JP7200475B2 - 3次元構造形成用組成物及び3次元構造形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、凹凸構造などの3次元構造を表面に形成することができる3次元構造形成用組成物、及び当該組成物を用いた3次元構造形成方法に関する。
凹凸構造などの3次元構造を表面に形成する方法としては、例えば特許文献1(特開2004-277534号公報)において、粘着剤と、この粘着剤の良溶媒及び貧溶媒からなる混合溶剤とを含有する塗布液を、シート基材上に塗布し、混合溶剤を蒸発させるとともに、粘着剤を相分離させて点状物を形成する方法が開示されている。
特許文献2(WO2015/152352号公報)には、基材上に粘着性を有する樹脂層を設けた粘着フィルムであり、樹脂層に微粒子を含有することで不定形の凹部が自己形成されていることが開示されている。
特許文献3(特開2016-188344号公報)には、炭素数4~18のアルキル基を有するアルキル化メラミン樹脂(A)を主成分として含む硬化性材料を基材に塗布して硬化することで、その硬化膜表面に、粗面化効果が高く、かつランダムなパターンの凹凸を形成する方法が開示されている。
特開2004-277534号公報 WO2015/152352号公報 特開2016-188344号公報
本発明は、微粒子などを添加しないでも、不規則形状からなる凹凸構造を表面に備えた3次元構造を自己形成することができ、凹凸の大きさを適宜調整することができる、新たな3次元構造形成用組成物及びそれを用いた3次元構造形成を提案せんとするものである。
本発明は、ポリマー又はオリゴマーからなる互いに非相溶な成分A及びBは、成分Bの溶解性パラメーター(SP(B))が成分Aの溶解性パラメーター(SP(A))よりも0.01以上低く、以下を満たす溶剤X及び溶剤Yを含有し、溶剤Xと溶剤Yを54:46~99.9:0.1の質量割合で配合した混合溶剤Zに溶解又は懸濁分散してなる3次元構造形成用組成物を提案する。
溶剤X:成分A及び成分Bに対して良溶媒である。
溶剤Y:成分Aに対して良溶媒であるが、成分Bに対して不溶性又は膨潤する。
溶剤Xの沸点よりも溶剤Yの沸点の方が2℃以上高い。
本発明はまた、上記の3次元構造形成用組成物を用いて、当該3次元構造形成用組成物を基材の表面に塗布し、加熱して溶剤Yよりも先に溶剤Xを揮発させ、溶剤Yに溶け難い成分Bを析出させて凸部を形成することを特徴とする、3次元構造形成方法を提案する。
本発明が提案する3次元構造形成用組成物は、基材の表面に塗布し、加熱して溶剤Yよりも先に溶剤Xを揮発させるだけで、不規則形状からなる凹凸構造を表面に備えた3次元構造を自己形成することができる。すなわち、切削加工装置や型等を用いること無く、組成物が有している性質により形成することができる。しかも、成分A、成分B、溶剤X及びYの材料の選択や配合量を調整することにより、前記凹凸構造における凹凸の深さを適宜調整することができる。
実施例1で作製した離型フィルム(サンプル)の凹凸層表面をVertScan(登録商標)で検出した拡大画像(スケール:703.12μm×937.42μm)である。 実施例2で作製した離型フィルム(サンプル)の凹凸層表面をVertScan(登録商標)で検出した拡大画像(スケール:703.12μm×937.42μm)である。 実施例3で作製した離型フィルム(サンプル)の凹凸層表面をVertScan(登録商標)で検出した拡大画像(スケール:703.12μm×937.42μm)である。 実施例4で作製した離型フィルム(サンプル)の凹凸層表面をVertScan(登録商標)で検出した拡大画像(スケール:703.12μm×937.42μm)である。 実施例5で作製した離型フィルム(サンプル)の凹凸層表面をVertScan(登録商標)で検出した拡大画像(スケール:703.12μm×937.42μm)である。 実施例6で作製した離型フィルム(サンプル)の凹凸層表面をVertScan(登録商標)で検出した拡大画像(スケール:703.12μm×937.42μm)である。 実施例7で作製した離型フィルム(サンプル)の凹凸層表面をVertScan(登録商標)で検出した拡大画像(スケール:703.12μm×937.42μm)である。 実施例8で作製した離型フィルム(サンプル)の凹凸層表面をVertScan(登録商標)で検出した拡大画像(スケール:703.12μm×937.42μm)である。 実施例9で作製した離型フィルム(サンプル)の凹凸層表面をVertScan(登録商標)で検出した拡大画像(スケール:703.12μm×937.42μm)である。 上記図1~9における拡大画像のスケール図であり、右の縦帯において、白い部分が凸部、黒い部分が凹部に相当する。
次に、実施の形態例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明が次に説明する実施形態に限定されるものではない。
<本3次元構造形成用組成物>
本発明の実施形態の一例に係る3次元構造形成用組成物(「本3次元構造形成用組成物」と称する)は、ポリマー又はオリゴマー(これらをまとめて「ポリマー等」とも称する)からなる、互いに非相溶な成分A及びBが、所定の溶剤X及び溶剤Yを含有する混合溶剤Zに溶解又は懸濁分散してなる3次元構造形成用組成物である。
本3次元構造形成用組成物によれば、当該3次元構造形成用組成物を基材の表面に塗布し、加熱して溶剤Yよりも先に溶剤Xを揮発させることで、成分A,B間の相分離性を利用して不規則形状からなる凹凸構造を表面に備えた3次元構造を自己形成することができる。よって、切削加工装置や、型等を用いること無く簡便に3次元構造を形成することができる。ここで、本3次元構造形成用組成物を用いて形成した3次元構造を「本3次元構造」と称する。
しかも、このように成分A,B間の相分離性を利用すれば、数μm~数mmオーダーの相分離構造に基づく凹凸構造を形成することができる。
また、溶媒に溶解した状態から溶媒を留去する過程で相分離を生じる方法を用いる場合は、後述する通り、2種以上の溶媒を混合して用いるとともに、ポリマー等の溶解性の差を利用して凹凸構造を形成することにより、特定のポリマー等と特定の溶媒を選択するだけで、前記凹凸構造における凹凸の深さを適宜調整することができる。
本3次元構造形成用組成物を用いて形成した本3次元構造においては、凹部を形成する成分のうちで最も多くを占める成分が成分Aとなり、凸部を形成する成分のうちで最も多くを占める成分が成分Bとなる。
(成分A,B)
成分Aと成分Bは非相溶であるのが好ましい。
かかる観点から、成分AのSP値と成分BのSP値は、凸部の主要成分となる成分BのSP値の方が、成分AのSP値よりも0.01~10だけ低い方が好ましく、中でも0.05以上低い或いは7以下の範囲で低い、その中でも0.1以上低い或いは4以下の範囲で低い方が好ましい。
