の範囲とすることが好ましく、MD方向に1.0〜1.5倍、TD方向に1.05〜2.0倍の範囲で行うことが好ましい。例えば、複数のロールに周速差をつけ、その間でロール周速差を利用してMD方向に延伸する方法、ウェブの両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔を進行方向に広げてMD方向に延伸する方法、同様に横方向に広げてTD方向に延伸する方法、或いはMD方向およびTD方向を同時に広げて両方向に延伸する方法等が挙げられる。
製膜工程のこれらの幅保持或いは幅手方向の延伸はテンターによって行うことが好ましく、ピンテンターでもクリップテンターでもよい。
テンター等の製膜工程でのフィルム搬送張力は温度にもよるが、120〜200N/mが好ましく、140〜200N/mが更に好ましい。140〜160N/mが最も好ましい。
延伸する際の温度は、基材フィルムのガラス転移温度をTgとすると(Tg−30)〜(Tg+100)℃、より好ましくは(Tg−20)〜(Tg+80)℃、更に好ましく(Tg−5)〜(Tg+20)℃である。
基材フィルムのTgは、フィルムを構成する材料種及び構成する材料の比率によって制御することができる。本発明の用途においてはフィルムの乾燥時のTgは110℃以上が好ましく、更に120℃以上が好ましい。特に好ましくは150℃以上である。
従ってガラス転移温度は190℃以下、より好ましくは170℃以下であることが好ましい。フィルムのTgはJIS K7121に記載の方法等によって求めることができる。
延伸する際の温度は150℃以上、延伸倍率は1.15倍以上にすると、表面が適度に粗れる為好ましい。フィルム表面を粗らすことにより、滑り性が向上するとともに、表面加工性、特に防眩層の密着性が向上するため好ましい。
〔溶融流延製膜法〕
基材フィルムは、溶融流延製膜法によって製膜しても良い。溶融流延製膜法は、樹脂及び可塑剤等の添加剤を含む組成物を、流動性を示す温度まで加熱溶融し、その後、流延することをいう。
溶融流延製膜法では、機械的強度及び表面精度等の点から、溶融押出し法が好ましい。溶融押出しに用いる複数の原材料は、通常予め混錬してペレット化しておくことが好ましい。
ペレット化は、公知の方法でよく、例えば、乾燥セルロースエステルや可塑剤、その他添加剤をフィーダーで押出し機に供給し1軸や2軸の押出し機を用いて混錬し、ダイからストランド状に押出し、水冷又は空冷し、カッティングすることでできる。
添加剤は、押出し機に供給する前に混合しておいてもよいし、それぞれ個別のフィーダーで供給してもよい。
粒子や酸化防止剤等の少量の添加剤は、均一に混合するため、事前に混合しておくことが好ましい。
押出し機は、剪断力を抑え、樹脂が劣化(分子量低下、着色、ゲル生成等)しないように、ペレット化できる程度になるべく低温で加工することが好ましい。例えば、2軸押出し機の場合、深溝タイプのスクリューを用いて、同方向に回転させることが好ましい。混錬の均一性から、噛み合いタイプが好ましい。
以上のようにして得られたペレットを用いてフィルム製膜を行う。もちろんペレット化せず、原材料の粉末をそのままフィーダーで押出し機に供給し、そのままフィルム製膜することも可能である。
上記ペレットを1軸や2軸タイプの押出し機を用いて、押出す際の溶融温度を200〜300℃程度とし、リーフディスクタイプのフィルター等で濾過し異物を除去した後、Tダイからフィルム状に流延し、冷却ロールと弾性タッチロールでフィルムをニップし、冷却ロール上で固化させることにより、フィルムを製膜する。
供給ホッパーから押出し機へ導入する際は真空下又は減圧下や不活性ガス雰囲気下にして酸化分解等を防止することが好ましい。
押出し流量は、ギヤポンプを導入する等して安定に調整することが好ましい。また、異物の除去に用いるフィルターは、ステンレス繊維焼結フィルターが好ましく用いられる。ステンレス繊維焼結フィルターは、ステンレス繊維体を複雑に絡み合った状態を作り出した上で圧縮し接触箇所を焼結し一体化したもので、その繊維の太さと圧縮量により密度を変え、濾過精度を調整できる。
可塑剤や粒子等の添加剤は、予め樹脂と混合しておいてもよいし、押出し機の途中で練り込んでもよい。均一に添加するために、スタチックミキサー等の混合装置を用いることが好ましい。
冷却ロールと弾性タッチロールでフィルムをニップする際のタッチロール側のフィルム温度はフィルムのTg以上(Tg+110℃)以下にすることが好ましい。このような目的で使用する弾性体表面を有するロールは、公知のロールが使用できる。
弾性タッチロールは挟圧回転体ともいう。弾性タッチロールとしては、市販されているものを用いることもできる。
冷却ロールからフィルムを剥離する際は、張力を制御してフィルムの変形を防止することが好ましい。
また、上記のようにして得られたフィルムは、冷却ロールに接する工程を通過後、前記延伸操作により延伸することが好ましい。
延伸する方法は、公知のロール延伸機やテンター等を好ましく用いることができる。延伸温度は、通常フィルムを構成する樹脂のTg〜(Tg+60)℃の温度範囲で行われることが好ましい。
巻き取る前に、製品となる幅に端部をスリットして裁ち落とし、巻き中の貼り付きやすり傷防止のために、ナール加工(エンボッシング加工)を両端に施してもよい。ナール加工の方法は凸凹のパターンを側面に有する金属リングを用いて加熱や加圧をすることにより加工することができる。なお、フィルム両端部のクリップの把持部分は通常、フィルムが変形しており製品として使用できないので切除され、再利用される。
(基材フィルムの物性)
本実施形態における基材フィルムの膜厚は、特に限定はされないが10〜250μmが好ましく、より好ましくは10〜100μmであり、更に好ましくは20〜60μmである。前記範囲とすることで、基材フィルムの取り扱い性に優れる。本発明に係る基材フィルムの幅は、1〜4mのものが好ましく用いられ、より好ましくは1.4〜4mであり、更に好ましくは1.6〜3mである。4mを超えると搬送が困難となる。
また、基材フィルムの長さは、1000〜10000mが好ましく、より好ましくは3000〜8000mである。前記長さの範囲とすることで、機能性層等の塗布における加工適正や基材フィルム自体のハンドリング性に優れる。
また、基材フィルムの算術平均粗さRaは、好ましくは2.0〜4.0nm、より好ましくは2.5〜3.5nmである。算術平均粗さRaは、JIS B0601:1994に準じて測定できる。
<その他の層>
本発明の光学フィルムには、反射防止層や透明導電性薄層等、その他の層を設けることができる。
〈反射防止層〉
本発明に係る光学フィルムは、ハードコート層又は機能性上層に反射防止層を塗設して、外光反射防止機能を有する反射防止フィルムとして用いることができる。
反射防止層は、光学干渉によって反射率が減少するように屈折率、膜厚、層の数、層順等を考慮して積層されていることが好ましい。反射防止層は、支持体である保護フィルムよりも屈折率の低い低屈折率層、もしくは支持体である保護フィルムよりも屈折率の高い高屈折率層と低屈折率層とを組み合わせて構成されていることが好ましい。特に好ましくは、3層以上の屈折率層から構成される反射防止層であり、支持体側から屈折率の異なる3層を、中屈折率層(支持体よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率の低い層)/高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているものが好ましく用いられる。又は、2層以上の高屈折率層と2層以上の低屈折率層とを交互に積層した4層以上の層構成の反射防止層も好ましく用いられる。反射防止フィルムの層構成としては下記のような構成が考えられるが、これに限定されるものではない。