但し、異なるポリマー等間の相分離性を利用して凹凸構造が形成させる場合、成分Bの溶解性パラメーター(SP(B))が、成分Aの溶解性パラメーター(SP(A))よりも0.01~10高くなっていてもよい。
なお、成分Aと成分BのSP値の差が0.01あれば、非相溶になり得る。例えば成分A及びBがブロックポリマー(グラフトポリマー)の場合、SP値差0.01程度で非相溶になる。
成分A,Bは、従来公知の方法によって得ることができる。
(成分A)
凹部の主要成分となることになる成分Aは、所定のSP値、所定の質量平均分子量(Mw)を有するポリマー等であるのが好ましい。
成分Aは、成分Bと非相溶であり、塗工後に主として凹凸形状の凹部を形成する観点から、溶解性パラメーター(SP(A))が8~21であるのが好ましく、中でも10以上或いは20以下、その中でも12以上或いは19以下であるのがさらに好ましい。
また、塗布液の塗工性を良好なものとするための粘度とする観点から、質量平均分子量(Mw)が300~300,000であるのが好ましく、中でも2,000以上或いは200,000以下、その中でも5,000以上或いは100,000以下であるのがさらに好ましい。
上記成分Aとしては、例えばポリ(メタ)アクリレート等のアクリル系ポリマー類、ポリエステル類、ポリウレタン類、ポリオレフィン類、ポリエーテル類、ポリスチレン類、ポリカーボネート類、ポリアクリロニトリル類、ポリアミド類、ポリイミド類などを挙げることができ、中でも、分子量やSP値を調整しやすく、凹凸形状を制御しやすい観点から、ポリ(メタ)アクリレート類であるのが好ましい。これらの成分Aは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
例えば成分Aがアクリル系ポリマーである場合、そのSP値をより高くするためには、例えば、アクリル系ポリマーの樹脂の側鎖に極性が高い官能基を多く含むように設計すればよく、より具体的には、例えばヒドロキシル基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレート、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸、グリシジル基を有するグリシジル(メタ)アクリレート等の構造単位を含有する単独重合体又は共重合体が挙げることができる。
(成分B)
凸部の主要成分となることになる成分Bは、上述のように、所定のSP値、所定の質量平均分子量(Mw)を有するポリマー等であるのが好ましい。
例えば成分Bの配合量を多くしたり、成分Bの分子量を大きくしたりすることによって、前記凹凸構造における凸部の面積を大きくすることができる。但し、このような方法に限定するものではない。
成分Bの溶解性パラメーター(SP(B))は、成分Aと非相溶であり、塗工後に主として凹凸形状の凸部を形成する観点から、成分Aの溶解性パラメーター(SP(A))よりも0.01~10低い方が好ましく、中でも0.05以上低い或いは7以下の範囲で低い、その中でも0.1以上低い或いは4以下の範囲で低い方が好ましい。
かかる観点から、成分Bの溶解性パラメーター(SP(B))は、7~20であるのが好ましく、中でも8以上或いは18以下、その中でも9以上或いは17以下であるのがさらに好ましい。
また、塗布液の塗工性を良好なものとするための粘度とする観点から、成分Bの質量平均分子量(Mw)は、前記成分Aの質量平均分子量(Mw)より1000以上大きく、且つ、1300~400,000であるのが好ましく、中でも2,000以上或いは300,000以下、その中でも10,000以上或いは250,000以下であるのがさらに好ましい。
成分Bとしては、例えばポリ(メタ)アクリレート等のアクリル系ポリマー類、ポリエステル類、ポリウレタン類、ポリオレフィン類、ポリエーテル類、ポリスチレン類、ポリカーボネート類、ポリアクリロニトリル類、ポリアミド類、ポリイミド類などを挙げることができ、中でも、分子量やSP値を調整しやすく、凹凸形状を制御しやすい観点から、ポリ(メタ)アクリレート類であるのが好ましい。これらの成分Bは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
例えば成分Bがアクリル系ポリマーである場合、そのSP値をより低くするためには、例えば、アクリル系ポリマーにおいて、1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー及び/又はオリゴマーとしてSP値の低いものを選択すればよい。具体的には、例えば脂肪族炭化水素基を有するアルキル(メタ)アクリレート、脂環族炭化水素基を有するシクロアルキル(メタ)アクリレート等の構造単位を含有する単独重合体又は共重合体が挙げることができる。
成分Bは、凹凸構造を形成する際の乾燥温度に十分に耐えることができ、形状を保持する観点から、成分Bのガラス転移温度は40℃以上であるのが好ましく、中でも50℃以上、その中でも60℃以上であるのがさらに好ましい。
なお、上記溶解性パラメーター(SP値)は、Solubility Parameterであり、溶解性の尺度となるものである。溶解性パラメーターは、その値が大きいほど極性が高く、逆に数値が小さいほど極性が低いことを示す。
成分A、成分B及び光架橋開始剤Cの溶解性パラメーター(SP値)は、濁度法、Fedorsの推算法などの方法によって測定することができる。
成分Aと成分Bの配合質量割合は、1:99~99:1とするのが好ましく、中でも5:95~95:5、その中でも90:10~10:90であるのが好ましい。
なお、成分A又は成分Bが2種以上用いられる場合は、合計した質量割合とする。
(架橋開始剤C)
本3次元構造形成用組成物は、上記成分A及びBに加えてさらに架橋開始剤Cが混合溶剤Zに溶解又は懸濁分散していてもよい。
架橋開始剤Cを配合して3次元構造を架橋することで、当該3次元構造の耐熱性を高めることができる。
架橋開始剤Cとしては、光架橋開始剤、熱架橋開始剤などを挙げることができる。中でも、乾燥工程で形成した凹凸形状の保持の観点から、速硬化性を有する硬化系が好ましく、かかる観点から光架橋開始剤が好ましい。
光架橋開始剤としては、例えば 活性エネルギー線として紫外線照射を応用する場合、光架橋開始剤は必須であり、ベンゾイン系、アセトフェノン系、チオキサントン系、フォスフィンオキシド系及びパーオキシド系等の光架橋性開始剤を使用することができる。
具体例としては、例えば2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタンノン-1等を挙げることができる。これらの架橋開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。中でも、紫外線硬化する多官能アクリレートが好ましい。
他方、熱架橋開始剤としては、例えばアゾ系開始剤、過酸化物系開始剤を挙げることができる。
架橋開始剤Cの配合量は、成分A及びBの合計量100質量部に対して0.01~20質量部とするのが好ましく、中でも0.1質量部以上或いは10質量部以下、その中でも1質量部以上とするのがより好ましい。
なお、成分A又は成分B又はこれら両方が、架橋性能を有する樹脂又は樹脂組成物であってもよい。その場合には、架橋開始剤Cを配合しなくても架橋することができる。
例えば光架橋性化合物としては、架橋性不飽和結合を有する化合物、具体的にはエチレン性不飽和結合を有するモノマー又はオリゴマーを挙げることができる。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂及びアクリル樹脂や、透明ポリイミド前駆体ワニスなどを挙げることができる。
(その他の成分)
本3次元構造形成用組成物は、上記成分A、成分B及び上記架橋開始剤Cに加えてさらにその他の成分が混合溶剤Zに溶解又は懸濁分散していてもよい。
その他の成分として、例えば剥離成分、レベリング剤、紫外線吸収剤、有機若しくは無機微粒子などを挙げることができる。
上記剥離成分すなわち剥離性を有する成分としては、例えばシリコーン系化合物の他、フッ素化合物、オレフィン化合物、長鎖アルキル基含有化合物等の化合物を挙げることができる。これらはポリマーであっても低分子量化合物であってもよく、これらのうちの一種又は二種以上を含有していてもよい。
剥離成分の含有量は、0.5質量%~90質量%であるのが好ましく、中でも1.0質量%以上或いは85質量%以下、その中でも2.0質量%以上或いは80質量%以下であるのが好ましい。
(溶剤X)
上記溶剤Xは、成分A、成分B及び架橋開始剤Cに対して良溶媒であるのが好ましい。すなわち、成分A、成分B及び架橋開始剤Cを全て溶解することができる溶剤であるのが好ましい。
溶剤Xの沸点は50℃~200℃であるのが好ましく、中でも60℃以上或いは140℃以下、その中でも70℃以上或いは120℃以下であるのが好ましい。
溶剤Xとしては、例えばアセトン,メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン 、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンジアセトンアルコール等のケトン系溶媒;ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシブチル、酢酸アミル、酢酸プロピル、乳酸エチル、乳酸メチル、乳酸ブチル等のエステル系溶媒;トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ヘキサン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の炭化水素系溶媒等の有機溶媒を挙げることができる。これらの有機溶媒は1種のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(溶剤Y)
他方の溶剤Yは、成分A及び架橋開始剤Cに対しては良溶媒であり、成分Bに対しては貧溶媒であるのが好ましい。すなわち、成分A及び架橋開始剤Cは溶解することができるが、成分Bに対する溶解性が低い溶媒であるのが好ましい。
なお、成分Bの「溶解性が低い」とは、成分Bに対して不溶性(insolble)又は膨潤(swelling)に分類される場合を包含する意味である。
溶剤Yの沸点は、51℃~201℃であるのが好ましく、中でも61℃以上或いは141℃以下、その中でも71℃以上或いは121℃以下であるのが好ましい。
但し、溶剤Yの沸点は、溶剤Xを溶剤Yよりも先に揮発させることができる観点から、溶剤Xの沸点よりも高いことが好ましく、中でも1~80℃高いことが好ましく、その中でも2℃以上、その中でも5℃以上高いことがさらに好ましい。
溶剤Yが溶剤Xよりも沸点が高い溶剤を用いることで、溶剤Xが溶剤Yよりも先に揮発され、溶剤Yに溶けにくい成分Bが析出して主に凸部を形成しやすくなる。
なお、沸点の差によって、用いる前記溶剤Xおよび溶剤Yを選択できる。但し、他の特性の差異によって選択することもできる。具体的な特性としては、相対蒸発速度、所定温度および圧力下での蒸気圧、成分Aまたは成分Bの親和性が挙げられる。
例えば、同様の観点、すなわち溶剤Xを溶剤Yよりも先に揮発させることができる観点から、溶剤Xの相対蒸発速度は、溶剤Yの相対蒸発速度よりも高いことが好ましい。中でも、溶剤Xの相対蒸発速度は1以上であるか、若しくは、酢酸ブチルの相対蒸発速度以上であることが好ましく、且つ、溶剤Yの相対蒸発速度は1未満であるか、若しくは、酢酸ブチルの相対蒸発速度未満であることが好ましい。
この際、「相対蒸発速度」は、25℃、大気圧下における酢酸ブチルの蒸発速度を1と定めた場合の比蒸発速度と定義される。例えば、各種溶剤の相対蒸発速度としては、酢酸ブチル:1、MEK:4.52、シクロヘキサン:2.9、トルエン:2.66、メトキシプロパノール:0.71、nブタノール:0.39である。
溶剤Yとしては、例えばメタノール、エタノール、ブタノール、イソブタノール、プロピルアルコール等のアルコール系溶媒;アセトン,メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンジアセトンアルコール等のケトン系溶媒;ノルマルプロピルアルコールジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシブチル、酢酸アミル、酢酸プロピル、乳酸エチル、乳酸メチル、乳酸ブチル等のエステル系溶媒;トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ヘキサン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の炭化水素系溶媒を挙げることができる。これらの溶媒は1種のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(溶剤Z)
溶剤Zは、溶剤Xと溶剤Yを0.1:99.9~99.9:0.1の質量割合で配合するのが好ましく、中でも1:99~99:1、その中でも10:90~90:10、その中でも15:85~85:15、その中でも80:20~20:80の質量割合で含有するのがさらに好ましい。
なお、溶剤X又は溶剤Yが2種以上用いられる場合は、合計した質量割合とする。
<本3次元構造形成方法>