機能性層/基材フィルム/ハードコート層/低屈折率層
機能性層/基材フィルム/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層
機能性層/基材フィルム/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
ハードコート層/基材フィルム/機能性層/低屈折率層
ハードコート層/基材フィルム/機能性層/高屈折率層/低屈折率層
ハードコート層/基材フィルム/機能性層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
低屈折率層/機能性層/基材フィルム/ハードコート層/低屈折率層
<低屈折率層>
低屈折率層は、シリカ系微粒子を含有することが好ましく、その屈折率は、23℃、波長550nmにおける測定で、1.30〜1.45の範囲であることが好ましい。
低屈折率層の膜厚は、5nm〜0.5μmであることが好ましく、10nm〜0.3μmであることが更に好ましく、30nm〜0.2μmであることが最も好ましい。
低屈折率層形成用組成物については、シリカ系微粒子として、外殻層を有し、内部が多孔質又は空洞の粒子を少なくとも1種類以上含むことが好ましい。特に、外殻層を有し、内部が多孔質又は空洞である粒子(中空シリカ系微粒子)であることが好ましい。
なお、低屈折率層形成用組成物には、下記一般式(OSi−1)で表される有機珪素化合物もしくはその加水分解物、或いは、その重縮合物を併せて含有させても良い。
一般式(OSi−1):Si(OR)
前記一般式で表される有機珪素化合物は、式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン等が好ましく用いられる。
他に溶剤、必要に応じて、シランカップリング剤、硬化剤、界面活性剤等を添加してもよい。またフッ素原子を35〜80質量%の範囲で含み、且つ架橋性若しくは重合性の官能基を含む含フッ素化合物を主としてなる熱硬化性及び/又は光硬化性を有する化合物を含有しても良い。具体的には含フッ素ポリマー、あるいは含フッ素ゾルゲル化合物等である。含フッ素ポリマーとしては、例えばパーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン)の加水分解物や脱水縮合物の他、含フッ素モノマー単位と架橋反応性単位とを構成単位とする含フッ素共重合体が挙げられる。
<高屈折率層>
高屈折率層の屈折率は、23℃、波長550nmにおける測定で、屈折率を1.4〜2.2の範囲に調整することが好ましい。また、高屈折率層の厚さは5nm〜1μmが好ましく、10nm〜0.2μmであることが更に好ましく、30nm〜0.1μmであることが最も好ましい。屈折率は、金属酸化物微粒子等を添加することにより調整できる。用いる金属酸化物微粒子の屈折率は1.80〜2.60であるものが好ましく、1.85〜2.50であるものが更に好ましい。
金属酸化物微粒子の種類は特に限定されるものではなく、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、P及びSから選択される少なくとも一種の元素を有する金属酸化物を用いることができ、これらの金属酸化物微粒子はAl、In、Sn、Sb、Nb、ハロゲン元素、Ta等の微量の原子をドープしてあっても良い。また、これらの混合物でもよい。本発明においては、中でも酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化錫、酸化亜鉛、ITO、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、及びアンチモン酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物微粒子を主成分として用いることが好ましい。特にアンチモン酸亜鉛粒子を含有することが好ましい。
これら金属酸化物微粒子の一次粒子の平均粒子径は10〜200nmの範囲であり、10〜150nmであることが特に好ましい。金属酸化物微粒子の平均粒子径は、走査電子顕微鏡(SEM)等による電子顕微鏡写真から計測することができる。動的光散乱法や静的光散乱法等を利用する粒度分布計等によって計測してもよい。粒径が小さ過ぎると凝集しやすくなり、分散性が劣化する。粒径が大き過ぎるとヘイズが著しく上昇し好ましくない。金属酸化物微粒子の形状は、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状、針状或いは不定形状であることが好ましい。
金属酸化物微粒子は有機化合物により表面処理してもよい。金属酸化物微粒子の表面を有機化合物で表面修飾することによって、有機溶媒中での分散安定性が向上し、分散粒径の制御が容易になるとともに、経時での凝集、沈降を抑えることもできる。このため、好ましい有機化合物での表面修飾量は金属酸化物微粒子に対して0.1%〜5質量%、より好ましくは0.5%〜3質量%である。表面処理に用いる有機化合物の例には、ポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤及びチタネートカップリング剤が含まれる。この中でもシランカップリング剤が好ましい。二種以上の表面処理を組み合わせてもよい。また高屈折率層は、π共役系導電性ポリマーを含有しても良い。π共役系導電性ポリマーとは、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば使用することができる。例えば、ポリチオフェン類、ポリピロール類、ポリアニリン類、ポリフェニレン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアセン類、ポリチオフェンビニレン類、及びこれらの共重合体が挙げられる。重合の容易さ、安定性点からは、ポリチオフェン類、ポリアニリン類、ポリアセチレン類が好ましい。
π共役系導電性ポリマーは、無置換のままでも十分な導電性やバインダー樹脂への溶解性が得られるが、導電性や溶解性をより高めるために、アルキル基、カルボキシ基、スルホ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基等の官能基を導入してもよい。また、イオン性化合物を含有しても良い。イオン性化合物としては、イミダゾリウム系、ピリジウム系、脂環式アミン系、脂肪族アミン系、脂肪族ホスホニウム系の陽イオンとBF 、PF 等の無機イオン系、CFSO 、(CFSO、CFCO 等のフッ素系の陰イオンとからなる化合物等が挙げられる。該ポリマーとバインダーの比率はポリマー100質量部に対して、バインダーが10〜400質量部が好ましく、特に好ましくは、ポリマー100質量部に対して、バインダーが100〜200質量部である。
<透明導電性薄層>