本3次元構造形成用組成物を用いて3次元構造を形成する方法として、例えば、本3次元構造形成用組成物を基材の表面に塗布し、加熱して溶剤Yよりも先に溶剤Xを揮発させ、溶剤Yに溶け難い成分Bを析出させて凸部を形成することで、凹凸構造などの3次元構造を表面に形成する方法(「本3次元構造形成方法」と称する)を挙げることができる。
このような本3次元構造形成方法によれば、不規則な形状からなる凸部を備えた凹凸構造を形成することができ、しかも、成分A、成分B、架橋開始剤C、溶剤X及びYの材料の選択や配合量の調整により、凹凸の大きさを制御することができる。
このように本3次元構造形成用組成物を用いて、当該3次元構造形成用組成物の3次元構造の硬化物、当該硬化物を備えた成形体、又は、当該硬化物を備えた積層体などを形成することができる。
上記のように、基材の少なくとも一方の表面側に、本3次元構造を表面に有する凹凸層を備えた離型フィルムを形成すれば、当該凹凸層上に、例えば粘着フィルムを剥離可能に積層することで、当該粘着フィルムに前記凹凸構造を転写することができる。
以下、本3次元構造形成方法のより具体的な実施形態の一例について説明する。
前記成分Aと、前記成分Bと、必要に応じて架橋開始剤Cとの混合樹脂を、所定の混合溶剤Z、例えば、成分A、成分B及び架橋開始剤Cに対して良溶媒である溶剤Xと、成分A及び架橋開始剤Cに対して良溶媒(すなわちこれらに対して共溶媒)であり、成分Bに対しては貧溶媒であり、かつ沸点が溶剤Xよりも高い溶剤Yとの混合溶剤Zに加えて溶かして本3次元構造形成用組成物を調製し、この本3次元構造形成用組成物を基材の表面に塗布する。混合溶剤Zが乾燥する過程で、相対的に溶剤Xが早く揮発して、溶剤Yの占める割合が増えるため、溶剤Yに溶解し難い成分Bを析出させ凸部を形成する。さらに乾燥することで成分Aにより凹部が形成して凹凸構造を形成する。或いはさらに、例えば光照射するなどして架橋開始剤Cを励起させて硬化させて前記凹凸構造を形成するようにすればよい。
上記作製方法において、凹凸層が形成される原理としては、上記3次元構造形成用組成物は、塗布後に乾燥する過程で、溶剤Zが減少するのに伴って溶剤中の環境が変化していき、相溶性の悪い成分Aと成分Bが相分離し、両方の溶剤に溶けられる成分はより乾燥が進むまで溶剤中に溶解するため、片方の溶剤Yに溶けにくい成分Bが析出して主に凸部を形成し、両方の溶剤に溶けられる成分Aが主に凹部を形成し、自発的に凹凸構造が形成されるものと推定される。
(基材)
基材としては、例えば紙、各種樹脂フィルム、紙基材を樹脂でラミネートした基材、ガラス、金属箔からなる基材、金属箔を樹脂でラミネートした基材等を使用することができる。但し、これらに限定するものではない。
上記紙基材としては、例えば薄葉紙、中質紙、上質紙、含浸紙、コート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙等を挙げることができる。
上記樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリル樹脂等の各種樹脂を主成分樹脂とする樹脂フィルムを挙げることができる。樹脂フィルムは、無延伸フィルム(シート)であっても延伸フィルムであってもよい。中でも、延伸フィルムであることが好ましく、二軸延伸フィルムであることがより好ましい。
上記紙基材を樹脂でラミネートした基材としては、例えば上記の紙基材をポリエチレン等の熱可塑性樹脂でラミネートしたラミネート紙等を挙げることができる。
また、上記金属箔からなる基材としては、アルミフォイル等を挙げることができる。
これらの中でも、切断時に紙粉が発生せず、また凹凸構造を転写する粘着フィルム等にも紙粉の付着が生じないことから、上記樹脂フィルムが好ましく、加工のしやすさ、耐久性、耐熱性、コスト等の観点から、ポリエステルを主成分樹脂とする樹脂フィルムであるのがより好ましく、特にポリエチレンテレフタレートを主成分樹脂とする樹脂フィルムであるのがさらに好ましい。
ここで、「主成分樹脂」とは、基材を構成する樹脂の中でも最も含有量の多い樹脂を意味し、具体的には50質量%以上、中でも70質量%以上、その中でも80質量%以上、その中でも90質量%以上(100質量%を含む)を占める樹脂を言う。
基材は、単層構成のものであってもよいし、同種又は異種の樹脂を主成分とする2層以上の複層構成のものであってもよい。
基材の厚さは、用途に応じて適時選択するのが好ましい。一般的には5μm~500μmであるのが好ましく、中でも10μm以上或いは300μm以下、その中でも15μm以上或いは200μm以下であるのがさらに好ましい。
基材として樹脂フィルムを用いる場合、易滑性の付与を主たる目的として、粒子を含有させることも可能である。
基材に含有させる粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではない。例えばシリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機粒子のほか、アクリル樹脂、スチレン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機粒子等を挙げることができる。
当該粒子の形状に関しても特に限定されるわけではない。例えば球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれであってもよい。
また、当該粒子の硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
上記粒子の平均粒径は、5μm以下であるのが好ましく、中でも0.1μm以上或いは3μm以下であるのがさらに好ましい。上記粒子の平均粒径が当該範囲であれば、基材に適度な表面粗度を与えることができ、良好な滑り性と平滑性を付与することができる。
また、上記基材は、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、軟化剤、結晶核剤、染料、顔料等を含有してもよい。
必要に応じて上記基材の片面又は両面に、各種機能を備えた層(「機能層」と称する)を設けることができる。例えば、上記基材と上記凹凸層の間に機能層を設けることができる。
当該機能層としては、例えば易接着層、帯電防止層、易滑層、水蒸気等の気体バリア層、基材含有物の析出防止層、紫外線吸収層、傷つき防止層、防汚層、抗菌層、反射防止層、光沢層、マット層、インク受容層、着色層、印刷層等の各種機能を備えた層を挙げることができる。
(3次元構造形成用組成物の塗布)
上記3次元構造形成用組成物を基材の表面に塗布する方法としては、例えばキスロールコーター、ビードコーター、ロッドコーター、マイヤーバーコーター、ダイコーター、グラビアコーターなど公知慣用の方法を採用することができる。