光学フィルムには、ハードコート層又は機能性層上に透明導電性薄層を形成しても良い。設けられる透明導電性薄層としては、一般的に広く知られた透明導電性材料を用いることができる。例えば、酸化インジウム、酸化錫、ITO、金、銀、パラジウム等の透明導電性物質を用いることができる。これらは、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、溶液塗布法等により、ハードコート層上に薄膜として形成することができる。また、前記したπ共役系導電性ポリマーである有機導電性材料を用いて、透明導電性薄層を形成することも可能である。特に、透明性、導電性に優れ、比較的低コストに得られる酸化インジウム、酸化錫又はITOのいずれかを主成分とした透明導電性材料を好適に使用することができる。透明導電性薄膜の厚みは、適用する材料によっても異なるため一概には言えないが、表面抵抗率で1000Ω以下、好ましくは500Ω以下になるような厚みであって、経済性をも考慮すると、10nm以上、好ましくは20nm以上、80nm以下、好ましくは70nm以下の範囲が好適である。このような薄膜においては透明導電性薄層の厚みムラに起因する可視光の干渉縞は発生しにくい。
<画像表示装置>
本発明の光学フィルムは、画像表示装置に使用することで、視認性(クリア性)に優れた性能が発揮される点で好ましい。画像表示装置としては、反射型、透過型、半透過型液晶表示装置又は、TN型、STN型、OCB型、VA型、IPS型、ECB型等の各種駆動方式の液晶表示装置、有機EL表示装置やプラズマディスプレイ等が挙げられる。これら画像表示装置の中でもタッチパネルを含む液晶表示装置のタッチパネル用部材に本発明の光学フィルムを用いた場合、高い視認性、及びペン入力に対する耐久性(摺動による傷等)に優れる点で好ましい。
次に、タッチパネルに用いた場合の一例を図2に示す。本発明の透明光学フィルム11上に透明導電性薄膜12を形成し、これを透明導電性薄膜15が形成されたガラス基板13と、透明導電性薄膜同士が向き合うように一定の間隔をあけて対向させることにより、抵抗膜方式のタッチパネル10を構成することができる。光学フィルム11及びガラス基板13の端部には不図示の電極が配置されている。ユーザが、透明導電性薄膜12付きの光学フィルム11を指やペン等で押下することにより、透明導電性薄膜12が、ガラス基板13上の透明導電性薄膜15と接触する。この接触を端部の電極を介して電気的に検出することにより、押下された位置が検出される構成である。ガラス基板13の透明導電性薄膜15上には、必要に応じてドット状のスペーサ14が配置される。また、図3に示されるように、図2のタッチパネル10をカラー液晶表示パネル20の上に搭載することにより、タッチパネル付き液晶表示装置を構成することができる。
上記光学フィルム、画像表示装置および液晶表示装置の技術的特徴を下記にまとめる。
本発明の一局面による光学フィルムは、基材フィルム上の一方の面にハードコート層、及びもう一方の面に機能性層を有する光学フィルムにおいて、該機能性層が長さ方向に周期を持たない不規則な突起形状を有し、かつ微粒子又は非反応性ポリマーを実質的に含有しないことを特徴とする。
この構成によれば、ハードコート層と機能性層が重なり有った場合(フィルム同士が重なり合った場合)でも、応力が分散しやすいため、フィルムをロール状に巻いた状態でのブロッキング防止の効果が得られる点で好ましい。また、機能性層は微粒子等を含まずに相溶性の高い樹脂成分だけで構成されているため、耐久性試験においても劣化等が生じず、屋外使用を想定した耐久性試験後も優れた可とう性を有する光学フィルムを提供することができる点で好ましい。
更に、前記した光学フィルムは内部散乱に起因するヘイズが殆どない為、画像表示装置に用いた際に視認性に優れ、長時間見ていても目の疲れることがない画像表示装置を提供することができる点で好ましい。また、タッチパネルを含む液晶表示装置の表面用フィルムは、情報入力時にペンや指等が押し込まれる動作環境を想定した耐ペン摺動性にも優れた光学フィルムを提供することができる点で好ましい。
上記光学フィルムにおいて、前記機能性層の突起形状の算術平均粗さRaが10〜130nmであることが好ましい。この構成によれば、より過酷な耐久性試験において、本発明の目的効果が好適に得られるばかりか、密着性にも優れる点で好ましい。上記光学フィルムにおいて、前記機能性層が少なくとも活性線硬化型樹脂を含有し、かつ当該活性線硬化型樹脂の粘度が20〜2000mPa・sの範囲内であることが好ましい。この構成によれば、耐ブロッキング性と可とう性の両立に特に優れた光学フィルムを得ることができる点で好ましい。上記光学フィルムにおいて、前記ハードコート層の算術平均粗さRaが2nm未満であることが好ましい。この構成によれば、非常に平滑な面が得られ、画像表示装置に用いた際の視認性が好適に得られる点で好ましい。上記光学フィルムにおいて、前記基材フィルムの波長590nmにおける、面内リターデーションRoが0〜5nm、厚み方向のリターデーションRthが−10〜10nmであることが好ましい。
なお、本発明におけるRo及びRthは以下の式により定義される。
Ro=(nx−ny)×d
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
(式中、nxは基材フィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nyは基材フィルム面内で遅相軸に直交する方向の屈折率、nzは基材フィルムの厚み方向の屈折率、dは基材フィルムの厚み(nm)をそれぞれ表す)。
この構成によれば、より過酷な耐久性試験において、本発明の目的効果が得られやすい点で好ましい。上記光学フィルムにおいて、前記基材フィルムがセルロースエステルフィルムであることが好ましい。この構成によれば、本発明の突起形状が得られやすいこと、製造性、コスト面の点で好ましい。また、本発明の一局面による画像表示装置は、上記いずれかに記載の光学フィルムを構成に含むことを特徴とする。この構成によれば、長時間見ていても目の疲れることがない画像表示装置を提供することができる点で好ましい。また、本発明の一局面による画像表示装置は、タッチパネルを含む画像表示装置であって、該タッチパネルの構成に上記いずれかに記載の光学フィルムが含まれていることを特徴とする。この構成によれば、情報入力時のペン摺動による表面の傷つきや剥がれに優れるタッチパネルを含む画像表示装置を提供することができる点で好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
<基材フィルム1の作製>
(二酸化珪素分散液の調製)
アエロジルR812(日本アエロジル(株)製、一次粒子の平均径7nm)
10質量部
エタノール 90質量部
以上をディゾルバーで30分間攪拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。二酸化珪素分散液に88質量部のメチレンクロライドを攪拌しながら投入し、ディゾルバーで30分間攪拌混合し、二酸化珪素分散希釈液を作製した。微粒子分散希釈液濾過器(アドバンテック東洋(株):ポリプロピレンワインドカートリッジフィルターTCW−PPS−1N)で濾過した。
(ドープ組成物1)
セルローストリアセテート 90質量部
(リンター綿から合成されたセルローストリアセテート、アセチル基置換度2.88、 Mn:140000)
ポリエステル系可塑剤(B−5) 10質量部
チヌビン928(BASFジャパン(株)製) 2.5質量部
二酸化珪素分散希釈液 4質量部
メチレンクロライド 432質量部
エタノール 38質量部
以上を密閉容器に投入し、加熱し、攪拌しながら、完全に溶解し、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.24を使用して濾過し、ドープ組成物1を調製した。
次に、ベルト流延装置を用い、ステンレスバンド支持体に均一に流延した。ステンレスバンド支持体で、残留溶媒量が100%になるまで溶剤を蒸発させ、ステンレスバンド支持体上からウェブを剥離した。セルロースエステルフィルムのウェブ中の溶剤を35℃で蒸発させ、1.65m幅にスリットし、テンターでTD方向に1.15倍、MD方向に1.01倍で延伸しながら、160℃で乾燥させた。乾燥を始めたときの残留溶媒量は20%であった。その後、120℃の乾燥装置内を多数のロールで搬送させながら15分間乾燥させた後、1.33m幅にスリットし、フィルム両端に幅10mm、高さ10μmのナーリング加工を施し、巻芯に巻き取り、基材フィルム1を得た。基材フィルムの残留溶媒量は0.2%であり、膜厚は40μm、巻数は6000mであった。
<光学フィルム1の作製>
上記作製した基材フィルム1(セルローストリアセテートフィルム)上に、下記の機能性層組成物1を孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルターで濾過したものを、減圧押出しコーターを用いて塗布し、恒率乾燥区間温度105℃、減率乾燥区間温度105℃で乾燥した後、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら、紫外線ランプを用い照射部の照度が100mW/cmで、照射量を0.3J/cmとして塗布層を硬化させ、ドライ膜厚6.5μmの機能性層1を形成した。次いで、ターンバーにより機能性層1を形成したフィルムを反転させ、機能性層1が設けられた面とは逆の面に、下記ハードコート層組成物を孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルターで濾過したものを、減圧押出しコーターを用いてセルローストリアセテートフィルム上に塗布し、恒率乾燥区間温度115℃、減率乾燥区間温度115℃で乾燥した後、紫外線ランプを用い照射部の照度が100mW/cmで、照射量を0.15J/cmとして塗布層を硬化させドライ膜厚5μmのハードコート層を形成した。次いで、ロール状に巻き取り、光学フィルム1を作製した。光学フィルム1の機能性層1の表面を光学干渉式表面粗さ計(Zygo社製 New View 5030)で観察した結果、図4のように不規則な突起形状が不規則に長さ方向及び幅方向に配列していることが分かった。
[機能性層組成物1]
下記材料を攪拌、混合し機能性層組成物1とした。
(反応性基含有樹脂)
ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート 100質量部
(NKエステルA−TMM−3L、新中村化学工業(株)製)
(光重合開始剤)
イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 5質量部
(レベリング剤)
ポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名:KF−352) 1.5質量部
(溶剤)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 10質量部
酢酸メチル 45質量部
メチルエチルケトン 45質量部
なお、表1の記載において、多官能アクリレートであるペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレートはPETAと示した。
[ハードコート層組成物]
〈フッ素−シロキサングラフトポリマーの調製〉
以下に、フッ素−シロキサングラフトポリマーの調製に用いた素材の市販品名を示す。
ラジカル重合性フッ素樹脂(A):セフラルコートCF−803(ヒドロキシル基(水酸基)価60、Mn:15,000;セントラル硝子(株)製)
片末端ラジカル重合性ポリシロキサン(B):サイラプレーンFM−0721(Mn:5,000;チッソ(株)製)
ラジカル重合開始剤:パーブチルO(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート;日本油脂(株)製)
硬化剤:スミジュールN3200(ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット型プレポリマー;住化バイエルウレタン(株)製)
(ラジカル重合性フッ素樹脂の合成)
機械式攪拌装置、温度計、コンデンサー及び乾燥窒素ガス導入口を備えたガラス製反応器に、セフラルコートCF−803(1554質量部)、キシレン(233質量部)、及び2−イソシアナトエチルメタクリレート(6.3質量部)を入れ、乾燥窒素雰囲気下で80℃に加熱した。80℃で2時間反応し、サンプリング物の赤外吸収スペクトルによりイソシアネートの吸収が消失したことを確認した後、反応混合物を取り出し、ウレタン結合を介して50質量%のラジカル重合性フッ素樹脂を得た。
(フッ素−シロキサングラフトポリマーの調製)
機械式攪拌装置、温度計、コンデンサー及び乾燥窒素ガス導入口を備えたガラス製反応器に、上記合成したラジカル重合性フッ素樹脂(26.1質量部)、キシレン(19.5質量部)、酢酸n−ブチル(16.3質量部)、メチルメタクリレート(2.4質量部)、n−ブチルメタクリレート(1.8質量部)、ラウリルメタクリレート(1.8質量部)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(1.8質量部)、FM−0721(5.2質量部)、及びパーブチルO(0.1質量部)を入れ、窒素雰囲気中で90℃まで加熱した後、90℃で2時間保持した。パーブチルO(0.1質量部)を追加し、更に90℃で5時間保持することによって、Mwが171,000である35質量%フッ素−シロキサングラフトポリマーの溶液を得た。MwはGPCにより求めた。また、フッ素−シロキサングラフトポリマーの質量%はHPLC(液体クロマトグラフィー)により求めた。
下記材料を攪拌、混合しハードコート層組成物とした。
(反応性基含有樹脂)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 100質量部
(NKエステルA−DPH、新中村化学工業(株)製)
(光重合開始剤)
イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 5質量部
(レベリング剤)
フッ素−シロキサングラフトポリマー(35質量%) 1.5質量部
(溶剤)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 10質量部
酢酸メチル 45質量部
メチルエチルケトン 45質量部
<光学フィルム2の作製>
光学フィルム1の作製において、機能性組成物1を下記機能性組成物2に変更し、減率乾燥区間温度を95℃に変更した以外は同様にして、光学フィルム2を作製した。
[機能性層組成物2]
下記材料を攪拌、混合し機能性層組成物2とした。
(反応性基含有樹脂)
トリメチロールプロパントリアクリレート 80質量部
(ライトアクリレートTMP−A、共栄社化学(株)製)
4−ヒドロキシブチルアクリレート 20質量部
(4−HBA、大阪有機化学工業(株)製)
(光重合開始剤)
イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 5質量部
(レベリング剤)
ポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名:KF−352)
1.5質量部