(乾燥)
本3次元構造形成用組成物を塗布した後、溶剤Xを溶剤Yよりも優先させて揮発させるため、乾燥時の温度は、溶剤X、Yの沸点との関係から、10℃~150℃に設定するのが好ましく、中でも20℃以上或いは140℃以下に設定するのがより好ましく、その中でも40℃以上或いは125℃以下に設定するのがさらに好ましい。なお、常温で乾燥させてもよい。
加熱温度を調整することによって、凹凸の最大高低差を調整することができ、加熱温度が低いほど、凹凸の最大高低差が大きくなる傾向がある。一般に溶剤は沸点以下の温度で揮発性を有しており、また沸点のみならず蒸気圧特性やポリマー等との親和性等によっても揮発特性は変化する。このため、凹凸層に使用するポリマー等の種類や配合質量割合、目的とする凹凸構造の形状等に応じて、加熱温度を設定すればよい。
(架橋)
上記加熱により凹凸構造を形成した後、必要に応じて、例えば光照射するなどして架橋開始剤Cを励起させて硬化させて前記凹凸構造を形成するようにしてもよい。
例えば成分A又はBが加熱架橋性を有していれば、その加熱架橋性を励起する温度まで加熱すればよい。
また、架橋開始剤Cとして光架橋開始剤を含有する場合、当該光架橋開始剤が励起する波長の光を照射すればよい。
(本3次元構造)
本3次元構造形成方法によれば、基材の少なくとも一方の表面側に、凸部と該凸部以外の部分(「凹部」と称する)とを有する凹凸構造を表面に有する凹凸層かららなる本3次元構造を形成することができる。
本3次元構造としては、例えば図1~9に示すように、その表面を平面視した際、前記凸部が不規則な形状を形成してなる構成を形成することが好ましい。なお、図1~9においては、白い部分が凸部に相当する。
ここで、「不規則な形状」とは、一定の規則及び周期を有さない形状を意味する。具体的には、直線のみで形成される形状や、同一パターンの直線で形成される形状や、これらを組み合わせた形状等は、不規則な形状には該当しない。また、例えばエンボスロールで転写される形状のように、一定間隔で同一形状(模様)が繰り返される形状は、不規則な形状には該当しない。不規則な形状としては、典型的には、図1~9で示される様な、非相溶なポリマー等を混合した際に自然に形成される海島構造による形状を挙げることができる。但し、このような形状に限定されるものではない。
このように前記凸部が不規則な形状を形成することにより、上述したように当該粘着フィルムに転写される凹凸構造においても不規則な形状が形成され、粘着後に当該凹凸構造を見え難くすることができる。
また、本3次元構造として、その表面を平面視した際、前記凸部によって、不規則な形状が周囲方向、例えば上下左右方向に連続して不規則な模様、例えば網目模様を形成してなる構成を備えていてもよい。
不規則な形状が周囲方向に連続する場合には、不規則な形状の大きさや形状が一定でなく、形状の繰り返しがなく、不規則であることが好ましく、また、不規則な形状の配置も不規則であるのが好ましい。
また、本3次元構造における凸部は、平面視した際に、適宜面積を有する塊として散在しても、断続的に存在していても、連続的に連なっていてもよい。
この際、個々の凸部のX座標の中心とY座標の中心を通る径のうち最大のものを最長径とし、当該最長径のうち、測定領域中で最大値を示す径を最大最長径とする。
凸部の最大最長径は、凹凸形状を転写した粘着フィルムを貼着する際に空気の抜けを良好にすることができ、且つ、粘着後に当該凹凸構造を見え難くすることができるという観点から、1μm~1500μmであるのが好ましく、中でも10μm以上或いは1200μm以下、その中でも100μm以上或いは1000μm以下、その中でも300μm以上或いは800μmであるのがさらに好ましい。
また、本3次元構造における凸部は、平面視した際に、適宜長さ連続した線状を呈していてもよい。凹凸構造を転写した粘着シートを貼着する際の空気抜けをより良好にする観点からすると、中でも、フィルム周端縁部まで連続していることが好ましい。前記凹凸構造における凸部は、本離型フィルムによって凹凸構造を転写された粘着フィルム等においては凹部を形成することとなるため、本離型フィルムの凸部が上記の如く連続していると、粘着フィルム等において空気の抜け道も連続することとなる。但し、この場合、凸部の一部に不連続する箇所があってもよい。
一例として、フィルム周端縁部まで連続する凸部によって、不規則な形状が連続して網目模様を形成している場合を一例として挙げることができる。
前記凹凸構造に存在する凸部の個数は、例えば、上述したように凹凸構造を転写してなる粘着フィルムにおいて、当該粘着フィルムを貼着する際に空気の抜けを良好にすることができ、且つ、粘着後に当該凹凸構造を見え難くすることができるという観点からすると、703.12μm×937.42μmの領域当たり1個~1000個であるのが好ましく、中でも500個以下、その中でも100個以下、その中でも10個以下であるのが好ましい。
なお、前記凹凸構造に存在する凸部の上記個数は、例えば画像解析ソフトを用いて、単位面積における離型フィルム表面に現れる凸部の個数をカウントして求めることができる。
本3次元構造は、その表面を平面視した際、表面に占める凸部の面積割合の下限を10%以上とすることができ、中でも15%以上、その中でも20%以上、特に25%以上、中でも30%以上とすることができる。一方、凸部の面積割合の上限は、90%以下とすることができ、中でも85%以下、更に80%以下、特に75%以下、その中でも70%以下とすることができる。
本3次元構造に占める凸部の面積割合は、前記凹凸構造の表面を画像分析によって、凹部と凸部の2つの領域に2値化することで分析することができる。
なお、前記凹凸構造の表面を、このように画像分析によって、凹部と凸部の2つの領域に2値化する際、凹凸構造の表面全体を2値化してもよいし、凹凸構造の表面の一部を複数個所において2値化して、その平均を求めてもよい。その際、少なくとも任意の3か所、中でも5か所、その中でも10か所の平均を求めるのが好ましい。
本3次元構造において、凸部の面積を大きくする方法としては、例えば凸部の主成分をなす成分Bの配合量を多くしたり、該成分Bの分子量を大きくしたりすることによって調整することができる。但し、このような方法に限定するものではない。
また、本3次元構造における凹凸の最大高低差の下限は0.5μm以上とすることができ、中でも1.0μm以上、特に1.5μm以上、中でも2.0μm以上、特に3.0μm以上、その中でも特に4.0μm以上とすることができる。
他方、本3次元構造における最大高低差の上限は、通常は40μm以下であり、中でも35μm以下、その中でも30μm以下、その中でも25μm以下、その中でも20μm以下、その中でも15μm以下とすることができる。