(溶剤)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 10質量部
酢酸メチル 45質量部
メチルエチルケトン 45質量部
<光学フィルム3の作製>
光学フィルム1の作製において、機能性層組成物1を下記機能性層組成物4に変更し、減率乾燥区間温度を100℃に変更した以外は、同様にして、光学フィルム3を作製した。
[機能性層組成物3]
下記材料を攪拌、混合し機能性層組成物3とした。
(反応性基含有樹脂)
エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート 100質量部
(NKエステルATM−4E、新中村化学工業(株)製)
(光重合開始剤)
イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 5質量部
(レベリング剤)
ポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名:KF−352)
1.5質量部
(溶剤)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 10質量部
酢酸メチル 45質量部
メチルエチルケトン 45質量部
<光学フィルム4の作製>
光学フィルム4の作製において、機能性層組成物1を下記機能性層組成物4に変更し、減率乾燥区間温度を130℃に変更した以外は同様にして、光学フィルム4を作製した。
[機能性層組成物4]
下記材料を攪拌、混合し機能性層組成物4とした。
(反応性基含有樹脂)
ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート 100質量部
(NKエステルA−DPH、新中村化学工業(株)製)
(光重合開始剤)
イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 5質量部
(レベリング剤)
ポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名:KF−352)
1.5質量部
(溶剤)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 10質量部
酢酸メチル 45質量部
メチルエチルケトン 45質量部
なお、表1の記載において、多官能アクリレートであるジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレートはDPHAと示した。
<光学フィルム5の作製>
光学フィルム1の作製において、機能性層組成物1を下記機能性層組成物5に変更し、減率乾燥区間温度を120℃に変更した以外は、同様にして、光学フィルム5を作製した。
[機能性層組成物5]
下記材料を攪拌、混合し機能性層組成物5とした。
(反応性基含有樹脂)
ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(DPHA)
50質量部
(NKエステルA−DPH、新中村化学工業(株)製)
ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート(PETA)
50質量部
(NKエステルA−TMM−3L、新中村化学工業(株)製)
(光重合開始剤)
イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 5質量部
(レベリング剤)
ポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名:KF−352)
1.5質量部
(溶剤)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 10質量部
酢酸メチル 45質量部
メチルエチルケトン 45質量部
<光学フィルム6の作製>
光学フィルム1の作製において、機能性層組成物1を下記機能性層組成物6に変更し、減率乾燥区間温度を95℃に変更した以外は、同様にして、光学フィルム6を作製した。
[機能性層組成物6]
下記材料を攪拌、混合し機能性層組成物6とした。
(反応性基含有樹脂)
エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50質量部
(NKエステルATM−4E、新中村化学工業(株)製)
4−ヒドロキシブチルアクリレート 50質量部
(4−HBA、大阪有機化学工業(株)製)
(光重合開始剤)
イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 5質量部
(レベリング剤)
ポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名:KF−352)
1.5質量部
(溶剤)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 10質量部
酢酸メチル 45質量部
メチルエチルケトン 45質量部
<光学フィルム7の作製>
光学フィルム1の作製において、機能性層組成物1を下記機能性層組成物7に変更し、減率乾燥区間温度を135℃に変更した以外は、同様にして、光学フィルム7を作製した。
[機能性層組成物7]
下記材料を攪拌、混合し機能性層組成物7とした。
(反応性基含有樹脂)
ウレタンプレポリマーとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物
(UA−306H、共栄社化学(株)製) 100質量部
(光重合開始剤)
イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 5質量部
(レベリング剤)
ポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名:KF−352)
1.5質量部
(溶剤)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 10質量部
酢酸メチル 45質量部
メチルエチルケトン 45質量部
<光学フィルム8の作製>
光学フィルム1の作製において、機能性層組成物1を特開2008−225195号公報の実施例1と同様にして調製した機能性層組成物8に変更し、更に乾燥温度を特開2008−225195号公報の実施例1と同じ70℃とした以外は同様にして、光学性フィルム8を作製した。
[機能性層組成物8]
下記材料を攪拌、混合し機能性層組成物8とした。
(反応性基含有樹脂)
サイクロマーP(ACA)Z320(不飽和基含有アクリル樹脂混合物、ダイセル化学工業(株)製) 5.65質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、ダイセル・サイテック(株)製)
6.3質量部
(添加剤:樹脂非相溶成分)
ポリメタクリル酸メチル(重量平均分子量480000;三菱レイヨン(株)製、BR88)
0.9質量部
(光重合開始剤)
イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 0.5質量部
(溶剤)
メチルエチルケトン(MEK) 0.1質量部
1−ブタノール 5.4質量部
1−メトキシ−2−プロパノール 1.89質量部
なお、表1の記載において、サイクロマーP(ACA)Z320をACA、ポリメタクリル酸メチルをMMAと示した。
<光学フィルム9の作製>