中でも、本3次元構造の凹凸の最大高低差が0.5~15μm又は15~40μmであるのが好ましい。
なお、凹凸の最大高低差は、例えば凹凸層を形成する際の塗布厚さを調整することで、調整することができる。但し、これに限定されるものではない。
また、凹凸の最大高低差は、凹部の極小値と凹部周辺の極大値の差、又は、凸部の極大値と凸部周辺の極小値の差の中での最大値として求めることができる。
このような凹凸の最大高低差を形成するための具体的な方法については後述する。
本3次元構造形成組成物が架橋開始剤Cを含有する場合、本3次元構造は、成分A又は成分B又はそれら両方が架橋してそれらの硬化物を含有することになる。
架橋しているか否かは、各部位のゲル分率を測定し、当該値が0%より大きい、特に5%以上、中でも10%以上であるのが好ましい。
<本3次元構造の用途>
本3次元構造を形成する一例として、基材の少なくとも一方の表面側に、本3次元構造を表面に有する凹凸層を備えた離型フィルムを挙げることができる。但し、このような用途に限定するものではない。
この離型フィルムは、前記凹凸構造を備えた凹凸層上に、例えば粘着フィルムを剥離可能に積層することで、当該粘着フィルムに前記凹凸構造を転写することができる。
この際、本3次元構造を、平面視した際、当該凹凸構造の凸部が不規則な形状を形成してなる構成を備えており、且つ、前記凹凸構造の表面に占める凸部の面積割合が10~90%であり、且つ、前記凹凸構造の最大高低差が0.5μm以上となるように作製すれば、前記粘着フィルムは、被着体に貼着する際、空気の抜けを良好にすることができ、粘着後に当該凹凸構造を見え難くすることができる。
よって、例えば建物の壁や窓、自動車の装飾や窓、携帯電話やパーソナルコンピューターの画像表示部などに貼り付ける、例えば装飾フィルム、紫外線遮断フィルム、ブルーライト遮断フィルム、耐擦傷フィルム、耐熱フィルム、飛散防止フィルム、指紋や皮脂付着防止フィルムなど、各種機能を備えた粘着フィルムを作製するための離型フィルムとして利用することができる。
<語句の説明>
本明細書において「X~Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、その厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいい、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(日本工業規格JISK6900)。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
以下、本発明を下記実施例及び比較例に基づいてさらに詳述する。
<質量平均分子量(Mw)>
各成分の質量平均分子量(Mw)は、GPC法により次の条件により測定した値である。
機器 :東ソー株式会社製「HLC-8120GPC」
カラム:東ソー株式会社製「TSKgel Super H3000+H4000+H6000」
検出器:示差屈折率検出器(RI検出器/内蔵)
溶媒 :テトラヒドロフラン
温度 :40℃
流速 :0.5ml/分
注入量:10μL
濃度 :0.2質量%
較正試料:単分散ポリスチレン
較正法:ポリスチレン換算
<SP値>
成分A、成分B及び光架橋開始剤Cの溶解性パラメーター(SP値)は、Fedorsらが提案した方法によって推算した。具体的には、「SP値の基礎・応用と計算方法」(山本秀樹著、株式会社情報機構)に基づいて、高分子の溶解度パラメーターの推算方法のうち、Fedorsの推算法を参考に各ポリマー成分に含まれる各置換基の凝集エネルギー密度:E(J/mol)とモル分子容:V(cm3/mol)から下式に基づいて計算を行い、SP値(σ(cal/cm3)1/2)を求めた。
σ((J/cm3)1/2)=(ΣEcoh/ΣV)1/2
σ(cal/cm3)1/2=σ(J/cm3)1/2/2.0455
<凹凸の最大高低差、凸部の面積割合、凸部の個数、及び凹凸形状の最大最長径>
表面形状計測システム(株式会社日立ハイテクサイエンスの「VertScan」(登録商標)R5500)を用いて、離型フィルム(サンプル)表面において、703.12μm×937.42μmの領域における表面の凹凸形状を、光干渉法にて測定し、補完およびベースライン補正を行い、データを読み取った。なお、測定時における対物レンズの倍率は5倍に設定した。
凹凸の最大高低差は、凹部の極小値と凹部周辺の極大値の差、又は、凸部の極大値と凸部周辺の極小値の差の中の最大値を求めた。
凸部の面積割合は、ベアリング機能を使用し、山側高さ閾値および谷側高さ閾値をともに0.0μmに設定して2値化を行い、凸部の面積割合を求めた。
凸部の個数、及び凹凸形状の最大最長径は、粒子解析機能により以下の測定条件で算出した。検出した最長径のうち、最も値が大きいものを最大最長径とした。
(粒子解析)
・曲面補正:しない
・解析:突解析
・二値化閾値:100nm
・粒子成形:しない
・対象判定
高さベース:曲面
高さ:上限 100000nm、下限 0nm
最長径:上限 1000μm、下限 0μm
体積:下限 0.0μm
アスペクト比:下限 0.0
<凸部規則性及び凸部連続性>
離型フィルム(サンプル)の表面を上記の表面形状計測システムにより観察し、凸部の形状に一定の規則性又は周期性を有しているか否かを評価し、規則性も周期性も有していない場合、凸部規則性を「不規則」と評価した。
また、離型フィルム(サンプル)の表面を上記同様に観察し、凸部(白色部分)が拡大画像の1つの端縁部から向かい側にあたる端縁部まで(上辺から下辺まで、或いは右辺から左辺まで)連続して繋がっているか否かを評価した。凸部が連続して繋がっている場合は凸部連続性を「有」、凸部が散在したり、断続的に存在したりする場合は凸部連続性を「無」と評価した。
[実施例1]
<基材の原料>
ポリエステルA:ポリエチレンテレフタレートホモポリマーのチップ(固有粘度:0.66dl/g)
ポリエステルB:平均粒径2μmの非晶質シリカを1000ppm含有するポリエチレンテレフタレートホモポリマーのチップ(固有粘度:0.62dl/g)
<機能層用塗布液の原料>
カルボキシル基を有する水分散型ポリカーボネートポリウレタン樹脂(Tg:35℃)を60質量部、オキサゾリン基がアクリル系樹脂にブランチされたポリマー型架橋剤を30質量部、シリカゾル水分散体(平均粒径:0.07μm)を6質量部混合して機能層用塗布液とした。
<3次元構造形成用組成物の原料>
アクリル系ポリマーA1:グリシジルメタクリレート、メチルメタクリレート及びエチルアクリレートを98:1:1のモル比率で共重合してなるアクリル酸変性物(質量平均分子量(Mw):20,000、SP値:12.6、Tg:32℃)
アクリル系ポリマーB1:メチルメタクリレート及びメチルアクリレートを99:1のモル比率で共重合してなる共重合体(質量平均分子量(Mw):95,000、SP値:9.9、Tg:105℃)
光重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(分子量:578、SP値:10.4)
光架橋開始剤C1:IGMレジン社製、Omnirad127
溶剤X:メチルエチルケトン(アクリル系ポリマーA1及びB1を溶解することができる溶剤であり、沸点は80℃)
溶剤Y:メトキシプロパノール(アクリル系ポリマーA1を溶解し、B1は溶解しない溶剤であり、沸点は120℃)
(基材の作製)
前記ポリエステルAを中間層用の原料とし、前記ポリエステルBを表層用の原料とし、各原料をそれぞれ別個の溶融押出機により溶融押出して、表層/中間層/表層の2種3層積層の無定形シートを得た。ついで、冷却したキャスティングドラム上に、シートを共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。
次いで、機械方向(縦方向)に90℃で3.5倍に延伸した。その後、前記機能層用塗布液を乾燥後の厚みが0.05μmとなるように塗布した後にテンターへ導き、さらにテンター内で予熱工程を経て120℃で横方向に4.3倍に延伸を行い、230℃で2秒間の熱処理を行い、基材としてのポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの厚さは50μmであり、表層/中間層/表層の厚み構成は5μm/40μm/5μmであった。
(凹凸層の形成)
凹凸層の形成に用いる塗布液として、成分Aとしてのアクリル系ポリマーA1を45質量部と、成分Bとしてのアクリル系ポリマーB1を27.5質量部と、光重合性化合物としてのジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを27.5質量部と、光架橋開始剤C1を5質量部とを含むアクリル系ポリマー混合物を、溶剤Xとしてのメチルエチルケトンと、溶剤Yとしてのメトキシプロパノールとを72:28の質量割合で混合して得た混合溶媒Zに溶解させて、アクリル系ポリマー混合物濃度が30質量%である3次元構造形成用組成物を調製した。
前記基材としてのポリエステルフィルムの機能層表面に、前記3次元構造形成用組成物をマイヤーバーにより塗布し、70℃で溶剤Xおよび溶剤Yを揮発させた後、紫外線照射装置で紫外線を照射して光硬化させて、基材の一方の表面側に、凹凸構造を表面に有する凹凸層を形成してなる、凹凸層付フィルムを作製した。
(剥離層の形成)
剥離層に用いる塗布液として、硬化型シリコーン樹脂(信越化学社製、KS-847H)100質量部及び硬化剤(信越化学社製、PL-50T)1質量部を、メチルエチルケトン/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1)で希釈して、シリコーン樹脂濃度が4質量%である剥離層用塗布液を作製した。
前記凹凸層付フィルムの凹凸層の表面に、前記剥離層用塗布液をマイヤーバーにより塗布し、120℃に加熱して乾燥及び硬化させることで剥離層を設け、離型フィルム1(サンプル)を作製した。
[実施例2]
マイヤーバーの線数を変更して凹凸層の厚みを変化させて凸部の最大凹凸高低差を8μmとした以外、実施例1と同様の方法で離型フィルム2(サンプル)を作製した。
[実施例3]
剥離層を設ける代わりに、3次元構造形成用組成物にシリコーン変性アクリルポリマー(共栄社化学社製、GL04R)3質量%をさらに加えた以外は、実施例1と同様の方法で離型フィルム3(サンプル)を作製した。
[実施例4]
3次元構造形成用組成物を作製する際、上記アクリル系ポリマーA1と上記アクリル系ポリマーB1と光重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(質量平均分子量(Mw):578、SP値:10.4)との混合比を質量部が60:20:20で混合させたアクリル系ポリマー混合物を、溶剤Xとしてのメチルエチルケトンと、溶剤Yとしてのメトキシプロパノールとを63:37の質量割合で混合して得た混合溶媒Zに溶解させた以外は、実施例1と同様の方法で離型フィルム4(サンプル)を作製した。
[実施例5]
次のように調製した3次元構造形成用組成物を用いて凹凸層を形成した以外は、実施例1と同様にして離型フィルム5(サンプル)を作製した。
すなわち、凹凸層の形成に用いる塗布液として、ポリジメチルシロキサンを枝ポリマーとし、アクリル系モノマーを幹ポリマーとする成分Bとしてのグラフト共重合体B2(質量平均分子量(Mw):16,000、SP値:10.9)65質量部と、成分Aとしてのアクリル系ポリマーB1(質量平均分子量(Mw):95,000、SP値:9.9)35質量部と、光架橋開始剤C(IGM resin社製、Ominirad127)5質量部とを含むアクリル系モノマー混合物を、溶剤Xとしてのメチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン及び溶剤Yとしてのメトキシプロパノールとを、28:26:46の質量割合で混合して得た混合溶媒Zに溶解させて、前記アクリル系ポリマー混合物濃度が16質量%である3次元構造形成用組成物を調製した。
上記アクリル系モノマーを幹ポリマーとするグラフト共重合体B2は、メチルメタクリレートと、ステアリルメタクリレートと、分子量5000の末端メタアクリロイル基を有するシリコンマクロマーと、グリシジルメタクリレートとを、10:10:20:60のモル比率で共重合してなるアクリル酸変性物であった。
溶剤Xとしてのメチルイソブチルケトン及びメチルエチルケトンは、グラフト共重合体B2及びアクリル系ポリマーA1を溶解することができる溶剤であり、その沸点はメチルイソブチルケトンが116℃、メチルエチルケトンが80℃であった。
他方、溶剤Yとしてのメトキシプロパノールは、グラフト共重合体B2及びアクリル系ポリマーA1のうちA1のみを溶解することができる溶剤であり、その沸点は120℃であった。
[実施例6]
マイヤーバーを調整して凹凸層の厚みを変化させて最大凹凸高低差を1μmとした以外、実施例5と同様の方法で離型フィルム6(サンプル)を作製した。
[実施例7]
次のように調製した3次元構造形成用組成物を用いると共に、40℃で加熱乾燥させて凹凸層を形成した以外は、実施例2と同様にして離型フィルム7(サンプル)を作製した。