光学フィルム1の作製において、機能性層組成物1を特開2007−58204号公報の実施例3と同様にして調製した機能性層組成物9に変更し、更に乾燥温度を特開2007−58204号公報の実施例3と同じ80℃に変更した以外は同様にして、光学フィルム9を作製した。
[機能性層組成物9]
下記材料を攪拌、混合し機能性層組成物9とした。
(反応性基含有樹脂)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(DPHA、ダイセル・サイテック(株)製) 92質量部
(添加剤:樹脂非相溶成分)
メタアクリレート共重合ポリマー(サフトマーST3600,三菱化学株式会社)
15質量部
(光重合開始剤)
イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 4質量部
(溶剤)
エタノール 45質量部
トルエン 15質量部
なお、表1の記載において、メタアクリレート共重合ポリマーをACPと示した。
<光学フィルム10の作製>
光学フィルム1の作製において、機能性層組成物1を特開2007−182519号公報の実施例5と同様にして調製した機能性層組成物10に変更し、更に乾燥温度を特開2007−182519号公報の実施例5と同じ80℃に変更した以外は同様にして、光学フィルム10を作製した。
[機能性層組成物10]
(不飽和二重結合含有アクリル共重合体の調製)
イソボロニルメタクリレート187.2g、メチルメタクリレート2.8g、メタクリル酸10.0gからなる混合物を混合した。この混合物を、攪拌羽根、窒素導入管、冷却管及び滴下漏斗を備えた1000ml反応容器中の、窒素雰囲気下で110℃に加温したプロピレングリコールモノメチルエーテル360gにターシャリーブチルペルオキシ−2−エチルヘキサエート2.0gを含むプロピレングリコールモノメチルエーテルの80.0g溶液と同時に3時間かけて等速滴下し、その後、1時間、110℃で反応させた。
その後、ターシャリーブチルペルオキシ−2−エチルヘキサエート0.2gを含むプロピレングリコールモノメチルエーテル17g溶液を滴下して、110℃で30分反応させた。その反応溶液にテトラブチルアンモニウムブロマイド1.5gとハイドロキノン0.1gを含む6gのプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を加え、空気バブリングしながら、更に4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル24.4gとプロピレングリコールモノメチルエーテル5.0gの溶液を1時間かけて滴下し、その後5時間かけて更に反応させ、数平均分子量5500、重量平均分子量18000の不飽和結合含有アクリル共重合体を得た。
下記材料を攪拌、混合し機能性層組成物10とした。
(反応性基含有樹脂)
ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート(SP値:12.7)
98.5質量部
不飽和結合含有アクリル共重合体(SP値:9.7、Mw:18000)
1.5質量部
(添加剤:粒子)
オルガノシリカゾル(MIBK−ST:シリカ粒子径20nm、シリカ濃度30%、日産化学工業株式会社製)
10質量部
(光重合開始剤)
イルガキュア907(2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、BASFジャパン(株)製)
7質量部
(溶剤)
メチルイソブチルケトン 114質量部
なお、表1の記載において、不飽和結合含有アクリル共重合体はACOPと示した。
<光学フィルム11の作製>
特開2006−53371号公報の実施例1と同様にして凹凸付きロールを作製した。次に、特開2006−53371号公報の実施例1と同様にして、基材フィルム1上に機能性層組成物1を塗布後、恒率乾燥区間温度60℃、減率乾燥区間温度60℃で乾燥の後、更に機能性層表面にロールの凹凸を押し当て、機能性層とロールを密着させた。この密着した状態で、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら、紫外線ランプを用い照射部の照度が100mW/cmで、照射量を0.3J/cmとして塗布層を硬化させ、ドライ膜厚6.5μmの機能性層11を形成した。次いで、ターンバーにより機能性層を形成したフィルムを反転させ、機能性層11が設けられた面とは逆の面に、光学フィルム1で調製したハードコート層組成物を孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルターで濾過したものを、減圧押出しコーターを用いて基材フィルム1上に塗布し、恒率乾燥区間温度115℃、減率乾燥区間温度115℃で乾燥の後、紫外線ランプを用い照射部の照度が100mW/cmで、照射量を0.15J/cmとして塗布層を硬化させドライ膜厚5μmのハードコート層を形成した。次いで、ロール状に巻き取り、光学フィルム11を作製した。光学フィルム11の機能性層11の表面を光学干渉式表面粗さ計(Zygo社製 New View 5030)で観察した結果、長さ方向に周期を有する突起形状が配列されていた。
<光学フィルム12の作製>
特開2010−241937号公報の製造例1と同様にしてフッ素処理したシリカ微粒子分散液を調整した。前記調製したシリカ微粒子分散液と反応性基含有樹脂とを攪拌して混合し、機能性層組成物12を調整した。次に、機能性層組成物12を用いて、乾燥温度を特開2010−241937の実施例3と同じ70℃に変更した以外は光学フィルム1の作製と同様にして、光学フィルム12を得た。
[機能性層組成物12]
(フッ素処理したシリカ微粒子分散液の調製)
シリカ微粒子SP−03F(扶桑化学工業(株)製、粒径0.2〜0.3μm)3.00gにKBM7103(信越化学工業(株)製、フルオロアルキルアルコキシシラン)0.15g、MIBK26.85gを混合した。この混合成分と粒径0.1mmのジルコニアビーズとを混ぜて、3時間分散したのち、ジルコニアビーズを取り除き、更に分散液を50℃で1時間加熱処理することで、フッ素処理したシリカ微粒子分散液を得た。
下記材料を攪拌、混合し機能性層組成物12とした。
(反応性基含有樹脂)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 30質量部
(NKエステルA−DPH、新中村化学工業(株)製)
(光重合開始剤)
イルガキュア184 0.02質量部
(添加剤:粒子)
アクリロイル基を有するシリカ微粒子(シリカ微粒子30質量部、MIBK分散液、粒径40nm) 66質量部
フッ素処理したシリカ微粒子分散液(シリカ微粒子濃度10.9%)
5.5質量部
(溶剤)
メチルイソブチルケトン 5質量部
《評価》
上記作製した機能性層組成物及び光学フィルム1〜12について下記の評価を行った。
i.樹脂粘度測定
機能性層組成物1〜12について、各組成物の樹脂だけをディスパーにて攪拌混合して、25℃の条件にてB型粘度計を用いて粘度測定を行った。結果を表1に示す。
(光学フィルム)
a.算術平均粗さRaの測定
上記作製した光学フィルム1〜12の機能性層、及びハードコート層を光学干渉式表面粗さ計(RST/PLUS、WYKO社製)を用いて10回測定し、その測定結果の平均から各機能性層及びハードコート層の算術平均粗さRaを求めた。なお、光学フィルム1〜12のハードコート層の算術平均粗さRaは、全て1.5nmであった。各機能性層の算術平均粗さRaの結果を表1に示す。
b.耐ブロッキング性
上記作製したロール状光学フィルム1〜12を、アルミ防湿シートに包み、長期輸送を想定して70℃相対湿度80%の恒温槽で20日保存した。20日間保存後、アルミ防湿シートを剥がしてブロッキング性を表面からの目視観察にて、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
◎:くっつき面積0%、ブロッキングは認められない
○:くっつき面積が2%未満、僅かにブロッキングが発生している
△:くっつき面積が2%以上〜10%未満、ブロッキングが発生しているものの、実用上問題ないレベル
×:くっつき面積が10%以上〜40%未満、ブロッキングが発生、実用上極めて問題となる
c.可とう性
(耐久性試験)
上記作製した光学フィルム1〜13を、各10cm×10cmサイズで切り出し、屋外での使用を想定してサイクルサーモ(−40℃・30分放置、次いで85℃・30分放置を交互)に500サイクル投入後、85℃相対湿度90%の恒温槽で550時間保存し、更に耐光試験機(アイスーパーUVテスター、岩崎電気(株)製)にて、165時間光照射した。次いで、耐久性試験後の各光学フィルム1〜12を23℃55%RHの雰囲気下で12時間調湿後、JIS K5600−5−1に準拠する方法で、タイプ1の試験装置を用いて円筒型マンドレル法により可とう性(マンドレルの直径の数値)を評価した。マンドレルの直径の数値が低い程、可とう性に優れることを示す。なお、JIS K5600−5−1では、円筒型マンドレルは直径2mmまでしかないため、直径1mmは試作した。
d.総合評価
耐ブロッキング性と可とう性の結果から、以下の基準で総合評価を行った。
◎:耐ブロッキング性が◎で、かつ可とう性評価の円筒型マンドレルの直径が2mm以下
○:耐ブロッキング性が○で、かつ可とう性評価の円筒型マンドレルの直径が2mm以下 或いは、耐ブロッキング性が◎で、かつ可とう性評価の円筒型マンドレルの直径が、3mm以上、6mm以下
×:耐ブロッキング性が△以下、或いは可とう性評価の円筒型マンドレルの直径が8mm以上
Figure 2012073437
表1の結果から判るようにフィルム基材上の一方の面にハードコート層及びもう一方の面に機能性層を有する光学フィルムにおいて、機能性層が長さ方向に不規則な(周期を持たない)突起形状を有し、かつ微粒子又は非反応性ポリマーを実質的に含有しない構成とすることで、耐ブロッキング性と可とう性の両立に優れた光学フィルムを得ることができた。本発明の中でも機能性層が、反応基を含有する活性線硬化型樹脂を含有し、かつ活性線硬化型樹脂粘度を20〜3000mPa・sの範囲とすることで、耐ブロッキング性と可とう性の両立に特に優れた光学フィルムを得ることができた。
実施例2
実施例1の光学フィルム1の作製において、機能性層の減率乾燥区間温度を表2に記載したように変更した以外は、同様にして光学フィルム13〜17を作製した。次に、実施例1で作製した光学フィルム1、及び光学フィルム13〜17について、耐ブロッキング性評価の保存期間を30日に変更し、更に密着評価を行った以外は、実施例1と同様にして評価をした。得られた結果を表2に示す。
耐久後の密着評価
(耐候性試験)
光学フィルム1、及び光学フィルム13〜17を、各10cm×10cmサイズで切り出し、屋外での使用を想定してオゾン10ppm、30℃、60%RHの環境下に100時間保管後、サイクルサーモ(−40℃・45分放置、次いで110℃・45分放置を交互)で500サイクル投入し、更に耐光試験機(アイスーパーUVテスター、岩崎電気株式会社製)にて、200時間光照射した。
(密着性試験)
上記耐候性試験を実施した光学フィルムの機能性層表面に、片刃のカミソリの刃を面に対して90°の角度で切り込みを1mm間隔で縦横に11本入れ、1mm角の碁盤目を100個作製した。この上に市販のセロハン製テープを貼り付け、その一端を手で持って垂直に力強く引っ張って剥がし、切り込み線からの貼られたテープ面積に対する薄膜が剥がされた面積の割合を目視で観察し、下記の基準で評価した。
◎:全く剥離されなかった
○:剥離された面積割合が5%未満であった
△:剥離された面積割合が10%未満であり、実用上問題無いレベル
×:剥離された面積割合が10%以上であり、実用上問題となるレベル
Figure 2012073437
表2の結果から判るように本発明の光学フィルムにおいて、機能性層の突起形状の算術平均粗さRaを10〜130nmとすることで、より過酷な耐久性試験後も耐ブロッキング性と可とう性の両立に特に優れた性能を発揮することが判る。更には、耐候性試験後の密着性にも優れた性能を発揮する。
実施例3
実施例1の基材フィルム1のドープ組成物1の調製において、ポリエステル系可塑剤(B−5)の添加量を5質量部に変更し、更に以下に合成したアクリル系ポリマー1を13質量部添加した以外は同様にしてドープ組成物2を調製した。次いで、基材フィルム1の作製において、テンターによるTD方向の延伸条件を表3に記載したように変更した以外は、同様にして基材フィルム2〜5を作製した。前記作製した基材フィルム2〜5に実施例2の光学フィルム17の作製と同様にしてハードコート層と機能性層を設け、光学フィルム18〜21を作製した。
(アクリル系ポリマー1の合成)
メチルアクリレート 10質量部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 1質量部
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 1質量部
トルエン 30質量部
上記組成物を四つ口フラスコ(投入口、温度計、環流冷却管、窒素導入口、攪拌機を装着)に投入し、徐々に80℃まで昇温し、攪拌しながら5時間重合を行い、重合終了後ポリマー溶液を多量のメタノールに投入して沈殿させ、更にメタノールで洗浄し、精製して乾燥し重量平均分子量5,000(GPCにて測定)のアクリル系ポリマー1を得た。
次に、前記作製した光学フィルム18〜21及び光学フィルム1に、以下の方法で導電性薄膜を形成し、導電性光学フィルム18〜21及び導電性光学フィルム1を作製した。
光学フィルム18〜21及び光学フィルム1の機能性層31及びハードコート層32の両面に表面抵抗率が約400Ωである酸化インジウム錫(ITO)の導電性薄膜33を、スパッタリング法を用いて設け、図6に示した構成の導電性光学フィルム18〜21及び導電性光学フィルム1を作製した。
次に上記作製した導電性光学フィルム18〜21及び導電性光学フィルム1を各二枚ずつ用いて、インナータッチパネルを作製した。図7は、インナータッチパネルPの模式図である。二枚のうちの片方の導電性光学フィルムのハードコート層32に導電性薄膜33を設けた面に予めドット・スペーサ14を形成してから、二枚の導電層膜を対向させてインナータッチパネルPを作製した。
前記作製した光学フィルム18〜21及び光学フィルム1について実施例2と同様にして評価を行った。また、以下の方法で基材フィルムのリターデーションを測定した。更に、導電性光学フィルム18〜21及び導電性光学フィルム1を用いて作製したインナータッチパネルの視認性について以下の条件で評価した。得られた結果を表3に示した。
(アクリル系ポリマー1の合成)
メチルアクリレート 10質量部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 1質量部
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 1質量部
トルエン 30質量部