すなわち、凹凸層の形成に用いる塗布液として、成分Aとしてのジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(質量平均分子量(Mw):578、SP値:10.4)50質量部、成分Bとしてのポリプロピレン(出光興産社製「S400」、質量平均分子量(Mw):45,000(カタログ値)、SP値:8.2、Tg:50℃)50質量部および光架橋開始剤(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン)3質量部を含む混合物を、溶剤Xとしてのシクロヘキサン、トルエンと溶剤Yとしてのメトキシプロパノールとを49:49:2の質量割合で配合して得た混合溶媒(溶剤Z)に溶解させて、前記混合物濃度が15質量%である3次元構造形成用組成物を調製した。
溶剤Xとしてのシクロヘキサン、トルエンは、成分A及びBを溶解することができる溶剤であり、その沸点はそれぞれ81℃、111℃であった。
他方、溶剤Yとしてのメトキシプロパノールは、成分A及びBのうち成分Aのみを溶解することができる溶剤であり、その沸点は120℃であった。
[実施例8]
次のように調製した3次元構造形成用組成物を用いると共に、50℃で加熱乾燥させて凹凸層を形成した以外は、実施例7と同様にして離型フィルム8(サンプル)を作製した。
すなわち、凹凸層の形成に用いる塗布液として、成分Aとしてのウレタンアクリレート(新中村化学工業社製「商品名:U-15HA」、質量平均分子量(Mw):2205、SP値:11.2)50質量部、成分Bとしてのポリプロピレン(出光興産社製「S400」、質量平均分子量(Mw):45,000(カタログ値)、SP値:8.2、Tg:50℃)50質量部および光架橋開始剤(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン)3質量部を含む混合物を、溶剤Xとしてのシクロヘキサン、トルエンと溶剤Yとしてのメトキシプロパノールとを49:49:2の質量割合で配合して得た混合溶媒(溶剤Z)に溶解させて、前記混合物濃度が15質量%である3次元構造形成用組成物を調製した。
[実施例9]
次のように調製した3次元構造形成用組成物を用いると共に、50℃で加熱乾燥させて凹凸層を形成した以外は、実施例7と同様にして離型フィルム9(サンプル)を作製した。
すなわち、凹凸層の形成に用いる塗布液として、成分Aとしてのアクリル系ポリマーA1(質量平均分子量(Mw):20,000、SP値:12.6、Tg:32℃)50質量部、成分Bとしての水添末端アクリレートポリブタジエン(日本曹達社製「TEAI-1000」、質量平均分子量(Mw):2,000(カタログ値)、SP値:9.9、Tg:-14℃(カタログ値))25質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(質量平均分子量(Mw):578、SP値:10.4)25質量部および光架橋開始剤(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン)5質量部を含む混合物を、溶剤Xとしてのシクロヘキサンとトルエンとメチルエチルケトン、溶剤Yとしてのメトキシプロパノールとn-ブタノールを6:25:32:31:6の質量割合で配合して得た混合溶媒に溶解させて、前混合物濃度が15質量%である3次元構造形成用組成物を調製した。
[比較例1]
実施例1で用いた前記基材フィルムとしてのポリエステルフィルムの表面に、凹凸層を形成することなく、実施例1と同様に離型層を設けた以外は、実施例1と同様にして離型フィルム10(サンプル)を作製した。
[比較例2]
ポリエチレンがラミネートされており、最大高低差が8.2μm、凸部幅が40μm、ピッチが310μm周期で、凸部が格子状の形状を有し、表面にシリコーン剥離層が設けられている離型紙を用いた。
Figure 0007200475000001
(考察)
上記実施例・比較例の結果並びに本発明者がこれまで行ってきた試験結果などから、所定の成分A及び成分Bを、成分A及び成分Bに対して良溶媒である溶剤Xと、成分Aに対して良溶媒(すなわちこれらに対して共溶媒)であり、成分Bに対しては貧溶媒であり、かつ沸点が溶剤Xよりも高い溶剤Yとの混合溶剤Zに加えて溶かして3次元構造形成用組成物を調製し、この3次元構造形成用組成物を基材の表面に塗布し、加熱して溶剤Xを溶剤Yよりも優先させて揮発させて、溶剤Yに溶け難い成分Bを析出させて凸部を形成するようにすれば、不規則形状からなる凹凸構造を表面に備えた3次元構造を自己形成することができ、しかも、成分A、成分B、溶剤X及びYの材料の選択や配合量を調整することにより、前記凹凸構造における凹凸の深さを適宜調整することができることが分かった。

Claims (9)

  1. ポリマー又はオリゴマーからなる互いに非相溶な成分A及びBは、成分Bの溶解性パラメーター(SP(B))が成分Aの溶解性パラメーター(SP(A))よりも0.01以上低く、以下を満たす溶剤X及び溶剤Yを含有し、溶剤Xと溶剤Yを54:46~99.9:0.1の質量割合で配合した混合溶剤Zに溶解又は懸濁分散してなる3次元構造形成用組成物。
    溶剤X:成分A及び成分Bに対して良溶媒である。
    溶剤Y:成分Aに対して良溶媒であるが、成分Bに対して不溶性又は膨潤する。
    溶剤Xの沸点よりも溶剤Yの沸点の方が2℃以上高い。
  2. 前記成分A及びBに加えてさらに架橋開始剤Cが混合溶剤Zに溶解又は懸濁分散しており、前記溶剤Xは架橋開始剤Cを溶解し、前記溶剤Yは架橋開始剤Cを溶解することを特徴とする、請求項1に記載の3次元構造形成用組成物。
  3. 前記成分AのSP値(A)は8~21であり、成分BのSP値(B)は7~20であり、且つ、前記SP値(A)-前記SP値(B)=0.01~10であることを特徴とする請求項1又は2に記載の3次元構造形成用組成物。
  4. 前記成分Aの質量平均分子量(Mw)は300~300,000であり、前記成分Bの質量平均分子量(Mw)は、前記成分Aの質量平均分子量(Mw)より1000以上大きく、且つ、1300~400,000であることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の3次元構造形成用組成物。
  5. 請求項1~の何れかに記載の3次元構造形成用組成物の硬化物。
  6. 請求項1~の何れかに記載の3次元構造形成用組成物の硬化物を備えた成形体。
  7. 請求項1~の何れかに記載の3次元構造形成用組成物の硬化物を備えた積層体。
  8. 請求項1~の何れかに記載の3次元構造形成用組成物を基材の表面に塗布し、加熱して溶剤Yよりも先に溶剤Xを揮発させ、溶剤Yに溶け難い成分Bを析出させて凸部を形成することを特徴とする、3次元構造形成方法。
  9. 溶剤Xを揮発させて凸部を形成した後、架橋開始剤Cを励起させて架橋反応させて前記凸部を硬化させることを特徴とする、請求項に記載の3次元構造形成方法。
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