上記組成物を四つ口フラスコ(投入口、温度計、環流冷却管、窒素導入口、攪拌機を装着)に投入し、徐々に80℃まで昇温し、攪拌しながら5時間重合を行い、重合終了後ポリマー溶液を多量のメタノールに投入して沈殿させ、更にメタノールで洗浄し、精製して乾燥し重量平均分子量5,000(GPCにて測定)のアクリル系ポリマー1を得た。
《評価》
a.リターデーション測定
前記作製した基材フィルム1〜5の面内リターデーションRo及び厚み方向リターデーションRthを以下の方法で測定した。
面内リターデーションRo及び厚み方向リターデーションRth測定自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、23℃、55%RHの環境下で、波長590nmにおいて、3次元屈折率測定を行い、縦、横、厚さの各方向の屈折率nx、ny、nzを求め、下記式よりRo及びRthを求めた。
Ro=(nx−ny)×d
Rth=((nx+ny)/2−nz)×dである。
(式中、nxは基材フィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nyは基材フィルム面内で遅相軸に直交する方向の屈折率、nzは基材フィルムの厚み方向の屈折率、dは基材フィルムの厚み(nm)をそれぞれ表す。)。
b.視認性評価
得られたインナータッチパネルを、上面側偏光板/液晶セル/下面側偏光板の構成を有する液晶表示装置の上面側偏光板の下に組み込んで液晶表示装置を作製し、暗室にて、インナータッチパネルを黒表示画面で正面方向や視野方向を変えて見て、視認性を以下の基準で評価した。
視認性評価
○:タッチパネルの色味変化が無い
Δ:タッチパネルの色味変化が多少観察される
×:タッチパネルの色味変化が大きい
Figure 2012073437
面内リターデーションRoを0〜5nm、厚み方向のリターデーションを−10〜10nmの範囲に調整した基材フィルムを用い本発明の光学フィルムは、より過酷な耐久試験後も耐ブロッキング性と可とう性の両立に特に優れた性能を発揮することが判る。更に、耐候性試験後の密着性にも優れた性能を発揮する。
また、面内リターデーションRoを0〜5nm、厚さ方向のリターデーションを−10〜10nmの範囲に調整した基材フィルムからなる本発明の光学フィルムを用いた導電性光学フィルムをインナータッチパネルに用いることで、特に優れた視認性が得られる点で好ましいことが判る。
実施例4
<導電性光学フィルム1〜12の作製>
光学フィルム1〜12のハードコート層に表面抵抗率が約400Ωである酸化インジウム錫(ITO)の透明導電性薄膜を、スパッタリング法を用いて設け、図5に示した構成の導電性光学フィルム1〜12を作製した。
<抵抗膜方式タッチパネル液晶表示装置1〜13の作製>
市販の抵抗膜方式タッチパネル液晶表示装置(型名:LCD−USB10XB−T、(株)アイ・オー・データ機器製)の導電性ハードコートフィルムを剥がし、上記作製した各導電性光学フィルム1〜12を図6のように機能性層が視認側となるように貼合して、抵抗膜方式タッチパネル液晶表示装置1〜12を作製し、以下項目について評価を行い、表4に結果を示す。
《評価》
a.視認性評価(文字ボケ・ムラ)
(文字ボケ評価)
天井部に、昼色光直管蛍光灯(FLR40S・D/M−X パナソニック(株)製)40W×2本を1セットとして、1.5m間隔で10セット配置した室内で、抵抗膜方式タッチパネル液晶表示装置を様々な角度から観察し、文字ボケを以下の基準で評価した。
○:蛍光灯の写り込みが気にならず、フォントの大きさ8以下の文字もはっきりと読める
×:蛍光灯の写り込みが気にならないが、フォントの大きさ8以下の文字がボケ、読むのが困難である
(ムラ評価)
上記作製した各抵抗膜方式タッチパネル液晶表示装置を、60℃、90%RHの条件で1000時間放置した後、23℃、55%RHに戻した。様々な角度から観察し、以下の基準でムラを評価した。
○:ムラが全く認められない
△:細かなムラが認められる(実害性有り)
×:ムラが認められる
b.耐ペン摺動性
抵抗膜方式タッチパネル液晶表示装置に用いた各導電性光学フィルムの機能性層の表面上を先端部が0.08mmφのポリアセタール製のペンを使用し、荷重250g、ペン摺動速度100mm/秒で直線40mmを15万回往復後の摺動部における機能性層の傷つき及び剥れを目視により評価した。
Figure 2012073437
評価の結果、本発明の導電性光学フィルムを使用した抵抗膜方式タッチパネル液晶表示装置は視認性、及び耐ペン摺動性共に良好であった。
10 タッチパネル
11 本発明の光学フィルム
12 透明導電性薄膜
13 ガラス基板
14 スペーサ
20 カラー液晶表示パネル
30 基材フィルム
31 機能性層
32 ハードコート層
33 ITO層(導電性薄膜)
40 導電性光学フィルム
P インナータッチパネル

Claims (9)

  1. 基材フィルム上の一方の面にハードコート層、及びもう一方の面に機能性層を有する光学フィルムにおいて、該機能性層が長さ方向に周期を持たない不規則な突起形状を有し、かつ微粒子又は非反応性ポリマーを実質的に含有しないことを特徴とする光学フィルム。
  2. 前記機能性層の突起形状の算術平均粗さRaが10〜130nmであることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記機能性層が少なくとも活性線硬化型樹脂を含有し、かつ当該活性線硬化型樹脂の粘度が20〜2000mPa・sの範囲内であることを特徴とする請求項1又は2項に記載の光学フィルム。
  4. 前記ハードコート層の算術平均粗さRaが2nm未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  5. 前記基材フィルムの波長590nmにおける、下記式で規定される面内リターデーションRoが0〜5nm、厚み方向のリターデーションRthが−10〜10nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルム。
    Ro=(nx−ny)×d
    Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
    (式中、nxは基材フィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nyは基材フィルム面内で遅相軸に直交する方向の屈折率、nzは基材フィルムの厚み方向の屈折率、dは基材フィルムの厚み(nm)をそれぞれ表す)
  6. 前記基材フィルムがセルロースエステルフィルムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学フィルムを製造する光学フィルムの製造方法であって、活性線硬化型樹脂を含有する機能性層を少なくとも塗布工程、乾燥工程及び硬化工程を経由して形成し、かつ前記乾燥工程における減率乾燥区間の温度を85〜140℃の範囲内に維持した条件下で処理することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルムを構成に含むことを特徴とする画像表示装置。
  9. タッチパネルを含む画像表示装置であって、該タッチパネルの構成に請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルムが含まれていることを特徴とするタッチパネル付き表示装置。
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